これからは胃の痛くなる週末が続く…/原ゆみこのマドリッド

2021.04.06 22:30 Tue
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©Atlético de Madrid
「普通ならもっとワクワクしててもいいんだけど」そんな風に私が腑抜けていたのは月曜日、ジダン監督とナチョのCL準々決勝リバプール戦1stレグ前記者会見をレアル・マドリーTVで見ていた時のことでした。いやあ、今季は決勝トーナメントに4チーム揃って進出したスペイン勢でしたが、最初の16強対決でバルサはPSGに、セビージャはドルトムントに、そしてアトレティコもチェルシーに負けて、もう生き残りはマドリーだけ。おまけにこのカードは2018年決勝の再戦で、当時はBBC(ベンゼマ、ベイル、クリスチアーノ・ロナウドの頭文字)擁するジダン監督のチームが、前半途中にセルヒオ・ラモスとの接触プレーで肩を脱臼したサラーが交代したこともあって、3-1と余裕の勝利でDecimotercera(デシモテルセーラ/13回目のCL優勝のこと)を達成しているんですけどね。その翌年、リバプールはワンダ・メトロポリターノでトッテナムを破り、14年ぶりにCL優勝しているため、あまりリベンジ気分はないかと思いますが、大体がして、そのキエフでの決勝で2ゴールを挙げたベイルも今はトッテナムに貸し出し中でいませんし、一番、相手ファンの恨みを買っていそうなラモスなど、先週水曜のスペイン代表戦後の練習で左ふくらはぎを負傷。この火曜午後9時(日本時間翌午前4時)から、もうイギリスからの入国がOKになったため、チェルシーとのホームゲームのためにブカレスト(ルーマニア)まで行かされたお隣さんとは違い、幸運にもエスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノ(RMカスティージャのホーム)でプレーできることになった1stレグのみならず、来週水曜、アンフィールドでの2ndレグにも出られないんですよ。

加えて、先週末からチーム練習に加わっていたアザールもまだ戻れず、カルバハルも復帰予定が立ってないなど、全戦力を使えない状態は変わらないとはいえ、リーガ前節の結果を踏まえたこの週明けは、ジダン監督の「Siempre faltan jugadores, pero la fuerza es el equipo/シエンプレ・ファルタン・フガドーレス、ペロ・ラ・フエルサ・エス・エル・エキポ(常に選手が欠けているが、チームがウチの力だ)」という言葉に納得。「ウチのチームは何1つ、諦めたりはしない。そういう信念をこのクラブとチームは持っている。Mientras hay vida siempre peleamos/ミエントラス・アイ・ビダ・シエンプレ・ペレアモス(命がある限り、私たちは常に戦う)」というのには私もただただ、頷くばかりだったかと。


それとは別腹で、サラー、マネ、フィルミーノの3弾頭を今季は脅かすまでに成長。先日のポルトガル代表のW杯予選3試合でも、初先発となったルクセンブルク戦前半にケガして交代したジョアン・フェリックスと真逆の大活躍で、3ゴールを決めていたディオゴ・ジョタが、2016年にパソス・デ・フェレイラからアトレティコに入りながら、1試合も出ることなく、ウォルバーハンプトンに移籍。当人も前日会見で、「マドリーへのライバル意識を感じる時間はなかった」と言っていましたが、昨季はとうとう、リバプールに引き抜かれるまでになったFWがマドリッドに来ているのを見て、逃した魚の大きさを嘆いていたりもしている自分だったりするんですが…。

まあ、そんなことはともかく、paron(パロン/リーガの停止期間のこと)明けのリーガでマドリッド勢がどうだったか、お話ししていかないと。まずは土曜日、トップバッターとして、マドリーがエイバルを迎えたんですが、ラモスがいない分を最近、ジダン監督も気に入っている3CB制で補ったのが良かったんでしょうかね。バランを温存したため、ナチョ、ミリトン、メンディが並び、マルセロとルーカス・バスケスがcarrilero(カリレーロ/長い距離をカバーするSB)を担ったんですが、開始4分には、久々の出場となったマルセロのクロスをベンゼマがヘッドしてゴールに。

ただ、これはオフサイドだったため、先制点にはならなかったんですが、その後も20分にはアセンシオの直接FKがゴールバーを直撃したり、36分にも彼のゴールがVAR(ビデオ審判)でオフサイドとなったりと、一方的にマドリーが攻めまくり。メンディリバル監督も後で「序盤のあの有り様じゃ、parece que te han podido meter 8.../パレセ・ケ・テ・アン・ポディードー・メテール・オチョ(8点ぐらい取られるんじゃないかと思った…)」と嘆いていた程だったんですが、実際にスコアボードに数字が上がったのは41分のことでした。

ええ、この時はカセミロが敵陣で奪ったボールをアセンシオにパス、今度はオフサイドに引っかからず、そのシュートがGKドミトロビッチを破って、マドリーにリードを与えてくれたんですよ。これで3試合連続ゴールと、当人も「Ahora están entrando los goles, antes iban al palo y no entraban/アオラ・エスタン・エントランドー・ロス・ゴーレス、アンテス・イバン・アル・パロ・イ・ノー・エントラバン(今はゴールが入ってくれている。前はポストに当たったりして入らなかったのにね)」と言っていましたけどね。最近、めきめき調子を上げてきた感じがしますが、仕上げをしてくれたのは、これまた、ここ4試合で6ゴールと絶好調だったベンゼマ。丁度、ハーフタイムの頃から降り始めた雨が強風を伴うドシャ降りと化した後半15分ぐらいまでは、ルーカス・バスケスのバックパスをGKクルトワが取り損ね、危うくオウンゴールになりかねないドッキリもあったんですが、雨足の弱まった28分、ビニシウスのクロスを頭で決め、今度はつつがなく、チームの2点目を挙げてくれましたっけ。

結果2-0と快勝したマドリーは首位のお隣さんとの差を勝ち点3に縮め、累積警告にあと1枚と迫っていたナチョもイエローカードを受けず、次節のクラシコ(伝統の一戦、マドリーvsバルサ戦のこと)にも出られるという幸運ぶり。おまけにモドリッチとクロースは入れ替わりで出場、ベンゼマとアセンシオも早めに引き上げて、体力温存させることができましたからね。火曜のリバプール戦ではかなり、いい試合が見られるんじゃないかと思いますが、これは180分間の戦い。よっぽどのことがない限り、決着は2ndレグでつくんじゃないでしょうか。

そしてバルデベバス(バラハス空港の近く)のにわか大雨がセントロ(市内中心部)にも移ってきたため、次の時間帯だったオサスナvsヘタフェ戦は諦めて、近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)から家に避難してしまった私だったんですが、どうやらそちらはかなり不活発な展開だったようで、0-0のまま終了。何せ、先週のインターナショナルウィークではエネス・ウナルがトルコ代表でコロナに感染し、スペインに戻れず。マクシモビッチもセルビア代表戦の後、私的な事情でこの月曜にようやく戻って来るというハンデがマドリッドの弟分チームにはありましたからね。U24日本代表のアルゼンチン戦を月曜に終えた後、練習に合流したのが金曜だった久保建英選手も後半30分からの出場に留まりましたし、とりあえず、降格圏との差は勝ち点6あるため、焦ることはないんですが…この土曜のカディス戦の後はマドリーとの兄弟分ダービー、続いてバルサ戦と難敵が続くため、次節は絶対、勝っておかないといけないですよ。

そして夜には、セビージャ(スペイン南部)はマドリッドとかなり離れているものの、やはりゲリラ豪雨に襲われる中、カルトゥーハでレアル・ソシエダが0-1でアスレティックを破り、昨季のコパ・デル・レイ王者に輝いたんですが、得点のキッカケはギリシャ戦に続き、またしてもイニゴ・マルティネスがポルトゥをエリア内で倒して献上したPK。これにはこの日、パルコ(貴賓席)で観戦していたスペイン代表のルイス・エンリケ監督もちょっと、考えてしまうかも。ちなみにその殊勲のPKを決めたオジャルサバルも同じ代表のチームメートなんですが、意外と根性がありますよね。というのも、レアル・ソシエダの第1キッカーである彼はここ4回中、3本のPKを失敗していたから。

それどころか、「Curiosamente ensayé tres penaltis en el último entrenamiento y fallé dos/クリオーサメンテ・アンサジェ・トレス・ペナルティス・エン・エル・ウルティモ・エントレナミエントー・イ・ファジェ・ドス(面白いことに最後の練習でPKを3回蹴って、2回失敗してたんだ)」と当人も後で告白していた程だったんですけどね。本番ではやはり先週、代表合宿でご一緒していたGKウナイ・シモンに手も触れさせないとはまったくもって、見事じゃないですか。表彰式では不幸にも前日、カルトゥーハでのセッションで負傷したイジャラメンディに、34年間、クラブが遠ざかっていたトロフィーを受け取る役目を譲ってあげる心遣いもありましたしね。同じバスク地方(スペイン北部)のクラブで、両方のチームを経験している選手も多いせいか、普通だったら、メダルを受け取るやいなや、すぐロッカールームに戻ってしまう準優勝チームの選手たちがセレモニーを最後まで見守っていたのも印象的でしたっけ。

ま、アスレティックは17日にバルサと今季のコパ決勝もあるため、そこで37年ぶりのぶりのビッグタイトルを掴んで、1984年のリーガ優勝以来、パレード出航していないガバラ(ビルバオの運河を航行した木材運搬船)に乗ってくれればいいんですけどね。実は彼ら、2012年にもコパとELで決勝進出し、どちらかではガバラを出せるものと期待されていたんですが、前者はバルサに、後者はアトレティコに負け、無冠に終わるという悪い前例も。今年は1月に先行して行われたスペイン・スーパーカップ(昨季のリーガ1、2位とコパ・ファイナリストによるファイナルフォー)で優勝しているため、まだいいんですが、土曜の日中、このコロナ禍にも関わらず、サポーターが市街に溢れ、警官隊と衝突する騒ぎを起こしていた映像を見たりすると、もし優勝できても、サン・セバスティアンにファンの集まる祝勝行事を控えたレアル・ソシエダのように自粛という流れになるかもしれませんね。

