優勝候補が多すぎる…/原ゆみこのマドリッド

2021.05.04 19:00 Tue
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「クラスター起こしたら、どうするつもりなんだろう」そんな風に私が面喰っていたのは月曜日、バレンシアに2-3で競り勝ち、この週末のリーガ首位決戦を勝ち点差2で迎えられることになったバルサの選手たちがメッシの豪邸に集結。バーベーキューをしながら、必勝を誓ったという記事を見つけた時のことでした。いやあ、その対戦相手であるアトレティコもいつぞやは練習後に皆揃って、マドリッド郊外にあるヒル・マリン筆頭株主の別荘にバスで行き、決起ランチ会を開いたりしていたんですけどね。未だにマドリッドにはコロナ感染予防の制限条例があるため、事前に保健省の許可を取ったり、1テーブルにつき6人にまでにするといった配慮をしながらだったようですが、バルセロナの状況も似たりよったりではなかった?

まあ、その辺はクーマン監督が考えればいいことですが、何にせよ、上位3チームが勝利したため、先週末のリーガでは優勝戦線の状況がまったく変わらず。また、胃がチクチクする1週間を過ごすことになるかと思うと憂鬱ではあるものの、それだけにミッドウィークにCL準決勝チェルシー戦2ndレグをレアル・マドリーがプレーしてくれるのは、ちょっと気晴らしになってくれるかも。ただ、日曜には、すでにスペインでは誰も口にすることのなくなった、欧州スーパーリーグ構想に反対するマンチェスター・ユナイテッドのファンがオールド・トラフォードを占拠。マンチェスター・シティのプレミアリーグ優勝が決まるかもしれないリバプール戦が延期になったなんて聞くと、その元凶であるペレス会長のいるマドリーが訪れるスタンフォード・ブリッジは大丈夫なんだろうかと、ちょっと心配になってしまったりするんですが…。

とりあえず、今は先週末のマドリッド勢の試合がどうだったか、お伝えしていくことにすると、先陣を切ったのは首位のアトレティコ。マルティネス・バレロでのエルチェ戦でしたが、一応、選手たちは前節のサン・マメスでの過ちから学んでいたようです。ええ、当たり前のことですが、ちゃんと目を覚ましてピッチに立った彼らは序盤から、積極的に敵ゴールを目指し、前半16分にはマルコス・ジョレンテのスルーパスに抜け出したルイス・スアレスのシュートも決まったんですけどね。オフサイドを取られてしまったため、こちらはスコアボードには上がらず。それでもしつこく攻め続けたおかげか、23分にとうとう、先制点を奪えることに。

そう、カラスコがエリア内右奥から出したラストパスをジョレンテが撃ったところ、ボールがホセマの手に当たって軌道を変え、ゴールに入ってくれたんですが、うーん、これだけだったんですよ。この日のゴールは。ハーフタイム入り直前にはコレアとジョレンテが続けて、どちらのシュートもエリア内で敵の腕に当たりながら、審判にハンドをスルーされてしまうというアンラッキーもありましたけどね。後半も18分にまたスアレスがゴールをオフサイドで認められなかった後、得意の一歩下がって、守りを固める態勢に入ってしまったとなれば、最後の最後にアトレティコが試練に見舞われたのも自業自得だった?

といっても残り1分に敵のクロスが腕に当たったとして、エリアのすぐ脇でFKを与えることになったトリッピアーのファールは前半の例を考えると、どうにも納得がいかないんですけどね。ただ、悪いことは続くもので、そのFKからのプレーで今度はジョレンテがハンドを取られ、場所がゴール前だったため、PKを献上って、こんな不幸の連鎖があっていいんでしょうか。でも人生、捨てる神あれば拾う神あり。先日はアラベス戦でホセル、セビージャ戦でもオカンポスと連続でPKを弾いていたGKオブラクだったため、2度あることは3度あるんじゃないかと藁にもすがる思いで見ていたところ、何とキッカーのフィデルがPKをゴールポストに当ててくれるとは!

いえ、エルチェも残留争いの真っ只中ですし、人の不幸を喜んではいけないんですけどね。自身のゴールが決勝点となったジョレンテなど、「No creo en la suerte/ノー・クレオ・エン・ラ・スエルテ(ボクは運なんて信じないよ)。PKがポストに行かなくたって、オブラクは方向を読んでいたんだから、止めてたさ」と言っていましたが、それこそシュートが人に当たったおかげでゴールになった選手が口にするのもどうかと。1-1の引き分けに持ち込むチャンスが泡と消えたエスクリバス監督は、「後半も前半のようにプレーしていたら、PKが決まったかどうかなんて、関係なかっただろう。porque hubiéramos perdido por goleada/ポルケ・ウビエラモス・ペルディードー・ポル・ゴレアダ(ウチは大量点で負けていただろうから)」と潔かったものの…。

本当に私が説明してほしかったのは、「後半の始まり方が悪かったとは思わないが、luego el equipo ya no atacó tras los 15 minutos/ルエゴ・エル・エキポ・ノー・アタコー・トラス・ロス・キンセ・ミヌートス(15分過ぎから、チームは攻撃しなくなった)」というシメオネ監督のコメントで、どうしてそうなったのかという点なんですけどね。当人は「Me quedo con las cosas positivas, las negativas suman poco/メ・ケド・コン・ラス・コーサス・ポシティーバス、ラス・ヘガティーバス・スマン・ポコ(私はポジティブなことを覚えておく。ネガティブなことはあまり役立たないからね)」と言うばかりなんですよ。でもお、毎回、そんなだから、「Tras el fallo, la alegría fue como un gol/トラス・エル・ファジョ、ラ・アレグリア・フエ・コモ・ウン・ゴル(敵が失敗した後の喜びはゴールが入った時のようだった)」という、せこい勝ち方になるのでは?

これではピケなどが、「Con la única idea de ganar./コン・ラ・ウニカ・イデア・デ・ガナール(勝つことしか頭にない)」と張り切って待っている土曜のバルサ戦、カンプ・ノウで晴れて勝利を手にして、アトレティコが勝ち点2差を守れるのか、私には不安しかありませんが、今週の彼らは日月を練習休みにして、火曜から活動再開。またしても筋肉系のトラブルで途中交代したヒメネスの様子も気になりますし、エルチェ戦ではコンドグビアに先発を譲ったコケがスタメン復帰できるのかとか、後半に途中出場したジョアン・フェリックスにまったく存在感がなかったのは何故なのかとか、スアレスはいつオフサイドにならずにゴールを決められるようになるのかとか、イロイロ、疑問はありますが、その辺はちょっと置いておくことにしましょうか。

そして土曜の夜は再び、近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)に戻って、マドリーvsオサスナ戦を見た私だったんですが、おや珍しい。ここ4試合、いつも雨が降っていたエスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノ(RMカスティージャのホーム)の天気がいいじゃないですか。このお隣さんもバルサと同じ勝ち点差2の2位でリーガ優勝を争っているんですが、この日のジダン監督はCLチェルシー戦を見据えて、クロースとモドリッチを控えにするローテーションを敢行。代わりにカンテラーノ(RMカスティージャの選手)のブランコがボランチに入ったとはいえ、ベンゼマ、ビニシウス、アザールと前線はトップメンバーだったため、リードするのにそれ程、時間はかからないだろうと思っていたところ…。

何と、前半25分からの3分間にオサスナのGKエレーラがparadon(パラドン/スーパーセーブ)を連発。まずはアザールのシュートを弾くと、2度に渡るミリトンのヘッドも止めてしまうんですから、やってくれるじゃないですか。ちなみにこの日はミリトンが後半10分にもエリア内でvolea(ボレア/ボレーシュート)を外すなど、マドリーの中で誰より、シュートを撃っていたんですが、そろそろスコアレスドローも見えてきた30分過ぎのことでした。まさかイスコのCKから、彼のヘッドが3度目の正直で決まってしまうとは!いやあ、その日はかろうじてGKクルトワが間に合った、オウンゴールになりかねないバックパスなどもあったとはいえ、セルヒオ・ラモスの負傷離脱、バランのコロナ感染などで、繰上りスタメンとなってからのミリトンはほとんど完璧。このままだと攻守において、キャプテンがいなくてもどうにかなりそうな感じになってきましたが、まあ、そうもいきませんよね。

その後は40分にもベンゼマのパスをカセミロがコントロールしそこなったものの、逆にそれが功を奏して、2点目のゴールが入り、試合は2-0でマドリー勝利で終了。それはまあ、いいんですが、後半頭からナチョと代わったバランについて、ジダン監督は「Varane dice que es poca cosa y ojalá sea así/バラン・ディセ・ケ・エs・ポカ・コーサ・イ・オハラ・セア・アシー(バランは大したことないと言っていたし、そうであってほしいね)」と言っていたものの、翌日には右太もものケガで全治10日間となったことが判明することに。丁度、入れ違いでラモスとメンディが日曜のチーム練習で復帰の用意ができているところを見せていたんですが、果たして2人が水曜午後9時(日本時間翌午前4時)からのチェルシー戦で先発できる程、調子が整っているのかどうかはまだわかりません。

他にもマドリーには土曜に1度、PCR検査で陰性を出しながら、日曜、月曜と結果が曖昧で、チームがロンドンに移動する当日朝の検査次第で遠征に加われるかどうか決まるバルベルデ、火曜にある地方自治体選挙で立会人に補欠指名されながら、期限内に免除の手続きをしなかったため、午前8時に投票所に出頭することが義務に。投票が終わった後、プライベートジェットで駆けつけることになったマルセロなど、幾つか逆境はあるんですけどね。といっても今季、CLではインテル、アタランタ、リバプールとヨーロッパの強豪を危なげなく、退けてきた彼らですから、ホームの1stレグが1-1の引き分けで、アウェイの2ndレグでは絶対、勝たないといけないと言っても、何とかなっちゃうような気がしないでもありませんが…週末のプレミアリーグでもフラムに2-0と勝っていたチェルシーも調子が良さそうですよ。

