コパとはしばらくお別れになる…/原ゆみこのマドリッド

2021.03.06 18:30 Sat
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©Atlético de Madrid
「随分、せわしないわねえ」そんな風に私が驚いていたのは金曜日、2日前にはコパ・デル・レイ準決勝2ndレグでバルサと延長戦までもつれ込む死闘を繰り広げていたセビージャのロペテギ監督が土曜のリーガ、エルチェ戦前の記者会見をしているのを見た時のことでした。いやあ、マドリッド勢は今季、とりわけ1部3チームがかなり早い段階で敗退していたため、とっくにコパは他人事になっていたんですけどね。よくよく今節の時間割を見てみたところ、バルサも同様に土曜にオサスナ戦と中3日。どちらもCL16強対決第1陣として、来週火曜にはドルトムントvsセビージャ、水曜にはPSGvsバルサの2ndレグがあるため、過密日程にならざるを得ないのはわかりますが、働きづめになる選手たちにはちょっと、同情しなくもないかと。その横で今週はじっくり、日曜のマドリーダービーに備えて、練習に励めたアトレティコ、レアル・マドリーはあまり大したこともしていないため、コパ準決勝2ndレグがどうだったか、簡単にお伝えしておくことにすると、うーん、1stレグでの2-0勝利を逆転されるなんて、2年前のCL16強対決のユベントス戦2ndレグでクリスチアーノ・ロナウドに大爆発され、ワンダ・メトロポリターノでの勝利をハットトリックで覆された、どこぞのマヌケなチームぐらいしか、思い浮かばなかった私ですが、しかもこの水曜の試合、メッシは得点していないんですよ。前半12分にデンベレのゴールでバルサに先制されたセビージャは後半、ミンゲサがペナルティを献上してくれながら、そのPKをオカンポスがGKテア・シュテーゲンに弾かれてしまうという悲劇に見舞われることに。


2月上旬のヘタフェ戦でジェネに足を蹴られて負ったネンザを超特急で治し、その試合の後半17分に復活出場したオカンポスですが、功を焦らず、古巣への恩返しに燃えていたラキティッチ辺りにキッカーを任しても良かった?まあ、そんなのは所詮、結果論で、それでも1失点だけなら、あとは守り倒せば、セビージャが決勝に進出できたはずですが、最後の詰めが足りませんでした。後半ロスタイム4分、グリーズマンのクロスをピケがヘッドで決め、バルサは土壇場で総合スコア2-2のタイに持ち込んだため、勝負は延長戦に突入です。

その時は何となく、2014年CL決勝でセルヒオ・ラモスの93分同点弾に心を挫かれ、延長戦で更に3点も取られて完敗したアトレティコのデジャブのような気がしたんですが、実際、フェルナンドの退場で1人、少なくなっていたセビージャも延長戦前半5分にはブライトワイテにも頭で決められてしまう始末。結局、先発から120分頑張った、昨季途中まで、彼とレガネスでチームメートだったエン・ネシリも起死回生のゴールを挙げることはできず、そのまま3-0でバルサが見事、remontada(レモンターダ/逆転勝ち抜け)を達成したのには、ちょっとビックリさせられたかと。

といっても来週、アウェイでドルトムントに0-2以上で勝たないといけないセビージャ同様、火曜のPSG戦は1-4のスコアを引っくり返さないといけないため、バルサにとって、もっとハードルが高いんですけどね。おまけに延長戦でピケが先日、治ったばかりの右ヒザ靭帯を再び負傷。全治3週間でパリでの試合には出られないのも辛いところかと思いますが、逆にCLがなくなれば、リーガとコパ決勝に集中できるという利点も。何にしろ、この週末のバルサは日曜、コロナ禍でなかなか実施できなかった、昨年10月に辞任したバルトメウ元会長の後継を決める会長選挙があるため、世間の話題はそちらの方に集中するんじゃないでしょうか。

そして翌日にはもう1つのコパ準決勝、レバンテvsアスレティック戦があって、1stレグをサン・マメスで1-1と引分けた両者でしたが、やはり注目されていたのは、これがクラブ史上初となる準決勝進出、もちろん決勝に行ければ、それも歴史的快挙となるはずだったレバンテ。ええ、パコ・ロペス監督のインタビューがマルカにもAS(どちらもスポーツ紙)にも載ってたぐらいで、前半16分にはロジェールがゴール左前で器用に回転、先制点を挙げたから、これはいよいよと思ったもんですが、EL出場権獲得の可能性を棒に振ってまで、昨季のコパ決勝を今年に延期したアスレティックはこの大会に並々ならぬ執念があったよう。

ええ、前半30分にはラウール・ガルシアがPKでしっかり同点ゴールを決め、互いに譲らなかった後半が1-1で終わると、こちらも延長戦で決着をつけることに。延長戦後半7分にはベレンゲルのシュートがブクチェビッチに当たって、GKアイトル・フェルナンデスを破り、1-2でアスレティックが今季も決勝の切符を手に入れることになりましたが、いやあ。だってえ、コロナ流行により、延期されていたレアル・ソシエダとの昨季決勝が4月3日、今季の決勝は同月17日とたった2週間しか、離れてないんですよ。おまけにどちらもセビージャ(スペイン南部)のカルトゥハで開催なんですが、1月に同会場で行われたスペイン・スーパーカップ(昨季のリーガ1、2位とコパ優勝、準優勝チームがファイナルフォー形式で対戦)でも彼らは準決勝でマドリーを、決勝ではそれこそ、今季コパ決勝の対戦相手、バルサを破って、Supercampeon(スーペルカンペオン/スーパー王者)の座をゲット。

その当時は万が一、ダブルコパ決勝と合わせて3連覇を達成したら、彼らはカルトゥハをホームにしたくなるんじゃないかと私など、冗談で言っていたものでしたが、残念なのはすでにビルバオ(アスレティックのホームタウン)とサン・セバスティアン(同レアル・ソシエダ)から、サポーターが応援に行けるはずの予定だった昨季の決勝の方が無観客試合とされてしまったこと。まだ、今季決勝についてはわからないんですけどね。あまり間が空いていないため、いきなり観戦が許可されるようになるとは思えないんですが、さて。実際、アスレティックにタイトル獲得の可能性が生まれる度、出航を取り沙汰されるgabarra(ガバラ/ビルバオの運河を走る木材運搬船。1983年のリーガ優勝記念パレードに使われて以来、格納されたままになっている)だって、ファンが河岸で密になる危険があるため、コロナ流行が下火にならない限り、出せませんからね。

それを思うと、たとえ、今季、マドリッドのチームが何かで優勝しても、昨季リーガを制覇したマドリーのように、いえ、サンティアゴ・ベルナベウでのメガフィエスタができなかったのは、全面大改装中のスタジアムが工事現場と化していたせいもありますけどね。シベレス広場での祝賀も市内パレードもなしだったように、今年もファンと一緒に祝う場がなかったらと淋しくなりますが、それはそれ。ええ、リーガの覇権を握りたいマドリッドの兄貴分はまずこの週末、ダービーで勝たないといけません。

ちなみに今節は先に弟分のヘタフェが土曜午後2時(日本時間午後10時)から、バジャドリー戦に挑むんですが、こちらの目標はバレンシアに3-0と快勝して、7試合ぶりにゲットした白星の勢いで連勝して、現在、降格圏まで勝ち点5で13位という順位を少しでも改善すること。左サイドのククレジャが累積警告で出場停止になるのは心配ですが、ボルダラス監督も「seguro que el compañero que lo haga en su puesto lo hará bien, tengo varias alternativas/セグロ・ケ・エル・コンパニェーロ・ケ・ロ・アガ・エン・ス・プエストー・ロー・アラ・ビエン(代わりを務めるチームメートがきっと上手くやるだろう。選択肢は複数ある)」と言っていましたしね。

冬に久保建英選手とアレニャが加入したせいで一時、傾いていた4-2-3-1のシステムや3CB制を止め、ここ数年の快進撃を支えた4-4-2に戻したのも良かったようですし、今はケガ人もほぼ、いない状態。となれば、ここ7試合勝っておらず、ちょっと前のヘタフェのような状態に陥っている、降格圏の18位と同じ勝ち点で17位にいるバジャドリーに遅れを取ることはないはずですが、さあて。ヘタフェには次にアトレティコとの兄弟分ダービーも控えているため、ここで勝ち点3を溜めておくのがやはり、吉になるかと。

そしてシーズン後半のマドリーダービーは日曜午後4時15分(日本時間翌午前0時15分)にキックオフなんですが、金曜にはマドリーのベンゼマがついにバルデベバス(バラハス空港の近く)でのチーム練習に合流したという朗報が。ええ、太もものミニ肉離れで彼が欠場したバジャドリー戦、CLアタランタ戦1stレグ、そして先週末のレアル・ソシエダ戦と、ジダン監督のチームはそれぞれ、1点ずつしか取れていませんからね。おまけに前日にはマリアーノも負傷で3週間の離脱となり、CF不在が心配されたんですが、これで一応、得点要員は確保できた?

