シーズンは終わっていなかった…/原ゆみこのマドリッド

2021.06.02 23:15 Wed
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「またZoom会見なんだ」そんな風に私がガッカリしていたのは火曜日、ジダン監督の後任がアンチェロッティ監督(昨季はエバートンを指揮)に決まったというレアル・マドリーからのメイルを読んだ時のことでした。いやあ、先週から筆頭候補がアッレグリ監督(ユベントスに復帰)、コンテ監督(インテルを退団)、ポチェッティーノ監督(現PSG)とコロコロ変わり、2013-15年にチームを率いた彼の名前が挙がったのはそれこそ、火曜の朝だったんですけどね。前日にはカンプ・ノウでアグエロ(マンチェスター・シティとの契約が満了)の入団プレゼンがマスコミ在席で行われていたため、そろそろマドリーのイベントもコロナ前のように現場で見られるようになるんじゃないかと期待したんですが、まあ、そうですよね。

だってえ、サンティアゴ・ベルナベウは昨年から始まった全面改装の真っ只中で、来季は一応、9月ぐらいから試合に使えるようにするようですが、完成は2022年夏の予定。今はミュージアムぐらいしか残っておらず、簡易ステージを設けるスタンドすらありませんからね。3年契約を結んだアンチェロッティ監督がbufanda(ブファンダ/マフラー)を掲げてポーズするピッチもないとなれば、会見がバルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場で行われるのも頷けますが、何せ、あそこは車を持っていない者にとってはメトロの最寄り駅から徒歩30分と、不便極まりない立地。

おまけにスペイン各メディアのマドリー番記者はスペイン代表番を兼ねていることが多いため、それこそ、前回、2017-18シーズン終了後にジダン監督が電撃辞任した日など、W杯前合宿が始まっていたラス・ロサス(マドリッド近郊)のサッカー協会施設で皆、右往左往していたものですが、ネット経由で質問できるとなれば、移動の手間が省けるだけ、むしろ親切と言っていい?

ついでに言えば、もうマドリーの試合はなく、まだ6月末に切れる契約の延長もしていないにも関わらず、ユーロに参加するスペイン代表にも招集されない原因となったケガのリハビリにセルヒオ・ラモスはいまだに毎日、バルデベバスに通勤。アンチェロッティ監督も直接、顔を見て、2013-14シーズンのCL決勝後半ロスタイムに殊勲の同点ゴールを決め、最後は延長戦でお隣さんを破って、栄えあるDecima(デシマ/10回目のCL優勝のこと)をクラブにもたらした英雄と将来の見通しについて話し合えるのもいいかもしれませんよね。

え、それより月曜にはジダン監督のお別れの手紙というか、契約を1年残して、辞任した理由を説明する書簡をAS(スポーツ紙)が掲載して、結構、騒ぎになっていなかったかって?そうですね、「Me voy, pero no me tiro del barco y no estoy cansado de entrenar/メ・ボイ、ペロ・ノー・メ・ティロ・デル・バルコ・イ・ノー・エストイ・カンサードー・デ・エントレナル(自分は出て行くが、船を下りた訳じゃないし、監督をするのに疲れた訳でもない)」という彼は、その理由をここ数カ月、中長期的にチームを成長させるための信頼や支持が欠けていたせいと、クラブとペレス会長を告発。

とりわけ、昨年の冬、CLグループリーグ敗退の危機や首位アトレティコとの距離がどんどん開いていった頃、次の試合で負けたらクビみたいな噂が、意図的にクラブ内の誰かによって流されたことに心を痛めていたようですが、うーん。似たような話はいつぞや、バルトメウ会長のいた頃、バルサのピケなどからも聞いたような気がしないでもなし。とにかくビッグクラブは内部関係が複雑で、もちろん、アンチェロッティ監督みたいなベテランになると、酸いも甘いもわかっていると思いますが、何せ、延べ60人に及ぶ負傷禍のせいもあったものの、シーズン終盤は30代のベテランたちとRMカスティージャ(マドリーの下部チーム)の助っ人頼りになってしまった昨季を反省して、この夏はチームの人事刷新もしないといけませんからね。

一応、移籍金1憶ユーロ(約134億円)のギャラクティコとして入団して2年、ケガ続きで、チェルシー時代の実力を発揮できなかったアザールなど、現在、参加中のベルギー代表合宿から、「マドリーからは出て行かないよ。あと3年、契約があるし、自分が100%になれば、沢山、チームに貢献できる」と残留をアピールしていましたが、どうやら、リーガ最終節を欠場した太ももの痛みはまだ消えていないよう。6月1日に発売となった新ユニフォームのビデオでモデル出演していたマルセロ、アセンシオらも先行きはわかりませんしね。補強選手第1弾としては金曜にDFアラバ(バイエルンとの契約が満了)との5年契約が発表されましたが、入団プレゼンはユーロの後。何にしろ、このオフシーズンはマドリーの動きに注意していた方が良さそうです。

え、同じ監督交代組でもマドリッドの弟分、ヘタフェはミチェル新監督のプレゼンを月曜にコリセウム・アルフォンソ・ペレスのプレスルームにマスコミを入れてやったんだろうって?その通りで、私も10年ぶりの復帰とあって、つい駆けつけてしまったんですけどね。嬉しかったのは、同席したアンヘル・トーレス会長も「Míchel es de los que juega con la cabeza/ミチェル・エス・デ・ロス・ケ・グエガ・コン・ラ・カベッサ(ミチェルは頭を使ってプレーする監督)。ウチには2つのモデルがあって、どちらも有効だった。キケ・サンチェス・フローレス、ラウドルップ、シュスター、ミチェルは頭を使うタイプ。もう1つの足を使うタイプの監督はチームを5位に導いた(ボルダラス監督のこと)」と言っていたように、来季は昔のようにいいプレーをするヘタフェが見られそうなこと。

ただ、クラブ2度目のEL出場も遂げた第1期の後、セビージャ、オリンピアコス、オリンピック・マルセイユ、マラガ、UNAMプーマス(メキシコ)などで経験を積み、「Soy mucho más entrenador ahora que antes/ソイ・ムーチョ・マス・エントレナドール・アオラ・ケ・アンテス(今の自分は前より、もっといい監督になっている)」というミチェル監督の下で再び、久保建英選手やアレニャのレンタル移籍が叶うかは今のところ、まだ不明。「A mí me gustan los buenos jugadores/ア・ミー・メ・グスタン・ロス・ブエノス・フガドーレス(私はいい選手が好きだ)が、補強はクラブ次第」と当人も言っていたように、こればっかりは貸し出し元のクラブや選手の都合もあるため、かなり夏も深まってからでないとわからないかと。

その他、昨季の主力16~17名は原則的に契約破棄金額を積まれない限り、放出するつもりはないとアンヘル・トーレス会長は話していたんですが、翌火曜には契約満了だったFWアンヘルが延長のオファーを蹴って、退団を発表。彼ももう34才とはいえ、昨季は39才のホルヘ・モリーナがグラナダに移籍してEL、コパ・デル・レイ、リーガと大車輪の活躍。15ゴールも挙げていますし、次のクラブでもまだまだ頑張れるのでは?ああ、そうそう、ヘタフェも毎年夏の恒例、メンテナンス工事により、ミチェル監督のピッチでのポーズはなしで終わったのはちょっと、兄貴分と似てますでしょうか。

そしてマドリッド南部のお隣さん、先週末、リーガ2部の全節が終わったレガネスについても伝えておくと、彼らは日曜の統一時間帯の試合でサラゴサに0-5と大勝。ケビン・ブア、フアン・ムニョスの2発、ルーベン・パルド、デ・ラ・フエンテがゴールを挙げて、しっかり3位を確保しただけでなく、肉離れでプレーオフ決勝に間に合えば御の字と言われていた柴崎岳選手も途中出場で復帰したという朗報が。ただ、恐れていた通り、プレーオフ準決勝が弟分対決になってしまい、いえ、もちろん、最終節でルーゴに0-1と負けながら、スポルテイング・ヒホンもアルメリアに屈してくれたため、ラージョが6位に留まれたのはラッキーだったんですけどね。

アルコルコンに1-0で負け、第3のマドリッド2部勢の残留を助けたエスパニョール、続く2位で終わったマジョルカに加え、8月半ばから1部でプレーできる枠はあと1つだけ。よって、今更、嘆いても仕方ないんですが、木曜午後9時からのエスタディオ・バジェカスでの1stレグでは、私もラージョを応援すべきか、レガネスを応援すべきか、大いに迷うところかと。ちなみにアシエル・ガリターノ監督のチームは柴崎選手も日本代表に呼ばれなかったとあって、抜けるメンバーはいないんですが、イラオラ監督には正GKディミトリエフスキがユーロに初出場するマケドニアに、アドビンクラもW杯予選でペルーに招集されるという逆境が。

一応、GKの方は3試合前から、ジダン監督の次男、控えのルカが腕慣らしに出場しており、心配はなさそうですが、さて。こちらの2ndレグはブタルケで日曜に開催。決勝はジローナvsアルメリア戦の勝者と13日、20日に戦うことになりますが、アルメリアのクエンカも現在、スペインU21代表に呼ばれていたりと、各国代表選手の多い2部チームは何だか、割を喰っているような。ちなみにハンガリー・スロベニア共催のU21ユーロ、3月開催のグループリーグに続いて、決勝トーナメントに参加しているスペインはモンカジョラ(オサスナ)がコロナ陽性となり、土曜まで全員揃って練習ができなかったハンディキャップにめげず、月曜にはクロアチアを延長戦で2-1を破り、ポルトガルと当たる木曜の準決勝に進出。

殊勲の2ゴールを挙げたプアドなども早々にエスパニョールの1部昇格が決まっていたからいいようなものの、争っている最中でラスト2試合離脱とかいう破目になっていたら、大変でしたけどね。このU21ユーロ、マドリッド勢からはヘタフェのククレジャ、モンカジョラの代わりに追加招集されたRMカスティージャのブランコが加わっているだけですが、先週水曜にEL決勝が終わるやいなや、祝賀行事に加わることせずにビジャレアルのジェレミー・ピノ、フェル・ニーニョも合流。リーガが終わっても止まらない、この過密日程、ちょっと可哀そうですよね。

え、だからコケは月曜から、ラス・ロサスで始まったA代表ユーロ合宿にマイベッドを持ち込んだのかって?いやあ、サッカー協会のメディアセンターで火曜にあった選手記者会見で、リーガ優勝したアトレティコのキャプテンだから何だか、先陣を切った当人によると、自宅で使っているHogo社製の高機能マットレスだと疲れが取れるからだそうですが、実は他にも同僚のマルコス・ジョレンテ、ユベントスにレンタル移籍中のモラタ、ラモスの非招集を受けて、速攻スペイン国籍取りをしたラポール、火曜にはカンプ・ノウで入団プレゼンを終えたエリック・ガルシアのマンチェスター・シティの2人も持ち込むなど、今回のヨーロッパ11都市で広域開催されるユーロのグループリーグ中、スペインはずっと協会の宿泊施設に滞在。

当初、ビルバオ(スペイン北部)のサン・マメスでグループリーグ開催だった予定がセビージャ(同南部)のカルトゥハに代わっただけなので、14日のスウェーデン戦、19日のポーランド戦、23日のスロバキア戦までは前日移動、試合後帰京を繰り返すため、ラス・ロサスにいる時間が長いのは確かですけどね。普通のユーロやW杯なら、開催国付近のキャンプ地で合宿するなど、メリハリがつけられるんですが、ユーロ開幕前の足慣らしとしてプレーする金曜午後7時30分(日本時間翌午前2時30分)からの親善試合、ポルトガル戦もワンダ・メトロポリターノとなると、ここはいっそ、どっぷりお家気分に浸ってしまおうということ?

