敵はコロナだけじゃない…/原ゆみこのマドリッド

2020.10.13 22:00 Tue
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©Atlético de Madrid
「早くも犠牲者が生まれてしまった」そんな風に私が首を振っていたのは月曜日、スイス戦の翌日、ラス・ロサス(マドリッド郊外)のサッカー協会施設で行われた練習でジュラール・モレノ(ビジャレアル)とディエゴ・ジョレンテ(リーズ)が負傷、10月最後のスペイン代表戦、ネーションズリーグのウクライナ戦のためのキエフ遠征には参加せず、チームを離脱するという報を聞いた時のことでした。いやあ、来週にはいよいよCLが始まるとあって、ここ数日は代表戦明け、今週末から3週連続でミッドウィークにも予定が入り、11月のインターナショナルマッチウィークまで、息もつかさぬ7連戦となるアトレティコやレアル・マドリーの心配をしていたんですけどね。もっとしっかり目を開いて今年残りのカレンダーを見てみたところ、11月にも代表戦が3試合組まれている上、その後はまた、CL、ELグループリーグが3週連続であるんですよ。つまり、9月末のミッドウィークリーガ週から、選手によっては連続11週、週2試合ペースになるということで、モロ、それにはまっていたのが、ビジャレアルでELに参戦するジェラール・モレノ。左のハムストリングを痛めて全治3週間だそうで、今、彼にいなくなられるのは、日本代表は2試合、それも親善試合だけで久保建英選手は帰って来られるとはいうものの、エメリ監督にとってはかなりの痛手かと。

左太ももを痛めたディエゴ・ジョレンテもレアル・ソシエダに留まっていれば、元同僚のオジャルサバルやミケル・メリーノと一緒にELで頑張るはずでしたが、イングランドではカップ戦は始まっているものの、先日、移籍したリーズはプレミアリーグに昇格したばかり。ヨーロッパの試合がないというだけ、まだマシなんでしょうが、今回のスペイン代表に限っても招集された24人中、17人が国内戦とヨーロッパの地獄のループにどっぷりはまっているとなれば、正直、11月の招集リスト発表時に一体、どのくらいが元気でいられるのか、ちょっと不安に思ってしまうのは、私だけではない?

となると、逆に9月の代表戦再開から、1人もルイス・エンリケ監督に呼ばれていないアトレティコなど、コケ、サウール、マルコス・ジョレンテ、ジエゴ・コスタらがマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場で2週間丸々、調整に励むことができ、paron(パロン/リーガの中断期間)明けの勝ち組になれるんじゃないかと期待もしてしまうんですが、世の中、そうは問屋が卸さしません。もちろん、スペイン以外の各国代表選手が計11人もいるせいで、いやあ、ジョアン・フェリックス(ポルトガル)など、この日曜にもネーションズリーグのフランス戦でスコアレスドローを演じ、ウエスカ、ビジャレアル、スペイン戦と4試合連続の0-0街道を歩む破目に。いい加減、水曜のスウェーデン戦では白黒、はっきりつかないと、当人もゴールの祝い方を忘れてしまうかも。

そしてもう1人、心配なのは先週、お隣さんからトッテナムにとうとう移籍したベイルが負傷中で出ていないウェールズに3-0で勝った親善試合で初めて、イングランドのキャプテンを務めたトリピアーで、いえ、別に土曜のネーションズリーグでも、カラスコはプレーしていたものの、クルトワ、アザールのマドリー勢を欠いたベルギーに2-1で競り勝つなど、こちらは当人の士気も上がりそうな代表参加なんですけどね。水曜のデンマーク戦もケガせず、無事に乗り切ってもらいたいと切に私が祈っているのは、そろそろ復帰かと思われていたベルサイコが先週、再びヒザの靭帯の内視鏡手術を実施。ええ、コロナ禍でリーガが中断している最中に行ったのと同じ箇所で、その時は体内に残った補助具を抜き取るだけと聞いていたものの、予後が悪く、この再手術により、12月頃まで、実戦には戻れなくなってしまったから。

え、でもロディしかいない左SBと違い、アトレティコには右SBが3人、いなかったかって?いやあ、そうだったんですが、実はこの夏の市場でアリアスがレバークーゼンにレンタル移籍。ていうか、その彼も先週末、コロンビアのW杯予選ベネズエラ戦で、マチス(グラナダ)にタックルをかけた際に負傷し、それも腓骨骨折と足首の靭帯損傷という、全治6カ月の重傷を負うことに。手術後はマドリッドに戻って、リハビリすると言われていますが、いや、これって、インテルにレンタル移籍中にヒザの靭帯を断裂したベルサイコとまったく同じパターンかと。うーん、アリアスもアトレティコに留まっていれば、リーガ開始から3節で出番がなく、コロンビア代表にも呼ばれなかったかもしれないとか思うと、ホント、残酷な結末ですよねえ。

まあ、その辺はともかく、スペイン代表の土曜のスイス戦がどうだったかもお話ししておかないと。このネーションズリーグ3節は9月同様、バルデベバス(バラハス空港の近く)にあるエスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノ(RMカスティージャのホーム)で行われたんですが、いや、もう、風が強かったせいか、ポルトガルとの親善試合と違って、完全無観客開催だったせいか、やたら、選手たちやコーチ陣の声が響き渡ることといったら、もう。序盤から、GKデ・ヘア(マンチェスター・ユナイテッド)がベニト((ジロンダン・ボルドー)のシュートをparadon(パラドン/スーパーセーブ)するなど、CB3人制を敷いた相手に苦労させられそうな様相を呈していたものの…。

前半14分、予期せぬところか、突破口が開けます。スイスの守護神、ヤン・ゾマー(ボルシア・メンヘングラッドバッハ)がゴールキックをショートで出すことに固執し、2度程、エリア内でのパスを繰り返した挙句、正面でもらうはずだったジャカ(アーセナル)が足を滑らせるという不運に見舞われたのが運の尽き。辛抱強く、プレスをかけていたミケル・メリーノがこのボールを奪い、あうんの呼吸でオジャルサバルに送ると、そのシュートが決まって先制点が入ったから、ホッとしたの何のって。いえ、ルイス・エンリケ監督は「El gol no es un fallo de ellos, es un gran acierto nuestro/エル・ゴル・ノー・エス・ウン・ファジョ・デ・エジョス、エス・ウン・グラン・アシエルトー・ヌエストロ(ゴールは彼らのミスではなく、ウチの策が見事に的中した結果だ)」と自画自賛していましたけどね。

後半などもオジャルサバル、ミケル・メリーノ、セルヒオ・ラモス(マドリー)、ジェラール・モレノらにチャンスがあったものの、追加点は奪えず。今月末に18歳のバースデーを迎えるアンス・ファティ(バルサ)も敵の厳しいマークに遭って、キラめきを見せることはできませんでしたしね。彼と交代で入ったアダマ・トラオレ(ウォルバーハンプトン)も初っ端、ドリブル2、3人抜きを披露したぐらいで、「nos ha faltado poco para finalizar, eso tenemos que seguir trabajándolo, yo personalmente/ノス・ア・ファルタードー・ポコ・パラ・フィナルサール、エソ・テネモス・ケ・セギール・トラバハンドー、ジョ・ペルソナルメンテ(ウチはちょっとフィニッシュ力に欠けていた。それは努力し続けないといけなくて、特にボクはね)」と当人も言っていたんですが、やっぱり、今のスペイン代表はゴール不足の感があるかと。

今月から、ネーションズリーグもようやく交代枠5人制となったのを利用して、4人目にはロドリ(マンチェスター・シティ)を入れて、守備固めをしたおかげもあり、そのまま、1-0で勝つことはできましたけどね。折しも同日、同グループ2位のドイツもケガの治ったクロース(マドリー)も出場したおかげか、ウクライナに1-2で勝利、スペインが勝ち点2差を保てたのは良かったかと。ただねえ、ホントに1週間で3試合というのは強行軍日程で、もう翌日曜の夜にはチームはウクライナへ移動。23才とまだ若い上、合宿初日のコロナ検査ではっきり陰性が出なかったため、リスボンに連れて行ってもらえず、ラス・ロサスでお留守番していたオジャルサバルなどは、「Está claro que las piernas pesan, pero se recuperan rápido en los próximos días/エスタ・クラーロ・ケ・ラス・ピエルナス・ペサン、ペロ・セ・レクペラン・ラピド・エン・ロス・プロキシモス・ディアス(もちろん、足は重くなるけど、数日で回復するよ)」と言っていたんですけどね。

月曜に会場のオリンピスキーで練習した時には、まさにそのスタジアムでイタリアを4-0で下し、スペイン代表最後の栄冠となったユーロ2012優勝を果たしたメンバーの生き残り、ラモス、ブスケツ(バルサ)、ヘスス・ナバス(セビージャ)らはもう皆、30代半ばとあって、こうも連戦が続くとちょっと辛いかも。相手も9月にはディ・ステファノでそれこそ、ラモスの2発、アンス・ファティ、フェラン・トーレス(マンチェスター・シティ)のゴールで4-0と完勝したウクライナとなれば、ルイス・エンリケ監督もローテーションを考えているんじゃないかと思いますが、さて。そうそう、ウクライナ代表に合流早々、正GKのピアトフ(シャフタール)共々、PCR検査で陽性だったGKルニン(マドリー)は2度目の検査で陰性となり、もうマドリッドに戻って、ベルギー代表から即行リターンしたクルトワと一緒にバルデベバスで練習しているそうですよ。

え、聞くところによると、ジョゼ・アルバラーデ(スポルティングCPのホーム)での親善試合はたった2500人だったのが、この火曜午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)からのウクライナ戦には2万1000人のファンの入場が見込まれているんだろうって?その通りで、敵方の応援一色になるのは目に見えているんですが、これって、マドリッドの弟分チーム、ヘタフェのコリセウム・アルフォンソ・ペレス(1万7000人)やレガネスのブタルケ(1万2000人)が満員になる以上の人数ですからね。ルイス・エンリケ監督は「ウチを応援してくれるのではなくとも、普通の状態に近づくのは誰にとっても喜ばしいこと」と気にしていませんでしたが、いやいや、ちょっと待って。

実を言うと、土曜のスイス戦もUEFAはキャパの30%までなら、観客を入れて構わないという姿勢だったんですが、無観客だったのはCSD(スポーツ上級委員会)の意向で、コロナ再流行真っ盛りのスペインでは、少なくとも年内はスタジアムにファンを入れての試合はできないと伝えてしまったんですよ。でもそうなると、11月17日にセビージャ(スペイン南部)のカルトゥーハで開催予定のネーションズリーグ最終節、おそらく首位を争っているだろうドイツとの決戦でも地元の応援を当てにできないということで、それって、思いっきり不利ではない?

