だんだん差が縮まってきた…/原ゆみこのマドリッド

2021.02.13 20:45 Sat
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©Atlético de Madrid
「希望者、絶対増えるだろうな」そんな風に私が呟いていたのは金曜日、マドリッドのコロナワクチン集団接種会場の1つにワンダ・メトロポリターノが選ばれたと聞いた時のことでした。いやあ、アトレティコでここ2週間程、各々時間差はありながら、計6人ものコロナ陽性者が見つかったのとは別に因果関係はないんですけどね。先日、バルサがカンプ・ノウを接種会場として提供するという話を聞いてから、喜んで駆けつけるクレ(バルサファンのこと)は大勢いるだろうなと思っていたものの、スペインではこのところ、高齢者、医療従事者への接種が徐々に進行中。

実際、重症化リスクの低い、頑健な成人男子のサッカー選手たちだけでなく、私自身にも順番が回ってくるのは遠い先のことなんでしょうけどね。注射にかこつけて、もう1年近く、スタンドにすら、ご無沙汰しているワンダの、それもピッチに足を踏み入れることができるとなれば、相変わらず、絶賛大改装工事中のサンティアゴ・ベルナベウが使えないお隣さんと比べて、アトレティコファンのワクチン接種率はかなり上がるのでは?

まあ、そんなことはともかく、今週のマドリッド勢の様子をお伝えしていくことにすると、何せ、ミッドウィーク開催のコパ・デル・レイには、準決勝なんて言うに及ばず、1部3チーム、2部4チーム揃って、もうしばらく前から縁がなくなってしまいましたからね。そこで空いていた火曜、昨季はコロナ禍で夏場にヨーロッパの大会の決勝トーナメントがズレ込んだせいで、延期されていたリーガ1節のマドリーvsヘタフェの兄弟分ダービーがあったんですが、やはり思った通りでした。ええ、ここ10年近く、マドリーに勝てていない弟分は、いえ、前節のセビージャ戦でオカンポスの足首を折り曲げるタックルをかまし、ジェネが2試合出場停止になっていたのも影響したんでしょうね。

あとでボルダラス監督も「los chicos iban con miedo de hacer daño al rival/ロス・チコス・イバン・コン・ミエードー・デ・アセール・ダーニョ・アル・リバル(選手たちは敵にケガさせるのを恐れていたようだ)。今日、競技委員会の処分が出るまでチームと一緒に合宿していたジェネも家に帰らせてくれと頼んできた。まるで犯罪人のようにSNSで言われ、彼の家族も傷ついている」と、1500件以上もの非難や悪口を受けていたキャプテンに同情を示していましたが、そりゃそうですよね。セビージャでこのレベルとなれば、天下のマドリーの選手に勢い余って、何かあったらと、チームメートが消極的になってしまったのも当然だったかと。

ただ、負傷欠場者大量発生中のマドリーも、何だか、今季は3CB制が流行っているんですかね。この日はバラン、ナチョ、メンディを並べ、マルセロとカンテラーノ(RMカスティージャの選手)のマルビンをカリレーロ(長い距離をカバーするSB)として起用。「No lo preparamos mucho/ノー・ロ・プレパラモス・ムーチョ(じっくりと準備はできなかった)」とジダン監督も言っていた通り、あまり慣れていなかったせいか、前半はそれ程、チャンスも作れず、0-0で終わったんですが、両者の差が出たのは後半になってから。そう、前日にはお隣さんがセルタに土壇場で追いつかれて引き分け、首位との勝ち点差が8に縮まっていたマドリーが発奮することに。

それも丁度、ここしばらく、ずっと先発だったマタ、久保建英選手、アレニャをおそらく、久々の週3試合となるのを考えてか、その日はベンチスタートに。基本の4-4-2に戻したボルダラス監督が10分には彼らを一斉投入し、勝負に出た5分後のことだったんですよ。マルビンがRMカスティージャの同僚、アリバスに代わってから、右サイドに移っていたビニシウスが上げたクロスをベンゼマが悠々ヘッド。マドリーに先制点を奪われてしまった上、21分にもマルセロのラスパスをメンディに押し込まれ、2-0となった時点で勝負はほぼついたんですが、いやあ。

ジェネ同様、セビージャ戦でのレッドカードにより、エスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノ(RMカスティージャのホーム)のプレス用ボックスで雨中の試合を観戦していたボルダラス監督も「Hemos perdido nuestras señas de identidad/エモス・ペルディードー・ヌエストラス・セーニャス・デ・イデンティダッド(ウチは自分たちのアイデンディティを失ってしまった)。プレスも上手くかけられなかったし、ボールも取り戻せず、敵エリアでは溜めがなかった」と心配していたんですが、何せこれでもう、4試合白星なしが続いていますからね。今のところ、ヘタフェは13位、降格圏までも勝ち点差4ありますが、あまり不調が長引くと、すでに5年目となる長期政権の監督交代もありうるかも。何はともあれ、日曜午後2時(日本時間午後10時)、来週木曜にはマンチェスター・ユナイテッドとのEL32強対決をトリノのユベントス・スタジアムで開催することが決まったレアル・ソシエダを迎える一戦では、ヘタフェらしいガッツのあるプレーが蘇ってくれるといいのですが。

一方、これで首位との差を勝ち点5に縮めたマドリーは、いえ、まだ消化試合数はアトレティコが2つ少ないんですけどね。金曜にはカルバハルとルーカス・バスケスがチーム練習に加わり、クロースも出場停止処分が終わったため、日曜午後4時15分(日本時間翌午前0時15分)からのバレンシア戦では少々、人手不足が緩和されることに。それでも先週末、左ヒザ半月板の手術を受けたセルヒオ・ラモスを始め、ミリトン、オドリオソラ、更にマルセロもヘタフェ戦でふくらはぎを負傷して全治3週間と、守備陣のメンツはギリギリなんですけどね。アザールもバルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場でランニングを始めたとはいえ、彼の場合は前例が前例ですし、バルベルデ、ロドリゴもまだのよう。

となると、前回は24日のCL16強対決アタランタ戦1stレグまでリーガ全勝によるremontada(レモンターダ/逆転劇)計画を立てたものの、早々にレバンテに負けて頓挫。今度はバレンシア、バジャヤドリー、レアル・ソシエダ戦に全勝して、3月7日のマドリーダービーで一気に決着をつけるという計画がAS(スポーツ紙)に載っていましたが、成功するかは微妙なところかと。何せ、ベンゼマは当たる日は当たるんですが、なかなか他の選手がゴールを決めてくれないという事情もありますしね。ヘタフェ戦ではまだ、「no podía jugar, ha entrenado una vez con el equipo/ノー・ポディア・フガール、ア・エントレナードー・ウナ・ベス・コン・エル・エキポ(1度しかチーム練習をしていなくて、プレーできなかった)」(ジダン監督)という、途中出場のイスコ辺りがもう少し、貢献してくれると有難いんでしょうが、冬の市場を逃しても6月には退団したい当人だけに、あまり期待はできないかもしれませんね。

そして水曜にはコパ準決勝1stレグでセビージャがクンデとラキティッチのゴールでバルサに2-0と見事、先勝した後、木曜にはアスレティックとレバンテが1-1で引き分け。この状態で3月第1週の2ndレグまで、コパは休止することになったんですが、今週もゆとり日程を楽しんでいたアトレティコの近況はどうかというと。朗報は月曜のセルタ戦からベンチに戻ったカラスコに続き、金曜にはコロナ感染第1陣のエルモーソも陰性となって、グラナダ(スペイン南部)遠征のリストに入れたこと。ただ、これで鉄板のヒメネス、サビッチ、エルモーソの3CB制復活かと思いきや、コロナにはすでに昨年中に感染していたヒメネスが筋肉系の負傷で3週間の離脱。なかなか、上手いようには運びません。

ええ、何せ最近4試合、負けてはいないものの、不用意な失点が続き、GKオブラクに迷惑をかけているアトレティコですからね。いくらルイス・スアレスが絶好調とはいえ、34才の彼に毎回、ハットトリックをしてくれとか、そこまで望むのは酷なので、その辺は他の選手たちがしっかり守備意識を高めて、以前のクリーンシート維持体制を取り戻していかないと。コロナ感染第2陣のジョアン・フェッリクスとデンベレ、そして第3陣のレマルとエレーラはまだ自宅隔離中ですが、こちらも土曜午後2時(日本時間午後10時)からのグラナダ戦の後、来週水曜と土曜のレバンテ連戦頃には戻って来られるのでは?

