まだ首位にいる…/原ゆみこのマドリッド
2021.04.24 23:00 Sat
「自分たちが躓かなきゃいいってことよね」そんな風に私が少し楽観的になっていたのは金曜日、ミッドウィーク開催のリーガ節を終えても、アトレティコが一番上にいる順位表を眺めていた時のことでした。いやあ、今週はのっけから、レアル・マドリーが先陣を切って創設を発表した、ヨーロッパのエリート12クラブによるスーパーリーグ構想に振り回されていたんですけどね。だからといって、リーガが止まる訳ではなく、トップ4は全チーム滞りなく、白星で対戦を終えたため、それぞれの勝ち点差は変化せず。首位と2位マドリーの差は2、3位のバルサは5ですが、先週末のコパ・デル・レイ決勝で先送りにされたグラナダ戦が来週のミッドウィークにあるため、実質2と思っておいた方が良くて、4位のセビージャとは6差と、要は残り試合を勝ち切れば、アトレティコが2014年以来の栄光を掴めるっていうこと?
まあ、取らぬ狸の皮算用をしていても仕方ないので、マドリッド勢の試合がどうだったか、お話ししていくことにしましょうか。すでにスーパーリーグ創設メンバーのうち、イギリスの6チームを皮切りにアトレティコ、イタリアの3チームも続いて撤退を表明していた水曜、マドリーはアウェイでカディスと対戦。ヘタフェとの先週末の兄弟分ダービー同様、欠場の選手は多かったものの、ナチョの出場停止処分が済み、バランもコロナ陰性となって復帰したため、ジダン監督はミリトンと併せて、3CB制を敷くことに。カセミロも処分から戻っていたため、守備面では両翼のオドリオソラ、マルセロにもあまり負担がかからず、いい感じだったんですが、ゴールは前半30分まで待たされることになりました。
それもキッカケはビニシウスがエリア内でイサに後ろから足を踏まれながら、主審にスルーされ、しばらくプレーが続いていたんですが、ボールを奪ったカディスがマドリー陣内に着いた頃になって、VAR(ビデオ審判)からご注進があったおかげだったんですけどね。昨年10月のクラシコ(伝統の一戦)以来、27試合ぶりとなるPKはベンゼマがしっかり決め、マドリーは先制点をゲット。これで勢いがついたか、その3分後、今度はベンゼマのクロスをオドリオソラが本人、プロ入り初体験となるヘッドでのゴールを入れ、点差は2点に。それどころか、40分にもカセミロが送ったボールをベンゼマが頭で流し込み、あっという間に3点も取っているって、こんなに簡単でいいんでしょうか?
うーん、これにはカディスのセルベーラ監督も後で、「Hemos hecho todo lo posible porque ellos lo tuvieran más fácil/エモス・エッチョ・トードー・ロ・ポシーブレ・ポルケ・エジョス・ロ・トウビエラン・マス・ファシル(相手が楽に得点できるよう、ウチはできる限りの全てをしてしまった)」と嘆いていたんですけどね。後半にはエースのネグレドがピッチに戻ってこないなど、残留ラインの目安となる勝ち点40まであと4と迫っている彼らだけに、シャカリキになって、追いつこうとする必要もないと判断したんでしょうか。おかげでマドリーも2月半ばのバレンシア戦で右脚のケガをリピートして、ようやく戻って来られたカルバハルの慣らし運転ができたのは良かったかと。
そして中盤の両輪、クロース、モドリッチがいなくても、カンテラーノ(RMカスティージャの選手)のブランコが立派にカセミロのお手伝いができることがわかったのは朗報ですが、正直、後半は特に見どころもなし。未だにマドリッドの飲食店、私が試合を見ていたバル(スペインの喫茶店兼バー)も午後11時までの時短営業規制のある中、マスターの厚意に甘えて、12時近くまで居座っていた価値があったかどうか、ちょっと疑問は残るものの、そのままマドリーは0-3で快勝と、優勝争いのライバルたちにプレッシャーをかけることに成功しましたっけ。
