その姿、コパでも見たかった…/原ゆみこのマドリッド
2021.01.26 20:45 Tue
「凄い身分になったもんだ」そんな風に私が感心していたのは月曜日、アトレティコがこのままのペースを維持した場合、勝ち点100到達も可能ということに気がついた時のことでした。いやあ、Liga de cien puntos(リーガ・デ・シエン・プントス/勝ち点100のリーガ)というのはもう今は昔、かつてレアル・マドリーをモウリーニョ監督(現トッテナム)、バルサをグアルディオラ監督(現マンチェスター・シティ)が率い、角突き合わせていた時代の産物で、2012年にはマドリーが、翌シーズンにはバルサが達成して、リーガ優勝を遂げたんですけどね。当時は1試合でも引き分けようものなら、ファンの焦燥感もそれこそ、マックスだったんですが、2014年に両者を押しのけて王者となったアトレティコは勝ち点90。
以来、勝ち点が3桁に達するチームは現れておらず、ここ2年間もバルサ、マドリーは勝ち点87で優勝しているんですけどね。丁度、前節はシーズン後半戦の始まりとなる20節だったんですが、アトレティコは前半2節のレバンテ戦、先日も暴風雨フィロメナのせいで18節のアスレティック戦が延期と、未消化の2試合があるため、まだ18試合しかこなしておらず、もし次のカディス戦に勝てば、50ポイントで折り返しを迎える計算に。よって、単純に掛け算をすれば、100ポイントも可能というだけで、現実的に考えれば、あと勝ち点40で優勝圏。14勝すれば良くて、6試合は躓いても大丈夫という辺りでホッとしてしまうのは、やっぱり私が弱気なせいなんでしょうか…。
まあ、そんな捕らぬ狸の皮算用はともかく、先週末のリーガでマドリッド勢がどうだったか、お伝えしていかないと。土曜にプレーしたのはマドリーで、前日にコロナ陽性となり、自宅隔離となったジダン監督抜きで、クラブ創設100周年を祝うメンディソロサを彼らは訪れたんですが、何せ先日はスペイン・スーパーカップ準決勝でアスレティックを前に敗退。コパ・デル・レイ32強対決でも2部Bのアルコジャーノに敗れるという大惨事があったばかりで、チームは今季、何度目になるかわからない崖っぷちに立っていましたからね。
どうなることやらと、心配していたファンも多かったと思いますが、そういう逆境に強いのも今季のマドリー。ええ、昨年はCLグループリーグで2節まで1勝もできなかった後、インテルに連勝したり、シャフタール、アラベスと連敗した後もセビージャ、ボルシア・メンヘングラッドバッハ、アトレティコと強敵を撃破して、危機を乗り越えてきただけに、この日も予定通り、きっちり反転機運に入ったんですから、さすがじゃないですか。ええ、それこそ、シーズン前半にはエスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノ(RMカスティージャのホーム)で苦杯を飲まされたアラベス相手に、いえ、立ち上がりはちょっと危ないシーンもあったんですけどね。前半15分にはクロースのCKをカセミロがヘッドで撃ち込んで、先制点を奪うことに。
更に41分にもルーカス・バスケスが右サイドから送ったパスをエリア前でアザールがスルー。ベンゼマがフィニッシュして2点目を挙げると、ロスタイムにもクロースのロングフィードから、今度はアザールがゴールを決め、前半だけで3点リードなんて、一体いつ以来のこと?後半14分にはルーカス・ペレスのFKからホセルのヘッドで1点を返されたものの、そこから10分もしないうちに今度はモドリッチが自陣から放ったロングボールをベンゼマが自身、2本目のゴールにして再び得点差は3点に。最後は1-4の快勝となれば、ジダン監督の代理を務めたダビド・ベットーニ第2監督に文句が出ようはずもありませんって。
