浮かれた自分が愚かだった…/原ゆみこのマドリッド

2020.10.03 17:00 Sat
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「当分、ミッドウィーク開催リーガはないからいいけどお」そんな風に私が嘆いていたのは金曜日、ここ最近のコロナウィルス感染者数急上昇を受け、マドリッドが再び、confinamiento(コンフィナミエントー/外出禁止)体制に入ると聞いた時のことでした。いやあ、とはいっても第1波の到来した3月、4月のEstado de alarma(エスタードー・デ・アラルマ/国家警戒事態)程、厳しいものではなく、当時は完全休業に追いやられたレストランやバル(スペインの喫茶店兼バー)などもお店を開けることはできるようなんですけどね。ただ、営業時間が午後11時までになるため、今週のように週中設定のリーガ節があると、遅い時間帯に当たるカードの終了が11時15分過ぎになり、最後まで試合を見られない心配があったから。それ以外にも再び、バルのカウンターで立ち飲みが禁じられたり、店内キャパを50%に制限されたり、はたまた、仕事などのよんどころのない事情がない限り、マドリッド郊外のヘタフェやレガネスに行けなくなってしまったりと、いやま、今季になってもラ・リーガがスタジアムに入れる記者の数を厳しく制限しているため、私も試合には行けないので別にいいんですけどね。それよりむしろ、気になっているのは木曜に決まったCLグループリーグの日程で、グループAとなったアトレティコが先日はUEFAスーパーカップでセビージャを倒したかと思えば、水曜にはDFLスーパーカップでもドルトムントに勝利。2009年にグアルディオラ監督下のバルサが達成したsextete(セクステテ/6冠優勝のこと)に並ぶまで、あとクラブW杯を残すのみとなったCL王者、バイエルンと同じ組になったことはまだ、別に心配するには早いんですけどね。

他がザルツブルク(オーストリア)、ロコモティブ・モスクワ(ロシア)と、まあ、それなりだったのもありますが、お隣さんがシャフタール(ウクライナ)、インテル(イタリア)、ボルシア・メンヘングラッドバッハ(ドイツ)と同組のグループBになってしまった方が大問題。というのもAからDのグループは同じ曜日の開催となるからで、UEFAはこのグループリーグ、スタジアムの収容人員30%までのファンの入場を認めたそうですが、それも各国の衛生規範に従ってとあって、とてもスペインでは望めそうにありませんしね。

もし同時刻のキックオフとなった場合、大抵のバルはレアル・マドリーの試合を優先。ええ、10月21日の開幕節はマドリーvsシャフタール戦が午後6時55分、バイエルンvsアトレティコ戦が午後9時キックオフとズレてくれたものの、27日の2節ではアトレティコvsザルツブツク戦とメンヘングラッドバッハvsマドリー戦が午後9時でもろかぶり。いよいよ最終節でグループ勝ち抜けを争っているアトレティコを尻目に、すでに突破の決まったマドリーの試合を見る破目になったりしたら、どうしようと今から、頭が痛いんですが、まあ、それはまだ先の話ですからね。今はとりあえず、今週のミッドウィーク・リーガがどうだったか、報告していくことにすると。

火曜に先陣を切ったのは弟分のヘタフェだったんですが、いやあ、昨季もコロナ禍でリーグが中断するまで、CL出場圏内で3、4位争いをしていたこともありますが、もう弟分なんて、呼んでいられないかもしれませんよ。そう、コリセウム・アルフォンソ・ペレスにベティスを迎えた彼らはキックオフから、エンジン全開。前半13分にはニヨムのクロスをアンヘルがchilena(チレナ/オーバーヘッドシュート)で叩き込み、VAR(ビデオ審判)にオフサイド疑惑を払拭されたおかげもあって、先制点をゲットすると、39分にはククレジャがエリア外から弾丸シュートを決めて、2点目が入ります。42分にもクーチョのラストパスをアンヘルがネットに突き刺し、前半だけで3-0としたとなれば、後半は流しモードになったとしても仕方ない?

うーん、確かに「Nos han tirado tres veces y nos hicieron tres goles/オンス・アン・ティラードー・トレス・ベセス・イ・ノス・イシエロン・トレス・ゴーレス(相手は3回、シュートを撃って、3ゴールを挙げた)」とペジェグリーニ監督が言っていた通りではあるんですけどね。前節ではVARに祟られて、兄貴分のマドリーに2-3と競り負けたのがよっぽど堪えたか、開幕2連勝で昨季の悪いイメージを払拭したベティスもあっという間に元に戻ってしまった感がなきにしろあらず。ただ、それでもボルダラス監督は記者会見で戦力不足を訴えることを止めず、ええ、退団した選手の方が加入した選手より、全然、多いのは本当ですからね。

とはいえ、「もうトップチームには22人いる。El entrenador está últimamente un poco quejica. Si vamos líderes, qué más queremos/エル・エントレナドール・エスタ・ウツティマメンテ・ウン・ポコ・ケヒカ。シー・バモス・リデレス、ケ・マス・ケレモス(最近、監督はちょっと文句が多い。ウチが首位だったら、もっと何が欲しいんだ)」というアンヘル・トーレス会長の言い分ももっともで、ええ、2節からスタートして3試合、何と、2勝1分けのヘタフェは兄貴分たちを差し置いて、堂々、首位の座についたんですよ。もちろん、この土曜のレアル・ソシエダ戦を見てみないことには、何とも言えませんが、今季の彼らはELがない分、試合数が少ないのも事実。金曜にはELのグループリーグ組み合わせも決まり、ナポリ(イタリア)、AZ(オランダ)、リエカ(クロアチア)との対戦にウキウキしているだろう相手に付け込む隙は十分、ありそうです。

そして水曜にはマドリッドの2強がプレーしたんですが、どうして、ああもアトレティコはファンを天から地べたに突き落とすのが得意なんでしょうか。そう、開幕だった前節、グラナダ戦では6-1のgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)を披露し、モラタ(ユベントスにレンタル移籍)に代わり、ルイス・スアレス(バルサから加入)した今季はもう、ゴール日照りという単語とは無縁になったはずだというのに、早くも非常な現実を突きつけられるとは、これ、如何に。アルコラスでのウエスカ戦では序盤から、ボールを支配していたものの、前半はほとんどチャンスが作れません。

デビュー戦の20分間で挙げた2ゴールを買われ、その日はスタメンに入ったスアレスも不発で、後半、ジョアン・フェリックスからのスルーパスで得たチャンスもGKアンドレス・フェルナンデスに防がれてしまい、そのジョアンのシュートも密集した敵のDF陣やGKに弾かれてしまう始末。「Hemos hecho un gran trabajo defensivo/エモス・エッチョー・ウン・グラン・トラバッホ・デフェンシボ(ウチは偉大な守備の仕事をした)」という、1部に復帰したばかりのミチェル監督のチームから、1点も取れないとはどうしたことでしょう。幸い、岡崎慎司選手が先発したウエスカもGKオブラクを破ることはできなかったため、最後はスコアレスドローという結果に終わりましたが、そこはいくら、「後半のウチはゴールを追求したし、fue diferente a los empates de otras ocasiones/フエ・ディフェレンテ・ア・ロス・エンパテス・デ・オトラス・オカシオネス(以前のドローとは違った)」(シメオネ監督)と言われてもねえ。

というのも昨季の彼らは引き分けの帝王で、38試合中16試合がドロー。しかもアウェイでは6勝しかできなかったという悲惨な過去を振り返ると、一刻も早く、「Tenemos que aprender de nuestros errores para que no vuelva a pasar/テネモス・ケ・アプレンデール・デ・ヌエストロス・エローレス・パラ・ケ・ノー・ブエウバ・ア・パサール(ボクらはミスから学ばないといけない。もう繰り返さないようにね)」というサウールの言葉を有言実行してもらいたいところですが、はあ。スアレスが来ても、敵に狭いスペースに固まってしまわれるとお手上げって、こうなると、もうメッシにも来てもらうしかない?

