シーズンは終わっていなかった…/原ゆみこのマドリッド

2021.06.02 23:15 Wed
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「またZoom会見なんだ」そんな風に私がガッカリしていたのは火曜日、ジダン監督の後任がアンチェロッティ監督(昨季はエバートンを指揮)に決まったというレアル・マドリーからのメイルを読んだ時のことでした。いやあ、先週から筆頭候補がアッレグリ監督(ユベントスに復帰)、コンテ監督(インテルを退団)、ポチェッティーノ監督(現PSG)とコロコロ変わり、2013-15年にチームを率いた彼の名前が挙がったのはそれこそ、火曜の朝だったんですけどね。前日にはカンプ・ノウでアグエロ(マンチェスター・シティとの契約が満了)の入団プレゼンがマスコミ在席で行われていたため、そろそろマドリーのイベントもコロナ前のように現場で見られるようになるんじゃないかと期待したんですが、まあ、そうですよね。だってえ、サンティアゴ・ベルナベウは昨年から始まった全面改装の真っ只中で、来季は一応、9月ぐらいから試合に使えるようにするようですが、完成は2022年夏の予定。今はミュージアムぐらいしか残っておらず、簡易ステージを設けるスタンドすらありませんからね。3年契約を結んだアンチェロッティ監督がbufanda(ブファンダ/マフラー)を掲げてポーズするピッチもないとなれば、会見がバルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場で行われるのも頷けますが、何せ、あそこは車を持っていない者にとってはメトロの最寄り駅から徒歩30分と、不便極まりない立地。

おまけにスペイン各メディアのマドリー番記者はスペイン代表番を兼ねていることが多いため、それこそ、前回、2017-18シーズン終了後にジダン監督が電撃辞任した日など、W杯前合宿が始まっていたラス・ロサス(マドリッド近郊)のサッカー協会施設で皆、右往左往していたものですが、ネット経由で質問できるとなれば、移動の手間が省けるだけ、むしろ親切と言っていい?

ついでに言えば、もうマドリーの試合はなく、まだ6月末に切れる契約の延長もしていないにも関わらず、ユーロに参加するスペイン代表にも招集されない原因となったケガのリハビリにセルヒオ・ラモスはいまだに毎日、バルデベバスに通勤。アンチェロッティ監督も直接、顔を見て、2013-14シーズンのCL決勝後半ロスタイムに殊勲の同点ゴールを決め、最後は延長戦でお隣さんを破って、栄えあるDecima(デシマ/10回目のCL優勝のこと)をクラブにもたらした英雄と将来の見通しについて話し合えるのもいいかもしれませんよね。

え、それより月曜にはジダン監督のお別れの手紙というか、契約を1年残して、辞任した理由を説明する書簡をAS(スポーツ紙)が掲載して、結構、騒ぎになっていなかったかって?そうですね、「Me voy, pero no me tiro del barco y no estoy cansado de entrenar/メ・ボイ、ペロ・ノー・メ・ティロ・デル・バルコ・イ・ノー・エストイ・カンサードー・デ・エントレナル(自分は出て行くが、船を下りた訳じゃないし、監督をするのに疲れた訳でもない)」という彼は、その理由をここ数カ月、中長期的にチームを成長させるための信頼や支持が欠けていたせいと、クラブとペレス会長を告発。

とりわけ、昨年の冬、CLグループリーグ敗退の危機や首位アトレティコとの距離がどんどん開いていった頃、次の試合で負けたらクビみたいな噂が、意図的にクラブ内の誰かによって流されたことに心を痛めていたようですが、うーん。似たような話はいつぞや、バルトメウ会長のいた頃、バルサのピケなどからも聞いたような気がしないでもなし。とにかくビッグクラブは内部関係が複雑で、もちろん、アンチェロッティ監督みたいなベテランになると、酸いも甘いもわかっていると思いますが、何せ、延べ60人に及ぶ負傷禍のせいもあったものの、シーズン終盤は30代のベテランたちとRMカスティージャ(マドリーの下部チーム)の助っ人頼りになってしまった昨季を反省して、この夏はチームの人事刷新もしないといけませんからね。

一応、移籍金1憶ユーロ(約134億円)のギャラクティコとして入団して2年、ケガ続きで、チェルシー時代の実力を発揮できなかったアザールなど、現在、参加中のベルギー代表合宿から、「マドリーからは出て行かないよ。あと3年、契約があるし、自分が100%になれば、沢山、チームに貢献できる」と残留をアピールしていましたが、どうやら、リーガ最終節を欠場した太ももの痛みはまだ消えていないよう。6月1日に発売となった新ユニフォームのビデオでモデル出演していたマルセロ、アセンシオらも先行きはわかりませんしね。補強選手第1弾としては金曜にDFアラバ(バイエルンとの契約が満了)との5年契約が発表されましたが、入団プレゼンはユーロの後。何にしろ、このオフシーズンはマドリーの動きに注意していた方が良さそうです。

え、同じ監督交代組でもマドリッドの弟分、ヘタフェはミチェル新監督のプレゼンを月曜にコリセウム・アルフォンソ・ペレスのプレスルームにマスコミを入れてやったんだろうって?その通りで、私も10年ぶりの復帰とあって、つい駆けつけてしまったんですけどね。嬉しかったのは、同席したアンヘル・トーレス会長も「Míchel es de los que juega con la cabeza/ミチェル・エス・デ・ロス・ケ・グエガ・コン・ラ・カベッサ(ミチェルは頭を使ってプレーする監督)。ウチには2つのモデルがあって、どちらも有効だった。キケ・サンチェス・フローレス、ラウドルップ、シュスター、ミチェルは頭を使うタイプ。もう1つの足を使うタイプの監督はチームを5位に導いた(ボルダラス監督のこと)」と言っていたように、来季は昔のようにいいプレーをするヘタフェが見られそうなこと。

ただ、クラブ2度目のEL出場も遂げた第1期の後、セビージャ、オリンピアコス、オリンピック・マルセイユ、マラガ、UNAMプーマス(メキシコ)などで経験を積み、「Soy mucho más entrenador ahora que antes/ソイ・ムーチョ・マス・エントレナドール・アオラ・ケ・アンテス(今の自分は前より、もっといい監督になっている)」というミチェル監督の下で再び、久保建英選手やアレニャのレンタル移籍が叶うかは今のところ、まだ不明。「A mí me gustan los buenos jugadores/ア・ミー・メ・グスタン・ロス・ブエノス・フガドーレス(私はいい選手が好きだ)が、補強はクラブ次第」と当人も言っていたように、こればっかりは貸し出し元のクラブや選手の都合もあるため、かなり夏も深まってからでないとわからないかと。

その他、昨季の主力16~17名は原則的に契約破棄金額を積まれない限り、放出するつもりはないとアンヘル・トーレス会長は話していたんですが、翌火曜には契約満了だったFWアンヘルが延長のオファーを蹴って、退団を発表。彼ももう34才とはいえ、昨季は39才のホルヘ・モリーナがグラナダに移籍してEL、コパ・デル・レイ、リーガと大車輪の活躍。15ゴールも挙げていますし、次のクラブでもまだまだ頑張れるのでは?ああ、そうそう、ヘタフェも毎年夏の恒例、メンテナンス工事により、ミチェル監督のピッチでのポーズはなしで終わったのはちょっと、兄貴分と似てますでしょうか。

そしてマドリッド南部のお隣さん、先週末、リーガ2部の全節が終わったレガネスについても伝えておくと、彼らは日曜の統一時間帯の試合でサラゴサに0-5と大勝。ケビン・ブア、フアン・ムニョスの2発、ルーベン・パルド、デ・ラ・フエンテがゴールを挙げて、しっかり3位を確保しただけでなく、肉離れでプレーオフ決勝に間に合えば御の字と言われていた柴崎岳選手も途中出場で復帰したという朗報が。ただ、恐れていた通り、プレーオフ準決勝が弟分対決になってしまい、いえ、もちろん、最終節でルーゴに0-1と負けながら、スポルテイング・ヒホンもアルメリアに屈してくれたため、ラージョが6位に留まれたのはラッキーだったんですけどね。

アルコルコンに1-0で負け、第3のマドリッド2部勢の残留を助けたエスパニョール、続く2位で終わったマジョルカに加え、8月半ばから1部でプレーできる枠はあと1つだけ。よって、今更、嘆いても仕方ないんですが、木曜午後9時からのエスタディオ・バジェカスでの1stレグでは、私もラージョを応援すべきか、レガネスを応援すべきか、大いに迷うところかと。ちなみにアシエル・ガリターノ監督のチームは柴崎選手も日本代表に呼ばれなかったとあって、抜けるメンバーはいないんですが、イラオラ監督には正GKディミトリエフスキがユーロに初出場するマケドニアに、アドビンクラもW杯予選でペルーに招集されるという逆境が。

一応、GKの方は3試合前から、ジダン監督の次男、控えのルカが腕慣らしに出場しており、心配はなさそうですが、さて。こちらの2ndレグはブタルケで日曜に開催。決勝はジローナvsアルメリア戦の勝者と13日、20日に戦うことになりますが、アルメリアのクエンカも現在、スペインU21代表に呼ばれていたりと、各国代表選手の多い2部チームは何だか、割を喰っているような。ちなみにハンガリー・スロベニア共催のU21ユーロ、3月開催のグループリーグに続いて、決勝トーナメントに参加しているスペインはモンカジョラ(オサスナ)がコロナ陽性となり、土曜まで全員揃って練習ができなかったハンディキャップにめげず、月曜にはクロアチアを延長戦で2-1を破り、ポルトガルと当たる木曜の準決勝に進出。

殊勲の2ゴールを挙げたプアドなども早々にエスパニョールの1部昇格が決まっていたからいいようなものの、争っている最中でラスト2試合離脱とかいう破目になっていたら、大変でしたけどね。このU21ユーロ、マドリッド勢からはヘタフェのククレジャ、モンカジョラの代わりに追加招集されたRMカスティージャのブランコが加わっているだけですが、先週水曜にEL決勝が終わるやいなや、祝賀行事に加わることせずにビジャレアルのジェレミー・ピノ、フェル・ニーニョも合流。リーガが終わっても止まらない、この過密日程、ちょっと可哀そうですよね。