その一方で長期離脱のロドリゴと全治3週間のバルベルデ、そして月曜になって、コパ直前に濃厚接触により自宅隔離となっていたナチョのコロナ陽性が判明。アーセナルへの半年レンタル移籍が決まりそうなウーデゴールもいませんが、当分、チームは週1試合ペースなのが幸い。少々、選手の数が少なくても何とかなりそうですが、その間にCL16強対決、アタランタ戦に向けて、調子を上げられれば、何よりかと。ゆとり日程のおかげで日曜、月曜もバルデベバス(バラハス空港の近く)での練習をお休みしたマドリーは火曜から、セッションを再開しますが、無症状でもジダン監督の自宅隔離は少なくとも今週いっぱいは続くようですよ。
そして翌日曜、勝ち点差をお隣さんに4差、昼間の試合でバルサもエルチェに0-2で勝ったため、7差に縮められた状態でワンダ・メトロポリターノにバレンシアを迎えたのがアトレティコだったんですが、前半11分、いきなり敵に先手を取られてしまったから、ビックリしたの何のって。ええ、エリア外、ゴールから27メートルの地点から、ラチッチに弾丸シュートでgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)を決められてしまったんですが、最近の彼らは、いやあ、前節のエイバル戦でもそうだったんですけどね。先制点を取られてもあまり、落ち込んだりしないようで、この日も23分、レマルの蹴ったCKを3試合ぶりに先発に起用されたジョアン・フェリックスがファーサイドでボールを突っついてゴールに入れ、さくさくと同点にしているのですから、頼もしいじゃないですか。
1-1のまま、再開した後半は、トリピアーが現在、FA(イングランド・サッカー協会)による10週間のサッカー活動禁止処分にある中、唯一の右SBであるベルサイコを下げ、左SBのロディが出動。カラスコを右サイドに回してスタートしたんですが、1分もしないうちにディアカビがケガでギジャモンに代わった後、エースが目覚めるのに大して時間はかかりませんでした。ネンザが治ってスタメン復帰したエルモーソのロングボールを受けたジョアンがルイス・スアレスに送ると、ゴール左側から彼が蹴ったシュートが反対側のポールに当たって入り、アトレティコは勝ち越し点をゲット。ホント、あんな難しいところから、こうも簡単に決めてくれるなんて、もうアトレティコファンは一生、バルセロナに足を向けて寝られない?
え、この2点に1ゴール1アシストと貢献、調子づいていたジョアンをそれから10分もしないうち、シメオネ監督がコレアに代えてしまったのはちょっと、意地悪だったんじゃないかって?いえ、27分にはそのコレアがマルコス・ジョレンテの折り返しを受け、バレンシアに引導を渡す3点目を入れてくれていますから、結果的にナイスな采配だったんですけどね。実際、試合後にはシメオネ監督も「La competencia es muy alta, están todos con muchas ganas de jugar/ラ・コンペテンシア・エス・ムイ・アルタ、エスタン・トードス・コン・ムーチャス・ガナス・デ・フガール(競争が非常に激しくて、全員がプレーしたいと大いに思っている)」と言っていた通り、現在のアトレティコはポジション争いが熾烈化。
エイバル戦でコケの代役を立派に務めたサウールでさえ、日曜は出番がもらえないぐらいだったんですが、ただねえ、それにはコパ2回戦で敗退して、1月中の試合数が半減してしまったせいもあるんですよ。となると、そのコルネジャ(2部B)戦で先制された1点を最後まで返せなかったジョアンとコレアが、連帯責任でプレー時間を分け合っているのも仕方ないところですが、もうそれは忘れて、最近はお隣さんの専売特許だったremontada(レモンターダ/逆転劇)が自然にできるようになった彼らを褒めてあげないと。何せ、この3-1での敗戦で降格圏と勝ち点2差になってしまったバレンシアなど、リーガの次戦に備えたくても水曜にはコパ16強対決のセビージャ戦が入っているため、ようよう休む暇もありませんからね。