これでは日曜に大幅ローテーションしたせいで、大敗を喫したものの、木曜には見事にEL予選プレーオフでマルメ(スウェーデン)を1-3と撃破。とうとうグループリーグ出場にこぎつけ、クラブ創設以来、初のヨーロッパの舞台でPSV(オランダ)、PAOK(ギリシャ)、オモニア(キプロス)と戦うことになった、グラナダなど、高笑いが止まらないといったところでしょうが、アトレティコはこの土曜、午後4時(日本時間午後11時)から、ワンダ・メトロポリターノにビジャレアルを迎えて仕切り直し。こちらもELのグループで、2年前、アトレティコが連続ドローでCL早期敗退をする原因を作ったカラバフ(アゼルバイジャン)、マッカビ・テルアビフ(イスラエル)、シバススポル(トルコ)との対戦が決まったばかりのチームですが、このミッドウィーク節でもアラベスを3-1と破り、ヘタフェと同じ勝ち点7で並ぶ、4チームの首位グループに入っているだけに、やたら守備的にはならず、スペースがもらえそうなのはアトレティコにとって、助けになるんじゃないでしょうか。

え、ヘタフェと同じ火曜にレアル・ソシエダに勝ったバレンシアも首位グループにいるとなると、あと1つは当然、マドリーなんじゃないかって?まあ、その通りなんですが、アトレティコの試合の後もバルに居座って、私が見ていたバジャドリー戦も途中まではかなり、スコアレスドローの気配が強かったんですよ。それも前節のベティス戦に続き、連続スタメンとなったヨビッチがCKからのヘッドをGKロベルトにparadon(パラドン/スーパーセーブ)されたりと,チャンスに決めきれなかったせいですが、ジダン監督が後半11分、早めに実施した3人一斉交代が実を結ぶことに。20分、敵エリア内での混乱の中、ベンゼマの前で蹴ったブルーノからのボールがオフサイドの位置にいたビニシウスへと渡り、そのシュートから決まったゴールが先制点として認められているんですから、驚いたの何のって。

まあ、これもVAR様々で、最後に触れたのがバジャドリーの選手だったことがわかったんですが、ここは開幕レアル・ソシエダ戦で先発に抜擢されながら、ベティス戦では出番なし。この日も控えだったにも関わらず、交代でピッチに入ってから、ずっと積極的に攻撃に絡んでいった当人のやる気を褒めてあげるべきかと。そこへ、ジダン監督からは「Para eso está Thibaut/パラ・エソ・エスタ・ティブー(クルトワはそのためにいる)」とあっさり、言われてしまいますが、ヴァイスマンやワルドのシュートを昨季のサモラ(リーガで一番失点率が低いGKに与えられる賞)が弾いてくれたのもあって、マドリーは1-0で逃げ切りに成功しましたっけ。

ちなみにジダン監督がこの3試合、イロイロなシステムを使っているのには訳があって、「No hemos tenido pretemporada para probar/ノー・エモス・テニードー・プレテンポラーダ・パラ・プロバル(ウチにはプレシーズンに試す機会がなかった)」せいなんですが、まあ確かにテストマッチがヘタフェとの練習試合だけではねえ。実際、ここしばらくはそれが続きそうな感じで、というのもアセンシオは先月のスペイン代表合宿で腫らしたヒザが治り、この日、途中出場したんですが、何と、足並みを揃えるはずだったアザールが試合当日になって、太ももを痛めてしまったから。全治は3週間とも1カ月とも言われていますが、こうなるとお馴染みの4-3-3が戻ってくる日は遠いかもしれません。

そして、ヨビッチにレンタルのオファーがないせいか、ここ2試合で途中出場しながら、結局、ローマで2年間、過ごすことが決まったボルハ・マジョラルが旅立って行った翌日、マドリーには思わぬ負傷者も発生。それはカルバハルで、バルデベバス(バラハス空港の近く)での午前セッションで右ヒザ靭帯を損傷し、全治2カ月となってしまったため、バジャドリー戦で先発したオドリオソラにはしばらく1人で頑張ってもらわないといけないことに。

同様に被害を受けたのは金曜に招集リストが発表されたスペイン代表で、ええ、カルバハルは右SBのレギュラーですからね。今回はラス・ロサス(マドリッド郊外)のサッカー協会施設でではなく、バルセロナのSEAT(スペインの自動車メーカー)本社で記者会見も行ったルイス・エンリケ監督は急遽、セルジ・ロベルト(バルサ)を呼ぶことに。その一方で、マドリーの次の相手、日曜午後4時から、ホームのシュタット・デ・バレンシアの改修工事がまだ終わっていないため、ビジャレアルのラ・セラミカを借りて戦うレバンテでは、57年ぶりにカンパーニャがスペイン代表に招集。クラブを挙げて大喜びしていたのは印象に残りましたっけ。

そう、コロナ禍のせいで日程が詰まり、この10月は3試合をプレーすることになるルイス・エンリケ監督のリストは総勢25人。カルバハルの他にもマドリー勢はアセンシオが復帰したばかり、セビージャに移籍したオスカル・ロドリゲス(昨季はレガネスにレンタル)もプレー時間不足ということでリスト外になり、更にはバイエルンからリバプールに移ったばかりのチアゴ・アルカンタラが現在、感染隔離中とあって、少々、メンバーは変わっているんですけどね。いやあ、来週水曜、リスボンのジョゼ・アルバラーデ(スポルティングCPのホーム)で開かれるポルトガルとの親善試合には3割程度ながら、観客が入れるそうなんですが、今回もエスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノ(RMカスティージャのホーム)でプレーする、10日(土)のネイションズリーグ3節のスイス戦は無観客って、ホントにマドリッドの感染状況が悪いのは困りもの。

13日(火)のウクライナとのアウェイ戦はどうなのか、よくわからないんですが、ヨーロッパの他の国ではすでにスタンドに観客が入っているところもあるのを見るにつけ、悔しさも募るばかりかと。幸い、代表戦はTVE(スペイン国営放送)で自宅観戦できますし、こちらはバルサで大当たりしている17才のアンス・ファティがいるため、ゴールに不自由はしなさそうですが、自業自得とはいえ、今回もアトレティコからは誰も呼ばれていないというのも何だか、寂しい感じがします。

【マドリッド通信員】 原ゆみこ
南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。
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コパを侮ってはいけない…/原ゆみこのマドリッド