おまけに同じUEFA括りで、これは代表戦だけでなく、CL、ELにも適応。要はマドリー、アトレティコ,バルサ、セビージャ、レアル・ソシエダ、ビジャレアル、グラナダの出場スペイン勢、全てがアウェイ戦では相手チームが地元のファンの後押しを受けながら、ホームゲームは無観客という、とんでもない不公平な目に遭うってことで、いえ、どのクラブもCSDに抗議はするつもりのようですけどね。ただ、中には年内いっぱい無観客試合を想定して、サンティアゴ・ベルナベウを絶賛大改修中にしてしまったマドリーのようなチームもあって、これは応援があろうが、なかろうが実力に自信があるという意味なのか…ええ、そこまで強気になれないお隣さんが、空っぽのワンダ・メトロポリターノで苦労する風景が目に浮かぶだけに、私も無関心ではいられませんよね。

【マドリッド通信員】 原ゆみこ
南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。
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TVで見た時は強かったのに…/原ゆみこのマドリッド

「あまり変わり映えがしなかったかも」そんな風に私が溜息をついていたのは水曜の夜、思い起こせば、コロナ禍が昨季のリーガを止める直前、3月上旬のセビージャ戦以来となるワンダ・メトロポリターノでの試合観戦を終え、家路を辿っている時のことでした。いえ、いまだにスペインは1部、2部リーガ、そしてCL、ELでもスタジアムは無観客のままなんですけどね。このCL4節ではラッキーにも数少ないメディアとして、ロコモティブ・モスクワ戦を見に行けることに。それが以前なら、マッチデーには人で溢れかえっていたメトロの駅やワンダへと繋がる道に人影はほとんどなく、スタジアムの赤いライトアップだけが試合があることを告げているだけで、とにかく何もかもが非現実的。そんな中、まったくゴールが決められないアトレティコにイライラさせられる感覚だけが、妙に懐かしい気がしたのも久々のスタンド観戦だったせい? まあ、そんなことはともかく、今週のCLグループリーグでは火曜にバルサがメッシとデ・ヨングをお留守番にし、控えメンバーで挑みながら、ディナモ・キエフに0-4と大勝。セビージャもかなりの数のロシア人ファンがスタンドから見守る中、クラスノダールにムニルの土壇場のゴールで1-2と勝利して、どちらも決勝トーナメント進出が決まっていたんですが、この2チームはどちらも前半戦順調でしたからね。それとは対照的だったマドリッドの両雄は必勝を期して、それぞれインテル戦、ロコモティブ・モスクワ戦に挑むことに。ホーム、アウェイが逆だった3節はキックオフ時間がずれて、私もバル(スペインの喫茶店兼バー)に4時間居座っての観戦となったんですが、同時進行となれば、レアル・マドリーの方はオンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)の2元中継に頼るしかありません。 どちらも同日、午後5時頃に訃報が伝わってきたマラドーナを追悼する黙祷から、スタートしたんですが、何せ、アトレティコは先週末の土曜に同じワンダでバルサに勝利したばかりでしたからね。メンバーも左SBのエルモーソがロディになった以外、いえ、それには当日の午前中に先発予定だったジエゴ・コスタが深部静脈血栓症を患っていることが発覚。これって、長時間フライトをした時に起きるエコノミー症候群みたいなもので、彼は今季のプレシーズン練習開始直前にコロナ陽性となり、その後遺症かもしれないと言われているんですが、急遽、招集外になったせいもあるんですけどね。もうすっかり、選手たちもファンの応援がないのには慣れたもんで、バルサ戦同様、序盤から、血気盛んなプレーを見せてくれたものの…。 でも、コレアが撃っても、マルコス・ジョレンテが撃っても、カラスコが撃っても全て、GKギジェルメに弾かれてしまったんですよ。そうこうするうち、前半7分、早くもサン・シーロからはナチョがバレッラにエリア内で倒されてPKをゲットの報が。スペイン代表戦3試合目のドイツ戦で負傷したセルヒオ・ラモスが不在だったため、アザールが代わりに決めて、お隣さんは先制点を挙げたんですが、とにかく目の前の試合の方はゴールが入らなくてねえ。更にミラノでは、バランに倒されたのにペナルティを取ってくれないのに激怒。「Tiene ahí la mierda del VAR para mirar y nada/ティエネ・アイー・ラ・ミエルダ・デル・バル・パラ・ミラール・イ・ナーダ(そこに見るためのクソVARがあるのに何にもしない)」と主審に喰ってかかったアルトゥロ・ビダルが続けざまにイエローカードをもらい、退場となった33分にもまだ、雨の降りしきるピッチでアトレティコはギジェルメを破ることができません。 そしていよいよ後半、ジダン監督がトップチームに残った唯一のCF、マリアーノをロドリゴに、ウーデゴールをようやくPCR検査が陰性になって、この試合に間に合ったカセミロに代えたと聞いてほんのすぐ後、14分にはルーカス・バスケスのクロスをロドリゴがvalea(ボレア/ボレーシュート)で決めて、マドリーのリードが2点に広がったことが伝わってきたんですが、いえ、22分には私もゴールを喜ぶことができたんですけどね。ええ、カラスコのFKは敵の壁に当たって戻って来たものの、再びシュートしたボールをGKが弾いたところにコケが詰め寄って、至近距離からシュート。これがネットに突き刺さって、場内には観客のいる試合とまったく同じ、お祝いのミュージックとゴールアナウンスが響いたんですが…。 いやあ、まさかVAR(ビデオ審判)により、「Me han dicho que estaba por la minima/メ・アン・ディッチョー・ケ・エスタバ・ポル・ラ・ミニマ(ギリギリのところだったと言われた)」というコケのオフサイドが指摘され、ノーゴールになってしまうとは。うーん、あとで後半のピッチに出る前、トンネルでヒメネスとコレアがその日の主審について会話。スロベニア人のビンチッチ審判が、「Se pone a hablar en ruso con los otros/セ・ポネ・ア・アブラル・エン・ルソ・コン・ロス・オトロス(他の奴らとロシア語で話してたよ)」とコレアから聞いて、「とにかく変だよな」と話しているシーンが公開。2人共、サウールに「Cámara con audio/カマラ・コン・アウディオ(カメラが音も録ってる)」と注意されて黙ったなんてこともあったんですが、いざとなれば、同郷のオブラクにも頼れたはずですからね。 別に彼らが文句を言う程、その日のジャッジが悪かったとは思えませんし、何より、反省すべきは16回もCKのチャンスがありながら、1点も取れなかった自分たちの決定力のなさかと。ええ、シメオネ監督もレマル、エルモーソ、そして最後はカンテラーノ(アトティコBの選手)のカメージョを入れて、チームをリフレッシュしてみたんですけどね。モスクワではCKから先制ゴールを決めたヒメネスのヘッドもこの日は枠を外れ、そのまま、0-0で終了となれば、まさに「Es para estar enfadado/エス・パラ・エスタル・エンガダードー(これは怒っていい結果)」(コケ)とはこのことでしょう。 え、グループ最弱のチームと中2節、連続引き分けって、2年前のカラバフの悲劇(3位敗退でその後、ELに優勝)を思い出さないかって?その通りなんですが、あの時はもっと4チームの勝ち点数が競っていたんですが、今回はバイエルンがこの日もザルツブルクに3-1で勝利して4連勝と、すでに首位突破を確定。おかげで勝ち点5の2位アトレティコにも次点で勝ち抜ける可能性は十分、残っているんですが、いやあ。いくら、「Cuando se depende de uno mismo, hay tranquilidad/クアンドー・セ・デペンデ・デ・ウノ・ミスモ、アイ・トランキリダッド(自分たち次第で何とかなるんだから、平静でいられるよ)」(ヒメネス)とはいえ、来週火曜にワンダに迎えるのはまさにその、アトレティコが1節で4-0のgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)を喰らったバイエルンなんですよお。 ロコモティブに1勝でもしていれば、まだ負けても大丈夫と、私も気楽でいられましたが、アウェイでの最終節、ザルツブルク戦に全てのカードを懸けるのはあまりに怖いですからね。シメオネ監督も「La Champions se nos viene complicando un poco/ラ・チャンピオンズ・セ・ノス・ビエネ・コンプリカンドー・ウン・ポコ(CLはちょっと難しくなっている)」なんて悠長なこと、言っているどころではない?といってもコスタの治療は長引きそうですし、ルイス・スアレスもまだコロナ陽性になってから、1週間ちょっとしか経っていないのが辛いところ。 今週末、土曜午後4時15分(日本時間翌午前0時15分)から、メスタジャでのバレンシア戦には再び、CFなしで挑まないといけないのは仕方ありませんが、ファンとしては、スアレスが来週には陰性になってくれるのを祈るばかり。メキシコ代表の合宿中に負傷したエレーラも復帰は微妙ですし、先日、入団したコンドグビア(バレンシアから移籍)はCLに選手登録されていないため、現在、5連勝で2位と、好調なリーガの方はローテーションが入りそうな感じですが、さて。相手の方も左SBのガヤが前節のアラベス戦で左ハムストリングを肉離れして全治1カ月と最近、どのチームもケガ人が増えてきているのは嫌な傾向ですよね。 一方、「出られない選手が多くてマドリーが泣いているなんてマスコミが言うのはお笑いだ」という、コンテ監督の試合前のコメントを裏付けるように、そのまま、0-2で勝利。インテルに2連勝して、来週火曜にキエフでシャフタールに勝てば、グループ突破が決まるところまで、2節まで勝ち点1しかなかったマドリーは立て直すことができたんですが、そこはやはり、前人未踏の13回優勝をしている得意な大会。いみじくもバルサに勝って、ロコモティブに勝てなかったシメオネ監督と、リーガ前節ビジャレアル戦で1-1と引分けながら、インテルには完勝したジダン監督が「Esto es el fútbol/エストー・エス・エル・フトボル(これがサッカー)」という台詞で一致していたのも何ですが、負傷中のベンゼマ、コロナ陽性のヨビッチ、マリアーノもこの日は不発ながら、ちゃんとゴールが入るのですから、お隣さんもここは見習わないといけないかと。 いえまあ、コンテ監督も「精神的にとても重圧のある試合で、落とすことができなかった上、相手がマドリーとあっては…」と、グループ最下位のインテルがエスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノ(RMカスティージャのホーム)での3節のように、互角にプレーできなかった理由を説明していましたが、何せ、2010年にはモウリーニョ監督(現トッテナム)の下、CL優勝を遂げて以来、しばらく不調が続き、6シーズンもこの大会に出られない時代もあった彼らですからね。昨季もグループリーグで敗退し、EL16強対決の一発勝負ではヘタフェを簡単に足蹴にしたものの、その時はエチェイタがシュートを邪魔することもできず、巨人のように見えたルカクでさえ、ラモス抜きで、ナチョ&バランのCBコンビに成す術もなかったとなれば、これは格の違いと言っていい? もっともそのELの方でも、最後にインテルはこちらも前人未踏、6回目の優勝を遂げたセビージャに決勝で負けることになったんですが、ちなみに夏にはヘタフェの一員として、そのインテル戦に途中出場し、今季からはRMカスティージャにレンタル移籍。頭数不足で遠征に参加していたウーゴ・トゥーロの出番はなかったんですが、一応、これでリベンジは果たせたかと。先週から、マドリーも地獄の10連戦に突入したため、また近いうちにトップチームに呼ばれることもあるかと思いますが、とりあえず、木曜のバルデベバス(バラハス空港の近く)でのセッションの映像を見たところ、土曜午後9時(日本時間翌午前5時)からのアラベス戦にはベンゼマが戻って来られるかもしれません。 何せ、宿敵のバルサはもっと切実なんですが、マドリーもリーガでは現在4位と、そんなに調子がいい訳ではありませんからね。ラモスはシャフタール戦に向けて、鋭意リハビリ中ですが、ようやくミリトンはPCR検査が陰性に。この先もセビージャ戦、お隣さんとのマドリーダービーと大変な試合が続くだけに早いところ、ケガ人、自宅隔離選手には復帰してもらいたいところですが、アラベスでも前節のバレンシア戦の後、マヌ・ガルシアが陽性と、ウィルスにはもう誰がいつ、感染しても不思議はなさそう。 そしてヨーロッパの大会組でないヘタフェはまた日曜、同じ週1ペースのアスレティックをコリセウム・アルフォンソ・ペレスに迎えることになるんですが、相手は前節、ベティスに4-0で大勝と復活の兆しが見えてきていますからね。このところゴール日照りに見舞われ、直近4試合、白星に見放されているボルダラス監督としてもそろそろ、浮上のキッカケを掴みたいはずですが、さて。今のところ、11位と程々のところに位置している彼らですが、年が変わって、ファンがスタジアムに戻って来られる頃にはまた、EL出場権を争えるぐらいの高みにいてくれたら、きっと皆、喜んでくれますって。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2020.11.28 13:30 Sat
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どこにいたって伝染る時は伝染る…/原ゆみこのマドリッド