逆にアトレィコはお隣さん同様、日曜のカディス戦目指して、ゆったり調整すればいいだけですし、今はエレーラもベンチに戻り、トリピアー以外、全員がプレー可能。マドリッドの積雪被害も過去のものとなったため、ここ2試合、珍しく中2日でリーガ戦が続いた疲れを癒しながら、更なる高みを目指して練習してくれればいいかと。そうそう、この日、34才の誕生日だったスアレスは、これで今季リーガ12得点となり、カディス戦でハットトリックを挙げたセビージャのエン・ネシリと並んでピチチ(得点王)レースのトップに。頼りのエースがベテランなだけに、休養日が多いのは本当に助かりますよね。
そしてマドリッドのコロナ第3波感染者増により、いよいよ飲食店の閉店時間が午前0時から午後10時に早まることになった月曜、幸いにもGOL(スペインのスポーツ専門放送局)のオープン中継に当たっていたため、私も悩むことなく、自宅で見ることができた、弟分ヘタフェがスペイン・スーパーカップ王者、アスレティックに挑んだ一戦がどうなったかというと。うーん、ボルダラス監督と不仲なマルセリーノ監督が挨拶を避けるため、まだトンネルから出ていなかった開始20秒、pasillos de campeones/パシージョス・デ・カンペオネス(優勝チームへの花道)で迎られたアスレティックが歓喜の思い出から目覚める前、キックオフからの速攻でアレニャの上げたクロスを先日、エルチェ戦でもヘッドを決め、自信をつけていたククレジャが頭でミート。先制点を奪った時は、久保建英選手も2試合連続でスタメンでしたし、いい勝負になりそうな予感がしたんですけどね。
5分にGKヤニェスがウィリアムスを倒して一旦、ペナルティを宣告されたプレーもVAR(ビデオ審判)で誤解が解けたんですが、12分にはムニアインのクロスをラウール・ガルシアにvolea(ボレア/ボレーシュート)で撃ち込まれ、早々にスコアはイーブンに。ただ、やはり痛かったのは30分頃、せっかくウナイ・ニュネスのハンドでPKをもらいながら、マタがGKウナイ・シモンに弾かれてしまったことで、これがケチの付け始めになったんですかね。ええ、後半5分、まだPK失敗が尾を引いていたか、マタが自陣エリア付近でムニアインを倒してFKを与えたところ、それをジェライにヘッドで決められ、早々に均衡を破られたヘタフェは守備陣が大崩壊。16分にもラウール・ガルシアに3点目、30分にもウィリアムスのキラーパスをゴール前でベレンゲルに合わせられ、最後は37分にデ・マルコスに決められて、5-1の大敗って、もしやこれ、ケガで左SBのオリベイラとCBカバコを欠いていたのが大いに影響していた?
いえ、それでも先週、ウエスカには勝っているので、要は相手の攻撃レベルが違ったということでしょうが、せっかく悪循環から抜け出して、2連勝をしていたヘタフェだけにこういう負け方は残念だったかと。ボルダラス監督も「No se puede hacer una valoración a nivel ofensivo del equipo ya que ha sido una derrota contundente/ノー・セ・プエデ・アセール・ウナ・バロラシオン・ア・ニベル・オフェンシーボ・デル・エキポ・ジャー・ケ・ア・シードー・ウナ・デロータ・コントゥンデンテ(チームの攻撃的レベルを評価することはできない。何せ、完全なる敗北だったからね)」と言っていたように、この日はあまり見せ場も作れず、久保選手も後半23分で交代となってしまいましたが、大丈夫。