「悪いことって続くのよね」そんな風に私が首を振っていたのは金曜日、ジダン監督がコロナ陽性となり、10日間の自宅隔離になったと聞いた時のことでした。いやあ、第3波真っ只中のスペインだけに昨今、コーチングスタッフや選手が感染して、しばらく戦列を離れるのは全然、珍しくないんですけどね。折しも水曜にチームがコパ・デル・レイ32強対決で訪れたアルコイ(スペイン南部)は現在、国内1、2位を争う大流行地帯ではあったんですが、おそらくジダン監督の感染はその前のこと。当人は無症状のようですし、試合前記者会見には第2監督のダビド・ベットーニ氏が登場したため、今季、もう何度目かわからないcrisis(クリシス/危機)に突入したチームへの厳しい質問がなかったのは却って、良かったかも。 え、でもジダン監督がいない間にある2試合、土曜の午後9時(日本時間翌午前5時)からのアラベス戦と来週土曜のレバンテ戦でますます、レアル・マドリーが首位との差を広げることになったら、どうするんだって?うーん、現在、万が一、解任or辞任となった場合、後継候補の一番に挙げられているラウール監督も今週火曜にコロナ陽性が発覚。こちらも自宅隔離で、RMカスティージャの指揮すら、執れていませんからね。ただ、ビトリア(スペイン北部、アラベスのホームタウン)遠征の招集リストを見ると、あまりコパと変わってなくて、先週のスペイン・スーパーカップ決勝前に左ヒザを痛めたセルヒオ・ラモス、その前から欠場していたカルバハルもまだ入らず、感染者との濃厚接触により、アルコイに行けなかったナチョも隔離中。 この冬の市場でレンタル移籍希望のウーデゴールもレアル・ソシエダやアーセナルといったオファーを検討中なのか、いませんし、バルベルデなどは金曜に太もものケガで離脱と、せいぜいバランとモドリッチが加わったぐらいなんですが、いやあ。今季は何故か、あまり強く見えないチームに対して勝ち点を取りこぼし、今はマチン監督がアベラルド監督に代わったとはいえ、それこそアラベスには11月にエスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノ(RMカスティージャのホーム)で1-2と負けているとなると、ホント、心配の種は尽きないんですが…今はまず、ミッドウィークのマドリッド勢の試合がどうだったか、報告していくことにすると。 リーガ19節とスペイン・スーパーカップ参加組のコパ32強対決が混在した水曜、先にプレーしたのはヘタフェ。すでにコパとは2回戦から無縁になっていた弟分はウエスカをコリセウム・アルフォンソ・ペレスに迎えたんですが、ボルダラス監督はエルチェ戦での働きを評価したか、今度はアレニャ(バルサからレンタル移籍)だけでなく、久保建英選手(同マドリー)もスタメンに抜擢してくれたんですよ。その期待に応えようと、序盤から、当人もヘッディングシュートや直接FKでGKアルバロの手を煩わせていたんですが、前半はアランバリのシュートがゴールポストに阻まれたぐらいで、0-0のまま終了します。 とうとう均衡が崩れたのは後半25分、アレニャのスルーパスから、「tuve tres tiros para que entre alguna/トゥベ・トレス・ティロス・パラ・ケ・エントレ・アルグーナ(どれか入るように3回、シュートチャンスがあった)」というアランバリが決め、ヘタフェが1点リードしたんですが、この日は試合直前に左SBのオリベイラとCBカバコを負傷で欠きながら、最後まで頑張って守りましたよね。ええ、後半34分に岡崎慎司選手がウエスカ攻撃陣のリフレッシュとして入った1分後、ポルティージョと交代となった久保選手も「Se ha sacrificado en defensa, ha ayudado mucho a Damián/セ・ア・サクリフィカードー・エン・デフェンサ、ア・アジュダードー・ムーチョ・ア・ダミアン(守備にも献身してくれて、ダミアンを大いに助けてくれた)」とボルダラス監督に褒められていましたっけ。 この1-0の勝利で2連勝としたヘタフェは順位も10位まで上昇、4年前の悪夢が蘇りそうだった降格圏までも勝ち点6差とし、ヨーロッパの大会出場権がもらえる6位まで7差とだんだん、上の方を見る余裕も出てきたんですが、この調子で次節、来週月曜午後9時のサン・マメスでのアスレティック戦もこなしてもらいたいところ。何せ、彼らはコパ早期敗退により、余裕日程となったのに比べ、先週、スペイン・スーパーカップで兄貴分のマドリーを倒し、優勝したばかりの相手は木曜の32強対決でもイビサ(2部B)相手に後半ロスタイム、ウナイ・ニュネスが勝ち越しゴールを挙げて、逆転勝利で16強に進出。その結果、来週木曜にはアルコジャーノ(2部B)との対戦が決まり、ハードスケジュール、この上ないため、体力的優位を大いに利用できたらいいかと。 ちなみにこのアルコジャーノこそ、水曜の夜、マドリーに挑んで大金星を掴んだチームだったんですが、うーん、一応、ジダン監督は当日、参加できないことになったナチョの代わりにチュストと、スタメンのカンテラーノ(RMカスティージャの選手)は1人だけに留め、後はトップチームのいわゆる、Bチームと言われる控え選手にチャンスを与えたんですけどね。時間はかかったものの、ハーフタイム入り直前にはマルセロのクロスから、ミリトンのヘッドが決まり、先制点も取ったんですが、その後がいけません。ええ、後半35分にはCKから、ビニシウスがマークに熱心でなかったソルベスに同点ゴールを決められてしまったから、ビックリしたの何のって。 後半終了間際には、まだこのラウンドではVAR(ビデオ審判)を使っていないことも災いして、ミリトンへのペナルティが見逃されるなんてこともあったんですが、1-1で入った延長戦では、すでに後半途中にマリアーノから代わっていたベンゼマに加え、アセンシオ、クロース、アザールとレギュラー組を投入。これには渾身の10セーブでアルコジャーノの失点を1に抑えていた41才のGK、ホセ・ファンも「la que nos va a caer/ラ・ケ・ノス・バ・ア・カエール(ウチが何点、取られるのか)」と青くなったそうですが、いやいや。延長戦後半10分、ディアキテのラストパスをゴール前からフアナンが蹴り込み、逆に味方がGKルニンのマドリーデビューを苦い思い出に変えているんですから、本当に勝負とはわからない。 そう、1-2でアルコジャーノが勝ち抜けたこの試合、マドリーにとってはクラブ史上5回目となる、2部Bチームを前にしての敗退で、いえ、alcoyanazo(アルコジャナソ)はあまり語呂が良くないため、一世を風靡したalcorconazo(アルコルコナソ/2009-10シーズン、当時2部Bにいたアルコルコンにペレグリーニ監督率いるマドリーが32強対決1stレグで4-0と大敗した黒歴史のこと)程、流行りはしないと思うんですけどね。