そして翌日曜はまたリーガが戻り、ブタルケに2部の弟分、レガネスの試合を見に行った私だったんですが、相手が昇格組のサダベルだったせいか、前回のホームゲーム、近所のフエンラブラダとのダービーの日とは打って変わって、スタジアムの周辺にはまったく人影がなし。ただ皮肉なもので、大勢のサポーターに見送られて挑んだその試合には0-2であっさり負けていた彼らだったのに、この日は前半、アルナイスとロベル・イバニェスが決めたゴールで2点を先行することに。後半14分にはルビオのシュートがルーベン・ペレスに当たって入った1点で追い上げられたものの、そのまま無事に2-1と逃げ切って勝利です。ベンチスタートだった柴崎岳選手も後半途中から、プレーすることができましたしね。今のところ、直接昇格の2位とは勝ち点差が8あるレガネスですが、プレーオフ圏内の4位はしっかりキープしているため、1部最速リターンもまだまだ期待できるんじゃないでしょうか。

え、それで日曜の夜にセビージャ戦をプレーしたアトレティコはどうだったんだって?いやあ、レガネス(マドリッド近郊)から急いで戻り、丁度、最寄りの駅から行きつけのバルに向かう道中、サウールがラキティッチを踏んでペナルティを取られたとオンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)の中継で聞いて、私も慌ててお店に駆け込む破目になったんですけどね。GKオブラクが前節のアラベス戦のホセルに続き、オカンポスのPKを弾いてくれたのには俄然、テンションが上がったものの、前半のアトレティコの守備崩壊状態はもう、何て言っていいか、わからないぐらい。当日、サビッチが急性胃腸炎を起こし、ベンチにも入れなかったのが、シメオネ監督の戦略を狂わせたか、あまりにセビージャのチャンスが続くのにたまりかね、前半34分には3CB制のカリレーロとして入っていたロディをコレアに代えるって、これはロディもちょっと可哀想だったかと。

DFを4人したのが良かったか、後半には少々、持ち直したアトレティコでしたが、悲劇に見舞われたのは25分のこと。最後はヘスス・ナバスのクロスをアクニャに頭で決められてしまったんですが、そのプレーは元々、トリッピアーの蹴ったボールがオカンポスの腕に当たりながら、ハンドを流されたのが起点でしたからね。となれば、「Toca luchar contra todo/トカ・ルチャール・コントラ・トードー(全てを相手に戦わないといけなくなった)」(コケ)と、選手たちが猛抗議していたのも当然だった?いえ、結局はその1点ぽっきりを返せない彼らが悪いんであって、その日は頼りのルイス・スアレスが不発。ベンチにはリハビリが間に合わなかったジョアン・フェリックスも、出場停止が重なっていたカラスコもいなかったのは本当に不幸だったかと。

ええ、シメオネ監督が投入できたのもコンドグビアとエレーラだけでしたし、コケは2回ともシュートをGKボノの正面に撃つわ、エルモーソはフリーで大空に飛ばしてしまうわ、コレアも最後のチャンスをモノにできずとなれば、1-0で負けてしまったのも仕方ありません。うーん、それでも「Sé que es lo que quiero, sé cual es el camino y no le tengo miedo a nada/セ・ケ・エス・ロ・ケ・キエロ、エス・クアル・エス・エル・カミーノ・イ・ノー・レ・テンゴ・ミエードー・ア・ナーダ(自分の望むことはわかっているし、それがどういう道なのかもわかっている。何も恐れることはない)」と指揮官が落ち込んでいないのは有難いんですけどね。実はこの敗戦によるダメージは、月曜にバジャドリー戦に土壇場のデンベレのゴールで1-0と勝ったバルサに勝ち点差1とされてしまったことだけでなく、イエローカードをもらったスアレス、マルコス・ジョレンテ、そしてコンドグビアの3人が一気に次節、ベティス戦で累積警告の出場停止となってしまったこと。

実際、昨今のアトレティコの凋落ぶりは凄まじく、シーズン前半はお隣さんに負けた1敗と引分けが2回あっただけだったのに比べ、後半戦に入ってからは10試合でたったの3勝だけ。これじゃ10以上あった後続との勝ち点差がみるみるなくなっていくのも当たり前ですが、まったく。こうなると、今週来週はマドリーがリバプールとの2試合で頭がいっぱいになって、週末のクラシコでバルサと潰し合いしている間、アトレティコの選手たちもじっくり反省。調子の良かった頃の勝ち癖を取り戻してくれるのを私も祈るしかありません。

【マドリッド通信員】 原ゆみこ
南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。
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最終節まで一喜一憂の試合は続く…/原ゆみこのマドリッド