ヘタフェもコパ2回戦敗退組のため、日曜のアラベス戦までじっくり、「ウチのエリアに近づくたび、ゴールを奪われた。La segunda parte hay que analizarla/ラ・セグンダ・パルテ・アイ・ケ・アナリサールラ(この後半はよく分析しないと)」(ククレジャ)という課題をこなす時間もあるかと。ちなみに今週、ミッドウィークのコパ16強対決で試合があるマドリッド勢は2部のラージョと2部Bのナバルカルネーロ。週末はマジョルカに1-3と敗れてしまった前者は水曜午後9時から、エスタディオ・バジェカスでバルサ戦、後者もラス・ロサスに3-1と敗れた後、リーガ7位のグラナダを木曜に迎えることになりますが、1部の先輩チームたちもここはちょっと、下部カテゴリーの後輩たちを見習ってほしいところですよね。
以来、勝ち点が3桁に達するチームは現れておらず、ここ2年間もバルサ、マドリーは勝ち点87で優勝しているんですけどね。丁度、前節はシーズン後半戦の始まりとなる20節だったんですが、アトレティコは前半2節のレバンテ戦、先日も暴風雨フィロメナのせいで18節のアスレティック戦が延期と、未消化の2試合があるため、まだ18試合しかこなしておらず、もし次のカディス戦に勝てば、50ポイントで折り返しを迎える計算に。よって、単純に掛け算をすれば、100ポイントも可能というだけで、現実的に考えれば、あと勝ち点40で優勝圏。14勝すれば良くて、6試合は躓いても大丈夫という辺りでホッとしてしまうのは、やっぱり私が弱気なせいなんでしょうか…。
まあ、そんな捕らぬ狸の皮算用はともかく、先週末のリーガでマドリッド勢がどうだったか、お伝えしていかないと。土曜にプレーしたのはマドリーで、前日にコロナ陽性となり、自宅隔離となったジダン監督抜きで、クラブ創設100周年を祝うメンディソロサを彼らは訪れたんですが、何せ先日はスペイン・スーパーカップ準決勝でアスレティックを前に敗退。コパ・デル・レイ32強対決でも2部Bのアルコジャーノに敗れるという大惨事があったばかりで、チームは今季、何度目になるかわからない崖っぷちに立っていましたからね。
更に41分にもルーカス・バスケスが右サイドから送ったパスをエリア前でアザールがスルー。ベンゼマがフィニッシュして2点目を挙げると、ロスタイムにもクロースのロングフィードから、今度はアザールがゴールを決め、前半だけで3点リードなんて、一体いつ以来のこと?後半14分にはルーカス・ペレスのFKからホセルのヘッドで1点を返されたものの、そこから10分もしないうちに今度はモドリッチが自陣から放ったロングボールをベンゼマが自身、2本目のゴールにして再び得点差は3点に。最後は1-4の快勝となれば、ジダン監督の代理を務めたダビド・ベットーニ第2監督に文句が出ようはずもありませんって。
いえ、後半にビニシウス、イスコ、オドリオソラを入れる交代策は電話で上司の指示を受けてのことだったようですけどね。映像からはアザールとアセンシオが打撲か何かでどこかを痛めていたようにも見受けられましたが、次の試合は今週末、土曜のレバンテ戦までないため、あまり気にすることはないかと。この日はゴールづいていたベンゼマなども、「Estamos en buen camino después de una semana dura para nosotros/エスタモス・エン・ブエン・カミーノ・デスプエス・デ・ウナ・セマーナ・ドゥーラ・パラ・ノソトロス(辛い1週間の後、ボクらはいい道のりにいる)」と言っていたんですが、そろそろ負傷のリハビリを終えて、カルバハルとセルヒオ・ラモスも戻って来られそうですしね。
その一方で長期離脱のロドリゴと全治3週間のバルベルデ、そして月曜になって、コパ直前に濃厚接触により自宅隔離となっていたナチョのコロナ陽性が判明。アーセナルへの半年レンタル移籍が決まりそうなウーデゴールもいませんが、当分、チームは週1試合ペースなのが幸い。少々、選手の数が少なくても何とかなりそうですが、その間にCL16強対決、アタランタ戦に向けて、調子を上げられれば、何よりかと。ゆとり日程のおかげで日曜、月曜もバルデベバス(バラハス空港の近く)での練習をお休みしたマドリーは火曜から、セッションを再開しますが、無症状でもジダン監督の自宅隔離は少なくとも今週いっぱいは続くようですよ。