ただ、そうは言っても2月上旬にヒザを手術したセルヒオ・ラモスと今季もケガを繰り返しているアザールの復帰はアタランタ戦2ndレグが目標で、バレンシア戦で戻った途端、またケガをしたカルバハルはもっと先の予定と、頼りになる選手が欠けているのは変わらないんですけどね。あとはアセンシオ、ロドリゴ、イスコ、そして前節、土壇場で同点ゴールを挙げたビニシウスがどこまでやってくれるかに懸かっていますが、やっぱり一番、破壊力があるのはクロースが蹴るFKやCKからのカセミロのヘッドだったりするかも。

その辺はシメオネ監督も考えているようで、VIPラウンジにコロナワクチン接種のため、続々とエッシェンシャルワーカーが訪れる中、ワンダ・メトロポリターノで金曜に行われたセッションでは念入りにセットプレーの練習が行われていたとか。いえ、前日、私がマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場に見に行った時もそうで、マスコミに開放されるスタートから15分では準備運動的なことしかしないため、その辺はスポーツ紙の言っていることの受け売りでしかないんですけどね。

今回、2位のバルサ、同じ勝ち点で3位のお隣さんと5ポイント差でダービーを迎えるアトレティコでは、カラスコが打撲から回復したのと、FA(イングランド・サッカー協会)にサッカー活動禁止処分を受けていたトリピアーがようやく、課された10週間を終えて、試合に出られるようになったのが、ファンを力づける戦力アップなんですが、実働部隊が増えたためですかね。シメオネ監督は毎日、ジョアン・フェリックスやサウール、マルコス・ジョレンテ、コレアら、イロイロとメンバーを変えて、ダービー先発のキャスティングをやっているよう。

何せ、ここ5試合、エースのルイス・スアレスが無得点と停滞期に入ってしまい、他の選手にもゴールを挙げてもらわないといけない状態になっていますからね。ヒメネスはまだリハビリ中とはいえ、前節のビジャレアル戦ではサビッチ、フェリペ、エルモーソで7試合ぶりにようやく無失点を達成できましたし、GKオブラクを中心に守備の堅さはそのままで、クルトワを破る道が見つかるといいのですが…とりあえず、負けてもお隣さんに抜かれることがないのは慰めになりますでしょうか。

【マドリッド通信員】 原ゆみこ
南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。
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お隣さんの強さが眩しい…/原ゆみこのマドリッド

「そりゃ景気づけは必要だけど、こんなご時世にいいのかしら」そんな風に私が首を傾げていたのは木曜日、いよいよ、リーガで後のなくなったアトレティコが午前中に練習を済ませると、チーム全員でバスに乗って、マドリッド郊外に遠足。ヒル・マリン筆頭株主の別荘で決起ランチを行ったというニュースを聞いた時のことでした。いやあ、コロナ感染防止政令のあるスペインでは今でもまだ、飲食店内での1テーブル人数は4人まで、テラスでも6人までに制限されているんですけどね。個人宅に外から人を招くことも禁じられていて、とりわけ週末など、ガンガン違法フィエスタが摘発されているんですが、チーム丸々にクラブ上層部が参加したら、その数、30名は軽く超えていない? うーん、確かに彼らはリーガでも1、2を争う数の選手、果てはシメオネ監督まで、チームの半数程はすでに感染済みですから、集団免疫がもうあるだろうと、勝手に誤解していても不思議はないんですけどね。先月から始まったワンダ・メトロポリターノでのワクチン接種会の対象はまだ、エッシェンシャルワーカーとようやく65才以上が対象になってきたところですから、選手たちには関係ないとはいえ、まあ、各試合前など、折々、全員がPCR検査を実施。陽性者のいない今なら、大丈夫だろうと踏んだんでしょうが、でもわかりませんよお。この火曜、同様に厳しい予防策を取っているお隣さんなんか、いきなりバランの感染がCL準々決勝1stレグ当日に発覚しているんですから。 そう、今週はバルサ、セビージャ、アトレティコが次々とCL16強対決で敗退した後、スペイン勢唯一の生き残りとなったレアル・マドリーがエスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノ(RMカスティージャのホーム)でリバプールと火曜に対戦。ラッキーなことに私もまた、スタジアム観戦できたんですが、16強対決アタランタ戦の時とは違い、3月末にはスペインはサマータイム入ってくれたのが幸いしました。同じ午後9時キックオフでもまだ辺りが明るいうちにスタンドに着くことができたのは嬉しかったかと。 もうその頃には、前日の検査の結果で怪しかったバランはバルデベバス(バラハス空港の近く)での前夜合宿には参加せずに自宅待機、陽性が確定した後、カンテラーノ(RMカスティージャの選手)のチュストが招集されたなんてこともわかっていましたが、何せ、キャプテンでDFの要、とにかくCLでいないとマドリーの勝率が格段に落ちるという、セルヒオ・ラモスがスペイン代表戦最終日の試合後、ふくらはぎにケガをして、1カ月のbaja(バハ/欠場)が決まっていましたからね。更にバランもいないとなると、ジダン監督も相当、胃が痛かったんじゃないかと思いますが、「Hemos cambiado a Militao por Varane, 4-3-3, no hemos cambiado nada de lo que preparamos/エモス・カンビアードー・ア・ミリタオ・ポル・バラン、クアトロ・トレス・トレス、ノー・エモス・カンビアドー・ナーダ・デ・ロ・ケ・プレパラモス(バランをミリトンに代えただけの4-3-3、ウチは準備したことは何も変えなかった)」作戦が見事に成功するとは! というのも、キックオフ前には丁度、リバプールが自分の座っている側のピッチでアップをしていたため、昨季CL16強対決では、このサラー、マネ、フィルミーノ、GKアリソンといった、名前を聞くだけでも強そうな選手が沢山いるチームにアトレティコが何度も窮地に立ちながら、最後は勝ったのよねと妙なノスタルジーを感じていた私だったんですけどね。何と、前線のフィルミーノをジオゴ・ジョタに代えただけの相手は立ち上がりから、まったく攻めて来なかったから。 それは実際、CBファン・ダイクなど、DF陣に長期負傷者大量発生、守備が弱体化していたせいでの用心だったんでしょうかね。対照的にその日は、後でルーカス・バスケスが、「奥行きのあるパスを出して長くプレーを繋いで、スペースを見つけるためにボールをサイドからサイドへと移動させた」と説明していた通り、マドリーの動きがやけに軽やか。とうとう27分にはクロースのロングパスをビニシウスが絶妙のトラップで受け、彼にしては滅多にお目にかかれない正確なシュートを決めて、先制点を奪ったとなれば…。 でも、ここは名門同士のCLカードに超満員となったサンティアゴ・ベルナベウではなく、無観客のディ・ステファノ。現地での前日練習もせず、この試合で初めて足を踏み入れたクロップ監督など、キックオフ前のインタビューで「これはスタジアムじゃなくて、練習場だ」と言っていたぐらいの地味な舞台とあって、歓声もパルコ(貴賓席)やマドリーの控え選手たちが座っている辺りから聞こえたぐらいでしたからね。こういう淋しさを感じるたび、私が遠い目をしてしまうのも仕方なかったかと。 それでも攻撃の手を緩めなかったマドリーは36分にも、アレクサンダー・アーノルドの不用意なバックパスにアセンシオが追いついて、GKの頭を越えるvaselina(バセリーナ/ループシュート)。距離が足りなかったか、アリソンをかわして、更にゴール前で押し込んでいましたが、もうこれで4試合連続得点ですからね。2年前、ヒザの靭帯断裂を治して戻って来て以来、あまりプレーに冴えが見られなかった彼ですが、もう完全に復調したと言っていいのでは?