まあ、今でもアンス・ファティ、クチーニョ、ピケ、セルジ・ロベルト、アラウホなど、大勢の負傷者を抱え、尚且つ、コパで試合数も多かったバルサなどに比べれば、全然、ましなアトレティコですけどね。実際、シメオネ監督も「los números de la segunda vuelta es muy difícil que sean parecidos a los de la primera/ロス・ヌメロス・デ・ラ・セグンダ・ブエルタ・エス・ムイ・ディフィシル・ケ・セアン・パレシードス・ア・ロス・デ・ラ・プリメーラ(シーズン後半、前半と同じような数字を残すことはとても難しい)」と言っていた通り、丁度、折り返し1試合目となったセルタ戦で引き分けたのが、気を引き締めるいい薬となってほしいものですが、さて。

何より、この先は2週間、久々に週2試合ペースに戻る彼らだけに、体力配分には重々注意してほしいところ。結局、23日のCL16強対決チェルシー戦1stレグもイギリス勢のスペイン入国が許されず、遥々、飛行機で4時間もかかるブダペスト(ルーマニア)まで移動して、プレーすることになりましたしね。ホント、CLは午後9時キックオフとあって、その頃までにはマドリッドの夜間外出禁止令が午後10時から、午前0時に戻ってくれることを私も願うばかりなんですが…。

【マドリッド通信員】 原ゆみこ
南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。

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ユーロは始まったけど…/原ゆみこのマドリッド

「絶対、暑さまでは考えてなかったわね」そんな風に私が首を振っていたのは土曜日、前日のセビージャ(スペイン南部)市内の街頭気温表示が41℃になっているのをTVで見た時のことでした。いやあ、ここ数日はマドリッドも一気に真夏モードに突入、お昼を食べた後、うっかり街に用事を済ませに行った自分もシェスタ(お昼寝)の時間帯の外出は命にかかわるんだったということを思い出しながら、クラクラして帰って来たなんてこともあったんですけどね。 これがまだ、当初の開催地ビルバオ(スペイン北部)だったら、まだマシなんでしょうが、地元の自治体がサン・マメス(アスレティックのホーム)での有観客試合をUEFAに保証できず、OKが出たカルトゥーハに代わったのはともかく、皆、頭にあるのはコロナのことばかり。1万6000人の観戦客にPCRや抗原検査陰性証明を義務付けするのは撤回されたものの、この時期のセビージャの想像を絶する酷暑を忘れていたって、ちょっと東京オリンピックに似ていない? まあ、そうは言っても去年もコロナによる中断の後、再開したリーガでは6月、7月にサンチェス・ピスファン(セビージャのホーム)でもベニト・ビジャマリン(同ベティス)でも試合をしていた訳ですから、プレーできなくはないんですけどね。一応、用心はしたか、今週もラス・ロサス(マドリッド近郊)のサッカー協会施設で合宿を続けているスペイン代表は、「Estamos entrenando a las horas de más calor para adaptarnos a Sevilla/エスタモス・エントレナンドー・ア・ラス・オラス・デ・マス・カロール・パラ・アダプタールノス・ア・セビージャ(セビージャに慣れるため、一番暑い時間帯に練習している)」(ルイス・エンリケ監督)と、意図的にセッションの時間を午後6時近辺に設定。 その近辺とあやふやな表現なのは、日曜夜にブスケツ(バルサ)のPCR検査陽性が判明して以来、チームは最多8人の少人数グループに分かれての個人練習になってしまったから。都合3セッションに付き合わないといけなくなったルイス・エンリケ監督が誰より、日焼けしているのは当然だったかと。おまけに来週火曜のユーロ初戦で戦うスェーデンは気温15℃のストックホルムで、続くポーランド、スロバキアもせいぜい20℃ちょっとの地元で練習しているとあって、30℃以上の環境で鍛えれば、スペインの体力的有利は揺るがないということでしょうが、いやあ。 何せ、このヨーロッパ11都市で開催されるこの広域ユーロはグループリーグこそ、3試合ともスペインはセビージャ開催ですが、参加24チーム中、各グループの1位と2位、成績上位の3位4チームが進む、甘々決勝トーナメント16強対決では国外遠征の可能性が濃厚。そう、グループ1位突破なら、グラスゴー(スコットランド)でグループA/B/C/Dの3位と、2位突破なら、コペンハーゲン(デンマーク)でグループD2位と、3位で突破した時のみ、カルトゥーハでグループB1位と4試合目を戦うことになり、もう帰って来ないとなれば、過密日程だったシーズンを終えたばかりの選手たちだけにあまり、暑い中、ムリさせない方がいいかもしれませんよね。 え、それにしたって、今週のスペイン代表は毎日、毎日、PCR検査三昧で大変そうじゃなかったかって?その通りで一応、順番にお話ししていくことにすると、ブスケツが車でバルセロナ(スペイン西部)の自宅に強制送還された後、月曜にはディエゴ・ジョレンテ(リーズ)もPCR陽性に。こちらはレアル・マドリーのカンテラ(ユース組織)育ちだけあって、マドリッドにある実家に救急車で送り帰されたんですが、おかげであと1人、陽性が出たら、クラスター発生になると代表合宿は大厳戒態勢に入ります。当然、テストマッチもできないので、月曜夜には先週木曜にU21ユーロ準決勝でポルトガルを前に敗退。バケーションに入ったばかりの若い選手たち、20人が超特急で集められ、火曜の親善試合リトアニア戦に備え、1回だけのセッションを行ったんですが…。 大丈夫でしたよ。A代表の親善試合というカテゴリーを変える訳にはいかなかったため、このリトアニア戦では総勢16人が一気にA代表デビュー。ククレジャ(ヘタフェ)など、お隣さんのブタルケ(レガネスのホーム)でいきなりキャプテンデビューしていましたが、彼らの多くはこれで所属クラブから代表戦出場ボーナスがもらえるとなれば、バケーションを中断して駆けつけた甲斐は十分あった?経験者はすでに3月にルイス・エンリケ監督の下でプレーしていたブライアン・ヒル(セビージャからレンタルして昨季はエイバルでプレー)だけでしたが、当人は先日に続いて、2019-20シーズンもブタルケで2部降格しているだけにちょっと、苦い思い出が蘇ったかも。スタンドの入りも先週日曜の1部昇格プレーオフ2ndレグ、レガネスvsラージョ戦には遠く及ばなかったものの、代表の後輩選手たちは本当に効率が良くてねえ。 ええ、前半4分にはCKから、早くもギジャモン(バレンシア)が先制点を挙げたかと思えば、24分にはブライム(マドリーからレンタルで昨季はミランでプレー)が2点目をゲット。ブライアン・ヒルの獲得したPKはアベル・ルイス(スポルティング・ブラガ)が敵GKに弾かれてしまいましたけどね。後半も、モンカジョラ(オサスナ)のコロナ陽性でU21ユーロメンバーに急遽、追加招集、スロベニアでは出番をもらえなかったものの、昨季はジダン監督に中盤の助っ人として、重宝されていたブランコ(RMカスティージャ)が2階級特進でA代表デビューとなったのに私が驚いている間にミランダ(ベティス)が直接FKを決めて3点目。最後は38分にプアド(エスパニョール)が仕上げして、4-0の大勝となれば、ラス・ロサスの合宿所でソーシャルディスタンスを保ってTV観戦していた先輩たちも安心したかと。 数日前から、バルデベバス(バラハス空港の近く)のマドリー練習場を借りて、トレーニングをしていたというリトアニアもこれでは面目が立ちませんが、実はU21メンバーのお勤めはこの試合だけで終わらず。そう、日曜月曜にはロドリゴ(リーズ)、フォルナレス(ウェストハム)、カルロス・ソレル(バレンシア)、ブライン・メンデス(セルタ)、アルビオル(ビジャレアル)、ケパ(チェルシー)を別途招集し、ラス・ロサスでburbuja paralela(ブルブハ・パラレラ/平行バブル)として、元祖招集メンバーから更なるコロナ陽性が発生した場合に交代要員となるべく備えていたグループにU21からも11人が参加することになったんですよ。その横でサッカー協会は関係省庁に代表選手の即時ワクチン接種を交渉していたものの、これもまた、口を出す行政当局が多すぎたか、ようやく実現したのが金曜だったって、いや、ちょっと遅すぎなくない? うーん、当日にはスペイン軍の医療部隊がラス・ロサスにやって来て、すでにコロナ感染済みで抗体のある8人、ガヤ(バレンシア)、オジャルサバル(レアル・ソシエダ)、チアゴ・アルカンタラ(リバプール)、ラポール、エリック・ガリシア、フェラン・トーレス(マンチェスター・シティ)、ファビアン・ルイス(ナポリ)、アダマ・トラオレ(ウォルバーハンプトン)は2回目の必要なしとしてファイザー製を、残りの選手たちには1回で済むものの、スペイン国内では血栓予防のため、50才以下には使っていなかったジョンソン・アンド・ジョンソン製が投与されたんですが、どちらも効果が現れるのは2週間後と、グループリーグが終わってからですからね。 