え、だからコケは月曜から、ラス・ロサスで始まったA代表ユーロ合宿にマイベッドを持ち込んだのかって?いやあ、サッカー協会のメディアセンターで火曜にあった選手記者会見で、リーガ優勝したアトレティコのキャプテンだから何だか、先陣を切った当人によると、自宅で使っているHogo社製の高機能マットレスだと疲れが取れるからだそうですが、実は他にも同僚のマルコス・ジョレンテ、ユベントスにレンタル移籍中のモラタ、ラモスの非招集を受けて、速攻スペイン国籍取りをしたラポール、火曜にはカンプ・ノウで入団プレゼンを終えたエリック・ガルシアのマンチェスター・シティの2人も持ち込むなど、今回のヨーロッパ11都市で広域開催されるユーロのグループリーグ中、スペインはずっと協会の宿泊施設に滞在。

当初、ビルバオ(スペイン北部)のサン・マメスでグループリーグ開催だった予定がセビージャ(同南部)のカルトゥハに代わっただけなので、14日のスウェーデン戦、19日のポーランド戦、23日のスロバキア戦までは前日移動、試合後帰京を繰り返すため、ラス・ロサスにいる時間が長いのは確かですけどね。普通のユーロやW杯なら、開催国付近のキャンプ地で合宿するなど、メリハリがつけられるんですが、ユーロ開幕前の足慣らしとしてプレーする金曜午後7時30分(日本時間翌午前2時30分)からの親善試合、ポルトガル戦もワンダ・メトロポリターノとなると、ここはいっそ、どっぷりお家気分に浸ってしまおうということ?

ポルトガルにはジョアン・フェリックスもいるとあって、今回はマドリッド当局がキャパ30%程度の有観客を許可、2万人分のチケットが代表オフィシャルウェグで売り出されたため、つい私も買ってしまったんですけどね。日本のクレジットカードが使えず、あたふたしているうちにタイムアウトしてしまうなど、不慣れなせいでドタバタしたのはともかく、値段が35ユーロ(約5000円)から60ユーロ(約8000円)と通常の代表戦に比べ、かなりの高額設定だったのはやっぱり、人数が少なくても同じ入場料収入を協会が得たかったからでしょうか。

その一方で月曜夕方に16人で練習を始めた代表には、火曜にEL王者ビジャレアルのジェラール・モレノ、パウ・トーレス、同敗者、マンチェスター・ユナイテッド11人目キッカーとして決められず、PK戦で涙したGKデ・ヘアも到着。水曜にはCL決勝組、先週末にはポルトでキャプテンとしてトロフィーを掲げたチェルシーのアスピリクエタ、ベンチでマンチェスター・シティがまるで16強対決のアトレティコのように、もしくは準決勝のマドリーのように、トゥヘル監督自慢の鉄壁の守備を崩せず、ハバーツのゴールで0-1と負けてしまうのを揃って見守るしかなかったロドリ、フェラン・トーレス、ラポール、エリック・ガルシアも合流しますが、ホント、代表って、昨日の敵は今日の友という言葉がピッタリですよね。

【マドリッド通信員】 原ゆみこ
南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している
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リーガ開幕まで2週間を切った…/原ゆみこのマドリッド

「これで最後の選手が帰って来るわね」そんな風に私が頷いていたのは月曜日、前夜にあったゴールドカップ決勝でメキシコがアメリカに1-0で負けたと知った時のことでした。いやあ、別にこのところ、マハダオンダ(マドリッド近郊)のアトレティコ練習場にセッションを見に行っても半分以上がカンテラーノ(アトレティコBの選手)。馴染みの顔が少なくて寂しかった訳じゃないんですけどね。昨季のリーガ終了後、各国代表に招集され、夏の国際大会に参加していた選手たちは五月雨式に戻るため、全員揃うのは今週になってから。 ようやく月曜にはバケーション延長のおまけがあったルイス・スアレス、コパ・アメリカのアルゼンチンで優勝メンバーとなったコレア、同ブラジルで準優勝だったロディ、ユーロ2020のイングランドで準優勝したトリピアー、オリンピックのアルゼンチン代表でグループ敗退したネウエン(昨季はグラナダにレンタル)も合流し、あとはメキシコ代表のエレーラだけだったんですが、リーガとの2冠優勝を達成したのは、意外にも代表で出場機会の一番少なかったコレアだけというのはちょっと皮肉だったかも。 まあ、そんなことはともかく、先週末の土曜は稀に見る試合ラッシュだったんですが、一応、順番に話していくことにすると、まずは午前10時からのスペイン・オリンピック代表の準々決勝、コートジボワール戦でスタート。これがまた、序盤からトラブルに見舞われ、うーん、前日までは皆、グループ初戦に足首をネンザしたセバージョス(昨季はレアル・マドリーからアーセナルにレンタル)がいつ、奇跡の復活を遂げるのかしか、気にしていなかったんですけどね。同じ試合でハムストリングを痛めていたミンゲサ(バルサ)はすぐに回復したようだったので、デ・ラ・フエンテ監督も累積警告で出場停止だったオスカル・ヒル(エスパニョール)の代理として、右SBで先発させたんですが、その当人がたったの8分でケガを再発させてしまったから、さあ大変! しかも間の悪いことにまだ、バジェホ(昨季はマドリーからグラナダにレンタル)が入る前、ピッチに10人しかいない時にCKから、バイリー(マンチェスター・ユナイテッド)に先制点を決められてしまったとなれば、泣きっ面に蜂とはまさにこのことですが、大丈夫。相変わらず、チャンスをムダにすることが多いスペインでしたが、30分にはシンゴ(トリノ)がGKに戻したボールをいいところにいたダニ・オルモ(ライプツィヒ)が押し込んで、ハーフタイム前に1-1の同点に。後半もアセンシオ(マドリー)のシュートはバーに嫌われるわ、オジャルサバル(レアル・ソシエダ)も絶好機にセーブされてしまうわという有り様だったため、これはユーロ2020のA代表同様、決勝トーナメント入り早々、延長戦になるのかと私も覚悟を決めていたところ…。 ロスタイムに入って1分、グラデル(シバススポル)に勝ち越しゴールを奪われてしまうとは!残り時間も少なかったですしね。このままスペインのオリンピックは終わってしまうのかと、私も茫然としていたんですが、失点直後に「Estábamos calentando y sabíamos que íbamos a entrar en la prórroga/エスタバモス・カレンタンドー・イ・サビアモス・ケ・イバモス・ア・エントラール・エン・ラ・プロロガ(ボクらはアップしていて、延長戦にピッチに入るのはわかっていた)」というラファ・ミール(昨季はウォルバーハンプトンからウエスカにレンタル)が前倒しで緊急出場。その1分後には、「絶対、チャンスは来ると思っていた。そしたら、te cae el balón, marcas y cambia todo/テ・カエ・エル・バロン、マルカス・イ・カンビア・トードー(ボールが自分のところに落ちてきて、ゴールを入れて全てが変わった)」と本人も説明していたように、敵DF陣がゴール前でクリアできないのを幸いとばかり、同点弾を決めているんですから、ビックリじゃないですか。 スペインのツキは延長戦でも続き、いえまあ、終了直前に追いつかれ、免れたと思っていた追加30分をプレーする破目になったコートジボワールの選手たちの落胆ぶりは、2014年のCL決勝ロスタイム3分にセルヒオ・ラモスが同点ゴール。延長戦でベイル(昨季はマドリーからトッテナムにレンタル)、マルセロ、クリスチアーノ・ロナウド(現ユベントス)CKに3発浴び、お隣さんにDecima(デシマ/10回目のCL優勝)を献上したアトレティコを思い出すと、容易に想像できますけどね。この延長戦でも前半、パウ・トーレス(ビジャレアル)とハイボールを争ったバイリーがハンドを取られ、8分にはオジャルサバルのPKでスペインが見事勝ち越し。 これで本当に相手も力尽きてしまったか、延長戦終了間際にはラファ・ミールが更に2ゴールを挙げ、何とハットトリックを達成しちゃったんですよ。もうこうなると、ずっとスタメンでCFを置かず、オジャルサバルをfalso nueve(ファルソ・ヌエベ/シャドーCF)として使っていたデ・ラ・フエンテ監督も考えを改めた方がいい?おかげで最後は5-2の大勝となり、翌日には胸を張って、東京に戻ったスペインでしたが、この先はもう、火曜午後1時(日本時間午後8時)から、埼玉スタジアムでの準決勝日本戦。