さすがに前半だけで2点のビハインドにはクロップ監督も自身のゲームプランミスを悟ったか、ハーフタイムを待たず、42分にはケイタをチアゴ・アルカンタラに代えるという、先日のセビージャ戦でロディをコレアに代えたシメオネ監督みたいな戦術訂正をする破目になっていましたっけ。 まあ、これは当たったと言っていいでしょう。というのも心を入れ替えてピッチに立った後半、早くも5分にリバプールはジョタからボールを受けたサラーがシュート。これが人垣の間を通って、GKクルトワを破ったため、スコアは2-1に。ゴールにはVAR(ビデオ審判)判定が入ったため、選手たちが祝うのには時間がかかったんですが、何せ貴重なアウェイゴール。この1点があれば、たとえそのまま負けたとしても、ホームで1-0とすれば、勝ち抜けできますからね。チアゴ効果もあって、勢いづいてきた相手に私もちょっと、不安を覚えていたんですが、大丈夫。この日のマドリーは止めを刺すことを知っていたんです。 それは20分、今度は敵の左サイドから入ったモドリッチがエリア内のビニシウスにラストパス。それをワンタッチで流し込んでしまったのですから、ビックリしたの何のって。3点目を挙げたマドリーは、うーん、その頃には普通のリーガ戦以上に勤勉に走ったためか、前線の選手にも疲れが出て、せっかく敵エリアまで着きながら、カウンターに失敗するというケースも何度か、ありましたしからね。といっても、こういうビッグマッチでジダン監督が信頼できる選手がベンチに沢山いた訳ではないため、アセンシオが、負傷から復帰が何とか間に合ったバルベルデに、ビニシウスが同郷のロドリゴに代わっただけでしたが、自陣エリアを取り囲んでのリバプール最後の猛攻も無事にやり過ごすと、試合は3-1で終了。 え、でもリバプールには2018-19シーズンのCL準決勝でバルサに3-0と負けながら、アンフィールドで4-0のremontada(レモンターダ/逆転突破)をした経験があるんだろうって?そうですね、ただ、クロップ監督も「バルサに逆転勝ちした試合の80%はファンのおかげだったが、今はそういう訳にはいかない」と言っていたように、来週水曜のホームゲームも無観客試合なのは、いくらもう、そんな状態がずっと続いているからとはいえ、かなり辛いところ。とはいえ、マドリーの方もラモスやバランは戻って来られないですから、2-0でいいとなれば、必死で喰らいついてくるはずですが、さて。ちなみにマドリーが順調に準決勝進出できた場合、今季はもう組み合わせが決まっていて、相手はポルトかチェルシー。水曜の1stレグでは後者が0-2とアウェイで勝利していたため、アトレティコのリベンジをすることになりそうですが、まだそれは先の話で、今は…。 クラシコ(伝統の一戦)が土曜に迫っているんですよ。それも両者共、リーガで好調が続いていて、3位のマドリーと2位のバルサの差は勝ち点3。首位アトレティコと2位もとうとう1差になってしまったため、どちらもここで宿敵を倒して、てっぺんに立とうと牙を研いでいるんですが、どちらが有利かというと微妙でねえ。前節のバジャドリー戦では、ジョルディ・アルバのハンドによるペナルティのスルーやオスカル・プラーノへの厳格なレッドカードがあった後の終盤、土壇場でデンベレのゴールが決まり、1-0と辛勝したバルサより、先週末のエイバル戦から、いいプレーを見せて勝っているマドリーの方が勢いに乗ってそうですが、何せ、向こうにはこのミッドウィークに試合がなかったというアドバンテージが。 とりわけ、リバプール戦の後、多くの選手が芝生に座り込むなど、ヘトヘト状態だったのを目の前で見ていますし、主力のモドリッチ、クロース、ベンゼマらは軒並み30代。ジダン監督はスタメンをリピートするようですが、しっかり体力が回復してくれるのか、ちょっと心配かと。メンバーの方では木曜のセッションではカルバハルが、アザールも先週後半からチーム練習に参加していますが、2人共、今季は復帰した途端、またケガしてリハビリ生活に逆戻りというのを繰り返していますからね。招集リストに入るかどうか、まだわからないんですが、敵もピケが急ピッチで調整中。この木曜、4月8日には長女ミアちゃん、長男アマロ君とまったく同じバースデーで次女アルバちゃんを奥さんのエリカさんが出産したグリーズマンなども張り切っているはずですし、とにかく土曜午後9時(日本時間翌午前4時)からの一戦は見逃す訳にはいきません。 そして同じ土曜の午後2時(日本時間午後9時)からはマドリッドの弟分、ヘタフェがカディスをコリセウム・アルフォンソ・ペレスに迎えるんですが、こちらはどうも、相手が大変なことになっていてねえ。というのもカディスは前節のバレンシア戦に2-1で勝ったんですが、途中、ディアカビが「Negro de mierda/ネグロ・デ・ミエルダ(黒人のクソ野郎)」と人種差別発言を受けたと訴え、一時は全員がロッカールームに引き上げるという騒ぎに。結局はピッチに戻って、試合は無事終わったものの、それから差別発言の張本人とされたカラがバレンシアは元より、世間から轟々の非難を浴びることに。 ただカラ自身はずっと、そんなことは言っていないと主張、どうやらラ・リーガ協会の綿密なオーディオ調査では、その言葉には南米系のアクセントがあったため、アンダルシア(スペイン南部)出身のカラのものではありえないとか、更に映像でカラの唇を読んだところ、言ってないとか、イロイロ出てきて、といってもディカビが嘘をついているとも考えがたいですからね。結末がどうなるのか、私も全然、わからないんですが、ま、試合の方は13位と勝ち点2差の15位の対決という、ヘタフェにとっては先週末のオサスナと似たような状況でしょうか。 一応、ここまでで勝ち点30は溜めているため、焦らなければ、そのうち彼らも残留ラインには届くんじゃないかと思いますが、今回はCBチャクラが出場停止と負傷が重なっていない上、トルコでコロナ感染隔離されているエネス・ウナルもまだ帰っていないとあって、ここ3試合連続引き分けの流れを断ち切るのは難しいかも。何にしろ、この先はマドリー、バルサと強敵が待っているため、できれば勝ち点3を取れるといいのですが…。 そして日曜午後9時から、またセビージャ(スペイン南部)に遠征して、今度はベティスと対戦するのがアトレティコなんですが、この水曜には途方もない不幸がチームを襲うことに。いえ、どちらにしろ、ルイス・スアレス、マルコス・ジョレンテ、コンドグビアは累積警告で出場停止なんですけどね。それが、たった1試合の我慢のはずだったのに、スアレスがマハダオンダ(マドリッド近郊)での練習中に左ふくらはぎを痛め、全治3週間となってしまったとなれば、もうここ10試合で4勝2分け4敗とどんどん、貯金を吐き出しているシメオネ監督のチームは、どうやって点を取ったらいい? 一応、セビージャ戦を休んだジョアン・フェリックス、カラスコ、サビッチはチームに復帰、それに母親をコロナで亡くしたトレイラもようやくウルグアイから帰って来たんですけどね。この先、エイバル、ウエスカ、アスレティック戦と、エース不在の試合が4つも続くのでは、もうリーガ優勝など、夢のまた夢のような気もしないではないんですが、予想もつかないことが起きるのがサッカー。まあ、現在6位、同じ勝ち点のレアル・ソシエダと共にEL出場圏内にいるベティスもエースのボルハ・イグレシアが前節エルチェ戦での打撲で、ほとんど練習ができていないようですし、とにかくこの試合では決して、GKオブラクにイヤな思いをさせないのが大前提。ジョアンやコレア、カラスコ辺りがゴールを挙げて、何とか首位を死守してもらいたいものです。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2021.04.10 00:30 Sat
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これからは胃の痛くなる週末が続く…/原ゆみこのマドリッド