ルイス・エンリケ監督も「Nos hubiera gustado que se hubiera hecho en el momento oportuno, que era después de la lista official/ノス・ウビエラ・グスタードー・ケ・セ・ウビエラ・エッチョー・エン・エル・モメントー・オポルトゥーノ、ケ・エラ・デスプエス・デ・ラ・リスタ・オフィシアル(もっと適正な時期にやった方が良かった。招集リスト発表の後にね)」と言っていたように5月24日以降すぐ、もしくは31日に合宿を開始した直後に打てなかったんだという不満も代表関係者にはあるんですが、何せ、最初のタイミングではまだEL決勝(ビジャレアルのパウ・トーレスとジェラール・モレノ、マンチェスター・ユナイテッドのデ・ヘア)やCL決勝(ロドリを加えたマンチェスター・シティ勢、チェルシーのアスピリクエタ)を控えていた選手が多かったですしね。それこそ副反応が怖くて、接種などできなかったはずですが、となれば、初戦の3日前というのもあまりお勧めできなくない? 先週、クルセフスキ(ユベントス)、スバンベリ(ボローニャ)と2人のコロナ陽性を出した最初の対戦相手、スウェーデンがワクチン接種をしなかったのもその辺に理由がありそうですが、実は金曜には朗報も。というのも月曜に強制帰宅させられていたディエゴ・ジョレンテが、当人も「No era alguien que hubiera estado en contacto estrecho con Busquets/ノー・エラ・アルギエン・ケ・ウビエラ・エスタードー・エン・コンタクトー・エストレッチョー・コン・ブスケツ(自分はブスケツと濃厚接触していた訳じゃないのに)」と不思議がっていた通り、3日連続、PCR陰性となり、疑陽性だったことが判明。金曜には晴れて、再合流を許されたのは良かったかと。 まあ、それは夕方だったため、午前中のワクチン接種会には間に合わず、彼1人だけ打ってないんですけどね。金曜のランチでGKウナイ・シモン(アスレティック)の24才のバースデーを祝ったームメートたちからも、その映像を見た限り、合宿所でオープンテラスでの個食徹底というのは本当だったか、新たな陽性者は出ていません。そして、セルヒオ・ラモス(マドリー)が招集されなかった今回、メンバー中、最多の114試合出場でキャプテンとなったブスケツをチームの支柱と見なすルイス・エンリケ監督が初戦には間に合わずとも、2試合目までには陰性になって復帰してくれることに賭けたため、市内のホテルから、5日間、ラス・ロサスに練習に通っていたヘルプメンバー計17人は誰も本招集されることなく、土曜には解散。まあ、実際は試合当日までコロナによる選手交代は可能とはいえ、いつまでも無償奉仕はさせてはおけないってことでしょうか。 そんなスペイン代表は土曜夕方には副反応が出る選手もいなかったか、とうとうチーム練習を再開。久々だったため、セッションは2時間も続いたそうですが、月曜午後9時(日本時間翌午前4時)の試合まで、皆で動きを合わせる機会はあと、日曜1回しかありませんからね。セビージャへは前日移動となり、試合後はまたラス・ロサスに戻って来るんですが、ワクチン接種は終わったとはいえ、感染可能性はある訳ですから、道中、気をつけるに越したことはいかと。 とりあえず、ユーロ自体は金曜にスタディオ・オリンピコ・ディ・ローマ(ローマのホーム)での開会式の後、トルコvsイタリア戦(0-3)で始まっているんですが、土曜はウェールズvsスイス戦(1-1)がバクー(アゼルバイジャン)、途中、エリクセン(インテル)が意識を失って倒れたため、中断があったデンマークvsフィンランド戦(0-1)がコペンハーゲン、ベルギーvsロシア戦(3-0)がサンクトペテルブルク(ロシア)と場所がバラバラのせいですかね。大勢の観客が入ったスタンドは新鮮だったものの、まだスペイン国内でユーロの盛り上がりはない感じです。 え、代表もいいけど、日曜には1部昇格プレーオフの1stレグもあるんだろうって?いやあ、その通りで、それもラージョが準決勝で弟分仲間のレガネスを下したため、来季のマドリッド1部4チーム体制復活を懸けて、ジローナをまずはエスタディオ・バジェカスに迎えるんですよ。ただねえ、今度は時間の余裕があったため、システムエラーもなく、1時間半で25ユーロ(約3500円)のチケット1500枚を完売できた彼らだったんですが、その後になって、予期せぬ逆境が発生。というのも2019-20シーズンのアルバセテ戦で起きたウクライナ人選手ゾズリャをナチよばわりした野次への処分が協議委員会から通達され、主犯と見なされたブカネーロス(ラージョのウルトラ)が陣取っていたfondo sur(フォンド・スール/ゴール裏南側席)をこのジローナ戦では閉鎖しないといけないことになったから。 それはちょっと、スタジアムはバックスタンドが改装中で使えないだけに、前回のレガネス戦1stレグに増して、正面スタンドの密を生み出すんじゃないかと心配なんですが、チームの方ではプレーオフ準決勝で負傷したベベとサベリイッチが回復。W杯予選でペルー代表に招集されていたアドビンクラもコパ・アメリカには参加しないことになったため、戻って来ているんですが、正GKのディミトリエフスキの参加しているマケドニア代表のユーロ・グループリーグは21日まで続くため、この2試合もジダン監督の次男、ルカが守護神を務めることになります。 一方のジローナは準決勝でアルメリアを総合スコア3-0で破り、今度はエースのストゥアーニもケガが治って出場できるよう。選手の70%が代わっているとはいえ、昨季もプレーオフ決勝でエルチェに負けたフランシスコ監督もリベンジを誓っているはずですしね。日曜午後9時からの対戦は、果たしてどちらがアドバンテージを得られるのでしょうか。ちなみに決勝2ndレグは19日の土曜なんですが、バッチリ、スペインのグループ第2戦ポーランド戦と重なるのはともかく、昇格が決まっても場所はモンティリビ(ジローナのホーム)。2011年の昇格時にエスタディオ・バジェカスで私が目撃した、ピッチにファンが溢れかえるという光景だけは絶対ありえないのは、こんなコロナ流行の折りですし、いいことかもしれませんね。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している 21:44 Latest news: This morning we have spoken to Christian Eriksen, who has sent his greetings to his teammates. His condition is stable, and he continues to be hospitalized for further examination. The team and staff of the national team has received crisis assistance and will continue to be there for each other after yesterday's incident. We would like to thank everyone for the heartfelt greetings to Christian Eriksen from fans, players, the Royal Families from both Denmark and England, international associations, clubs etc. DANMARI We encourage everyone to send their greetings to the Danish FA, where we will make sure they are all passed on to Christian and his family. 2021.06.13 22:30 Sun
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ようやくスタジアムに人が戻った…/原ゆみこのマドリッド