「先に罹った者勝ちなのかしら」そんな風に私が首を振っていたのは木曜日、アトレティコのトレイラがバラハス空港での入国時検査で陽性を出したと聞いた時のことでした。いやあ、前日の夕方にはコロナ禍発生以来、初めてマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場でのセッションを見学することができて、大いに喜んでいた私だったんですけどね。久々に会った顔馴染みのクアトロ(スペインの民放)のレポーターによると、火曜のW杯予選2試合目前にコロナ陽性が発覚し、即モンテビデオで隔離となっていたルイス・スアレスとは別に、ウルグアイ代表の同僚であるトレイラ、ヒメネス、そして彼らとの対戦に0-2で勝ったブラジル代表のフェリペ、ロディの4人はクラブの用意したプライベートジェットで一緒に帰って来たのだとか。 うーん、どうやらクラスター発生の原因はウルグアイ代表合宿中にやったバーベキューのせいじゃないかと言われているんですが、その全員マスクなしの写真を見ると、確かにトレイラは先に陽性となったスアレルとロドリゴ・ムニョス(クラブ・リベルタ)の間に座っていて、さもありなんという印象。でもスアレルの反対側の隣にはマドリッドの弟分、ヘタフェのアランバリがいて、そしたら彼も怪しくない?といっても代表合宿に集合した直後にも検査はあり、その時は皆、白だったとなれば、むしろバーベキューの用意をした現地スタッフとかから、ウィルスをもらった可能性の方が強いかと。 何せ、今やどこで感染するか、わかったもんじゃないコロナですからね。少なくともロディは昨季の中断後、6月に練習開始となった時点で、ヒメネスも10月の代表戦期間中にマドリッドで感染しているため、再陽性になることはなさそうですが、さて。今はフェリペも難を逃れていることを祈るばかりなんですが、その間、お隣さんではインターナショナルマッチウィーク前に自宅隔離となったカセミロに続き、アザール、ミリトンも木曜にPCR検査で陰性をゲット。つまり、代表戦とその移動で体力を消耗することもなく、この先、感染の心配なしで、レアル・マドリーの試合に出られるのは羨ましい限りですが、そのうち、シーズン序盤に陽性者多発で苦しんだアスレティックなどが、逆に免疫獲得選手多数となって、有利になったりするのでしょうか。 ま、そんなことはともかく、今はスペイン代表が2020年の最後を文句のつけようのないgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)で締めくくった試合の話をしないといけません。ええ、火曜には第2回ネーションズリーグのファイナルフォー進出を懸けて、セビージャ(スペイン南部)のカルトゥハでドイツ戦に挑んだ彼らなんですが、この必勝だった試合にルイス・エンリケ監督はモラタ(ユベントス)、フェラン・トーレス(マンチェスター・シティ)、ダニ・オルモ(ライプツィヒ)の3人を前線に配置。ただ、ここ最近のゴール不足を解消することができたのは、皮肉にも前半9分、カナレス(ベティス)が左太ももを痛め、早い段階でファビアン・ルイス(ナポリ)が入ったおかげと言えなくもなかったかと。 そう、22分に彼が蹴ったCKをモラタが見事に頭で捉え、先制ゴールを入れてくれたからですが、その5分後にもファビアンからのラストパスでモラタは再び、GKノイアー(バイエルン)を破ることに。こちらは線審がオフサイドの旗を上げたため、得点にはなりませんでしたが、いやあ、実はネーションズリーグにはVAR(ビデオ審判)が導入されてないんですよ。リプレーではオフサイドでなかったというのもしょっちゅう、ユベントスの試合で後からノーゴールにされている当人にとっては皮肉ではありますが、嘆く必要は全然ありません。というのもこの日のスペインは、「全てが最初からひどかった。ボール争いに1回も勝てず、組織的なプレーもできなかった」(レーブ監督)というドイツを圧倒的に押しまくり。 32分にはコケ(アトレティコ)の上げたクロスから、オルモのヘッドはゴールバーに弾かれたものの、こぼれ球をフェランが撃ち込んで2点目が入ったかと思いきや、37分にも再び、ファビアンからのCKを今度は、「Trabajamos mucho la estrategia/トラバハモス・ムーチョ・ラ・エストラテヒア(セットプレーは沢山、練習した)」というロドリ(マンチェスター・シティ)が頭で流し込んでいるって、え、前半だけで3-0とは、一体、何の冗談?それだけ点差がつけば、前節のスイス戦で2度のPKに失敗。その日は直接FKでリベンジを図ったものの、惜しくもノイアーに弾かれてしまったセルヒオ・ラモス(マドリー)がハーフタイム入りの3分前、右太ももの肉離れで19才のエリック・ガルシア(マンチェスター・シティ)に代わってしまったとて、それ程、心配するには及びません。 ええ、実際、「ウチのゲームプランは95分間、同じままだった。No especulamos ni defendemos resultados/ノー・エスペクラモス・ニー・デフェンデモス・レスルタードス(様子見をしたり、結果を守ったりはしなかった)」とルイス・エンリケ監督が後で言っていた通り、後半も攻め続けたスペインは9分、ファビアン、ガヤ(バレンシア)と繋いで、またしてもフェランがゴール。更に16分、再びファビアンのアシストでフェランが自身3点目、ハットトリックを達成って、ちょっとお、先日、ヒザの半月板損傷で4カ月の離脱になったアンス・ファティ(バルサ)よりは2つ上ですが、この選手もまだ、U21代表でプレーできる20才なんですよ。末恐ろしいというか、将来が楽しみというか、ホント、こういう若い選手たちが出て来ると、2012年のユーロ優勝以来、ずっと停滞していたスペイン代表にも期待が持てるようになる? そして5点入ったところでようやく、ルイス・エンリケ監督は前線をアセンシオ(マドリー)、ジェラール・モレノ(ビジャレアル)、オジャルサバル(レアル・ソシエダ)に代えたんですが、43分には、オランダ戦で額を縫ったガヤの復活証明アシストでオジャルサバルもゴール祭りに加わり、最後は6-0の大勝に。最終節で首位を奪還して、試合後のロッカールームも大騒ぎだったんですが、いやあ。だってえ、「Muy ilusionados con la Final Four con el equipo que temenos/ムイ・イルシオナードス・コン・ラ・ファイナル・フォー・コン・エル・エキポ・ケ・テネモス(今のチームでファイナルフォーを迎えるのが凄く楽しみだ)」とフェランなどは言っていましたけど、それ、開催は来年10月なんですよ。 翌水曜にはイタリアとベルギーの参戦も決まり、すでに前節には勝ち抜けが決まっていたフランスと共に12月3日の組み合わせ抽選を待つことになるんですが、その4日後には2022年W杯予選の抽選会も開催。