そして日曜には弟分のヘタフェが゛ビジャレアルと戦ったんですが、せっかく木曜のEL準決勝アーセナル戦2ndレグを重視して、ジェラール・モレノ、アルビオル、ペドラサといったレギュラーを温存してきた相手にしてやられてしまうとは。ええ、前節はエネス・ウナルが2ゴールを挙げて、0-2でウエスカに勝ちながら、この日は再び、ゴール日照りに陥った彼らは後半34分にジェレミーに決められた1点を返せず。1-0で負けてしまったんですが、ホント、今季のヘタフェはじれったいですよね。幸い、降格圏と勝ち点4差の15位というのは変わらず、こんな感じで自分たちが勝てなくても下のチームもそのままなら、あと4試合、何とか残留はできそうですが、日曜のエイバル戦はちょっと気合を入れないといけないかも。

というのも現在、最下位の相手は先週末、キケ・ガルシアがハットトリックを挙げ、アラベスに3-0で勝利していますが、残留ラインの17位までは勝ち点差5と、いよいよリーチが懸かってきているから。もっともその試合で乾貴士選手と武藤嘉紀選手は後半37分からの出場で、久保建英選手もラ・セラミカのピッチに入ったのが後半38分だったため、日本人選手対決となるかどうかはわかりませんけどね。現在、エイバル、エルチェ、ウエスカ、バジャドリー、アラベスの5チームで争っている1部残留の戦いも、月曜の試合ではアスレティックに0-1で4位のセビージャが負け、首位まで勝ち点差6と少し開いたものの、4チームに可能性がある優勝争い同様、目が離せなくなってきました。

え、それで彼らと交代で表舞台への返り咲きを狙っているのが、昨季降格した2部の弟分、レガネスなんだろうって?その通りで日曜は私もブタルケに応援に行ったんですけどね。前節、アルコルコンとの兄弟分ダービーで0-2の勝利に貢献する先制点を挙げた柴崎岳選手も2試合連続で先発していたんですが、4位の彼らのすぐ下、5位につけるスポルティング・ヒホンの前にゴールを入れられなかったんです。後半18分に柴崎選手のいい位置から撃ったヘッドも決まらず、スコアレスドローで終わってしまったのはちょっと残念だったかと。こちらもあと5試合で直接昇格のできる2位のマジョルカまでは勝ち点差9。こうなると真剣に6月のプレーオフまで決着が長引くことを覚悟しないといけませんが、どうにも最近はスタジアムにチームバスをお出迎えに来るファンもあまりいなくてねえ。

大体がして、せっかくラ・リーガが残り4試合もしくは2試合で人数制限をした有観客試合を提案したにも関わらず、保健省のOKがもらえず、やっぱり今季は最後まで無観客になりそうなのがいけないんですよ。実際、昇格や降格が懸かった大事な試合は選手たちだって、スタンドの声援を受けたら、もっと頑張れるんじゃないかと思うのは、きっと私だけではないはず。とはいえ、昨今ではオランダでアヤックスが、イタリアではインテルがリーグ優勝を決め、現地ではコロナ禍などまるで存在しないかのように大勢のサポーターがお祝いに集結。凄い騒ぎになっている映像を見たりすると、結局、サッカーファンはこうなるから、1部2部のスタジアムには観客を入れたくないのかと穿ってしまいますが、果たしてどうなることやら。そうそう、月曜にサダベル戦だったマドリッド2部のもう1つの弟分、ラージョは0-2で負けて、7位に後退。あちらもプレーオフ出場圏の6位以内で終われるといいのですが。

【マドリッド通信員】 原ゆみこ
南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。

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もっとゴールを見られるといいんだけど…/原ゆみこのマドリッド

「最近は結構、すぐ解放されるのね」そんな風に私が驚いていたのは金曜日、丁度、1週間前、コロナ陽性となったベンゼマとコンドグビアがもう、それぞれバルデベバス(バラハス空港の近く)、マハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場に姿を見せたとお昼のニュースで知った時のことでした。いやあ、ほんの2カ月程前、ユーロ2020前のスペインA代表の合宿でブスケツ(バルサ)がPCR検査に引っかかり、ラス・ロサス(マドリッド近郊)のサッカー協会施設から自宅に強制送還された際には、10日間の隔離が必要だったんですけどね。ベンゼマはすでに3度のPCR陰性が出たため、リヨンにある実家を離れ、スペイン入国が叶ったようで、コンドグビアも昨季アトレティコに来る前、バレンシア時代に1度、感染しているせいか、今度はすぐにウィルス量が減少したのだとか。 となれば、この水曜に陽性となったレアル・マドリー唯一の新顔、ダビド・アラバ(バイエルンとの契約を満了して入団)も次のプレシーズンマッチ、8月6日のミラン戦には出場できるようになるんじゃないかと思いますが、何せ今のところ、アンチェロッテイ監督が使えるトップチームのCBはナチョしかいませんからね。そう、契約延長できずにPSGに行ってしまったセルヒオ・ラモスに続き、今週、マンチェスター・ユナイテッドへの移籍が発表されたバランもこの金曜、チームメートにお別れを告げに午前セッションを訪問。コパ・アメリカ準優勝のブラジル代表に参加していたミリトンが戻るのも来週、グラナダへのレンタル移籍を終えたバジェホもオリンピック・スペイン代表で日本滞在中となれば、それまでチュストら、カンテラーノ(RMカスティージャの選手)が頑張って、代役を務めるしかないんですよ。 それ以外にもプレシーズン練習初日から来てはいるものの、まだ昨季の負傷のリハビリをしているメンディ、木曜に2025年までの契約延長が決まったとはいえ、こちらも個人メニューが続いているカルバハル、そしてこの夏こそ、体重8kgオーバーはしてなさそうですが、ユーロのベルギー代表でケガをしたアザールもチーム練習には加わっておらずと、欠けているメンバーがいるマドリーなんですが、まあしばらくは試合もありませんからね。人事異動の方もウーデゴーアが今度こそ、レンタルでない移籍になるかもとか、イスコ、マリアーノは放出要員とかいう話は聞いても、入りの方はPSGのプレシーズン練習に合流したエムバペがポチェッティーノ監督に契約更新はしないと言ったとか、言わないとか。 とにかくあちら側で話が止まっているため、しばらく変化はなさそうですし、今はマドリーから3人の選手が参加しているスペイン代表の試合がどうだったか、お伝えしていくことにすると。水曜に埼玉スタジアムでグループリーグ最終節のアルゼンチン戦を迎えたデ・ラ・フエンテ監督のチームは、うーん、この日はまた前線の3人をオジャルサバル(レアル・ソシエダ)、アセンシオ(マドリー)、ダニ・オルモ(ライプツィヒ)に戻したんですけどね。ゴールがなかなか決まらない流れは変わらず、ペドリ(バルサ)やオジャルサバルがシュートを撃ったものの、前半は両者無得点のまま、ハーフタイムに入ることに。 それでも後半21分にはいいコンビネーションを見せて、アセンシオが右から上げたクロスをオルモが落とすと、ミケル・メリノ(レアル・ソシエダ)がシュートして、とうとう虎の子の1点をゲット。この大会、まだ失点していなかったスペインだけに、あとは上手く逃げ切れればと思ったところ、何せ、相手も決勝トーナメント進出が懸かっていましたからね。他会場でエジプトがオーストラリアに勝っていたせいもあって、42分にはCKからベルモンテ(ラヌース)がヘッドを決め、同点に追いついてきたから、ここはちょっと、デ・ラ・フエンテ監督も焦ったかも。すぐさまメリノ、オスカル・ヒル(エスパニョール)をモンカジョラ(オサスナ)、バジェホに代え、勝ち越し点を狙うアルゼンチンを抑えにかかったところ、そのまま、1-1で引き分けて試合は終了。グループ首位通過できただけでなく、直前に同じ会場でサウジアラビアに1-3と快勝、余裕のスタンド観戦をしていたブラジルと準々決勝で当たらなくて済むことになったのは大きかったかと。 いや、まあ、ここまでの3試合のようにどんなにシュートを沢山撃っても最大1点しか取れないのでは、土曜午前10時(日本時間午後5時)からのコートジボワール戦でもスペインは苦労しそうなんですけどね。ただ、デ・ラ・フエンテ監督によると、「ウチは得点のチャンスを十分、活用していないが、これはもっと精度が上がるまでのプロセス。