ポルトガルにはジョアン・フェリックスもいるとあって、今回はマドリッド当局がキャパ30%程度の有観客を許可、2万人分のチケットが代表オフィシャルウェグで売り出されたため、つい私も買ってしまったんですけどね。日本のクレジットカードが使えず、あたふたしているうちにタイムアウトしてしまうなど、不慣れなせいでドタバタしたのはともかく、値段が35ユーロ(約5000円)から60ユーロ(約8000円)と通常の代表戦に比べ、かなりの高額設定だったのはやっぱり、人数が少なくても同じ入場料収入を協会が得たかったからでしょうか。

その一方で月曜夕方に16人で練習を始めた代表には、火曜にEL王者ビジャレアルのジェラール・モレノ、パウ・トーレス、同敗者、マンチェスター・ユナイテッド11人目キッカーとして決められず、PK戦で涙したGKデ・ヘアも到着。水曜にはCL決勝組、先週末にはポルトでキャプテンとしてトロフィーを掲げたチェルシーのアスピリクエタ、ベンチでマンチェスター・シティがまるで16強対決のアトレティコのように、もしくは準決勝のマドリーのように、トゥヘル監督自慢の鉄壁の守備を崩せず、ハバーツのゴールで0-1と負けてしまうのを揃って見守るしかなかったロドリ、フェラン・トーレス、ラポール、エリック・ガルシアも合流しますが、ホント、代表って、昨日の敵は今日の友という言葉がピッタリですよね。

【マドリッド通信員】 原ゆみこ
南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している

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サポーターが悩みの種になってはいけない…/原ゆみこのマドリッド

「初めて見るラージョのメガプレゼンなのに」そんな風に私が溜息をついていたのは木曜日、マドリッドの天候が回復したのに伴って、前日にはエスタディオ・バジェカスでファルカオの入団プレゼンが開かれることが決定。1時間ぐらい前に着いた時にはもう、入場を待つファンの列の終わりが見えない程になっていたのにはビックリしたものですけどね。それとは別にチケット売り場にも人垣ができていたのは、昨季の1部昇格プレーオフで有観客試合が始まって以来、クラブのシステムがトラブル続き。その日も午前9時から販売が始まった土曜のヘタフェ戦のチケットを買いたくても買えないファンがたむろっていたんだと後でわかりましたが、プレゼン用のステージが設けられたfondo(フォンド/ゴール裏)のスタンドにはおよそ2500人余りが駆けつけることに。 黄青赤の横縞国旗や代表のイエローユニを着ていたファンも多かったため、その半数近くはファルカオを母国の誇りと慕う、スペイン在住のコロンビア人だったと思うんですが、まさか、彼を紹介するためにプレサ会長が現れた途端、試合中でもお馴染みのカンティコ(節のついたシュプレヒコール)、「Presa, vete ya/プレサ、ベテ・ジャ(プレサ、もう出て行け)」の合唱が大声で始まるとは。入団前、アトレティコで一緒だったマリオ・スアレスと、「estuvimos hablando y me transmitió lo que es el club/エストゥビモス・アブランドー・イ・メ・トランスミティオ・ロ・ケ・エス・エル・クルブ(話をしていて、このクラブがどんななのか伝えてくれた)」というファルカオも会長がなかなかスピーチできないのに困惑していましたし、大体、彼が入団したことで、にわかラージョファンとなったコロンビア人たちまでが一緒になって歌っているって、どういうことなんでしょう。 これじゃ、コロナ禍が始まって以来、一切、ファンに開かれた入団プレゼンをしなくなってしまった兄貴分たちの向こうを張るように、ファルカオのサインしたボールを11個もスタンドのファンにプレゼント。ラージョにしては珍しい出血大サービスまでしていたのも空しくなりますが、どこにでも場をわきまえないファン、そして大勢に流されやすいファンはいますからねえ。折しも同日、マハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場に車で通勤してきたジョアン・フェリックスに、「Joao, lesiona a Griezmann, como el que no quiere la cosa/ジョアオ、レシオナ・ア・グリースマン、コモ・エル・ケ・ノー・キエレ・ラ・コーサ(ジョアン、グリーズマンをケガさせちまえ。こういうの、気に入らないんだからさ)」と言ったアトレティコファンがいたとか。 それには「Deberías tener más respeto por Griezmann/デベリアス・テネール・マス・レスペト・ポル・グリースマン(グリーズマンをもっとリスペクトすべきだよ)」と、良識ある言葉でジョアンは返していたんですが、まあ、水曜のワンダ・メトロポリターノで当人をpito(ピト/ブーイング)で迎えたのは決して少なくない人数。アトレティコ残留の意志をドキュメンタリーまで制作して示した後、1年後にはあっさりバルサに移籍したという経緯を踏まえれば、それも理解できるんですけどね。ただやっぱり変なファンもいて、試合前、一応、見ておこうと、ここ2年間はよくゴミが積まれたりしていたグリーズマンの100試合以上出場した選手プレートのところに行くと、やはりマスコミも同じこと、考えるんですね。 その周りには複数のTVカメラとレポーターが集まっていたため、キレいな状態でしたが、いきなりゲリラ的に出て来たファンがプレートの上にポチテをまき散らし、空き缶を投げていくって、うーん、これは単なるウケ狙い?といっても、CLポルト戦がキックオフすると、ブーイングはほとんど元お隣さんのペペに集中していましたし、後半途中からの出場となったグリーズマンが移籍前、カンプ・ノウでプレーしたヘタフェ戦の時のようにずっと、ピーピーされているということはなかったため、そんなに本人も気にすることはないはずですが…困ったのは試合の結果の方なんですよ。 そう、先週末のエスパニョール戦でルイス・スアレス、グリーズマン、コレアの3弾頭を並べた布陣があまり効率的でなかったのを反省したシメオネ監督は今回、FWをルイス・スアレス、ジョアン・フェリックスだけにして、後半ロスタイム10分にお手柄の勝ち越しゴールを挙げていたレマルを先発に。調子に乗っているその彼が前半36分、筋肉系の負傷で早くもデ・パウルと交代せざるを得なかったのがケチの付き始めだったかと。 過剰なほど、アグレッシブにボールを持った選手に詰めてくる相手に、「Tenemos que subir la velocidad en el juego, generar más intensidad en mitad de cancha hacia delante/テネモス・ケ・スビール・ラ・ベルシダッド・エン・エル・フエゴ、ヘネラル・マス・インテンシダッド・エン・ミタッド・デ・カンチャ・アシア・デランテ(プレーの速度を上げ、中盤から前線に向かって、もっとプレーの強度を高めないといけなかった)」(シメオネ監督)にも関わらず、それができなかったせいでしょうかね。前半のアトレティコはルイス・スアレスがエリア外のシュートとFKで敵ゴールに迫ったぐらいで終了。 後半10分にはエスパニョール戦の2匹目のドジョウを狙って、コケ、エルモーソ、ジョアン・フェリックスを一気にコレア、ロディ、グリーズマンに交代、システムも5人DF制から4人にしてみたんですが、あまり変化はありませんでしたねえ。それどころか、34分には呆気に取られるようなアクシデントが発生することに。ええ、ロディのバックパスをあれ?何でコンドグビアは見守っているだけなんだと思いきや、そこにタレミが突進。GKオブラクが体で防いだんですが、ボールは倒れ込んだポルトのFWに当たって、ゴールの内側へ。こんなポカで先制点を奪われてしまうなんて、また古き懐かしのマヌケなアトレティコに戻ってしまったのかと、私も頭を抱えていたところ…。 大丈夫、ここでVAR(ビデオ審判)が発動してくれたんですよ。