その後が3位決定戦なら、金曜にまた埼玉で、決勝なら、土曜に横浜国際でプレーですから、選手村から動くこともないですからね。 日本もニュージーランドとの準々決勝で延長戦、加えてPK戦までもつれ込み、4-2で勝利を挙げているだけに疲れ具合はあまり変わらないかもしれませんが、気になるのはオリンピック開催前に唯一、スペインが戦った親善試合の相手も日本だったこと。この時は前半に久保建英選手(昨季はレアル・マドリーからビジャレアル、ヘタフェにレンタル)のアシストで堂安律選手(PSV)に先制点を取られ、後半、ペドリ(バルサ)の投入により、何とか、カルロス・ソレル(バレンシア)のゴールで1-1に追いついて、引分けることができたんですけどね。 実はその試合でもラファ・ミールは先発しており、ピッチにいた前半、得点することはできなかったんですが、まあ、デ・ラ・フエンテ監督も「日本との親善試合から、コートジボワール戦までにチームはとても良くなっている。Hoy son más veloces y recorren más distancia/オイ・ソン・マス・ベロセス・イ・レコレエン・マス・ディスタンシア(今ではよりスピードがあって、ずっと多くの距離を走る)」と選手たちの成長ぶりを信頼しているようでしたしね。ミンゲサこそ、もう完全にアウトとなってしまったものの、月曜の前日セッションではセバージョスがようやくチーム練習に加われたという朗報もありますし、果たして勝利の女神はどちらに微笑むことになるのでしょうか。 一方、そのスペインの試合と平行して、土曜は同じ時間にヘタフェがラージョと4年ぶりとなるマドリッド1部の弟分ダービーの予行演習を練習場でやっていたんですが、こちらは後半、ニヨムがフラン・ガルシアに乱暴なタックルをしたせいで、tangana(タンガナ/小競り合い)が発生。結果、カテナが退場となり、イラオラ監督のチームは残り時間、1人少なくなったものの、試合はスコアレスドローに終わり、決着はリーガの本番でつけることに。今週は水曜にヘタフェがラ・ロマレダでサラゴサ、ラージョがホセ・ソリージャでバジャドリーと、それぞれ2部相手のプレシーズンマッチがあるんですが、どちらもそろそろ、開幕に向けて、エンジンを温めていかないといけませんよね。 そして夕方6時からは、うーん、兄貴分の場合はまだ、プレーできるトップチームのメンバーが少ないため、見た目はほとんどBチームの試合のようになっているんですが、ドイツでアトレティコがボルフスブルクと対戦。先日のザルツブルク戦と比べると、スタメンに3人だけだったのが今回、コンドグビアとベルサイコ、レマルが加わり、5人になっていたのが進歩と言えるでしょうか。当日移動した後、ホテルで休んでいる間にエルモーソが強烈な腹痛を訴え、病院に行ってしまったためでしょうか、この日のシメオネ監督は右SBのベルサイコをCB3人制の右側に、サウールを左サイドのカリレーロ(長い距離をカバーするSB)に起用。その前半のことでした。38分、ベグホルストに先制点を奪われてしまったのは。 でもカンテラーノ(アトレティコBの選手)たちが後半に意地を見せてくれたんです。そう、21分にサウールのスルーパスから、シメオネ監督の三男、ジュリアーノが放ったシュートはゴール枠に嫌われたものの、その2分後にはリカルドのFKをボルハ・ガルセス(昨季はフエンラブラダにレンタル)がヘッドで決めて同点に。その後はピッチに大人のチームのメンバーがGKゲルビッチとアリアスだけになってしまったため、引き分けでも納得できたんですが、何と40分、今度はボルハのパスに抜け出したリカルドが勝ち越しゴールって、やっぱりトップチームの公式戦出場経験もあるカンテラーノたちは今季3部(実質5部)でプレーするBチームを避けて、上位カテゴリークラブのレンタルオファーをゲットすべく、アピールに余念がない? おかげで1-2と逆転し、このプレシーズン、ヌマンシア(RFEF2部)にPK戦で勝ったのに続いての2勝目を挙げたアトレティコでしたが、とにかくエースのルイス・スアレスがまだいませんからね。チームが遠征に出ていた土曜、マルコス・ジョレンテもコケ、カラスコ、ヒメネスらと共にマハダオンダ(マドリッド近郊)で留守番練習とあって、今季のアトレティコのゴール力がいか程なのかはまだまだ、予想できないんですが、そうそう、現在、スペイン・オリンピック代表で活躍中のラファ・ミールもこの夏、シメオネ監督がマストにしているCF補強候補の1人なのだとか。 当人も「Creo que la forma de jugar que tienen me viene muy bien por mis características/クレオ・ケ・ラ・フォルマ・デ・フガール・ケ・ティエネン・メ・ビエネ・ムイ・ビエン・ポル・ミス・カラクテリスティカス(プレースタイルは自分の個性にとても合っていると思う)」と満更でもなかったんですが、先日、トッテナム移籍が発表されたブライアン・ヒル(昨季はセビージャからエイバルにレンタル)のような例外はあるとはいえ、こちらはオリンピックが終わるまでは動かないよう。そんなアトレティコの次のプレシーズンンマッチは今週水曜、午後8時(日本時間翌午前3時)からのカランサ杯(カディス主催の夏の親善試合)。腹痛が治ったエルモーソも月曜になって、ようやくボルフスブルクから帰って来ましたが、今度はトップチームの選手が7人ぐらい、先発してくれるといいですよね。 え、アトレティコが勝ったのに満足して、勝手に土曜を終わらせたのは大間違い。その後、バルデベバス(バラハス空港の近く)のマドリー練習場で2部の弟分レガネスと、昨季はプレーオフ決勝でイビサに勝てず、あと一歩のところで2部昇格を逃したRMカスティージャ(RFEF1部)の試合がレアル・マドリーTVで生中継されていなかったかって?その通りで、私が気づいた時にはかなり試合が進んでいて、直近のラージョ・マハダオンダ(RFEF1部)戦では途中出場だった柴崎岳選手がスタメンでプレー。身びいきの激しい局のコメンテーターですら、「レガネスで一番いい」と褒める程、躍動していたんですが、残念ながら、彼がピッチにいる間にはゴールは生まれず。 実はRMカスティージャでも後半には2014年に下部組織に加入、いつの間にか、17才になっていたフベニルBの中井卓大選手が入り、こちらもチャンスを作っていたんですが、いやあ、こんなところで日本人対決にお目にかかるとは、まったくもって世界は狭い。何せ、ラウール監督のチームにお呼びがかかるまでになれば、その日もスタンドで観戦していたアンチェロッテイ監督率いるトップチームから、練習に呼ばれる可能性もなきにしろあらず。実際、チュスト、ヒラ、ドトール、アリバスといった辺りのRMカスティージャのメンバーはジダン前監督の下や、この夏のプレシーズンマッチでも起用されていますしね。 となれば、中井選手を、久保選手同様、ベイルが何とか、Brexit(イギリスのEU離脱)以前から契約しているという理由で、お隣さんのトリピアーと一緒に枠外選手にカウントされなくなったとはいえ、ミリトン、ビニシウス、ロドリゴで3人埋まってしまってしまうため、リーガは難しいですけどね。コパ・デル・レイやCLなどで見られる日も意外と近いのかも。ちなみに土日は親善試合もなく、1日練習を休んで、月曜夕方からセッションを再開するトップチームでのニュースは、オドリオソラがこのプレシーズン3人目のコロナ陽性となり、自宅隔離に入ったこと。 月曜に合流するカセミロ、ミリトン、ビニシウスら、コパ・アメリカのブラジル代表組にはまだ早すぎますが、今週は金曜午後6時30分(日本時間翌午前1時30分)から、ミランとオーストリアでのプレシーズンマッチも入っていますしね。カルバハルも負傷続きだった昨季の反省から、まだ個人練習しかしていませんし、ここはまた、ルーカス・バスケスが右SBとして重宝されることになるんでしょうか。 <hr<【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している 2021.08.03 15:30 Tue
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もっとゴールを見られるといいんだけど…/原ゆみこのマドリッド