直近はチェリシェフ(現バレンシア)のalineracion indebida(アリネラシオン・インデビーダ/不正起用)により、1stレグで敗退が決まった2015-16シーズンのカディス(当時は2部B)ですが、その時のベニテス監督も年明けには解任。それこそジダン監督が引き継いだなんてことがあったため、いよいよ彼の2度目のベンチ生活も終わりが近づいてきたのではないかと、世間では議論になることに。 まあ、一応、スポーツ紙などの見立てでは2月終盤に再開するCL決勝トーナメント、16強対決アタランタ戦までは様子見ということになっているんですけどね。ジダン監督自身も「2部Bチームには勝つべきだったが、no es una vergüenza/ノー・エス・ウナ・ベルグエンサ(別に恥ではない)。敗戦の責任は自分にある」とだけで、あまり怒りを見せていなかったのはちょっとねえ。それこそ、このコロナ休養中にリーガで事態が急転して、変なことにならないといいと私が心配してしまう由縁でもありますが、あ、ダメですよ。アトレティコファンがお隣さんのことを笑っては。 シメオネ監督のチームなんて、コパの1つ前のラウンド、2回戦でコルネジャ(2部B)に1-0と軽くあしらわれて敗退しているんですから、先に我が身の不徳を反省すべきなんですが、後悔が残るとしたら、やはり、その試合にルイス・スアレスを連れて行かなかったことかと。それが如実にわかったのが木曜のリーガ、エイバル戦で、いやあ、アトレティコは前半12分にカラスコが乾貴士選手と一緒に先発した武藤嘉紀選手をエリア内で倒し、ペナルティを献上。先日のグラナダ戦でエクスポシトがPKを失敗したため、次のレバンテ戦からキッカーをメンディリバル監督に命じられたというGKドミトロビッチが同業のオブラクを破り、先制点を奪われてしまったんですけどね。 それからもエイバルのキツキツのプレスと累積警告によるコケの出場停止という二重苦に喘ぎ、なかなか敵ゴールに近づけなかったアトレティコだったんですが、驚かせてくれたのは40分。マルコス・ジョレテンテが2度に渡り、セルヒオ・アルバレスのパスを阻止したボールがエリア内に転がったところへルイス・スアレスが詰め、ゴール右前から同点弾を入れているんですから、さすがじゃないですか。レマルとコレアをジョアン・フェリックスとトレイラに代えた後半になっても様相はあまり変わらず、度々、ファールでプレーが中断してばかりの、「En el segundo, fue una batalla, una guerra en la que era complicado crear ocasiones/エン・エル・セグンド、フエ・ウナ・バタジャ、ウナ・ゲラ・エンラ・ケ・エラ・コンプリカードー・クレアル・オカシオネス(後半、あれは闘い、戦争みたいなもんで、チャンスを作るが難しかった)」(スアレス)という展開だったんですが、いやあ、真正のnueve(ヌエベ/背番号9番、CFのこと)がいるって、本当に有難いもんですねえ。 ええ、それは44分、自陣からのロングボールをスアレスが追ったところ、いえ、33才の彼は全盛期のジエゴ・コスタやグリーズマン(現バルサ)程、足は速くないため、敵DFを振り切ったりはできないんですけどね。そこで披露されたのが、ベテランFWのしたたかさ。並走するアルビージャが出した足に丁度、エリアに入ったところで倒されて、土壇場でPKをゲットしているんですから、開いた口が塞がらないとはまさにこのこと?もちろん、PKはパネンカ風(ゴール正面に緩く蹴るチップキック)に当人がしっかり決め、1-2でアトレティコは勝ち点3をまんまとゲットしてしまいましたっけ。 もうこれには首位との引分けという、報償を寸前のところでご破算にされてしまったメンディリバル監督も「No es ni siquiera un pase, porque es un despeje que nace de su área/ノー・エス・ニ・シキエラ・ウン・パセ、ポルケ・エス・ウン・デスペヘ・ケ・ナセ・デ・ス・アレア(あれはパスですらなくて、自陣からのクリアだった)。それでペナルティを引き起こして、ゴールを入れられては」と呆れ顔でしたが、まさしく、こういう試合で決勝点を挙げてもらうべく、アトレティコはスアレスを獲った訳ですからね。折しもその日、2回戦同様、奮闘するコルネジャ相手にコパ32強対決を戦っていたバルサがピアニッチとデンベレ、2人続けてPKを敵GKに止められ、スコアレスドローで延長戦に突入。メッシはスペイン・スーパーカップ準決勝アスレティック戦でのレッドカードによる出場停止でいなかったとはいえ、ペドリやブスケツら、レギュラー陣を投入して、何とか0-2で勝ったなんて聞くと、やっぱり、スアレスがコパでもベンチに控えていてくれればなんて、私もつい、思ってしまうんですが…。 まあ、それも考え方次第で、コパがなくて休めたおかげで、2位マドリーとは勝ち点7差、3位バルサとは10差、しかも消化試合が1つ少ないという、凄まじい絶対首位にアトレティコが立てたとも言えますが、彼らの次のリーガ戦は日曜午後9時からのバレンシア戦。これも相手は日曜のコパ32強対決でマドリッドの2部の弟分、アルコルコンに勝った後、木曜にはリーガのオサスナ戦で1-1と引分け。来週ミッドウィークにはセビージャとコパ16強対決をしないといけないと予定が押しているのと対照的に、シメオネ監督のチームは来週日曜のカディス戦までノーゲームと、優雅なもんですからね。 またしばらくはFA(イングランド・サッカー協会)からの10週間、サッカー活動禁止処分が復活したトリッピアーは出られないものの、今度は練習参加だけはOKになったようですし、コケも戻り、今度こそエレーラも復帰できそうとなれば、ますます優勝候補ナンバーワンの推しが強まるんじゃないかと思いますが、さて。ちなみに来週ミッドウィークのコパでプレーするマドリッド勢は2部のラージョと2部Bナバルカルネーロ。前者は水曜、ここ数日の雨と気温上昇で積雪問題も解決したエスタディオ・バジェカスにバルサを迎え、アルコジャーノと共に2部B、2チームだけの生き残りとなった後者は木曜にグラナダ戦となりますが、そろそろ下位カテゴリーのチームにはリーガとコパの同時進行が辛くなってくる頃でしょうか。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2021.01.23 21:30 Sat
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リーガに集中できるチームは得かもしれない…/原ゆみこのマドリッド