このファイナルフォー出場で5チーム編成のグループに入ることが決まっているスペインはまず、3月にW杯予選3試合、9月に3試合、11月に2試合を消化する中、6月11日から1カ月間は延期されていたユーロ2020本大会、そして10月にイタリアでネーションズリーグ・ファイナルフォーと、もう訳わからない状態に。その上、U21ユーロ予選を勝ち抜いた後輩たちも3月に本大会グループステージ、6月11日から7月11日までは決勝トーナメント、そしてもし、本当に開催できなるなら、オリンピックもあるって、いやもう、私が今回、追加招集でU21合宿から呼ばれたククレジャ(ヘタフェ)だったら、正直、何をどう、目標にしたらいいか、さっぱりわからなくなっているかと。 おまけに今シーズンはリーガやヨーロッパのクラブ大会も凝縮日程ですから、「No me esperaba jugar los tres partidos/ノー・メ・エスペラバ・フガール・ロス・トレス・パルティードス(3試合、プレーするとは予想してなかった)」という、デ・ヘア(マンチェスター・ユナイテッド)、ケパ(チェルシー)を抑えて、一気に代表正GK最有力候補となったウナイ・シモン(アスレティック)を始め、この日は中盤で2年前のアトレティコでは成し得なかった、前向きのコンビネーションを披露。「2年間、代表に呼ばれなかったコケの復活ぶりは素晴らしい。No solo se ha limitado a dar pases de seguridad/ノー・ソロ・セ・ア・リミタードー・ア・ダール・パセス・デ・セグリダッド(安全なパスを送るだけに留まらなかった)。オランダとの親善試合で一番、良かった時間もこの2人がピッチにいた」と代表スタッフから、お褒めの言葉をもらっていたコケとロドリにしても、この11月の代表戦で活躍した選手たちが3月にも元気でいられるかはそれこそ、神のみぞ知るところですからね。 まあ、その辺も踏まえてルイス・エンリケ監督は、「No tenemos un equipo fijo, puede jugar cualquiera y eso no va a cambiar/ノー・テネモス・ウン・エキポ・フィホ、プエデ・フガール・クアルキエラ・イ・エソー・ノー・バ・カンビアル(ウチには決まったチームがなくて、どの選手でもプレーできる。それは変わらないだろう)」と言っていたのかもしれませんが、さて。とりあえず、水曜から選手たちが戻り始めたリーガのチームもこの週末は、代表被害がより少なくて済んだのは誰か、競うことになるんですが…。 え、どこより甚大なのはキャプテン、ラモスを2週間、欠くことになったマドリーじゃないのかって?そうですね、実はCBコンビを組むバランもフランス代表の最後の試合となったスウェーデン戦で肩を痛め、途中交代。土曜午後4時15分(日本時間翌午前0時45分)からのビジャレアル戦への出場は金曜の練習を見て決めるのだとか。とはいえ、丁度、ナチョがケガを治して復帰していますし、ミリトンもコロナ陰性になりましたからね。他にもカルバハル、アザール、カセミロ、そしてバレンシア戦で筋肉痛を患ったベンゼマも出られるため、たとえ、相手が現在2位の好調チームとはいえ、ラ・セラミカで引けは取らないと思いますが、やはり怖いのは来週水曜のCLインテル戦。 そう、ラモス抜きのマドリーがCLで苦戦するのは周知の事実とあって、とにかくジダン監督は5節のシャフタール戦までには回復してもらいたいところでしょうが、こればっかりはねえ。ビジャレアルも久保建英選手を始め、ジュラール・モレノ、パウ・トーレスら、代表帰りの選手が結構いるため、3度もペナルティを取られた前節バレンシア戦のような不運に見舞われなければ、いい勝負になると思いますよ。 一方、ウルグアイ・サッカー協会にセレソ会長が苦情を申し立てているアトレティコは土曜午後9時(日本時間翌午前5時)から、ワンダ・メトロポリターノでバルサ戦なんですが、最初に言った通り、スアレス、トレイラ、2人のコロナ感染者以外にもエレーラがメキシコ代表合宿中に負傷。結局、韓国、日本、どちらの親善試合にも出場していないため、むしろ連戦のツケがこの時期に出たということでしょうが、私が覗いた水曜のセッション、マスコミ公開15分間ではジエゴ・コスタ、カラスコ、ビトロら、paron(パロン/リーガの中断期間)前からのリハビリ組、そしてモンテネグロ代表を早退してきたサビッチも全体練習に合流していたのは朗報だったかと。 その日をジムで過ごしたコケやジョアン・フェリックス、水曜のギリシャ戦でもクリーンシートを維持して、スロベニアがネーションズリーグのCグループからBグループに昇格するのを助けたGKオブラクも木曜の練習には参加していましたしね。確かにスアレス不在は攻撃面で痛いとはいえ、2節前のオサスナ戦では彼抜きで3点取っていたり、ジョアンもポルトガル代表で2ゴールと調子に乗っていますしね。シメオネ監督もあまり心配していないかも。ただ、彼らも来週水曜にはCLロコモティブ・モスクワ戦がありますし、その後もバレンシア戦、CLバイエルン戦と難しい試合が続くため、スアレスには早く陰性結果を出して、せめてマドリッドには戻って来てもらいたいですよね。 一方、バルサではスペイン2戦目のスイス戦でヒザを捻ったブスケツが2週間の離脱。あとは特に代表戦での負傷、感染等は聞いていませんが、コウチーニョのケガが治って復帰というのはクーマン監督にとって、大きいかと。今はアトレティコが3位で、8位のバルサとは勝ち点差6と、ここで負けても順位が引っくり返ったりはしないんですけどね。せっかく今季はここまで7試合で無敗と、リーガで唯一の黒星なしチームになっているんですから、その記録をできるだけ長く続けて欲しいところかと。 そしてククレジャがスペインA代表デビューを果たせなかったとはいえ、U21の消化試合で体力を使うこともなかったヘタフェは日曜午後2時(日本時間午後10時)から、アウェイでのエイバル戦に臨むんですが、何せこちらは前節、ビジャレアルに1-3と負けてしまいましたからね。バルサと勝ち点が同じの10位とはいえ、16位のエイバルとの差も2ポイントだけなので、気を緩める訳にはいきません。この先、3、4週間、再びヨーロッパの大会のないチームにとっては、体力的に有利な日程になりますが、10月の代表戦からの3週間でヘタフェはバルサ戦勝利以外、白星がなし。ここからはギアを上げて、再びEL回帰の夢が見られる彼らに戻ってくれたらいいんですが…。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2020.11.20 19:00 Fri
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試合もコロナも増えていく…/原ゆみこのマドリッド

