ミランが新10番ディアスのゴールでウノゼロ勝利! 吉田麻也フル出場の新生サンプは善戦も開幕白星ならず…《セリエA》
2021.08.24 05:59 Tue
セリエA開幕節、サンプドリアvsミランが23日にルイジ・フェラリスで行われ、アウェイのミランが0-1で勝利した。なお、サンプドリアのDF吉田麻也は先発フル出場した。
昨シーズンのセリエAをインテルに次ぐ2位でフィニッシュしたミラン。守護神ドンナルンマ、司令塔チャルハノールと2人の主力が流出した中、今夏の移籍市場では新守護神メニャン、両サイドバックにフロレンツィ、バロ=トゥーレ、ジルーといった新戦力を獲得した。
注目のメンバーではイブラヒモビッチ、ケシエが負傷によって欠場となったが、メニャン、ジルーの新戦力2選手を除きケアーやカラブリア、テオ、トナーリなど昨季の主力がスタメンに名を連ねた。
一方、昨季を9位でフィニッシュしたサンプドリアは、ラニエリ監督の退任に伴い、前パルマ指揮官のダヴェルサ監督を招へい。難敵相手の初陣では吉田がクアリアレッラやダムスゴーアと共にスタメンを飾った。
立ち上がりはホームのサンプドリアが前線からの積極的なプレスで相手を押し込む入りを見せる。開始5分にはセットプレーの場面でガッビアーディーニの正確なクロスをゴール前のクアリアレッラが頭で合わすが、これは枠の左に外れる。
互いに一度ずつ決定機を作り合った中、ミランの新10番が早速仕事を果たす。9分、再びメニャンのロングキックが相手陣内の右サイド深くに向かうと、軽率な対応を見せたDFアウジェッロからボールを奪ったカラブリアがゴールライン際まで運んで丁寧なマイナスのクロス。これをボックス中央に走り込んだブラヒム・ディアスが右足ダイレクトで合わせると、コースは甘かったものの、GKアウデーロがボールをはじき出せず、ゴールネットに吸い込まれた。
良い入りを見せながらもミス絡みで失点したサンプドリアはすぐさま反撃。ユーロ2020での活躍が記憶に新しいダムスゴーアが再三の鋭い仕掛けでミランの守備陣に揺さぶりをかけると、周囲の選手も積極的に足を振っていく。17分にはボックス手前の好位置で得たFKの場面で名手ガッビアーディーニが強烈なシュートを枠に飛ばすが、これはGKメニャンが何とか触ったボールがクロスバーを叩いた。
以降はダムスゴーア、ディアスとボールを運べる選手を起点に攻め合うオープンな展開に。26分にはミランがセットプレーの二次攻撃からボックス手前のテオが強烈なシュートを枠の右隅に飛ばす。これはGKアウデーロのファインセーブに遭い、こぼれ球に反応したクルニッチのシュートも枠の右に外れた。
前半終盤にかけても一進一退の攻防が繰り広げられるが、要所を締めるミランがホームチームの反撃を凌ぎ切ってハーフタイムを迎えた。
迎えた後半も試合展開に大きな変化はなし。立ち上がりの52分にはボックス右でテオからボールを奪ったガッビアーディーニが角度のないところから右足のシュートを放つが、これはGKメニャンの好守に遭う。
以降は前半同様にホームチームが押し込んで、ミランがカウンターで応戦する構図の下で膠着状態が続く。ミランはトナーリやディアスを起点に幾度か良い形で相手陣内の深い位置までボールを運ぶが、最前線のジルーが吉田とコリーのセンターバックコンビに完全に封じられてしまい、なかなか攻撃に厚みを出せない。
後半半ばを過ぎると、ミランは殊勲のディアス、レオンに替えてベナセルとレビッチを、81分にはサーレマーケルズに替えてミランデビューのフロレンツィをピッチに送り出す。一方、サンプドリアは負傷したガッビアーディーニを下げてヴェッレらを投入していく。
試合終盤に入ると、試合は完全にサンプドリアペースに。相手を完全に自陣深くへ押し込んだホームチームはシンプルなサイドからのクロス、セットプレーでゴールをこじ開けにかかる。85分にはゴール前で競り勝った吉田に決定機もヘディングシュートは枠の上に外れる。さらに、カンドレーバの右クロスからヴェッレらに再三のチャンスが訪れるが、これを決め切ることができない。
何とか敵地から勝ち点3を持ち帰りたいミランはカラブリアを下げてロマニョーリを投入し、終盤は5バックでの逃げ切りを図る。試合終了間際にはレビッチに試合を決めるチャンスが訪れたものの、ペナルティアーク付近で放った右足のシュートはわずかに枠の右へ外れた。