「やっぱり不公平よね」そんな風に私が怒っていたのは月曜日、37節全試合同時開催リーガの結果をチェックしていた時のことでした。というのもコロナ感染者が少ない州だけに許された特権で今季、初めて観客を入れたメスタジャでバレンシアがエイバルに4-1、ラ・セラミカではビジャレアルがセビージャに4-0と大勝。その一方でまだ、無観客試合を続けないといけないマドリッドでは、キックオフ1時間前に大勢のファンがそれぞれ、コリセウム・アルフォンソ・ペレス、ワンダ・メトロポリターノの外縁に集結し、チームバスを力一杯、お出迎えすることしかできなかったから。 それでもとりわけ、ワンダでは先日のレアル・ソシエダ戦を越える数のファンが隣接する駐車場に留まり、スタジアムの中まで届く声量で応援を続けてくれたため、アトレティコも最後の最後まで頑張れたんですけどね。ただ、この日曜はいきなり気温が上がって夏日になったため、ビール持参のグループも多く、これだったら、着席は数シート置き、FFP2マスクの着用、飲食喫煙禁止を課した場内観戦の方がずっと安全な気もしますが、こればっかりはねえ。 最終節となる今週末もリーガ1部ではバライドスのセルタvsベティス戦、シュタット・デ・バレンシアのレバンテvsカディス戦、マルティネス・バレロのエルチェvsアスレティック戦の3試合が収容人数の25%まで、5000人以下の観客を迎えられるんですが、バレンシアに負けて、降格1番手となったエイバルなど、言うまでもなし。あと2席ある2部落ちの運命を避けようと3チームで争っているウエスカ、バジャヤドリーなどは、エルチェだけがスタンドからファンに応援してもらえるのをズルいと思っているかもしれませんね。 まあ、その辺のことはともかく、この日曜の試合がどうだったか、お伝えしていかないと。もちろん、私はワンダに行ったんですが、これがもう、前半のアトレティコはオサスナにシュートを浴びせまくり。ただ、困ったことにルイス・スアレスが絶好機にポストに当ててしまったのを筆頭にコレア、サウール、カラスコと皆、枠を外したり、GKエレーラに弾かれたりと、ゴールにならないんですよ。そうこうするうち、オンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)の3元実況中継からは早くも前半13分、ククレジャのラストパスをアレニャが決めて、ヘタフェがレバンテから先制点を奪ったという朗報が。でも喜んだのも束の間で、アンヘルがケガでマタに代わった後、30分にはメレロに同点弾を入れられてしまうことに。 え、要はサン・マメスでのアスレティック戦、レアル・マドリーからの音沙汰はオドリオソラのパスがモンカジョラの腕にエリア内で当たりながら、ハンドでのペナルティにならなかったぐらいで、ワンダ共々0-0、ヘタフェも1-1で、マドリッド勢は揃って引き分け状態でハーフタイムに入ったんだろうって?その通りで、ついでに言うと、メッシのゴールで先制したバルサもサンティ・ミナのゴールで追いつかれ、セルタと1-1と、皆が同じ結果なら、順位も変わらないため、その頃までは私も落ち着いた気分でいられたんですけどね。それがまさか、後半もFKからサビッチのゴール、そしてカラスコのゴールもオフサイドで認められず、それを真剣に悔やむ破目に陥るとは! そう、23分、とうとうラジオから、マドリー番実況アナの「Gooool!Gol del Madrid!(マドリーのゴール)」の絶叫が飛び込んできたんですよ。どうやらCKから始まったプレーで、カセミロがゴール前に上げたクロスがナチョのヒザに当たり、ゴールに入ったようでしたが、悪いことは続くのがこの世の常。31分には何と、それまでほとんど守ってばかりだったオサスナの攻撃が実り、ルーベン・ガルシアのパスをブドミルがヘッドしたところ、GKオブラクがparadon(パラドン/スーパーセーブ)しながら、すでにボールはゴールラインを割っていたって、そんな不条理なことがあっていい? いやあ、もうマドリーが1点を取った直後から、首位転落していたアトレティコだったんですが、これでは完全に立場が逆転。最終節でお隣さんが勝ち点を落としてくれないと優勝できないという、他人頼みの境遇になってしまったんですが、失点の直後、丁度、気温が高い時にもらえるお水休憩が入ってくれたのが幸いしたんですかね。とりわけ、同じバルカン半島諸国出身で言葉が通じるサビッチ(モンテネグロ)がブドミル(クロアチア)とやり合って、イエローカードをもらっていたのも心配だったか、シメオネ監督は選手たちに「vamos a estar fuertes de la cabeza/バモス・ア・エスタル・フエルテス・デ・ラ・カベッサ(気をしっかり持っていこう)」と声掛け。 重ねて、「ウチのやらないといけないことはまず追いつくこと。そうすれば、勝利にも繋がるから」と鼓舞したところ、後でエルモーソも「Cuando el equipo encaja el primer gol, las cosas se tuercen, esta gente nos empuja/クアンドー・エル・エキポ・エンカハ・エル・プリメール・ゴル、ラス・コーサス・セ・トゥエルセン、エスタ・ヘンテ・ノス・エンプハ(チームが先制点を取られて、状況が悪くなった時には、ファンがボクらを後押ししてくれる)」と言っていたように、一際、音量の上がった応援にも力づけられたんでしょうか。37分には交代で入っていたジョアン・フェリックスが出したスルーパスをロディがエリア内に持ち込み、同点ゴールを挙げてしまったから、ビックリしたの何のって。 するとまるで、連動するように弟分にも幸運の女神が微笑んでくれたようで、39分にはヘタフェが途中出場した久保建英選手のゴールで、とうとう勝ち越し点を奪ったという嬉しいニュースが。いやあ、実は残留争いも後半にはエルチェがカディス戦で逆転、勝っていたため、引き分けでは不十分に。ええ、彼もアップ中に「nos dijeron que había que ir a por el gol/ノス・ディヘロン・ケ・アビア・ケ・イル・ア・ポル・エル・ゴル(ゴールを挙げないといけないと言われた)」そうなんですけどね。とりあえず、これでヘタフェが安全圏に入ったのは良かったんですが…。 アトレティコも同点じゃ、直接対決のゴールアベレージでお隣さんに負けて、2位のままなんですよ。どんどん残り時間も少なくなっていくし、私も固唾を飲んで戦況を見守っているしかなかったんですが、いよいよ、最後のアタッカーとしてビトロがピッチサイドで交代を待っていた43分、その奇跡は起きました。ええ、トリッピアーが送ったボールをカラスコがエリア内右側から、ゴール前にラストパス。これが信じられないことに何人ものオサスナDFの間を通り抜け、ルイス・スアレスのシュートが決まるって、いや、これ、根性のremontada(レモンターダ/逆転劇)体質のマドリーじゃなくて、ホントにアトレティコですかあ? 実際、この時の選手たちの喜びようは尋常ではなく、スタンドに座っていた控え選手たちまでがコーナーまで駆けつけて団子になっているような有様。でもシメオネ監督が派手な身振り手振りをしていたのはどうやら、リードしたことで、ビトロでなく、守備固めにコンドグビアを入れようとしたものの、お祝い集団に加わっていた当人がなかなか帰ってこなかったせいと後で判明。何とか、その場はゴールを挙げた勢いで、ユニフォームのシャツを脱いでしまったため、イエローカードをもらったスアレスと交代して収まったんですが、ロスタイムの5分があんなにも長く感じられたことはありませんでしたっけ。 最後はチミ・アビラのシュートをGKオブラクが止めてくれて、無事、試合は2-1の勝利で終了です。うーん、3月21日以来の得点で、今季20ゴールに達して特別ボーナスももらえることになったスアレスも「アトレティコが苦しむことが多いチームというのは皆に言われていたけど、no pensaba que tanto/ノー・ペンサバ・タントー(これ程だとは思わなかった)」と言っていましたが、まったくその通りなんですよね。折りしもこのオサスナ戦の前日会見で、「entramos en la zona Suárez/エスタモス・エン・ラ・ソーナ・スアレス(私たちはスアレスゾーンにいる)。彼のように逆境を打開できる選手にとって理想的な時期で、当人もそれに慣れている」とシメオネ監督はスアレスを絶賛。その言葉が的中してくれたのが何より、有難いことです。 これで再び、アトレティコはマドリーと勝ち点2差の首位に戻り、今週末の土曜午後6時(日本時間翌午前1時)にunificacion(ウニフィカシオン/統合)されたバジャドリー戦で勝てば、エスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノ(RMカスティージャのホーム)にビジャレアルを迎えるお隣さんの結果を気にせず、優勝できることに。すでにファンの間では、バジャドリー(マドリッドの北にある内陸都市)までは特急で1時間、車でも3時間弱と近いせいもあってか、ホセ・ソリージャの外で応援する企画が持ち上がっているといいますが、これも先日、スペインの警戒事態宣言が解けて、人々が自由に国内移動できるようになったおかげかと。 そうそう、実は33節で彼らがアスレティックに負け、後のない状態になった時、キャプテンのコケが送ったWhatsAppの会話がSNNで出回っているそうで、そこには「Vamos a ganar esta Liga, nadie cree en nosotros y es cuando mejor hacemos las cosas/バモス・ア・ガナール・エスタ・リーガ、ナディエ・クレエ・エン・ノソトロス・イ・エス・クアンドー・メホール・アセモス・ラス・コーサス(ボクらはこのリーガに勝つよ。誰も自分たちを信じてくれない時こそ、ウチは上手くやれるんだ)」と書いてあったらしいんですけどね。相手にはまだ僅かに残留の希望があるとはいえ、日曜にはレアル・ソシエダに4-1負けと力尽きているようでしたし、これまで10回リーガ優勝しているアトレティコは、うち9回が最終節での戴冠。ゲンもいいだけにちょっと、ここは期待してもいいかもしれません。 逆にアスレティックに0-1で勝ち、希望を繋いだマドリーでは何ですかねえ。先週金曜ぐらいから、来季はジダン監督が続投しない意志を選手たちに告げたという情報が飛び交い、試合後もその件に関する質問が多かったんですが、当人は「Es mentira/エス・メンティーラ(それは嘘)。今、自分たちは優勝を争っているというのに何でそんなことを言うはずがある」とキッパリ否定。ただ、相変わらず、シーズン終了後のことについては話してくれないため、今季限りというのは十分、ありそうです。 それだけでなく、現在、鋭意リハビリ中のレギュラーCBコンビ、6月いっぱいで契約の終わるセルヒオ・ラモスもまだ更新せず、あと1年あるバランも移籍を考えているといった具合で、この夏のマドリーはイロイロ人が動きそうな気配がなきにしろあらず。ただ、今、優先されるべきはビジャレアル戦なんですが、何せ、月曜にはコロナ感染者との濃厚接触で自宅隔離していたクロースの陽性が判明と、またしても逆境が発生していますからね。 しかも相手は一応、今はコンフェレンスリーグ(来季から始まるUEFA第3の大会)出場権をもらえる7位であるものの、5位レアル・ソシエダとは勝ち点差1、6位のベティスとは同じ勝ち点とあって、順位を上げる気満々。おまけに来週水曜にはマンチェスター・ユナイテッドとのEL決勝もあって、そこで勝てば、CL出場権が手に入るため、ウナイ・エメリ監督にしてみれば、この試合は保険のようなものでしょうが、決して侮れるチームではないかと。 そして土壇場で残留を勝ち取ったヘタフェは、今いる16位より下になる可能性はなく、上がれても15位、相手も10位のグラナダということで、統一時間帯から離れて日曜に最終節を迎えるんですが、本当に今季は苦労しましたよねえ。ボルダラス監督も「ウチはリーガで一番、得点数が少ないにも関わらず、残留に必要な勝ち点を溜めることができた」とようやく、肩の荷が下ろせたみたいでしたが、まあそういうシーズンもありますって。 来季はどこでプレーするかわからないとはいえ、一応、久保選手も最高の置き土産ができましたしね。ちなみに弟分チームたちについては、あとはヘタフェのお隣さん、柴崎岳選手のいる4位のレガネス、そして39節で6位に戻ったラージョが昇格プレーオフ出場権を手に入れて、来季はマドリッド1部4チーム体制が復活するかどうかといったところになるでしょうか。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2021.05.18 20:30 Tue
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決着の日が迫っている…/原ゆみこのマドリッド