「7連戦じゃない!?」そんな風に私が目を瞠っていたのは月曜日、これまでまったく話題に上がってなかったため、ほとんど気にしていなかったコパ・デル・レイ1回戦の組み合わせ抽選会のライブ配信ページをASのサイトで見つけた時のことでした。いやあ、コロナ流行のせいで通常より、シーガが遅く始まった今季は10月のインターナショナルマッチウィークが終わった後にヨーロッパの大会も開幕。おかげでCL、ELのグループリーグに参加しているスペインのチームは地獄の7連戦をこなさないといけなかったんですけどね。11月も代表戦後にグループリーグ後半戦があるため、同じ7連戦リピートと勝手に思っていたところ、何と12月16日前後にコパ1回戦って、それじゃ、10連戦になっちゃうじゃないですか。 それも、おそらく昨季と同じ1月に開催になるだろう、スペイン・スーパーカップのファイナルフォーに出場するレアル・マドリー(リーガ優勝)、バルサ(リーガ準優勝)、レアル・ソシエダ(昨季のコパ・ファイナリスト)、アスレティック(同、昨季のコパ決勝は来年4月4日に延期されている)ら、4チームは1、2回戦が免除。よって、このミッドウィーク、週末の4週間連続ループの苦行に挑むのはアトレティコ、セビージャ、ビジャレアル、グラナダだけなんですけどね。112チームによる1発勝負のコパ1回戦でシメオネ監督のチームが地方リーグ所属のカルダサル(マジョルカ島)と当たったのはともかくお隣さんとバルサのもたつきにより、今季こそリーガ優勝争いに喰い込めかもしれないとファンに期待されている昨今、あまりにハードなスケジュールでは? 大体がして、各国代表に大量14人もの選手を送り込んでいるアトレティコにはすでに不安をかきたてる知らせが届いており、まずはサビッチ(モンテネグロ)がネーションズリーフのアゼルバイジャン戦を筋肉痛により欠場。キプロス戦を待たずに代表を離脱することに。エレーラ(メキシコ)も韓国との親善試合に左太もものケガで出られず、火曜の日本戦を待たずにマドリッドに戻ったんですが、何と言っても一番の懸念はGKオブラク(スロベニア)だったかと。ええ、週末のネーションズリーグ、コソボ戦前に左肩に痛みを覚えたため、その試合には出場せず、検査をしていたんですが、幸い、負傷は発見されなかったため、水曜のギリシャ戦には出られるかもって、いや、温存してくれて全然、構いませんって。 というのもこのparon(リーガの中断期間)明け、アトレティコがワンダ・メトロポリターノに迎えるのがバルサだからで、実は大西洋の向こう側でもウルグアイ代表メンバーにコロナ陽性選手が発生。先日、隔離期間が終わって復帰してきたヒメネスはともかく、ルイス・スアレスとトレイラ、そしてマドリッドの弟分、こちらもコパ1回戦を地方リーグのアナイタスナ(バスク)との対戦が決まったものの、ヨーロッパの大会がないため、連戦にはならないとヘタフェから出向しているダミアンとアランバリにだって、もしものことがあったら、困りますからね。おまけに月曜にはスペインとネーションズリーグで同グループのウクライナで3人、陽性の選手が見つかったため、火曜の最終節、スイス戦が延期になったって、え、そのウクライナと対戦したばかりのドイツと試合するスペインのコケやマルコス・ジョレンテに感染の危険はないの? いえ、アトレティコだけにかまけず、今はスペイン代表の話をしないといけません。実は土曜のネーションズリーグ5節でスイスとバーゼルで対戦した彼らだったんですが、あまり良くない結果だったんですよ。いやあ、戦前はオランダとの親善試合でいいプレーをしたモラタ(ユベントス)が持ち上げられ、先発CF間違いなしと言われていたにも関わらず、ルイス・エンリケ監督はダニ・オルモ(ライプツィヒ)をfalso nueve(ファルソ・ヌエベ/仮のCF)として起用。オジャルサバル(レアル・ソシエダ)とフェラン・トーレス(マンチェスター・シティ)の3トップで挑んだんですが、どうにもゴールが入らなくてねえ。 そうこうするうち、前半26分、オランダ戦同様、守備陣の乱れを突かれ、エンボロ(メンヘングラッドバッハ)が1人、エリアにドリブル突進。そのラストパスをフロイラー(アタランタ)に決められて、スイスに先制点を奪われてしまったから、呆気に取られたの何のって。いえ、このゴールには、こちらも意表を突いて、オランダ戦からの連続先発となったGKウナイ・シモン(アスレティック)に責任はないんですけどね。1点ビハインドのままだった後半9分、エリア外までクリアに出て、セフェロビッチ(ベンフィカ)にボールを先取りされ、ガラ空きのゴールにシュートを撃たれるとはこれまた如何に。その時は幸い、セルヒオ・ラモス(レアル・マドリー)がラインを越える前にクリアしてくれたため、紙一重で更なる失点を逃れたスペインだったんですが…。 直後にはファビアン・ルイス(ナポリ)に代わってモラタが入り、いよいよ真剣に反撃を開始した彼らの同点のチャンスを作ったのもラモスでした。ええ、12分、CKのボールを彼がヘッドしたところ、それが敵の腕に当たり、VAR(ビデオ審判)はないネーションズリーグながら、主審も見逃さずにペナルティを宣告。もちろん、PKキッカーは当人で、この日、いよいよブッフォン(ユベントス)を抜いて、代表戦177試合出場という、ヨーロッパ最多記録を打ち立てた記念ゴールを挙げるべく、意気揚々と蹴ったところ、まさかGKヤン・ゾマー(メンヘングラッドバッハ)に弾かれてしまうとは! いやあ、昨季のリーガ最終戦でPKを弾かれ、ヘタフェの2年連続EL出場を逃した戦犯となったマタもそうだったんですが、ラモスもここまで25回連続PK成功中でしたからねえ。おまけにヒザをケガしたブスケツ(バルサ)、オルモ、オジャルサバルが一気にコケ、カナレス(ベティス)、アダマ・トラオレ(ウォルバーハンプトン)に代わった後の34分にもスペインはPKをゲット。今度はコケが昨季までのチームメートにスルーパスを送り、シュートに行ったモラタがゴール前でエルベディ(メンヘングラッドバッハ)に倒されてくれたおかげでしたが、いやあ、前節のバレンシア戦ではソレルが1度、PKをクルトワに弾かれながら、その後、3度連続して決めて、PKハットトリックを達成という光景を目の辺りにしていたせいでしょうかね。 ラモスにもキッカーを代わってもらおうという考えは起きなかったか、リピートしたんですが、今度は緩いパネンカ風をあっさり止められてしまうとはまったく、世も末。ルイス・エンリケ監督など、「Si hubiera habido tres o cuatro los habría tirado él/シー・ウビエラ・アビードー・トレス・オ・クアトロ・ロス・アブリア・ティラードー・エル(もし3度目、4度目のPKがあったとしても彼が蹴っていただろう)」と代表キャプテンを庇っていましたが、試合後記者会見ではその時、エルベディがペナルティのファールで2枚目のイエローカードをもらい、explusion(エクスプルシオン/退場)となっていたことに気がついてなかったことがバレてしまったのはやっぱり、滅多にないことに指揮官も動揺していた? え、さっきからメンヘングラッドバッハの選手が何人も出てくるけど、もしやそれって、CLグループリーグ2節でマドリーが対戦したチームじゃなかったかって?その通りで、おそらくGKゾマーなどはその際にラモスのPKを研究していたんじゃないかと思うんですが、心配なのはまだアウェイのインテル戦やシャフタール戦があって、突破へ道筋が不確かなジダン監督のチームが最終節、エスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノ(RMカスティージャのホーム)にこのドイツ勢を迎えないといけないこと。何せ、アウェイでは2点先行され、土壇場にベンゼマとカセミロのゴールでようやく引き分けた相手ですからね。もし、ギリギリで勝ち抜けを争っている状況でまた、ゾマーとラモスのPK対決になったら、ちょっと怖い気もしないではないんですが、ま、それはそれ。 スイス戦の話に戻すと、ラモスの2度目のPK失敗の直後、ルイス・エンリケ監督は最後の切り札、ジェラール・モレノ(ビジャレアル)を投入。43分にはレギロン(トッテナム)のラストパスを彼が決めて、何とか同点には持ち込んだんですが、ロスタイムにはウナイ・シモンも参加してのCK全員攻撃も実らず、結局、1-1の引き分けで終わることに。先月最後のウクライナ戦から、これで3試合連続白星なしというのが、スペイン代表では20年ぶりの不名誉というのも困ったもんですが、何よりマズいのは同時刻、ドイツがザネ(バイエルン)とベルナー(チェルシー)の2発でウクライナに3-1の逆転勝利。勝ち点差2を覆してグループ首位に立ち、スペインがファイナルフォーに出場するには火曜の直接対決でドイツを破らないとはちょっと、ハードル高くない? いえ、今のドイツ代表は、アトレティコがCLグループリーグ1節で4-0のgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)を浴びた昨季の5冠王者バイエルンとイコールという訳ではありませんけどね。GKノイアーを始め、ゴレツカ、ナブリ、ザネ、ズーレと何人も見知った顔がいるため、コケやジョレンテはまた、アリアンツ・アレンアでの悪夢を思い出してしまうかも。その一方で、出身地セビージャ(スペイン南部)での大一番とあって、前日記者会見に出る予定だったラモスは最近、今季で満了するマドリーとの契約延長交渉の話題ばかりになっている状況がウザかったんでしょうかね。 会見を当日にドタキャンして、サッカー協会のビデオインタビューに答えることにしたようですが、またPKのチャンスが巡って来た際には蹴る気満々だったのはいかにもラモスらしい。いやあ、モウリーニョ監督時代にはバイエルンとのCL準決勝でPK戦の最後のキッカーに。奇しくもノイアー相手にサンティアゴ・ベルナベウの天高く撃ち上げてしまい、当時は悲願だったdecima(デシマ/10回目のCL優勝のこと)達成の道が遠のいたなんていう、若き日の苦い思い出もある彼ですが、さすがにこちらはもう、当人も忘れているかもしれません。 ちなみに前日にはカルトゥハでのスタジアム練習を行ったスペインでは、オランダ戦で額を縫ったガヤ(バレンシア)が回復。ブスケツの方はヒザの靭帯の負傷でスタンド観戦に回ることになったため、ロドリ(マンチェスター・シティ)が代役を務めるようです。ルイス・エンリケ監督は「Tengo decidido el portero que jugará mañana/テンゴ・デシディードー・エル・ポルテーロ・ケ・フガラ・マニャーナ(明日、プレーするGKは決めてある)」と言っていたものの、誰かは明かさなかったため、ウナイ・シモンの続投か、デ・ヘア(マンチェスター・ユナイテッド)になるのかは見てのお楽しみというところでしょうか。 どちらにしろ、この火曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)からのスペインvsドイツ戦でネーションリーグのグループ戦も終わりですからね。うーん、このカルトゥハで10月に女子A代表が2022年女子ユーロ予選のチェコ戦を戦った時には800人程、ファンが入ることができたんですけどね。男子の方が無観客試合なのはちょっと不公平ではありますが、ここは選手たちには気持ちを強く持ってもらって、とにかくケガ人とコロナ陽性者だけは出ないことを祈っています。 というのも、マドリーではノルウェイ代表に行っていたウーデゴーアがチームに陽性選手が出たため、週末のネーションズリーグ、ルーマニア戦遠征ができず、水曜のオーストリア戦も母国の政府の方針で一緒に合宿していたメンバーは隔離期間を設けないといけないということで、1試合もせずにマドリッドに帰還。すでに月曜にはバルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場で汗を流しているのを夜のTVニュースで見て、何せ、あちらはアザールとカセミロも代表戦週間入り直前に自宅隔離になってしまいましたからね。せめて1人でもMFが元気で戻って来てくれて良かったと思った矢先、ルイス・スアレスがW杯予選準備中のウルグアイ代表で陽性発覚という凶報が入ってきたから。 昨今では国ごとに隔離日数や出入国条件が違うため、土曜のバルサ戦出場は絶望としても、彼がいつ、マドリッドに戻って来られるのかすら、わからないとなれば、ただただ、コロナを恨むしかないんですが、まったく。今の時期、選手たちの大量移動を伴う代表戦開催はできれば、避けて欲しいんですが、FIFAもUEFAも予定試合を消化していかないと、あとがまた詰まってしまいますからね。代表に行かなくても感染する選手はいるため、その辺は何とも言えないんですが、今後は先日、レアル・ソシエダ戦でトップチームの選手数が規定未満になったグラナダのように、試合をするのが難しくなるチームがリーガでも結構、出てくるんじゃないでしょうか。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2020.11.17 22:30 Tue
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選手にだって体力の限界はあるだろうに…/原ゆみこのマドリッド