「普通ならもっとワクワクしててもいいんだけど」そんな風に私が腑抜けていたのは月曜日、ジダン監督とナチョのCL準々決勝リバプール戦1stレグ前記者会見をレアル・マドリーTVで見ていた時のことでした。いやあ、今季は決勝トーナメントに4チーム揃って進出したスペイン勢でしたが、最初の16強対決でバルサはPSGに、セビージャはドルトムントに、そしてアトレティコもチェルシーに負けて、もう生き残りはマドリーだけ。おまけにこのカードは2018年決勝の再戦で、当時はBBC(ベンゼマ、ベイル、クリスチアーノ・ロナウドの頭文字)擁するジダン監督のチームが、前半途中にセルヒオ・ラモスとの接触プレーで肩を脱臼したサラーが交代したこともあって、3-1と余裕の勝利でDecimotercera(デシモテルセーラ/13回目のCL優勝のこと)を達成しているんですけどね。 その翌年、リバプールはワンダ・メトロポリターノでトッテナムを破り、14年ぶりにCL優勝しているため、あまりリベンジ気分はないかと思いますが、大体がして、そのキエフでの決勝で2ゴールを挙げたベイルも今はトッテナムに貸し出し中でいませんし、一番、相手ファンの恨みを買っていそうなラモスなど、先週水曜のスペイン代表戦後の練習で左ふくらはぎを負傷。この火曜午後9時(日本時間翌午前4時)から、もうイギリスからの入国がOKになったため、チェルシーとのホームゲームのためにブカレスト(ルーマニア)まで行かされたお隣さんとは違い、幸運にもエスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノ(RMカスティージャのホーム)でプレーできることになった1stレグのみならず、来週水曜、アンフィールドでの2ndレグにも出られないんですよ。 加えて、先週末からチーム練習に加わっていたアザールもまだ戻れず、カルバハルも復帰予定が立ってないなど、全戦力を使えない状態は変わらないとはいえ、リーガ前節の結果を踏まえたこの週明けは、ジダン監督の「Siempre faltan jugadores, pero la fuerza es el equipo/シエンプレ・ファルタン・フガドーレス、ペロ・ラ・フエルサ・エス・エル・エキポ(常に選手が欠けているが、チームがウチの力だ)」という言葉に納得。「ウチのチームは何1つ、諦めたりはしない。そういう信念をこのクラブとチームは持っている。Mientras hay vida siempre peleamos/ミエントラス・アイ・ビダ・シエンプレ・ペレアモス(命がある限り、私たちは常に戦う)」というのには私もただただ、頷くばかりだったかと。 それとは別腹で、サラー、マネ、フィルミーノの3弾頭を今季は脅かすまでに成長。先日のポルトガル代表のW杯予選3試合でも、初先発となったルクセンブルク戦前半にケガして交代したジョアン・フェリックスと真逆の大活躍で、3ゴールを決めていたディオゴ・ジョタが、2016年にパソス・デ・フェレイラからアトレティコに入りながら、1試合も出ることなく、ウォルバーハンプトンに移籍。当人も前日会見で、「マドリーへのライバル意識を感じる時間はなかった」と言っていましたが、昨季はとうとう、リバプールに引き抜かれるまでになったFWがマドリッドに来ているのを見て、逃した魚の大きさを嘆いていたりもしている自分だったりするんですが…。 まあ、そんなことはともかく、paron(パロン/リーガの停止期間のこと)明けのリーガでマドリッド勢がどうだったか、お話ししていかないと。まずは土曜日、トップバッターとして、マドリーがエイバルを迎えたんですが、ラモスがいない分を最近、ジダン監督も気に入っている3CB制で補ったのが良かったんでしょうかね。バランを温存したため、ナチョ、ミリトン、メンディが並び、マルセロとルーカス・バスケスがcarrilero(カリレーロ/長い距離をカバーするSB)を担ったんですが、開始4分には、久々の出場となったマルセロのクロスをベンゼマがヘッドしてゴールに。 ただ、これはオフサイドだったため、先制点にはならなかったんですが、その後も20分にはアセンシオの直接FKがゴールバーを直撃したり、36分にも彼のゴールがVAR(ビデオ審判)でオフサイドとなったりと、一方的にマドリーが攻めまくり。メンディリバル監督も後で「序盤のあの有り様じゃ、parece que te han podido meter 8.../パレセ・ケ・テ・アン・ポディードー・メテール・オチョ(8点ぐらい取られるんじゃないかと思った…)」と嘆いていた程だったんですが、実際にスコアボードに数字が上がったのは41分のことでした。 ええ、この時はカセミロが敵陣で奪ったボールをアセンシオにパス、今度はオフサイドに引っかからず、そのシュートがGKドミトロビッチを破って、マドリーにリードを与えてくれたんですよ。これで3試合連続ゴールと、当人も「Ahora están entrando los goles, antes iban al palo y no entraban/アオラ・エスタン・エントランドー・ロス・ゴーレス、アンテス・イバン・アル・パロ・イ・ノー・エントラバン(今はゴールが入ってくれている。前はポストに当たったりして入らなかったのにね)」と言っていましたけどね。最近、めきめき調子を上げてきた感じがしますが、仕上げをしてくれたのは、これまた、ここ4試合で6ゴールと絶好調だったベンゼマ。丁度、ハーフタイムの頃から降り始めた雨が強風を伴うドシャ降りと化した後半15分ぐらいまでは、ルーカス・バスケスのバックパスをGKクルトワが取り損ね、危うくオウンゴールになりかねないドッキリもあったんですが、雨足の弱まった28分、ビニシウスのクロスを頭で決め、今度はつつがなく、チームの2点目を挙げてくれましたっけ。 結果2-0と快勝したマドリーは首位のお隣さんとの差を勝ち点3に縮め、累積警告にあと1枚と迫っていたナチョもイエローカードを受けず、次節のクラシコ(伝統の一戦、マドリーvsバルサ戦のこと)にも出られるという幸運ぶり。おまけにモドリッチとクロースは入れ替わりで出場、ベンゼマとアセンシオも早めに引き上げて、体力温存させることができましたからね。火曜のリバプール戦ではかなり、いい試合が見られるんじゃないかと思いますが、これは180分間の戦い。よっぽどのことがない限り、決着は2ndレグでつくんじゃないでしょうか。 そしてバルデベバス(バラハス空港の近く)のにわか大雨がセントロ(市内中心部)にも移ってきたため、次の時間帯だったオサスナvsヘタフェ戦は諦めて、近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)から家に避難してしまった私だったんですが、どうやらそちらはかなり不活発な展開だったようで、0-0のまま終了。何せ、先週のインターナショナルウィークではエネス・ウナルがトルコ代表でコロナに感染し、スペインに戻れず。マクシモビッチもセルビア代表戦の後、私的な事情でこの月曜にようやく戻って来るというハンデがマドリッドの弟分チームにはありましたからね。U24日本代表のアルゼンチン戦を月曜に終えた後、練習に合流したのが金曜だった久保建英選手も後半30分からの出場に留まりましたし、とりあえず、降格圏との差は勝ち点6あるため、焦ることはないんですが…この土曜のカディス戦の後はマドリーとの兄弟分ダービー、続いてバルサ戦と難敵が続くため、次節は絶対、勝っておかないといけないですよ。 