まだ少ない日数しか練習していないプレシーズン中の選手たちは、そういうところが欠けている」そうなんですが、でもお、実際、チャンスに決めきれていないのはオジャルサバル、オルモ、ペドリら、ユーロ2020から流れてきたメンツの方だったのでは? といっても、もちろん各国リーグのシーズン終了後、ほとんど休みもなしにお国の奉公に駆り出されている選手たちを責める訳にもいかず、いえ、EL決勝マンチェスター・ユナイテッド戦で120分間プレーして、PK戦でも貢献。優勝祝いの酔いも覚めぬうちにA代表の合宿に合流したパウ・トーレス(ビジャレアル)など、24才と若いからでしょうかね。「Para defender la camiseta de tu país uno nunca está cansado/パラ・デフェンデール・ラ・カミセタ・デ・ツ・パイス・ウノ・ヌンカ・エスタ・カンサードー(母国のユニフォームのためなら、疲れることなど決してない)」と言っていましたけどね。それどころか、8月11日開催のUEFAスーパーカップのチェルシー戦にも出たいそうで、え、そしたらいつ、彼はバケーションを取る? もうその週末にはラ・リーガも開幕しますしね。各クラブのファンにしてみれば、所属選手には早く戻って来てもらいたいところでしょうが、オリンピックも長くてあと3試合。こうなったら、丁度、「El equipo está creciendo mucho/エル・エキポ・エスタ・クレシエンドー・ムーチョ(チームはぐんぐん成長していっている)。初戦に比べたら、フィジカル的にも皆の理解度もずっと良くなった。一緒に練習したのが3日間だけだったから、最初は大変だったんだ」とエリック・ガルシア(マンチェスター・シティからバルサに移籍)も言っていた通り、ユーロ組、現U21組、2年前のU21ユーロ優勝組と混在している選手たちがまとまってきたこともありますし、いっそ8月7日の決勝までたどり着いて、優勝を狙うのもいいかもしれませんね。 ちなみに準々決勝では、アルゼンチン戦で累積警告となった右SBオスカル・ヒルに代わって、エジプト戦でのケガが治ったミンゲサ(バルサ)が出場する予定。足首ネンザのセバージョス(昨季はマドリーからアーセナルにレンタル)の方も奇跡的に木曜はボールを蹴れるぐらい回復していたんですが、仙台スタジアムでの前日練習では感触が良くなかったため、宮城スタジアムのスタンドでチームが準決勝進出を決めてくれるよう、応援に専念するようです。 そしてスペインにいる私にとって、オリンピックは午前中の試合なんですが、このところ、夕方からはプレシーズンマッチが花盛り。以前はマドリーやバルサ、アトレティコぐらいしか、TV中継はなかったものの、嬉しいのは去年ぐらいから、YouTubeでライブ配信してくれるチームが増えたことでしょうか。おかげでアトレティコのザルツブルク戦と重なるため、観戦には行かなかった2部の弟分、レガネスがシュダッド・デポルティーバ・ブタルケで行ったラージョ・マハダオンダ(RFEF1部、ラージョ・バジェカーノとは関係ない)との試合も見ることができたんですが、ちょっと今の時期は暑そうな感じですかね。その日、初めてお目見えしたpepino(ペピーノ/キュウリ)の濃いグリーンをモチーフにした第2ユニは。 これもレガネスの愛称がpepinero(ペピネーロ)だからなんですが、焼けるような夕日が照りつける中で行われた試合の方はアシエル・ガリターノ監督のチームがカテゴリーの差を示し、前半早い時間にサビン・メリーノ、ファン・ムニョスのゴールで2点を先行。24分には1点を返されたものの、柴崎岳選手も交代出場した後半途中以降もスコアは変わらず、そのまま2-1で勝利することに。昨季は昇格プレーオフ準決勝で同じマドリッド勢のラージョに負け、最短1部Uターンを逃した彼らですが、戦力補強も着々と進んでいるようですしね。今季はまた、ブタルケにファンを迎えることができるのを励みに精進を続けてくれるといいですね。 そしてアトレティコの方はまた、スタメンのトップチームウメンバーがGKオブラク、サウール、エルモーソの3人だけ。あとはカンテラーノ(アトレティコBの選手)ばかりという陣容だったんですが、やっぱり難しいですよね。先日のヌマンシア(RFEF2部)こそ、何とかPK戦で勝ったとはいえ、この日の相手は昨季のCLグループリーグでも対戦している実力派チーム。しかもオーストリア・ブンデスリーガは先週末に開幕しているとあって、準備もずっと進んでいるとなれば、前半34分にカウンターから、アデイエミに決められた1点を返せず、1-0で負けてしまっても仕方なかった? いえ、後半10分にはシメオネ監督の三男、18才のジュリアーノが見事なゴールを決め、一時は同点になったかに見えたんですけどね。アシストしたBチームの先輩、カメージョがトラップの際にボールが手に当たったとハンドを取られ、残念ながら、スコアボードには上がらず。最後は大人のチームの選手がアリアスだけだったことを考えると、それ以上の失点を許さなかった、2部Bから降格して、今季は3部(実質5部)で戦う若い子たちを褒めるべきなんでしょうが、ここに来て、ますます心配になってきた選手が約1名。 それはサウールで、彼はこの2試合、先発しているんですけどね。この夏は当人の希望もあって、今はまだ、イビサ(地中海のリゾートアイランド)でメッシ一家とバケーションを過ごしているルイス・スアレスを補完するFWを獲るため、多額の移籍金をもたらしてくれるはずというクラブの期待が懸かっているにも関わらず、出場すればする程、評価が下がっていくんですよ。 そう、ヌマンシア戦でも同点ゴールを奪われるパスミスをしたのに続き、この日もザルツブルクの先制点は彼のボールロストからと、一応、マジメにはプレーしているんですけどね。金曜午後に私が見学に行った練習でもジュリアーノを始め、カンテラの後輩たちに見本を示していましたが、コロナ明けのコンドグビア以下、遅れて合流したレマル、カラスコ、ヒメネス、ベルサイコ、フェリペ、そして期待の新戦力、ロドリゴ・デ・パウル(ウディネーゼから移籍)らもそろそろ、実戦で足慣らしをしても良さそうになっていましたからね。ザルツブルク遠征前に負傷したマルコス・パウロ(フルミネンセから移籍)と丁度、金曜の朝から、復帰したコケとマルコス・ジョレンテのスペイン代表ユーロ組はまだ個別メニューで姿が見えなかったものの、土曜午後6時(日本時間翌午前1時)からのボルフスブルク戦には、傷口をこれ以上広げないためにもサウールは出ない方がいい? まあ、その辺はシメオネ監督の考え次第ですが、トップチームのメンバーも来週頭にコパ・アメリカ決勝組のコレア、ロディ、ユーロ決勝組のトリッピアー、そしてオリンピックでグループ敗退したアルゼンチン代表のネウエン・ペレス(昨季はグラナダにレンタル)が合流すれば、ほぼ揃い。例外はメキシコ代表キャプテンを務めるエレーラだけで、ゴールドカップ準決勝のカナダ戦、後半ロスタイム9分に2-1での勝利を決めるゴールを挙げた彼は日曜にアメリカとの決勝を済ませてから、戻って来ることになりますが、もうラ・リーガ開幕もあと2週間に迫りましたからね。ファンもそろそろ、8月4日のカランサ杯(カディスが主催する夏の親善試合)や8日のフェイエノールト戦では昨季王者の強さの片鱗を見せてもらいたいんじゃないでしょうか。 そして金曜にはマドリッドの弟分親善対決があり、1部のヘタフェが2部のフエンラブラダを残り5分にチェマのゴールで下し、これでプレシーズンマッチ4連勝。丁度、私も彼らの練習を木曜に見学してきたばかりだったんですが、やっぱりボルダラス監督(現バレンシア)から、ミチェル監督に代わって、一番大きな違いはセッションの時間が3時間から、1時間ちょっとに減ったことでしょうか。狭い区画でのミニゲームのような、ボールを扱うメニューも多かったですしね。昨季は兎角、苦労したPKの練習などもちゃんとやっていましたし、何より今はマドリッドの暑さも半端なし。ヘタフェには土曜朝10時から、ラージョとの練習試合も入っているため、今はどの選手も熱中症とケガに気をつけて、リーガ開幕を迎えてくれたらと思います。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している 2021.07.31 15:00 Sat
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そうそう隔離合宿はしていられない…/原ゆみこのマドリッド