「いつの間にやら、凄いことになってたのね」そんな風に私が口をアングリ開けていたのは木曜日、マドリッドの外出禁止令は夜間のみなのをいいことに散歩がてら、3月以来となるサンティアゴ・ベルナベウを訪れた時のことでした。いやあ、コロナ流行による昨季のリーガ中断以前からもチョロチョロ、スタジアムの改装工事は始まっていたんですけどね。これがまた、再開後も無観客試合となったのを渡りに船とばかり、周囲を完全に封鎖しての突貫作業がスタート。度々、スポーツ紙などで「obra faraonica(オブラ・ファオニカ/エジプトのファラオ並の巨大建築)と形容されていたのも納得できる程の規模になっていたから。 ええ、スタジアム全てを覆う、開閉式屋根の取り付けのためか、見ていると首が痛くなるぐらい高いクレーン塔が何台も立ち並び、以前、オフィシャルショップ旗艦店などがあった建物も今では完全に撤去。この状態でも通常、17ユーロ(約2100円)からの入場料を3ユーロ(約400円)にまで値下げして、トロフィールームやスタンド最上階に行けるスタジアムツアーをやっているというのはビックリですが、重機マニアにはたまらないかもというのは、その入り口すら、見つけられなかった私のただの負け惜しみ。しかも辺りが暗くなる午後7時頃になっても工事が終わる気配すらないとは、2022年完成予定を前倒しして、来年夏にはエムバペ(PSG)、もしくはハーランド(ドルトムント)のメガプレゼンを大勢のファンの前でやりたいという野望がペレス会長にあるというのは決して、私の穿ち過ぎではない? まあ、何にしてもスペイン政府の方針が変わらない限り、リーガもCL、ELも無観客状態なのは続きますからねえ。その間、レアル・マドリーも人里離れたバルデベバス(バラハス空港の近く)にあるエスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノ(RMカスティージャのホーム)で試合を開催するため、すでに何軒ものバル(スペインの喫茶店兼バー)やレストランが閉店していたサンティアゴ・ベルナベウ周辺が賑わうこともなさそうですが、さて。実際、丸々1年もスタンドにファンのいない試合が続いたりすると、その間、デビューした新人選手など、いざ、平常状態に戻った時のプレッシャーが、半端ないんじゃないかと心配になってしまうんですが…。 そんなことはともかく、今週から始まったインターナショナルマッチウィークではスペインも水曜にオランダと親善試合を実施。こちらの様子もお伝えしていくことにすると、いやもう、ホントにせわしないんですよ。月曜にラス・ロサス(マドリッド近郊)にあるサッカー協会施設に集合したチームは翌日、早くもアムステルダムに移動。ヨハン・クライフ・アレナでの前日練習を含め、たった2回、セッションをこなしただけでキックオフとなったんですが、おやおや。2018年のワールドカップ以来の招集となったコケ(アトレティコ)が出場数45試合で最多となり、キャプテンを務めていたことからもわかるように、その日のルイス・エンリケ監督は比較的、代表歴の少ない選手でスタメンを構成。 それでも相手が守備の要、キャプテンのファン・ダイク(リバプール)、デ・リフト(ユベントス)を負傷で欠き、おまけで先発したCBアケ(マンチェスター・シティ)も開始5分でケガをして、ブリント(アヤックス)に交代という不運に見舞われたおかげもあったんですかね。前半18分にはモラタ(ユベントス)のスルーパスをカナレス(ベティス)が撃ち込んで、スペインは先制点をゲット。この日、チェルシーでとんと出番のなくなってしまったケパに代わり、代表デビューを果たしたGKウナイ・シモン(アスレティック)に普段やりつけない、ボールを後ろから繋ぐプレーをルイス・エンリケ監督が命じたため、何度か、昨季のCL16強対決マンチェスター・シティ戦2ndレグのように、バランの失点ミスを引き起こしたマドリーのクルトワの二の舞になるんじゃないかと、ヒヤヒヤさせられた場面はあったものの、リードを保ったまま、ハーフタイムに入ります。 でもねえ、後半始まってすぐだったんですよ、オランダに追いつかれてしまったのは。そう、中盤の3人を入れ替えたデ・ボエール監督率いるチームは2分、ワインダム(AZ)のクロスをファン・デ・ベーク(マンチェスター・ユナイテッド)がスペイン守備陣の混乱に乗じてエリア内からシュート。これがゴールとなり、いえ、前半途中に左SBのガヤ(バレンシア)が空中戦でハテブール(アタランタ)と頭をぶつけ、レギロン(トッテナム)に交代していたのはあまり、関係ないかと思いますけどね。元々、右SBが代表5年ぶりのベジェリン(アーセナル)、CBコンビもイニゴ・マルティネス(アスレティック)とエリック・ガルシア(マンチェスター・シティ)という、皆、初顔合わせ状態でしたし、この試合前は芝生上での練習より、ビデオセッションの方が多かったとなれば、コンビネーションがあうんの呼吸でいかないのも当然だった? そしてスペインも16分にはモラタ、アセンシオ(マドリー)、ジェラール・モレノ(ビジャレアル)の前線3人をダニ・オルモ(ライプツィヒ)、フェラン・トーレス(マンチェスター・シティ)、アダマ・トラオレ(ウォルバーハンプトン)に総入れ替え。勝ち越し点を狙っていったんですが、残念ながら、なかなか好機が作れません。ええ、カナレスと代わり、マルコス・ジョレンテ(アトレティコ)も代表デビューを果たした後、最後は40分、ブッフォン(ユネントス)がイタリア代表で持つ、ヨーロッパ最多出場記録の176試合に並ぶべく、セルヒオ・ラモス(マドリー)がピッチに入った時など、実況アナも「そのままCFでプレーした方がいいんじゃないか」と言っていた程だったんですが、まあ所詮は親善試合。そこまで極端に走ることもなく、1-1のまま、荒寥感溢れる無人の場内にルイス・エンリケ監督の声が響き渡った試合は引き分けで終了となりましたっけ。 え、クーマン監督のバルサ赴任に伴い、10月からオランダ代表を引き継ぎ、3分け1敗とまだ白星のないデ・ボエール監督もあとで、「お金は非情に大事だが、選手たちのケアもしないといけない。この試合をやる必要があったとは思えない」と告白していたように、リーグとヨーロッパの大会の過密日程が続く中、わざわざ親善試合までプレーさせられるなんて、いくら高給をもらっていても非人道的じゃないかって?うーん、ただそれを言うなら、マドリーのクロースなども合宿中のドイツ代表から、「こういう大会はとにかくFIFAやUEFAが収入を得るためにあって、選手たちを肉体的に搾取している」という意見を発信していたように、この9、10、11月のヨーロッパの代表戦週間のメイン、ネーションズリーグからして、あまり意義が感じられなかったりしますからね。 もちろん、2年前に始まった初回ネーションリーグで好成績を残した、ユーロ2020(来年に延期)予選落ちの16国が先月からプレーオフで激突。木曜には北アイルランドとの決勝に勝って、スペイン、スェーデン、ポーランドのいるグループEでの本大会出場が決まったスロバキアなどにとっては貴重な機会だったでしょうけどね。すでに第2回ネーションズリーグが進行中なのも違和感がありますし、1番上のリーグにいるスペインはファイナルフォーに出場して、去年、初代王者となったポルトガルの後を継ぐことが目標と言っても、その決勝は一体、いつあるんでしょうか。 いやあ、聞きかじった話によると、来年秋らしいんですが、そうなると2022年W杯予選と並行ということになって、再び代表戦過密日程のリピートというのもねえ。ちなみに金曜にはネーションズリーグ5節のスイス戦が行われるバーゼルに直接移動したスペインでしたが、ルイス・エンリケ監督は左眉の上を4針縫ったガヤの状態を気遣って、マルベジャ(スペイン南部のビーチリゾート)でU21ユーロ予選のフェロー諸島戦に出る予定だったククレジャ(ヘタフェ)を追加招集。とはいえ、土曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)からのザンクト・ヤコブ・パルクで、同時開催のドイツvsウクライナ戦の勝者と首位を争うことになる一戦の先発見込みはレギロン、ガヤも来週火曜、セビージャのカルトゥハで行われるドイツ戦目指して、チームに残っているため、デビューできるかどうかはわかりません。 加えて、ルイス・エンリケ監督には「Es un jugador de una garantía total de que va a rendir a un altísimo nivel/エス・ウン・フガドール・デ・ウナ・ガランティア・トタル・デ・ケ・バ・レンディル・ア・ウン・アルティスモ・ニベル(超レベルの高いパフォーマンスを見せる保証が完璧にある選手)」と大仰に褒められていたコケも、いえ、代表キャプテン初体験に110キャップのアトレティコの先輩、フェルナンド・トーレスからお祝いメッセージももらい、「Kokiño(コキーニョ/ブラジル人風の愛称)」と呼ばれていた当人は、いたく感激していたようなんですけどね。元々、今回のチームプラン自体が「公式戦にフレッシュな選手で挑む」(ルイス・エンリケ監督)というものらしいため、フル出場の後はお休みかもしれませんが、いやいや、温存上等! 今度はブスケツ(バルサ)、ミケル・メリーノ(レアル・ソシエダ)、ファビアン・ルイス(ナポリ)といった選手たちに働いてもらって、アトレティコ勢はparon(パロン/リーガの中断期間)明けのバルサ戦、CLロコモティブ・モスクワ戦に備え、見学してくれたらいいかと。そうそう、10月から1試合、1得点以上できないゴール不足対策にはモラタのCF連投、オランダ戦ではベンチ外となったオジャルサバル(レアル・ソシエダ)、そして何より、代表戦出場数ヨーロッパ最多記録を作るべく、今度はスタメンとなるラモスに期待が懸かっているようですよ。 え、それでこの1週間、マドリッドの1部チームたちは何をしていたのかって?いやあ、3チーム共、週末は練習休みになるんですが、とにかく両雄はアットホーム感の強いセッションでねえ。というのもアトレティコなど14人、木曜からはマヌ・サンチェスもククレジャの代わりにスペインU21に玉突き招集されたため、大量15人が各国代表に出払っている上、ジエゴ・コスタ、カラスコ、ビトロ、ベルサイコらはまだ負傷のリハバリ中。おかげでマハダオンダ(マドリッド近郊)のグラウンドにはサウール、エルモーソ、レマル、コレア、サポンジッチの5人しか、トップチームの選手がいなかったとか。 マドリーの方も似たり寄ったりで、ええ、こちらにはコロナ陽性で自宅隔離中のミリトン、アザール、カセミロもいますからね。代表招集は11人とお隣さんより少なかったんですが、先週末には筋肉痛のベンゼマ、脛骨亀裂のバルベルデに加え、ルーカス・バスケス、メンディの負傷も判明。よって、ジダン監督が指導できたのはマルセロ、マリアーノ、イスコ、そしてRMカスティージャ所属の第3GKアルトゥーベのたった4人だけって、何せ、彼らの場合は前節のバレンシア戦で4-1という大敗をしただけでなく、代表戦明けにもビジャレアル、そしてCLインテル戦という、強敵相手のアウェイ2連戦が控えていますからね。 いかにチームを立て直すか、ここはジダン監督の腕の見せ所とはいえ、あまりやれることもないんですが、カルバハルとナチョ、両名の復帰が秒読み段階に入っていること、コロナ勢3人も来週の検査で陰性が出れば戻れるのは朗報と言っていい?ただ、今は各国代表でもチラホラ、陽性者が発見されているため、逆に感染して戻って来る選手がいないとも限らないんですけどね。この件に関しては、アトレティコのシメオネ監督にしても、出向しているのが、ウナル(トルコ)、ダミアン、アランバリ(ウルグアイ)、マクシモビッチ(セルビア)、ジェネ(トーゴ)、そしてククレジャと6人だけのヘタフェのボルダラス監督も天に祈るような気持ちでいるのは間違いないかと思います。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2020.11.14 14:00 Sat
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1人勝ちしてしまった…/原ゆみこのマドリッド