「ややこしい週だわね」そんな風に私が首を捻っていたのは火曜日、ミッドウィーク開催の試合にコパ・デル・レイとリーガが混在して、訳のわからないことになっているのに気がついた時のことでした。いやあ、大体がして、マドリッド勢1部の3チームは揃いも揃って、コパやスペイン・スーパーカップの早期敗退により、先週末の予定が空白に。アトレティコなど、バルサをPK戦で破った女子チームが土曜のレバンテとの決勝で0-3と圧勝し、初のスペイン女子スーパーカップのタイトルを獲得。このところ、男子チームが縁遠くなっているネプトゥーノ(アトレティコが優勝を祝うマドリッド市内の広場)でトロフィーを囲んで記念撮影しているのを見せつけられたりしたんですが、所詮、自業自得ですからね。 それでも2部以下のマドリッド勢の弟分チームたちは週末、コパ32強対決でそれぞれ健闘して、いえ、ホームのエスタディオ・フェルナンド・トーレスの除雪が間に合わず、ラス・ロサス(マドリッド近郊)にあるサッカー協会施設のグラウンドを借りて、レバンテと対戦したフエンラブラダはアトレティコBからレンタル移籍ほやほやのボルハ・ガルセスのゴールで1-1とし、延長戦まで粘ったんですけどね。最後はPK戦で2-4と負けてしまい、兄貴分の厚意により、ブタルケではなく、ワンダ・メトロポリターノでセビージャと戦ったレガネスもスコアレスドローで突入した延長戦前半早々、オリベル・トーレスのロングパスに抜け出したオカンポスにゴールを喰らい、0-1で敗退。フル出場した柴崎岳選手も頑張っていたんですが、敵もさるもの、先週火曜、零下7℃でのアトレティコ戦より、その日は零度ぐらいと暖かったのも良かったのか、ワンダで2連敗とはなりませんでしたっけ。 え、日曜にはやはり、ホームのサント・ドミンゴの凍結したピッチ整備が間に合わず、ラス・ロサスでバレンシアと対戦。0-2と比較的あっさり負けてしまったアルコルコンを含め、結局、マドリッド勢4チーム中、3チームはサッカー協会施設でコパを開催したのかって?その通りなんですが、とにかく手際が悪かったのがラージョで、何せ、前日になって、エスタディオ・バジェカスの除雪が不可能であることにやっと気づき、急遽、練習場で試合を開催しようと人出をそちらに回したものの、時すでに遅し。土曜正午から、午後2時にキックオフを遅らせたぐらいではとても間に合わず、最後はサッカー協会に泣きついて、アルコルコンの後、午後10時から、ラス・ロサスを使わせてもらうって、これじゃ相手のエルチェもいい迷惑だったかと。 おかげで早い時間に練習場に集合、試合会場とキックオフタイムが決まるのを待たされたラージョの選手たちにはあまりにヒマがありすぎたんですかね。リーガ前節、大雪の中、ミランデス戦のため、バスでマドリッドを出発した結果、車内に飲まず食わずで5時間も閉じ込められたことや、引き返して午前2時に着いた練習場から、各自が帰宅する手段が用意されていなかったこと。更にコロナ不況の影響による給料遅延など、諸々の問題について、クラブへ抗議文を作成、公開していましたが、試合ではベベとカテナのゴールで2-0と1部のエルチェに勝っているのですから、見上げたプロ意識じゃないですか。 よって、マドリッド2部チームの16強入りはラージョだけとなったんですが、いやあ、まさか、そこに2部Bのナバルカルネーロがご一緒することになるとは!ええ、2回戦で2部のラス・パルマスを破った彼らは、とうとう1部チームと戦えるとあって、ホームのマリアーノ・ゴンサレスを粛々と除雪。土曜のエイバル戦に間に合わせただけでなく、いえ、相手はこの前のラウンドでもマドリッドの2部Bチーム、ラス・ロサスに2-2に追いつかれ、かろうじて延長戦で勝ち抜けるという、危うさを見せていたんですけどね。今回も再び、武藤嘉紀選手が先制ゴールを挙げたものの、その後、3失点して、最後は3-1で敗退しているんですから、ビックリしたの何のって。 おかげで1月最後のミッドウィークにはまた1部チームと、マドリッドの2部Bチームの特権でスタンドにファンを入れて戦えることとなったナバルカルネーロですが、選手たちが希望している相手はバルサなのだとか。確かに近場の大先輩、レアル・マドリーの弟分、RMカスティージャとは2部Bの同じグループにいて、順位も彼らの方が3位と1つ上ですし、コパだけにうっかり、ジダン監督にカンテラーノ(ユースチームの選手)を並べられてしまった日には全然、特別感がありませんからね。バルサもレギュラーを使ってこないかもしれないというのは同じですが、向こうは日曜にスペイン・スーパーカップ決勝で後半終了間際に追いつかれ、準決勝のレアル・ソシエダ戦に続いて、延長戦に突入。 最後はウィリアムスのgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)で2-3と負け、今季最初のトロフィーをアスレティックに鼻先で持って行かれたとなると、クーマン監督もリーガでは現在3位という事情もありますからね。決して今季のコパを軽く見て、来季のスペイン・スーパーカップでのリベンジ権を逃すようなことはしたくないかと思いますが、さて。どちらにしろ、バルサもスペイン・スーパーカップ参加組として、1、2回戦免除の後、初めて参戦する今週木曜の32強対決、アトレティコがコパ2回戦で負けたコルネジャ(2部B)に勝たないと、今週金曜の抽選会でナバルカルネーロと肩を並べることはできないんですけどね。スーパーカップ決勝でビジャリブレの頭を叩き、一発退場したメッシは、今季からの規則改定により、どの大会かを問わずに消化することになった2試合の出場停止処分を受けたため、コルネジャ戦には出られません。 そして同じ木曜には、この状況下ですから、やはりバルサを破った2019年のように祝勝パレードこそ、なかったものの、ビルバオ(スペイン北部)の市役所表敬訪問など、昨季のコパ決勝をレアル・ソシエダとプレーする前にスペイン・スーパーカップ戴冠を満喫したアスレティックもイビサと対戦。一方、水曜開催コパ組ではヘタフェを敗退に追い込んだコルドバと顔を合わすレアル・ソシエダと共に、マドリーがアルコジャーノ戦に挑むんですが、どうやら現在、アルコイ(スペイン南部、アルコジャーノのホームタウン)はコロナ感染者急増による厳戒体制にあるため、せっかくの大物チーム来訪にも関わらず、スタンドに観客を入れることはできないのだとか。当日移動するジダン監督のチームを見に滞在先ホテルや、午後9時(日本時間翌午前5時)からのキックオフ前、スタジアム近辺にも詰めかけないよう、住民は勧告されています。 この試合、スペイン・スーパーカップ準決勝でヒザを痛めたセルヒオ・ラモス、打撲のバラン、そしてリーガでの負傷が完治していないカルバハルを始め、モドリッチは休養と少々、マドリーもメンバーを落としての遠征なんですが、やはり今、一番尾を引いているのは、アスレティックにもあと1点が足らずに及ばなかったゴール欠乏症の攻撃陣から、先週、ヨビッチが古巣のアイントラハト・フランクフルトへレンタル移籍。再デビューとなったシャルケ戦に途中出場して、いきなり2得点と決定力を取り戻していたことだったかと。いえ、ジダン監督に言わせると、「時には外に出て実力を示さないといけないこともある。それがヨビッチのケース。Aquí siempre hay una competencia muy fuerte, pero la culpa de eso no la tiene el entrenador/アキー・シエンプレ・アイ・ウナ・コンペテンシア・ムイ・フエルテ、ペロ・ラ・クルパ・デ・エソ・ノー・ラ・ティエネ・エル・エントレナドール(ここには常に激しい競争があるが、それは監督のせいではない)」そうなんですけどね。 一応、昨季のコパではレアル・ソシエダに負けた準々決勝まで進んだマドリーなので、私も初戦から心配はしていませんが、実は他にも似たような結末になりかねない選手がいて、それは遠征リスト落ちしたウーデゴーア。スペイン・スーパーカップでも出番がなく、準決勝敗退後、ラ・ロサレダ(2部マラガのホーム)で個人練習をさせられたせいか、どうやらプレー時間を求めて、再びレンタル移籍を希望しているらしいという噂も。こういう話を聞くと、今週月曜にはとうとう、アレニャ(バルサからレンタル移籍)と一緒に入団プレゼン。今季前半にいたビジャレアルから河岸を変え、マドリッドの弟分ヘタフェで成長できれば、来季はマドリーでプレーできるかもしれない久保建英選手も前途多難だなあと思わざると得ないんですが…。 ちなみにそのヘタフェは今週、マドリーと同じ水曜午後7時(日本時間翌午前3時)から、コリセウム・アルフォンソ・ペレスにウエスカを迎えるリーガ19節をプレー。暴風雨フィロメナによる大雪被害を被ったマドリッド勢の1つである彼らも3日程前から、スタジアムの除雪を始め、前日には何とか、間に合わすことができたというのは朗報かと。土曜からセッションを再開していたボルダラス監督など、「No hemos podido trabajar con normalidad/ノー・エモス・ポディードー・トラバハル・コン・ノルマリダッド(ウチは通常通りには練習できなかった)。練習場のピッチが凍結していて、動ける場所がかなり狭かったため、予定したトレーニングができていない」と言っていたんですが、大丈夫。全然、練習できないで挑んだエルチェ戦で見事、1-3と逆転勝利を掴んだことを考えれば、却って、その方が選手たちも疲れが溜まらなくていい? まあ、それは私の穿ち過ぎかもしれませんが、楽しみなのはデビュー戦となった前節、途中出場した久保選手がマタやアンヘルのゴールに絡んだこともあり、この試合でも出番が十分、期待できそうなこと。ボルダラス監督も「タケもアレニャも選手としての資質だけでなく、人間としても素晴らしい。Sabéis que en Getafe se valora mucho el factor humano/サベイス・ケ・エン・ヘタフェ・セ・バロラ・ムーチョ・エル・ファクトール・ウマーノ(ご存知の通り、ヘタフェでは人としてのファクターも非常に評価されるからね)」と褒めていましたしね。最下位で前節、ベティスに負けた後、監督をミチェルから、昨季エルチェをプレーオフ経由の1部昇格に導きながら、契約延長してもらえなかったパチェタ氏に代えたばかりのウエスカには岡崎慎司選手もいますし、13位に上がったとはいえ、ヘタフェもまだ降格圏とは勝ち点差4とあって、きっと熱い戦いが見られるんじゃないでしょうか。 え、それでコパもスーパーカップもこの世に存在しないが如く、孤高のリーガ首位として週末を過ごしたアトレティコはどうしているんだって?いやあ、マハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場で雪の処理を続ける作業部隊の邪魔になりたくないのか、1日置きにワンダ・メトロポリターノと場所を取り替えて、セッションを続けているんですが、私がスタジアムに見に行った月曜にはFIFAから、残念な知らせが届くことに。ええ、FA(イングランド・サッカー協会)が課した10週間のサッカー活動禁止処分を執行一時停止にしてくれていたのが、上訴委員会で処分有効の裁定が下り、再び、トリッピアーが試合に出られなくなってしまったんですよ。 おかげで火曜のセッションから、また彼の姿が消えてしまったんですが、先週のセビージャ戦では2-0の快勝に大きく貢献してくれていましたからね。ベルサイコが元気とはいえ、とにかく今はクラブが速攻でCAS(スポーツ調停裁判所)に提出した訴えが一刻も早く、認めてもらえることを祈るばかり。何せ、木曜午後9時30分(日本時間翌午前5時30分)からのエイバル戦では、コケも累積警告で不在になるのは、丁度、負傷のリハビリを終えたエレーラが戻って来られるため、まあ、いいんですが、前節にネンザしたエルモーソは欠場予定のよう。ここで白星を挙げれば、2位マドリーと勝ち点7差、3位バルサと10差。しかも消化試合が1つ少ないという、昨今のアトレティコでは見たことのないリーガ独走態勢となりますが、果たして、その高みに到達することはできるんでしょうか。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2021.01.20 22:30 Wed
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そして皆、ヒマになった…/原ゆみこのマドリッド