一応、バルサ共々、未だにスーパーリーグ構想撤退を表明していないマドリーに大会参加資格剥奪などのリベンジは、少なくとも今季分のCLに関しては、規約的にムリなため、UEFAから課される心配はないんですけどね。実際、この永久出場権が保証された、CLの向こうを張る大会に反感を覚えたファンは多く、中でもイギリスのサポーターたちはかなり行動的だったようで、チェルシーなど、火曜にはスタンフォード・ブリッジ前でチームバスが群衆に囲まれ、ブライトン戦のキックオフが15分遅れる始末。それに動揺したか、試合もスコアレスドローに終わってしまったそうで、いえ、マドリーのバスもカランサ到着時には大量のカディスファンによる、抗議のお出迎えに遭ったんですけどね。そこまでの大々的な騒ぎにはなりませんでしたし、おそらく、このエスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノ(RMカスティージャのホーム)で連戦前にサポーターが集結するということもないと思うんですが…。
いやあ、というのも実は木曜日には久々にワンダ・メトロポリターノでの試合に行くことができた私だったんですが、チームバスの到着を待つファンの数が、先日のブタルケで見かけたレガネスファンとあまり大差がなかったから。ただ、アトレティコは参加しないと、スーパーリーグにセビージャを招待するとお隣さんの会長に言われ、スペイン3番目のチームのステータスを脅かされるのにビビって、名前を連ねただけだそうで、火曜にはヒル・マリン筆頭株主がマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場をセレソ会長と共に訪れ、チームに状況を説明。そうこうするうち、イギリスのチームがどんどん、離脱していったため、これ幸いと抜けることにしたみたいですけどね。
早めにカタが付いていたため、まだ明るい午後7時にウエスカを迎えた試合でも選手たちは気を散らせることなく…前半3分から、シオバスの至近距離シュートをGKオブラクがparadon(パラドン/スーパーセーブ)って、ちょっと大丈夫?とはいえ、先日のエイバルより、3人CB制で守備的だった相手からはそれ程、攻撃は受けず、30分にはカラスコ、サウールが連続して、GKアルバロ・フェルナンデスに弾かれるなど、そこそこ押していたんですが、待望の先制点が入ったのは39分になってから。まるで前節をなぞるかのように、マルコス・ジョレンテからパスを受けたコレアがエリア前から、敵を縫ってシュート。これがアトレティコ育ちのプリドに当たり、ネットに入ってくれたとなれば、いよいよ彼の時代がやって来た?
そのまま1-0とリードして後半に入ったアトレティコは追加点を挙げようと、序盤にはコケが2度程、狙って、失敗していたんですけどね。1部残留争いの渦中にあるウエスカもどちらかというと、次節のヘタフェ戦を考えていたか、5試合ぶりに岡崎慎司選手が先発で出場するなど、ローテーションをかけており、更に18分にはエースのラファ・ミールも含め、3人が交代。逆にシメオネ監督はどうしてもあと1点が欲しかったか、最近、中盤でしっかりチームを支えてくれているエレーラを下げ、FWのデンベレを入れていましたが、勝負をつけてくれたのはやはり、ルイス・スアレスとジョアン・フェリックスの負傷離脱中、コレアと共に前線を任されているジョレンテでした。
ええ、36分、それまでも何度か、エリア内右奥まで切り込んでいた彼ですが、まさか、こんな終盤になってもエネルギーが尽きず、シオバスからボールを奪ってしまうとは。そのラストパスをゴール前で受けたカラスコがかろうじてオフサイドを免れ、止めとなる2点目を挙げてくれたとなれば、もう安心です。5点を取ったエイバル戦程のgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)ではありませんでしたが、カラスコも「Cuando el equipo está bien siempre es más fácil jugar y sacar el talent/クアンドー・エル・エキポ・エスタ・ビエン・シエンプレ・エス・マス・ファシル・フガール・イ・サカール・エル・タレントー(チームがいい状態の時はいつも、プレーするのも才能を示すのも容易い)」と言っていた通り、このホーム連戦でマストだった2勝をゲットできたのは何よりでしたっけ(最終結果2-0)。