「最近は結構、すぐ解放されるのね」そんな風に私が驚いていたのは金曜日、丁度、1週間前、コロナ陽性となったベンゼマとコンドグビアがもう、それぞれバルデベバス(バラハス空港の近く)、マハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場に姿を見せたとお昼のニュースで知った時のことでした。いやあ、ほんの2カ月程前、ユーロ2020前のスペインA代表の合宿でブスケツ(バルサ)がPCR検査に引っかかり、ラス・ロサス(マドリッド近郊)のサッカー協会施設から自宅に強制送還された際には、10日間の隔離が必要だったんですけどね。ベンゼマはすでに3度のPCR陰性が出たため、リヨンにある実家を離れ、スペイン入国が叶ったようで、コンドグビアも昨季アトレティコに来る前、バレンシア時代に1度、感染しているせいか、今度はすぐにウィルス量が減少したのだとか。 となれば、この水曜に陽性となったレアル・マドリー唯一の新顔、ダビド・アラバ(バイエルンとの契約を満了して入団)も次のプレシーズンマッチ、8月6日のミラン戦には出場できるようになるんじゃないかと思いますが、何せ今のところ、アンチェロッテイ監督が使えるトップチームのCBはナチョしかいませんからね。そう、契約延長できずにPSGに行ってしまったセルヒオ・ラモスに続き、今週、マンチェスター・ユナイテッドへの移籍が発表されたバランもこの金曜、チームメートにお別れを告げに午前セッションを訪問。コパ・アメリカ準優勝のブラジル代表に参加していたミリトンが戻るのも来週、グラナダへのレンタル移籍を終えたバジェホもオリンピック・スペイン代表で日本滞在中となれば、それまでチュストら、カンテラーノ(RMカスティージャの選手)が頑張って、代役を務めるしかないんですよ。 それ以外にもプレシーズン練習初日から来てはいるものの、まだ昨季の負傷のリハビリをしているメンディ、木曜に2025年までの契約延長が決まったとはいえ、こちらも個人メニューが続いているカルバハル、そしてこの夏こそ、体重8kgオーバーはしてなさそうですが、ユーロのベルギー代表でケガをしたアザールもチーム練習には加わっておらずと、欠けているメンバーがいるマドリーなんですが、まあしばらくは試合もありませんからね。人事異動の方もウーデゴーアが今度こそ、レンタルでない移籍になるかもとか、イスコ、マリアーノは放出要員とかいう話は聞いても、入りの方はPSGのプレシーズン練習に合流したエムバペがポチェッティーノ監督に契約更新はしないと言ったとか、言わないとか。 とにかくあちら側で話が止まっているため、しばらく変化はなさそうですし、今はマドリーから3人の選手が参加しているスペイン代表の試合がどうだったか、お伝えしていくことにすると。水曜に埼玉スタジアムでグループリーグ最終節のアルゼンチン戦を迎えたデ・ラ・フエンテ監督のチームは、うーん、この日はまた前線の3人をオジャルサバル(レアル・ソシエダ)、アセンシオ(マドリー)、ダニ・オルモ(ライプツィヒ)に戻したんですけどね。ゴールがなかなか決まらない流れは変わらず、ペドリ(バルサ)やオジャルサバルがシュートを撃ったものの、前半は両者無得点のまま、ハーフタイムに入ることに。 それでも後半21分にはいいコンビネーションを見せて、アセンシオが右から上げたクロスをオルモが落とすと、ミケル・メリノ(レアル・ソシエダ)がシュートして、とうとう虎の子の1点をゲット。この大会、まだ失点していなかったスペインだけに、あとは上手く逃げ切れればと思ったところ、何せ、相手も決勝トーナメント進出が懸かっていましたからね。他会場でエジプトがオーストラリアに勝っていたせいもあって、42分にはCKからベルモンテ(ラヌース)がヘッドを決め、同点に追いついてきたから、ここはちょっと、デ・ラ・フエンテ監督も焦ったかも。すぐさまメリノ、オスカル・ヒル(エスパニョール)をモンカジョラ(オサスナ)、バジェホに代え、勝ち越し点を狙うアルゼンチンを抑えにかかったところ、そのまま、1-1で引き分けて試合は終了。グループ首位通過できただけでなく、直前に同じ会場でサウジアラビアに1-3と快勝、余裕のスタンド観戦をしていたブラジルと準々決勝で当たらなくて済むことになったのは大きかったかと。 いや、まあ、ここまでの3試合のようにどんなにシュートを沢山撃っても最大1点しか取れないのでは、土曜午前10時(日本時間午後5時)からのコートジボワール戦でもスペインは苦労しそうなんですけどね。ただ、デ・ラ・フエンテ監督によると、「ウチは得点のチャンスを十分、活用していないが、これはもっと精度が上がるまでのプロセス。まだ少ない日数しか練習していないプレシーズン中の選手たちは、そういうところが欠けている」そうなんですが、でもお、実際、チャンスに決めきれていないのはオジャルサバル、オルモ、ペドリら、ユーロ2020から流れてきたメンツの方だったのでは? といっても、もちろん各国リーグのシーズン終了後、ほとんど休みもなしにお国の奉公に駆り出されている選手たちを責める訳にもいかず、いえ、EL決勝マンチェスター・ユナイテッド戦で120分間プレーして、PK戦でも貢献。優勝祝いの酔いも覚めぬうちにA代表の合宿に合流したパウ・トーレス(ビジャレアル)など、24才と若いからでしょうかね。「Para defender la camiseta de tu país uno nunca está cansado/パラ・デフェンデール・ラ・カミセタ・デ・ツ・パイス・ウノ・ヌンカ・エスタ・カンサードー(母国のユニフォームのためなら、疲れることなど決してない)」と言っていましたけどね。それどころか、8月11日開催のUEFAスーパーカップのチェルシー戦にも出たいそうで、え、そしたらいつ、彼はバケーションを取る? もうその週末にはラ・リーガも開幕しますしね。各クラブのファンにしてみれば、所属選手には早く戻って来てもらいたいところでしょうが、オリンピックも長くてあと3試合。こうなったら、丁度、「El equipo está creciendo mucho/エル・エキポ・エスタ・クレシエンドー・ムーチョ(チームはぐんぐん成長していっている)。初戦に比べたら、フィジカル的にも皆の理解度もずっと良くなった。一緒に練習したのが3日間だけだったから、最初は大変だったんだ」とエリック・ガルシア(マンチェスター・シティからバルサに移籍)も言っていた通り、ユーロ組、現U21組、2年前のU21ユーロ優勝組と混在している選手たちがまとまってきたこともありますし、いっそ8月7日の決勝までたどり着いて、優勝を狙うのもいいかもしれませんね。 ちなみに準々決勝では、アルゼンチン戦で累積警告となった右SBオスカル・ヒルに代わって、エジプト戦でのケガが治ったミンゲサ(バルサ)が出場する予定。足首ネンザのセバージョス(昨季はマドリーからアーセナルにレンタル)の方も奇跡的に木曜はボールを蹴れるぐらい回復していたんですが、仙台スタジアムでの前日練習では感触が良くなかったため、宮城スタジアムのスタンドでチームが準決勝進出を決めてくれるよう、応援に専念するようです。 そしてスペインにいる私にとって、オリンピックは午前中の試合なんですが、このところ、夕方からはプレシーズンマッチが花盛り。以前はマドリーやバルサ、アトレティコぐらいしか、TV中継はなかったものの、嬉しいのは去年ぐらいから、YouTubeでライブ配信してくれるチームが増えたことでしょうか。おかげでアトレティコのザルツブルク戦と重なるため、観戦には行かなかった2部の弟分、レガネスがシュダッド・デポルティーバ・ブタルケで行ったラージョ・マハダオンダ(RFEF1部、ラージョ・バジェカーノとは関係ない)との試合も見ることができたんですが、ちょっと今の時期は暑そうな感じですかね。その日、初めてお目見えしたpepino(ペピーノ/キュウリ)の濃いグリーンをモチーフにした第2ユニは。 これもレガネスの愛称がpepinero(ペピネーロ)だからなんですが、焼けるような夕日が照りつける中で行われた試合の方はアシエル・ガリターノ監督のチームがカテゴリーの差を示し、前半早い時間にサビン・メリーノ、ファン・ムニョスのゴールで2点を先行。24分には1点を返されたものの、柴崎岳選手も交代出場した後半途中以降もスコアは変わらず、そのまま2-1で勝利することに。昨季は昇格プレーオフ準決勝で同じマドリッド勢のラージョに負け、最短1部Uターンを逃した彼らですが、戦力補強も着々と進んでいるようですしね。今季はまた、ブタルケにファンを迎えることができるのを励みに精進を続けてくれるといいですね。 そしてアトレティコの方はまた、スタメンのトップチームウメンバーがGKオブラク、サウール、エルモーソの3人だけ。あとはカンテラーノ(アトレティコBの選手)ばかりという陣容だったんですが、やっぱり難しいですよね。先日のヌマンシア(RFEF2部)こそ、何とかPK戦で勝ったとはいえ、この日の相手は昨季のCLグループリーグでも対戦している実力派チーム。しかもオーストリア・ブンデスリーガは先週末に開幕しているとあって、準備もずっと進んでいるとなれば、前半34分にカウンターから、アデイエミに決められた1点を返せず、1-0で負けてしまっても仕方なかった? いえ、後半10分にはシメオネ監督の三男、18才のジュリアーノが見事なゴールを決め、一時は同点になったかに見えたんですけどね。アシストしたBチームの先輩、カメージョがトラップの際にボールが手に当たったとハンドを取られ、残念ながら、スコアボードには上がらず。最後は大人のチームの選手がアリアスだけだったことを考えると、それ以上の失点を許さなかった、2部Bから降格して、今季は3部(実質5部)で戦う若い子たちを褒めるべきなんでしょうが、ここに来て、ますます心配になってきた選手が約1名。 それはサウールで、彼はこの2試合、先発しているんですけどね。この夏は当人の希望もあって、今はまだ、イビサ(地中海のリゾートアイランド)でメッシ一家とバケーションを過ごしているルイス・スアレスを補完するFWを獲るため、多額の移籍金をもたらしてくれるはずというクラブの期待が懸かっているにも関わらず、出場すればする程、評価が下がっていくんですよ。 そう、ヌマンシア戦でも同点ゴールを奪われるパスミスをしたのに続き、この日もザルツブルクの先制点は彼のボールロストからと、一応、マジメにはプレーしているんですけどね。金曜午後に私が見学に行った練習でもジュリアーノを始め、カンテラの後輩たちに見本を示していましたが、コロナ明けのコンドグビア以下、遅れて合流したレマル、カラスコ、ヒメネス、ベルサイコ、フェリペ、そして期待の新戦力、ロドリゴ・デ・パウル(ウディネーゼから移籍)らもそろそろ、実戦で足慣らしをしても良さそうになっていましたからね。ザルツブルク遠征前に負傷したマルコス・パウロ(フルミネンセから移籍)と丁度、金曜の朝から、復帰したコケとマルコス・ジョレンテのスペイン代表ユーロ組はまだ個別メニューで姿が見えなかったものの、土曜午後6時(日本時間翌午前1時)からのボルフスブルク戦には、傷口をこれ以上広げないためにもサウールは出ない方がいい? まあ、その辺はシメオネ監督の考え次第ですが、トップチームのメンバーも来週頭にコパ・アメリカ決勝組のコレア、ロディ、ユーロ決勝組のトリッピアー、そしてオリンピックでグループ敗退したアルゼンチン代表のネウエン・ペレス(昨季はグラナダにレンタル)が合流すれば、ほぼ揃い。例外はメキシコ代表キャプテンを務めるエレーラだけで、ゴールドカップ準決勝のカナダ戦、後半ロスタイム9分に2-1での勝利を決めるゴールを挙げた彼は日曜にアメリカとの決勝を済ませてから、戻って来ることになりますが、もうラ・リーガ開幕もあと2週間に迫りましたからね。ファンもそろそろ、8月4日のカランサ杯(カディスが主催する夏の親善試合)や8日のフェイエノールト戦では昨季王者の強さの片鱗を見せてもらいたいんじゃないでしょうか。 そして金曜にはマドリッドの弟分親善対決があり、1部のヘタフェが2部のフエンラブラダを残り5分にチェマのゴールで下し、これでプレシーズンマッチ4連勝。丁度、私も彼らの練習を木曜に見学してきたばかりだったんですが、やっぱりボルダラス監督(現バレンシア)から、ミチェル監督に代わって、一番大きな違いはセッションの時間が3時間から、1時間ちょっとに減ったことでしょうか。狭い区画でのミニゲームのような、ボールを扱うメニューも多かったですしね。昨季は兎角、苦労したPKの練習などもちゃんとやっていましたし、何より今はマドリッドの暑さも半端なし。ヘタフェには土曜朝10時から、ラージョとの練習試合も入っているため、今はどの選手も熱中症とケガに気をつけて、リーガ開幕を迎えてくれたらと思います。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している 2021.07.31 15:00 Sat
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そうそう隔離合宿はしていられない…/原ゆみこのマドリッド