「応援できてもファンにはゴールは入れられないのよね」そんな風に私が達観していたのは土曜日、マドリッド勢弟分同士のプレーオフ準決勝ガチンコ対決の2ndレグではブタルケに1500人が入れると読んだ時のことでした。いやあ、昨年6月に再開して以来、今季になってもずっと無観客試合が続いていたスペインリーガですが、5月半ばから、とうとう1部2部でもコロナ感染者の少ない州のスタジアムでファンの入場が解禁に。残念ながら、基準に達しなかったマドリッドは対象とならず、通常シーズンは無観客のまま終えたんですが、この1部昇格プレーオフではファンの入場が認められ、日曜開催となるレガネスなど、ファンの復帰に備えるプロモビデオまで作成する余裕があったんですけどね。 おまけにインターネットで予約を受け付け、abonado(アボナードー/年間チケット購入者)歴の長い順に割り当てたチケットは無料と至れり尽くせりだったんですが、いえ、大体がして、先週、ブタルケではコパ・デ・レイナ決勝のバルサvsレバンテ戦(4-2)が開催され、それも含めて女子の試合は今季ずっとキャパ制限ありの有観客。よって、その日も3000人以上のファンを迎えていたため、シートなどはもうキレいになっていたと思うんですけどね。ただ、いくらラージョのイラオラ監督が「今はホームチームのアドバンテージが本当にある。満員でなくても、無人のスタンドから、200人、300人のファンがいるようになるのは…La diferencia es muy grande/ラ・ディフェレンシア・エス・ムイ・グランデ(違いはとても大きい)」と言っていたとはいえ、レガネスが1stレグの差を覆すのはほとんど奇跡に近いのでは? とりあえず、まずは木曜にエスタディオ・バジェカスであった1stレグがどんな試合だったか、お伝えしていくことにすると、実はマドリッド当局が有観客を許可したのは当日のお昼頃で、それからラージョは大急ぎでチケットのオンライン販売を開始。ところが準備の時間があまりに短かったためか、3、4時間程の受付時間中にシステムが不具合を起こし、カードで25ユーロ(約3500円)のチケット代を払い込んだものの、確認メイルが届かないファンが続出したんですよ。私は早めにスタジアムに入っていたため、数十人のファンが列を作っているところしか見ていないんですが、キックオフ時刻間際にはもう大騒ぎになっていたようで、最後は皆、hoja de reclamacion/オハ・デ・レクラマシオン(クレーム用紙)に記入させられて、座席指定もなしで、874人のチケット購入者たちが、解放された正面スタンドになだれ込んでくることに。 もうこうなると、数席おきに座るソーシャルディスタンスも何もあったもんじゃありませんが、大丈夫。まだパラパラ人が入って来ていた前半は両チームとも慎重というか、不活発というか、スコアも0-0で終わります。でもねえ、最初は昨年3月8日のエルチェ戦以来の来場で、どこかぎこちなかったファンの応援がようやく、足並み揃ってきた後半30分近く、一気にラージョが畳みかけてきたから、ビックリしたの何のって。ええ、まずはイシのクロスをアルバロがゴール前から決めて先制すると、その3分後には途中出場していたベベがエリア前からシュートを撃って、2点目をゲット。それだけでもレガネスには大痛手でしたが、まさかロスタイムにもベベが接触プレーにより、肩を痛めたにも関わらず、根性で蹴った直接FKをGKリエスゴが弾ききれず、3点目を奪われているって、ファンの応援はそこまで影響ある? 実際、久々の有観客試合とあって、この日はスタジアムDJのゴールアナウンスも1点目、2点目はタイミングが何だか変で、3点目になって、ようやくちゃんと音楽とも合うようになった感じだったんですが、まったくねえ。シーズン最終節ではサラゴサに0-5とgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)を喰らわし、決定力が格段に改善されたかのように見えたのも空しく、前日の準決勝ジローナvsアルメリア戦同様、レガネスも1stレグで3-0という、かなり決定的に近い敗北を喫してしまうとは。 うーん、アシエル・ガリターノ監督は「Si ellos han podido marcar tres goles en 90 minutos, ¿por qué no nosotros?/シー・エジョス・アン・ポディードー・マルカル・トレス・ゴーレス・エン・ノベンタ・ミヌートス、ポル・ケ・ノー・ノソトロス(相手が90分で3ゴール入れられたのなら、何故、ウチにできないことがある?)」と言っていましたけどね。おまけに日本人ファンにとってはショックなことに、肉離れから回復して、先週末のサラゴサ戦で途中出場した柴崎岳選手はこの日、ベンチにも入っておらず。「いい感触じゃなかった」とガリターノ監督は説明していたんですが、どうやら日曜午後9時(日本時間翌午前4時)からの2ndレグにも出場できないよう。 せっかくのレガネスファンの前で初めてプレーを披露できるチャンスだっただけに、きっと当人も残念に思っているはずですが、こればっかりはねえ。ラージョの方もベベが出場できそうにありませんが、土曜にはやはり、1stレグの3点差を引っくり返せず、スコアレスドローでアルメリアが敗退。13日と20日に行われるプレーオフ決勝はジローナとラージョの対戦になりそうな気配ですが、一寸先が読めないのがサッカーですからね。総合スコアで同点となった場合、延長戦はあっても、PK戦にはならず、リーガを上位で終えたレガネスが勝ち抜けるという規則も今季はあるようですし、果たしてブタルケでの決戦がどうなるのか、私も結末を見届けに行くつもりです。 え、それで金曜にはワンダ・メトロポリターノでも待望の有観客試合があったんだろうって?その通りで、いやあ、事前にお許しが出たのはキャパ30%の2万人だったんですが、30ユーロ(約4000円)からという、スペイン代表戦にしては高額なチケットが仇となったんですかねえ。表向きは当局から、1万5000人にするようにと言われたからだそうですが、もしや完売できずに観客の人数を減らした?ワンダはバジェカスより、ずっとスタンドが広いおかげもあって、私も左右に2シートずつ、空席のある状態で密を気にすることなく、コーナー寄りのピッチに近い位置で観戦できたんですが、普段、座っている3階のプレス席とは臨場感が雲泥の差。 折しも前日にはスロベニアでU21ユーロ準決勝を戦ったスペインがクエンカ(アルメリア)のオウンゴールでポルトガルに0-1と負け、奇しくも兄貴分が2016年最後のユーロ王者に親善試合でリベンジに挑むのをこんなかぶりつきで見られるのかとワクワクしたんですが、まあ、現実はそう甘くないですよね。ご当地選手のコケが蹴りに来るだろうと楽しみにしていたCKは当人が先発しなかったため、代わりにサラビア(PSG)やチアゴ・アルカンタラ(リバプール)が担当しているし、スタメンだったマルコス・ジョレンテも右SBに任命されて、前半は対角線上の遥か彼方でプレー。ポルトガルでもジョアン・フェリックスは前線左サイドと全然、アトレティコの選手たちが自分のいる側に現れないんですから、まったくツイていない。そこへクリスチアーノ・ロナウド(ユベントス)へのpito(ピト/ブーイング)ばかりが耳についた45分間、両者無得点で終わってしまっては、やはりまだ、久々の応援に慣れていなかったファンたちが盛り上がるキッカケを掴めないのも仕方なかった? それも22分、CKからフォンテ(リール)のヘッドによるゴールがファールで認められなかったための不幸中の幸いの結果だったんですが、ジョアンがポテ(スポルティングCP)に代わった後半もゴールは双方、遠かったですねえ。スペインはモラタ(ユベントス)、フェラン・トーレス(マンチェスター・シティ)、サラビアと前線のシュート精度が悪く、ロナウドも先日、レアル・マドリーの指揮官に復帰したアンチェロッティ監督が「クリスチアーノはキャリアの末期にあるのかと記者に尋ねられた時、そうだと言ったよ。何せ、今季はたった35ゴールしか入れてなくて、リズムが落ちているからね」と話していたのは単なるジョークですが、1対1になれる絶好機でボールコントロールに失敗してシュートできないとか、確かに往年の迫力はなかったかと。 結局、サラ(リーガで最多得点を挙げたスペイン人選手)のジェラール・モレノ(ビジャレアル)は終盤、入ったものの、ユーロではスタメンと予想されているダニ・オルモ(ライプツィヒ)には出番がなく、ロスタイム、最後のシュートもモラタがゴールバーに当ててしまい、そのまま試合は0-0で終了。いやあ、その際、親善なのにファンたちが「Echale huevos/エチャレ・ウエボス(根性見せろ)」と歌っていると思いきや、メロディが同じなだけで、「Morata qué malo eres/モラタ・ケ・マロ・エレス(モラタ、お前は何て下手なんだ)」と言っていたとは、いやはや。うーん、確かにアトレティコ時代にもここぞというシーンで彼がシュートを外してしまうことに頭にきていたファンがいるのも想像に難くないですが、それはダメですよ。 ルイス・エンリケ監督も「90分プレーした後、40メートル走って、GKもかわしたのに、枠に当てるという不運に見舞われた。Es para levantarse y ponerse a aplaudir/エス・パラ・レバンタールセ・イ・ポネールセ・ア・アプラウディル(これは立ち上がって拍手するべきところ)」と苦言を呈していましたが、ま、そういうのもスタンドが埋まったことによる諸刃の剣。ファンにも結構なお代を払って来たのにゴールが生まれず、歓喜を爆発させる機会がなかったフラストレーションがあったかもしれませんしね。多分、セビージャ(スペイン南部)のカルトゥーハでプレーするユーロのグループリーグでは皆、一体となって、スペインを応援してくれるはずなので、大丈夫だと思いますが、代表戦でまでゴール日照りを見せられたのは私もちょっと残念でしたっけ。 そして翌土曜には控え選手中心の練習をラス・ロサス(マドリッド近郊)のサッカー協会施設でやった後、選手たちは日曜夜までオフに。一応、コロナ感染予防のバブル方式で合宿しているんですが、家族との面会などはできるようです。次は火曜午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)から、ブタルケでリトアニアとの親善試合が組まれているんですが、ポルトガル戦で代表デビュー。後半34分にディエゴ・ジョレンテ(リーズ)に代わるなど、ケガが心配されていた、このユーロのためにスペイン国籍を取ったフランス人のラポール(マンチェスター・シティ)も「Llevaba tiempo sin jugar y he pedido el cambio por precaución/ジェババ・ティエンポー・シン・フガール・イ・エ・ペディードー・エル・カンビオ・ポル・プレカウシオン(しばらくプレーしていなくて、用心のために交代を頼んだ)」とのことで、問題はないのは朗報だったかと。 その他、金曜の試合には調整が間に合わなかったアダマ・トラオレ(ウォルバーハンプトン)も次は出られそうですし、とりあえず、リトアニア戦には快勝して、本番を迎えてほしいところ。ちなみにラポールの交代要請のため、ピッチに入るのを見送られたGKロベルト・サンチェス(ブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオン)とここ7試合、デ・ヘア(マンチェスター・ユナイテッド)を差し置いて、先発を務めているGKウナイ・シモン(アスレティック)はオリンピック代表候補にもなれる年齢で、U21ユーロが早く終わったデ・フエンテ監督は大人のユーロでプレーしなかった方を日本での戦いに呼ぶ意向とか。いやあ、こうも大会が多いとバケーションを取りっぱぐれる選手が出てきそうで、ちょっと心配ですね。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している 2021.06.06 22:45 Sun
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シーズンは終わっていなかった…/原ゆみこのマドリッド