そうそう隔離合宿はしていられない…/原ゆみこのマドリッド 「やっぱりハジけちゃってる」そんな風に私が頭を抱えていたのは火曜日、グループリーグ2試合を札幌で終えた後、月曜にオリンピック選手村に入ったスペイン代表のペドリ(バルサ)とダニ・オルモ(ライプツィヒ)が同胞の卓球女子選手たちとピンポンに興じている動画を見つけた時のことでした。いやあ、確かにこの2人は大人のユーロ2020にも参加して、6月の頭から、1カ月以上もラス・ロサス(マドリッド近郊)のサッカー協会施設に缶詰。広い敷地内でキックボードに乗ったり、散歩ぐらいはできたんですが、試合で移動する以外、外食も数回の決起ランチだけ、家族や友人を呼ぶこともできないという、単調な生活を続けていましたからね。 準決勝でイタリアに負けた後には1週間弱のミニバケーションをもらったものの、すぐにオリンピック代表に加わって日本へ移動。入国してからはホテル暮らしが続き、それこそ札幌では1人部屋の自室を出ることすら憚れる雰囲気だったようで、そんな環境が2週間近くも続いていたとなれば、オジャルサバル(レアル・ソシエダ)も「何日もチームは今みたいな状況で上手くやってるけど、cambiar de aires es positivo y vivir una experiencia como lo de la Villa es bueno/カンビアル・デ・アイレス・エス・ポシティボ・イ・ビビール・ウナ・エクスペリエンシア・コモ・ロ・デ・ラ・ビジャ・エス・ブエノ(空気を変えるのはポジティブだよ。選手村みたいな経験をするのもいい)」と言っていたんですけどね。 今度はチームメート数人と一緒のシェアハウス、その上、選手村内は自由に動けるため、チーム外の人たちと交流したくなる気持ちもわかりますが、ちょっと待って。いくらグループリーグ突破に王手をかけたとはいえ、最近は選手、関係者らから、連日のようにコロナ陽性者判明の報告が。チームには22人の選手がいるとはいえ、東京の病院で診察してもらったセバージョス(レアル・マドリーから昨季はアーセナルにレンタル)は重度2の足首ネンザで通常なら、全治3~4週間ですし、ミンゲサ(バルサ)はハムストリングのケガが意外と軽かったとはいえ、グループ3節はちょっと難しい感じですからね。うっかり誰かが感染しようものなら、手痛い戦力ダウンとなるのは必至。 大体がして、コロナなど誰も知らなかった2012年のロンドン・オリンピックでも選手村に泊まったスペイン代表でしたが、開会式の入場行進に参加できたことだけがいい思い出で、グループリーグでは日本、ホンジュラス、モロッコ相手に1勝もできず。最下位敗退するダメダメぶりだった前例もありますからね。唯一、オリンピックで優勝した1992年のバルセロナ大会のチームは準決勝までバレンシアで合宿し、カンプ・ノウでの決勝のため、バルセロナ入りしても選手村には泊まらなかったなどと聞くと、水曜午後1時(日本時間午後8時)からのアルゼンチン戦は会場が埼玉スタジアムですし、別に選手村滞在にこがわることもないような気がしますが…ま、彼らもオリンピックのお祭りムードに少しは浸りたいんでしょうかね。 え、それで日曜のオーストラリア戦ではスコアレスドローだったエジプト戦より、スペインのプレーは進歩していたのかって?いやあ、そうともはっきり言えなくて、デ・ラ・フエンテ監督は初戦のスタメンから、負傷の2人に加え、アセンシオ(マドリー)、ミケル・メリノ(レアル・ソシエダ)、ミランダ(ベティス)をスビメンディ(レアル・ソシエダ)、オスカル・ヒル、プアド(エスパニョール)、ソレル(バレンシア)、ククレジャ(ヘタフェ)に代えてきたんですけどね。やはりゴールがなかなか入らない病は改善しておらず、前半20分にはオジャルサバルのシュートがゴールバーに当たる惜しいシーンもあったものの、0-0のままでハーフタイム入り。後半になると、プアドからブライアン・ヒル(昨季はセビージャからエイバルにレンタル、火曜にトッテナムへの移籍が発表)、ソレルからアセンシオ、オスカル・ヒルからラファ・ミール(昨季はウォルバーハンプトンからウエスカにレンタル)へと、アタッカーを増やしていったんですが、シュートは撃つものの、一向に得点にならないんですから、どうしたものやら。 それこそ、「Generamos mucho juego y ocasiones y evidentemente, nos cuesta hacer gol/ヘネラモス・ムーチョ・フエゴ・イ・オカシオネス・イ・エビデンテメンテ、ノス・クエスタ・アセール・ゴル(沢山、チャンスを作り出すプレーはあったが、明らかにウチはゴールを入れるのに苦労している)」とデ・ラ・フエンテ監督が認めていた通りだったんですが、半分、私もユーロ同様、2試合連続ドロー発進になるのかと諦めかけていた後半36分、とうとう天啓が訪れたんです!まだ、プレシーズンモードで調子が上がっていないかに見えていたアセンシオが右から上げたクロスをオジャルサバルが敵の長身DF2人に挟まれながらヘッド。これがGKグローバー(メルボルン・シティ)を破り、先制点になってくれたから、有難いじゃないですか。 この1点がモノを言って、初勝利を挙げたスペインだったんですが、いやあ、パウ・トーレス(ビジャレアル)など、「porque era imposible que presionaran así los 90 minutos/ポルケ・エラ・インポシーブレ・ケ・プレシオナラン・アシー・ロス・ノベンタ・ミヌートス(90分間、ああいう風にプレスをかけ続けるのは不可能なんだから)、相手がリズムを落とすのはわかっていたよ」と、まるで終盤に得点したのは計算づくだったように言っていたんですけどね。それでもあれだけ攻撃しながら、なかなかゴールにならないのは問題かと思いますが、さて。 これで勝ち点4となり、グループCの首位に立ったスペインは同日、エジプトに1-0で勝って、オーストラリと勝ち点3で並ぶアルゼンチンと引分ければ、決勝トーナメントに進めることになりましたが、この3戦目もデ・ラ・フエンテ監督はスタメンローテーションを予定。ハードな試合が続いていて、間隔も中2日と短いため、フレッシュな選手を投入したいそうですが、ここまで来ると、準々決勝の相手も気になるかと。1位通過なら、グループDの2位、2位通過なら、Dの1位と対戦になるんですが、ただ、あちらもブラジル、コートジボワール、ドイツで熾烈な勝ち抜け争い中。A代表とオリンピック代表では選手が全然、違うチームもあるため、どこが強いとも私には言えないんですが、できれば1位通過で会場が宮城スタジアムとなり、一旦、選手村からスペインが離れてくれた方が安心はできますかね。 そして日曜夜にはこのプレシーズン初となる、マドリーの公開親善試合があったんですが、グラスゴーのアイブロックス・スタジアムは1万3000人が入る盛況。オリンピックの寒々とした無観客試合とは対照的な賑やかさでしたが、レンジャーズの選手たちもそれに勇気づけられたんですかね。開始早々、GKレニンがサカラの危ないシュートをそらしていたりしましたが、意外なことに先制したのは、CBチュストとボランチのブランコ以外、トップチームの選手で固めながら、一方的に攻め込まれていたマドリーの方。ええ、自陣エリア前からのカウンターでウーデゴーアが敵エリア近くまでドリブルで上がり、ロドリゴにパス。一度はシュートをDFに当ててしまった彼でしたが、戻って来たボールをまた蹴ってゴールに入れ、今季、EU外選手枠をはみ出るのは自分ではないとアピールしているのですから、偉いじゃないですか。 ただ、その後も攻めるのはレンジャーズばかりという構図は変わらず、相手の決定力のなさに助かっていた彼らですが、後半10分には昨季末に2年間の契約延長を勝ち取ったルーカス・バスケスが自陣エリア前でボールを奪われるという、先日のアトレティコのサウール並の大ポカを犯してしまったから、さあ大変。サカラに同点ゴールを決められてしまったのはともかく、チュストがケガをして、RMカスティージャの同僚、マリオ・ヒラに代わった後、30分にはナチョが2枚目のイエローカードをもらって退場と、CBコンビに穴が開いたのがマズかったですかね。その2分後にはイッテンに勝ち越しゴールを挙げられただけでなく、相手は3点目も奪おうかという勢いだったんですが、幸い、最初に第4審判が電光ボードで提示したロスタイム4分はアンチェロッティ監督の猛抗議により、30秒に短縮。何とか、2-1の最少得点差負けで終わることができましたっけ。 まあ、この試合はクロース、モドリッチ、新加入のアラバ(バイエルンとの契約を満了して移籍)もプレシーズン練習を始めたばかりとあって、マドリッドでお留守番。ジダン監督から、アンチェロッティ監督に代わり、チームが昨季より強くなったかどうかも判断しようがないんですが、やっぱり心配なのはセルヒオ・ラモス(PSGに移籍)に続いて、火曜にはバランのマンチェスター・ユナイテッド行きが発表された守備陣かと。アラバが来て、コパ・アメリカのブラジル代表で決勝進出したミリトンもいずれ戻って来るとはいえ、ナチョの他はカンテラーノ(RMカスティージャの選手)しかいませんからね。現在、オリンピック参加中のバジェホ(昨季はグラナダにレンタル)で収まればいいんですが、クラブはDFの補強にはお金をかけたくないみたいなんですよ。 おまけに今季は第1キャプテンに昇格したものの、マルセロが往年のレベルを取り戻す気配はまったくなく、メンディも未だに昨季終盤のケガからのリハビリ中とあって、アラバは左SB起用になるかもしれませんしね。この遠征に参加しなかったカルバハルもどこまで回復しているのかわからないため、またルーカス・バスケスが右SBとして重宝されることになる?何にしろ、火曜からはクルトワ、アザール、バルベルデも合流し、だんだんバルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場も人が増えてきたため、次に予定されている8月6日、オーストリアでミランと戦う親善試合ではもっと、マドリーらしいプレーが見られると思いますが…それにしてもリヨンでコロナ陽性になったベンゼマはいつ帰って来られるんでしょうかね。 その一方でマドリッドの弟分たちは、ラ・マンガ(スペイン南東のビーチリゾート)から戻って来たヘタフェが金曜に2部のフエンラブラダと、翌日には1部復帰したラージョと、コロナ陽性者4人発生でタラベラ(RFEF1部/実質3部)との親善試合が中止となり、先週金曜には全選手が1回目のワクチン接種をしたレガネスは水曜にラージョ・マハダオンダ(RFEF1部、ラージョと経営関係はない)と、近場のチーム同士でプレシーズンマッチをするんですが、いよいよ飛行機に乗って遠征に行くのは兄貴分のアトレティコ。ええ、水曜午後7時45分(日本時間翌午前2時45分)から、レッドブル・アレナでザルツブルクと対戦するため、月曜には私もマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場に新顔がないか、確かめに行ったんですが、いましたよ。ヒメネスの姿はPCR検査の結果待ちとかで見えなかったんですが、カラスコ、そしてウディネーゼに3500万ユーロ(約46億円)を払って獲得した期待の27才、MFロドリゴ・デ・パウルが。 実は彼、コレアと一緒にコパ・アメリカのアルゼンチン代表でトロフィーを掲げているんですが、新しいチームに慣れるため、バケーションを1週間返上して早めに合流。早速、ゴム製半球やミニトランポリンの上をバランスを崩さず渡るという、妙なフィジカルトレーニングをさせられていましたが、それからすぐ、カラスコと一緒にチーム練習に加わったため、かなり体調は整っているような。そうそう、2週間前、ロス・アンヘレス・デ・サン・ラファエル(マドリッドから1時間の高原リゾート)のキャンプにチーム訪問した時は松葉杖をついていたジョアン・フェリックスも来ていて、いえ、こちらはまだグラウンドを歩くぐらいのことしかしてないんですけどね。 皆と練習できるのはちょっと先のことになりそうですが、コパ・アメリガが始まってすぐ、ヒザの靭帯を部分断裂、ブラジル代表を離脱していたフェリペも火曜から、チーム練習に合流したそうなので、ザルツブルク戦はともかく、土曜のボルフスブルク戦辺りでは、アトレティコBにトップチームのメンバーが加わるのではなく、トップチームをカンテラーノが補う感じにスタメンも変わるのでは?ちなみに移籍関連の方では、うーん、シメオネ監督も練習を日影に座って見ていたベルタ・スポーツディレクターのところまで来て、「Novedad?/ノベダッド(新しいことは?)」と訊いていたんですが、今のところ、動きはなし。 グリーズマン(バルサ)とのトレード話が止まったままのサウールも連日、マンチェスター・ユナイテッドだ、リバプールだと移籍先を噂されていますが、まだ一緒に練習していますしね。シメオネ監督が補強を要請しているFWに関しては、マキシ・ゴメス(バレンシア)、ラファ・ミールといった名も挙がっているものの、バルサには高額年棒の選手を放出しないと、ラ・リーガのサラリーキャップに引っかかって、メッシの選手登録ができないという究極のジレンマが。アトレティコもその辺を期待して、グリーズマンの叩き売りを待っているんじゃないかっていう気もしなくもないんですが、果たしてどうなるんでしょうかね。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している 2021.07.28 19:20 Wed
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ゴールはしばらくお預けかも…/原ゆみこのマドリッド