そう、この先は日曜午後9時からのアスレティック戦を皮切りに、週1ペースとはいえ、エルチェ、バルサとアウェイゲームが3試合も続きますからね。ちなみに外遊スタートとなるサン・マメスでは丁度、累積警告となったヒメネスが出場停止。まあ、CBはサビッチに加え、フェリペもエルモーソも元気ですから、今季ケガに祟られている当人にはいい骨休みになるかと。そして心強いのはいよいよ、スアレスとジョアンが戻ってこれそうなことで、ただ、そうすると、シメオネ監督にゴールづいてきたコレア、ジョレンテの前線コンビをここで代えちゃってもいいのかというジレンマが生まれるかも。
とにかくもう、残りは6試合しかありませんからね。折しも相手のアスレティクは昨季と今季のコパ決勝に2連敗、リーガでは現在、5連続引き分けというスランプにどっぷりはまっているため、またしても1日早く試合をするお隣さんに暫定首位に立たれても、決して挫けず、トップを奪い返してくれたらと思います。
そしてこのコロナ禍では記者会見も画面越し、以前は選手がインタビューを受けていたミッスゾーンもなく、ワンダではそれこそ、拡大ロッカールームとして利用されていると、コケの投稿で知ったのはともかく、試合後はすぐにスタジアムから追い出されるため、私も午後10時からのバルサvsヘタフェ戦直前に近所のバルに行くことができたんですが、おやおや。どうやら、ウエスカのパチェタ監督同様、ボルダラス監督も照準は次節の残留直接ライバルとの対決にあったようで、こちらもローテーション真っ盛り。おかげで久保建英選手がカンプ・ノウで先発に抜擢されるという、ラッキーもあったんですが、いきなり開始3分でメッシにゴールバー直撃のシュートを浴びていてはねえ。
もう不安しかなかったんですが、それが現実になったのは8分、ブスケツが自陣から送ったパスに抜け出したメッシに先制点を決められてしまったとなれば、もうゴールラッシュを覚悟するしかない?ただ、その時はヘタフェも意地を見せて、11分にはククレジャが入れたクロスをアンヘルがシュート。これがレングレに当たり、オウンゴールで同点となったため、もしやこの日の弟分は真剣にマドリッドの兄貴分たちの援護射撃をしてくれるのかと期待もしたんですが…いやあ、カディスのイサといい、ウエスカのシオバスといい、時々、大殺界にでもいるんじゃないかと思われる選手が現れる試合があるんですが、いたんですよ、ヘタフェにも。
だってえ、同点となってから、何とかメッシのシュートは凌いでいたというのに、27分にはCBチャクラがGKダビド・ソリアの位置を確かめずにバックパス。まったくもって、この無観客でよく声が通る中、そんな行き違いがどうして起こるのか、不思議でたまりませんが、その緩々したボールがオウンゴールとなり、勝ち越し点を贈っているとなれば、もうどうしたらいいものやら。すると今度は33分、またしてもシュートが枠に弾かれながら、戻って来たボールを角度のないところから撃ち直したメッシに決められ、前半でスコアは3-1に。この日はバルに居座らず、外出禁止時間帯が始まる前に家に帰ろうかと迷った私だったんですが…。
つい見ちゃったんです、後半も。おかげで24分には、ビニシウスと同じ形で後追いVAR判定が出て、アラウホがエネス・ウナルを踏んでいたのが発覚。PKもウナルが決め、ヘタフェが1点差に追い上げた時には、兄弟分ダービー2試合でスコアレルドローを勝ち取った穴埋めまで、あと一歩に見えたんですけどね。それもハーフタイムでアレニャ、ククレジャ、マクシモビッチのレギュラー3人を温存し、アランバリと2人のカンテラーノ(ヘタフェBの選手)に代えていながらでのことだったため、素直に感心していたんですが、やっぱり厄日というのは怖い。ええ、41分にはメッシの蹴ったFKでチャクラがアラウホをマークしきれず、ヘッドで4点目を奪われたかと思えば、ロスタイムには空中でグリーズマンの足を蹴って、PKを献上。