そして夜には、セビージャ(スペイン南部)はマドリッドとかなり離れているものの、やはりゲリラ豪雨に襲われる中、カルトゥーハでレアル・ソシエダが0-1でアスレティックを破り、昨季のコパ・デル・レイ王者に輝いたんですが、得点のキッカケはギリシャ戦に続き、またしてもイニゴ・マルティネスがポルトゥをエリア内で倒して献上したPK。これにはこの日、パルコ(貴賓席)で観戦していたスペイン代表のルイス・エンリケ監督もちょっと、考えてしまうかも。ちなみにその殊勲のPKを決めたオジャルサバルも同じ代表のチームメートなんですが、意外と根性がありますよね。というのも、レアル・ソシエダの第1キッカーである彼はここ4回中、3本のPKを失敗していたから。 それどころか、「Curiosamente ensayé tres penaltis en el último entrenamiento y fallé dos/クリオーサメンテ・アンサジェ・トレス・ペナルティス・エン・エル・ウルティモ・エントレナミエントー・イ・ファジェ・ドス(面白いことに最後の練習でPKを3回蹴って、2回失敗してたんだ)」と当人も後で告白していた程だったんですけどね。本番ではやはり先週、代表合宿でご一緒していたGKウナイ・シモンに手も触れさせないとはまったくもって、見事じゃないですか。表彰式では不幸にも前日、カルトゥーハでのセッションで負傷したイジャラメンディに、34年間、クラブが遠ざかっていたトロフィーを受け取る役目を譲ってあげる心遣いもありましたしね。同じバスク地方(スペイン北部)のクラブで、両方のチームを経験している選手も多いせいか、普通だったら、メダルを受け取るやいなや、すぐロッカールームに戻ってしまう準優勝チームの選手たちがセレモニーを最後まで見守っていたのも印象的でしたっけ。 ま、アスレティックは17日にバルサと今季のコパ決勝もあるため、そこで37年ぶりのぶりのビッグタイトルを掴んで、1984年のリーガ優勝以来、パレード出航していないガバラ(ビルバオの運河を航行した木材運搬船)に乗ってくれればいいんですけどね。実は彼ら、2012年にもコパとELで決勝進出し、どちらかではガバラを出せるものと期待されていたんですが、前者はバルサに、後者はアトレティコに負け、無冠に終わるという悪い前例も。今年は1月に先行して行われたスペイン・スーパーカップ(昨季のリーガ1、2位とコパ・ファイナリストによるファイナルフォー)で優勝しているため、まだいいんですが、土曜の日中、このコロナ禍にも関わらず、サポーターが市街に溢れ、警官隊と衝突する騒ぎを起こしていた映像を見たりすると、もし優勝できても、サン・セバスティアンにファンの集まる祝勝行事を控えたレアル・ソシエダのように自粛という流れになるかもしれませんね。 そして翌日曜はまたリーガが戻り、ブタルケに2部の弟分、レガネスの試合を見に行った私だったんですが、相手が昇格組のサダベルだったせいか、前回のホームゲーム、近所のフエンラブラダとのダービーの日とは打って変わって、スタジアムの周辺にはまったく人影がなし。ただ皮肉なもので、大勢のサポーターに見送られて挑んだその試合には0-2であっさり負けていた彼らだったのに、この日は前半、アルナイスとロベル・イバニェスが決めたゴールで2点を先行することに。後半14分にはルビオのシュートがルーベン・ペレスに当たって入った1点で追い上げられたものの、そのまま無事に2-1と逃げ切って勝利です。ベンチスタートだった柴崎岳選手も後半途中から、プレーすることができましたしね。今のところ、直接昇格の2位とは勝ち点差が8あるレガネスですが、プレーオフ圏内の4位はしっかりキープしているため、1部最速リターンもまだまだ期待できるんじゃないでしょうか。 え、それで日曜の夜にセビージャ戦をプレーしたアトレティコはどうだったんだって?いやあ、レガネス(マドリッド近郊)から急いで戻り、丁度、最寄りの駅から行きつけのバルに向かう道中、サウールがラキティッチを踏んでペナルティを取られたとオンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)の中継で聞いて、私も慌ててお店に駆け込む破目になったんですけどね。GKオブラクが前節のアラベス戦のホセルに続き、オカンポスのPKを弾いてくれたのには俄然、テンションが上がったものの、前半のアトレティコの守備崩壊状態はもう、何て言っていいか、わからないぐらい。当日、サビッチが急性胃腸炎を起こし、ベンチにも入れなかったのが、シメオネ監督の戦略を狂わせたか、あまりにセビージャのチャンスが続くのにたまりかね、前半34分には3CB制のカリレーロとして入っていたロディをコレアに代えるって、これはロディもちょっと可哀想だったかと。 DFを4人したのが良かったか、後半には少々、持ち直したアトレティコでしたが、悲劇に見舞われたのは25分のこと。最後はヘスス・ナバスのクロスをアクニャに頭で決められてしまったんですが、そのプレーは元々、トリッピアーの蹴ったボールがオカンポスの腕に当たりながら、ハンドを流されたのが起点でしたからね。となれば、「Toca luchar contra todo/トカ・ルチャール・コントラ・トードー(全てを相手に戦わないといけなくなった)」(コケ)と、選手たちが猛抗議していたのも当然だった?いえ、結局はその1点ぽっきりを返せない彼らが悪いんであって、その日は頼りのルイス・スアレスが不発。ベンチにはリハビリが間に合わなかったジョアン・フェリックスも、出場停止が重なっていたカラスコもいなかったのは本当に不幸だったかと。 ええ、シメオネ監督が投入できたのもコンドグビアとエレーラだけでしたし、コケは2回ともシュートをGKボノの正面に撃つわ、エルモーソはフリーで大空に飛ばしてしまうわ、コレアも最後のチャンスをモノにできずとなれば、1-0で負けてしまったのも仕方ありません。うーん、それでも「Sé que es lo que quiero, sé cual es el camino y no le tengo miedo a nada/セ・ケ・エス・ロ・ケ・キエロ、エス・クアル・エス・エル・カミーノ・イ・ノー・レ・テンゴ・ミエードー・ア・ナーダ(自分の望むことはわかっているし、それがどういう道なのかもわかっている。何も恐れることはない)」と指揮官が落ち込んでいないのは有難いんですけどね。実はこの敗戦によるダメージは、月曜にバジャドリー戦に土壇場のデンベレのゴールで1-0と勝ったバルサに勝ち点差1とされてしまったことだけでなく、イエローカードをもらったスアレス、マルコス・ジョレンテ、そしてコンドグビアの3人が一気に次節、ベティス戦で累積警告の出場停止となってしまったこと。 実際、昨今のアトレティコの凋落ぶりは凄まじく、シーズン前半はお隣さんに負けた1敗と引分けが2回あっただけだったのに比べ、後半戦に入ってからは10試合でたったの3勝だけ。これじゃ10以上あった後続との勝ち点差がみるみるなくなっていくのも当たり前ですが、まったく。こうなると、今週来週はマドリーがリバプールとの2試合で頭がいっぱいになって、週末のクラシコでバルサと潰し合いしている間、アトレティコの選手たちもじっくり反省。調子の良かった頃の勝ち癖を取り戻してくれるのを私も祈るしかありません。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2021.04.06 22:30 Tue
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あと10試合で全てが決まる…/原ゆみこのマドリッド