「またゲリラ親善だった訳?」そんな風に私が嘆いていたのは土曜日、ほとんど東京オリンピック話題一色だったお昼のスポーツニュースの後、午後4時からのヘタフェのプレシーズンマッチのネットライブ中継を見ようと、いそいそとパソコンでツィッターを開いた時のことでした。いやあ、確かに前日の天気予報ではムルシア(スペイン南東部)に熱中警報が出ていて、ひょっとすると、気温が43℃になるかもしれないと聞いた覚えがあり、海に近いラ・マンガでもその時間にプレーするのは自殺行為かもと思ったもんですけどね。クラブのツィートを見てみると、アトロミトス(ギリシャ)戦はまだ涼しい午前10時にキックオフ、とっくの昔に終わっていたなんて、え、このパターン、初戦のUDイビサ(2部)戦と同じじゃない? まあ、どうやらその日はネット中継もなかったようなので、仕方ないと諦めるしかなかったんですが、幸いながら、金曜にはGOL(ゴル/スペインのスポーツ専門オープン放送局)がアトレティコのこの夏、最初の親善試合を生中継。暑い中、ブルゴ・デ・オスナ(マドリッドから北へ3時間)の市営スタジアムに900人程の観客を入れて、ヌマンシア(RFEF2部/実際は4部)戦が行われたんですが、うーん、昨季の栄えあるリーガ王者のプレーが見られると期待していたファンにはちょっと物足りなかったかも。というのも先発にトップチームのメンバーがGKオブラク、サウール、エルモーソの3人しかおらず、あとはガッツリ、アトレティコBのカンテラーノで固められていたから。 ただ、最初に見せ場を作ったのもその後輩たちで前半3分、右サイドで粘ったジュリアーノが敵をかわしてラストパス。カメージョはこれをスルーしたものの、後ろから駆けつけたソリアーノがシュートして、先制点を取ってしまったから、驚いたの何のって。ええ、実はこの、ジュリアーノという18才のFWはシメオネ監督の三男で昨季途中、フベニルからBチームに昇格。それ以来、何度か、トップチームの練習にも呼ばれ、このプレシーズンキャンプにも最初から参加と急激に成長を遂げているんですが、これはもしかして、長男ジョバンニ(カリアリ/セリエA)、次男ジャンルカ(CDイビサ/RFEF2部)に先んじて、2024年まで契約を延長した父親の下でアトレティコ公式戦デビューの夢を果たすことになるのかも。 え、その後、前半31分に自陣エリア前でヌマンシアの選手にパスを送るという大ポカをやって、デェエゴ・スアレスの同点ゴールを呼び込んだのも三男じゃなかったかって?いやあ、その通りで、ジョナタン(昨季は2部Bのアルコジャーノでプレー)、アーロン(同ヌシア)ら、ニゲス3兄弟の中で一番の出世株であるサウールがその張本人なんですが、コケがまだバケーション中のため、カンテラの後輩を束ねる立場とはいえ、この夏はずっと移籍の噂が絶えませんからね。ロス・アンヘレス・デ・サン・ラファエル(マドリッドから1時間の高原リゾート)でのキャンプ時から、その日の試合の後も声を掛けてくるファンたちは、「Quedate, Saul/ケダテ、サウール(残って)」と訴えているんですが、グリーズマン(バルサ)とのトレード交渉が決裂した現在でも、当人の希望もあって、クラブはいいオファーが来るのを待っている状態なのだとか。 そのまま、1-1で試合を折り返したアトレティコは後半、メンバーを一新。それこそ、16分にフランが負傷交代となり、アリアス(昨季はレバークーゼンにレンタル中にヒザの靭帯断裂)が入るまで、ピッチには控えGKゲルビッチしか、大人のチームの選手はおらず、うーん、シメオネ監督も水曜にマルカとAS(スペインの大手スポーツ紙)に同時掲載となった巻頭インタビューで、「このプレシーズンはよりBチームの選手中心になっている。Les dijimos que alguno puede quedarse si está preparado para ello/レス・ディヒモス・ケ・アルグーノ・プエデ・ケダールセ・シー・エスタ・プレパラードー・パラ・エジョ(準備ができている者は残ることができると、彼らには言ったよ)」と、トップチーム入りの人参をぶら下げていたんですけどね。 25分過ぎにはガソリン切れとなったジュリアーノに代わり、サポンジッチ(昨季後半はカディスにレンタル)の応援も得たんですが、やはり今季は3部、実質5部でプレーする選手たちには荷が重かったか、90分で勝負はつかず。一応、この試合は前会長の出身地で毎年、開催されるヘスス・ヒル杯に当たるため、トロフィーを懸けて、PK戦となったところ、まったくもう、心臓に悪い。先攻のヌマンシアの第1キッカーを見事、GKゲルビッチが止め、アトレティコはサンポンジッチ、ボルハ・ガルセス(昨季はレガネスにレンタル)が責任を果たした後、この夏、入団したマルコ・パウロ(フルミネンセから移籍)が敵GKに止められてしまう始末。 何せ、2016年のCL決勝や2年前のスペイン・スーパーカップ決勝など、お隣さんとのPK戦でいい思い出がないアトレティコですからね。せっかくヌマンシアの第4キッカーが枠外に飛ばしながら、リケルメ(昨季はボーンマスにレンタル)が弾かれた時には万事休すかと思いましたが、意外や意外。アリアスも第5キッカーとして、トップチーム選手の矜恃を見せた後、ヌマンシアの第7キッカーをゲルビッチが防ぎ、大先輩オブラクに唯一、欠けているPK戦での強さを披露してくれたおかげで、最後にカムスが決めたアトレティコが4-5で勝利することに。いやあ、この夏はクロアチア代表のユーロに呼ばれなかった彼もずっとベンチを温めていることに飽きて、他のチームで修行したいとレンタル希望を出しているそうなんですけどね。試合後半にはいいセーブも何度かしていましたし、今季こそ、初戦敗退さえしなければ、コパ・デル・レイ要員として、大きく貢献できるはずですが、こればっかりはねえ。 ちなみにこの試合であったネガティブなことは、コンドグビアのコロナ陽性発覚。それも当日、マドリッドを発つ前に全員が受けた抗原検査では陰性だったにも関わらず、たまたま当人がこの週末、練習が休みになるのを利用して国外に旅行するため、余分に受けたPCR検査の結果が現地に着いてからわかるという流れで、もちろん、彼は速攻、強制送還で自宅隔離になったんですが、これってもしや、一緒のバスに乗っていたチームメートは濃厚接触者にならない?このプレシーズン、アトレティコで陽性者が出たのは練習初日のマヌ・サンチェス(昨季後半はオサスナにレンタル)だけで、彼もやっと陰性に。木曜からチームに合流したベルサイコ、レマルと共にこの2日間、マハダオンダ(マドリッド近郊)でお留守番練習をしているんですが、来週は水曜にザルツブルク戦、土曜にボルフスブルク戦と遠征親善試合が続きますからね。 週明けにはカラスコ、ヒメネス、そしてジョアン・フェリックスも手術した足首のリハビリに戻って来ますが、今はただ、コロナ陽性選手が増えないことを祈るばかりかと。加えて、まだシメオネ監督が「Necesitamos un delantero. Vendrá otro si no viene/ネセシタモス・ウン・デランテーロ。ベンドラ・オトロ・シー・ノー・ビエネ(ウチにはFWが必要だ。来ないなら、他のが来るだろう)」とグルーズマンの復帰が叶ずとも、補強はあることを打ち明けていたゴールゲッターはまだ到着しておらず。