「一気に終わってくれるのは楽なんだけど」そんな風に私が溜息をついていたのは金曜日、全てのカードが日曜午後6時30分(日本時間翌午前1時30分)にunificacion(ウニフィカシオン/統合)された37節の対戦表を眺めていた時のことでした。いやあ、今季の前半にはよく、レアル・マドリーとアトレティコのCLグループリーグ試合日時が重なって、近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)で2台のTV前を行ったり来たりした日もなきにしろあらず。今回はもっとややこしいことに、アトレティコが勝利して、お隣さんが勝てなければ、優勝が決定するため、実はもう、その事態に備えて、ネプトゥーノ(アトレティコがいつも優勝を祝う広場)の路肩には人の流れを遮るための柵が準備されているんですけどね。 それがシベレス(マドリーが祝う広場)にはないのは別に昨季、ジダン監督のチームが1試合残して優勝を決めた後、さすが34回目ともなると、新型コロナ流行により、当時もお勧めされていなかった密を避けようと思ったか、ファンがほとんど集まらなかったからというより、この日曜にマドリーの優勝が決まることは絶対ないせい。その一方でアトレティコはこれまで10回しか、リーガ優勝していませんし、2014年以来のこととなれば、当局が用心するのもわかりますが、困るのは弟分のヘタフェの1部残留が決まっておらず、下位チームの対戦にも目を光らせていないといけないことなんですよ。となるとまた、オンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)の3元中継を頼りに一喜一憂する破目になりそうですが…。 まあ、そんなことはともかく、何とも長かった、このミッドウィーク開催のリーガがどうだったか、お話ししていくことにすると。優勝戦線の先陣を切ったのは火曜にレバンテと対戦したバルサで、うーん、前半にメッシとペドリが決めて、2点リードという速報を見た時には、アトレティコが暫定2位に落ちることを覚悟したんですけどね。そこは1月末にはマドリーに1-2と勝ち、しつこく進退を訊かれたジダン監督を怒らせて、2月には延期されていたシーズン前半分と後半分の2連戦でアトレティコから勝ち点5を奪った大物喰いのレバンテ。気がつけば、後半15分にはメレロとモラレスのゴールで同点に追いつき、デンベレに勝ち越し点を挙げられても38分、セルヒオ・レオンが3-3に持ち込んでしまうとは見上げた心意気じゃないですか。 すでに残留を達成、かといってヨーロッパの大会に行ける位置にはなく、何の目標もないチームがそれだけのガッツを見せてくれたとなると、もうパコ・ロペス監督には拍手を贈るしかありませんが、そのレバンテがヘタフェの日曜の相手というのは心配なところ。というのも水曜にセルタ戦に挑んだ彼らは前半24分にノリトに奪われた1点が最後まで返せず、これで3試合連続最小得点差負けとなってしまったから。ボルダラス監督によると、「el resultado es totalmente injusto/エル・レスルタードー・エス・トタルメンテ・インフストー(完全に不公平な結果だ)。セルタには1度しかチャンスがなかった」そうですが、サッカーの正義はゴール。シュートが入らなければ、勝てませんって。 それでも36節はエルチェがアラベスに、バジャドリーもビジャレアルに0-2で負け、エイバルはベティスと1-1のドロー。下位で勝ったのはアスレティックを1-0と下したウエスカだけだったため、ヘタフェは16位となったものの、降格圏とは勝ち点3差あるんですけどね。コリセウム・アルフォンソ・ペレスでのレバンテ戦で勝つことができれば、下のチームの結果によっては残留が確定するものの、また負けて、最終節に全てを懸けることになったりすると…5年前の悲劇を再現しないよう、とにかく選手たちが最後の力を振り絞ってくれることを祈るばかりです。 え、この引き分けでバルサが優勝争いから一歩後退したため、私も水曜は幾らか、落ち着いた気分でワンダ・メトロポリターノに行くことができたんじゃないかって?そうですね、さすがに入場前に課されるコロナの抗原検査も3度目となると、度胸もついてきたんですが、リーガも大詰めとあって、この日はチームバスのお出迎えに駆けつけたファンもかなりの数に。それより凄かったのは、すでに私がスタジアム内でチームのアップを眺めていた頃、始まった場外応援で、100人以上のサポーターが、選手たちが1年以上、耳にすることができなかったカンティコ(応援歌)をずっと歌っているんですから、凄いじゃないですか。 まるでそれに応えるかのように試合の方もアトレティコはトップギアでスタートします。序盤からレアル・ソシエダを圧倒すると、前半16分にはCKから、グルリと回ったボールをマルコス・ジョレンテがエリア内にクロス。カラスコがGKレミロの股間を抜くシュートで決めて、先制点を奪っているのですから、手持ちのスマホで中継を見ている外のファンたちもどんなに盛り上がったことか。更に28分にも今度はルイス・スアレスのスルーパスをコレアが自己最多記録に並ぶ、今季8得点目をゲット。これでスコアが2-0となったため、ちょっと選手たちも気が緩んだんですかね。前日のバルサの例だってあるんですから、用心しないといけないのに、ハーフタイムまでにGKオブラクが2度もイサクのエリア内シュートをparadon(パラドン/スーパーセーブ)って、あんまりドッキリさせないでほしいものです。 ただ、現在5位でベティス、ビジャレアルとEL出場権争い中。とりあえず、7位でコンフェレンスリーグ(来季からUEFAが開催するヨーロッパ第3の大会)に回るのだけは避けたいぐらいの感じのレアル・ソシエダは、イマノル監督がシルバやル・ノルマン、ゴロサベルらを温存。日曜のバジャドリー戦に懸けることにしたか、後半頭にはイサク、時間が経つにつれ、モンレアル、オジャルサバルとレギュラーを下げてくれたため、楽になったはずだったんですけどね。なかなかスアレスのゴールが戻って来ないせいもあって、リードを広げられなかったアトレティコは終盤、たっぷり冷や汗をかくことに。 ええ、34分にポルトゥのシュートがゴールポストに弾かれた後、バウティスタはサビッチがブロック、そしてメレンケラスは枠を外すという、相手のトリプルチャンスで奇跡的に失点を免れた4分後、メレンケラスの蹴ったCKをクリアできず、スベルディアに撃ち込まれてしまうんですから、たまったもんじゃありません。そこから、ロスタイムの3分が終わるまで、外のファンたちも「Echare huevo/エチャレ・ウエボ(根性を出せ)」と歌って励ましていましたが、まったく。最後は2-1で無事終わったものの、ホントに「El sufrimiento fue innecesario/エル・スフリミエントー・フエ・インネセサリオ(必要のない苦しみだった)」(シメオネ監督)ですよ。 いえ、まあ、オンダ・マドリッドの元コーチの解説者によると、カンテラ(ユース)時代は何度もオーバーウェイトでチームをクビになりかけていたそうですが、何とか2009年のバルサ戦でトップチームデビュー。2011-12シーズン冬にはマラガへのレンタル移籍が決まりながら、就任したばかりのシメオネ監督の説得に応じて残留した甲斐あって、この日、アトレティコでとうとう500試合出場を達成したコケなど、「Somos el Atleti y si no sufurimos no seriamos nosotros/ソモス・エル・アトレティ・イ・シー・ノー・スフリモス・ノー・セリアモス・ノソトロス(ウチはアトレティで、もし苦しまなかったら、ボクらじゃない)」と達観していたんですけどね。 それも一理ありますが、日曜のオサスナ戦ではあまり心臓に悪くない試合を期待。幸い、こちらもワンダでの開催とあって、いやあ、クラブは残り2節は有観客試合になると踏んで、すでにチケット割り当ての手筈も整えていたんですが、結局、政府の許可が出たのはバレンシア、ガリシアなど、コロナ感染者が50人以下のフェーズ1にある州のみ。1部で言うと、今節はバレンシアvsエイバル戦、ビジャレアルvsセビージャ戦だけが、収容人数の30%、5000人まで入れられることになったんですが、マドリッドは対象外のため、またファンは外から、応援してくれるようですしね。残留決定後で気が楽になり、水曜には3-2とカディスに撃ち勝ったオサスナとはいえ、モチベーションで負けるアトレティコではないと私も信じています。 そして翌木曜、背水の陣でグラナダに挑んだお隣さんはどうだったかというと、いやあ、前日、普通に練習していたマルセロが招集リストに入らず、カンテラーノ(RMカスティージャの選手)のミゲールが左SBで、右SBも同マルビンを使うという、勇気ある布陣を敷いたジダン監督だったんですけどね。その両人が活躍して、前半17分にはミゲールの浮かせたラストパスをモドリッチが角度のないところから決めて、マドリーは先制。次は46分、今度はマルビンの奪ったボールをロドリゴがエリア内まで持ち込んで2点目のゴールを挙げ、0-2という、優勝争いのライバルたちとまったく同じスコアでハーフタイムに入ることに。 それでも3試合前にはバルサに勝っていたグラナダですから、油断はならないと思っていたところ、案の定、後半26分には交代出場のソロのパスから、コロンビア人のルイス・スアレスがシュート。これはGKクルトワに弾かれてしまったものの、いいところで待っていた、39才のホルヘ・モリーナがvolea(ボレア/ボレーシュート)で撃ち込んで、今季13得点目って、ホント、ヘタフェはどうして彼を移籍させてしまったんしょう。ただ、マドリーの反撃も早くて、その4分後にはアザールがエリア内右奥から送ったパスを後半、ケガをしたマルビンと代わっていたオドリオソラが決め、リードは再び2点に。 それから1分もしないうちには、GKルイ・シウバがマドリー陣内から飛んできたロングボールをクリアしようとエリアを飛び出し、ベンゼマに4点目を入れられてしまったんですが、グラナダのスアレスも本家同様、当たっていないのが幸いしましたかね。というか、3試合の出場停止処分中のソルダードがいれば、また展開も変わっていたんでしょうが、この日は1-4でマドリーが勝ち点3をゲット。お隣さんとの差を2に戻し、ジダン監督も「Hasta el último minuto lo vamos a dar todo/アスタ・エル・ウルティモ・ミヌート・ロ・バモス・ア・ダール・トードー(最後の1分まで全力を尽くす)」と言っていたように、リーガ優勝を諦めない決意を示していましたっけ。 まあ、それでも彼らは実際、「Tenemos que seguir presionando al Atleti/テネモス・ケ・セギモス・プレシオナンドー・アル・アトレティ(ボクらはアトレティコにプレッシャーをかけ続けないといけない)。ウチが近くにいれば、彼らはミスできないし、それがオサスナやバジャドリーに活路を与えるだろう」と、2014年にあちらで優勝した経験があるクルトワも認めていた通り、首位チームが勝ち点を落としてくれない限り、追い越せないんですけどね。おまけにこのロス・カルメネスでの試合は木曜24時近くに終わり、最寄りの空港がクローズ。グラナダ(スペイン南部)からマラガまで1時間半かけてバス移動しての帰京となったため、選手たちが家に着いたのが午前5時だったという凄いことに。 日曜もビルバオ(スペイン北部)のサン・マメスで行われるアウェイ戦とあって、マドリーにはほとんど休む暇もないんですが、こんな時に限って運も味方してくれないよう。ええ、グラナダ戦をスタンドで見ていたクロースが金曜にコロナ濃厚接触者となり、自身は陰性であるものの、強制隔離で遠征に加われないことが判明したんですよ。うーん、相変わらず、ケガ人の多いチームにはセルヒオ・ラモス、バランもまだ復帰できず、カルバハルとルーカス・バスケスはすでにシーズンが終わり、一時はユーロにも間に合わないと言われたメンディだけ、意表を突いて、バルデベバス(バラハス空港の近く)のグラウンドで練習を始めているんですけどね。 アスレティック戦には間に合わないため、またRMカスティージャに助っ人を頼まないといけないジダン監督なんですが、実はこの日曜はラウール監督のチームも2部昇格を懸けたプレーオフ準決勝でイビサと対戦。あまりいい顔はされないかと思いますが、やっぱり最優先はトップチームの優勝?ちなみにアスレティックは9位で残留は達成しているものの、ヨーロッパの大会出場には届かずと、まあ、アトレティコの当たるオサスナと似たり寄ったりですが、要注意はバルサが対戦するセルタ。8位の彼らだけ、もしかしたら、7位以上に躍進できる可能性があるため、ちょっと気を抜くと、今季はセビージャが3位に喰い込むなんてこともあるかもしれませんよ。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2021.05.15 22:30 Sat
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そして何も変わらなかった…/原ゆみこのマドリッド