ボールがたまたまタレミの手に当たっていたため、「Han pitado la mano, de un error nuestro casi nos marcan/アン・ピタード-・ラ・マノ、・デ・ウン・エロール・ヌエストロ・カシー・ノス・マルカン(ハンドを取ったんだ。ウチのミスのせいで点を入れられるところだったよ)」とオブラクもホッと胸を撫でおろすことに。そして0-0のまま、この日も7分という長いロスタイムが与えられたんですが、残念ながら、ここ2試合続いた奇跡はリピートできず。いやあ、ゴールにボールを持って向かったグリーズマンをエムベンバが倒し、レッドカードで退場した後のFKはゴール右前のいい位置だったんですけどね。ルイス・スアレスの蹴ったボールは惜しくもネット上部に落ちてしまったため、試合はスコアレスドローで終わってしまいましたっけ。 ちなみに後でデータを見てみると、ポルトはファールが21回もあって、イエローカードも6枚。アトレティコがファール14回でイエローカード3枚ですから、やっぱり向こうの方が乱暴だったんだと納得しましたが、「Una pena, siempre quieres ganar en tu casa. Con ese ambiente/ウナ・ペナ、シエンプレ・キレス・ガナール・エン・トゥ・カサ。コン・エサ・アンビエンテ(いつだって、ホームでは勝ちたいから残念だよ。あれだけのムードがあるんだから)」(コンドグビア)というのはともかく、彼らのいるグループBは強敵揃いですからね。28日(火)の2節にはその日、アンフィールドでリバプールに3-2と惜敗したミランにサン・シーロで立ち向かうとなれば、不安がこみあげてくるのは仕方ない? まあ、当面のアトレティコの課題は、土曜の午後4時15分(日本時間午後11時15分)から、再びワンダでのアスレティック戦ですけどね。相手はここまで2勝2分けの5位で、首位グループの彼らとは勝ち点差2があるんですが、金曜の夜にはレマルだけでなく、コケまでポルト戦で負傷していて、この試合に出られないというショックなニュースが。いや、別にキャプテンがいなくても中盤はコンドグビア、デ・パウル、エレーラで組めますから、穴が開くという程ではないものの、前線もまだ、ルイス・スアレスの横にどのFWを置けば、一番効率良く得点できるのか、結論が出ていませんからね。CL戦4試合出場停止のサビッチが戻り、トリッピアーも腹痛から回復したDF陣がしっかり守り、ここは最少得点差でも白星を挙げて、今度こそ、ファンを喜ばせてあげてほしいものです。 そしてアトレティコと平行して、水曜の夜にはそれこそサン・シーロでインテル相手に戦ったレアル・マドリーはどうだったかというと。いやあ、実はこちらもなかなか点が入らず、前半はGKクルトワがラウタロウやジェコのシュートparadon(パラドン/スーパーセーブ)で凌ぐなど、結構、危ないシーンもあったよう。それがカンテラーノ(RMカスティージャの選手)のミゲール・グティエレスにはCLの大舞台はまだ荷が重いということで、アンチェロッティ監督がナチョを左SBに、アラバをCBとして起用したせいかどうかは、ワンダにいて試合を見られなかった私には何とも言えないんですが、オンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)の2元中継から、「Goool!」の絶叫が、マドリッド勢は揃ってスコアレスドロースタートかと思われた後半44分になって、聞こえてくるとは。 そう、この日はアザールをベンチに置いたマドリーは後半21分に先発したルーカス・バスケスをロドリゴに交代。更に35分にはモドリッチに代えて、カマビンガを投入したんですが、彼ら、若手選手たちがやってくれたんです。23才のバルベルデのパスを18才のカマビンガが受けると、ワンタッチでエリア内の20才へ。昨季のグループリーグの2試合に続き、インテル相手に自身3点目となるゴールをロドリゴが挙げて、0-1の勝利を引き寄せてくれたとなれば、当人が「Me encanta jugar y marcar goles en la Champions/メ・エンカンタ・フガール・イ・マルカル・ゴーレス・エン・ラ・チャンピオンズ(ボクはチャンピオンズでプレーして、ゴールを挙げるのが大好きだ)」と言っていたのも当然だったかと。 え、マドリーがCLグループリーグ白星スタートするのを見るのは久しぶりな気がするって?そうですね、2期目のジダン監督はCLスロースターターで、2019-20シーズンはPSGに、昨季はシャフタールに敗戦。途中で挽回して、決勝トーナメントには進出していますが、とにかく早めに勝ち点を貯めてしまえば、11月、12月に楽ができますからね。ちなみに彼らのグループリーグ2節は昨季、2試合共負けてしまったシャフタールをその日、2-0と破って波乱を起こした初出場のシェリフ(モルドバ)。無観客でエスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノ(RMカスティージャのホーム)でプレーしていたのも今ではいい思い出、28日にはサンティアゴ・ベルナベウでファンの応援を受けて戦えますし、とりあえずは順風漫歩に見えなくはないとはいえ…。 やっぱり気になりますよね、今季も引き続き、マドリーが負傷者続出なのは。週末のリーガ戦、日曜午後9時(日本時間翌午前4時)から、2万9000人の観客が待ち受けるメスタジャでのバレンシア戦にはまだメンディもマルセロも戻れず。他にも恥骨炎のクロース、東京オリンピックで足首の靭帯を断裂したセバージョス、ハムストリングスを痛め、全治1、2カ月の離脱となったベイルらがいるため、当分は若いメンバーに頑張ってもらわないといけないんですが、相手のバレンシアも同じ3勝1分けの首位グループの一員ですからね。今週、ヨーロッパの大会をプレーしていないのも体力的に有利ですし、ここ2試合で7得点と決定力を上げているのも気になるんですが、今季から指揮するボルダラス監督はヘタフェ時代、マドリーとの兄弟分ダービー8試合で勝ち星なし。直近6試合は得点もしていないのは、果たして影響するのでしょうか。 そしてこの週末、ファルカのデビューが期待されるラージョvsヘタフェの弟分ダービーは土曜午後2時(日本時間午後9時)から始まるんですが、ええ、彼はガラタサライで今季をスタートして、9月のコロンビア代表戦にも出場。体調は完璧なため、イラオラ監督も「Lo vamos a meter en la convocatoria/ロ・バモス・ア・メテール・エン・ラ・コンボカトリア(招集リストに入れるつもりだ)」と言っていましたしね。2012年のヨーロッパリーグ決勝ではアスレティックのキャプテンとして出場し、これぞゴールの鬼と言わんばかりのファルカオの2得点などで、アトレティコに3-0で負けたイラオラ監督にしてみれば、無条件に信頼できるFWの加入には大感激している?同じく移籍最終日に加入したもう1人のFW、セルジ・グアルディオラ(バジャドリーからレンタル)も前節のレバンテ戦で土壇場に同点ゴールをゲットと、自信をつけているだけに、現在12位の彼らのことはあまり心配してないんですが、いやあ、ヘタフェの方がねえ。 というのも彼らは開幕から4連敗していて、まだ勝ち点1も獲得できておらず。アラベスも同じ0ポイントなんですが、あっちはビジャレアル戦が延期されて、1試合少ないんですよ。おかげで早くもミチェル監督解任説まで出てきた程で、更に中盤の要、アランバリがハムストリングスの肉離れで2、3週間離脱という悪いニュースも。また、前節のエルチェ戦のようなパスが2回と続かないサッカーを見せられてはたまらないんですが…ちなみにやはり苦境にある、お隣さん、柴崎岳選手がいる2部の弟分レガネスも土曜には今季初勝利を期してアモレビエタ戦。もう1つのお隣さん、アルコルコンなど、一足早く金曜にアルメリアに0-4と大敗し、2部の最下位2席をマドリッド勢が占めているのも何だか、先が思いやられます。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2021.09.18 21:00 Sat
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リーガ戦の盛り上がりをCLに繋げたい…/原ゆみこのマドリッド