それでも、新10番ディアスが挙げた虎の子の1点を守り抜いたミランが新シーズンの開幕戦をウノゼロの勝利で飾った。
昨シーズンのセリエAをインテルに次ぐ2位でフィニッシュしたミラン。守護神ドンナルンマ、司令塔チャルハノールと2人の主力が流出した中、今夏の移籍市場では新守護神メニャン、両サイドバックにフロレンツィ、バロ=トゥーレ、ジルーといった新戦力を獲得した。
注目のメンバーではイブラヒモビッチ、ケシエが負傷によって欠場となったが、メニャン、ジルーの新戦力2選手を除きケアーやカラブリア、テオ、トナーリなど昨季の主力がスタメンに名を連ねた。
立ち上がりはホームのサンプドリアが前線からの積極的なプレスで相手を押し込む入りを見せる。開始5分にはセットプレーの場面でガッビアーディーニの正確なクロスをゴール前のクアリアレッラが頭で合わすが、これは枠の左に外れる。
一方、ミランは直後のプレーでGKメニャンからのロングフィードに反応したレオンがボックス左まで運んで強烈なシュートを放つが、これはGKアウデーロのワンハンドセーブに遭う。
互いに一度ずつ決定機を作り合った中、ミランの新10番が早速仕事を果たす。9分、再びメニャンのロングキックが相手陣内の右サイド深くに向かうと、軽率な対応を見せたDFアウジェッロからボールを奪ったカラブリアがゴールライン際まで運んで丁寧なマイナスのクロス。これをボックス中央に走り込んだブラヒム・ディアスが右足ダイレクトで合わせると、コースは甘かったものの、GKアウデーロがボールをはじき出せず、ゴールネットに吸い込まれた。
良い入りを見せながらもミス絡みで失点したサンプドリアはすぐさま反撃。ユーロ2020での活躍が記憶に新しいダムスゴーアが再三の鋭い仕掛けでミランの守備陣に揺さぶりをかけると、周囲の選手も積極的に足を振っていく。17分にはボックス手前の好位置で得たFKの場面で名手ガッビアーディーニが強烈なシュートを枠に飛ばすが、これはGKメニャンが何とか触ったボールがクロスバーを叩いた。
以降はダムスゴーア、ディアスとボールを運べる選手を起点に攻め合うオープンな展開に。26分にはミランがセットプレーの二次攻撃からボックス手前のテオが強烈なシュートを枠の右隅に飛ばす。これはGKアウデーロのファインセーブに遭い、こぼれ球に反応したクルニッチのシュートも枠の右に外れた。
前半終盤にかけても一進一退の攻防が繰り広げられるが、要所を締めるミランがホームチームの反撃を凌ぎ切ってハーフタイムを迎えた。
迎えた後半も試合展開に大きな変化はなし。立ち上がりの52分にはボックス右でテオからボールを奪ったガッビアーディーニが角度のないところから右足のシュートを放つが、これはGKメニャンの好守に遭う。
以降は前半同様にホームチームが押し込んで、ミランがカウンターで応戦する構図の下で膠着状態が続く。ミランはトナーリやディアスを起点に幾度か良い形で相手陣内の深い位置までボールを運ぶが、最前線のジルーが吉田とコリーのセンターバックコンビに完全に封じられてしまい、なかなか攻撃に厚みを出せない。
後半半ばを過ぎると、ミランは殊勲のディアス、レオンに替えてベナセルとレビッチを、81分にはサーレマーケルズに替えてミランデビューのフロレンツィをピッチに送り出す。一方、サンプドリアは負傷したガッビアーディーニを下げてヴェッレらを投入していく。
試合終盤に入ると、試合は完全にサンプドリアペースに。相手を完全に自陣深くへ押し込んだホームチームはシンプルなサイドからのクロス、セットプレーでゴールをこじ開けにかかる。85分にはゴール前で競り勝った吉田に決定機もヘディングシュートは枠の上に外れる。さらに、カンドレーバの右クロスからヴェッレらに再三のチャンスが訪れるが、これを決め切ることができない。
何とか敵地から勝ち点3を持ち帰りたいミランはカラブリアを下げてロマニョーリを投入し、終盤は5バックでの逃げ切りを図る。試合終了間際にはレビッチに試合を決めるチャンスが訪れたものの、ペナルティアーク付近で放った右足のシュートはわずかに枠の右へ外れた。
それでも、新10番ディアスが挙げた虎の子の1点を守り抜いたミランが新シーズンの開幕戦をウノゼロの勝利で飾った。
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