「これじゃ心臓がもたないわ」そんな風に私が頭を抱えていたのは月曜日、ドキドキハラハラして過ごした週末の後、今週は火水木にもリーガがあるのに気がついた時のことでした。いやあ、丁度、この日曜から、コロナ禍により、昨年10月から延々と続いていたスペインのEstado de alarma(エスタードー・デ・アラルマ/警戒事態)が解除。正直、続いていたことすら、自分が忘れていたのはともかく、それに合わせたのか、先週末の35節から、ラ・リーガがスタジアムに入れるプレスの数を増やしてくれたため、日曜には1年以上ぶりにマドリッド勢の試合を梯子できることになったんですけどね。 ただ、入場前にはコロナウィルスの抗原検査を受けないとならず、何せ、週2回は近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)である程度の距離はあるものの、マスクなしでお喋りに花を咲かせているグループに囲まれてTV観戦している私ですからね。検査結果を待っている間、もし陽性だったら、メトロに乗って帰っていいんだろうかとか、自宅隔離になったら、試合を見に行けずにシーズンが終わってしまうとか、そういう不安に見舞われたせいもあるんでしょうか。その挙句に結局、首位はアトレティコのまま、2位レアル・マドリー、3位バルサはどちらも勝ち点2差のままで、4位のセビージャは6差のままと、まったく変化のなかった優勝戦線にちょっと脱力してしまった感もなきにしろあらずなんですが…。 とりあえず、トップ4同士が相まみえた先週末の試合の様子を伝えていくことにすると、まずは土曜にアトレティコがカンプ・ノウでバルサと対戦。彼らにしては珍しく、ボールを敵に独占させず、拮抗していた前半でしたが、どちらも早々に選手をケガで失うことに。ええ、13分、ペドリとヒザをぶつけ合ったレマルがサウールに代わり、31分にはサビッチのヘッドを正面から受けたブスケツが前顎骨にヒビが入って、イライスと交代。その間、互いにチャンスもあったんですが、ゴールは生まれず、0-0まま、ハーフタイムに入ります。 そして後半24分にはメッシのFKからアラウホのヘッドが決まったものの、オフサイドでスコアボードに上がらず。うーん、その1分後にはルイス・スアレスのシュートがゴールに入ったんですけどね。こちらも直前のカラスコのプレーがファールを取られ、3月21日のアラベス戦以来、エースの無得点が続く破目になるとはまったく、ツイていない。といっても45分には守備を固めるために入ったコンドグビアがメッシをエリア正面で倒し、そのFKが、僅かに「por suerte se ha ido fuera/ポル・スエルテ・セ・ア・イドー・フエラ(運良く外へ行ってくれた)」(オブラク)おかげもあって、何とかスコアレスドローで負けずに済んだという見方もできるんですけどね。 結果、バルサとは勝ち点2差のままだったんですが、この時点で、アトレティコは自力優勝が不可能に。そう、お隣さんが翌日、セビージャに勝てば、勝ち点で並ばれて、その際は直接対決のゴールアベレージで優位なマドリーが首位に。要は残り3試合全勝しても相手が全勝なら、アトレティコは2位になってしまうんですよ。 ただ、この日、一気に首位に躍り出ようとして失敗したバルサのピケなども「Es cierto que el Madrid ganando los cuatro es campeón/エス・シエルトー・ケ・エル・マドリッド・ガナンドー・ロス・クアトロ・エス・カンペオン(マドリーが残り4試合に勝てば優勝するのは確かだ)。でも今季はどこもコンスタントに勝てていない。上位の勝ち点数がいつもより少ないシーズンだし、無観客で全てがイーブンになった」と言っていたんですけどね。先週はCL準決勝で敗退し、もう今季はリーガに懸けるしかない相手がこの先、勝ち点を落とすなんて、私などにはとても考えられなかったんですが…。 ちなみに日曜は、シメオネ監督も「あまり試合は見ていない。気分良く過ごせないから、見ない方がいい」と、苦い現実と向き合うことになるのを避けていた、そのマドリーの試合の前、お昼にはコリセウム・アルフォンソ・ペレスで弟分のヘタフェのエイバル戦に行ったんですが、やっぱりまだ1部残留が決まっていないとなると、ファンも心配になるんでしょうね。スタジアム前にはかなりの人数が駆けつけ、チームバスのお出迎えをしていましたが、やっぱりゲーム中に応援してもらえないのは大きいかと。 ええ、一時はエネス・ウナルがゴールづいたこともあった彼らですが、今季の得点力不足には根深いものがあって、この日も両チームのせめぎ合いにしょっちゅう、選手がピッチに倒れている展開に。一応、ヘタフェは15位ですから、スコアレスドローでの勝ち点1でも良かったんですが、まさか、降りしきる雨の中、後半41分になって、CKからマキシモビッチのハンドを取られてしまうとは!お隣さんのレガネスからレンタル移籍しているレシオがPKを決め、これで0-1の勝利を掴んだエイバルは前節のアラベス戦に続き、2連勝。最下位脱出はならなかったものの、残留ゾーンまで勝ち点2差に接近し、残り3試合に希望を繋いだんですが、いやあ。 ヘタフェも降格圏まで勝ち点4差というのは変わらなかったとはいえ、やっぱりあと1勝ぐらいはしておかないと、最終節にガラガラドッシャンで19位に落ち、2部行きとなった2015-16シーズンの二の舞もありうる?今週の彼らは水曜午後8時(日本時間翌午前3時)から、8位のセルタと対戦、エイバルは木曜にベティス戦ですが、どうもGOL(オープン放送のスポーツ専門局)で月曜試合をチラ見していたところ、ベティスが勝ち点6差で追う、10位のグラナダに2-1と勝利しているんですよね。 ビジャレアルを越えて、EL出場圏の6位に上昇している辺り、これって、7位で回る、誰も実体をよく知らないコンフェレンスリーグ(来季から始まるUEFA第3のヨーロッパの大会)は絶対避けたいというベティスの思いが、ELに初出場した後、頑張って順位を上げて、来季は新大会でパイオニアになってやろうというグラナダの思いより強かった?となると、セルタも似たような位置にいるため、ヘタフェの方が幾分、楽な感じもしないではありませんが、コリセウムでは出場機会がなかった久保建英選手、そしてキックオフ前とハーフタイムにアップする姿しか、目にすることができなかった乾貴士選手、武藤嘉紀選手にも次は出番が回ってきてくれるといいのですが。 そして夜にはエスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノ(RMカステージャのホーム)に向かった私だったんですが、何とか、その日2度目の抗原検査も無事に陰性でクリア。ただ人数が多かったため、2時間近く前にバルデベバス(バラハス空港の近く)に着いてないといけなくて、マドリーの選手たちが練習場敷地内の宿泊所から、歩いて来るのをスタンドでかなり待つことに。ずっとドシャ降りばかりだったホームゲームもこの日は雨雲が早い時間に去ってくれたため、夕空には虹がかかったりしていたんですが、試合の方はセビージャがボールを完全に支配してスタート。それだけで、先週水曜のチェルシー戦2ndレグの後、その試合でケガから復帰したセルヒオ・ラモスが左脚の腱鞘炎で、メンディも痛みが再発して、またお休みとなっていた影響が出ているのかと、思ったところ…。 前半11分、カウンターでいきなりオドリオソラのクロスをベンゼマがヘッドで決めているのですから、驚いたの何のって。でも大丈夫。これはオフサイドで得点にならなかっただけでなく、逆に22分、ヘスス・ナバスがエリア内に入れたボールをライティッチが頭で落とし、フェルナンドがセビージャの先制点を奪ったとなれば、もしかして、アトレティコは2位に落ちなくて済む?ただ、その後はマドリーが攻勢に転じ、とりわけ後半に入ると、セビージャは自陣エリア近辺に囲い込まれてしまったんですけどね。先に動いたのはその日、ベンチ入り禁止処分で放送ブースから、指揮を執っていたロペテギ監督で、12分にはパプ・ゴメスを下げ、それまでいなかったCFとして、エン・ネシリを投入。 ジダン監督も21分にはマルセロ、モドリッチから、カンテラーノ(RMカスティージャの選手)のミゲール、そしてアセンシオを入れたんですが、まさに後者が1分もしないうちにクロースからパスを受けて、同点ゴールを決めているんですから、侮れません。ちなみにこの節、一番の物議を醸したプレーが起こったのはその後のことで、29分頃でしたかねえ。セビージャのCKをクリアしたマドリーはビニシウスから、ベンゼマに繋ぐ速攻カウンターを発動。1人、敵エリア内に切り込んだベンゼマがGKボノに倒され、主審は即座にペナルティの笛を吹いたんですが…え?何か、異様に揉めていない? そう、実はCKの際にボールがミリトンの手に当たっていたと、VAR(ビデオ審判)からご注進があったんですよ。そこでマルティネス・ムヌエラ主審は詰め寄る両チームの選手たちを「Me dejáis trabajar? Al que se acerque amarilla.../メ・デハイス・トラバハル?アル・ケ・セ・アセルケ・アマリージャ(私に仕事をさせてくれないか?近づく者にはイエローを出す)」と牽制しながら、ピッチ脇のモニターでリプレーを確認。その結果、ミリトンがハンドでペナルティとなり、一気にPK獲得からPK献上って、凄い急展開じゃないですか。そのPKは、このところ、2度連続して失敗していたオカンポスに代わり、ラキティッチがしっかり決め、再びセビージャがリードすることに。 するとようやく、ジダン監督はチェルシー戦でのパフォーマンスに失望したか、その日はベンチスタートに戻していたアザールを入れたんですが、最後はそれが幸運を呼びましたね。ええ、ロスタイム4分、最後の最後にマドリーの奇跡のremontada(レモンターダ/逆転劇)体質が発現し、クロースのエリア外からのシュートがアザールの足に当たって、これが同点ゴールになるんですから、やってくれるじゃないですか。そのまま2-2で終わったため、上位4チーム共、35節は仲良く勝ち点1ずつ獲得。アトレティコは再び、自力優勝が可能になりましたっけ。 え、それにしたって、試合終了直後、ジダン監督がピッチに出て行って、主審と話しているなんて、珍しい光景じゃなかったかって?そうですね、温和な外見からはよくわかりませんでしたが、記者会見でも当人が「ミリトンがハンドなら、セビージャにも似たようなケースがあった。Nunca hablo de árbitro, pero hoy estoy enfadado/ヌンカ・アブロ・デ・アルビトロ、ペロ・オイ・エストイ・エンファダードー(審判については話さない自分だが、今日は怒っている)」と言っていたように相当、腹に据えかねていたよう。実際、とりわけ今季のリーガはハンドの基準が曖昧で、ヘタフェのボルダラス監督も「Estos penaltis a veces se pitan y otras no/エストス・ペナルティス・ア・ベセス・セ・ピタン・イ・オトラス・ノー(ああいうペナルティは時には取って、時には取らない)」と嘆いていたんですけどね。 確かにミリトンの場合は腕が肩より上がっていましたし、体からも離れていたため、ラキティッチなど、「あれはハンドでペナルティ。ボールの方向を手で変えているんだから」と断言。とはいえ、指揮官のロペテギ監督ですら、「Tengo la opinión de que es un penalti claro porque la han pitado/テンゴ・ラ・オピニオン・デ・ケ・エス・ウン・ペナルティ・クラーロ・ポルケ・ラ・ハン・ピタードー(審判がそうジャッジしたんだから、あれは明確なペナルティだという意見を私は持っている)。だが、どんな状況でハンドになるのかは確かじゃない」という状態ですからね。後ろから背中に落ちてきたボールが見えなかっただけで意図的なものではなかったという意見もありますし、その辺で審判の解釈が問われているんですが、もうこうなると、ハンドでペナルティになるか、ならないかは運次第かと。 まあ、何にしろ、残り3試合、優勝戦線にいるチームは「Hemos visto que todos pierden puntos, hay que tener fe/ヘモス・ビストー・ケ・トードス・ピエルデン・プントス、アイ・ケ・テネール・フェ(皆が勝ち点を落としているのを見てきているのだから、信じないといけない)」(モドリッチ)という気構えで戦っていくしかありませんが、さて。ちなみにこのミッドウィーク節、火曜にはバルサが残留ほぼ確定組のレバンテとアウェイ戦。水曜午後10時(日本時間翌午前5時)にはアトレティコが、勝ち点4差の7位に落ちることさえ、避ければいい5位のレアル・ソシエダをワンダ・メトロポリターノに迎え、木曜午後10時からはマドリーがロス・カルメネスでグラナダと対戦となるんですが、果たして順位の入れ替わりはあるんでしょうか。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2021.05.11 19:30 Tue
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胃の痛くなる週末がやって来た…/原ゆみこのマドリッド