「またZoom会見なんだ」そんな風に私がガッカリしていたのは火曜日、ジダン監督の後任がアンチェロッティ監督(昨季はエバートンを指揮)に決まったというレアル・マドリーからのメイルを読んだ時のことでした。いやあ、先週から筆頭候補がアッレグリ監督(ユベントスに復帰)、コンテ監督(インテルを退団)、ポチェッティーノ監督(現PSG)とコロコロ変わり、2013-15年にチームを率いた彼の名前が挙がったのはそれこそ、火曜の朝だったんですけどね。前日にはカンプ・ノウでアグエロ(マンチェスター・シティとの契約が満了)の入団プレゼンがマスコミ在席で行われていたため、そろそろマドリーのイベントもコロナ前のように現場で見られるようになるんじゃないかと期待したんですが、まあ、そうですよね。 だってえ、サンティアゴ・ベルナベウは昨年から始まった全面改装の真っ只中で、来季は一応、9月ぐらいから試合に使えるようにするようですが、完成は2022年夏の予定。今はミュージアムぐらいしか残っておらず、簡易ステージを設けるスタンドすらありませんからね。3年契約を結んだアンチェロッティ監督がbufanda(ブファンダ/マフラー)を掲げてポーズするピッチもないとなれば、会見がバルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場で行われるのも頷けますが、何せ、あそこは車を持っていない者にとってはメトロの最寄り駅から徒歩30分と、不便極まりない立地。 おまけにスペイン各メディアのマドリー番記者はスペイン代表番を兼ねていることが多いため、それこそ、前回、2017-18シーズン終了後にジダン監督が電撃辞任した日など、W杯前合宿が始まっていたラス・ロサス(マドリッド近郊)のサッカー協会施設で皆、右往左往していたものですが、ネット経由で質問できるとなれば、移動の手間が省けるだけ、むしろ親切と言っていい? ついでに言えば、もうマドリーの試合はなく、まだ6月末に切れる契約の延長もしていないにも関わらず、ユーロに参加するスペイン代表にも招集されない原因となったケガのリハビリにセルヒオ・ラモスはいまだに毎日、バルデベバスに通勤。アンチェロッティ監督も直接、顔を見て、2013-14シーズンのCL決勝後半ロスタイムに殊勲の同点ゴールを決め、最後は延長戦でお隣さんを破って、栄えあるDecima(デシマ/10回目のCL優勝のこと)をクラブにもたらした英雄と将来の見通しについて話し合えるのもいいかもしれませんよね。 え、それより月曜にはジダン監督のお別れの手紙というか、契約を1年残して、辞任した理由を説明する書簡をAS(スポーツ紙)が掲載して、結構、騒ぎになっていなかったかって?そうですね、「Me voy, pero no me tiro del barco y no estoy cansado de entrenar/メ・ボイ、ペロ・ノー・メ・ティロ・デル・バルコ・イ・ノー・エストイ・カンサードー・デ・エントレナル(自分は出て行くが、船を下りた訳じゃないし、監督をするのに疲れた訳でもない)」という彼は、その理由をここ数カ月、中長期的にチームを成長させるための信頼や支持が欠けていたせいと、クラブとペレス会長を告発。 とりわけ、昨年の冬、CLグループリーグ敗退の危機や首位アトレティコとの距離がどんどん開いていった頃、次の試合で負けたらクビみたいな噂が、意図的にクラブ内の誰かによって流されたことに心を痛めていたようですが、うーん。似たような話はいつぞや、バルトメウ会長のいた頃、バルサのピケなどからも聞いたような気がしないでもなし。とにかくビッグクラブは内部関係が複雑で、もちろん、アンチェロッティ監督みたいなベテランになると、酸いも甘いもわかっていると思いますが、何せ、延べ60人に及ぶ負傷禍のせいもあったものの、シーズン終盤は30代のベテランたちとRMカスティージャ(マドリーの下部チーム)の助っ人頼りになってしまった昨季を反省して、この夏はチームの人事刷新もしないといけませんからね。 一応、移籍金1憶ユーロ(約134億円)のギャラクティコとして入団して2年、ケガ続きで、チェルシー時代の実力を発揮できなかったアザールなど、現在、参加中のベルギー代表合宿から、「マドリーからは出て行かないよ。あと3年、契約があるし、自分が100%になれば、沢山、チームに貢献できる」と残留をアピールしていましたが、どうやら、リーガ最終節を欠場した太ももの痛みはまだ消えていないよう。6月1日に発売となった新ユニフォームのビデオでモデル出演していたマルセロ、アセンシオらも先行きはわかりませんしね。補強選手第1弾としては金曜にDFアラバ(バイエルンとの契約が満了)との5年契約が発表されましたが、入団プレゼンはユーロの後。何にしろ、このオフシーズンはマドリーの動きに注意していた方が良さそうです。 え、同じ監督交代組でもマドリッドの弟分、ヘタフェはミチェル新監督のプレゼンを月曜にコリセウム・アルフォンソ・ペレスのプレスルームにマスコミを入れてやったんだろうって?その通りで、私も10年ぶりの復帰とあって、つい駆けつけてしまったんですけどね。嬉しかったのは、同席したアンヘル・トーレス会長も「Míchel es de los que juega con la cabeza/ミチェル・エス・デ・ロス・ケ・グエガ・コン・ラ・カベッサ(ミチェルは頭を使ってプレーする監督)。ウチには2つのモデルがあって、どちらも有効だった。キケ・サンチェス・フローレス、ラウドルップ、シュスター、ミチェルは頭を使うタイプ。もう1つの足を使うタイプの監督はチームを5位に導いた(ボルダラス監督のこと)」と言っていたように、来季は昔のようにいいプレーをするヘタフェが見られそうなこと。 ただ、クラブ2度目のEL出場も遂げた第1期の後、セビージャ、オリンピアコス、オリンピック・マルセイユ、マラガ、UNAMプーマス(メキシコ)などで経験を積み、「Soy mucho más entrenador ahora que antes/ソイ・ムーチョ・マス・エントレナドール・アオラ・ケ・アンテス(今の自分は前より、もっといい監督になっている)」というミチェル監督の下で再び、久保建英選手やアレニャのレンタル移籍が叶うかは今のところ、まだ不明。「A mí me gustan los buenos jugadores/ア・ミー・メ・グスタン・ロス・ブエノス・フガドーレス(私はいい選手が好きだ)が、補強はクラブ次第」と当人も言っていたように、こればっかりは貸し出し元のクラブや選手の都合もあるため、かなり夏も深まってからでないとわからないかと。 その他、昨季の主力16~17名は原則的に契約破棄金額を積まれない限り、放出するつもりはないとアンヘル・トーレス会長は話していたんですが、翌火曜には契約満了だったFWアンヘルが延長のオファーを蹴って、退団を発表。彼ももう34才とはいえ、昨季は39才のホルヘ・モリーナがグラナダに移籍してEL、コパ・デル・レイ、リーガと大車輪の活躍。15ゴールも挙げていますし、次のクラブでもまだまだ頑張れるのでは?ああ、そうそう、ヘタフェも毎年夏の恒例、メンテナンス工事により、ミチェル監督のピッチでのポーズはなしで終わったのはちょっと、兄貴分と似てますでしょうか。 そしてマドリッド南部のお隣さん、先週末、リーガ2部の全節が終わったレガネスについても伝えておくと、彼らは日曜の統一時間帯の試合でサラゴサに0-5と大勝。ケビン・ブア、フアン・ムニョスの2発、ルーベン・パルド、デ・ラ・フエンテがゴールを挙げて、しっかり3位を確保しただけでなく、肉離れでプレーオフ決勝に間に合えば御の字と言われていた柴崎岳選手も途中出場で復帰したという朗報が。ただ、恐れていた通り、プレーオフ準決勝が弟分対決になってしまい、いえ、もちろん、最終節でルーゴに0-1と負けながら、スポルテイング・ヒホンもアルメリアに屈してくれたため、ラージョが6位に留まれたのはラッキーだったんですけどね。 アルコルコンに1-0で負け、第3のマドリッド2部勢の残留を助けたエスパニョール、続く2位で終わったマジョルカに加え、8月半ばから1部でプレーできる枠はあと1つだけ。よって、今更、嘆いても仕方ないんですが、木曜午後9時からのエスタディオ・バジェカスでの1stレグでは、私もラージョを応援すべきか、レガネスを応援すべきか、大いに迷うところかと。ちなみにアシエル・ガリターノ監督のチームは柴崎選手も日本代表に呼ばれなかったとあって、抜けるメンバーはいないんですが、イラオラ監督には正GKディミトリエフスキがユーロに初出場するマケドニアに、アドビンクラもW杯予選でペルーに招集されるという逆境が。 一応、GKの方は3試合前から、ジダン監督の次男、控えのルカが腕慣らしに出場しており、心配はなさそうですが、さて。こちらの2ndレグはブタルケで日曜に開催。決勝はジローナvsアルメリア戦の勝者と13日、20日に戦うことになりますが、アルメリアのクエンカも現在、スペインU21代表に呼ばれていたりと、各国代表選手の多い2部チームは何だか、割を喰っているような。ちなみにハンガリー・スロベニア共催のU21ユーロ、3月開催のグループリーグに続いて、決勝トーナメントに参加しているスペインはモンカジョラ(オサスナ)がコロナ陽性となり、土曜まで全員揃って練習ができなかったハンディキャップにめげず、月曜にはクロアチアを延長戦で2-1を破り、ポルトガルと当たる木曜の準決勝に進出。 殊勲の2ゴールを挙げたプアドなども早々にエスパニョールの1部昇格が決まっていたからいいようなものの、争っている最中でラスト2試合離脱とかいう破目になっていたら、大変でしたけどね。このU21ユーロ、マドリッド勢からはヘタフェのククレジャ、モンカジョラの代わりに追加招集されたRMカスティージャのブランコが加わっているだけですが、先週水曜にEL決勝が終わるやいなや、祝賀行事に加わることせずにビジャレアルのジェレミー・ピノ、フェル・ニーニョも合流。リーガが終わっても止まらない、この過密日程、ちょっと可哀そうですよね。 え、だからコケは月曜から、ラス・ロサスで始まったA代表ユーロ合宿にマイベッドを持ち込んだのかって?いやあ、サッカー協会のメディアセンターで火曜にあった選手記者会見で、リーガ優勝したアトレティコのキャプテンだから何だか、先陣を切った当人によると、自宅で使っているHogo社製の高機能マットレスだと疲れが取れるからだそうですが、実は他にも同僚のマルコス・ジョレンテ、ユベントスにレンタル移籍中のモラタ、ラモスの非招集を受けて、速攻スペイン国籍取りをしたラポール、火曜にはカンプ・ノウで入団プレゼンを終えたエリック・ガルシアのマンチェスター・シティの2人も持ち込むなど、今回のヨーロッパ11都市で広域開催されるユーロのグループリーグ中、スペインはずっと協会の宿泊施設に滞在。 当初、ビルバオ(スペイン北部)のサン・マメスでグループリーグ開催だった予定がセビージャ(同南部)のカルトゥハに代わっただけなので、14日のスウェーデン戦、19日のポーランド戦、23日のスロバキア戦までは前日移動、試合後帰京を繰り返すため、ラス・ロサスにいる時間が長いのは確かですけどね。普通のユーロやW杯なら、開催国付近のキャンプ地で合宿するなど、メリハリがつけられるんですが、ユーロ開幕前の足慣らしとしてプレーする金曜午後7時30分(日本時間翌午前2時30分)からの親善試合、ポルトガル戦もワンダ・メトロポリターノとなると、ここはいっそ、どっぷりお家気分に浸ってしまおうということ? ポルトガルにはジョアン・フェリックスもいるとあって、今回はマドリッド当局がキャパ30%程度の有観客を許可、2万人分のチケットが代表オフィシャルウェグで売り出されたため、つい私も買ってしまったんですけどね。日本のクレジットカードが使えず、あたふたしているうちにタイムアウトしてしまうなど、不慣れなせいでドタバタしたのはともかく、値段が35ユーロ(約5000円)から60ユーロ(約8000円)と通常の代表戦に比べ、かなりの高額設定だったのはやっぱり、人数が少なくても同じ入場料収入を協会が得たかったからでしょうか。 その一方で月曜夕方に16人で練習を始めた代表には、火曜にEL王者ビジャレアルのジェラール・モレノ、パウ・トーレス、同敗者、マンチェスター・ユナイテッド11人目キッカーとして決められず、PK戦で涙したGKデ・ヘアも到着。水曜にはCL決勝組、先週末にはポルトでキャプテンとしてトロフィーを掲げたチェルシーのアスピリクエタ、ベンチでマンチェスター・シティがまるで16強対決のアトレティコのように、もしくは準決勝のマドリーのように、トゥヘル監督自慢の鉄壁の守備を崩せず、ハバーツのゴールで0-1と負けてしまうのを揃って見守るしかなかったロドリ、フェラン・トーレス、ラポール、エリック・ガルシアも合流しますが、ホント、代表って、昨日の敵は今日の友という言葉がピッタリですよね。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している 2021.06.02 23:15 Wed
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まずは監督が動いた…/原ゆみこのマドリッド

