欧州スーパーリーグ構想から撤退した9クラブにUEFAが罰金20億円の処分決定…今後同様のケースでは罰金132億円

2021.05.08 11:00 Sat
Getty Images
欧州サッカー連盟(UEFA)は7日、「ヨーロッパ・スーパーリーグ(ESL)」の設立に参加を表明し、その後撤退した9クラブに対する処分を発表した。
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事の発端は4月18日、ヨーロッパの12クラブがESLの設立を正式に表明した。しかし、このESL参加に関しては、各クラブの会長やオーナーらが主導となっており、選手や監督らは知らされていない状況。そのため、大きな反発を受けると、何よりも完全に取り残されていたファン・サポーターが猛反発。各地で抗議活動が起こり、クラブを見捨てる姿勢をあらわにしていた。
また、UEFAに加え、国際サッカー連盟(FIFA)や各国リーグなども反対の姿勢を表明。多くの人々から歓迎されないリーグが創設される状況となっていた。

その影響か、20日には参加を表明していたマンチェスター・シティ、マンチェスター・ユナイテッド、リバプール、チェルシー、アーセナル、トッテナムの6クラブが相次いで撤退を表明。さらに、翌21日にはアトレティコ・マドリー、インテル、ミランが撤退を表明していた。
一方で、創設の中心となったとされるレアル・マドリー、バルセロナ、ユベントスは撤退の意思を示さず。ユベントスは苦しい状況であることを認め、敗北宣言とも取れる声明を発表したが、マドリーとバルセロナはノータッチの状況だった。

そんな中7日、UEFAは声明を発表。撤退した9クラブが「クラブ・コミットメント宣言」を提出し、UEFAの大会等に復帰するとしている。

「和解の精神と欧州サッカーのために、いわゆる“スーパーリーグ”プロジェクトに関与していた12クラブのうちの9クラブは、UEFAのクラブの大会だけでなく、国内のクラブの大会へのコミットメントを含む、クラブの立場を定めた「クラブ・コミットメント宣言」をUEFAに提出した」

「UEFAは取締役会を緊急招集し、「クラブ・コミットメント宣言」の精神と内容を十分に考慮した上で、クラブが行った様々な行動や措置、コミットメントを承認することに決定した」

「UEFAと9つのクラブの間では、UEFAのクラブの大会に復帰に関するコミットメントと、その方法の正式な確認が合意に至り、サインされた。承認された復帰措置は完全かつ最終的なものとなる」

「これらの9クラブは、“スーパーリーグ”のプロジェクトが間違いであったことを認め、受け入れ、ファン、各協会、リーグ、ヨーロッパの仲間のクラブ、UEFAに謝罪する。彼らはまた、プロジェクトがUEFAの法令及び規則の下で承認されなかったことを認識した」

今回の合意により、UEFAの大会への復帰に加え、欧州クラブ協会に再加入することが決定。また、罰金1500万ユーロ(約20億円)が科される事となり、それらはイギリスを含むヨーロッパ中の地域社会において、子供、若者、草の根のサッカーの利益のために寄付されることになる。

また、来シーズンのUEFAのクラブの大会で受け取れる収益の5%徴収し、再分配されるとのことだ。

さらに、将来的に無許可の大会に参加しようとした場合には1億ユーロ(約132億円)の罰金に加え、「クラブ・コミットメント宣言」に違反した場合は5000万ユーロ(約66億円)の罰金を支払うことに同意する事となったようだ。

なお、正式に撤退を発表していないマドリー、バルセロナ、ユベントスへの処分は発表されていないが、問題が長引くようであれば、今回以上の処分が下されることになると見られている。

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