結局、メッシにキッカーを譲られたグリーズマンに5点目を挙げられ、5-2の大敗となってしまいましたが、どんまい。降格圏と勝ち点差4で15位と、残留目安ゾーンまであと9ポイント必要なヘタフェの真の戦いはこの日曜午後2時(日本時間午後9時)からのウエスカ戦。丁度、岡崎選手も久保選手も谷間先発してしまったため、日本人選手対決がピッチで見られるかは微妙ですけどね。スーパーリーグにはまったく縁のないチーム同士でも1部の座を懸けた、これぞラ・リーガという白熱したゲームを見せてくれるんじゃないでしょうか。
まあ、取らぬ狸の皮算用をしていても仕方ないので、マドリッド勢の試合がどうだったか、お話ししていくことにしましょうか。すでにスーパーリーグ創設メンバーのうち、イギリスの6チームを皮切りにアトレティコ、イタリアの3チームも続いて撤退を表明していた水曜、マドリーはアウェイでカディスと対戦。ヘタフェとの先週末の兄弟分ダービー同様、欠場の選手は多かったものの、ナチョの出場停止処分が済み、バランもコロナ陰性となって復帰したため、ジダン監督はミリトンと併せて、3CB制を敷くことに。カセミロも処分から戻っていたため、守備面では両翼のオドリオソラ、マルセロにもあまり負担がかからず、いい感じだったんですが、ゴールは前半30分まで待たされることになりました。
それもキッカケはビニシウスがエリア内でイサに後ろから足を踏まれながら、主審にスルーされ、しばらくプレーが続いていたんですが、ボールを奪ったカディスがマドリー陣内に着いた頃になって、VAR(ビデオ審判)からご注進があったおかげだったんですけどね。昨年10月のクラシコ(伝統の一戦)以来、27試合ぶりとなるPKはベンゼマがしっかり決め、マドリーは先制点をゲット。これで勢いがついたか、その3分後、今度はベンゼマのクロスをオドリオソラが本人、プロ入り初体験となるヘッドでのゴールを入れ、点差は2点に。それどころか、40分にもカセミロが送ったボールをベンゼマが頭で流し込み、あっという間に3点も取っているって、こんなに簡単でいいんでしょうか?
そして中盤の両輪、クロース、モドリッチがいなくても、カンテラーノ(RMカスティージャの選手)のブランコが立派にカセミロのお手伝いができることがわかったのは朗報ですが、正直、後半は特に見どころもなし。未だにマドリッドの飲食店、私が試合を見ていたバル(スペインの喫茶店兼バー)も午後11時までの時短営業規制のある中、マスターの厚意に甘えて、12時近くまで居座っていた価値があったかどうか、ちょっと疑問は残るものの、そのままマドリーは0-3で快勝と、優勝争いのライバルたちにプレッシャーをかけることに成功しましたっけ。
といっても彼らにノンビリする暇はなく、もう土曜午後9時(日本時間翌午前4時)からのベティス戦が迫っているんですが、金曜には嬉しいニュースも。ええ、CL準々決勝リバプール戦2ndレグでケガをしたクロース、コロナ陽性が水曜に確定したバルベルデはまだとはいえ、前日のセッションでは背筋痛でカディス戦をお休みしたモドリッチが復活。ここ3週間余り、チーム練習に加わっていたアザールも満を持して、招集リストに入ったのは喜ばしいかと。一方、直近4試合で引き分けながら、6位と高い位置をキープしているペジェグリーニ監督のチームではフェキルがアスレティック戦でのレッドカードで出場停止。アトレティコ相手に殊勲の同点ゴールを挙げたテジョも負傷でいないというのが試合前情報ですが、やっぱりそろそろ、気になりますよね。来週火曜に控えたCL準決勝チェルシー戦1stレグが。
一応、バルサ共々、未だにスーパーリーグ構想撤退を表明していないマドリーに大会参加資格剥奪などのリベンジは、少なくとも今季分のCLに関しては、規約的にムリなため、UEFAから課される心配はないんですけどね。実際、この永久出場権が保証された、CLの向こうを張る大会に反感を覚えたファンは多く、中でもイギリスのサポーターたちはかなり行動的だったようで、チェルシーなど、火曜にはスタンフォード・ブリッジ前でチームバスが群衆に囲まれ、ブライトン戦のキックオフが15分遅れる始末。それに動揺したか、試合もスコアレスドローに終わってしまったそうで、いえ、マドリーのバスもカランサ到着時には大量のカディスファンによる、抗議のお出迎えに遭ったんですけどね。そこまでの大々的な騒ぎにはなりませんでしたし、おそらく、このエスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノ(RMカスティージャのホーム)で連戦前にサポーターが集結するということもないと思うんですが…。