「アウェイなのはレアル・マドリーだけなんだ」そんな風に私が当惑していたのは火曜日、リーガ4節が終わるやいなや、CLグループリーグ1節が始まっているのに気がついた時のことでした。いやあ、昨季はヨーロッパリーグでビジャレアルが優勝したため、スペインからはCLに5チームが参戦しているんですけどね。先陣を切るのはサンチェス・ピスファンにザルツブルクを午後6時45分に迎えるセビージャ、続いて9時から、カンプ・ノウでバルサvsバイエルン戦、ラ・セラミカでビジャレアルvsアタランタ戦が開催された後、マドリッド勢2チームは水曜にプレー。 同様にマドリーとアトレティコが同日開催となった昨季は全て無観客試合だったため、バル(スペインの喫茶店兼バー)のTVで2試合同時観戦という荒業も可能だったものの、今ではスタジアムの入場者数もマドリッドではキャパの60%までOKに。幸か不幸か、自分も見に行けるようになったため、近い席にいる記者がパソコンで他会場の試合を見ているのを期待するか、定番オンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)の二元中継を当てにするしかないのも悔しいですが、大体がして、何でこの2チームを一緒の日付にする必要があるんでしょう。 まあ、それはともかく、先に週末の両者のリーガ戦を振り返ることにすると、南米W杯予選からの帰還組に配慮して、1日遅れとなった日曜午後2時から、先にプレーしたのは今季、史上最強のチームになったと、巷で株が上がっているアトレティコ。ただねえ、それが諸刃の剣となったか、シメオネ監督も前日会見では、「Los nombres no hacen equipo sino los hombres/ロス・ノンブレス・ノー・アセン・エキポ・シノ・ロス・オンブレス(チームを成すのは名前ではなく、男たちだ)」と言っていたんですけどね。やっぱり、一流のFWが複数揃ったことが嬉しかったか、ルイス・スアレス、グリーズマン、コレアをエスパニョール戦のスタメンに並べてしまったんですよ。 それに合わせてシステムも5-2-3としたため、中盤で劣勢となり、ヒメネスに代わってフェリペが今季初出場したCB3人制にも戸惑いがあったんでしょうかね。初っ端から、GKオブラクがエンバルバのシュートをparadon(パラドン/スーパーセーブ)する破目になっていましたが、まさか、前半40分にはセットプレーの守備まで崩れ、CKに頭で合わせに行ったラウール・デ・トマスをマルコス・ジョレンテが抑えられず、暑さにボオッとしていたか、周りで余った選手たちが眺めている間にヘッドを決められてしまうんですから、困ったもんじゃないですか。 でも大丈夫。1-0の劣勢でハーフタイムに入ったアトレティコは後半頭から、コレア、エルモーソ、トリッピアーを下げ、レマル、コンドグビア、ロディを一気に投入。これにはエスパニョールのビセンテ・モレノ監督も「アトレティコがハーフで3人も代え、システムまで変えるなんて珍しい」と驚いていたようですが、その通り、ここから彼らは4-3-3でプレーすることに。いやあ、間がいいことに、マルコス・ジョレンテはルイス・エンリケ監督のスペイン代表でみっちり、この陣形で右SBの修行をしてきたばかりですし、ロディもDF4人制だとまごつかずに左SBを務められますしね。中盤もコンドグビアで補強され、コケが楽になったのはともかく、何よりレマルが絶品だったんですよ。 そう、各国代表戦期間前のビジャレアル戦でも見違えるような働きぶりだった彼はグリーズマンと一緒にフランス代表に行っていたんですが、あちらでは「tuvo un problema digestivo, bajó 3-4 kilos/トゥボ・ウン・プロブレマ・ディヘスティボ、バホ・トレス・クアトロ・キロス(消化器系の問題があって、3、4キロ痩せた)」(シメオネ監督)そうで、2試合目、3試合目には出場せず。それで監督も翌週のCLまで、リザーブする意向だったようですが、後半8分にはジョレンテのクロスをvolea(ボレア/ボレーシュート)で決めてしまったから、ビックリしたの何のって。ただ、この時は2人の間にいたルイス・スアレスがオフサイドだったと、VAR(ビデオ審判)に暴かれてしまったため、残念ながら、同点にはならなかったんですけどね。 すると続いて14分、シメオネ監督は、代表戦前まで住んでいたバルセロナ(スペイン東部)だったからか、バルサ時代のパフォーマンスをリピートしてしまったグリーズマンをジョアン・フェリックスに、26分にはスアレスをクーニャにと豊かなゴール資源を惜しみなく投入。とはいえ、とうとう33分に決まった同点弾はロディから折り返しのパスを受け、エリア内で3人の敵DFに揉まれながら、やっとこ抜け出したカラスコが決めたんですけどね。一応、これで勝ち点1はゲットできたし、相性の悪いRCDEスタジアムだし、そのまま45分を迎えた時には私もそれなりに諦めはついていたんですが…。 何と、ロスタイムが10分もあったんですよ!それでも後でTV各局がVARチェック、選手交代、お水休憩、選手のケガによる中断シーンを集計したところ、実際はプレーしていない時間が12分とか、14分あったと検証していたため、少ない位だったんですけどね。その滅多にない超ロングロスタイムの最後の最後にレマルが本領を発揮。ええ、カラスコのtaconazo(タコナソ/ヒールキック)によるワンツーでエリア内に入った彼がシュートを撃ち、それがGKディエゴ・ロペスの手を弾いてネットに突き刺さるって、え、いつからアトレティコはお隣さんみたいな奇跡のremontada(レモンターダ/逆転劇)体質になった? いえ、ビジャレアル戦のラストプレーではオウンゴールで引き分けるに留まったんですけどね。アトレティコに来て4シーズン目、とうとう「Es el jugador que fuimos a buscar al Mónaco/エス・エル・フガドール・ケ・フイモス・ア・ブスカル・アル・モナコ(ウチがモナコに探しに行った選手)」(シメオネ監督)に戻ったレマルのおかげで、1-2の貴重な勝利を掴めたとなれば、もう当分は彼をスタメンから外せないかと。これで首尾よく、リーガの首位グループ維持を果たしたアトレティコは意気揚々と、水曜午後9時(日本時間翌午前4時)から、ワンダ・メトロポリターノでCLポルト戦に挑むことに。すると、私が見学に行った前日スタジアム練習では、一旦は出て来ながら、トリッピアーがマスクをしたまま、すぐロッカールームに戻ってしまい、後で急性胃腸炎にかかっていたことが発覚。 まあ、右SBはジョレンテでもベルサイコでもいいんですが、何せ、このグループリーグ、他はミランとリバプールなので、とにかくポルト戦では必勝が求められますからね。相手は現在、リーグ戦3勝2分けの3位と、そこそこの調子なんですが、とにかくシメオネ監督には一刻も早く、効率良く得点できる前線の人選を考えてもらわないと。昨季のCL16強対決チェルシー戦で退場したサビッチが4試合出場停止になっているものの、丁度、マドリッドでは10人に8人がコロナワクチン2回接種完了となったため、年明けから稼働していたワンダの接種会場業務もこの月曜で終了。水曜にはリーガ戦より多い4万人程のファンが応援してくれますし、白星スタートを皆で喜べるといいですよね。 そして日曜の夜は560日ぶりにサンティアゴ・ベルナベウに試合観戦に行った私だったんですが、心配していたように改装工事用の重機の間を縫って入るということはなし。ここ数日ですっかり周りは片付けられ、いえ、下に穴を掘っているピッチ近くのスタンドこそ、シートで覆われていましたけどね。上を見上げると、将来、開閉式天井を支えることになる巨大な鉄筋パーツが渡されていて、そこは少々、鬱陶しかったものの、2万人の観客も混乱なく入場。キックオフ前には昨年3月、パンデミック初期にコロナで亡くなったマドリー元会長、ロレンソ・サンス氏の追悼式も行われ、その彼の下、獲得したトロフィーをカシージャス、グティ、モリエンテスら、当時の選手が持ってピッチに上がるという演出もあったんですが、セルタとの試合の方は波乱の幕開けに。 いやあ、「nos tenemos que adaptar otra vez con el público/ノス・テネモス・ケ・アダプタル・オトラ・ベス・コン・エル・プブリコ(ボクらは観客のいるのに適応しないといけない)」とベテランのベンゼマも言っていたぐらいですから、ベルナベウデビューとなるカンテラーノ(RMカスティージャの選手)のミゲール・グティエレスなど、上がってしまったんですかね。開始早々4分にはその彼のボールロストから、もちろん、ちゃんとカバーしてあげられなかったナチョとミリトンも悪いんですが、サンティ・ミナに先制ゴールを奪われてしまっては、応援する気満々で駆けつけたファンもどうリアクションしていいのやら。ただこの1点ビハインドは24分、バルベルデのラストパスをベンゼマが決めて、すぐないものになったんですが、今度は31分。 イアゴ・アスパスがボールを出した後、カセミロに倒されて地面に横たわっているのを一顧だにせず、エリア近くまで上がったマジョがチェルビにラストパス。彼がヒールで放ったシュートはゴールポストに当たったものの、その跳ね返りを正面至近距離から撃たれてはGKクルトワも成す術ありません。これはまた、最後は3-3で引分けたレバンテ戦みたいになるのかと、ファンたちも頭を抱えたか、1-2のスコアでハーフタイムを迎えたマドリーの選手たちへのpito(ピト/ブーイング)も聞こえたんですが、いやいや。何と気合を入れ直した後半には、「El equipo ha mostrado mucha calidad ofensiva/エル・エキポ・ア・モストラードー・ムーチャ・カリダッド・オフェンシバ(チームは攻撃面で大いなる質の高さを示した)」(アンチェロッティ監督)のですから、立派じゃないですか。 観客の待ち望んでいたgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)が始まったのは再開早々の1分、バルベルデのクロスをベンゼマがヘッドで決めて同点にしたんですが、彼は9分にもセンター近くから、ビニシウスにスルーパスを供給。ドリブルでGKディトゥロに迫ったブラジル人FWが、「delante de la portería se está comportando de forma muy fría/デランテ・デ・ラ・ポルテリア・セ・エスタ・コンポルタンドー・デ・フォルマ・ムイ・フリア(ゴールを前にして、とても冷静に振る舞っている)」とアンチェロッティ監督も褒めていたように、入団3年目にしてとうとうモノにした能力を披露したんですよ。ええ、これまではほぼ失敗していた1対1で勝ち越し点をマークしてしまったとなれば、当人が身軽に柵を飛び越えて、スタンドのファンに揉みくちゃにされながら、祝っていても咎められない? そしてベルギー代表での復調ぶりを披露できなかったアザールが先日、入団したばかりの18才、カマビンガ(レンスから移籍)と代わった後の27分には、先週9日に36才のバースデーを迎えたモドリッチが発奮。敵DFを何人もかわして放ったシュートはGKに弾かれてしまったものの、こぼれたボールをその新人選手が押し込んで、いきなりマドリーでのデビュー戦を初ゴールで飾るとはホントに運がいい。といってもやはり、この日の主役はビニシウスとベンゼマで、42分には前者がデニス・スアレスに倒されてゲットしたPKを後者が決めて、ハットトリックを達成。クリスチアーノ・ロナウド(現マンチェスター・ユナイテッド)が去って以来、あまり聞くことのなかったスタジアムDJの「Hattrick de Benzema!/ハットトリック・デ・ベンゼマ」というアナウンスに歓喜したファンもきっと、少なくなかったに違いありませんって(最終結果5-2)。 まあ、このゴール力が発揮できれば、水曜午後9時からのCLインテル戦でも何せ、昨季も彼らとはグループリーグで対戦して2連勝していますからね。サン・シーロでも問題はないかと思いますが、困ってしまうのは、せっかくウェールズ代表戦でハットトリックを挙げながら、セルタ戦前日に右のハムストリングを負傷したベイルが全治1、2カ月とも言われる長期離脱になってしまったこと。加えて、試合当日にベンチ外になったメンディは痛みを再発、最後の数分間出場したマルセロもケガとまた、欠場者が増えてしまっているんですが、朗報はダビド・アラバとヨビッチの復帰でしょうか。コンテ監督から、シモーネ・インザーキ監督に代わり、ルカク(チェルシーに移籍)、アクラフ(同PSG)など、昨季のセリエA優勝を牽引した選手を失っているインテルとはいえ、あとはシャフタール(ウクライナ)とシェリフ(モルドバ)のグループですからね。勝つのが一番難しいのは、このゲームかもしれません。 そして月曜にはコリセウム・アルフォンソ・ペレスでのエルチェ戦に行った私だったんですが、うーん、まさか、あんなパニック状態のヘタフェを目撃することになるとは。エスクリバ監督のチームには兄貴分のアトレティコも1-0と辛勝でしたから、なかなか点が取れないことは覚悟していたものの、まずは前半にウルグアイ代表帰りのアランバリをケガで失ったのがケチのつき始め。それまでもほとんどシュートのない弟分だったものの、後半24分にルーカス・ペレスに先制点を奪われた後はもう、パスが2回と続かない状態に陥ってしまってはねえ。そのまま0-1で負けて、開幕4連敗ともなれば、ミチェル監督にスタンドからブーイングが飛んだのも仕方なかった? 何せ、次の試合を頑張ればいいと言いたくても、ヘタフェはこの土曜にはエスタディオ・バジェカスでラージョとの弟分ダービーですからね。相手は土曜の4節でレバンテに後半ロスタイムまで1-0で負けながら、土壇場でババのクロスを移籍最終日に入団したセルジ・グアルディオラ(バジャドリーからレンタル)が決め、勝ち点1をゲット。更に今週木曜、火曜から雨模様のマドリッドですから、晴れた場合限定でファルカオ(ガラタサライと契約解除して移籍)の入団プレゼンをスタジアムにファンを招いて開催するともなると、士気的にも分が悪いかも。かといって、その次も今度はホームにアトレティコを迎える兄弟分ダービーとなるヘタフェにはもう、決死の覚悟で立ち向かうしか、残された道はない? そうこうするうち、火曜のCLでは3チーム共、リーガ4節を延期してもらいながら、PKを3本も献上したセビージャは奇跡的にラキティッチのPKゴールのおかげで、ザルツブルクと1-1の引分け。ビジャレアルも終盤にダンジュマのゴールウで逆転しながら、最後は追いつかれてアタランタと2-2、そしてバルサはバイエルンにミュラーとレバンドフスキの2発で0-3の完敗と、今のところ、スペイン勢の白星はないんですが、となると、ますます水曜には、マドリッドの両雄が今季のCLで存在感を示さないといけませんね。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2021.09.15 23:05 Wed
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またリーガ戦の日常が帰ってきた…/原ゆみこのマドリッド