「優勝した訳でもないのに、あんなに喜べるなんて凄い」そんな風に私が目を瞠っていたのは木曜日、EL準決勝2ndレグでビジャレアルがアーセナルとスコアレスドロー、先週の1stレグで2-1と勝っていたおかげで決勝の切符を勝ち取り、選手たちがエミレーツ・スタジアムのピッチで狂喜乱舞しているのを見た時のことでした。いやあ、2017-18シーズンにはアトレティコもアーセナルを破り、EL決勝に進出しているんですけどね。リヨンでオリンピック・マルセイユを倒して、3度目の戴冠となった時こそ、大騒ぎになっていましたが、準決勝2ndレグが行われたワンダ・メトロポリターノではそこまで派手には祝ってなかったかと。 まあ、一番の違いは2004年にUEFAカップでバレンシア、2006年はCLでアーセナル、2011年はELでポルト、2016年もELでリバプールと、これまで準決勝でことごとく負けていたビジャレアルにとって、初めてヨーロッパの大会の決勝に行けることになったという点ですけどね。逆に同日、ローマに2-3で負けたものの、1stレグで6-2と大勝していたのが吉と出て、ファイナリストとなったマンチェスター・ユナイテッドなどは昨季も準決勝まで進んで、最終的に王者となったセビージャに敗退。2017年にはモウリーニョ監督の下で優勝もしている、近年のEL強者ですし、とりわけ今季は32強対決でレアル・ソシエダを1stレグで0-4とボコボコにし、準々決勝でもグラナダに2試合共、2-0で勝つといったように、スペイン勢をカモにしてきたという経緯も。 それだけにセビージャで2014年から、前人未踏のEL3連覇を達成しているウナイ・エメリ監督をもってしても5月26日(水)、ポーランドのグダニスクで開催される決勝でマンチェスター・ユナイテッドを倒すというのは難しいんじゃないかと思いますが、さて。ちなみに会場のグダニスク・アレーナはスペインが黄金時代最後の優勝を遂げたユーロ2012でグループリーグをプレーしたスタジアムで、ビジャレアルのメンバーではアルビオルがイタリア、アイルランド、クロアチアとの3試合をベンチで見学。決勝トーナメントはずっと無観客だったものの、この大一番にはキャパの25%に当たる9500人が入れるということで、出場チームのファンにはそれぞれ2000枚ずつ、チケットが割り振られているんですが、ポーランド入国時にコロナワクチン接種証明書、もしくは48時間以内のPCR検査陰性証明書が必須と、もしやこれって、接種が猛スピードで進んでいるイギリス勢の方が有利? それでも一生に一度の春のように盛り上がっているビジャレアル(スペイン南東部、バレンシアから1時間の町)から、万難を排して、応援に行くファンがいるのは間違いないかと思いますが、そういうのって、ちょっと羨ましい気も。何せ、その前日、CL準決勝2ndレグを終えたレアル・マドリーなど、同大会で13回も優勝していますからね。たとえ、イスタンブールでの決勝に進出が決まっていたとしても結構、選手たちやファンの反応はクールだったような気もしますが、今季はそれにすらあらず。ええ、スタンフォード・ブリッジではチェルシーに手も足も出ないどころか、敗退が決まった直後、アザールが2シーズン前、エメリ監督率いるアーセナルをEL決勝で4-1と破り、一緒にタイトルを獲った元同僚たちと笑いながら会話している映像が拡散して、顰蹙を買っている始末では…。 一応、その試合がどんなだったか、お話ししていくことにしましょうか。火曜のスペイン地方自治体選挙で立会人補欠に指名されていたマルセロは午前8時半に投票所に出頭したところ、正規の立会人が姿を見せず。あやうく投票時間中、拘束されそうなったものの、第2補欠だったマドリーファンのご婦人が交代を申し出てくれたため、無事にチームメートと同じ飛行機でロンドンに移動できることに。朝7時にPCR検査を受けたバルベルデも無事、2度目の陰性を出して、遠征に加わったんですが、どちらも先発ではありませんでした。予想されていた通り、ケガから復帰したばかりのセルヒオ・ラモスとメンディはスタメンに入ったんですが、一番のサプライズはビニシウスが右のカリレーロ(長い距離をカバーするSB)として、プレーしていたこと。 うーん、ジダン監督も後で「Esta vez había que organizar el equipo de esta manera/エスタ・ベス・アビア・ケ・オルガニサール・エル・エキポ・デ・エスタ・マネラ(今回はこういう方法でチームを組まないといけなかった)。ビニシウスの得意なのは左サイドだが、右でもプレーできる」と言っていたんですけどね。ミリトン、ラモス、ナチョの3CB制で守備を強化したのと、アザールをどうしても使いたかったせいで、こんな形になってしまったようですが、まったく当たりませんでしたね。というのも1週間前のエスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノ(RMカスティージャのホーム)での1stレグ同様、速攻カウンターに長けたチェルシーが序盤からGKクルトワに迫り、前半18分にはヴェルナーにシュートを決められていたから。 この時はオフサイドだったため、命拾いしたマドリーだったものの、ようやくベンゼマがGKメンディにparadon(パラドン/スーパーセブ)を強いたすぐ後の28分、今度はハヴァーツがvaselina(バセリーナ/ループシュート)。枠に弾かれたボールをヴェルルナーに誰もいないゴールへ頭で押し込まれてしまっては、近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)で応援していたファンたちが盛り下がってしまったのも当然だった?35分にもベンゼマのヘッドも弾かれてしまったマドリーは、慣れないポジションに全てが中途半端になってしまったビニシウスが、「監督から、やるべきことは聞いていたけど、no pude hacer tantas cosas buenas para el equipo/ノー・プデ・アセール・タンタス・コーサス・ブエナス・パラ・エル・エキポ(チームのためにそれ程、いいことはできなかった)」という状態でしたしね。決定機すら、あまり作れないとなれば、勝ち抜けに必要となった2点を取るなんて、絶対、ムリですって。 それこそ後半など、ハヴァーツ、チアゴ・シウバ、マウントらが次々とシュートを放ち、ゴールポストとクルトワの共闘で、「Retrasé el fracas/レトラセ・エル・フラカソ(敗北を遅らせた」(クルトワ)ものの、だんだん、その姿が私には逆転を目指して戦っていたアトレティコの16強対決2ndレグとかぶってきてねえ。前半のラモスに続いて、ナチョもイエローカードをもらったのを見て、退場者が出たらどうしようとか、セットプレー中にcodazo(コダソ/肘打ち)を見舞ったとされ、レッドカードを受けたサビッチなど、UEFAから来季のCL4試合出場停止処分を受けたんだぞとか、とりとめもなく思い出していたところ…。 止めはロスタイムではなく、40分にやって来ました。ええ、ヴェルナーから代わっていたプリシッチがゴール右前から落ち着いて出したラストパスをマウントが流し込んで、チェルシーが2点目をゲット。それでも奇跡のremontada(レモンターダ/逆転劇)が売りのマドリーですから、最後の最後まではかない期待を抱いていたんですが、ダメでしたね。まったく存在感のなかったアザールをジダン監督がようやく見限り、43分に入ったマリアーノなど、ボールに触ったかどうかもわからないまま、試合は2-0で終了(総合スコア3-1)。ええ、マウントも「ウチは5点取っていてもおかしくなかった」と言っていたように、「ellos fueron mejores/エジョス・フエロン・メホーレス(相手の方が良かった)」(カセミロ)というのに誰も異議のない結末となりましたっけ。 まあ、おかげで私もアトレティコがダメダメだった訳ではなくて、トゥーヘル監督の指揮するチェルシーが異様に強かったんだと再確認することができたんですけどね。5月29日の決勝が2連勝でPSGを下したマンチェスター・シティとチェルシーのイギリス勢対決となり、渡航制限のあるトルコから、決勝会場がイギリス国内に変更になるかもしれないのはともかく、これでマドリーも全ての焦点をリーガに合わせてくるのは火を見るよりも明らか。そこで金曜には私も、まだ4チームに優勝の可能性がある中、いよいよバルサとの直接対決に挑むシメオネ監督のチームを偵察に、マハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場に行ってみたところ…。 いいニュースはヒメネス、ロディとケガをしていたメンバーもチームに合流し、土曜午後4時15分(日本時間午後11時15分)からの試合には欠場者がいないこと。見学は開始から15分しかできないため、先発予定メンバーでのpartidillo(パルティディージョ/ミニゲーム)などがあったかどうかはわからないんですが、スポーツ紙の予想ではエルチェ戦での働きを認められたコンドグビアがスタメンリピートの可能性が高いとか。やはりメッシは怖いため、システムの方はまたサビッチ、ヒメネス(もしくはフェリペ)、エルモーソの3CB制が有力のようです。 攻撃陣では、シーズン後半戦はあまりゴール数が増えていないルイス・スアレスが昨季までの古巣に恩返しできるかどうかが気になるところ。そうなれば、これまでカンプ・ノウで勝ったことのないシメオネ監督も「Siempre hay una primera vez en la vida para todo/シエンプレ・アイ・ウナ・プリメーラ・ベス・エン・ラ・ビダ・パラ・トードー(どんなことでも常に人生では初めてということがある)」という言葉を実現できるかもしれません。練習場のスタンドに掲げられた横断幕に「Un gol en la memoria, otra gesta para la historia/ウン・ゴル・エン・ラ・メモリア、オトラ・ヘスタ・パラ・ラ・イストリア(記憶に残るゴール、ヒストリーのためにまた偉業を)」とあったように、2014年のリーガ優勝はゴディン(現カリアリ)のゴールでバルサと引分けて、カンプ・ノウで決まったことを思い起こせば、当時のメンバーはもうコケとヒメネスしかいないとはいえ、アトレティコもちょっとは強気になれるんじゃないでしょうか。 一方、バルサではグラナダ戦での退席処分でベンチ入り禁止2試合となったクーマン監督が、この対戦でも陣頭指揮は執れないんですが、「残り4試合全部に勝てば、優勝できるだろう」と当人は相変わらず楽観的。でもお、アトレティコはその通りなんですが、同じ勝ち点差2でつけていても、バルサはマドリーとの直接対決で負けているため、3位なんですよね。つまり、お隣さんも残り全勝した場合、1位はマドリーとなるんですが、もしかして、日曜午後9時(日本時間翌午前4時)にバルデベバス(バラハス空港の近く)に乗り込むセビージャに期待している? いやあ、実はその、ロペテギ監督の率いるチームは今週の月曜のアスレティック戦、土壇場でウィリアムスにゴールを浴び、0-1と負けたため、首位との差が勝ち点6に拡大。クラブ史上2度目の優勝の夢が遠ざかってしまったショックをどう乗り越えるかといったところなんですが、正直、今季は延べ50人以上に及ぶ負傷禍に見舞われ、コロナ被害も多かったマドリーも主力の選手たちがかなり限界に近いですからね。金曜など、ラモス、バルベルデ、ビニシウスがジムに籠ってしまい、前者2人はチェルシー戦で復帰したばかりということもあって、不安が拭えませんが、こちらもCL敗退のショックから、いかに早く立ち直るかが、勝負のカギとなるかもしれません そして弟分のヘタフェは土曜の午後2時(日本時間午後9時)から、コリセウム・アルフォンソ・ペレスに最下位のエイバルを迎えるんですが、とりあえず、この試合に勝てば、ほぼ1部残留が確定しそうな感も。といっても相手は前節、アラベスにキケ・ガルシアのハットトリックで3-0と勝利し、ラストスパートで現在、勝ち点5ある残留ゾーンの17位との距離を覆そうと必死ですから、油断は禁物です。うーん、先週末はラ・セラミカでの試合に負け、木曜にはそれこそ、今季前半在籍していたビジャレアルがEL決勝進出で沸く姿を見ることになった久保建英選手など、今はちょっと身の振り方を誤ったかと少し、ブルーになっているかもしれませんけどね。ヘタフェが来季もマドリッドの兄貴分たちと肩を並べられるよう、力を貸すのも大事な仕事。出場時間が短くても何か、貢献できるといいですよね。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2021.05.08 17:00 Sat
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優勝候補が多すぎる…/原ゆみこのマドリッド