「ちょっと時間かかるのかもね」そんな風に私が達観していたのは金曜日、ジダン監督が来季続投しない旨の発表があってから、刻々と後継候補の名前が変わっていくのに気づいた時のことでした。いやあ、先週末の土曜、アトレティコのリーガ優勝が決まり、レアル・マドリーが今季、無冠で終わることになったすぐ後には辞任宣言があるんじゃないかと言われていながら、結局、クラブの公告が出たのは木曜と少し間が空いたんですけどね。丁度、前日まで、候補一番手に挙げられていたアッレグリ監督がユベントスに戻ることが決まり、いきなりポッチェティーノ監督が浮上してきたところ、これも翌日になると、まだPSGとの契約が1年残っているのが障害に。 その間、2番手として、インテルを退団したコンテ監督、3番手以降に今季はRMカスティージャ(マドリーの2番目のチーム)を2部昇格プレーオフまで導いて、準決勝敗退してしまったラウール監督、同様にレアル・ソシエダBを率いて、こちらは見事、2部昇格を果たしたシャビ・アロンソ監督と名前は挙がっているんですが、若い2人にはまだ1部チームでの経験がないということで、あまりオッズは高くないよう。アラバ(バイエルンを契約満了で退団)の加入はさくさく発表されたものの、後任監督の方はすぐには決まらなさそうですが、対照的に変わり身の早さを見せてくれたのがマドリッドの弟分のヘタフェでした。 ええ、こちらは水曜にボルダラス監督のお別れ会見があり、彼はチームが2部にいた時に赴任し、そのシーズン中に1部復帰を達成。そこから4シーズン、今季こそ、あと1試合を残してようやく残留決定という苦しい戦いを余儀なくされたものの、2年前にはリーガ5位となり、昨季はEL32強対決でアヤックスを破る波乱を起こすことに。コロナによる中断をはさんだ後は16強対決でインテルに敗れて敗退、リーガも最終節でグラナダにEL出場枠を奪われるという残念な結果になってしまいましたが、満は持したか、いよいよ、格上のチームにチャレンジする時が来たようです。 それも「Todavía no hay nada cerrado definitivamente/トダビア・ノー・アイ・ナーダ・セラードー・デフィニティバメンテ(まだ何も完璧に決まったことはない)」と当人が会見で言いながら、翌日にはもう、メスタジャでプレゼン。「Vengo a intentar mejorar al Valencia/ベンゴ・ア・インテンタール・メホラル・アル・バレンシア(私はバレンシアをより良くするために来た)」と抱負を述べていましたが、いえいえ、ヘタフェだって負けていませんよ。 そう、アンヘル・トーレス会長は来週月曜頃までには後任をと言っていたんですが、もう翌日には2009年から11年までヘタフェを率いていたミチェル監督の復帰を発表。いやあ、最初に赴任したのはシーズン途中の4月で、RMカスティージャの監督を辞めた後、マドリーの役職からも離れ、フリーだった頃にはよくコリセウム・アルフォンソ・ペレスの側にある練習場に当時、在籍した息子のアドリアン(現サラゴサ)を見に来ていたため、チームの不調の折り、会長から、ビクトル・ムニョス監督の後任をやらないかと声が掛かったなんて話もあったんですけどね。 そのシーズンは17位で1部残留を果たし、翌年は6位となって、クラブを2度目のEL出場に導いてくれた監督ですし、その後もオリンピアコス、オリンピック・マルセイユ、マラガなどで経験を積んできましたからね。結構、期待できるんじゃないかと思いますが、何より、当人は「El Getafe siempre ha sido un equipo que ha jugado bien/エル・ヘタフェ・シエンプレ・ア・シードー・ウン・エキポ・ケ・ア・フガードー・ビエン(ヘタフェは常にいいプレーをするチームだった)。ボルダラス、シュステル、キケ・サンチェス・フローレス、ラウドルップ、私の下でさえもね」と言っていたものの、おそらく、1部でのここ4シーズン、しょっちゅう誰かがピッチに倒れているのがコリセウム・アルフォンソ・ペレスの日常。少なくとも20チーム中、どこよりファール数が多いという悪評は払拭できるのでは? 加えて、まだコロナもクラブの規制もほとんどなかった頃、私がよく見学に行っていた時代のミチェル監督のチームは練習時間も1時間程と、毎日3時間、みっちりトレーニングしていたボルダラス監督時代より、楽になりますしね。そしたら久保建英選手ももう1年、レンタル移籍を検討してもいい気になってくれる?一方でバレンシアへ行ったボルダラス監督も今は嬉しいでしょうが、何せ、あちらは昨季、フェラン・トーレス、パレホ、コケラン、ロドリゴ、チェリシェフ、ガメイロ、マンガラ、コンドグビアら、大量15選手を放出しながら、補強をしてもらえず、ハビ・ガルシア監督が10月には1度辞意を表明するという、訳ありのチームですからね。 その時は契約破棄金の300万ユーロ(約4億円)が払えず、残留したものの、最後は5月に伝家の宝刀、クラブ職員のボロ氏が7回目の代理監督出動となって、ようやく13位で終了。この夏もそんなに新戦力は来なさそうですが、え、今週は河岸を変えて大成功した選手を見ることができじゃないかって?その通りで、この水曜にはEL決勝があったんですが、バレンシアから移籍したパレホとコケランがいるビジャレアルがマンチェスター・ユナイテッドに勝っちゃったんですよ。何せ、相手は32強対決でレアル・ソシエダ、準々決勝ではグラナダを共に総合スコア0-4で下して、スペイン勢の天敵になっていましたからね。私もあまり期待はしていなかったものの、一応、近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)に足を運んだところ…。 いやあ、さすがセビージャ時代、前人未踏のEL3連覇を達成したウナイ・エメリ監督と言いますか、彼らはプレミアリーグ2位の強豪相手に先制点を許さず。それどころか、前半29分にはパレホの蹴ったFKを今季のサラ(スペイン人選手の中でのリーガ得点王)であるジェラール・モレノが押し込んで、ゴールを奪ってしまったから、ビックリしたの何のって。ただ、そのリードは後半10分、CKから始まったプレーでラッシュフォードのシュートがペドラサに当たり、こぼれたボールをカバーニに決められて、水の泡となってしまいましたが、やっぱりこの決勝はファンの入場が認められたのが大きかった?ロイグ会長こそ、コロナ感染後、PCR検査陰性となってからまだ日が浅いという理由でUEFAに門前払いされ、即日、グダニスク(ポーランド)からUターンしていたものの、初の決勝出場に張り切って応援に駆けつけた2100人の黄色をまとったサポーターがスタンドから大声援。 そのおかげもあったか、後半の残りを無得点で凌ぐと、延長戦でも耐えて、とうとうPK戦に突入したのはいいんですが、いやあ、凄いもん見ちゃいましたよ。だってえ、先行のビジャレアルがジェラール・モレノ、ラバ、パコ・アルカセル、アルベルト・モレノ、パレホの5人が成功した後、それまでマタ、テレス、ブルーノ・フェルナンデス、ラッシュフォードが入れていたマンチェスター・ユナイテッドも5人目カバーニがしっかり決めて、勝負はサドンデスに。