「機動力は褒めてあげないとね」そんな風に私が感心していたのは金曜日、お昼のニュースでブラジル代表から戻って来たカセミロがバルデベバス(バラハス空港の近く)のレアル・マドリー練習場に車で入っていく映像を見た時のことでした。いやあ、この9月の各国代表戦週間はCONMEBOL(南米サッカー連盟)がコロナ禍により、進行が遅れていたW杯予選を1つ増やして3試合実施、通常より日程が長くなったせいで物議を醸していたんですけどね。プレミアリーグに倣って、ラ・リーガはCAS(スポーツ仲裁裁判所)に招集拒否を認めるように訴えたものの、見事に蹴られてしまったため、各クラブ総勢28人にもなる選手たちを送り出したんですが、同時に超速帰還チャーター便大作戦が決行されることに。 ええ、南米予選の3試合目は木曜夜(スペインでは金曜早朝)に終わったんですが、まずはブラジルvsペルー戦(2-1)の開催されたレシフェから、カセミロ、ビニシウス、ミリトン(レアル・マドリー)、クーニャ(アトレティコ)、そしてペルー勢のルイス・アブラハム(グラナダ)、タピア(セルタ)が乗った飛行機がマドリッドに向かって出発。バランキージャからもコロンビアvsチリ戦(3-1)のすぐ後、クラウディオ・ブラボ(ベティス)、アラルコン(カディス)、エンソ・ロコ(エルチェ)らのチリ勢、先週土曜にラージョ入団が決まったファルカオ(ガラタサライとの契約を解除)を乗せた便が金曜午後には到着することに。 ただ、プレサ会長も「Es imposible que juegue mañana/エス・インポシブレ・ケ・フエガ・マニャーナ(明日の試合でプレーするのはムリ)。12時間前に試合したばかりで、回復する時間がないし、メディカルチェックもまだしていないから」と言っていたように、やはり土曜午後6時30分からのレバンテ戦でデビューはできず。この辺はCLグループリーグ1節が来週火曜にあることに忖度して、セビージャvsバルサ戦、ビジャレアルvsアラベス戦を延期することにしたラ・リーガの片手落ちと言っていい? そしてチャーター便第3弾はウルグアイvsエクアドル戦(1-0)の後、モンテビデオを離陸。ヒメネス(アトレティコ)、バルベルデ(マドリー)、アランバリ(ヘタフェ)ら、マドリッド勢の他、アラウホ(バルサ)、マキシ・ゴメス(バレンシア)、そしてエクアドルのエストゥピニャン(ビジャレアル)が乗った飛行機は途中、アスンシオンに寄り、パラグアイvsベネズエラ戦(2-1)を終えた4人の選手を拾って戻って来たんですが、ちょっと遅れているのはAFA(アルゼンチン・サッカー協会)の手配したフライトで来るコレア、デ・パウルのアトレティコ勢以下、モンティエル、アクーニャ、パプ(セビージャ)、ギド、ペッツェラ(ベティス)、ルリ、フォイス(ビジャレアル)。こちらは一夜明けてから、ブエノス・アイレスを出発と、別に週末のリーガ戦が延期になったチームの人たちはいいんですけどね。金曜夜のマドリッド着となると、日曜午後2時(日本時間午後9時)という早い時間に開催されるエスパニョール戦のため、バルセロナに前日移動しないといけないアトレティコは結構、貧乏クジを引いているかも。 まあ、リーガ戦のことはまた後で話すことにして、先にスペイン代表のW杯予選3試合目、水曜のコソボ戦がどうだったかもお伝えしておかないと。どうやら、ルイス・エンリケ監督にはスタメンを固定しない癖があるらしく、いえ、スウェーデン戦に2-1で負けた後、ジョージア戦で5人を変えていたのはわかるんですけどね。まさか、そのメンバーで4-0と快勝しながら、今度は6人も入れ替えてきたのにはちょっとビックリだったかと。しかも右サイドの中盤で2アシストと、ようやく代表でも本領を発揮できたマルコス・ジョレンテ(アトレティコ)を懲りずに右SBで先発させるって、天邪鬼にも程があると思うんですが、プリスティナ(コソボの首都)での試合の方はいつものようにスペインがボールを独占してスタート。 ただ、ゴールはなかなか入らず、ようやく先制点を挙げられたのは前半32分、ラポール(マンチェスター・シティ)のスルーパスをカルロス・ソレル(バレンシア)、モラタ(ユベントス)と繋いで、この日、初先発となったフォルナルス(ウェストハム)がゴール右隅に決めてくれたんですが、とてもそれだけでは安心感がわかず。というのも前半には2度、後半序盤にもスペインのボールロストから、敵選手がフリーでGKウナイ・シモン(アスレティック)に迫るシーンがあって、うーん、CBのイニゴ・マルティネス(アスレティック)は精神的疲労を理由にユーロ参加を辞退して、久々の代表戦でしたし、左SBのレギロン(トッテナム)など、ジョージア戦でふくらはぎを痛めたガヤ(バレンシア)の代わりに追加招集され、月曜に合流したばかりでしたからね。 仕方ない面もあるのかもしれませんが、どうにも今回の彼らは守備的なミスが目立ったかと。まあ、ルイス・エンリケ監督も「El balón no botaba en las mejores condiciones/エル・バロン・ノー・ボタバ・エン・ラス・メホーレス・コンディシオネス(いいコンディションでボールがバウンドしなかった)」と言っていたように、ピッチに難があったことは、後でラポールなども指摘していましたけどね。実力差が圧倒的にあったにも関わらず、後半45分、ミケル・メリノ(レアル・ソシテダ)のスルーパスを受けたフェラン・トーレス(マンチェスター・シティ)がエリア前で敵をかわしてシュート。VAR(ビデオ審判)のオフサイドチェックを経て、やっと2点目がスコアボードに上がるまで、私もヒヤヒヤし続けでしたっけ(最終結果0-2)。 え、それでも同日、スウェーデンがアウェイでギリシャに2-1と不覚と取り、グループ首位に復帰していたスペインは勝ち点差を4に広げることができたんだろうって?ええ、その通りなんですが、相手は試合消化数が2つ少ないですからね。10月にスペインがネーションズリーグのファイナルフォー、6日に準決勝イタリア戦、10日に3位決定戦or決勝をベルギーかフランス相手に戦っている間にコソボ戦、今度はホームでのギリシャ戦をプレーして、ここで試合数が揃うんですが、連勝されれば、再び首位はスウェーデンの手に。 そうなっても11月のギリシャ戦、そして最終節の直接対決をスペインが制すれば、グループ1位で本大会出場権ゲットができるとはいえ、「Que dependa de nosotros no significa que lo vayamos a conseguir/ケ・デペンダ・デ・ノソトロス・ノー・シグニフィカ・ケ・ロ・バジャモス・ア・コンセギール(自分たち次第というのは、それを達成することを意味する訳じゃない)」(ルイス・エンリケ監督)とはごもっとも。まあ、今回はユーロ準優勝に貢献したペドリ(バルサ)やオジャルサバル(レアル・ソシテダ)、パウ・トーレス(ビジャレアル)、ダニ・オルモ(ライプツィヒ)らが東京オリンピックとの連続勤務だったため、お休みをもらっていたというのもありますしね、逆にその不在のせいで、ユーロには呼ばれなかったカルロス・ソレルやフォルナルスが頭角を現すという収穫もあったため、10月は更に厳選されたメンバーが招集されるかと。何より、次回からは代表戦が3試合から2試合に減ってくれるというのは、これからヨーロッパの大会もスタートして、過密日程となる選手たちも助かるんじゃないでしょうか。 そしてマドリッド勢の近況を見ていくことにすると、土曜のラージョの後、エスパニョール戦で日曜のトップバッターを務めるのがアトレティコなんですが、とにかく水曜から、グリーズマン(バルサからレンタル移籍)祭りが続いていてねえ。そう、火曜のフランス代表のフィンランド戦で見事なgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)を2発決め、今季はもう3得点と、自分がいない間に前線の定位置を確保するまで成長したコレアに遅れを取るものかいう意志を示した当人は、午前セッションでマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場に顔を出すと、お昼休みにバッサリ髪を切って、ワンダ・メトロポリターノのピッチでセレソ会長と一緒にユニフォームを掲げる無観客プレゼンでポーズ。 その場には、2年前のバルサ移籍の際に「No te vayas del Atleti. Aquí serás leyenda, allí serás uno más/ノー・テ・バジャス・デル・アトレティ。アキー・セラス・レジェンダ、アジー・セラス・ウノ・マス(アトレティコから出ないで。ここでなら、レジェンドになれるけど、あっちではただの1人の選手よ)」という言葉で当人に警告した奥さんも同席。セレソ会長に「Tenías que haber hecho caso a Erika/テニアス・ケ・アベール・エッチョー・カソ・ア・エリカ(エリカの言うことを真剣に受け止めるべきだったね)」とネタにされていましたが、まあこんなのは序の口ですって。 背番号8を受け継ぐ前にサウール(チェルシーにレンタル移籍)には許可をもらったと言っていたグリーズマンは、次に収録したクラブメディアのビデオインタビューでも「Con Kokín siempre me llevé muy bien, hemos hablado por WhatsApp/コン・コキン・シエンプレ・メ・ジェベ・ムイ・ビエン、エモス・アブラードー・ポル・ホワッツアップ(コケとはすっと仲が良くて、WhatsAppで話していた)」と現キャプテンとツーカーであることを告白。更にはスタジアム併設のオフィシャルショップを訪れて、自身のネームをユニにプリントするわ、やはり併設のTerritorio Atleti(テリトリオ・アトレティ/アトレティコのクラブミュージアム)も見学と、ここまでビデオをガンガン出されると、来週水曜のCLポルト戦でホーム再デビューした時、できるだけファンのpito(ピト/ブーイング)を減らそうと、クラブが必死で印象操作しているように感じてしまうのは私だけではない? そんな調子で盛り上がっているアトレティコでは、木曜に練習見学に行った際にはコケとジョレンテは1日オフで、イングランド代表のトリッピアーも戻っていなかったんですが、金曜には南米組を除いて、選手たちは全員帰還。モンテネグロ代表でまたケガをしたサビッチも回復しており、負傷のリハビリでリーガデビューしていなかったジョアン・フェリックス、フェリペ、エレーラ、そしてビジャレアル戦でヒザを痛めたルイス・スアレスも完治と、これならコレア、デ・パウル、ヒメネスがエルチェ戦に間に合わなくても大丈夫かも。でもねえ、まさか金曜の夜、ワンダで昨季のリーガ優勝への道のりを描いたアマゾン・プライムのドキュメンタリー、「Otra forma de entender la vida(オトラ・フォルマ・デ・エンテンデール・ラ・ビダ/人生を理解するもう1つの形)」のプレミア試写会まで大々的に開催しているとは、凄い余裕じゃないですか。 いえ、さすがにこの席には、昨季はバルサで3位に終わったグリーズマンはいないようでしたけどね。今季は彼の前にもデ・パウル(ウディネーゼから移籍)やクーニャ(同ヘルタ・ベルリン)といった実力派が加入。世間から史上最強のチーム構成になったと称えられ、リーガ2連覇やCL初優勝を期待されているアトレティコですが、「Son los resultados los que te marcan ser mejor o peor/ソン・ロス・レスルタードース・ロス・ケ・テ・マルカン・セル・メホール・オ・ペオール(最高か、最低か決めるのは結果だから)」というコケの言う通り、慢心は禁物ですからね。選手たちも初心を忘れず、キャパの40%、1万6000人のファンがエスパニョールを応援するRCDEスタジアムでの試合で勝利してくれるといいのですが。 一方、同じ日曜の午後9時(日本時間翌午前4時)から、約1年半ぶり、2020年3月1日のクラシコ(伝統の一戦、バルサ戦のこと)以来となるサンティアゴ・ベルナベウでホームゲームを行うお隣さんはというと。いやあ、今週も私が水曜に近くを通った際、ザッと外から見た時には、まだ工事現場感が半端なかったんですけどね。金曜にはとうとうピッチの芝貼りも完成し、スタンドの客席も整えられていて、およそ2万人のファンをセルタ戦に迎える準備は整ったよう。負傷者が相次いだ開幕からの3試合とは違い、今回は欠場が確定しているのはオリンピックで足首を痛めたセバージョス、恥骨炎のクロースだけで、モドリッチ、ナチョ、メンディ、マルセロはもうチーム練習に参加しているため、アンチェロッティ監督も南米組を酷使する必要はない? ええ、来週水曜には彼らもCLインテル戦がありますしね。今のところ、リーガではマドリー、セビージャ、バレンシア、バルサ、アトレティコ、マジョルカが同じ勝ち点で首位グループを形成しているため、足並みを揃えておけば問題ありませんし、火曜に入団プレゼンがあったカマビンガ(リールから移籍)がデビューするのかも興味が沸きますしね。2023年1月までベルナベウの改修工事は続くものの、ようやくホームスタジアムに足を運ぶことができるようになったファンの前で、きっと選手たちもいいプレーを披露したいと思っているんじゃないでしょうか。 そして弟分のヘタフェは月曜のエルチェ戦で、今季2度目のコリセウム・アルフォンソ・ペレスでのホームゲームを迎えるんですが、実は9月になって、マドリッドのスタジアムはキャパの40%から、60%まで観客数を増やすことが可能に。おかげで前回のセビージャ戦では入りきらなかったabonado(アボナードー/年間チケット購入者)全員がスタンドに座れるようになったんですが、これが紛れもなく朗報なのは、ヘタフェがまだ白星どころか、勝ち点すら、獲れていないから。ええ、開幕戦のバレンシア戦は1-0、セビージャ戦も0-1で負け、カンプ・ノウでは健闘したものの、2-1でバルサに負けてしまいましたからね。今は消化試合数が少ないため、エルチェに勝てば、前節グラナダに大勝して一気に10位まで上がったラージョのように、ミチェル監督のチームも躍進が可能とはいえ…。 どうにもゲンが悪いのはお隣さんも開幕早々、ドツボにはまってしまったようで、金曜にスポルティング・ヒホン戦をプレーした2部の弟分、レガネスは2-1で敗戦。とうとう白星なしのまま5試合が経過と、引き分けで勝ち点は2あるとはいえ、今季こそ1部復帰を遂げたいチームにしては、あまりに不本意なスタートかと。うーん、2部は1部のようにラ・リーガの日程変更の配慮がなく、火曜にカタールで中国戦に出た柴崎岳選手はベンチに入ったものの、プレーはせず。オメロウ(ナイジェリア)、バルセナス(パナマ)などはお留守番と、戦力的にも辛かったんですけどね。これではホントに先行きが不安になりますが、次節、ブタルケ開催のアモレビエタ戦では風向きが変わってくれることを今は願うしかありません。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2021.09.11 19:00 Sat
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そろそろリーガが気になりだした…/原ゆみこのマドリッド