「滅多にないタイトル獲得のチャンスとなれば、ファンだって応援したいわよね」そんな風に私が共感を示していたのは金曜日、コパ・デル・レイ決勝の地、セビージャ(スペイン南部)に移動するため、スビエタ練習場を出るレアル・ソシエダのチームバスを大勢のサポーターがお見送りしている映像をお昼のニュースで見た時のことでした。いやあ、折しも世間はセマナ・サンタ(イースター週間)の祝日でしたし、1日早く出発したバスク地方最大のライバル、アスレティックのファンもレサマ練習場周辺に8000人が詰めかけたなんて聞くと、いても立ってもいられない気分になるのはわかりますけどね。いまだ、スペインのコロナ流行は現在進行形中。 おかげで土曜午後9時30分(日本時間翌午前4時30分)から、1年遅れで開催される昨季のコパ決勝もカルトゥーハは無観客。セマナ・サンタ前後は州外への移動禁止措置も強化され、ビルバオ(スペイン北部、アスレティックのホームタウン)からも、サン・セバスティアン(同レアル・ソシエダ)からもサッカー観戦といった理由では行かれないため、せめてお見送りぐらいはと思ったファンが多かったんでしょうが、ちょっとその辺は2014年にレアル・マドリーがメスタジャ(バレンシアのホーム)でバルサを下して以来、決勝進出チームすら出ていないマドリッドのサッカーファンにとっては他人事。開催地のセビージャにしても去年に続き、今年もスペイン有数の年間行事であるprosecion(プロセシオン/キリストやマリアの像が載った神輿を担いで信者が練り歩く)が中止となってしまったこともあり、街頭インタビューで勝敗予想を訊かれていた地元の人々も適当に日和ってましたが、ま、私もそんな感じでしょうか。 とはいえ、1月のスペイン・スーパーカップでは、まさにそのカルトゥーハを舞台にマドリー、バルサを下して優勝。すでにガバラ(ビルバオの運河を航行した木材運搬船。1984年にアスレティックがリーガ優勝パレードに使って以来、博物館に格納されていた)の進水テストも終了し、まずはこの昨季の決勝、そして17日のバルサとの今季決勝と2回、優勝のチャンスがあるアスレティックの方が、丁度、水曜のスペイン代表戦でもGKウナイ・シモンとCBイニゴ・マルティネスがカルトゥーハでプレーして、そのままチームが到着するのをセビージャで待っていたりと、地の利があるような気がしなくもないんですけどね。もちろん、32年ぶりのコパ決勝となるレアル・ソシエダも頑張るはずですが、勝敗は時の運。スタンドは空でも、ピッチでは熱戦が繰り広げられることだけは間違いないんじゃないでしょうか。 え、それよりスペインの2022年W杯予選3戦目はどうだったかを知りたいって?そうですね、初戦でギリシャに1-1でドロー、2試合目のジョージア戦では後半ロスタイムにダニ・オルモ(ライプツィヒ)が挙げたゴールで1-2と勝利。かろうじて連続引き分けを逃れた彼らだったんですが、終わってみれば、最後のコソボ戦が一番、余裕があったような。ちなみにスタメン3連投となったのはGKウナイ・シモン、エリッグ・ガルシア、フェラン・トーレス(マンチェスター・シティ)、モラタ(ユベントス)の4人で、ビックリしたことにこの日もジョージア戦に続いて、キャプテンのセルヒオ・ラモス(マドリー)がベンチだったんですよ。 折しも前日にはポルトガル代表のルクセンブルク戦ハーフタイム前に、ジョアン・フェリックスが足首を痛めて交代したという報があったため、コケとマルコス・ジョレンテのアトレティコ・コンビがまた先発に戻っていたのはちょっと心配でしたが、ブスケツ、ジョルディ・アルバ、そしてデビュー戦途中出場での活躍が認められ、残り2試合でスタメン入りした18才のペドリと、バルサ勢も全員出場。よって、それ程、不公平感はなかったんですけどね。先制点が入ったのは前半34分と少々待たないといけなかったものの、この日もダニ・オルモが魅せてくれました。ええ、ジョージア戦同様、ジョルディ・アルバからパスを受けた彼がエリア内左から、見事なvaselina(バセリーナ/ルーップシュート)を決めちゃうんですから、大したものじゃないですか。 更にその2分後には、こちらも先日、殊勲の同点ゴールを挙げたフェラン・トーレスがセンターラインからペドリの出したスルーパスに追いつき、2点目をゲット。コソボはジョージアと違い、高速カウンターをかけてくる訳でもなかったため、これでほぼ勝負はついたように見えたんですが、いえいえ。まさか、後半25分、自陣エリアを出てクリアに行ったウナイ・シモンがハリミ(ザントハウゼン)にボールを取られ、その孤を描くシュートがゴールに入ってしまうって、大丈夫ですかあ?それでも昨年11月から、デ・ヘア(マンチェスター・ユナイテッド)に代わる正GKとして抜擢した、彼への信頼をルイス・エンリケ監督が失うことはなかったようですけどね。正直、その5分後、ようやく打撲が癒え、今回の代表戦で初のお勤めを果たすことができたジェラール・モレノ(ビジャレアル)が、コケの蹴ったCKを頭で3点目に変えてくれてなければ、終盤はもっと緊迫した展開になっていたかと。 そのまま試合は3-1で終わり、これでスペインは消化試合が1つ少ないスウェーデンを勝ち点1上回って、グループ首位に君臨。6月はユーロ準備の親善試合2つをこなした後、本大会が始まるため、W杯予選の方は9月までないんですが、その時にはまず、スウェーデンとの直接対決から再開することに。何ともまあ、わかりにくいことになっているのは、昨年の夏、開催する予定だったユーロ2020がコロナ禍のせいで、1年遅れになってしまったからなんですが、真剣勝負の公式戦を3つやったおかげで、ユーロに行く選手もかなり見えてきたかと。ええ、ルイス・エンリケ監督も今回の集まった24人に加え、現在、負傷や不調などで呼ばれなかった10人程の中から、最終的に23人(UEFAの決定で増える可能性あり)を選ぶことになりそうだと言っていましたっけ。 え、実はこの試合後にはとんでもない災難に見舞われた選手がいたんじゃないかって?その通りで、後半41分には、この日も「Es una decisión técnica/エス・ウナ・デシシオン・テクニカ(戦術的判断だ)。他の選手が出るべきと私が決めただけ」と、ルイス・エンリケ監督に温存されていたラモスがピッチに入れ、代表最多世界記録にあと4と迫る180試合出場にすることができたんですけどね。TVのインタビューを受けた後、そのまま、おとなしく着替えに行けば良かったところ、「tras el partido, me quedé entrenando sobre el terreno de juego y noté un pinchazo en el gemelo izquierdo/トラス・エル・パルティードー、メ・ケデ・エントレナンドー・ソブレ・エル・テレーノ・デ・フエゴ・イ・ノテ・ウン・ピンチャソ・エン・エル・ヘメロ・イスキエルドー(試合の後、ピッチに残って練習していたら、左のふくらはぎに鋭い痛みを感じた)」って、勤勉が裏目に出るとはまさにこのことでは? そう、2月初旬に左ヒザ半月板の手術をしたラモスは、昨季はマンチェスター・シティ、その前はアヤックスとのCL16強対決2ndレグに出場できず、チームが敗退してしまったことに責任を感じていたんでしょうか。今季は絶対、アタランタとの2ndレグに間に合わせると超スピードでリハビリをして、実際、2連勝で準々決勝進出を遂げることができたんですけどね。その影響で、表向きは打撲と言ってはいるものの、paron(パロン/リーガの休止期間のこと)直前のセルタ戦を欠場し、代表でもギリシャ戦は前半だけ、ジョージア戦はスタンド観戦、コソボ戦は7分間の名誉出場という、スローペースにならざるを得ず、おまけに翌日、帰京して受けた検査では全治1カ月って、ちょっとお、マドリーは今、シーズンの山場を迎えているんですよ。 勝ち点差6で首位のお隣さんを追う中、もちろん、この土曜午後4時15分(日本時間午後11時15分)からのエイバル戦には出られませんし、来週土曜のクラシコ(伝統の一戦、マドリーvsバルサ戦のこと)もアウト。それだけでなく、来週火曜のCLリバプール戦1stレグ、再来週の2ndレグにも出られないとあっては、さすがのジダン監督も頭がクラクラしているかもしれませんが、何せ、ラモスは今季いっぱいで切れる契約の延長交渉にもまだ合意できていませんからね。ホントに間の悪いことになってしまいましたが、一応、マドリーのいいニュースも伝えておくと。それは筋肉痛でドイツ代表の試合に出ず、早退してきたクロース、ベルギー代表の3試合目、ベラルーシ戦を背筋痛で休んだGKクルトワが回復したことで、土曜の出場に支障はなさそう。 実は3月中旬にチェルシーから移籍後、10回目の負傷をしたアザールも金曜にはバルデベバス(バラハス空港の近く)でのチーム練習に参加しているんですけどね。こちらはまだ招集リストに入れなかったんですが、オドリオソラとマリアーノが戻って来たため、少しは助けになるかと。ちなみに相手のエイバルにも負傷者は5人いて、武藤嘉紀選手もその1人なんですが、乾貴士選手はエスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノ(RMカスティージャのホーム)に来る予定。今は降格圏の18位、年初のグラナダ戦以来、11試合白星なしという、大スランプ中のチームですが、今季はホームでカディスやアラベスに負けた黒歴史もあるマドリーだけに気を引き締めてかからないといけないですよね。 そして続いて、土曜午後6時30分(日本時間翌午前1時30分)からはマドリッドの弟分、ヘタフェがエル・サダルでオサスナに挑むんですが、実はトルコ代表に行っていたエネス・ウナルがケガをして帰って来るという逆境が。セルビア代表に行ったマクシモビッチも私的な理由で到着が遅れ、月曜にU24代表でアルゼンチンとの親善試合を日本でプレー。とっくに戻っているはずだった久保建英選手も金曜まで練習に合流してなかったりと、いえ、各国代表に招集された6人以外はこの2週間、じっくり調整できているんですけどね。相手のオサスナは勝ち点差1でヘタフェの1つ上の13位と、似たり寄ったりのところにいるため、結構、拮抗した戦いになりそうな。丁度、エースのマタが2試合の出場停止処分を終えて復帰しますし、ここはしっかり勝ち点3を獲得して、現在6差の降格圏から、もっともっと遠ざかってくれたらと思います。 そして日曜に首位防衛戦となるのが、いえ、2位のバルサともまだ勝ち点差4あるため、たとえ、午後9時(日本時間翌午前4時)から、サンチェス・ピスファンでセビージャに負けても今週末、アトレティコが追い抜かれるということはないんですけどね。一応、私も気になって、金曜には代表戦帰りの選手たちの様子を覗きにマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場に行ってみたところ、足首のケガは軽傷と言われているジョアンはまだ、グラウンドに現れず。他はコケ、ジョレンテを始め、GKオブラク、サビッチ、トリッピアー、レマルらだけでなく、ウルグアイ代表には行っていないものの、またケガをして、しばらくジム調整となっていたヒメネスも元気に参加していたから、ホッとできたの何のって。 ちなみにジョアンに関しては、土曜のセッションでいい感触なら、招集リストに入るようですが、欠場確実なのは先週、コロナに感染して重症化した母親を見舞いに帰国したところ、まだ53才という若さにも関わらず、助からなかったというトレイラ。ショックでなかなか、マドリッドに戻って来られないようですが、すでにCL16強対決でチェルシーに敗退しているアトレティコにはミッドウィークの試合がありませんからね。来週日曜のベティス戦までに気を持ち直してくれればいいかと。とりあえず、この2回連続となるセビージャ遠征を終えれば、またワンダ・メトロポリターノでウエスカ戦となるアトレティコなんですが、残り10試合中アウェイが6つと多いのはバルサと同じ。比べてお隣さんには4試合しかないというのはちょっと、ハンデになるかもしれませんね。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2021.04.04 00:30 Sun
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久々に怖い思いをした…/原ゆみこのマドリッド