「別に呼んでくれなくても良かったんだけど」そんな風に私が複雑な気持ちになっていたのは月曜日、2年ぶりスペイン代表からお声の掛かったコケと初招集されたマルコス・ジョレンテがいそいそと現行バージョンのユニを着て、映像資料用の撮影に励んでいるビデオを見た時のことでした。いやあ、コロナ禍のせいで、今年は3月からの代表戦が中止、ユーロ2020も来年夏に延期になった後、ネーションズリーグで再開された9月、10月の招集リストにはアトレティコ勢が1人もいなかったんですけどね。おかげでparon(パロン/リーガの中断期間)中、じっくり体を鍛えられたのもあったか、パフォーマンスが上がってきた2人だったんですが、そのご褒美が休みなしで地獄の7連戦第2バージョンに挑まないといけなくなる代表勤務とは、痛し痒しとはまさにこのこと? だってえ、スペイン代表の招集リストは金曜に発表されたんですが、先週末には2人も負傷者が出ていて、早々に代わりの選手を指名せざるを得なかったんですよ。そう、土曜には「15分の休みを与えたら、3シーズンは余裕でもつ」とルイス・エンリケ監督におだてられ、昨季のEL決勝、UEFAスーパーカップ、今季もリーガ、CLグループリーグに加え、代表戦でも皆勤していた、35才のヘスス・ナバス(セビージャ)がオサスナ戦で太ももの付け根を負傷。代わりにベジェリン(アーセナル)が4年ぶりに呼ばれたかと思えば、いえ、まあ、同じ土曜のベティス戦で左膝半月板を損傷したアンス・ファティ(バルサ)の場合は当人も18才と若いですし、別に勤続疲労のせいではないと思うんですけどね。 こちらは日曜になって、9月の代表合宿中に昨季、靭帯を手術したヒザを腫らして離脱したアセンシオ(レアル・マドリー)が追加招集となりましたが、中には10月の代表練習中にハムストリングスを痛め、ようやく1週間前のバジャドリー戦から復帰して、リーガとELで3試合に出た後、また代表で同じ数の試合をこなさないといけないジェラール・モレノ(ビジャレアル)みたいな選手もいますからね。正直、月曜にラス・ロサス(マドリッド近郊)のサッカー協会施設に集合、翌日にはアムステルダムに移動して、水曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)からはオランダと親善試合。更に土曜にはバーゼルでスイスと、来週火曜にはセビージャでドイツとネーションズリーグの最終節ともなると、もちろん、首位のスペインにはそのまま、ファイナルフォー参加権を得てもらいたいとはいえ、はあ。 アトレティコファンにとっての気休めは今回、再招集となったモラタはすでにユベントスの選手であること、マドリーファンにしてもセルヒオ・ラモスとアセンシオの2人しか、呼ばれていないことぐらいでしょうが、とにかくスペイン以外の代表にも両チームは多数、人材を供給していますからねえ。逆に金曜にコロナ陽性が発覚し、それぞれベルギー、ブラジル代表の試合に行けず、自宅隔離期間と代表戦週間が丸々かぶるアザールとカセミロなど、不幸中の幸いだったとも言えなくはないんですが…この代表3連戦にしろ、地獄の7連戦にしろ、過密日程の諸悪の根源はコロナ。いや、まったく、イヤな時代になりましたね。 さて、そんなことを嘆いていても仕方ないので、先週末のリーガの試合を振り返っていくことにすると。この9節、土曜にプレーしたのはアトレティコだけだったんですが、何せ、相手がアウェイ4連勝中のカディスでしたからね。10月にエスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノ(RMカスティージャのホーム)でお隣さんが0-1で負けた姿もまだ記憶に新しかったため、ちょっと心配していたんですが、余裕で大丈夫。というのも相手が前半8分から、無観客のワンダ・メトロポリターノでは信じられないミスをしてくれたから。 そう、FKからのボールをコケがエリア内に上げたところ、声を出すのを忘れたか、飛び出してきたGKレデスマが味方のCBファリにぶつかられ、クリアできなかったんですよ。近くにいたジョレンテがこれを反対サイドにクロス、ジョアン・フェリックスが頭でGK不在のゴールに決めて、あっという間に先制点が入っているんですから、有難いじゃないですか。おまけに22分にはトリッピアーからパスをもらってエリア内に入ったジョレンテが、持ち前のパワーで敵DFを振り切ってシュート。当人の気迫が勝ったか、ボールはレデスマのヒザに当たりながら、ゴールになってくれたとなれば、もう勝負はついた? でもねえ、最近のアトレティコは私の慣れているアトレティコとは違うというか、リードしても一歩引かないんですよ。それどころか、前半最後の5分間など、往年のバルサや黄金期のスペイン代表のような、圧倒的なボール支配力を見せ、ずっとパスを回していたのには驚くしかなかったんですが、退屈な展開を覚悟していた後半にもゴール祭りが続くとは、これ如何に。ええ、8分にはジョアンのスルーパスをルイス・スアレルがエリア内から決め、VAR(ビデオ審判)により、オフサイド疑惑も解消されたため、3点目をゲット。それまでもヘッドやchilena(チレナ/オーバーヘッドシュート)でトライしていた当人の努力が実りましたが、45分には途中出場の選手たちも見せ場を作ってくれます。 え、先週、バレンシアからの特例移籍が決まったコンドグビアもデビューしたんだろうって?まあ、そうなんですが、彼が出場10分でイエローカードをもらっていたのはともかく、当初はトマス(夏の市場最終日に契約解除金を払ってアーセナルに移籍)の代わりと思われていたトレイラ(アーセナルからレンタル移籍)がコレアに絶妙なスルーパス。それがジョアンに繋がって、自身この試合の2点目で締めくくっているとなれば、もしや、アトレティコ的には100満点に近い出来だったのでは? 実際、カディスのセルベラ監督も「sabemos que nuestro éxito pasa por intentar que el contrario cometa errores/サベモス・ケ・ヌエストロ・エクシートー・パサ・ポル・インテンタール・ケ・エル・コントラリオ・コメタ・エローレス(ウチが成功するかどうかは、敵にミスを犯させることに懸かっているのはわかっている)」と言っていましたけどね。この日のアトレティコはノーミスで4-0のgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)勝利、もちろん、まだしみったれ根性の抜けない私など、そのうちの1、2点、火曜のCLロコモティブ・モスクワ戦に前倒ししておけば、or代表戦明けのバルサ戦に取っておけばと思ってしまったりもするんですが、いやいや。要は「El fútbol es así. En Rusia no quería entrar y hoy ha entrado muy bien/エル・フトボル・エス・アシー。エン・ルシア・ノー・ケリア・エントラール・イ・オイ・ア・エントラードー・ムイ・ビエン(サッカーはそういうもの。ロシアではゴールが入りたがらなかったけど、今日はとてもよく入った)」(ジョレンテ)ということなんですよね。 おかげで土曜終了の時点では首位となり、1日天下を堪能したアトレティコだったんですが、翌日にはレアル・ソシエダがグラナダに勝利して、1位を奪還。