「クラスター起こしたら、どうするつもりなんだろう」そんな風に私が面喰っていたのは月曜日、バレンシアに2-3で競り勝ち、この週末のリーガ首位決戦を勝ち点差2で迎えられることになったバルサの選手たちがメッシの豪邸に集結。バーベーキューをしながら、必勝を誓ったという記事を見つけた時のことでした。いやあ、その対戦相手であるアトレティコもいつぞやは練習後に皆揃って、マドリッド郊外にあるヒル・マリン筆頭株主の別荘にバスで行き、決起ランチ会を開いたりしていたんですけどね。未だにマドリッドにはコロナ感染予防の制限条例があるため、事前に保健省の許可を取ったり、1テーブルにつき6人にまでにするといった配慮をしながらだったようですが、バルセロナの状況も似たりよったりではなかった? まあ、その辺はクーマン監督が考えればいいことですが、何にせよ、上位3チームが勝利したため、先週末のリーガでは優勝戦線の状況がまったく変わらず。また、胃がチクチクする1週間を過ごすことになるかと思うと憂鬱ではあるものの、それだけにミッドウィークにCL準決勝チェルシー戦2ndレグをレアル・マドリーがプレーしてくれるのは、ちょっと気晴らしになってくれるかも。ただ、日曜には、すでにスペインでは誰も口にすることのなくなった、欧州スーパーリーグ構想に反対するマンチェスター・ユナイテッドのファンがオールド・トラフォードを占拠。マンチェスター・シティのプレミアリーグ優勝が決まるかもしれないリバプール戦が延期になったなんて聞くと、その元凶であるペレス会長のいるマドリーが訪れるスタンフォード・ブリッジは大丈夫なんだろうかと、ちょっと心配になってしまったりするんですが…。 とりあえず、今は先週末のマドリッド勢の試合がどうだったか、お伝えしていくことにすると、先陣を切ったのは首位のアトレティコ。マルティネス・バレロでのエルチェ戦でしたが、一応、選手たちは前節のサン・マメスでの過ちから学んでいたようです。ええ、当たり前のことですが、ちゃんと目を覚ましてピッチに立った彼らは序盤から、積極的に敵ゴールを目指し、前半16分にはマルコス・ジョレンテのスルーパスに抜け出したルイス・スアレスのシュートも決まったんですけどね。オフサイドを取られてしまったため、こちらはスコアボードには上がらず。それでもしつこく攻め続けたおかげか、23分にとうとう、先制点を奪えることに。 そう、カラスコがエリア内右奥から出したラストパスをジョレンテが撃ったところ、ボールがホセマの手に当たって軌道を変え、ゴールに入ってくれたんですが、うーん、これだけだったんですよ。この日のゴールは。ハーフタイム入り直前にはコレアとジョレンテが続けて、どちらのシュートもエリア内で敵の腕に当たりながら、審判にハンドをスルーされてしまうというアンラッキーもありましたけどね。後半も18分にまたスアレスがゴールをオフサイドで認められなかった後、得意の一歩下がって、守りを固める態勢に入ってしまったとなれば、最後の最後にアトレティコが試練に見舞われたのも自業自得だった? といっても残り1分に敵のクロスが腕に当たったとして、エリアのすぐ脇でFKを与えることになったトリッピアーのファールは前半の例を考えると、どうにも納得がいかないんですけどね。ただ、悪いことは続くもので、そのFKからのプレーで今度はジョレンテがハンドを取られ、場所がゴール前だったため、PKを献上って、こんな不幸の連鎖があっていいんでしょうか。でも人生、捨てる神あれば拾う神あり。先日はアラベス戦でホセル、セビージャ戦でもオカンポスと連続でPKを弾いていたGKオブラクだったため、2度あることは3度あるんじゃないかと藁にもすがる思いで見ていたところ、何とキッカーのフィデルがPKをゴールポストに当ててくれるとは! いえ、エルチェも残留争いの真っ只中ですし、人の不幸を喜んではいけないんですけどね。自身のゴールが決勝点となったジョレンテなど、「No creo en la suerte/ノー・クレオ・エン・ラ・スエルテ(ボクは運なんて信じないよ)。PKがポストに行かなくたって、オブラクは方向を読んでいたんだから、止めてたさ」と言っていましたが、それこそシュートが人に当たったおかげでゴールになった選手が口にするのもどうかと。1-1の引き分けに持ち込むチャンスが泡と消えたエスクリバス監督は、「後半も前半のようにプレーしていたら、PKが決まったかどうかなんて、関係なかっただろう。porque hubiéramos perdido por goleada/ポルケ・ウビエラモス・ペルディードー・ポル・ゴレアダ(ウチは大量点で負けていただろうから)」と潔かったものの…。 本当に私が説明してほしかったのは、「後半の始まり方が悪かったとは思わないが、luego el equipo ya no atacó tras los 15 minutos/ルエゴ・エル・エキポ・ノー・アタコー・トラス・ロス・キンセ・ミヌートス(15分過ぎから、チームは攻撃しなくなった)」というシメオネ監督のコメントで、どうしてそうなったのかという点なんですけどね。当人は「Me quedo con las cosas positivas, las negativas suman poco/メ・ケド・コン・ラス・コーサス・ポシティーバス、ラス・ヘガティーバス・スマン・ポコ(私はポジティブなことを覚えておく。ネガティブなことはあまり役立たないからね)」と言うばかりなんですよ。でもお、毎回、そんなだから、「Tras el fallo, la alegría fue como un gol/トラス・エル・ファジョ、ラ・アレグリア・フエ・コモ・ウン・ゴル(敵が失敗した後の喜びはゴールが入った時のようだった)」という、せこい勝ち方になるのでは? これではピケなどが、「Con la única idea de ganar./コン・ラ・ウニカ・イデア・デ・ガナール(勝つことしか頭にない)」と張り切って待っている土曜のバルサ戦、カンプ・ノウで晴れて勝利を手にして、アトレティコが勝ち点2差を守れるのか、私には不安しかありませんが、今週の彼らは日月を練習休みにして、火曜から活動再開。またしても筋肉系のトラブルで途中交代したヒメネスの様子も気になりますし、エルチェ戦ではコンドグビアに先発を譲ったコケがスタメン復帰できるのかとか、後半に途中出場したジョアン・フェリックスにまったく存在感がなかったのは何故なのかとか、スアレスはいつオフサイドにならずにゴールを決められるようになるのかとか、イロイロ、疑問はありますが、その辺はちょっと置いておくことにしましょうか。 そして土曜の夜は再び、近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)に戻って、マドリーvsオサスナ戦を見た私だったんですが、おや珍しい。ここ4試合、いつも雨が降っていたエスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノ(RMカスティージャのホーム)の天気がいいじゃないですか。