ルイス・スアレスも特別延長休暇をもらい、コレア、ロディ、トリッピアーら、国際大会決勝組と一緒の8月2日まで合流しないため、このプレシーズンはあまり、アトレティコのゴール祭りは期待できそうにありませんが、8月15日のリーガ開幕セルタ戦で見せてくれれば、別に構いませんよね。 そして最初にお話ししたヘタフェはアトロミトス戦でもエネス・ウナルの2ゴールに加え、またしてもティモルが直接FKを決め、3-0で快勝。これでイビサ戦、スタッド・レンヌ戦から3連勝と、快進撃が始まっているんですが、ラ・マンガでのキャンプもこの日曜で終了となります。帰京後は30日にマドリッド2部の弟分フエンラブラダと、翌日には1部に戻って来たラージョと試合をしてから、8月4日にはミチェル新監督の息子、アドリアンがいるサラゴサ(2部)との対戦も。それを聞いて、最初に彼がヘタフェの監督になったのは当時、在籍したアドリアンの練習をよく見に来ていたのがキッカケだったことを思い出したんですが、となると、またラージョ戦ではGKルカの父親、ジダン前マドリー監督の姿が期待できる? 今のところ、ラージョもマルベジャ(スペイン南部のビーチリゾート)でキャンプ中なんですが、あちらではアル・シャバブ(サウジアラビア)とアンドレス・マルティンの2ゴールで2-2と引分けた後、土曜の午前中にはエスパニョールにアルバロ・ガルシア、カスミの得点で0-2と勝利。1部昇格プレーオフ中はマセドニア代表でユーロに行っていたディミトリエフスキが戻っているため、今季、ジダン監督の次男が活躍できるかどうかはわかりませんが、ピッチに出たエスパニョール戦後半には元ラージョのラウール・デ・トマスのPKを止めるお手柄だったとか。 そしてアンチェロッティ監督が復帰したレアル・マドリーはこの日曜、いよいよバルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場を出て、午後7時(日本時間翌午前2時)から、グラスゴーでレンジャーズとの親善試合に挑むんですが、ええ、フエンラブラダ、ラージョ共、敷地内のグラウンドでの練習試合でしたし、水曜に入団プレゼンしたアラバ(バイエルンとの契約を満了して移籍)もエスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノ(RMカスティージャのホーム)でユニフォームを着て、ポーズしていましたからね。当人はその翌日から、チーム練習に加わり、金曜に合流したクロース、モドリッチ、ベイル、バランらより、遥かに体調もいいようなので、もしかしたら、アイブロックス・スタジアムでは早速、CB、左SB、ボランチでプレーできるマルチぶりを披露してくれるかもしれません。 ただ、これもPCR検査の結果待ちで、イギリスへは当日移動のため、まだどの選手が遠征に参加するのか、確実には言えないんですが、そう、マドリーにもコロナ陽性者が現れたんですよ。それは同じく金曜に練習を始めるはずだったベンゼマで、リヨンからマドリッドに移動する前の検査で判明。よって、陰性になるまで、フランスを離れられないんですが、ヨビッチは筋肉痛が治ったばかり、マリアーノもずっとジム籠りとあって、もしや、お隣さん同様、FWが足りてない?うーん、マドリーからはオリンピック・スペイン代表にアセンシオが行っているため、今のところ、ルーカス・バスケス、ロドリゴぐらいしかいませんが、金曜はワクチン接種の副反応で熱を出し、練習を休んだイスコぐらいは回復してくれているといいですよね。 え、そのアセンシオと一緒に日本に行っているセバージョス(昨季はマドリーからアーセナルにレンタル)が大変なことになっているんじゃないかって?いやあ、その通りで、彼らは木曜にグループリーグ1節のエジプト戦に挑んだんですけどね。相手の手荒いタックル戦法に見舞われ、前半21分にはミンゲサ(バルサ)がハムストリングを痛めて、早くもバジェホ(同マドリーからグラナダ)に交代。45分にはセバージョスがモンカジョラ(オサスナ)に代わることになったんですが、この件に関しては、「Yo defiendo el VAR, pero bien utilizado/ジョ・デフィエンド・エル・バル、ペロ・ビエン・ウティリサードー(自分はVARを支持するが、上手く使われてこそだ)。最初に言ったことが次の日、ピッチで変わっているのは違う」とデ・ラ・フエンテ監督を始め、スペイン代表から、大いに文句が出ることに。 それも審判がモニターを見に行きながら、違反の選手にイエローカードしか出さなかったせいですが、いや、ホントにねえ。セバージョスの負傷後の足首の写真を見ると、正直、オリンピックの後、マドリーに戻って、アンチェロッティ監督にアピールするどころではないかと。おまけにチームが2節まで滞在する札幌では病院に行かず、月曜に東京に移動、選手村に入ってから、オリンピックのために手配された病院の一般診療がない時間帯に診てもらうって、ちょっとお、あんまりな扱いじゃない? といっても前半はそのセバージョスのシュートがゴールポストに当たったぐらい、後半もラファ・ミール(昨季はウォルバーハンプトンからウエスカにレンタル)のヘッドは敵GKがセーブ、ロスタイムのバジェホのシュートが惜しかったぐらいで、結局、0-0のまま、終わってしまったのは、頂けないですけどね。どうにもアセンシオら、オリンピック招集組はまだプレシーズン感覚、ペドリ(バルサ)、ダニ・オルモ(ライプツィヒ)、オジャルサバル(レアル・ソシエダ)ら、ユーロから連続勤務組は永遠に終わらないシーズンにもう、力が残っていないような気がしましたが、実際のところ、どうなんでしょう。 そんな調子で日曜の12時30分(日本時間午後7時30分)には2節のオーストラリア戦を迎えるため、不安が絶えないんですが、もちろん、ミンゲサとセバージョスは欠場。エジプト戦には痛みで出られなかったスビメンディ(レアル・ソシエダ)が戻って来るのだけが朗報ですが、ダメですよ。大人のスペイン代表も初戦のスウェーデン戦でスコアレスドロー発進。次のポーランド戦でも1-1で引き分けながら、スロバキアに0-5と大勝して、決勝トーナメントに進んでいるのを心のよりどころにしては。何せ、ユーロ2020は3位のほとんどが16強対決に進む、大甘グループリーグでしたからね。2位までしか、準々決勝に進めないオリンピックは一戦、一戦が決勝戦。 それだけでなく、最終節は冷房が効いて、気温19℃の札幌ドームから、埼玉スタジアムに変わるため、暑さにも苦しめられますし…うーん、選手村に入った彼らがオリンピックムードに舞い上がり、2012年ロンドン大会のダメダメぶりをリピートしないか、もしくは最近、拡大中のコロナ陽性者が出ることの方が心配であったりしますが、とにかく今はデ・ラ・フエンテ監督が計画しているらしい、スタメン入れ替えが、初戦でアルゼンチンを破る波乱を起こしたオーストラリアに有効なことを信じるしかありません。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している 2021.07.25 18:00 Sun
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まだ選手たちはあまり戻っていない…/原ゆみこのマドリッド