そして翌日曜、勝ち点差をお隣さんに4差、昼間の試合でバルサもエルチェに0-2で勝ったため、7差に縮められた状態でワンダ・メトロポリターノにバレンシアを迎えたのがアトレティコだったんですが、前半11分、いきなり敵に先手を取られてしまったから、ビックリしたの何のって。ええ、エリア外、ゴールから27メートルの地点から、ラチッチに弾丸シュートでgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)を決められてしまったんですが、最近の彼らは、いやあ、前節のエイバル戦でもそうだったんですけどね。先制点を取られてもあまり、落ち込んだりしないようで、この日も23分、レマルの蹴ったCKを3試合ぶりに先発に起用されたジョアン・フェリックスがファーサイドでボールを突っついてゴールに入れ、さくさくと同点にしているのですから、頼もしいじゃないですか。
1-1のまま、再開した後半は、トリピアーが現在、FA(イングランド・サッカー協会)による10週間のサッカー活動禁止処分にある中、唯一の右SBであるベルサイコを下げ、左SBのロディが出動。カラスコを右サイドに回してスタートしたんですが、1分もしないうちにディアカビがケガでギジャモンに代わった後、エースが目覚めるのに大して時間はかかりませんでした。ネンザが治ってスタメン復帰したエルモーソのロングボールを受けたジョアンがルイス・スアレスに送ると、ゴール左側から彼が蹴ったシュートが反対側のポールに当たって入り、アトレティコは勝ち越し点をゲット。ホント、あんな難しいところから、こうも簡単に決めてくれるなんて、もうアトレティコファンは一生、バルセロナに足を向けて寝られない?
え、この2点に1ゴール1アシストと貢献、調子づいていたジョアンをそれから10分もしないうち、シメオネ監督がコレアに代えてしまったのはちょっと、意地悪だったんじゃないかって?いえ、27分にはそのコレアがマルコス・ジョレンテの折り返しを受け、バレンシアに引導を渡す3点目を入れてくれていますから、結果的にナイスな采配だったんですけどね。実際、試合後にはシメオネ監督も「La competencia es muy alta, están todos con muchas ganas de jugar/ラ・コンペテンシア・エス・ムイ・アルタ、エスタン・トードス・コン・ムーチャス・ガナス・デ・フガール(競争が非常に激しくて、全員がプレーしたいと大いに思っている)」と言っていた通り、現在のアトレティコはポジション争いが熾烈化。
エイバル戦でコケの代役を立派に務めたサウールでさえ、日曜は出番がもらえないぐらいだったんですが、ただねえ、それにはコパ2回戦で敗退して、1月中の試合数が半減してしまったせいもあるんですよ。となると、そのコルネジャ(2部B)戦で先制された1点を最後まで返せなかったジョアンとコレアが、連帯責任でプレー時間を分け合っているのも仕方ないところですが、もうそれは忘れて、最近はお隣さんの専売特許だったremontada(レモンターダ/逆転劇)が自然にできるようになった彼らを褒めてあげないと。何せ、この3-1での敗戦で降格圏と勝ち点2差になってしまったバレンシアなど、リーガの次戦に備えたくても水曜にはコパ16強対決のセビージャ戦が入っているため、ようよう休む暇もありませんからね。
逆にアトレィコはお隣さん同様、日曜のカディス戦目指して、ゆったり調整すればいいだけですし、今はエレーラもベンチに戻り、トリピアー以外、全員がプレー可能。マドリッドの積雪被害も過去のものとなったため、ここ2試合、珍しく中2日でリーガ戦が続いた疲れを癒しながら、更なる高みを目指して練習してくれればいいかと。そうそう、この日、34才の誕生日だったスアレスは、これで今季リーガ12得点となり、カディス戦でハットトリックを挙げたセビージャのエン・ネシリと並んでピチチ(得点王)レースのトップに。頼りのエースがベテランなだけに、休養日が多いのは本当に助かりますよね。