いやあ、というのも実は木曜日には久々にワンダ・メトロポリターノでの試合に行くことができた私だったんですが、チームバスの到着を待つファンの数が、先日のブタルケで見かけたレガネスファンとあまり大差がなかったから。ただ、アトレティコは参加しないと、スーパーリーグにセビージャを招待するとお隣さんの会長に言われ、スペイン3番目のチームのステータスを脅かされるのにビビって、名前を連ねただけだそうで、火曜にはヒル・マリン筆頭株主がマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場をセレソ会長と共に訪れ、チームに状況を説明。そうこうするうち、イギリスのチームがどんどん、離脱していったため、これ幸いと抜けることにしたみたいですけどね。
早めにカタが付いていたため、まだ明るい午後7時にウエスカを迎えた試合でも選手たちは気を散らせることなく…前半3分から、シオバスの至近距離シュートをGKオブラクがparadon(パラドン/スーパーセーブ)って、ちょっと大丈夫?とはいえ、先日のエイバルより、3人CB制で守備的だった相手からはそれ程、攻撃は受けず、30分にはカラスコ、サウールが連続して、GKアルバロ・フェルナンデスに弾かれるなど、そこそこ押していたんですが、待望の先制点が入ったのは39分になってから。まるで前節をなぞるかのように、マルコス・ジョレンテからパスを受けたコレアがエリア前から、敵を縫ってシュート。これがアトレティコ育ちのプリドに当たり、ネットに入ってくれたとなれば、いよいよ彼の時代がやって来た?
そのまま1-0とリードして後半に入ったアトレティコは追加点を挙げようと、序盤にはコケが2度程、狙って、失敗していたんですけどね。1部残留争いの渦中にあるウエスカもどちらかというと、次節のヘタフェ戦を考えていたか、5試合ぶりに岡崎慎司選手が先発で出場するなど、ローテーションをかけており、更に18分にはエースのラファ・ミールも含め、3人が交代。逆にシメオネ監督はどうしてもあと1点が欲しかったか、最近、中盤でしっかりチームを支えてくれているエレーラを下げ、FWのデンベレを入れていましたが、勝負をつけてくれたのはやはり、ルイス・スアレスとジョアン・フェリックスの負傷離脱中、コレアと共に前線を任されているジョレンテでした。
ええ、36分、それまでも何度か、エリア内右奥まで切り込んでいた彼ですが、まさか、こんな終盤になってもエネルギーが尽きず、シオバスからボールを奪ってしまうとは。そのラストパスをゴール前で受けたカラスコがかろうじてオフサイドを免れ、止めとなる2点目を挙げてくれたとなれば、もう安心です。5点を取ったエイバル戦程のgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)ではありませんでしたが、カラスコも「Cuando el equipo está bien siempre es más fácil jugar y sacar el talent/クアンドー・エル・エキポ・エスタ・ビエン・シエンプレ・エス・マス・ファシル・フガール・イ・サカール・エル・タレントー(チームがいい状態の時はいつも、プレーするのも才能を示すのも容易い)」と言っていた通り、このホーム連戦でマストだった2勝をゲットできたのは何よりでしたっけ(最終結果2-0)。
そう、この先は日曜午後9時からのアスレティック戦を皮切りに、週1ペースとはいえ、エルチェ、バルサとアウェイゲームが3試合も続きますからね。ちなみに外遊スタートとなるサン・マメスでは丁度、累積警告となったヒメネスが出場停止。まあ、CBはサビッチに加え、フェリペもエルモーソも元気ですから、今季ケガに祟られている当人にはいい骨休みになるかと。そして心強いのはいよいよ、スアレスとジョアンが戻ってこれそうなことで、ただ、そうすると、シメオネ監督にゴールづいてきたコレア、ジョレンテの前線コンビをここで代えちゃってもいいのかというジレンマが生まれるかも。