「とても視聴率は取れそうにない時間帯ね」そんな風に私が溜息をついていたのは火曜日、いよいよ開幕の迫った東京オリンピックのサッカー・スペイン代表グループ初戦のキックオフがいつなのか、チェックしていた時のことでした。いやあ、ユーロ2020の間は夜更かし?超早起き?をしないといけなかった日本にいるサッカーファンに比べれば、エジプト戦が木曜午前9時30分(日本時間午後4時30分)に始まるのなんて、全然、大したことじゃないかもしれないんですけどね。すでに7月も後半に入ったとあって、世間にはバケーション中の人も多いとはいえ、朝っぱらから、バル(スペインの喫茶店兼バー)で盛り上がれるはずもなし。平日でもありますし、せっかく、久々のユーロ準決勝進出で代表を見直したスペイン人ファンも勤務中にこっそり、スマホ観戦とかになるんでしょうか…。 え、いくらルイス・エンリケ監督率いるA代表でユーロを戦ったメンバー、GKウナイ・シモン(アスレティック)を筆頭にペドリ、エリック・ガリシア(バルサ)、ダニ・オルモ(ライプツィヒ)、オジャルサバル(レアル・ソシエダ)、パウ・トーレス(ビジャレアル)ら、6人もの兼任選手がいるとしてもU24代表は別物。スペインが前回、出場した2012年のロンドン・オリンピックもキエフで大人のユーロ2連覇に貢献してきたばかりのジョルディ・アルバ(バルサ)、ファン・マタ(マンチェスター・ユナイテッド)、ハビ・マルティネス(バイエルンを退団してカタールSCに移籍)が参加していたものの、グループリーグで日本、ホンジュラスに連敗し、最後のモロッコにも勝てず、1分け2敗の敗退とダメダメだったんじゃないかって? まあ、そうなんですが、そのチームにはコケやアドリアン(オサスナを退団してフリー)ら、当時はアトレティコ勢も参加していたため、私も応援していたものの、始まる前から、話題はサッカーより、チームがオリンピック選手村に滞在したり、開会式の行進に参加するかしないかといった辺りに集中。お祭り気分に浮かれてすぎて、本業がおろそかになってしまったんじゃないかと思いましたが、今回は初戦、日曜の2試合目、オーストラリア戦と会場が札幌ですし、大体がして、このコロナ禍にバブル合宿を続ける選手たちが、そんなワガママを言える訳もないですからね。 先週末土曜に行われた日本との親善試合などでも立ち上がりこそ、良かったものの、「開始5分でこれまでにないぐらい汗をかいていた」、「Solo pudimos estar bien durante 20 minutos/ソロ・プディモス・エスタル・ビエン・ドゥランテ・ベインテ・ミヌートス(ウチがいい状態でいられたのは20分間だけだった)」と初体験の湿度90%の暑さにデ・フエンテ監督のチームはペースダウン。前半41分には久保建英選手(昨季はレアル・マドリーからのレンタルでビジャレル、ヘタフェでプレー)のラストパスを堂安律選手(PSV)に決められ、先制点を奪われていましたが、それでも後半32分には途中出場のペドリが出したパスをミランダ(ベティス)がエリア内左奥から折り返し、プアド(エスパニョール)のシュートをカルロス・ソレル(バレンシア)が軌道を変えて同点に。 何とか、1-1で引き分けて面目を保つことができましたしね。とりわけ、このオリンピック代表ではアセンシオ、セバージョス(昨季はレンタル移籍してアーセナルでプレー)、バジェホ(同グラナダ)と、A代表には皆無だったレアル・マドリーの選手が3人もいるため、現在、バルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場でプレシーズンのセッションをこなしながら、今季のチーム編成を思案中のアンチェロッティ監督など、大いに注目しているかと。 とりわけ、セルヒオ・ラモスが時間切れで契約延長できずにPSGに河岸を変え、フランス代表でユーロに参加後、近日中にチームに合流する予定になっているバランも来年には契約が満了。クラブの延長オファーに答えず、マンチェスター・ユナイテッドとの移籍交渉がまとまるのを待っていると言われており、昨季のレギュラー2人が抜けるCB陣では、昨季中にまとまったマルチDFのダビド・アラバ(バイエルンとの契約を満了)は水曜に練習場のプレスルームでZoomプレゼンがあって、そのまま、セッションに参加するんですけどね。 ただ、それでもミリトン、ナチョと合わせて、CBの頭数が3人にしかならないため、日本戦は軽い痛みで出場しなかったバジェホが第4のCBとして期待されているんですが、さて。ちなみにオリンピックでは久保選手の動向もクラブはチェックしているはずですが、彼が来季、マドリーのトップチームに残れる可能性はなし。というのもあと1年、契約が残っているベイル(昨季はトッテナムでプレー)が戻って来ると、今季からはイギリス国籍の選手もEU外扱いとなるためで、元々、3人の枠はミリトン、ビニシウス、ロドリゴだけで一杯なんですよ。 コロナ禍の影響で遅れているビニシウスのスペイン国籍取得が奇跡的に早まりでもしない限り、ジダン監督に結構、使われていたロドリゴまでが、RMカスティージャの所属にして、リーガ以外限定で使ったらいいとか、可哀そうなことを言われている程ですからね。久保選手は今季もレンタル移籍に活路を見出すことになりますが、今のところ、レアル・ソシエダなどが挙がっているものの、いいチームからオファーがもらえるかはオリンピックでの活躍次第になるかも。 そんな話の脇でマドリーは先週末も日曜にまた弟分、今度は1部に復帰したばかりのラージョと練習試合をしたんですが、やはりマスコミは入れなかったため、見られる映像はかなり限定。最初の試合では2部のフエンラブラダに3-1と快勝したものの、さすがに今季はヘタフェとマドリッド第3のチームを争う意欲満々のイラオラ監督のチームには手こずったか、イスコのPKゴールとカンテラーノ(RMカスティージャの選手)のチュストのオウンゴールで1-1と引分けることに。まあ、昨季終了後に各国代表で国際大会を戦った選手たちはベイル、バラン、ベンゼマらがようやく今週、続いて来週にモドリッチ、クロース、アザール、クルトワ、バルベルデといった感じで合流するため、まだまだトップチームの人員が少ないですからね。 最初からプレシーズンに参加しているメンバーでもメンディはリハビリ中、ヨビッチ(昨季はフランクフルトでプレー)、マリアーノ、カルバハルらも調整中でラージョ戦には出ていなかったため、まだまだマドリーがタイトル奪回に向け、レベルアップできているのかはわからないんですが、今週からマルベジャ(スペイン南部のビーチリゾート)でキャンプに入ったラージョと対照的に、ずっとバルデベバスにいる彼らも25日(日)にはいよいよ、グラスゴーでレンジャースとの親善試合を公開で実施。それまでにアラバの準備が整うのかはちょっと疑問ですが、昨季のリーガ最終戦以来となる久々のマドリーの勇姿が見られるのはきっと、ファンも嬉しいんじゃないでしょうか。 え、それで土曜には恒例のロス・アンヘレス・デ・サン・ラファエル(マドリッドから1時間の高原リゾート)での地獄のキャンプを急こう配猛ダッシュなどを含めた、1週間の超凝縮メニューで終え、マハダオンダ(マドリッド近郊)に戻って来たアトレティコはどうしているんだって?いやあ、早速、私も猛暑の中、月曜の午後セッションを見学に行ったんですが、トップチームのメンバーがGKオブラク、サウール、エルモーソ、アリアス(昨季はレバークーゼンにレンタル移籍して負傷)、サポンジッチ(同カディス)、ゲルビッチしかおらず、サビッチなど、同日の午前セッションで右太ももをケガして、開幕に間に合うかどうかという事態に。コパ・アメリカ序盤にブラジル代表で右ヒザ靭帯を部分断裂したフェリペの顔を見えましたが、彼もリハビリを開始したばかりと、こちらもしばらくはCB陣がお隣さん同様、ちょっと寂しくなりそうな。 ええ、左SB兼任のエルモーソは元気でしたが、ウルグアイ代表のヒメネスは来週にならないと戻って来ませんからね。グラナダにレンタル移籍していたナウエンもアルゼンチンU24代表でオリンピック参加中なんですが、アリアス同様、チームに残れるかどうかも、イギリス人のトリッピアーがEU外扱いになってしまったため、ロディ、フェリペとの3人で枠が一杯の現在、無理っぽいというのもマドリーと似ているかと。今のところ、シメオネ監督も助っ人としてかき集めたアトレティコBの選手中心の指導をするしかないんですが、何せ、昨季はこの後輩たちの出来が悪くてねえ。 定位置だった2部Bから降格したのは自業自得とはいえ、サッカー協会のカテゴリー改変の煽りも喰らい、2部BがRFEF1部とRFEF2部に分割されたため、今季は3部と言いながら、実質5部でプレーとなると、いざという時、トップチームの穴埋めに使える優秀な選手は残らないかも。そんなアトレティコはこの金曜午後7時(日本時間翌午前2時)から、ブルゴス・デ・オスナでヌマンシア(RFEF2部)とこのプレシーズン、最初の親善試合をするんですが、ユーロから帰還組第1陣となるはずのベルサイコ、レマルもまだ合流しておらず。ええ、スペイン代表に行っていたマルコス・ジョレンテなど、バケーション真っ盛りの時間を有効活用、ワンダ・メトロポリターノに彼女のパトリシアさんを誘い出し、サプライズプロポーズなんてこと、やっていましたからね。 先週はキャンプ地を訪問、チームメートに挨拶していたジョアン・フェリックスも足首の手術後、まだ松葉杖が必要な状態でしたし、よって、こちらもアトレティコBの試合みたいになってしまうかもしれませんが、今は新デザインのユニフォームが見られるぐらいで良しとしましょうか。ちなみにアトレティコの移籍関連話では丁度、前回、グリーズマン(バルサ)とサウールのトレード話が消えたようだとお伝えしたすぐ後に状況が急変。契約延長の合意ができたメッシをリーガに登録するため、他の高額年棒選手を整理する必要に迫られている相手が大乗り気で、交渉成立は秒読みなんて言われ、私も焦ったんですが、この世はまさに徒然。 日が経つにつれ、バルサが等価トレートでは不公平とサウールに加え、エルモーソかロディをつけることを要求したとか、サウール+1500万ユーロ(約20億円)の移籍金になったとか、逆にアトレティコが2100万ユーロ(約27億円)の年棒を半額にすることをグリーズマン側がOKしても、それすら、昨季のルイス・スアレスのようにバルサに補填するように求めているとか、ポロポロ出て来て、結局、現在ではこのトレードは交渉決裂という見方がされているんですけどね。事実、スアレスを補佐するCFは必要なアトレティコなだけに、ここで話が止まっていると、第2候補らしい、今はオリンピック・スペイン代表にいるラファ・ミール(昨季はウォルバーハンプトンからレンタルしてウエスカでプレー)の方も進められないため、ちょっとじれったい感じがするものの、移籍市場が閉まるのは8月末。 まだまだ焦る必要はありませんが、もう1つの弟分、今はラ・マンガ(スペイン南東部)でキャンプしているヘタフェもプレシーズン開始1週目の怒涛の4連続プレゼンの後はかなり静か。先週金曜にはいきなり、午前10時から、イビサ(2部)と前後半35分形式のミニ親善試合をしていて、YouTubeでライブ配信があったのに私が気づいた時にはもう遅かったんですが、一応、初戦はティモルのFKゴールで0-1と勝利したようです。この水曜にも今度は午後7時から、スタッド・レンヌと対戦しますしね。あちらもぼちぼち、エンジンを温めていってくれるといいかと。 え、それで柴崎岳選手のいるマドリッド2部の弟分、レガネスでは4人目の陽性者が出たようだけど、このプレシーズンのリーガのコロナ状況はどうなっているのかって?いやあ、丁度、マハダオンダに行った時、トップチームの隣のグラウンドで練習していたカンテラーノ(ユースチームの選手)が、「この前、ワクチン打たれちゃったよ」と言っているのを小耳にはさんだんですが、どうやら、もう若年層の接種も始まっているスペインではかなり多くのチームが各自治体から、ワクチンを供給されているよう。すでにエスパニョール、ベティス、ラージョ、セビージャ、レアル・ソシエダ、カディス、オサスナ、ヘタフェなどは終わっており、マドリーでもマルセロ、ルーカス・バスケス、ロドリゴらが注射を打たれるシーンをアップしていたんですけどね。 スペインのように国際大会の前に集団接種する各国代表チームもあったため、新シーズンは皆、抗体ができた状態でスタートできると思うんですが、それでも感染するのがコロナ。すでに1部2部、それぞれ12チームで陽性選手が判明し、計63人程が隔離されましたが、ワクチン接種後はウィルス保持量があまり増えず、他人への感染可能期間が7日間から、2日間になるとスペイン人のお医者さんが記事で言っていましたからね。とりあえず、プレシーズンマッチのキャンセルは幾つかあったものの、今季の公式戦には影響しないことを祈っています。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している 2021.07.21 19:00 Wed
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プレシーズンマッチが早く見たい…/原ゆみこのマドリッド