「6日経ってもこれじゃ、どこも苦労するわよね」そんな風に私が納得していたのは金曜日、未だに雪で真っ白なマハダオンダ(マドリッド近郊)のグラウンドを見た時のことでした。いやあ、実はその日、アトレティコはワンダ・メトロポリターノでセッションをしており、はい、クラブ広報からのメッセージをちゃんと読まなかった自分が悪いんですけどね。先週末の大雪の後、すでにどの通りにも人が歩く幅程度の道ができているセントロ(市内中心部)とは違い、セロ・デ・エスピーノは車道以外、パス停のある歩道ですら、雪が積もりっぱなし。おっかなびっくり練習場に近づいたところ、入り口前の駐車場には雪かきに使うブルドーザーしかなく、ようやく自分の間違いに気づくというのも何ですが、大丈夫。 だってえ、アトレティコは来週木曜まで試合がないんですよ。1回ぐらい、セッションを見損ねたから何よってもんですが、せっかく遠出したので、グラウンドがどんな具合か、ちょっと敷地周りを歩いてみることに。すでに水曜には練習ビデオが上がっていたメイングランドは綺麗になっていたようですが、角地のグラウンドなどはまだ雪かきも手付かず。中央部にある人工芝グラウンドではすでにユースチームがトレーニングしていたため、必要性の高いところから順々に除雪していっているようですが、この近所に練習場があるラージョ・マハダオンダ(アトレティコ練習場のミニスタジアムで試合をする2部Bチーム、ラージョ・バジェカーノと経営関係はない)など、スタッフ、ボランティアのファンまで駆り出して、グラウンドを使えるようにしていましたしね。 こうなると、同じマドリッド郊外にあるヘタフェが、まあ彼らも月曜にエルチェに勝った後、次の試合が来週水曜のウエスカ戦と間が空きますからね。先週、ビジャレアルから河岸を変え、レンタル移籍した久保建英選手など、心待ちにしていたはずだったチーム練習を土曜まで行わず、ミニバケーションって、もしや練習場の積雪が自然消滅するのを狙っている?まあ、暴風雨フィロメナが去った後も寒波が続き、毎晩気温が零下になる首都圏だけにそれは無理そうですが、大変なのはこの週末、コパ・デル・レイ32強対決を控えているマドリッドの2部の弟分チームたちなんですよ。 ええ、皆相手が格上の1部チームのため、ホーム開催になるんですが、木曜にようやくシュダッド・デポルティバ・ブタルケの除雪を終え、今週最初のセッションを行ったレガネスは、うーん、おそらくスタジアムの方まで手が回らなかったんですかね。早々に土曜午後8時(日本時間翌午前4時)からのセビージャ戦のため、兄貴分に助けを求め、柴崎岳選手もワンダ・メトロポリターノでプレーできることに。同日、レバンテを迎えるフエンラブラダもエスタディオ・フェルナンド・トーレスの除雪を諦め、スペイン・サッカー協会の厚意により、ラス・ロサス(マドリッド近郊)の協会施設グラウンドを試合会場として使わせてもらうことになりました。 そして日曜にバレンシアと対戦するアルコルコンはサント・ドミンゴの整備ピッチを上げているそうですが、タイムリミットが迫っているのはこの32強対決のトップバッターとして、土曜正午にエルチェと当たるラージョ。ええ、木曜などは練習場がまだ使えないため、兄貴分レアル・マドリーがさすがの機動力で除雪したバルデベバス(バラハス空港の近く)のグラウンドを借りて、セッションを行っていましたが、エスタディオ・バジェカスも未だに雪で埋まっているのだとか。結局、スタジアムは間に合わないだろうと、金曜になって練習場の除雪を急ピッチで始め、そちらで試合を午後4時に遅らせて開催するようですが、さて。こんなアクロバティックな会場変更も全ての試合が無観客だけに、ファンに影響がないのが救いとはいえ、フエンラブラダこそ、月曜のスポルティング戦の後、ヒホン(スペイン北部のビーチリゾート)に残って練習してきたからいいんですけどね。リーガ戦は延期、練習もようようでききていない、他3チームにはそれこそ、見習うべき手本が身近なところに。 え、それは先週末、アスレティックがマドリッドに来られなかったため、せっかくワンダ・メトロポリターノのピッチを暖房ランプで積雪から守りながらも試合ができず。それでも火曜には支障なく、延期されていた1節のセビージャ戦をプレーしたアトレティコのことかって?いやあ、これが練習らしいことといえば、月曜に1回ぐらいしかできなかったシメオネ監督のチームにも関わらず、思わぬ効率の良さを発揮したんですよ。まずは前半17分、FIFAがFA(イングランド・サッカー協会)の課した10週間サッカー活動禁止処分に一時停止命令を出してくれたおかげで先発に復帰したトリピアーがエリア内に送ったパスをコレアが受け、繋ぐかと思いきや、クルリと回ってシュート。GKボノとゴールポストの狭い隙間を通って、先制点になっているんですから、ビックリしたの何のって。 残念ながら、再びトリッピアーが上げたクロスから、ルイス・スアレスが放ったvolea(ボレア/ボレーシュート)はボノにparadon(パラドン/スーパーセーブ)されてしまったため、1-0のまま、ハーフタイムに入ったんですが、やはりキックオフ前にすでにマイナス5℃となっていたスタンドで待機していた控え選手たちは相当、辛かったんでしょうね。後半になると、座席のない奥のスペースに並べたエアロバイクを漕ぎながら、電気ストーブで暖を取っていましたが、ピッチでは「En la segunda parte no pudimos tener la pelota e hicimos un gran trabajo defensivo de todos/エン・ラ・セグンダ・パルテ・ノー・プディモス・テネール・ラ・ペロータ・エ・イシモス・ウン・グラン・トラバッホ・デフェンシボ・デ・トードス(後半、ウチはボールをキープすることができなくて、全員が素晴らしい守備の仕事をした)」(シメオネ監督)という展開に。 セビージャはレアル・ソシエダに3-2と競り勝ったばかりでしたし、あまり相性も良くないため、このままだと遅かれ早かれ、追いつかれるんじゃないかと私もヤキモキしていたんですが、21分にはシメオネ監督がレマルとカラスコをジョアン・フェリックスとサウールに交代。これが功を奏したか、その10分後にはスローインから始まったプレーでマルコス・ジョレンテが持ち上がり、右サイドからラストパスを送ったところ、ゴール正面でボールをコントロールしたサウールが2点目のゴールをゲットって、いやもう、大船に乗った気でいていい? 何せ、サウールと言えば、今季はなかなか本調子になれず、コパ2回戦でコルネジャ(2部B)に敗退した後など、メンタル的にいけてないと当人も告白していたため、私も結構、心配していたんですけどね。シメオネ監督も「Como todo en la vida, primero el que tiene que querer salir de la dificultad es uno mismo y Saúl lo quiere/コモ・トードー・エン・ラ・ビダ、プリメーロ・エル・ケ・ティエネ・ケ・ケレール・サリール・デ・ラ・ディフィクルタッド・エス・ウノ・ミスモ・イ・サウール・ロ・キエレ(全ての人生においてそうであるように、困難な状況から抜け出すには、自身が望まないといけなくて、サウールはそれを望んだ)」と言っていたように、「Es el primero gol que le puede dedicar a mi mujer y a mi hija que pronto va a nacer/エス・エル・プリメーロ・ゴル・ケ・レ・プエデ・デディカル・ア・ミ・ムヘル・イ・ア・ミ・イハ・ケ・プロントー・バ・ア・ナセール(彼女ともうすぐ生まれてくるボクの娘に捧げられる最初のゴール)」(サウール)という、この今季初得点、6月のバルサ戦以来のゴールがきっと、以前のような溌剌としたプレーを取り戻すキッカケになってくれるんじゃないでしょうか。 