とにかくもう、残りは6試合しかありませんからね。折しも相手のアスレティクは昨季と今季のコパ決勝に2連敗、リーガでは現在、5連続引き分けというスランプにどっぷりはまっているため、またしても1日早く試合をするお隣さんに暫定首位に立たれても、決して挫けず、トップを奪い返してくれたらと思います。
そしてこのコロナ禍では記者会見も画面越し、以前は選手がインタビューを受けていたミッスゾーンもなく、ワンダではそれこそ、拡大ロッカールームとして利用されていると、コケの投稿で知ったのはともかく、試合後はすぐにスタジアムから追い出されるため、私も午後10時からのバルサvsヘタフェ戦直前に近所のバルに行くことができたんですが、おやおや。どうやら、ウエスカのパチェタ監督同様、ボルダラス監督も照準は次節の残留直接ライバルとの対決にあったようで、こちらもローテーション真っ盛り。おかげで久保建英選手がカンプ・ノウで先発に抜擢されるという、ラッキーもあったんですが、いきなり開始3分でメッシにゴールバー直撃のシュートを浴びていてはねえ。
もう不安しかなかったんですが、それが現実になったのは8分、ブスケツが自陣から送ったパスに抜け出したメッシに先制点を決められてしまったとなれば、もうゴールラッシュを覚悟するしかない?ただ、その時はヘタフェも意地を見せて、11分にはククレジャが入れたクロスをアンヘルがシュート。これがレングレに当たり、オウンゴールで同点となったため、もしやこの日の弟分は真剣にマドリッドの兄貴分たちの援護射撃をしてくれるのかと期待もしたんですが…いやあ、カディスのイサといい、ウエスカのシオバスといい、時々、大殺界にでもいるんじゃないかと思われる選手が現れる試合があるんですが、いたんですよ、ヘタフェにも。
だってえ、同点となってから、何とかメッシのシュートは凌いでいたというのに、27分にはCBチャクラがGKダビド・ソリアの位置を確かめずにバックパス。まったくもって、この無観客でよく声が通る中、そんな行き違いがどうして起こるのか、不思議でたまりませんが、その緩々したボールがオウンゴールとなり、勝ち越し点を贈っているとなれば、もうどうしたらいいものやら。すると今度は33分、またしてもシュートが枠に弾かれながら、戻って来たボールを角度のないところから撃ち直したメッシに決められ、前半でスコアは3-1に。この日はバルに居座らず、外出禁止時間帯が始まる前に家に帰ろうかと迷った私だったんですが…。
つい見ちゃったんです、後半も。おかげで24分には、ビニシウスと同じ形で後追いVAR判定が出て、アラウホがエネス・ウナルを踏んでいたのが発覚。PKもウナルが決め、ヘタフェが1点差に追い上げた時には、兄弟分ダービー2試合でスコアレルドローを勝ち取った穴埋めまで、あと一歩に見えたんですけどね。それもハーフタイムでアレニャ、ククレジャ、マクシモビッチのレギュラー3人を温存し、アランバリと2人のカンテラーノ(ヘタフェBの選手)に代えていながらでのことだったため、素直に感心していたんですが、やっぱり厄日というのは怖い。ええ、41分にはメッシの蹴ったFKでチャクラがアラウホをマークしきれず、ヘッドで4点目を奪われたかと思えば、ロスタイムには空中でグリーズマンの足を蹴って、PKを献上。
結局、メッシにキッカーを譲られたグリーズマンに5点目を挙げられ、5-2の大敗となってしまいましたが、どんまい。降格圏と勝ち点差4で15位と、残留目安ゾーンまであと9ポイント必要なヘタフェの真の戦いはこの日曜午後2時(日本時間午後9時)からのウエスカ戦。丁度、岡崎選手も久保選手も谷間先発してしまったため、日本人選手対決がピッチで見られるかは微妙ですけどね。スーパーリーグにはまったく縁のないチーム同士でも1部の座を懸けた、これぞラ・リーガという白熱したゲームを見せてくれるんじゃないでしょうか。
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