「アップするから問題になるのに」そんな風に私が呆れていたのは月曜日、セマナ・サンタ(イースターウィーク)直前の先週末から、スペインはコロナ予防策の一環で州をまたぐ国内移動を禁じていたにも関わらず、レアル・マドリーのマルセロがバレンシアのビーチでミニバケーションを楽しんでいたことについて、いえ、まあ、インターナショナルマッチウィークによるparon(パロン/リーガの停止期間)中、大抵の1部のチームが週末を練習休みにしてしまったせいもあったんでしょうね。代表戦以外の話題もなかったせいか、Estudio Estadio(エストゥディオ・エスタデイオ/スペイン国営放送のサッカー番組)で延々と議論をしているのを見た時のことでした。 うーん、コロナ禍が始まって以来、イロイロな規制があったものの、昨季の再開リーガ中に発覚したセビージャの選手たちによる制限人数オーバーのバーベキューにしろ、足がつくのは全て参加者のSNS投稿写真からで、いい加減、皆、学んでいるはずだと思うんですけどね。大体がして、普通の年なら、セマナ・サンタに旅行に行く庶民も多いんですが、ここ2年間は我慢をさせられているとあって、やっかみもあったか、インスタに写真を上げたマルセロはコメンテーターから、厳しく批判されることに。中には、「規制があることを彼が知っていたはずがない」という擁護の声もありましたが、何せねえ。 噂によると、バルサのクーマン監督もマルベジャ(スペイン南部のビーチリゾート)の別荘に行ったとかで、確かにこうも移動制限が続くと、見張っているはずの警官たちだって、ウンザリするのは当然。現在は以前程、空港などでの厳しいドキュメントチェックなどないそうで、要は軍資金と行動力さえあれば、バケーションに出るのも簡単のよう。といっても、夜間外出禁止が始まる午後11時以降にレガネス(マドリッドの衛星都市)から、試合観戦の後、セルカニアス(国鉄近郊路線)に乗って市内に戻って来るのさえ、ビクビクしていたような小市民の私など、マドリッドの外に出る勇気もなく、気温がかなり上がって、すでに海水浴客さえいる、全国各地のビーチの様子をTVで眺めているしかないんですが…。 まあ、そんなことはともかく、スペイン代表のW杯予選2試合目がどうだったか、お話ししていくことにすると。先週は木曜の初戦でギリシャと1-1で引き分けた後、翌日にはジョージアのトビリシ入り。夜には会場となるボリス・パイチャーゼ(ディナモ・トビリシのホーム)で前日練習を行った彼らだったんですが、今時、珍しいこともあるんですね。開始から30分程でスタジアムの電気系統にトラブルが発生し、セッションが中断。それどころか、ロッカールームにも灯りがなく、選手たちはスマホの懐中電灯を頼りにシャワーを浴びないといけなかったとなれば、ま、最近はリーガ戦の後なども、スペインではロッカールームの使用制限があるため、そのまま、ビジターチームはホテルに戻ってシャワーを浴びるのが慣習化していますからね。よって、そんなに大袈裟に騒ぐこともないんですが、これをジョージア側の嫌がらせと取る向きもなきにしろあらずだったかと。 幸い試合当日は照明も復活し、無事にキックオフとなったんですが、まず驚かされたのは、ルイス・エンリケ監督の大々的なローテーション。ええ、ギリシャ戦のスタメンから大量7人を入れ替え、リピートしたのがGKウナイ・シモン(アスレティック)、モラタ(ユベントス)、フェラン・トーレス、エリック・ガルシア(マンチェスター・シティ)だけというのも凄いんですが、そのせいもあるんですかね。先日は「自分の代表戦で守備的に一番いい試合だった」というルイス・エンリケ監督のチームは、その強みを失ってしまった感も。そう、ずっと自陣に閉じ込められていたギリシャとは違い、サニョル監督(DFとして2000年代にバイエルン、フランス代表で活躍)率いるジョージアは速攻カウンターができるんですよ。 最初のヒヤリは前半18分、この時はCKからのヘッドをGKウナイ・シモンがparadon(パラドン/スーパーセーブ)してくれたため、難を逃れることができたんですが、44分、とうとうクワランヘリア(ルビン・カザン)に先制点を決められてしまった日には、スペインがあまりにゆったりボールを回しているのに瞼が重たくなっていた私も一気に目が覚めましたよ。さすがにこれはマズいとルイス・エンリケ監督も思ったか、1-0で始まった後半頭からはこの日、エリック・ガリシアとCBコンビを組んでいたディエゴ・ジョレンテ(リーズ)をイニゴ・マルティネス(アスレティック)に、ギリシャ戦でただ1人、スペイン代表の未来を照らす光を垣間見せ、初スタメンに抜擢されたブライアン・ヒル(セビージャからのレンタル移籍でエイバルでプレー)をダニ・オルモ(ライプツィヒ)に代えて、反撃を目指すことに。 すると11分、ファビアン・ルイス(ナポリ)もチアゴ・アルカンタラ(リバプール)に代わった後に同点ゴールが生まれます。何故か、昨年9、10,11月のネーションズリーグ中には1度も招集されなかったジョルディ・アルバ(バルサ)が左サイドから送ったラストパスをゴール正面にいたモラタは逃してしまったものの、右側から駆けつけたフェラン・トーレスがシュート。これが決まって、ひとまずホッとすることができたんですが、それから、なかなか勝ち越し点が入らなくてねえ。更なる攻撃力アップを狙って、ルイス・エンリケ監督も19分には、この日が代表デビューとなった右SBペドロ・ポロ(スポルティングCP)をマルコス・ジョレンテ(アトレティコ)へと代え、27分にはブスケツ(バルサ)をオジャルサバル(レアル・ソシエダ)へと、アタッカーを増やしていったんですが…。 いやもう、通常の90分を過ぎた時には私も冷や汗もの状態になっていて、何せ同日、グループ最大のライバル、スウェーデンがコソボに0-3で勝って2連勝。スペインがこのまま、2試合で勝ち点2に留まったら、そう、W杯に直接出場できるのは各グループ首位チームだけですからね。2位の10チームとネーションズリーグ上位として回ってくる2チームを合わせた12国が3グループに分かれ、準決勝、決勝の2試合戦って、3チームが選出される、いつやるんだかもよくわからない、2006年W杯予選以上に面倒なプレーオフに巻き込まれる破目に陥るかもしれないと、ドキドキしてしまったんですが、大丈夫。 天啓はロスタイム2分にやって来て、ジョルディ・アルバからパスをもらったオルモが、いやあ、その試合ではキャパの30%強の1万8000人の地元サポーターが賑やかに応援していて、後でルイス・エンリケ監督も「El público juega un papel a favor del equipo rival/エル・プブリコ・フエガ・ア・ファボール・デル・エキポ(観客も相手チームを有利にする役目を果たした)」と愚痴っていたんですけどね。それでも「Desde el banquillo y desde el campo los compañeros me animaban a tirar/デスデ・エル・バンキージョ・イ・デスデ・エル・カンポ・ロス・コンパニェロスメ・アニマバン・ア・ティラール(ベンチやピッチにいたチームメートから、シュートするようにけしかけられた)」(オルモ)のが聞こえたそうで、エリア外から狙ったところ、そのボールがGKロリア(アノルトシス・ファマグスタ)の手を弾いて決勝点となってくれるんですから、本当にラッキーだったかと。 おかげで1-2の土壇場逆転勝利を挙げたスペインだったんですが、ランキング係数が近いチームを集めたネーションズリーグはともかく、メジャー国際大会の予選って、こんなに苦労するものでしたっけ?ちなみにこの試合でも確認できたのは、ギリシャ戦同様、ボールは支配してもゴールがなかなか入らない、今のスペインの「No estábamos tan lúcidos como habitualmente/ノー・エスタバモス・タン・ルシドス・コモ・アビチュアルメンテ(ウチはいつものようには冴えてなかった)」(ルイス・エンリケ監督)という状態なんですが、それより目を引いたのは、スペイン代表戦最多出場記録を更新中、今は世界記録に並ぶのを目指しているセルヒオ・ラモス(レアル・マドリー)に出場機会がなかったこと。 いえ、ルイス・エンリケ監督は「Su suplencia fue una decisión técnica/ス・スプレンシア・フエ・ウナ・デシシオン・テクニカ(彼が控えだったのは戦術的判断)」と、ラモスの健康状態にお墨付きを与えていましたけどね。よくよく考えれば、先発したエリック・ガリシアとディエゴ・ジョレンテは所属チームであまりプレーしていませんし、イニゴ・マルティネスにはペナルティやらかし癖の疑いが。やはりスタンドでフル観戦となったコケ(アトレティコ)などはともかく、ラモスは得点源にもなれる選手なんですから、それって、やっぱり、2月初旬の手術から、CL16強対決アタランタ戦2ndレグに超特急で間に合わせたツケが出ているのでは? 代表週間入り直前のカディス戦も欠場していましたし、チームがトビリシから帰国、セビージャ(スペイン南部)入りした翌日、火曜には35才のバースデーもチームメートに祝ってもらっていますからね。単に水曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)からのコソボ戦で、ご当地選手となるための温存だったら良いのですが、さて。どちらにしてもルイス・エンリケ監督のスタメンは読みにくいので、丁度、5チーム編成のグループで今回はスウェーデンがお休み。首位を奪って、9月、11月に再開される予選後半戦を迎えるには最適なコソボ戦に誰が出るのかはよくわからないんですが、去年最後の試合となった、それこそカルトゥハでのドイツ戦6-0勝利程ではなくとも、ゴールをもっと入れて、あまりファンをハラハラさせない試合展開になってほしいです。 そして、招集免除された南米系の選手がいるため、いつもより少ないとはいえ、やはり相当数、各国代表へ出張しているマドリッドの両雄クラブについては、とにかく全員揃うのは木曜以降になりますからね。今はさらっとだけ触れておくと、土曜にエイバル戦を控えているマドリーは月曜からバルデベバス(バラハス空港の近く)で練習を再開。朗報は、アザール程ではないにしても、今季はとかくケガに悩まされているカルバハルが合流したことで、何せ、CL準々決勝生き残り唯一のスペイン勢である彼らはこの先、2週間、リバプール戦2試合がミッドウィークに入って、かなりハードスケジュールになりますからね。 ベルベルデは無理そうですが、ドイツ代表を早退してきたクロース、リハビリ総仕上げ中のオドリオソラ、マリアーノらも復帰が近いようなので、今は何より、新たな負傷者を発生させないことが大事かと。それに関しては現在、3位のマドリーと勝ち点差6で首位を行く、お隣さんも同じなんですが、1日遅れで日曜のセビージャ戦の準備を始めたアトレティコではまだ、先週、貧血でセッション中に倒れたデンベレとこちらも筋肉系の故障が今季は慢性化しているヒメネスが個別調整中。それはまあ、いいとして、各国代表参加組では火曜の夜、ようやく3試合目のルクセンブルク戦で先発出場させてもらったジョアン・フェリックス(ポルトガル)がハーフタイム間際、足首を痛めて交代するという、バッドタイミングこの上ないニュースが。 うーん、まだ程度の方はわからないんですけどね。早い時間帯ではGKオブラクがキャプテンを務めるスロベニアがキプロスに1-0で負けるという波乱もあり、アトレティコの守護神が落ち込んでいないか、心配になったりもしたんですが、もうこうなると水曜の代表戦最終日は誰もケガせず、終わってくれることを祈るばかり。そうそう、火曜のU21ユーロ本大会グループリーグでは、マドリッドの弟分ヘタフェのククレジャの出番はなかったものの、ダニ・ゴメス(レバンテ)の2ゴールでスペインはチェコに2-0と勝利。グループ首位突破を果たして、これもコロナ禍で1年延期されたせいで、かなり変則的なんですが、6月に行われる決勝トーナメントの準々決勝進出を決めることに。 まだ残留確実圏に入っていないヘタフェのボルダラス監督にしてみれば、久保建英選手を始め、6人の各国代表選手が土曜のオサスナ戦でプレーできる状態で戻って来てくれるのを心待ちにしているはずかと。それにしてもコロナ禍で遅れた日程を取り戻すため、今季から始まった代表ウィークで3試合というのは、ケガの危険も前より1試合分増大。とりわけ、リーガが佳境に入ってきた3月などは、ちょっと避けてもらいたかったかもしれませんね。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2021.03.31 21:30 Wed
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また本大会への道のりが始まった…/原ゆみこのマドリッド