結局、「ウチは前の試合の後、3日しか経ってなくて、相手には7日あった」(ロペテギ監督)というセビージャは最後まで得点することなく、アトレティコは2-0で勝利したんですが、この展開はまさにファンが思い描いていた通り。ええ、2位のお隣さんと3位のバルサは来週ミッドウィークの19節をスペイン・スーパーカップ参加に伴い、前倒しで消化しているため、来週末までリーガ戦がありませんからね。その時にはエイバル戦の勝ち点3を足して、それぞれ7差、10差とアトレティコが独走態勢に片足をかけることになっているかもしれませんし、何より、昨年は週2試合ペースが延々と続き、クリスマスもろくろく休めなかった選手たちには一息入れる、いい機会かと。 折しも木曜には冬の戦力補強として、電撃退団したジエゴ・コスタの代わりを務めるFW、24才と若いムサ・デンベレがオリンピック・リヨンからレンタル移籍で加入。すでに同胞のコンドグビアとマハダオンダで練習していましたし、金曜のワンダでのセッションにも参加と、昨年12月半ばに骨折した腕もほぼ完治しているのは朗報でしょう。セビージャ戦でネンザしたエルモーソもこれだけ次の試合までに間が空けば、大丈夫かと思いますが、時間があっても解決しないのは5枚目のイエローカードをもらったコケの出場停止処分。まあ、エレーラのリハビリも終わりに近づいているようですし、どちらにしろ、まだ先のことですから、今は気にしても仕方ありませんって。 そして水曜にはまず、女子のスペイン・スーパーカップ準決勝でアトレティコがバルサと1-1で延長戦突入の末、PK戦にもつれ込む死闘に。これがまた、どちらも失敗しまくって、3-1で勝ったアトレティコがレバンテと土曜に決勝戦をプレーという結末になったんですが、男子の準決勝の方もメッシを負傷で欠いたバルサがオジャルサバルのPKでレアル・ソシエダに1-1に追いつかれ、こちらも延長を経てPK戦となったのはただの偶然。バウティスタ、オジャルサバル、ウィリアム・ホセが決められなかった相手に対し、デ・ヨングとグリーズマンがミスしながらも最後はリキ・プッチが沈めて、2-3でバルサ勝利というのも珍しいんですが、まあ、スペイン・スーパーカップでは昨季、アトレティコもサウールとトマス(現アーセナル)が次々と失敗し、マドリーにPK戦4-1でタイトルを持っていかれたなんて前例もなきにしろあらず。 それだけにもう1つの男子準決勝、木曜のマドリーvsアスレティック戦ももつれるんじゃないかと、バル(スペインの喫茶店兼バー)の営業時間を考えて、不安になったんですが、いやいや。こんな日に限って、出ちゃったんですよ。「Ellos han salido muy bien y a nosotros nos ha costado al principio/エジョル・アン・サリードー・ムイ・ビエン・イ・ア・ノソトロス・ノス・ア・コスタードー・アル・プリンシピオ(彼らはとてもいいスタートを切って、ボクらは序盤、試合に入るのが難しかった)」(アセンシオ)という、彼らの悪い癖が。そう、先週末はマドリッド上空まで来て着陸ができず、「no jugar en el Wanda el fin de semana nos vino francamente bien/ノー・フガール・エン・エル・ワンダ・エル・フィン・デ・セマーナ・ノス・ビノ・フランカメンテ・ビエン(週末にワンダでプレーしなかったのは正直、ウチにとって良かった)」とマルセリーノ新監督も言っていた通り、雪のまったくないレサマ(アスレティックの練習場)でみっちりトレーニングしてきた相手は滅多にないタイトル獲得のチャンスとばかり、一気呵成にスタート。 逆に大雪中の強行フライトでストレスを溜め、パンプローナ(スペイン北部)でのオサスナ戦でも寒さと雪で実力を発揮できずにスコアレスドローで終わり、その後も丸1日、足止めされたマドリーは、いえ、月曜からはマドリッドと比べれば、春のようなマラガで練習していたんですけどね。まったく勢いに乗れないどころか、前半18分にはカルバハルの負傷で右SBを務めていたルーカス・バスケスが自陣で敵のダニ・ガルシア目掛けて真っすぐパス。まるで、どこぞのチームを連想させるミスですが、そのボールが12月のリーガ戦ではエスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノ(RMカスティージャのホーム)で前半早い時間に退場。チームが3-1と負ける戦犯となり、リベンジに燃えていたラウール・ガルシアに渡ったのが運の尽きでした。 彼のシュートが決まり、先制点を挙げたアスレティックはそれからもアクセルを緩めず、38分には再び、ルーカス・バスケスにエリア内でイニゴ・マルティネスが倒され、PKをゲット。これもラウール・ガルシアがゴールに変え、0-2でハーフタイムを迎えるとは一体、どういうこと?いえ、バランがケガしてナチョが頭から入った後半、28分には何とか、バルベルデ、カセミロと繋いだボールをベンゼマがゴール前から決めて、VAR(ビデオ審判)にオフサイトを取り消されるというラッキーもあったものの、1点差に追い上げたマドリーだったんですけどね。37分のベンゼマのゴールはオフサイドのままとなり、同点には至らず。最終兵器、CFセルヒオ・ラモスもこの日はアップ中に左ヒザをケガし、痛み止めを打ってのプレーだったせいか、そのヘッドも外れるばかりと、トレードマークである根性のremontada(レモンターダ/逆転劇)もできずにあっさり、1-2で負けてしまいましたっけ。 うーん、ジダン監督はこの結果にも「No es un fracaso porque lo hemos intentado/ノー・エス・ウン・フラカソ・ポルケ・ロ・エモス・インテンタードー(これは失敗ではない。我々は勝とうとしたのだから)」と言っていたんですけどね。もう2試合連続先発となりながら、チェルシー時代の面影もないアザール、そして木曜にはヨビッチが古巣のアイントラハト・フランクフルトにレンタル移籍、いつの間にか、第2CFに昇格していたマリアーノの投入も残り1分になってからと、その日はシュートを2度、枠に当てていたアセンシオ以外、最近の著しい決定力不足にまったく光明が見出せないのは困ったものかと。試合後はラ・ロサレダ(2部マラガのホーム)から、空港に直行し、6日ぶりにようやく帰京できたチームも日曜まで練習休みと、いきなりヒマになってしまったんですが…。 そんなマドリーの次の試合は水曜日、スペイン・スーパーカップ参加組が来週ミッドウィークにプレーするコパ32強対決アルコジャーノ(2部B)戦となるんですが、何ですかねえ。2回戦で敗退したアトレティコ、ヘタフェも今週末は試合がないとなると、日曜午後9時(日本時間翌午前5時)からのスペイン・スーパーカップ決勝バルサvsアスレティック戦を私もまったり見るしかないってこと?ここはとりあえず、エイバルと戦う2部Bのナバセラーダを含め、マドリッドの2部4チームができるだけ多く、生き残ってくれることを祈るばかりでしょうか。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2021.01.16 21:30 Sat
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苦労したのは皆、一緒…/原ゆみこのマドリッド