「とうとう離陸できたのね」そんな風に私がホッとしていたのは火曜日、本来なら前日の夕方、アリカンテから飛び立つ予定だったスペイン・オリンピック代表のチャーター機が故障で動けず。ユーロ2020で準決勝敗退した後、ミニバケーションとなり、当日に合流した最優秀若手選手賞獲得のペドリ、エリック・ガリシア(バルサ)、オジャルサバル(レアル・ソシエダ)、ダニ・オルモ(ライプツィヒ)、ウナイ・シモン(アスレティック)、パウ・トーレス(ビジャレアル)らを含め、22人の選手たちは空港で2時間以上待機させられた挙句、ベニドロム(スペイン南東部のビーチリゾート)のホテルに引き返して延泊せざるを得ないことに。ようやく翌朝には機体の整備も終わり、燃料補給でタシケント(ウズベキスタン)を経由して、水曜に関西空港に着くという長い旅路に出たのを知った時のことでした。 まあ、彼らの合宿は7月1日から始まって、スペインの中では60%と、かなり湿度の高いベニドロムでの練習で少しは日本の真夏の気候に耐久性もついたんじゃないかと思いますし、神戸で行われるオリンピック前、最初で最後となるU24日本代表との親善試合も土曜ですからね。時差呆けを解消して、体調を整える時間が十分あるのは喜ばしいとはいえ、気が休まらないのはこの夏、ユーロとオリンピックの二重奉公に駆り出されている選手たちの所属する監督たち。 というのもマドリッド勢で言えば、レアル・マドリーのアセンシオやセバージョス(昨季はアーセナルにレンタル)、バジェホ(同グラナダ)、ヘタフェのククレジャらはバケーションを済ませて、オリンピック代表合宿でプレシーズン練習を始めたため、早ければグループリーグが終わる28日、最長で8月7日の決勝の後、すぐクラブの練習に参加できるんですけどね。 その一方でユーロから回って来た選手たちは、EL優勝組のパウ・トーレスだけは別ですが、リーグ終了後の1週間と今回の6日間という短いバケーションを取っているだけで、オリンピック参加が終わってからもお休みが必要。ラ・リーガなど、開幕が8月13日とあって、全然、間に合わないだけではなく、グループのエジプト、オーストラリア、アルゼンチン戦を始めとする日本での試合でケガをする可能性もあるとなれば、イタリアやイギリスのクラブが選手のオリンピック参加にノーと言うのもわかるんですが…。 え、それよりユーロ決勝も終わり、しばらく試合が楽しめない今は、各チームのプレシーズン練習が順調に進んでいるのか、気になるって?そうですね、まずは5日から、バルデベバス(バラハス空港の近く)で13人のトップチームメンバーにカンテラーノ(RMカスティージャの選手)を加えてスタートしたマドリーの様子から話すことにすると。実は彼ら、先週末にはどこより早いプレシーズンマッチを実施していて、いえ、去年の夏のヘタフェ戦のように練習試合と銘打って、マスコミは一切入れず。マドリッド2部の弟分、フエンラブラダとエスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノ(バルデベバスの敷地内にあるRMカスティージャのホーム)ですらなく、練習用グラウンドの1つで対戦したんですけどね。 もちろん映像などもなく、大手スポーツ紙などから、伝わってきた結果はウーデゴール(昨季後半はアーセナルにレンタル)、チュスト(カンテラーノのCB)、マリアーノの3人がゴールを挙げ、3-1でマドリーが快勝。昨季終盤に痛めた脛骨がまだ治っていないメンディと筋肉痛のヨビッチ(昨季後半はアイントラハトにレンタル)は出場しなかったことぐらいしかわからないんですよ。ちなみに昨年同様、コロナ禍を懸念して、ずっとバルデベバスにいる彼らのプレシーズン、この先の親善試合がもう幾つか決まっていて、25日にはグラスゴーのアイブロックス・スタジアムで観客を入れてレンジャースと、8月8日にはオーストリアでミランと対戦。 その合間を縫って、ユーロやコパ・アメリカで敗退した順に7月19日にはモドリッチ(クロアチア)、クロース(ドイツ)、バラン、ベンゼマ(フランス)、ベイル(ウェールズ、昨季はトッテナムにレンタル)、アラバ(オーストリア、バイエルンから移籍)ら、数日置いて、クルトワ、アザール(ベルギー)、バルベルデ(ウルグアイ)、そして決勝まで行ったカセミロ、ビニシウス、ミリトン(ブラジル)が8月2日にアンチェロッティ監督のチームに合流することになっていますが、ちょっと寂しいのは今のところ、新顔がアラバしかいないことでしょうか。それどころか、あと1年だけになった契約の延長をまだしておらず、移籍の噂も多々聞こえてくるバランなどは戻って来もしないかもしれませんが、いえ、ペレス会長はエムバペ(PSG)やハーランド(ドルトムント)といったギャラクティコ獲得の努力を続けているんですけどね。 どちらも相手クラブの拒否姿勢や移籍金の問題でこの夏に決まるとは思えず、まあ、どちらにしろ、全面改装中のサンティアゴ・ベルナベウは新シーズンが開幕しても8月中は使用不能。3万から5万人と予想されている有観客試合は9月の各国代表戦の後、12日の週末、4節のセルタ戦まで待たないといけないため、今、ビッグネームを獲ってもスタンドにファンが溢れるメガプレゼンはできませんからね。それを見越して、クラブもワンダ・メトロポリターノがオープンした年のお隣さん同様、3節まではアウェイ開催をラ・リーガに頼んでおり、8月14日に原大智選手(クロアチアのイストラから移籍)が入団したアラベスと当たる開幕戦、レバンテ戦、ベティス戦は首都を離れて戦うことになりますが、あ、ダメですよ。それって、アトレティコがリーガ2連覇に向けて、序盤からマドリーに差をつける大きなチャンスじゃないかなんて思っちゃ。 まあ、確かに彼らは8月15日の開幕セルタ戦こそ、アウェイとなるものの、その後、エルチェ、ビジャレアルと2試合続けてホームゲームというクジ運の良さでしたけどね。お隣さんに遅れること3日、マハダオンダ(マドリッド近郊)で始動したトップチームメンバー9人とカンテラーノ(アトレティコBの選手)たちは、先日、2024年まで契約を延長したシメオネ監督の下、マヌ・サンチェス(昨季後半はオサスナにレンタル)がコロナ陽性になるというアクシデントも乗り越え、日曜にはロス・アンヘレス・デ・サン・ラファエル(マドリッドから1時間の高原リゾート)での地獄のキャンプ入り。こちらも代表参加中にケガをしたフェリペ(ブラジル)、足首の手術をしたジョアン・フェリックス(ポルトガル)を除いて、大会を敗退した順に19日頃にはベルサイコ(クロアチア)、レマル(フランス)、23日頃にはカラスコ(ベルギー)、ルイス・スアレス、ヒメネス(ウルグアイ)、27日頃にコケ、マルコス・ジョレンテ(スペイン)、そして8月になってから、コレア(アルゼンチン)、ロディ(ブラジル)、トリッピアー(イングランド)が戻って来ることになっています。 ただ、明暗が分かれてしまったのが最終到着組で、いやあ、ユーロ決勝でトリッピアーのラストパスから、ルーク・ショー(マンチェスター・ユナイテッド)のゴールが決まり、イングランドが先制点を取った時には私も嬉しかったんですけどね。試合が進んでみれば、後半にはCKからボヌッチ(ユベントス)のゴールで同点に追いつかれ、1-1のまま延長戦突入。それでも決着がつかず、PK戦が始まったところ、ルイス・エンリケ監督のチームどころか、ユーロ史上、誰も達成したことのなかった2試合連続PK戦勝利を達成してしまうとは!スペインとの準決勝でモラタ(ユベントス)を止めたのに続き、イングランドのジェイドン・サンチョ(ドルトムントからマンチェスター・ユナイテッドに移籍)、サカ(アーセナル)をGKドンナルンマ(ミランからPSGに移籍)が弾き、イタリアが53年ぶり、2度目の優勝を遂げてしまうんですから、もう感服するしかありませんって。 まあ、決勝当日のウェンブリー周辺の群衆やローマでの祝賀風景などを見ていると、今のコロナ情勢をわきまえたか、スペインが準決勝敗退となったのは、マドリッドでファンが集まって大騒ぎする前だったため、不幸中の幸いだった気すらしてくるんですけどね。実はリーガとのdoblete(ドブレテ/2冠優勝)を逃したのはトリッピアーだけではなくて、前日のコパ・アメリガ決勝ではロディも同じ目に遭っているんですよ。ええ、ブラジルがアルゼンチンに1-0で負けたからですが、勝者の側にいたコレアは出場しなかったって、ちょっとは当人の慰みになる? でも凄い偶然もあって、何とそのマラカナでの大一番、ディ・マリア(PSG)の先制ゴールをアシストしたのが、この月曜、アトレティコ入団が発表されたMFロドリゴ・デ・パウル(ウディネーゼから移籍)だったんですよ。先週は20才のブラジル人FW、マルコス・パウロ(同フルミネンセ)も加入し、もう練習に参加しているんですが、こちらはディオゴ・ジョタ(現リバプール)やラウール・ヒメネス(現ウォルバーハンプトン)らのようにレンタル、レンタルの繰り返しとなって、シメオネ監督の下でプレーできるかは成長次第。一方、デ・パウルの方は27才の即戦力で、コケやジョレンテ、コンドグビア、そして現在、メキシコ代表としてコパ・デ・オロに参加中、最長、決勝のある8月1日まで拘束されているエレーラらと中盤の定位置を争うことになるんだとか。 うーん、そのせいでますます、サウール退団の噂が強くなっているようですが、昨季は本当にパッとしなかった本人が河岸を変えたがっているというのはともかく、2年前にバルサに移籍したグリーズマンとのトレードがまとまらなさそうなのは良かったかと。どうやらこれは最初、バルサから受け取った1憶2000万ユーロ(約160億円)をアトレティコがベンフィカに丸々払って獲ったジョアンと交換したいという話だったようなんですが、まだ頼りないところはあっても、彼はクラブの長期成長計画の中心となるべくして、一世一代の大番振る舞いをした選手ですからね。クラブ幹部が歯牙にもかけなかったところ、サウールにお鉢が回ったようで、でも彼では移籍金や年棒でバランスが取れず。 おまけにそのトレードの噂には、あまり退団の経緯を良く思っていなかったアトレティコファンもすぐ反応して、即日、#GriezmannNoTeQueremos(グリースマン・ノー・テ・ケレモス/グリーズマンはいらない)のハッシュタグがトレンディングトピック入りしたなんて話もありましからね。どうやら、この夏の課題であるルイス・スアレスをサポートするFW探しは昨季後半、オリンピック・リヨンからレンタルで来ていたウスマン・デンベレのリピートを含め、当分、続くことになりそうな。ちなみにアトレティコのプレシーズンマッチの予定は23日にヌマンシア(2部)戦、28日にザルツブルク戦、31日にボルフスブルク戦、8月4日にカディスとのカランサ杯となっていて、マドリッドで見られるものはありませんが、最初の試合以外はTV中継がきっとあると思いますよ。 え、それよりプレシーズンが始まってから、補強が止まらない弟分がいるようじゃないかって?それは昨季、最終節の1つ前で2部降格を回避、指揮官もボルダラス監督(現バレンシア)からミチェル監督に代わったヘタフェで、初っ端をビトロ(アトレティコからレンタル)が飾ったかと思いきや、21才のメキシコ人FW、JJマシアス(チバスから移籍)、31才のCB、ミトロビッチ(同ストラスブール)に続き、この月曜には昨季後半にレンタル移籍して、チームを助けてくれたアレニャ(バルサに500万ユーロ/約6億5000万円を払って5年契約で獲得)のプレゼンもあったんですよ。うーん、その席で当人の名プレー動画が上映された時には一緒に久保建英選手も映っていたせいでしょうかねえ。 マルカ(スペインのスポーツ紙)の記者が久保選手の再レンタルについて質問していたんですが、スポーツディレクターのアンヘル・マルティン氏は「No voy a decir ningún nombre de ningún jugador/ノー・ボイ・ア・デシール・ニングン・ノンブレ・デ・ニングン・フガドール(選手の名前は誰も言わない)」と取りつくしまもなし。まあ、まずは兄貴分クラブの都合が優先しますし、当人も今はオリンピックの準備で忙しいですからね。ビトロもアレニャもミチェル監督のボールを持って、いいプレーをするというサッカーに共感して来た口ですから、希望はあるかもしれませんが、どちらにしろ、夏のコリセウム・アルフォンソ・ペレスは恒例のメインテナンス工事中。 ユニフォームを着てピッチでお披露目もできませんし、コロナ感染予防のため、スタジアム正面ホールでのファンサービスもダメとあって、プレゼンの後、選手たちは丁度、その時間にabono(アボノ/年間指定席)の更新に来ていたサポーターたちのリクエストにこっそり応えてくれるぐらいなんですけどね。それが久保選手だったら、ちょっと楽しいかなと私なんか、思ってしまったものですが、ヘタフェもこの水曜からはトルコ代表のユーロ参加で遅れて戻って来たエネス・ウナルも同行して、ラ・マンガ(スペイン南東部のゴルフリゾート)でのキャンプがスタート。10日間の滞在中、あちらでイビサ(2部)、スタッド・レンヌ、アトロミトスとプレシーズンマッチを行い、その後はまた地元で練習となりますが、8月13日、メスタジャでボルダラス前監督と対決する開幕バレンシア戦までに補強が終わるかどうかはわかりません。 そしてプレーオフを経ての1部昇格だったため、他のクラブから1週間遅れのこの火曜にラージョも練習を始めたんですが、戦力では昨季、RMカスティージャからレンタルしていたフラン・ガルシアが200万ユーロ(約2億6000万円)の移籍金で、権利は半分ながらも保有選手に。プレーオフ準決勝レガネス戦1stレグで挙げた2得点で株を上げたベベも4年間の契約延長が決まったんですが、まだこちらは8月4日のバジャドリー(今季は2部)戦しか、プレシーズンマッチは決まっておらず。リーガ開幕戦ではセビージャと当たるため、あんまり呑気にもしていられないんですが、先週、1年契約延長となったイラオラ監督の下、今回こそ、最速2部Uターンしないチームを作れたらいいですよね。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している 2021.07.14 20:00 Wed
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