「もう戻って来る選手もいるのね」そんな風に私が各国代表戦週間の終わりが近いのを感じていたのは火曜日、移籍市場最終日にレアル・マドリー入団が決まったカマビンガ(レンヌから移籍)のプレゼンが水曜にあるという通知をスマホで受けた時のことでした。いえ、17才だった昨年にはフランスA代表に招集され、ネーションズリーグなどで3試合出場している彼ですが、この9月のお勤め先はフランスU21代表。W杯予選が3試合ある大人の代表とは違い、2023年U21ユーロ予選をプレーする弟分チームのマケドニア戦でゴールを挙げて3-0の勝利に貢献し、月曜にはフェロー諸島戦で1-1と引分けたところでお役目御免に。 よって火曜にはもうマドリッドに来て、水曜にはプレゼンができるんですが、やっぱり差があるんですよね。この夏、本命のギャラクティコ候補だったエムバペ(PSG)の獲得が決まっていれば、日曜のセルタ戦目指して現在、芝をピッチに張っている途中のサンティアゴ・ベルナベウの改修工事を急がせて、ファンを入れてのメガイベントが噂されていたんですが、カマビンガはまだ新進気鋭の若手だからでしょうか。ダビド・アラバ(バイエルンとの契約を満了して移籍)同様、プレゼンはバルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場で関係者のみが出席、ユニフォームでのポーズはエスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノ(RMカスティージャのホーム)、その後の記者会見もZOOM越しって、ちょっと寂しくない? といってもお隣さんもこの夏の入団プレゼンに関しては決して威張れたものではなく、うーん、まだ正式に告知はされていないんですが、火曜にはフランスA代表の9月最終戦、フィンランドとのW杯予選がリヨンであったため、早くて水曜、余裕を見て木曜といった感じでしょうかね。やはり移籍市場のラストデー、午前零時のクローズ間際に決まったグリーズマン(バルサからレンタル移籍)の復帰プレゼンは無人のワンダ・メトロポリターノでセレソ会長と一緒にユニを掲げてポーズ、追ってインタビュービデオの配信という、デ・パウル(ウディネーゼから移籍)、ルコント(同モナコ)らと同じ道を辿るよう。 もちろん、2年前のバルサ移籍の経緯を快く思っていない一部のファンから、プレゼンの席でpito(ピト/ブーイング)を浴びては可哀そうという、クラブの心配りもあるんでしょうけどね。ケガでエムバペが離脱しながら、フィンランド戦で見事なgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)を2本も決めて、フランスに3試合ぶりの勝利をもたらした彼の勇姿をワンダで再び見られるのは、来週水曜のCLポルト戦までお預けになるかと。 そしてもう1つ、私が気になっているのは先週土曜に正式にラージョへの入団が発表されたファルカオのプレゼンなんですが、何せ彼は今回の代表戦週間、とりわけヨーロッパで物議を醸しているW杯南米予選のコロンビア代表に参加中ですからね。スペイン時間の木曜深夜にチリ戦をプレーしてからでないと、マドリッド行きの飛行機には乗れず、到着は土曜の朝となるため、当然、その日の午後6時30分から、シュタット・デ・バレンシアで開催されるレバンテ戦出場はムリでしょうし、プレゼンも週明けとなる可能性が高そうな。 大体がして、この4節は南米代表帰りの選手に配慮して、ほとんどのカードが最初の開催時間割から1日遅れに。それだけでなく、来週火曜にCLグループリーグ1節がある3チームを、だからと言って、土曜にプレーさせる訳にはいかないと、セビージャvsバルサ戦、ビジャレアルvsアラベス戦の延期をラ・リーガは決定。ええ、火曜にはCSD(スポーツ上級委員会)から、それに反対するサッカー協会の訴えに一時停止命令も出ましたしね。要はCLに縁のないラージョの都合など、知ったこっちゃないってことでしょうけど、このトラブルはやはり3試合が組まれている10月の南米予選の後にもリピートする見込み。元々、空いているミッドウィーク自体、少ないため、あまり延期試合が増えると、後々、過密日程に苦しむチームが出るんじゃないかと思いますが…まあ、今は先にスペイン代表の試合の話をすることにしましょうか。 そう、先週、フレンズ・アレナでスウェーデンに1-2と負け、グループ2位に転落してしまった彼らは後のない状態で日曜にジョージア戦に挑んだんですけどね。実はその前日、心配になった私もラス・ロサス(マドリッド近郊)のサッカー協会施設に偵察に行ってみたところ、ユーロ大会中の賑わいとは大違い。ストリーミング配信もあるせいか、アルビオル(ビジャレアル)が36才のバースデーをチームメートに花道で祝われていた20分間の公開練習を見に来るメディアも少なかったんですが、ルイス・エンリケ監督の試合前記者会見ですら、スペインメディア数社の代表番記者しかいないって、もしやW杯予選って、あまり世間に注目されていない? でも大丈夫。バダホス(スペイン南西部)で行われた試合は8500人程のファンの応援のおかげもあったか、嬉しいことにスペインはノーマルな状態を取り戻したんですよ。ルイス・エンリケ監督もスタメンを5人も変更と、いえ、スウェーデン戦での負傷で代表離脱したジェラール・モレノ(ビジャレアル)は仕方ないんですけどね。その代わりに入ったサラビア(PSGからスポルティングCPに移籍)以外にもモラタ(ユベントス)をアベル・ルイス(スポルティング・ブラガ)に、ジョルディ・アルバ(バルサ)をガヤ(バレンシア)、ブスケツ(バルサ)とコケ(アトレティコ)の中盤もロドリ(マンチェスター・シティ)とマルコス・ジョレンテ(アトレティコ)へと入れ替えているんですが、これが単なるローテーションなのか、スウェーデン戦でのダメダメぶりのせいだったかははっきりせず。 ただ効果は抜群で、前半14分にはサラビアの蹴ったCKから、エリア外にクリアされてきたボールをガヤが撃ち込んで早くもスペインは先制。その後も左SBとその日は中盤の左サイドに入ったバレンシアのキャプテンコンビのいい連携で優勢に進めていたんですが、25分にはこれまで代表では、「He jugado donde más cómodo me siento, donde hice mi mejor temporada/エ・フガドー・ドンデ・マス・コモド・メ・シエントー、ドンデ・イセ・ミ・メホール・テンポラーダ(自分がより快適に感じる場所、一番いいシーズンを送った場所でプレーした)」ことがなかったジョレンテがその本領を発揮。ええ、カルバハル(マドリー)の負傷もあって、ユーロにも右SBとして招集されてしまった彼はグループリーグ2試合目までスタメンだったんですが、クラブでの3人CB制でカリレーロ(長い距離をカバーするSB)とも勝手が違ったか、アタッカーとしての類い稀な資質を披露することができず。 2引き分けでスタートしたせいもあって、その後は準決勝まで進んだチームにあまり加われませんでしたが、右サイドの中盤に起用されたこの日はアトレティコファンにはお馴染み、敵陣右奥深くまで切り込んで、折り返しのラストパス。それをソレルが決めて、A代表初招集組ながら、2試合連続で得点しているんですから、ビックリしたの何のって。これで調子に乗ったか、ジョレンテは33分にもフェラン・トーレス(マンチェスター・シティ)のオフサイドで認められなかったものの、ガヤのゴールを導き、41分には再びフェランと連携して、3点目のアシストをしているとなれば、シメオネ監督が満面笑顔になっていたのは間違いなかったかと。 3-0で折り返したスペインは後半もフェランと代わったフォルナルス(ウェストハム)のクロスから、サラビアがフィニッシュして4点目をゲット。守備陣ではCBのラポール(マンチェスター・シティ)がハーフでアルビオルに代わり、エリック・ガルシアもどこかを痛めたか、途中で交代、更にガヤも29分にふくらはぎの負傷でプレー続行不能になったため、CL王者キャプテンのアスピリクエタ(チェルシー)がCBになったり、左SBになったり、マルチぶりを存分に発揮することに。同様に終盤など、ルイス・エンリケ監督曰く、「彼のような万能性の高い選手がいる時、sería hasta injusto usarle en una sola posición/セリア・アスタ・インフスト・ウサールレ・エン・ウナ・ソラ・ポシシオン(1つのポジションだけで使うのは不公平とまで言っていい)」というジョレンテも右SBに回されていましたっけ。 といっても、まあ、3月のアウェイでの対戦では後半ロスタイムにダニ・オルモ(ライプツィヒ)がゴールを挙げて、やっとこ1-2の辛勝だったとはいえ、基本的にジョージアは格下のチームですからね。ルイス・エンリケ監督も残り15分にはGKウナイ・シモン(アスレティック)を下げ、ユーロで抜擢招集されながら、まだデビューしていなかったロベルト・サンチェス(ブライトン)をピッチに入れているぐらいの余裕ぶりで、この4-0の勝利でスペインは再びグループ首位に返り咲き。とはいえ、もろ手を挙げて喜べないのは同日、スウェーデンがお休みだったせいで、向こうは消化試合が2つも少ないですからね。 水曜のギリシャ戦で相手が躓くのを期待するしかないというのは変わりませんが、予選初戦でスペインと1-1で引き分けたギリシャはジョージア、コソボともドローと、一体、どこまで当てになるのやら。とにかく水曜午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)からのコソボ戦、スペインには勝利一択しかないんですが、日曜深夜にバダホスからラス・ロサスに戻って来たチームからは、重傷ではないものの、用心のため、ガヤが離脱。今回は代わりにレギロン(トッテナム)を追加招集して、月曜に即日合流となりました。 まあ、翌日にはコソボのプリスティナに移動し、前日スタジアム練習をしたルイス・エンリケ監督も「Dependemos de nosotros mismos para clasificarnos, más allá de que no seamos primeros de grupo/デペンデモス・デ・ノソトロス・ミスモス・パラ・クラシフィカールノス、マス・アジャー・デ・ケ・ノー・セアモス・プリメーロス・デ・グルッポ(グループ首位で終われなくても本大会に出場できるかは我々次第だ)」と言っていましたしね。このコソボ戦ではモラタやブスケツ、コケらがスタメンに復帰するのかといった興味もありますし、とにかく今は、たとえ、来年3月のプレーオフに回っても勝ち抜けてくれることを信じるしかありません。 そして最後にマドリッド勢の近況も伝えておくと、どこも週末を練習休みにした後、月曜から稼働しているんですが、気になるのは日曜午後9時(日本時間翌午前)に待ちになったサンティアゴ・ベルナベウでのホーム開幕、セルタ戦を迎えるマドリーの中盤。というのも恥骨炎のクロース、太ももを痛めたモドリッチの回復が遅れているようで、ここに南米出向組のカセミロ(ブラジル)、バルベルデ(ウルグアイ)の遅い帰還が重なるとなると、もしやスタメンがイスコ、入団ほやほやのカマビンガ、カンテラーノ(RMカスティージャの選手)のブランコになったりする?その一方でベイルがウェールズ代表のベラルーシ戦でハットトリックを達成したり、ベルギー代表ではアザールもチェコ戦で久々の得点、加えてGKクルトワは3試合目のベラルーシ戦を免除されて、早帰りできるなんて朗報もあるんですけどね。 それ以上にビニシウス、ミリトンもブラジル組というのは辛いところですが、まあ、そこはヒメネス(ウルグアイ)、デ・パウル、コレア(アルゼンチン)がケガなく無事に戻って、日曜午後2時(日本時間午後9時)からのエスパニョール戦に参加できるように祈っているシメオネ監督のアトレティコも同じかと。ちなみにこちらはジョアン・フェリックス、フェリペ、エレーラの3人は完全に負傷から回復。paron(パロン/リーガの一時停止期間)直前のビジャレアル戦でヒザを腫らしたルイス・スアレスだけが、まだ別練習となっていますが、週が進めば、合流できるんじゃないでしょうか。 え、今週はフロレンティーノ・ルイス(ベンフィカからレンタル移籍)のプレゼンをコリセウム・アルフォンソ・ペレスのプレスルームにマスコミを集めて行い、この4節から、観客数の制限がキャパの40%から60%に上がったため、月曜のエルチェ戦ではとうとう、abonado(アボナードー/年間指定席購入者)を全員入れられることになった弟分のヘタフェも意外と各国代表に行っている選手が多くないかって?いやあ、私も確認してみて驚いたんですけどね。マクシモビッチ、ミトロビッチ(セルビア)、ジェネ(トーゴ)、エネス・ウナル(トルコ)、アランバリ(ウルグアイ)、ヤンクト(チェコ)と何と、総勢6人もいたんですよ。 こちらはリーガ戦が週明け開催になったため、南米組の心配はしなくてもいいし、初戦のベラルーシ戦でケガをしたと言われていたヤンクトも軽傷だったのは幸いでしたが、まあ、彼らの場合はシーズン初勝利も初勝ち点もまだ挙げていませんからね。ビトロはしばらく負傷でダメなようですが、2週間、ばっちり練習に励んだマタやサンドロにゴール勘が戻ってくれることを、ミチェル監督も切に願っているんじゃないでしょうか。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2021.09.08 20:00 Wed
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空模様が怪しくなってきた…/原ゆみこのマドリッド