それももう、相手はコロナ陽性者大量発生で、ディエゴ・マルティネス監督はおろか、トップチームの選手がリーガの規定ギリギリの7人しか、サン・セバスティアン(スペイン北部のビーチリゾート都市)に移動できず、しかもうち3人はケガを抱えていたため、後半は4人以外、カンテラーノ(下部組織の選手)でプレーする破目に。試合延期を認めてくれなかったラ・リーガに当てつけるようなalineacion indebida(アリネラシオン・インデビーダ/選手起用規定違反)をしながら、2-0と地味なスコアだったのは意外でしたが、何かこれって、大会の公平性が著しく損なわれていない? ただ、アトレティコがビジャレアルにも抜かれ、結局、3位となってしまったのは、多分にマドリッドの弟分の責任もあって、ええ、日曜にイエローサブマリンをコリセウム・アルフォンソ・ペレスに迎えたヘタフェは予想以上にダミアンの出場停止とオリベイラの負傷休場が堪えたよう。ボルダラス監督も頭を捻って、本職CBのカバコを右SBに、このところはダミアンの前の右サイドでプレーすることの多いニヨムを左SBにしたんですが、前半11分にはもう、パコ・アルカセルに先制点を決められてしまってはねえ。16分にはアランバリのエリア外からの弾丸シュートで一旦は同点にしたものの、それから2分もしないうちに再び右サイドを突かれ、トリゲロスのゴールでビジャレアルに1-2とリードされてしまったとなれば、もう悠長なことはしていられませんって。 そう、30分過ぎにはボルダラス監督も軌道修正に乗り出し、カバコを引っ込め、FWのアンヘルを投入。右SBにニヨム、左SBにククレジャと体勢の立て直しを図ったんですが、まあ、おかげでカバコがカンカンになって悪態をつきながら、ロッカールームに直帰してしまったのはともかく、この日は守備陣にとって、厄日でしたかね。後半17分にもパコ・アルカセルとジェラール・モレノの連携で3点目を取られ、そのまま1-3で負けてしまったんですが、いやあ。木曜のELマッカビ・テルアビフ戦にフル出場した久保建英選手が残り数分だけの出場だったように、基本的にはベストメンバーを常に並べないといけないCLとは違い、ELでは適度なローテーションが可能なのはちょっと盲点だったかと。 そう考えると、コロナ被害のグラナダは別として、レアル・ソシエダもビジャレアルも選手皆が出場機会をもらえて、モチベーションも上がりますし、おかげで好調を維持できるのも納得ですが、まさにその反面教師となったのはその夜、最後の時間帯でバレンシア戦に挑んだマドリー。アザールとカセミロがコロナ陽性でメスタジャ遠征に参加できなかったにも関わらず、うーん、ジダン監督も相手がアトレティコに行ったコンドグビア以外にもパレホ、コケリン(ビジャレアルに移籍)、ロドリゴ(同リーズ)、フェラン・トーレス(同マンチェスター・シティ)と主力が根こそぎ、ピーター・リン会長の緊縮財政方針で換金されてしまい、平均年齢が20代前半になってしまった相手を侮ったとは思いたくないんですけどね。 ここ4試合、白星に恵まれていないとはいえ、昔から強いライバル意識を持つバレンシアですし、この試合を最後に代表戦週間入りとなれば、別にメンディとクロースを温存して、最近出番の少ないマルセロとイスコをスタメンに入れなくとも良かったはずですが、後悔先に立たず。実際、それも結果論で、前半23分にはマルセロのアシストでベンゼマが先制ゴールと、幸先の良いスタートを切ったマドリーだったんですが…。 前代未聞の悪夢が始まったのは30分に差し掛かろうかという頃。まだ23才ながら、第1キャプテンに昇格してしまったガヤのクロスが、臨時で右SBを務めているルーカス・バスケスの腕に当たり、ペナルティを取られてしまったのは仕方ないんですが、同じ年でバレンシアを牽引する、カンテラーノのソレルのPKは見事にGKクルトワが阻止。跳ね返りをソレルがまた撃つもゴールポストに嫌われ、転がったボールを17才のユネス・ムサーがゴールにしてるんですから、末恐ろしい。ただそれも当人がPKが蹴られる前にエリア内に入っていたとして、無効になったんですが、同時にルーカス・バスケスも入っていたことがVARで発覚し、PKやり直しになってしまったから、さあ大変! どうやらこの時はキッカーをリピートするか、ヴァスと交代するか、選手たちとハビ・ガルシア監督の話し合いがあったようですが、ここは先週のヘタフェ戦100分に同点PKゴールを挙げたソレルが男気を発揮。「Los rivales dicen muchas cosas/ロス・リバレス・ディセン・ムーチャス・コーサス(敵はイロイロなことを言ってくる)。後ろでマドリーの選手たちがボクのPKの蹴り方はもうわかっている、絶対、止められるはずって言っていた」(ソレル)という、無観客試合ならではのプレッシャーに打ち勝ち、今度はクルトワを破って、スコアを1-1に戻します。 その後もマドリーの不運は止まらず、43分にもバレンシアのクロスをバランがクリアし損ね、地面に倒れたクルトワの胸に落ちた時にはすでにゴールの中って、ええ、VARがありますからね。結局、そこに至るプレーでチェリシェフがアセンシオに絡みついていたファールはスルーされ、2-1となってハーフタイムに入ったんですが、何と後半5分にはガヤをゴール脇でクルトワが倒し、更にはぐれたボールを負ったマキシ・ゴメスをマルセロが倒したとされ、マドリーが2本目のPKを献上って、一体どうなっている?いえ、この時も「Marcelo llega primero pero Maxi grita más fuerte/マルセロ・ジェガ・プリメーロ・ペロ・マキシ・グリタ・マス・フエルテ(先にボールに届いたのはマルセロだったけど、マキシの叫び声の方が大きかった)」(クルトワ)という、無観客試合でないと使えない手にはまってしまったという面もあったようですけどね。 再びソレルがPKを決め、リードを広げたられたマドリーはまたしても14分、今度はムサーとボールを争っていたラモスが手でボールをクリアという、途方もないミスが勃発。それにはバル(スペインの喫茶店兼バー)で一緒に見ていたウェイターさんまで、「あんなにはっきりしたハンドがあるのか!」と大笑いしていたんですが、うーん。結局、ソレルがPK3本を決めて、ハットトリックを達成することになりましたが、実際、1試合に3回、マドリーがPKを取られたのも史上初だったとか。不運もここまで重なると、反撃の力もなくなるか、その後、ロドリゴ、ウーデゴール、クロース、マリアーノ、ヨビッチと次々、投入したマドリーでしたが、そのまま、4-1で敗戦です。 いえ、それでもジダン監督は「el culpable soy yo, porque tengo que buscar soluciones/エル・クルパブレ・ソイ・ジョ、ポルケ・テンゴ・ケ・ブスカル・ソルシオネス(責任は私にある。解決策を見つけないといけないのは私だからね)」といつものように潔かったんですけどね。運の悪い日というのはホント、どうしようもないもので、加えてベンゼマが筋肉痛でダウン、ベルベルデなど、左脚脛骨にヒビが入り、全治1カ月になってしまったなんていうのはその冴えたるものだったかと。もう、バレンシア戦は大殺界だったと割り切って、ここはマドリーも代表戦週間で気分転換するしかないんですが、何はともあれ、これ以上、ケガ人は増えないでほしいですよね。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2020.11.10 19:05 Tue
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