そしてマドリッドのコロナ第3波感染者増により、いよいよ飲食店の閉店時間が午前0時から午後10時に早まることになった月曜、幸いにもGOL(スペインのスポーツ専門放送局)のオープン中継に当たっていたため、私も悩むことなく、自宅で見ることができた、弟分ヘタフェがスペイン・スーパーカップ王者、アスレティックに挑んだ一戦がどうなったかというと。うーん、ボルダラス監督と不仲なマルセリーノ監督が挨拶を避けるため、まだトンネルから出ていなかった開始20秒、pasillos de campeones/パシージョス・デ・カンペオネス(優勝チームへの花道)で迎られたアスレティックが歓喜の思い出から目覚める前、キックオフからの速攻でアレニャの上げたクロスを先日、エルチェ戦でもヘッドを決め、自信をつけていたククレジャが頭でミート。先制点を奪った時は、久保建英選手も2試合連続でスタメンでしたし、いい勝負になりそうな予感がしたんですけどね。
5分にGKヤニェスがウィリアムスを倒して一旦、ペナルティを宣告されたプレーもVAR(ビデオ審判)で誤解が解けたんですが、12分にはムニアインのクロスをラウール・ガルシアにvolea(ボレア/ボレーシュート)で撃ち込まれ、早々にスコアはイーブンに。ただ、やはり痛かったのは30分頃、せっかくウナイ・ニュネスのハンドでPKをもらいながら、マタがGKウナイ・シモンに弾かれてしまったことで、これがケチの付け始めになったんですかね。ええ、後半5分、まだPK失敗が尾を引いていたか、マタが自陣エリア付近でムニアインを倒してFKを与えたところ、それをジェライにヘッドで決められ、早々に均衡を破られたヘタフェは守備陣が大崩壊。16分にもラウール・ガルシアに3点目、30分にもウィリアムスのキラーパスをゴール前でベレンゲルに合わせられ、最後は37分にデ・マルコスに決められて、5-1の大敗って、もしやこれ、ケガで左SBのオリベイラとCBカバコを欠いていたのが大いに影響していた?
いえ、それでも先週、ウエスカには勝っているので、要は相手の攻撃レベルが違ったということでしょうが、せっかく悪循環から抜け出して、2連勝をしていたヘタフェだけにこういう負け方は残念だったかと。ボルダラス監督も「No se puede hacer una valoración a nivel ofensivo del equipo ya que ha sido una derrota contundente/ノー・セ・プエデ・アセール・ウナ・バロラシオン・ア・ニベル・オフェンシーボ・デル・エキポ・ジャー・ケ・ア・シードー・ウナ・デロータ・コントゥンデンテ(チームの攻撃的レベルを評価することはできない。何せ、完全なる敗北だったからね)」と言っていたように、この日はあまり見せ場も作れず、久保選手も後半23分で交代となってしまいましたが、大丈夫。
ヘタフェもコパ2回戦敗退組のため、日曜のアラベス戦までじっくり、「ウチのエリアに近づくたび、ゴールを奪われた。La segunda parte hay que analizarla/ラ・セグンダ・パルテ・アイ・ケ・アナリサールラ(この後半はよく分析しないと)」(ククレジャ)という課題をこなす時間もあるかと。ちなみに今週、ミッドウィークのコパ16強対決で試合があるマドリッド勢は2部のラージョと2部Bのナバルカルネーロ。週末はマジョルカに1-3と敗れてしまった前者は水曜午後9時から、エスタディオ・バジェカスでバルサ戦、後者もラス・ロサスに3-1と敗れた後、リーガ7位のグラナダを木曜に迎えることになりますが、1部の先輩チームたちもここはちょっと、下部カテゴリーの後輩たちを見習ってほしいところですよね。
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