ここまでは監督に選ばれた信頼できるキッカーだったため、理解はできるとはいえ、その後もモイ・ゴメス、「Desde infantiles no tiraba un penalti/デスデ・インガンティレス・ノー・ティラバ・ウン・ペナルティ(年少チームの時からPKは蹴っていない)」アルビオル、コケラン、マリオ・ガスパル、パウ・トーレス、そしてGKルリまで、延長戦後半終了時に出ていた11人全員が成功しているんですよ。 同時に相手もフレジ、ジェームス、ショー、トゥアンゼベ、リンデロフと皆ゴールで、いよいよ最後はGKデ・ヘアの番。その時はもし、これで決まらなかった、次は控え選手が蹴るのだろうかとか、選手が尽きたら、コーチングスタッフが蹴るんだろうかとか、何せ、こんな延々と続くPK戦、初めて見ましたからね。かなり混乱していた私だったんですが、正解は「Estaba preparado por si marcaba De Gea y me tocaba volver a tirar/エスタバ・プレパラードー・ポル・シー・マルカバ・デ・ヘア・イ・メ・トカバ・ボルベル・ア・ティラール(デ・ヘアが決めた時に備えて、もう1回、蹴る準備をしていた)」(ジェラール・モレノ)。 そう、最初のキッカーに戻るはずだったんですが、大丈夫。「生まれて初めてPKを蹴ったよ。Pensé pegarle fuerte y que entre/ペンセ・ペガールレ・フエルテ・イ・ケ・エントレ(強く蹴ることと決めることだけ考えてた)」というルリがチームの11本目を決めた後、GKデ・ヘアのPKを弾いてくれたため、ビジャレアルがEL初優勝を遂げることに。いやあ、先日、スペインの警戒事態が終了し、バルの営業時間が24時まで伸びていたおかげもあって、私も最後まで時計を気にせず、見られたのも嬉しかったんですけどね。ちょっと心配なのは、ここ5年間、40本PKを撃たれて1本も止めていないデ・ヘアの立場で、スールシャール監督も前日練習ではPK戦の際にGKをディーン・ヘンダーソンに代えることも検討したそうですが、まさか蹴る方で失敗されてはねえ。 大体がして、アトレティコ系の選手はPK戦にツキがなく、2016年ミラノでのCL決勝では5人目にファンフランがゴールポストに当てて、優勝をお隣さんに譲ったり、2020年のスペイン・スーパーカップ決勝でもサウール、トマス(現アーセナル)が立て続けに失敗。マドリーに4-1でPK戦に負けていたり、そういえば、来週月曜にラス・ロサス(マドリッド郊外)のサッカー協会施設で始まるスペイン代表合宿で元同僚のデ・ヘアと再会するコケも2018年W杯16強対決ロシア戦のPK戦ではイアゴ・アスパス(セルタ)と共に失敗し、スペインの早期敗退の原因を作っていたりしますからね。その辺を思うと、「今年はPK練習をしなかった。Ha sido increíble y maravilloso que todos marquen/ア・シードー・インクレイブレ・イ・マラビジョーソス・ケ・トードス・マルケン(全員がゴールにするなんて信じられないし、素晴らしいことだ)」という、自身4度目のEL戴冠をしたエメリ監督の言葉ももっともだったかと。 ついでに言えば、翌日、ビジャレアル(スペイン西南部の町)に帰還したチームはオープンデッキバスに乗って、市内を祝勝パレードしていたのに、どうしてアトレティコはリーガ優勝でさせてもらえなかったのかとか、小さな文句はあるんですけどね。何にしろ、これで最終節ではマドリーに土壇場逆転負けを喰らい、7位でコンフェレンス・リーグ(来季から始まるUEFA第3の大会)に出場するはずだったビジャレアルも晴れてCL出場が決定。スペインはCLに5チーム参戦となり、コンフェレンス・リーグに行くパイオニアはなくなりましたっけ。 まあ、そんなこんなでこの先は土曜に、やはりスペイン代表ユーロ組であるマンチェスター・シティのロドリ、チアゴ・アルカンタラ、エリック・ガルシア、ラポール、チェルシーのアスピリクエタが出場するCL決勝があったりするんですが、要はイングランド勢同士の対戦ですからね。ジュラール・モレノ、パウ・トーレスとデ・ヘアのように吉凶、大きく分かれて、代表に来るのもちょっと何ですが、中にはジュレミー・ピノとフェル・ニーニョのようにグダニスクからマドリッドに直行。祝賀行事をスルーして、スペインU21代表に合流しないといけなかった気の毒な選手も。 ちなみにこちらは来週月曜から、ハンガリー・スロンベニア共催ユーロの決勝トーナメントがあり、3月にグループリーグを突破したスペインはマリボルで準々決勝クロアチア戦をプレーすることになっています。水曜にはコロナ陽性を出したモンカジョラ(オサスナ)に代わり、シーズン終盤、ジダン監督に頼りにされたRMカスティージャのブランコが追加招集されたため、ようやくマドリーの選手が弟分の方とはいえ、6月のスペイン代表に名前を連ねることができたのは良かったかと。U21ユーロは3日に準決勝、6日に決勝と進んでいくんですが、11日に開幕する大人のユーロ2020前には、A代表も4日にワンダ・メトロポリターノでポルトガル戦、8日にはブタルケでリトアニア戦と親善試合を開催。リーガは最後まで無観客だったマドリッドながら、キャパ30%の観客の入場が認められたのは、ファンにとって、いいニュースですよね。 え、それより今週末はいよいよリーガ2部にも決着がつくんだろうって?その通りで、日曜午後9時からの統合時間帯では8試合が開催。すでに1、2位で1部直接昇格するのはエスパニョールとマジョルカに決まっているんですが、3位から6位のプレーオフ出場はレガネス、アルメリア、ジローナが確定しているものの、順位は動く可能性があります。最後の一席はラージョとスポルティングの争いで、うーん、両者の差は勝ち点2あって、一応、マドリッドの弟分の方が有利ではあるんですけどね。ラージョの相手のルーゴは残留が懸かっていて、スポルティングの相手はプレーオフ組のアルメリアという辺りがちょっと、気にはなるところでしょうか。 ちなみに最近、イラオラ監督は正GKディミトリエフスキがプレーオフ時にユーロ初出場のマケドニア代表に招集されるのを見越して、ルカ・ジダンを使っているんですが、もしかしたら、エスタディオ・バジェカスに息子の勇姿を見に、ジダン監督が現れるなんてこともある?何せ、前回、マドリー監督を辞任した後の夏は、ラージョ・マハダオンダ(当時は2部、ラージョ・バジェカーノと兄弟関係ではない)でプレーする長男エンツォを見に、レガネスとのプレシーズンマッチ観戦に来ていたなんてこともありましたからね。当人が最後にマスコミに捕らえたのはバルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場に私物回収と挨拶に訪れた水曜でしたが、今回はお別れ会見もありませんでしたし、何か妙に呆気なく去ってしまったと思うのは私だけでしょうか。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している 2021.05.29 19:00 Sat
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宴の週末だった…/原ゆみこのマドリッド