「もしやこれって、マズいのかもしれない」そんな風に私が心配になっていたのは金曜日、下手をすると、スペイン代表の2022年W杯カタール大会出場がすんなり決まらないかもしれないことに気がついた時のことでした。いやあ、昨年からのコロナ禍のせいで、ユーロ2020が今年の夏に開催となり、更に東京オリンピックなどもあったため、W杯予選が今年の3月から始まっており、2勝1分けのスペインがグループ首位にいたことすら、最初は思い出すのも一苦労。おまけに大甘ユーロ予選の方ではグループ2位まで出場権ゲットとか、本大会なんか、3位の大半も決勝トーナメント進出と激甘だったため、W杯予選ではグループ1位しか、直接出場権を得られないことをあまり気にしていなかった自分も悪かったんですけどね。 スポーツ紙が1位突破できなかった場合、今回のrepesca(レペスカ/プレーオフ)は方式が変わって、予選グループ2位の10チームと、予選で出場権が得られなかった昨年のネーションズリーグ上位3チームの計12チームが参加。4チームずつの3グループで準決勝、決勝を一発勝負で戦い、優勝した3チームがW杯出場権を得られると、しつこいぐらい説明していたのを他人事のように読み飛ばしていたところ、まさかそれが我が身に降りかかってくるとは。うーん、スペインが近年、プレーオフ経由で本大会出場を果たしたのはイニャキ・サエス監督が率いた2004年ユーロ、今は亡きルイス・アラゴネス監督、最初のインターナショナルメジャートーナメントとなった2006年W杯の2つなんですが、その時はそれぞれ、ノルウェイ、スロバキアを2試合制の対戦で撃破。 今回のプレーオフも試合数は同じですが、2チームを相手にしないといけないのと、会場が抽選で決まるため、ホームでプレーできない可能性も。大体がして、ネーションズリーグ上位3チームって、どこなのか、仕組みもややこしいし、正直、予選が終わるまでわからないって何?来年の3月開催ともなると、その頃、リーガのビッグクラブはCL16強対決と準々決勝の狭間で予定も立て込んでいる時期ですしね。できれば、代表戦でガチな試合は避けてもらいたいものですが、不確定な未来のことはこれぐらいにして、とりあえず、まずはマドリッド勢のクラブたちが火曜に閉じた移籍市場でどういう動きをしたのかから、お話ししていくことにしましょうか。 やはり一番の期待を集めていたのは、この夏、ダビド・アラバ(バイエルンとの契約を満了して移籍)以外、新顔がなかったレアル・マドリーで、うーん、1憶6000万ユーロ(約170億円)から始め、1憶8000万ユーロ(約236億円)へとエムバペの移籍金オファーを上げながら、PSGからまったく答えがないのに業を煮やしたんですかね。移籍市場終了日夕方にはとうとう、2億ユーロ(約262億円)まで釣り上げたんですが、同時に諦めもあったか、PSGも狙っていたという、18才のMFカマビンガ(レンヌ)を嫌がらせのように3000万ユーロ(約40億円)で獲得。その発表があった後はウンともスンともなく、久々のギャラクティコ候補は契約の切れる来年6月まで、メッシとネイマールのチームメートで居続けることに。 まあ、相手はカタールの王族がオーナーでお金に困っていませんからね。巷でPSGが要求していたと言われる2億2000万ユーロ(約290億円)まで、マドリーが値上げしても同じだったかと思いますが、地に足をつけている普通のクラブは出入りのバランスがチーム作りに不可欠。そのせいで私も夜半過ぎまでGol(スペインのサッカー専門オープンTV局)に釘付けになっていたんですが、というのもチェルシー側の事情はわからないものの、夏の間中、噂になりながら、一旦は沈静化していたアトレティコのサウールの移籍交渉が再開されたと聞いたから。 それと平行していたのが、2年前にバルサに移ったグリーズマンの復帰で何せ、向こうはメッシの退団、キャプテンのピケ、ブスケツ、ジョルディ・アルバ、セルジ・ロベルトらの大幅減棒までして尚、ラ・リーガのサラリーキャップ基準を満たしてないとあって、どうしても高年棒選手を放出しないといけない状況にありましたからね。ようやく午前0時少し前にサウールの1年レンタル移籍が、買取オプション付きでチェルシーが400万ユーロ(約5億3000万円)払うことでまとまり、続いてグリーズマンも1年延長付き1年レンタル、出場試合数によって、アトレティコが4000万ユーロ(約53億円)の移籍金で買取るという契約も成立。そしてバルサはクーマン監督の希望していたオランダ代表FWルーク・デ・ヨングをセビージャに400万ユーロ払って、1年レンタルというのがデッドラインギリギリで決まったんですが、いやあ。 最近はスペイン代表にも呼ばれず、ヒマだったんですかね。移籍市場が閉じた後の深夜、サウールがイバイ・ジャノス(スペインの有名ライバー)のTwitchiチャンネルに自宅から出演。2節のエルチェ戦では、彼女のジャイサさんが今年の2月に産まれた長女のアフリカちゃんを連れてきて、コロナ禍の無観客試合ではできなかった念願のキックオフ前集合写真をワンダ・メトロポリターノで撮っていましたし、先週末のビジャレアル戦では奇跡の同点オウンゴールを呼び込む、執念のロングボールを蹴っていた彼自身も前日まではアトレティコ残留を信じながら、まさかの展開になった事情を語っているとは時代も変わったものです。 それによると、サウールもここ2年間、本領を発揮できていないのにストレスを抱えており、昨季は監督とヒル筆頭株主と面談。「Le pedí entrenar en mi posición, a pesar de no jugar, que no me importaba tanto/レ・ペディ・エントレナール・エン・ミ・ポシシオン、ア・ペサール・デ・ノー・フガール、ケ・ノー・メ・インポルタバ・タント(自分のポジションで練習させてくれるように頼んだんだ。試合では、そこでプレーすることはなかったけど、それはあまり重要じゃなかった)。そしたら、2人はボクがアトレティコを出た方がいいと思ったらしい」んですが、いや、どこをどうすればそうなる? 要はマハダオンダ(マドリッド近郊)でのセッションでも左SBばかりやらされて、うんざりしていたんでしょうけど、でもねえ、チェルシーだって、ボランチは大激戦区。だってえ、昨季のCL王者にはUEFA年間最優秀MF賞のカンテ、同最優秀選手賞のジョルジーニョ、そしてコバチッチもいるんですよ。アトレティコ以上に中盤のポジション争いは熾烈なように見えますが、まあ、それでも当人は余程、嬉しかったのか、ロンドンに移動して、新チームに合流した木曜以降、ツィッターにビデオを連投(https://bit.ly/3BDCdw2)。あちらもプレミアリーグにCL、カップ戦と試合数が多いため、きっと出番は回ってくると思いますが、さて。 ちなみにマヌ・サンチェスもオサスナにレンタルされてしまい、これでトップチーム、唯一のカンテラーノ(アトレティコB出身の選手)となってしまったのがコケなんですが、彼もエルチェ戦前には1年間、果たせなかった長男のレオ君とピッチで写真撮影の夢を実現。現在はスペイン代表参加中で、水曜にストックホルムのフレンズ・アレナでスウェーデン戦前の記者会見に出た際には、サウールやグリーズマンについての質問が出るのは当然だったかと。いえ、当人は緊迫の移籍市場終了日の夜も「友だちとプレステで遊んでいて、12時には寝に行った」ぐらい、お気楽な様子だったんですけどね。 サウールのことも「Se va cedido, pero ojalá que para volver/セ・バ・セディードー、ペロ・オハラ・ケ・パラ・ボルペル(レンタル移籍するけど、戻って来ますように)」とあっけらかんとしていたんですが、この夏のプレシーズンでは親善試合に鬼のように駆り出されていたアトレティコBの後輩たちもボルハ・ガルセス(レガネスにレンタル)、カメージョ、リケルメ(同ミランデス)、セラーノ(同デポルティーボ)、リカルド(グラナダに移籍)と続々と修行の旅立ちをしていますからねえ。