そうそう隔離合宿はしていられない…/原ゆみこのマドリッド 「やっぱりハジけちゃってる」そんな風に私が頭を抱えていたのは火曜日、グループリーグ2試合を札幌で終えた後、月曜にオリンピック選手村に入ったスペイン代表のペドリ(バルサ)とダニ・オルモ(ライプツィヒ)が同胞の卓球女子選手たちとピンポンに興じている動画を見つけた時のことでした。いやあ、確かにこの2人は大人のユーロ2020にも参加して、6月の頭から、1カ月以上もラス・ロサス(マドリッド近郊)のサッカー協会施設に缶詰。広い敷地内でキックボードに乗ったり、散歩ぐらいはできたんですが、試合で移動する以外、外食も数回の決起ランチだけ、家族や友人を呼ぶこともできないという、単調な生活を続けていましたからね。 準決勝でイタリアに負けた後には1週間弱のミニバケーションをもらったものの、すぐにオリンピック代表に加わって日本へ移動。入国してからはホテル暮らしが続き、それこそ札幌では1人部屋の自室を出ることすら憚れる雰囲気だったようで、そんな環境が2週間近くも続いていたとなれば、オジャルサバル(レアル・ソシエダ)も「何日もチームは今みたいな状況で上手くやってるけど、cambiar de aires es positivo y vivir una experiencia como lo de la Villa es bueno/カンビアル・デ・アイレス・エス・ポシティボ・イ・ビビール・ウナ・エクスペリエンシア・コモ・ロ・デ・ラ・ビジャ・エス・ブエノ(空気を変えるのはポジティブだよ。選手村みたいな経験をするのもいい)」と言っていたんですけどね。 今度はチームメート数人と一緒のシェアハウス、その上、選手村内は自由に動けるため、チーム外の人たちと交流したくなる気持ちもわかりますが、ちょっと待って。いくらグループリーグ突破に王手をかけたとはいえ、最近は選手、関係者らから、連日のようにコロナ陽性者判明の報告が。チームには22人の選手がいるとはいえ、東京の病院で診察してもらったセバージョス(レアル・マドリーから昨季はアーセナルにレンタル)は重度2の足首ネンザで通常なら、全治3~4週間ですし、ミンゲサ(バルサ)はハムストリングのケガが意外と軽かったとはいえ、グループ3節はちょっと難しい感じですからね。うっかり誰かが感染しようものなら、手痛い戦力ダウンとなるのは必至。 大体がして、コロナなど誰も知らなかった2012年のロンドン・オリンピックでも選手村に泊まったスペイン代表でしたが、開会式の入場行進に参加できたことだけがいい思い出で、グループリーグでは日本、ホンジュラス、モロッコ相手に1勝もできず。最下位敗退するダメダメぶりだった前例もありますからね。唯一、オリンピックで優勝した1992年のバルセロナ大会のチームは準決勝までバレンシアで合宿し、カンプ・ノウでの決勝のため、バルセロナ入りしても選手村には泊まらなかったなどと聞くと、水曜午後1時(日本時間午後8時)からのアルゼンチン戦は会場が埼玉スタジアムですし、別に選手村滞在にこがわることもないような気がしますが…ま、彼らもオリンピックのお祭りムードに少しは浸りたいんでしょうかね。 え、それで日曜のオーストラリア戦ではスコアレスドローだったエジプト戦より、スペインのプレーは進歩していたのかって?いやあ、そうともはっきり言えなくて、デ・ラ・フエンテ監督は初戦のスタメンから、負傷の2人に加え、アセンシオ(マドリー)、ミケル・メリノ(レアル・ソシエダ)、ミランダ(ベティス)をスビメンディ(レアル・ソシエダ)、オスカル・ヒル、プアド(エスパニョール)、ソレル(バレンシア)、ククレジャ(ヘタフェ)に代えてきたんですけどね。やはりゴールがなかなか入らない病は改善しておらず、前半20分にはオジャルサバルのシュートがゴールバーに当たる惜しいシーンもあったものの、0-0のままでハーフタイム入り。後半になると、プアドからブライアン・ヒル(昨季はセビージャからエイバルにレンタル、火曜にトッテナムへの移籍が発表)、ソレルからアセンシオ、オスカル・ヒルからラファ・ミール(昨季はウォルバーハンプトンからウエスカにレンタル)へと、アタッカーを増やしていったんですが、シュートは撃つものの、一向に得点にならないんですから、どうしたものやら。 それこそ、「Generamos mucho juego y ocasiones y evidentemente, nos cuesta hacer gol/ヘネラモス・ムーチョ・フエゴ・イ・オカシオネス・イ・エビデンテメンテ、ノス・クエスタ・アセール・ゴル(沢山、チャンスを作り出すプレーはあったが、明らかにウチはゴールを入れるのに苦労している)」とデ・ラ・フエンテ監督が認めていた通りだったんですが、半分、私もユーロ同様、2試合連続ドロー発進になるのかと諦めかけていた後半36分、とうとう天啓が訪れたんです!まだ、プレシーズンモードで調子が上がっていないかに見えていたアセンシオが右から上げたクロスをオジャルサバルが敵の長身DF2人に挟まれながらヘッド。これがGKグローバー(メルボルン・シティ)を破り、先制点になってくれたから、有難いじゃないですか。 この1点がモノを言って、初勝利を挙げたスペインだったんですが、いやあ、パウ・トーレス(ビジャレアル)など、「porque era imposible que presionaran así los 90 minutos/ポルケ・エラ・インポシーブレ・ケ・プレシオナラン・アシー・ロス・ノベンタ・ミヌートス(90分間、ああいう風にプレスをかけ続けるのは不可能なんだから)、相手がリズムを落とすのはわかっていたよ」と、まるで終盤に得点したのは計算づくだったように言っていたんですけどね。それでもあれだけ攻撃しながら、なかなかゴールにならないのは問題かと思いますが、さて。 これで勝ち点4となり、グループCの首位に立ったスペインは同日、エジプトに1-0で勝って、オーストラリと勝ち点3で並ぶアルゼンチンと引分ければ、決勝トーナメントに進めることになりましたが、この3戦目もデ・ラ・フエンテ監督はスタメンローテーションを予定。ハードな試合が続いていて、間隔も中2日と短いため、フレッシュな選手を投入したいそうですが、ここまで来ると、準々決勝の相手も気になるかと。1位通過なら、グループDの2位、2位通過なら、Dの1位と対戦になるんですが、ただ、あちらもブラジル、コートジボワール、ドイツで熾烈な勝ち抜け争い中。A代表とオリンピック代表では選手が全然、違うチームもあるため、どこが強いとも私には言えないんですが、できれば1位通過で会場が宮城スタジアムとなり、一旦、選手村からスペインが離れてくれた方が安心はできますかね。 そして日曜夜にはこのプレシーズン初となる、マドリーの公開親善試合があったんですが、グラスゴーのアイブロックス・スタジアムは1万3000人が入る盛況。オリンピックの寒々とした無観客試合とは対照的な賑やかさでしたが、レンジャーズの選手たちもそれに勇気づけられたんですかね。開始早々、GKレニンがサカラの危ないシュートをそらしていたりしましたが、意外なことに先制したのは、CBチュストとボランチのブランコ以外、トップチームの選手で固めながら、一方的に攻め込まれていたマドリーの方。ええ、自陣エリア前からのカウンターでウーデゴーアが敵エリア近くまでドリブルで上がり、ロドリゴにパス。一度はシュートをDFに当ててしまった彼でしたが、戻って来たボールをまた蹴ってゴールに入れ、今季、EU外選手枠をはみ出るのは自分ではないとアピールしているのですから、偉いじゃないですか。 ただ、その後も攻めるのはレンジャーズばかりという構図は変わらず、相手の決定力のなさに助かっていた彼らですが、後半10分には昨季末に2年間の契約延長を勝ち取ったルーカス・バスケスが自陣エリア前でボールを奪われるという、先日のアトレティコのサウール並の大ポカを犯してしまったから、さあ大変。サカラに同点ゴールを決められてしまったのはともかく、チュストがケガをして、RMカスティージャの同僚、マリオ・ヒラに代わった後、30分にはナチョが2枚目のイエローカードをもらって退場と、CBコンビに穴が開いたのがマズかったですかね。その2分後にはイッテンに勝ち越しゴールを挙げられただけでなく、相手は3点目も奪おうかという勢いだったんですが、幸い、最初に第4審判が電光ボードで提示したロスタイム4分はアンチェロッティ監督の猛抗議により、30秒に短縮。何とか、2-1の最少得点差負けで終わることができましたっけ。 まあ、この試合はクロース、モドリッチ、新加入のアラバ(バイエルンとの契約を満了して移籍)もプレシーズン練習を始めたばかりとあって、マドリッドでお留守番。ジダン監督から、アンチェロッティ監督に代わり、チームが昨季より強くなったかどうかも判断しようがないんですが、やっぱり心配なのはセルヒオ・ラモス(PSGに移籍)に続いて、火曜にはバランのマンチェスター・ユナイテッド行きが発表された守備陣かと。アラバが来て、コパ・アメリカのブラジル代表で決勝進出したミリトンもいずれ戻って来るとはいえ、ナチョの他はカンテラーノ(RMカスティージャの選手)しかいませんからね。現在、オリンピック参加中のバジェホ(昨季はグラナダにレンタル)で収まればいいんですが、クラブはDFの補強にはお金をかけたくないみたいなんですよ。 おまけに今季は第1キャプテンに昇格したものの、マルセロが往年のレベルを取り戻す気配はまったくなく、メンディも未だに昨季終盤のケガからのリハビリ中とあって、アラバは左SB起用になるかもしれませんしね。この遠征に参加しなかったカルバハルもどこまで回復しているのかわからないため、またルーカス・バスケスが右SBとして重宝されることになる?何にしろ、火曜からはクルトワ、アザール、バルベルデも合流し、だんだんバルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場も人が増えてきたため、次に予定されている8月6日、オーストリアでミランと戦う親善試合ではもっと、マドリーらしいプレーが見られると思いますが…それにしてもリヨンでコロナ陽性になったベンゼマはいつ帰って来られるんでしょうかね。 その一方でマドリッドの弟分たちは、ラ・マンガ(スペイン南東のビーチリゾート)から戻って来たヘタフェが金曜に2部のフエンラブラダと、翌日には1部復帰したラージョと、コロナ陽性者4人発生でタラベラ(RFEF1部/実質3部)との親善試合が中止となり、先週金曜には全選手が1回目のワクチン接種をしたレガネスは水曜にラージョ・マハダオンダ(RFEF1部、ラージョと経営関係はない)と、近場のチーム同士でプレシーズンマッチをするんですが、いよいよ飛行機に乗って遠征に行くのは兄貴分のアトレティコ。ええ、水曜午後7時45分(日本時間翌午前2時45分)から、レッドブル・アレナでザルツブルクと対戦するため、月曜には私もマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場に新顔がないか、確かめに行ったんですが、いましたよ。ヒメネスの姿はPCR検査の結果待ちとかで見えなかったんですが、カラスコ、そしてウディネーゼに3500万ユーロ(約46億円)を払って獲得した期待の27才、MFロドリゴ・デ・パウルが。 実は彼、コレアと一緒にコパ・アメリカのアルゼンチン代表でトロフィーを掲げているんですが、新しいチームに慣れるため、バケーションを1週間返上して早めに合流。早速、ゴム製半球やミニトランポリンの上をバランスを崩さず渡るという、妙なフィジカルトレーニングをさせられていましたが、それからすぐ、カラスコと一緒にチーム練習に加わったため、かなり体調は整っているような。そうそう、2週間前、ロス・アンヘレス・デ・サン・ラファエル(マドリッドから1時間の高原リゾート)のキャンプにチーム訪問した時は松葉杖をついていたジョアン・フェリックスも来ていて、いえ、こちらはまだグラウンドを歩くぐらいのことしかしてないんですけどね。 皆と練習できるのはちょっと先のことになりそうですが、コパ・アメリガが始まってすぐ、ヒザの靭帯を部分断裂、ブラジル代表を離脱していたフェリペも火曜から、チーム練習に合流したそうなので、ザルツブルク戦はともかく、土曜のボルフスブルク戦辺りでは、アトレティコBにトップチームのメンバーが加わるのではなく、トップチームをカンテラーノが補う感じにスタメンも変わるのでは?ちなみに移籍関連の方では、うーん、シメオネ監督も練習を日影に座って見ていたベルタ・スポーツディレクターのところまで来て、「Novedad?/ノベダッド(新しいことは?)」と訊いていたんですが、今のところ、動きはなし。 グリーズマン(バルサ)とのトレード話が止まったままのサウールも連日、マンチェスター・ユナイテッドだ、リバプールだと移籍先を噂されていますが、まだ一緒に練習していますしね。シメオネ監督が補強を要請しているFWに関しては、マキシ・ゴメス(バレンシア)、ラファ・ミールといった名も挙がっているものの、バルサには高額年棒の選手を放出しないと、ラ・リーガのサラリーキャップに引っかかって、メッシの選手登録ができないという究極のジレンマが。アトレティコもその辺を期待して、グリーズマンの叩き売りを待っているんじゃないかっていう気もしなくもないんですが、果たしてどうなるんでしょうかね。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している 2021.07.28 19:20 Wed
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ゴールはしばらくお預けかも…/原ゆみこのマドリッド