このお隣さんもバルサと同じ勝ち点差2の2位でリーガ優勝を争っているんですが、この日のジダン監督はCLチェルシー戦を見据えて、クロースとモドリッチを控えにするローテーションを敢行。代わりにカンテラーノ(RMカスティージャの選手)のブランコがボランチに入ったとはいえ、ベンゼマ、ビニシウス、アザールと前線はトップメンバーだったため、リードするのにそれ程、時間はかからないだろうと思っていたところ…。 何と、前半25分からの3分間にオサスナのGKエレーラがparadon(パラドン/スーパーセーブ)を連発。まずはアザールのシュートを弾くと、2度に渡るミリトンのヘッドも止めてしまうんですから、やってくれるじゃないですか。ちなみにこの日はミリトンが後半10分にもエリア内でvolea(ボレア/ボレーシュート)を外すなど、マドリーの中で誰より、シュートを撃っていたんですが、そろそろスコアレスドローも見えてきた30分過ぎのことでした。まさかイスコのCKから、彼のヘッドが3度目の正直で決まってしまうとは!いやあ、その日はかろうじてGKクルトワが間に合った、オウンゴールになりかねないバックパスなどもあったとはいえ、セルヒオ・ラモスの負傷離脱、バランのコロナ感染などで、繰上りスタメンとなってからのミリトンはほとんど完璧。このままだと攻守において、キャプテンがいなくてもどうにかなりそうな感じになってきましたが、まあ、そうもいきませんよね。 その後は40分にもベンゼマのパスをカセミロがコントロールしそこなったものの、逆にそれが功を奏して、2点目のゴールが入り、試合は2-0でマドリー勝利で終了。それはまあ、いいんですが、後半頭からナチョと代わったバランについて、ジダン監督は「Varane dice que es poca cosa y ojalá sea así/バラン・ディセ・ケ・エs・ポカ・コーサ・イ・オハラ・セア・アシー(バランは大したことないと言っていたし、そうであってほしいね)」と言っていたものの、翌日には右太もものケガで全治10日間となったことが判明することに。丁度、入れ違いでラモスとメンディが日曜のチーム練習で復帰の用意ができているところを見せていたんですが、果たして2人が水曜午後9時(日本時間翌午前4時)からのチェルシー戦で先発できる程、調子が整っているのかどうかはまだわかりません。 他にもマドリーには土曜に1度、PCR検査で陰性を出しながら、日曜、月曜と結果が曖昧で、チームがロンドンに移動する当日朝の検査次第で遠征に加われるかどうか決まるバルベルデ、火曜にある地方自治体選挙で立会人に補欠指名されながら、期限内に免除の手続きをしなかったため、午前8時に投票所に出頭することが義務に。投票が終わった後、プライベートジェットで駆けつけることになったマルセロなど、幾つか逆境はあるんですけどね。といっても今季、CLではインテル、アタランタ、リバプールとヨーロッパの強豪を危なげなく、退けてきた彼らですから、ホームの1stレグが1-1の引き分けで、アウェイの2ndレグでは絶対、勝たないといけないと言っても、何とかなっちゃうような気がしないでもありませんが…週末のプレミアリーグでもフラムに2-0と勝っていたチェルシーも調子が良さそうですよ。 そして日曜には弟分のヘタフェが゛ビジャレアルと戦ったんですが、せっかく木曜のEL準決勝アーセナル戦2ndレグを重視して、ジェラール・モレノ、アルビオル、ペドラサといったレギュラーを温存してきた相手にしてやられてしまうとは。ええ、前節はエネス・ウナルが2ゴールを挙げて、0-2でウエスカに勝ちながら、この日は再び、ゴール日照りに陥った彼らは後半34分にジェレミーに決められた1点を返せず。1-0で負けてしまったんですが、ホント、今季のヘタフェはじれったいですよね。幸い、降格圏と勝ち点4差の15位というのは変わらず、こんな感じで自分たちが勝てなくても下のチームもそのままなら、あと4試合、何とか残留はできそうですが、日曜のエイバル戦はちょっと気合を入れないといけないかも。 というのも現在、最下位の相手は先週末、キケ・ガルシアがハットトリックを挙げ、アラベスに3-0で勝利していますが、残留ラインの17位までは勝ち点差5と、いよいよリーチが懸かってきているから。もっともその試合で乾貴士選手と武藤嘉紀選手は後半37分からの出場で、久保建英選手もラ・セラミカのピッチに入ったのが後半38分だったため、日本人選手対決となるかどうかはわかりませんけどね。現在、エイバル、エルチェ、ウエスカ、バジャドリー、アラベスの5チームで争っている1部残留の戦いも、月曜の試合ではアスレティックに0-1で4位のセビージャが負け、首位まで勝ち点差6と少し開いたものの、4チームに可能性がある優勝争い同様、目が離せなくなってきました。 え、それで彼らと交代で表舞台への返り咲きを狙っているのが、昨季降格した2部の弟分、レガネスなんだろうって?その通りで日曜は私もブタルケに応援に行ったんですけどね。前節、アルコルコンとの兄弟分ダービーで0-2の勝利に貢献する先制点を挙げた柴崎岳選手も2試合連続で先発していたんですが、4位の彼らのすぐ下、5位につけるスポルティング・ヒホンの前にゴールを入れられなかったんです。後半18分に柴崎選手のいい位置から撃ったヘッドも決まらず、スコアレスドローで終わってしまったのはちょっと残念だったかと。こちらもあと5試合で直接昇格のできる2位のマジョルカまでは勝ち点差9。こうなると真剣に6月のプレーオフまで決着が長引くことを覚悟しないといけませんが、どうにも最近はスタジアムにチームバスをお出迎えに来るファンもあまりいなくてねえ。 大体がして、せっかくラ・リーガが残り4試合もしくは2試合で人数制限をした有観客試合を提案したにも関わらず、保健省のOKがもらえず、やっぱり今季は最後まで無観客になりそうなのがいけないんですよ。実際、昇格や降格が懸かった大事な試合は選手たちだって、スタンドの声援を受けたら、もっと頑張れるんじゃないかと思うのは、きっと私だけではないはず。とはいえ、昨今ではオランダでアヤックスが、イタリアではインテルがリーグ優勝を決め、現地ではコロナ禍などまるで存在しないかのように大勢のサポーターがお祝いに集結。凄い騒ぎになっている映像を見たりすると、結局、サッカーファンはこうなるから、1部2部のスタジアムには観客を入れたくないのかと穿ってしまいますが、果たしてどうなることやら。そうそう、月曜にサダベル戦だったマドリッド2部のもう1つの弟分、ラージョは0-2で負けて、7位に後退。あちらもプレーオフ出場圏の6位以内で終われるといいのですが。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2021.05.04 19:00 Tue
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