「やっぱり観客が入るかどうかは場所次第なのね」そんな風に私が溜息をついていたのは金曜日、今週始まった2022年W杯予選でスペイン代表が日曜にプレーするジョージアのディナモ・アレナ(ディナモ・トビリシのホーム)では、キャパの30%までという制限はあるものの、すでに1万5000枚のチケットが完売御礼となったという記事を見つけた時のことでした。いやあ、TVのニュースでチラリと見たいくつかの予選映像では、ワクチン接種が超スピードで進んでいるイスラエルなど、テル・アビブでのデンマーク戦がほぼ満員状態。先日、アトレティコがCL16強対決チェルシー戦1stレグのホームゲームをやったブカレストのスタディオヌル・ナツィオナルでのルーマニアvs北アイルランド戦もスタンドにかなりの人がいたんですけどね。 今週末からセマナ・サンタ(イースターウィーク)に合わせて、またしても国内移動規制のかかるスペインなど、当然の如く、3月の代表戦は無観客。木曜に行われたロス・カルメネス(グラナダのホーム)でのギリシャ戦も来週水曜、セビージャ(スペイン南部)のカルトゥーハでプレーするコソボ戦もファンはまったく入れず、大体がして、やはりカルトゥーハで行われる4月3日の昨季コパ・デル・レイ決勝アスレティックvsレアル・ソシエダ戦も、17日の今季コパ決勝バルサvsアスレティック戦も無観客開催と決まってしまいましたからね。 当然、リーガなど、いつファンがスタジアムに戻って来られるやら、見当もつかないんですが、せいぜい慰めになるニュースと言えば、今月末にはイギリスからスペインへの航空便発着が解禁に。よって、レアル・マドリーはお隣さんのようにどこか遠く離れた中立地に行く必要がなく、4月6日のCL準々決勝リバプール戦1stレグをエスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノ(RMカスティージャのホーム)で戦えるようになったことぐらいなんですが…。 まあ、そんなことはともかく、久々のスペインの試合がどうだったか、お伝えしていくことにすると。何せ、昨年最後となった11月のドイツ戦はネーションズリーグという別の大会でしたからね。彼らがカルトゥーハで6-0と大勝したのを覚えている人も少ないかと思いますが、もちろん代表監督は別。おかげで10月のファイナルフォー出場権を勝ち取ったことに感謝したか、このギリリャ戦ではその時のスタメンをほぼリピートすることに。そう、ほぼと言うのは今回、パウ・トーレス(ビジャレアル)とセルジ・ロベルト(バルサ)が負傷中で招集されていませんからね。代わりのCBとしてエリック・ガルシア(マンチェスター・シティ)がセルヒオ・ラモス(マドリー)とペアを組み、右SBにはマルコス・ジョレンテ(アトレティコ)って、え、彼はSBじゃないんですけどお! うーん、確かにジョレンテはマルチプレーヤーで、トリッピアーとベルサイコが諸々の事情でいない間、3人CB制でカリレーロ(長い距離をカバーするSB)を任されたり、チェルシー戦2ndレグでサビッチが退場した後、止むを得ず、その辺でプレーしていたこともありましたけどね。当人も後で「Donde yo creo más ayudo en mi equipo es de interior/ドンデ・ジョ・クレオ・マス・アジュド・エン・ミ・エキポ・エス・デ・インテリオル(自分がチームを一番助けられるポジションはサイドハーフだと思う)」と言っていましたが、まあ、アトレティコの先輩のコケなどもまだ代表歴が浅かったデル・ボスケ監督時代、右SBにいきなり抜擢され、右往左往していたなんてこともありましたからね。これが2度目の招集となるジョレンテに選択肢はなかったかと。 そしてスペイン鉄板の4-3-3で始まった試合の方は、まあ予想通り、序盤から彼らが圧倒的にボールを握っていたんですけどね。そのポゼッション率が70%から80%へと上昇していく一方で、なかなかチャンスは生まれず、最初のシュートが前半13分、コケがエリア内から2度も撃ちながら、両方とも敵DFに弾かれてしまうといった有り様でしたが、大丈夫。ダニ・オルモ(ライプツィヒ)の一撃がゴールバーに弾かれたシーンをうっかり見逃し、私がリプレーを待っていた31分、去年の夏まで、1年半という短い時間でしたが、アトレティコで培われたコンビーネションが炸裂。コケが弓なりのクロスをモラタ(ユベントス)に送ったところ、そのシュートがバッチリ決まって、先制点になってくれたとなれば、もう勝利は見えた? いやあ、それがシナリオ通りにいかないのがサッカーあるあるで、ハーフタイムまでに追加点がなかったにも関わらず、ルイス・エンリケ監督はラモスをイニゴ・マルティネス(アスレティック)に交代。この日で179キャップを達成した彼に世界最多記録となっている代表戦184試合出場が近づいてきているのと、リーガ前節カディス戦を脚の打撲でお休みしていることを鑑みて、「Hablamos antes de partido que solo jugaría medio tiempo/アブラモス・アンテス・デ・パルティードー・ケ・ソロ・フガリア・メディオ・ティエンポー(試合前にプレーはハーフだけにすると話し合った)」(ルイス・エンリケ監督)結果の折衷案だったようですが、これだって、別にそのままスペインが勝っていれば、批判される筋合いもなかったんですけどね。 ところが後半11分、よりにもよって交代出場したイニゴ・マルティネスがエリア内でボールをクリアしたついでにマスラス(オリンピアコス)を蹴ってしまったから、さあ大変!「取り合いになったボールで止まれなかった。Con VAR el resultado hubiera sido diferente/コン・バル・エル・レスルタードー・ウビエラ・シドー・ディフェレンテ(VARがあれば結果は違っただろう)」(イニゴ・マルティネス)というのはどうかわかりませんが、何にせよ、ネーションズリーグ同様、このW杯ヨーロッパ予選ではVAR(ビデオ審判)を使ってないため、主審の判定でペナルティが確定。GKウナイ・シモン(アスレティック)は先日、アラベス戦で見せたオブラクの奇跡を繰り返すことはできず、バカセタス(トラブゾンスポル)のPKが決まって、スコアは1-1の同点になることに。 うーん、前回、スペインがホームゲームで失点したのは2年前、メスタジャ(バレンシアのホーム)で行われたユーロ2020予選のノルウェイ戦で、その時もイニゴ・マルティネスのペナルティが原因だったと聞いたりすると、やはり6月のまさに、その1年延期された本大会でCBのレギュラーになるのはラモスとパウ・トーレスになりそうな気もしますけどね。でも本当に問題なのはその後、時間はたっぷりあったというのにあと1点が取れなかったことで、それから10分もしないうちにルイス・エンリケ監督は現在、これも昨夏から延期されていたU21ユーロ・ハンガリー/スロベニア共催大会でグループリーグを戦っている弟分チームから、徴用した18才のペドリ(バルサ)と20才のブライアン・ヒル(セビージャからレンタル移籍してエイバルでプレー)を投入。 そのU21チームが前日、マリボリでの初戦でスロベニアに0-3と快勝したのは、そちらで頑張っているククレジャ(ヘタフェ)やブライム(マドリーからレンタル移籍してミランでプレー)らもいるため、嬉しかったんですが、勝ち越し点が必要な切羽詰まった状況で、若い2人をデビューさせるルイス・エンリケ監督もかなり勇気があったかと。一応、A代表初招集の知らせに涙していたヒルなどは、得意の左サイドから切り込みでチャンスを作ろうとしていたんですが、まあねえ。ドイツ戦の6得点で忘れられていたものの、元々、ゴール不足が言われていたスペインですし、国産ピチチ(得点王)のジェラール・モレノ(ビジャレアル)が前節のカディス戦でケガをして、この試合だけ欠場していたのも間が悪かったかと。 最後は後半頭からキャプテンをやっていたコケ、そしてドイツ戦ではハットトリックの大活躍だったものの、ギリシャの堅い守備陣の前にまったく精彩のなかったフェラン・トーレス(マンチェスター・シティ)がチアゴ・アルカンタラ(リバプール)とオジャルサバル(レアル・ソシエダ)に代わったものの、2点目を挙げることは叶わず。結局、引き分けで終わったんですが、ルイス・エンリケ監督によると、その原因は「Nos ha faltado frescura y finura en el último tercio del campo/ノス・ア・ファルタードー・フレスクーラ・イ・フィヌラ・エン・エル・ウルティモ・テルシオ・デル・カンポ(ウチはフレッシュさと鋭さがピッチのファイナルサードで欠けていた)」せいなのだとか。「あれだけの選手を守備に当てられては、もっとインスピレーションがいる」とも言っていましたが、いや、それ、きっと次のジョージア、コソボ戦も同じですから。 何せ、5チーム編成のスペインのいるグループは残り1チームがズラタン・イブラヒモビッチが復帰したスウェーデンで、同日、ジョージアに1-0で勝っていますからね。このW杯予選では本大会に直接進めるのが各グループ首位のみ、2位だとプレーオフに回るため、こうなると日曜午後6時(日本時間翌午前2時)からのジョージア戦では絶対勝利が必須となってきますが、さて。そのままグラナダ(スペイン南部、アルハンブラ宮殿で有名な町)に連泊したチームは翌日もロス・カルメネスで練習。午後には空路、トリビシに移動し、到着したのは夜のようでしたが、今度は「状態は完璧」とルイス・エンリケ監督が保証したラモスは当然として、ギリシャ戦で出なかったブスケツやジョルディ・アルバら、バルサ勢もプレーするんでしょうかね。 え、そんなことが気になるのはやっぱり、私がparon(パロン/リーガの休止期間)明けのリーガを心配しているからかって?まあ、その通りで、いえ、コケなどはテレマドリッド(ローカルTV局)のインタビューで、「Estar peleando LaLiga no nos lo esperábamos porque el club nos exige ser terceros/エスタル・ペレアンドー・ラ・リーガ・ノー・ノス・ロ・エスペラバモス・ポルケ・エル・クルブ・ノス・エクシーヘ・セル・テルセーロス(リーガ優勝を争うなんて予想してなかったよ。だってクラブはボクらに3位になることを求めているんだから)」とシレッとした顔で言っていたりしたんですけどね。それでも優勝を目指していない訳ではないようで、「代表に行くのはここ数カ月間、プレッシャーのかかっていた選手たちにはいいことさ」と河岸を変えることの効用を強調。 まあ、今回、いつも長距離移動の疲れを心配される南米勢が招集免除されているため、ルイス・スアレスを筆頭にヒメネス、トレイラ(ウルグアイ)、ロディ、フェリペ(ブラジル)らはマハダオンダ(マドリッド郊外)の練習場でじっくり調整に励めていますしね。火曜こそ、デンベレがセッション開始早々、いきなり貧血で倒れてしまい、彼は先日、コロナにも感染していたため、後遺症かと心配されたんですが、幸い金曜には何事もなく復帰。代表出向組では水曜にオブラクがここ2試合完封の余波を買って、お隣さんのモドリッチ率いるクロアチアから、1-0でスロベニアが勝利をもぎ取ったなんてこともありましたし、懸念があるとすれば、ベルギーがウェールズに3-1と快勝した試合にカラスコが体の不具合で出場できなかったことぐらいかと。 そのベルギー代表では、そういえば、昨年9月の代表戦でもマドリーのGKクルトワがケガでプレーできず、挨拶だけしてマドリッドに戻って来たなんてこともあったんですが、今回は先日再び、復帰時期不明のリハビリに入ったアザールが代表のチームドクターと相談するため、合宿を訪問中というニュースも。意外だったのは早々と火曜にはクロースがドイツ代表を離脱したことで、ええ、こちらもケガのための帰還なんですが、何せ、マドリーの中盤は固定メンバーでの出場が続いていますからね。ようやく復帰したバルベルデも前節のセルタ戦で負傷、どうやらこちらはリバプール戦にも間に合わなさそうともことで、太ももを痛めたクロースには何とか、回復してもらわないとマズいんですが、果たしてどうなることやら。 そして今週、世間を騒がせている話題は、2年前にマドリーを退団したクリスティアーノ・ロナウドが今季、ユベントスがCL16強対決でポルト相手に敗退、セリエAでも首位インテルと勝ち点差10の3位と優勝が難しくなってきたことを踏まえ、古巣に戻る可能性が出てきたという報道。いやあ、ユーベと同じ3100万ユーロ(約40億円)の年棒はとても出せないペレス会長のクラブなので、もしロナウドが2400万ユーロ(約31億円)まで減給に応じてくれたらとか、イロイロ、条件はあるようですけどね。更に先日は相変わらず、ウェールズ代表に行った時だけ口を開くベイル(トッテナムにレンタル移籍)もこの夏、マドリーに戻る予定と公言。となると、あのCL3連覇を成し遂げた伝説のBBC(ベイル、ベンゼマ、ロナウドの頭文字)復活もありうる訳ですが、え?最近のマドリーファンはハーランド(ドルトムント)やエムバペ(PSG)ら、若い新生ギャラクティコの加入を期待しているのではって? いやまあ、とりわけ前者などは丁度、コロナによる入国制限により、自国でホームゲームが行えず、W杯予選の1戦目がジブラルタル(イベリア半島内にあるイギリス領)との試合だったのもあって、今週はノルウェイ代表合宿でマルベジャ(地中海沿岸のビーチリゾート都市)に滞在。2試合目のトルコ戦もマラガ(スペイン南部、マルベジャから1時間)で開催とあって、連日、スペインマスコミに追い回され、ちょっと気の毒なぐらいなんですが、どちらにしろ、来季の戦力候補は今のリーガの優勝戦線には関係ありませんからね。マドリーもアトレティコも週末はミニバケーションに入るため、それぞれエイバル戦、セビージャ戦を迎える彼らの様子はまた各国代表選手が合流してから、報告したいと思います。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2021.03.27 22:30 Sat
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