「またゲリラ親善だった訳?」そんな風に私が嘆いていたのは土曜日、ほとんど東京オリンピック話題一色だったお昼のスポーツニュースの後、午後4時からのヘタフェのプレシーズンマッチのネットライブ中継を見ようと、いそいそとパソコンでツィッターを開いた時のことでした。いやあ、確かに前日の天気予報ではムルシア(スペイン南東部)に熱中警報が出ていて、ひょっとすると、気温が43℃になるかもしれないと聞いた覚えがあり、海に近いラ・マンガでもその時間にプレーするのは自殺行為かもと思ったもんですけどね。クラブのツィートを見てみると、アトロミトス(ギリシャ)戦はまだ涼しい午前10時にキックオフ、とっくの昔に終わっていたなんて、え、このパターン、初戦のUDイビサ(2部)戦と同じじゃない? まあ、どうやらその日はネット中継もなかったようなので、仕方ないと諦めるしかなかったんですが、幸いながら、金曜にはGOL(ゴル/スペインのスポーツ専門オープン放送局)がアトレティコのこの夏、最初の親善試合を生中継。暑い中、ブルゴ・デ・オスナ(マドリッドから北へ3時間)の市営スタジアムに900人程の観客を入れて、ヌマンシア(RFEF2部/実際は4部)戦が行われたんですが、うーん、昨季の栄えあるリーガ王者のプレーが見られると期待していたファンにはちょっと物足りなかったかも。というのも先発にトップチームのメンバーがGKオブラク、サウール、エルモーソの3人しかおらず、あとはガッツリ、アトレティコBのカンテラーノで固められていたから。 ただ、最初に見せ場を作ったのもその後輩たちで前半3分、右サイドで粘ったジュリアーノが敵をかわしてラストパス。カメージョはこれをスルーしたものの、後ろから駆けつけたソリアーノがシュートして、先制点を取ってしまったから、驚いたの何のって。ええ、実はこの、ジュリアーノという18才のFWはシメオネ監督の三男で昨季途中、フベニルからBチームに昇格。それ以来、何度か、トップチームの練習にも呼ばれ、このプレシーズンキャンプにも最初から参加と急激に成長を遂げているんですが、これはもしかして、長男ジョバンニ(カリアリ/セリエA)、次男ジャンルカ(CDイビサ/RFEF2部)に先んじて、2024年まで契約を延長した父親の下でアトレティコ公式戦デビューの夢を果たすことになるのかも。 え、その後、前半31分に自陣エリア前でヌマンシアの選手にパスを送るという大ポカをやって、デェエゴ・スアレスの同点ゴールを呼び込んだのも三男じゃなかったかって?いやあ、その通りで、ジョナタン(昨季は2部Bのアルコジャーノでプレー)、アーロン(同ヌシア)ら、ニゲス3兄弟の中で一番の出世株であるサウールがその張本人なんですが、コケがまだバケーション中のため、カンテラの後輩を束ねる立場とはいえ、この夏はずっと移籍の噂が絶えませんからね。ロス・アンヘレス・デ・サン・ラファエル(マドリッドから1時間の高原リゾート)でのキャンプ時から、その日の試合の後も声を掛けてくるファンたちは、「Quedate, Saul/ケダテ、サウール(残って)」と訴えているんですが、グリーズマン(バルサ)とのトレード交渉が決裂した現在でも、当人の希望もあって、クラブはいいオファーが来るのを待っている状態なのだとか。 そのまま、1-1で試合を折り返したアトレティコは後半、メンバーを一新。それこそ、16分にフランが負傷交代となり、アリアス(昨季はレバークーゼンにレンタル中にヒザの靭帯断裂)が入るまで、ピッチには控えGKゲルビッチしか、大人のチームの選手はおらず、うーん、シメオネ監督も水曜にマルカとAS(スペインの大手スポーツ紙)に同時掲載となった巻頭インタビューで、「このプレシーズンはよりBチームの選手中心になっている。Les dijimos que alguno puede quedarse si está preparado para ello/レス・ディヒモス・ケ・アルグーノ・プエデ・ケダールセ・シー・エスタ・プレパラードー・パラ・エジョ(準備ができている者は残ることができると、彼らには言ったよ)」と、トップチーム入りの人参をぶら下げていたんですけどね。 25分過ぎにはガソリン切れとなったジュリアーノに代わり、サポンジッチ(昨季後半はカディスにレンタル)の応援も得たんですが、やはり今季は3部、実質5部でプレーする選手たちには荷が重かったか、90分で勝負はつかず。一応、この試合は前会長の出身地で毎年、開催されるヘスス・ヒル杯に当たるため、トロフィーを懸けて、PK戦となったところ、まったくもう、心臓に悪い。先攻のヌマンシアの第1キッカーを見事、GKゲルビッチが止め、アトレティコはサンポンジッチ、ボルハ・ガルセス(昨季はレガネスにレンタル)が責任を果たした後、この夏、入団したマルコ・パウロ(フルミネンセから移籍)が敵GKに止められてしまう始末。 何せ、2016年のCL決勝や2年前のスペイン・スーパーカップ決勝など、お隣さんとのPK戦でいい思い出がないアトレティコですからね。せっかくヌマンシアの第4キッカーが枠外に飛ばしながら、リケルメ(昨季はボーンマスにレンタル)が弾かれた時には万事休すかと思いましたが、意外や意外。アリアスも第5キッカーとして、トップチーム選手の矜恃を見せた後、ヌマンシアの第7キッカーをゲルビッチが防ぎ、大先輩オブラクに唯一、欠けているPK戦での強さを披露してくれたおかげで、最後にカムスが決めたアトレティコが4-5で勝利することに。いやあ、この夏はクロアチア代表のユーロに呼ばれなかった彼もずっとベンチを温めていることに飽きて、他のチームで修行したいとレンタル希望を出しているそうなんですけどね。試合後半にはいいセーブも何度かしていましたし、今季こそ、初戦敗退さえしなければ、コパ・デル・レイ要員として、大きく貢献できるはずですが、こればっかりはねえ。 ちなみにこの試合であったネガティブなことは、コンドグビアのコロナ陽性発覚。それも当日、マドリッドを発つ前に全員が受けた抗原検査では陰性だったにも関わらず、たまたま当人がこの週末、練習が休みになるのを利用して国外に旅行するため、余分に受けたPCR検査の結果が現地に着いてからわかるという流れで、もちろん、彼は速攻、強制送還で自宅隔離になったんですが、これってもしや、一緒のバスに乗っていたチームメートは濃厚接触者にならない?このプレシーズン、アトレティコで陽性者が出たのは練習初日のマヌ・サンチェス(昨季後半はオサスナにレンタル)だけで、彼もやっと陰性に。木曜からチームに合流したベルサイコ、レマルと共にこの2日間、マハダオンダ(マドリッド近郊)でお留守番練習をしているんですが、来週は水曜にザルツブルク戦、土曜にボルフスブルク戦と遠征親善試合が続きますからね。 週明けにはカラスコ、ヒメネス、そしてジョアン・フェリックスも手術した足首のリハビリに戻って来ますが、今はただ、コロナ陽性選手が増えないことを祈るばかりかと。加えて、まだシメオネ監督が「Necesitamos un delantero. Vendrá otro si no viene/ネセシタモス・ウン・デランテーロ。ベンドラ・オトロ・シー・ノー・ビエネ(ウチにはFWが必要だ。来ないなら、他のが来るだろう)」とグルーズマンの復帰が叶ずとも、補強はあることを打ち明けていたゴールゲッターはまだ到着しておらず。