サウールの背番号8は早速、翌日のボスニア・ヘルツェゴビナ戦でフランスの同点ゴールを挙げて、古巣復帰を祝っていたグリーズマンが受け継ぐことになりましたが(https://bit.ly/38CxrCn)、しばらくはコケもチーム内で先輩風を吹かせられず、ちょっと寂しいかもしれません。 そして最終日のドタバタ劇は弟分チームでもあって、いえ、ヘタフェは月曜にはCBホルヘ・クエンカ(ビジャレアルからレンタル)、最後の仕上げには2部のお隣さんから、左SBジョナタン・シウバ(レガネスから移籍)、MFフロレンティーノ・ルイス(ベンフィカからレンタル)を獲得した上で、昨季はRMカスティージャ(2部B、今季はRFEF1部)にレンタルしていたカンテラーノのウーゴ・ドゥーロ(バレンシアにレンタル)、イグナシ・ミケル(ウエスカにレンタル)を放出と比較的平和だったんですけどね。昨季まで指揮官を務めていたボルダラス監督(今季はバレンシア)に狙われていたアランバリやジェネも守れたため、ミチェル監督も安心して、paron(パロン/リーガの停止期間)明けの巻き返しに専念できるはずですが、驚かされたのは今季また、1部に復帰したラージョの方。 ええ、午後9時頃にはセルジ・グアルディオラ(バジャドリーからレンタル)の入団が発表され、これで前線の補強も済んだかと思いきや、GOLではマドリーのマリアーノのレンタル移籍も交渉進展中との報告が。しばらくすると、それがクラブ間で完全に合意ができたらしいとされながら、土壇場で選手が拒否して破談というのも凄いですが、次に出た名前が何と、ファルカオだったんですよ!そう、2011年夏の試合中、アグエロ(現バルサ)のマンチェスター・シティ移籍で鬱状態だったビセンテ・カルデロンに「ポルトからファルカオの入団が決定」というアナウンスが流れて以来、2シーズン、計70ゴールとヨーロッパリーグ、コパ・デル・レイのタイトルをもたらしてくれた、あの伝説のゴールゲッターがガラタサイとの契約を解除して、ラージョに入ってくれるとなれば、今季は2部最短Uターンの悪夢とは無縁でいられる? ま、移籍関連はこんな感じなんですが、そろそろ腹を括って、スペイン代表が首位陥落したスウェーデン戦がどうだったか、お伝えすると。スタメンのうち、10人をユーロ出場メンバーで固めたチームは早くも前半5分、1人、新参者として加わったカルロス・ソレル(バレンシア)が大当たり。ええ、ジョルディ・アルバのクロスをワンタッチで押し込んで、東京オリンピックで銀メダルをゲットしてきた実力はダテでないことを証明していましたが、それで油断してはいけませんよね。何と、失点直後のキックオフから速攻に出たスウェーデンはロングボールをソレルに取られたものの、彼のパスを上手くブスケツが受け取れず、ボールを奪ったイサク(レアル・ソシエダ)が同点ゴールを決めているのですから、呆気に取られるとはまさにこのことかと。 そのまま1-1で試合は後半に入り、もちろんポゼッションはスペインが上だったものの、6月にはユーロのグループリーグ初戦で顔を合わせ、0-0と引分けている相手は、「セビージャでの試合より、ボールを持ちたいし、そうなった時には自分たちのプレーをしたい」(アンデション監督)という言葉を粛々と実行。ええ、12分にはCKから始まったプレーから、コケが頭で遠くにクリアできなかったボールをクルセフスキ(ユベントス)がゲット。ユーロでの対戦時はコロナ感染でいなかったFWのラストパスを撃ったクラエソン(クラスノダール)のシュートがGKウナイ・シモン(アスレティック)を破り、勝ち越し点を取られてしまうんですから、ショックだったの何のって。 おまけに19分には昨季のサラ(リーガのスペイン人得点王)であるジェラール・モレノ(ビジャレアル)が負傷して、アダマ・トラオレ(ウォルバーハンプトン)に交代するという逆境も発生。何せ、ユーロ参加の他のFW、オジャルサバル(レアル・ソシエダ)、ダニ・オルモ(ライプツィヒ)はオリンピックにも行ったため、今回はお休みをもらって、招集されていませんからねえ。ルイス・エンリケ監督も「Hemos generado, pero era difícil con los centros/エモス・ヘネラードー、ペロ・エラ・デフィシル・コン・ロス・セントロス(ウチはチャンスを作ったが、サイドからのクロスでは難しい)」と言っていたように、何故か、CFのモラタ(ユベントス)が30分に退いた後から、ボールを敵エリア内に放り込んで、どうにかしようというのもちょっと解せませんが、結局、スペインは最後まで追いつくことができず、2-1で敗戦です。 いやあ、実は彼ら、スウェーデンとは相性が悪く、ユーロで対戦する前、その予選でも1-1の引き分けと、ストックホルムでは6試合、ずっと勝てていないんですけどね。まさか、7月にはユーロ準決勝まで進んだチームがこうも簡単に「hemos perdido infinidad de duelos, no sólo en lo defensivo sino también en el centro del campo/エモス・ペルディードー・インフィニダッド・デ・ドゥエロス、ノー・ソロ・エン・ロ・デフェンシボ・シノ・タンビエン・エン・エル・セントロ・デル・カンポ(ウチは数えきれない程、1対1の戦いに負けていた。守備だけでなく、ピッチの中盤でもね)」(ルイス・エンリケ監督)という状態になってしまうって、一体、どういうことでしょう。 もうこうなると、この日曜午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)から、バダホス(スペイン南西部)であるジョージア戦、来週水曜のコソボ戦に連勝して、同日、ギリシャと戦うスェーデンが躓いてくれることを祈るばかり。それが試合後、マドリッドに戻り、金曜にはラス・ロサス(マドリッド近郊)のサッカー協会施設でリハビリトレをしたチームには、大きなケガはしていないものの、大事を取ってジェラール・モレノが代表を離脱するという悪いニュースも入って来たから、さあ大変。うーん、ラ・リーガが今回、南米各国代表選手の帰還が遅れるのに伴い、日時変更をした4節の中でビジャレアルvsアラベス戦とバルサvsセビージャ戦は延期となったものの、競技委員会はこれを認めず。強行される可能性もありますし、何よりビジャレアルには14日火曜にCLアタランタ戦が控えていますからね。 ただ、そうなるとますます、スペイン代表のゴールを誰が担ってくれるのか、不安になりますが、こればっかりはねえ。今更、お休みを与えた選手を呼ぶこともできないため、ここはモラタ、フェラン・トーレス(マンチェスター・シティ)、トラオレ、サラビア(PSGからスポルティングCPに移籍)、そしてサプライズ招集だったアベル・ルイス(スポルティング・ブラガ)らに頑張ってもらうしかないかと。幸い、ジョージアもコソボも強豪ではありませんし、10月はネーションズリーグのファイナルフォーのため、W杯予選はないスペインですから、とりあえず、ここを何とか乗り切って、11月のギリシャ戦、ホームでのスウェーデン戦で本大会直接出場への夢を繋いでくれたらと思います。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している 2021.09.04 23:05 Sat
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