「これはショックでしょうね」そんな風に私が同情していたのは月曜日、お昼に始まったユーロ大会用スペイン代表招集リスト発表の中継で、ルイス・エンリケ監督がセルヒオ・ラモスを呼ばないと知った時のことでした。いやあ、確かに1月にスペイン・スーパーカップ準決勝でヒザのケガをしてからの彼は散々で、手術などのせいもあって、今年になってからの出場はたったの5試合。3月のW杯予選でもあまりプレーしておらず、ようやくレアル・マドリーのベンチに戻った最終節もスタンドで応援しているだけだったんですけどね。 それを考えると、6月14日のユーロ・グループリーグ1節のスウェーデン戦までに完調になれるか、ルイス・エンリケ監督が不安になるのもわからなくないんですが、ここまでW杯、ユーロに7大会連続出場。スペイン代表最多出場記録の180試合を更新して、エジプト代表のアハマド・ハサンが持つ世界記録の184試合に到達するのを楽しみにしていた当人にはまったく、想定外のことだったかと。 え、それより今回のリストにマドリーの選手が1人もいない方がビックリじゃないかって?そうですね、常連の右SBカルバハルも今季は負傷続きで、現在もリハビリ中。アセンシオ、イスコも落選し、ジダン監督の下で立派にラモス不在を補ったナチョもルイス・エンリケ監督のお眼鏡には叶わなかったんですが、そのラモスと同い年のヘスス・ナバス(セビージャ)も呼ばれず、お隣さんのマルコス・ジョレンテを右SB要員として、招集するのはちょっとムリがない?一方、ライバルのバルサからはブスケツ、ジョルディ・アルバ、そして18才のペドリが招集されたんですが、このユーロでの最大派閥はロドリ、フェラン・トーレス、エリック・ガルシア、最近、2重国籍を取得したフランス人ラポールの4人が招集されたマンチェスター・シティ。 その彼らにはまだ今週土曜にCL決勝があって、久々に代表に戻ってきた左右のSBをこなすアスピリクエタのいるチェルシーと激突とか、その前の水曜にはEL決勝でジェラール・モレノとパウ・トーレスが代表入りしたビジャレアルとGKデ・ヘアのいるマンチェスター・ユナイテッドが対戦とか、いやもう、リーガが先週末に終わって、私もゆっくりできるかと思ったんですけどね。コロナ禍によるシーズンの中断があった昨季のせいで、9月に遅れて始まるなど、今季は特に押せ押せの過密日程が続いたんですが、どうやらまだまだ、ファンも休めないというか…いえ、ホント、実際に体を動かさないといけない選手たちにしてみたら、たまったもんじゃないと思うんですが…。 まあ、代表についてはまた後日、お話しするとして、今はシーズンの決着がついた土曜のリーガ最終節がどうだったか、お伝えしていくことにすると。順位の懸かったカードが行われる統一時間帯の午後6時、私はエスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノ(RMカスティージャのホーム)にいたんですが、もちろん、この日も頼りはオンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)の2元中継。お昼のニュースでは、すでに大勢のアトレティコファンがバジャドリッド(マドリッドから北へ電車で1時間、車で3時間弱の町)のマジョール広場を闊歩している映像など届いていて、彼らはキックオフ前にはホセ・ソリージャに隣接した駐車場に移動して、外から応援をしていたんですけどね。何かこれ、去年、CL16強対決2ndレグでアトレティコファンが大挙した結果、コロナ感染が広がったとリバプール当局から告発された二の舞にならない? ちなみにスコアの方も先に動いたのはホセ・ソリージャだったんですが、それは前半18分、CK攻撃をクリアされた流れからカウンターを喰らい、オスカル・プラノがバジャドリーの先制点を挙げたという、心臓が氷つくような知らせが届いたんですよ。でも大丈夫、その2分後には目の前でジェラール・モレノのアシストから、ジェレミー・ピノがゴールを決め、同様にマドリーもビジャレアルに1点リードされているって、どちらも勝たなきゃいけない気持ちが空回りしている?それでも前半の残り、マドリーはアセンシオやモドリッチ、ベンゼマ、カセミロとシュートを撃っていたんですが、私を絶望的にしたのはアトレティコ番の実況。ええ、「選手たちは皆、神経質になっている」だの、「信じられないパスミスをしている」だの、典型的なダメダメ状態ばかりが伝わってきたため、いつマドリーがゴールを入れるか、胸をドキドキさせていたところ…。 もう、両方負ければ、やっぱり勝ち点差2のままだから、それでもいいかと思い始めていた後半10分、恐れていた通り、オドリオソワのクロスをベンゼマがヘッド。これがゴールに入ったため、目の前が真っ暗になったものでしたが、え?なかなか審判がセンターを指さないって、VAR(ビデオ審判)判定待ちですか?スタンドの控え選手たちも総立ちで見守る中、2分ぐらい経過した頃でしょうか。いきなり、イヤホンから「Gooool!!!」の絶叫が響いてきたのは。そう、それはハーフタイムに反省会を開いたアトレティコで、敵に囲まれながら、エリア前から、コレアがつま先で蹴ったシュートがゴールになったって、そんな奇跡がまた起きるとは凄い。 ええ、当人も「監督はいつもボクに言うんだ。Cuando esté dentro del área no me piense, que le pegue de puntera/クアンドー・エステ・デントロ・デル・アレア・ノー・メ・ピエンセ、ケ・レ・ペゲ・デ・プンテーラ(エリア内にいる時は考えるな。つま先で蹴ってやれ)って」と話していたように、シメオネ監督のアドバイスの賜物だったようですけどね。これで同点としたアトレティコは追撃の手を緩めなかったらしく、22分には再びゴールをゲット。今度はセルジ・グアルディオラのバックパスを奪ったルイス・スアレスが敵エリア内に駆け込み、勝ち越しの2点目を入れてくれたとなれば、もうアトレティコファンはエースを贈ってくれたバルサに足を向けて眠れない? その直後、情勢の変化にジダン監督も選手交代でチームを刷新。実はその前から、ビニシウス、アセンシオをロドリゴとイスコに代えていたんですが、第2陣ではカンテラーノ(RMカスティージャの選手)のミゲール、オドリオソラ、カセミロをマルセロ、ナチョ、マリアーノにして、5人の枠を一気に消化、3CB制で得点を目指すことにしたところ、いえ、時間はかかったものの、実ったことは実ったんですよ。いよいよ終盤、42分にはロドリゴのクロスをベンゼマがヘッドで決めて同点にすると、ロスタイム3分にはモドリッチがvolea(ボレア/ボレーシュート)で2点目をゲット。2-1の逆転勝利に成功しているんですから、これぞまさしくマドリーの矜恃を示したと言っていいかと。 まあ、それにはEL出場圏順位を争っていたレアル・ソシエダがオサスナに、ベティスも逆転して、セルタに勝っていたため、結果に関わらず、コンフェレンスリーグ(来季から始まるUEFA第3の大会)出場の7位のままというビジャレアルが、目標を水曜のEL決勝で勝利して、CL出場権獲得する方に移してくれたおかげもあったみたいですけどね。ただ、同様なことはバジャドリーにも起こっていて、あと1席の1部残留を争っていたエルチェが後半28分にはアスレティックから、2点目を奪取゛。ウエスカもバレンシアとずっと0-0だったため、一番不利だった彼らはたとえ、アトレティコに勝っても降格というのが濃厚に。おかげでお隣さんより1分程早く、1-2の勝利を決めたシメオネ監督のチームはマドリー戦の終了を待つことなく、優勝祝いに突入です! いやあ、これは7年ぶりだからでしょうかね。「Dentro de poco vamos a ver qué va a pasar/デントロ・デ・ポコ・バモス・ア・ベル・ケ・バ・ア・パサール(すぐに何が起きるかはわかる)。私についてだけでなく、クラブが来季に向けてどうするかはね」と、今季最後の記者会見でジダン監督が8個の質問、全てに含まれていた自身の進退問題への問いをはぐらかした後も、ホセ・ソリージャでのお祝いは止まらず。それどころか、ピッチで騒ぐのに飽きた選手たちが駐車場に飛び出し、応援に来ていたアトレティコファンたちに揉みくちゃにされていたのには正直、開いた口が塞がりませんでしたが、もういいですよ。チームの半数はもうコロナ感染済みですし、クルトワからサモラ(リーガで一番失点率の低いGKに与えられる賞)を取り戻し、通算5度目としたオブラク(スロベニア)はユーロがないんですから。 当局の警告を無視して、同時進行でどんどん人々がネプトゥーノ(アトレティコが優勝を祝う広場)近辺に集まっている中、丁度、私が家に着いた時にはGOL(ゴル/スポーツ専門オープン放送)がバジャドリッドから、マドリッドに戻るアトレティコバスを追走していましたが、マハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場でも大勢のファンがお出迎え。当然、ここでもお祝いして選手たちは帰宅したんですが、いやあ、きっと何が何でも第1キャプテンになったら、やりたかったんでしょうね。ネプトゥーノにいつまでも残っていたファンたちもほとんど警官隊に追い帰された午前3時過ぎ、コケが海神像にゲリラ登頂。工事用の機械式足場で上がって、像の首にアトレティコのbufanda(ブファンダ/マフラー)とbandera(バンデラ/旗)を巻き付けて行ったって、いや、これ、冗談じゃなくて、本当ですって。 そして翌日曜の夕方には、市内のアトーチャ駅とカスティージャ広場の間の道をファンがキャラバンとなって、アトレティコグッズを示しながら、車で走るというイベントがあった後、いよいよワンダ・メトロポリターノで上はユニフォーム、下は私服のパンツという選手たちへのトロフィー贈呈式が開催。うーん、この日もスタジアム周辺には沢山、ファンが来ていたんですけどね。これも残念ながら、一般開放はされず、セレソ会長やマドリッドの州知事、市長らのスピーチがあっただけで、前夜はトロフィーのレプリカを持ち上げて、自宅で祝っていたコケに本物が授与。一応、紙吹雪などもあって、綺麗ではあったんですが、後はスタンドにいた選手、スタッフの家族、親族らがピッチに下りて、懇親会兼セルフィー大会状態になっているんですから、一体、どうしたらいい? ホント、世が世なら、2014年のリーガ優勝時のようにアトレティコもオープンデッキバスで市内をパレード、プエルタ・デ・ソル(マドリッドの中心にある広場)の市庁舎バルコニーからファンに挨拶したり、ネプトゥーノの仮設ステージでシメオネ監督が再び、「Si se cree y se trabaja, se puede/シー・セ・クレエ・イ・セ・トラバハ、セ・プエデ(信じて努力すれば、達成できる)」といった名言を残せたはずでしたが、パンデミック中では望むべくもなし。ただ、もう私がメトロに乗った後、チーム全員がスタジアム外縁のテラスに姿を現し、集まっていたファンにトロフィーを披露していたなんてこともあったんですが、ああまで人が密集している映像を見ると、やっぱり早く帰って正解だったと思うのはコロナ脳のせい? それから、チーム全員とその家族、クラブ関係者らはワンダにあるレストラン、El Gran Escenario(エル・グラン・エセナリオ)で夕食会を開いて、ようやく2日がかりのお祝いを終了。嬉しいことに、アトレティコはシメオネ監督を始め、TVのインタビューで「Sí, sí, sí, seguro/シー、セグロ(はい、はい、はい、もちろんだよ)」と言っていたスアレス、ようやく念願のビッグタイトルを獲得できたオブラクなど、お隣さんと違って、来季の残留がはっきりしているメンバーが多いですからね。バジャドリー戦の後、今季は無限のフィジカル力でプレーに、ゴールにと大貢献したジョレンテでさえ、「Estamos fundidos/エスタモス・フンディードス(ボクらはクタクタだ)。今季はとっても詰まったシーズンで、ハードな試合も多かったからね。何とか、最後の試合まで最高の状態で辿りつこうとしていたけど、体力的にはもうガタがきていた」と言っていたぐらいですから、どの選手も今はゆっくり休んでほしいです。 そして前節、1部残留を達成し、同様の身分のグラナダと日曜に対戦したヘタフェは、久保建英選手はフル出場したものの、スコアレスドローで終幕。それでも順位が16位から、15位に上がっていたのは儲かりもんですが、近いうちにボルダラス監督の将来について、ニュースがあるのではないかと。更に月曜には2部の統合時間帯開催41節があったため、いやあ、私の訪れたブタルケでは、全治3週間程の肉離れを負った柴崎岳選手がスタンドで観戦していたんですけどね。マラガ相手に得点できず、そのまま0-0で分けるかと思ったところ、何と後半43分にロベル・イバニェスのシュートが決まり、1-0で勝利したレガネスは昇格プレーオフ出場を確定できることに。 同じ時間にカステジョンと戦っていたラージョも0-2で勝ち、マドリッド勢2部仲間で、すでに残留が確定しているレガネスのお隣さん、フエンラブラダがスポルティング・ヒホンから、スコアレスドローを勝ち取る援護射撃も受けられたため、プレーオフ圏内の6位に上昇。こちらはまだ最終節で変わる可能性があるんですが、だんだん、マドリッド勢同士のガチンコプレーオフ対決が濃厚になってきたようです。一番心配なのは2部では古株のアルコルコンが降格圏まで勝ち点1と、まだ残留が決まっていないことですが、マドリッド2部4チーム体制が昇格で3チームになるのはともかく、降格で減ってしまうのはいやですよね。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している 2021.05.26 02:22 Wed
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