ルイス・スアレスも特別延長休暇をもらい、コレア、ロディ、トリッピアーら、国際大会決勝組と一緒の8月2日まで合流しないため、このプレシーズンはあまり、アトレティコのゴール祭りは期待できそうにありませんが、8月15日のリーガ開幕セルタ戦で見せてくれれば、別に構いませんよね。 そして最初にお話ししたヘタフェはアトロミトス戦でもエネス・ウナルの2ゴールに加え、またしてもティモルが直接FKを決め、3-0で快勝。これでイビサ戦、スタッド・レンヌ戦から3連勝と、快進撃が始まっているんですが、ラ・マンガでのキャンプもこの日曜で終了となります。帰京後は30日にマドリッド2部の弟分フエンラブラダと、翌日には1部に戻って来たラージョと試合をしてから、8月4日にはミチェル新監督の息子、アドリアンがいるサラゴサ(2部)との対戦も。それを聞いて、最初に彼がヘタフェの監督になったのは当時、在籍したアドリアンの練習をよく見に来ていたのがキッカケだったことを思い出したんですが、となると、またラージョ戦ではGKルカの父親、ジダン前マドリー監督の姿が期待できる? 今のところ、ラージョもマルベジャ(スペイン南部のビーチリゾート)でキャンプ中なんですが、あちらではアル・シャバブ(サウジアラビア)とアンドレス・マルティンの2ゴールで2-2と引分けた後、土曜の午前中にはエスパニョールにアルバロ・ガルシア、カスミの得点で0-2と勝利。1部昇格プレーオフ中はマセドニア代表でユーロに行っていたディミトリエフスキが戻っているため、今季、ジダン監督の次男が活躍できるかどうかはわかりませんが、ピッチに出たエスパニョール戦後半には元ラージョのラウール・デ・トマスのPKを止めるお手柄だったとか。 そしてアンチェロッティ監督が復帰したレアル・マドリーはこの日曜、いよいよバルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場を出て、午後7時(日本時間翌午前2時)から、グラスゴーでレンジャーズとの親善試合に挑むんですが、ええ、フエンラブラダ、ラージョ共、敷地内のグラウンドでの練習試合でしたし、水曜に入団プレゼンしたアラバ(バイエルンとの契約を満了して移籍)もエスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノ(RMカスティージャのホーム)でユニフォームを着て、ポーズしていましたからね。当人はその翌日から、チーム練習に加わり、金曜に合流したクロース、モドリッチ、ベイル、バランらより、遥かに体調もいいようなので、もしかしたら、アイブロックス・スタジアムでは早速、CB、左SB、ボランチでプレーできるマルチぶりを披露してくれるかもしれません。 ただ、これもPCR検査の結果待ちで、イギリスへは当日移動のため、まだどの選手が遠征に参加するのか、確実には言えないんですが、そう、マドリーにもコロナ陽性者が現れたんですよ。それは同じく金曜に練習を始めるはずだったベンゼマで、リヨンからマドリッドに移動する前の検査で判明。よって、陰性になるまで、フランスを離れられないんですが、ヨビッチは筋肉痛が治ったばかり、マリアーノもずっとジム籠りとあって、もしや、お隣さん同様、FWが足りてない?うーん、マドリーからはオリンピック・スペイン代表にアセンシオが行っているため、今のところ、ルーカス・バスケス、ロドリゴぐらいしかいませんが、金曜はワクチン接種の副反応で熱を出し、練習を休んだイスコぐらいは回復してくれているといいですよね。 え、そのアセンシオと一緒に日本に行っているセバージョス(昨季はマドリーからアーセナルにレンタル)が大変なことになっているんじゃないかって?いやあ、その通りで、彼らは木曜にグループリーグ1節のエジプト戦に挑んだんですけどね。相手の手荒いタックル戦法に見舞われ、前半21分にはミンゲサ(バルサ)がハムストリングを痛めて、早くもバジェホ(同マドリーからグラナダ)に交代。45分にはセバージョスがモンカジョラ(オサスナ)に代わることになったんですが、この件に関しては、「Yo defiendo el VAR, pero bien utilizado/ジョ・デフィエンド・エル・バル、ペロ・ビエン・ウティリサードー(自分はVARを支持するが、上手く使われてこそだ)。最初に言ったことが次の日、ピッチで変わっているのは違う」とデ・ラ・フエンテ監督を始め、スペイン代表から、大いに文句が出ることに。 それも審判がモニターを見に行きながら、違反の選手にイエローカードしか出さなかったせいですが、いや、ホントにねえ。セバージョスの負傷後の足首の写真を見ると、正直、オリンピックの後、マドリーに戻って、アンチェロッティ監督にアピールするどころではないかと。おまけにチームが2節まで滞在する札幌では病院に行かず、月曜に東京に移動、選手村に入ってから、オリンピックのために手配された病院の一般診療がない時間帯に診てもらうって、ちょっとお、あんまりな扱いじゃない? といっても前半はそのセバージョスのシュートがゴールポストに当たったぐらい、後半もラファ・ミール(昨季はウォルバーハンプトンからウエスカにレンタル)のヘッドは敵GKがセーブ、ロスタイムのバジェホのシュートが惜しかったぐらいで、結局、0-0のまま、終わってしまったのは、頂けないですけどね。どうにもアセンシオら、オリンピック招集組はまだプレシーズン感覚、ペドリ(バルサ)、ダニ・オルモ(ライプツィヒ)、オジャルサバル(レアル・ソシエダ)ら、ユーロから連続勤務組は永遠に終わらないシーズンにもう、力が残っていないような気がしましたが、実際のところ、どうなんでしょう。 そんな調子で日曜の12時30分(日本時間午後7時30分)には2節のオーストラリア戦を迎えるため、不安が絶えないんですが、もちろん、ミンゲサとセバージョスは欠場。エジプト戦には痛みで出られなかったスビメンディ(レアル・ソシエダ)が戻って来るのだけが朗報ですが、ダメですよ。大人のスペイン代表も初戦のスウェーデン戦でスコアレスドロー発進。次のポーランド戦でも1-1で引き分けながら、スロバキアに0-5と大勝して、決勝トーナメントに進んでいるのを心のよりどころにしては。何せ、ユーロ2020は3位のほとんどが16強対決に進む、大甘グループリーグでしたからね。2位までしか、準々決勝に進めないオリンピックは一戦、一戦が決勝戦。 それだけでなく、最終節は冷房が効いて、気温19℃の札幌ドームから、埼玉スタジアムに変わるため、暑さにも苦しめられますし…うーん、選手村に入った彼らがオリンピックムードに舞い上がり、2012年ロンドン大会のダメダメぶりをリピートしないか、もしくは最近、拡大中のコロナ陽性者が出ることの方が心配であったりしますが、とにかく今はデ・ラ・フエンテ監督が計画しているらしい、スタメン入れ替えが、初戦でアルゼンチンを破る波乱を起こしたオーストラリアに有効なことを信じるしかありません。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している 2021.07.25 18:00 Sun
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まだ選手たちはあまり戻っていない…/原ゆみこのマドリッド

「とても視聴率は取れそうにない時間帯ね」そんな風に私が溜息をついていたのは火曜日、いよいよ開幕の迫った東京オリンピックのサッカー・スペイン代表グループ初戦のキックオフがいつなのか、チェックしていた時のことでした。いやあ、ユーロ2020の間は夜更かし?超早起き?をしないといけなかった日本にいるサッカーファンに比べれば、エジプト戦が木曜午前9時30分(日本時間午後4時30分)に始まるのなんて、全然、大したことじゃないかもしれないんですけどね。すでに7月も後半に入ったとあって、世間にはバケーション中の人も多いとはいえ、朝っぱらから、バル(スペインの喫茶店兼バー)で盛り上がれるはずもなし。平日でもありますし、せっかく、久々のユーロ準決勝進出で代表を見直したスペイン人ファンも勤務中にこっそり、スマホ観戦とかになるんでしょうか…。 え、いくらルイス・エンリケ監督率いるA代表でユーロを戦ったメンバー、GKウナイ・シモン(アスレティック)を筆頭にペドリ、エリック・ガリシア(バルサ)、ダニ・オルモ(ライプツィヒ)、オジャルサバル(レアル・ソシエダ)、パウ・トーレス(ビジャレアル)ら、6人もの兼任選手がいるとしてもU24代表は別物。スペインが前回、出場した2012年のロンドン・オリンピックもキエフで大人のユーロ2連覇に貢献してきたばかりのジョルディ・アルバ(バルサ)、ファン・マタ(マンチェスター・ユナイテッド)、ハビ・マルティネス(バイエルンを退団してカタールSCに移籍)が参加していたものの、グループリーグで日本、ホンジュラスに連敗し、最後のモロッコにも勝てず、1分け2敗の敗退とダメダメだったんじゃないかって? まあ、そうなんですが、そのチームにはコケやアドリアン(オサスナを退団してフリー)ら、当時はアトレティコ勢も参加していたため、私も応援していたものの、始まる前から、話題はサッカーより、チームがオリンピック選手村に滞在したり、開会式の行進に参加するかしないかといった辺りに集中。お祭り気分に浮かれてすぎて、本業がおろそかになってしまったんじゃないかと思いましたが、今回は初戦、日曜の2試合目、オーストラリア戦と会場が札幌ですし、大体がして、このコロナ禍にバブル合宿を続ける選手たちが、そんなワガママを言える訳もないですからね。 先週末土曜に行われた日本との親善試合などでも立ち上がりこそ、良かったものの、「開始5分でこれまでにないぐらい汗をかいていた」、「Solo pudimos estar bien durante 20 minutos/ソロ・プディモス・エスタル・ビエン・ドゥランテ・ベインテ・ミヌートス(ウチがいい状態でいられたのは20分間だけだった)」と初体験の湿度90%の暑さにデ・フエンテ監督のチームはペースダウン。前半41分には久保建英選手(昨季はレアル・マドリーからのレンタルでビジャレル、ヘタフェでプレー)のラストパスを堂安律選手(PSV)に決められ、先制点を奪われていましたが、それでも後半32分には途中出場のペドリが出したパスをミランダ(ベティス)がエリア内左奥から折り返し、プアド(エスパニョール)のシュートをカルロス・ソレル(バレンシア)が軌道を変えて同点に。 何とか、1-1で引き分けて面目を保つことができましたしね。とりわけ、このオリンピック代表ではアセンシオ、セバージョス(昨季はレンタル移籍してアーセナルでプレー)、バジェホ(同グラナダ)と、A代表には皆無だったレアル・マドリーの選手が3人もいるため、現在、バルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場でプレシーズンのセッションをこなしながら、今季のチーム編成を思案中のアンチェロッティ監督など、大いに注目しているかと。 とりわけ、セルヒオ・ラモスが時間切れで契約延長できずにPSGに河岸を変え、フランス代表でユーロに参加後、近日中にチームに合流する予定になっているバランも来年には契約が満了。クラブの延長オファーに答えず、マンチェスター・ユナイテッドとの移籍交渉がまとまるのを待っていると言われており、昨季のレギュラー2人が抜けるCB陣では、昨季中にまとまったマルチDFのダビド・アラバ(バイエルンとの契約を満了)は水曜に練習場のプレスルームでZoomプレゼンがあって、そのまま、セッションに参加するんですけどね。 ただ、それでもミリトン、ナチョと合わせて、CBの頭数が3人にしかならないため、日本戦は軽い痛みで出場しなかったバジェホが第4のCBとして期待されているんですが、さて。ちなみにオリンピックでは久保選手の動向もクラブはチェックしているはずですが、彼が来季、マドリーのトップチームに残れる可能性はなし。というのもあと1年、契約が残っているベイル(昨季はトッテナムでプレー)が戻って来ると、今季からはイギリス国籍の選手もEU外扱いとなるためで、元々、3人の枠はミリトン、ビニシウス、ロドリゴだけで一杯なんですよ。 コロナ禍の影響で遅れているビニシウスのスペイン国籍取得が奇跡的に早まりでもしない限り、ジダン監督に結構、使われていたロドリゴまでが、RMカスティージャの所属にして、リーガ以外限定で使ったらいいとか、可哀そうなことを言われている程ですからね。久保選手は今季もレンタル移籍に活路を見出すことになりますが、今のところ、レアル・ソシエダなどが挙がっているものの、いいチームからオファーがもらえるかはオリンピックでの活躍次第になるかも。 そんな話の脇でマドリーは先週末も日曜にまた弟分、今度は1部に復帰したばかりのラージョと練習試合をしたんですが、やはりマスコミは入れなかったため、見られる映像はかなり限定。最初の試合では2部のフエンラブラダに3-1と快勝したものの、さすがに今季はヘタフェとマドリッド第3のチームを争う意欲満々のイラオラ監督のチームには手こずったか、イスコのPKゴールとカンテラーノ(RMカスティージャの選手)のチュストのオウンゴールで1-1と引分けることに。まあ、昨季終了後に各国代表で国際大会を戦った選手たちはベイル、バラン、ベンゼマらがようやく今週、続いて来週にモドリッチ、クロース、アザール、クルトワ、バルベルデといった感じで合流するため、まだまだトップチームの人員が少ないですからね。 最初からプレシーズンに参加しているメンバーでもメンディはリハビリ中、ヨビッチ(昨季はフランクフルトでプレー)、マリアーノ、カルバハルらも調整中でラージョ戦には出ていなかったため、まだまだマドリーがタイトル奪回に向け、レベルアップできているのかはわからないんですが、今週からマルベジャ(スペイン南部のビーチリゾート)でキャンプに入ったラージョと対照的に、ずっとバルデベバスにいる彼らも25日(日)にはいよいよ、グラスゴーでレンジャースとの親善試合を公開で実施。それまでにアラバの準備が整うのかはちょっと疑問ですが、昨季のリーガ最終戦以来となる久々のマドリーの勇姿が見られるのはきっと、ファンも嬉しいんじゃないでしょうか。 え、それで土曜には恒例のロス・アンヘレス・デ・サン・ラファエル(マドリッドから1時間の高原リゾート)での地獄のキャンプを急こう配猛ダッシュなどを含めた、1週間の超凝縮メニューで終え、マハダオンダ(マドリッド近郊)に戻って来たアトレティコはどうしているんだって?いやあ、早速、私も猛暑の中、月曜の午後セッションを見学に行ったんですが、トップチームのメンバーがGKオブラク、サウール、エルモーソ、アリアス(昨季はレバークーゼンにレンタル移籍して負傷)、サポンジッチ(同カディス)、ゲルビッチしかおらず、サビッチなど、同日の午前セッションで右太ももをケガして、開幕に間に合うかどうかという事態に。コパ・アメリカ序盤にブラジル代表で右ヒザ靭帯を部分断裂したフェリペの顔を見えましたが、彼もリハビリを開始したばかりと、こちらもしばらくはCB陣がお隣さん同様、ちょっと寂しくなりそうな。 ええ、左SB兼任のエルモーソは元気でしたが、ウルグアイ代表のヒメネスは来週にならないと戻って来ませんからね。グラナダにレンタル移籍していたナウエンもアルゼンチンU24代表でオリンピック参加中なんですが、アリアス同様、チームに残れるかどうかも、イギリス人のトリッピアーがEU外扱いになってしまったため、ロディ、フェリペとの3人で枠が一杯の現在、無理っぽいというのもマドリーと似ているかと。今のところ、シメオネ監督も助っ人としてかき集めたアトレティコBの選手中心の指導をするしかないんですが、何せ、昨季はこの後輩たちの出来が悪くてねえ。 定位置だった2部Bから降格したのは自業自得とはいえ、サッカー協会のカテゴリー改変の煽りも喰らい、2部BがRFEF1部とRFEF2部に分割されたため、今季は3部と言いながら、実質5部でプレーとなると、いざという時、トップチームの穴埋めに使える優秀な選手は残らないかも。そんなアトレティコはこの金曜午後7時(日本時間翌午前2時)から、ブルゴス・デ・オスナでヌマンシア(RFEF2部)とこのプレシーズン、最初の親善試合をするんですが、ユーロから帰還組第1陣となるはずのベルサイコ、レマルもまだ合流しておらず。ええ、スペイン代表に行っていたマルコス・ジョレンテなど、バケーション真っ盛りの時間を有効活用、ワンダ・メトロポリターノに彼女のパトリシアさんを誘い出し、サプライズプロポーズなんてこと、やっていましたからね。 先週はキャンプ地を訪問、チームメートに挨拶していたジョアン・フェリックスも足首の手術後、まだ松葉杖が必要な状態でしたし、よって、こちらもアトレティコBの試合みたいになってしまうかもしれませんが、今は新デザインのユニフォームが見られるぐらいで良しとしましょうか。ちなみにアトレティコの移籍関連話では丁度、前回、グリーズマン(バルサ)とサウールのトレード話が消えたようだとお伝えしたすぐ後に状況が急変。契約延長の合意ができたメッシをリーガに登録するため、他の高額年棒選手を整理する必要に迫られている相手が大乗り気で、交渉成立は秒読みなんて言われ、私も焦ったんですが、この世はまさに徒然。 日が経つにつれ、バルサが等価トレートでは不公平とサウールに加え、エルモーソかロディをつけることを要求したとか、サウール+1500万ユーロ(約20億円)の移籍金になったとか、逆にアトレティコが2100万ユーロ(約27億円)の年棒を半額にすることをグリーズマン側がOKしても、それすら、昨季のルイス・スアレスのようにバルサに補填するように求めているとか、ポロポロ出て来て、結局、現在ではこのトレードは交渉決裂という見方がされているんですけどね。事実、スアレスを補佐するCFは必要なアトレティコなだけに、ここで話が止まっていると、第2候補らしい、今はオリンピック・スペイン代表にいるラファ・ミール(昨季はウォルバーハンプトンからレンタルしてウエスカでプレー)の方も進められないため、ちょっとじれったい感じがするものの、移籍市場が閉まるのは8月末。 まだまだ焦る必要はありませんが、もう1つの弟分、今はラ・マンガ(スペイン南東部)でキャンプしているヘタフェもプレシーズン開始1週目の怒涛の4連続プレゼンの後はかなり静か。先週金曜にはいきなり、午前10時から、イビサ(2部)と前後半35分形式のミニ親善試合をしていて、YouTubeでライブ配信があったのに私が気づいた時にはもう遅かったんですが、一応、初戦はティモルのFKゴールで0-1と勝利したようです。この水曜にも今度は午後7時から、スタッド・レンヌと対戦しますしね。あちらもぼちぼち、エンジンを温めていってくれるといいかと。 え、それで柴崎岳選手のいるマドリッド2部の弟分、レガネスでは4人目の陽性者が出たようだけど、このプレシーズンのリーガのコロナ状況はどうなっているのかって?いやあ、丁度、マハダオンダに行った時、トップチームの隣のグラウンドで練習していたカンテラーノ(ユースチームの選手)が、「この前、ワクチン打たれちゃったよ」と言っているのを小耳にはさんだんですが、どうやら、もう若年層の接種も始まっているスペインではかなり多くのチームが各自治体から、ワクチンを供給されているよう。すでにエスパニョール、ベティス、ラージョ、セビージャ、レアル・ソシエダ、カディス、オサスナ、ヘタフェなどは終わっており、マドリーでもマルセロ、ルーカス・バスケス、ロドリゴらが注射を打たれるシーンをアップしていたんですけどね。 スペインのように国際大会の前に集団接種する各国代表チームもあったため、新シーズンは皆、抗体ができた状態でスタートできると思うんですが、それでも感染するのがコロナ。すでに1部2部、それぞれ12チームで陽性選手が判明し、計63人程が隔離されましたが、ワクチン接種後はウィルス保持量があまり増えず、他人への感染可能期間が7日間から、2日間になるとスペイン人のお医者さんが記事で言っていましたからね。とりあえず、プレシーズンマッチのキャンセルは幾つかあったものの、今季の公式戦には影響しないことを祈っています。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している 2021.07.21 19:00 Wed
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