「気温12℃なんて羨ましすぎる」そんな風に私が溜息をついていたのは月曜日、3日間のパンプローナ(スペイン北部)滞在を終え、とうとうレアル・マドリーがマラガ(スペイン南部)入りしたという報を聞いた時のことでした。いやあ、先週末の金曜から、マドリッドのあるイベリア半島内陸部が50年ぶりとも言われる大雪に見舞われる中、彼らはバラハス空港が閉鎖される直前に離陸。夜半に到着したホテル・アルマ・ムガ・ベロソで前泊し、土曜の夜にはエル・サダルでオサスナと戦ったんですが、その頃にはパンプローナも雪まみれだったため、当日帰京ができなかったんですよ。 マドリッドも雪が土曜まで降り続いていたため、チャーター便の出発予定が日曜になっても立たず、しかも昨今のコロナ流行でホテルから一歩も出られなかったというのは気の毒ですが、たとえ、戻れていてもバルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場は雪に埋もれていましたからね。とてもトレーニングできる状況ではないということで、この暴風雨フィロメナの影響をまったく受けなかったアンダルシア地方にマドリッドを飛び越えて移動。ラ・ロマレダ(2部マラガのホーム)で木曜午後8時(日本時間翌午前4時)からキックオフのスペイン・スーパーカップ準決勝アスレティック戦の準備をそちらですることに。ここ数日、夜は零度以下に下がる寒波に襲われ、市街の道も雪が溶けてグチャグチャと凍結の繰り返し。日曜には頑張って、プエルタ・デル・ソルまで行ってみたものの、ようよう、外出もままならない私などにしてみれば、最上の選択だったように思えるんですが…。 え、それでも彼らは1部、2部のマドリッド勢の中で唯一、週末に試合ができたラッキーなチームだったんだろうって?その通りで、それも当日、スタジアムのピッチを40人の整備員を使って雪かき。プレー可能な状態にしてくれたオサスナ関係者のおかげで、試合中も絶えることなく降り続く雪のため、いくらか白い部分はあったものの、金曜にはマドリーもバルデベバスの同じような状態のグラウンドで練習していましたからね。むしろ、不慣れだったのは、あとでルーベン・ガルシアも「Nos costaba respirar a veces por el frío/ノス・コスタバ・レスピラール・ア・ベセス・ポル・エル・フリオ(時々、寒さのせいで呼吸するのも大変だった)」と告白していた、前日は雪など影も形もないエル・サダルでセッションを行っていたオサスナの方だった? それでも先にチャンスを作ったのは相手の方で前半30分にはCKから、オイエルが強烈ヘッド。GKクルトワが何とか、弾いてくれたため、先制点は奪われずに済みましたが、とにかくこの日のマドリーはゴールが遠いんです。ええ、後半にはアセンシオのシュートをGKエレーラにparadon(パラドン/スーパーセーブ)されたなんてこともあったんですが、16分、ベンゼマが1度は弾かれて、その後また押し込んだゴールはオフサイドで認められず。「Con los cambios buscamos cambiar lo que nos faltaba antes/コン・ロス・カンビオス・ブスカモス・カンビアル・ロ・ケ・ノス・ファルタバ・アンテス(交代策でその前に足りなかったところを変えようとした)」(クロース)と、ジダン監督もバルベルデ、イスコ、マリアーノを投入し、勝利の1点を目指したんですが、43分、最終兵器、CFセルヒオ・ラモスが決めたゴールもオフサイドとなり、スコアレスドローで終了となれば、守り切ったアラサーテ監督のチームを褒めるしかないかと。 うーん、試合後のジダン監督は「Hicimos lo que pudimos, pero no ha sido un partido de fútbol/イシモス・ロ・ケ・プディモス、ペロ・ノー・ア・シドー・ウン・パルティードー・デ・フトボル(ウチはできるだけのことをやったが、あれはサッカーの試合じゃなかった)」と、珍しく怒りを露わにしていたんですけどね。ピッチでインタビューを受けていたクルトワなど、もっと露骨に「ラ・リーガがボクらやラージョにした仕打ちは酷いよ。予報でわかってたことなのに、凍った滑走路から離陸させられて、今じゃ戻れない。Somos humanos y no un espectáculo/ソモス・ウマーノス・イ・ノー・ウン・スペクタクロ(自分たちは人間で見世物じゃないんだ)」と批判。どうやら、バラハス空港の機内で降り続ける雪を見ながら、待機していた4時間、相当怖い思いをしたようですが、まあ、気持ちはわかりますよね。 ただ、それと試合の結果は別の話で、元々、今季の彼らはカディス、アラベス、に負け、エルチェとも引き分けるなど、格下のチーム相手に弱みを見せていますからね。この日も満を持して、プレミアリーグでのプレー経験から、雪と寒さに慣れていると見込まれ、負傷から復帰後、初めて先発に入ったアザールも目立っていませんでしたし、玉突きで右サイドに回されたアセンシオもここ数試合の好調ぶりを持続できず。一応、この勝ち点1で首位のお隣さんとの差が1ポイントに縮まったとはいえ、相手の消化試合が3つも少ないとなると、あまり旨味はなかったかと。 といっても過ぎてしまったことは仕方ないので、今はマドリーもスペイン・スーパーカップ準決勝に集中するしかないんですが、累積警告と負傷でマドリッドに残ったカルバハル、移動当日に筋肉痛でお留守番となったヨビッチは、うーん、この3日間はリハビリしに練習場にも行けなかったと思いますけどね。木曜までに快復はせず、マドリーがアスレティックに勝利して、日曜、セビージャのカルトゥーハで行われるバルサorレアル・ソシエダとの決勝に出ることになれば、復帰できる可能性もあるよう。いやあ、相手も金曜の夜には翌日のアトレティコ戦を控え、飛行機でマドリッドに向かったものの、空港閉鎖で着陸できずにUターン。結局、試合は延期となり、日曜から雪など、まったくないレサマ(アスレティックの練習場)でみっちりトレーニングしていますからね。 マドリーにもこの3日間は気合を入れて準備してもらいたいところですが、一方、その間、週末の予定がポッカリ空いたお隣さんが何をしていたかというと。いやあ、積雪で金曜の練習が中止になって以来、土曜は誰も家から出られず、マルコス・ジョレンテのようにバカンス気分になっていた選手もいたようですけどね。雪が止んだ日曜もマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場には選手どころか、除雪のための整備員すら近づくのが難しく、かろうじて自宅を出られた8人が住居に近い公営ジムで小規模セッションをしただけで、あとは家でプレフェ・オルテガの指示に従ったフィジカルトレをこなすのみに。何せ、3月からのコロナ警戒事態宣言中は自慢の広いお庭でボールを蹴ったりしていた彼らとて、今回はそれすら叶いませんからね。 ようやく日曜になって、主要道路の除雪が済み、暖房用ランプとスタッフの努力でピッチが利用可能となったワンダ・メトロポリターノで練習ができることになった時は皆、ホッとしたかと思いますが、火曜の午後9時30分(日本時間翌午前5時30分)からの、開幕1節で延期されていたセビージャ戦まで、当日正午のアクティベーションを含めて、2回しか、チーム練習ができないというのは不安。それだけに先週末は雪とは無縁のサンチェス・ピスファンでレアル・ソシエダ戦を行い、エン・ネシリのハトトリックで3-2と競り勝ったロペテギ監督が、「tendremos a un rival con cuatro días más de descanso/テンドレモス・ア・ウン・リバル・コン・クアトロ・ディアス・マス・デ・デスカンソ(ウチより4日間以上、休みがあるチームと対戦する)」と文句を言っていたのはちょっと意地悪だったかと。 実際、ルイス・スアレス、ジョレンテ、カラスコ、コケといったレギュラー選手たちは先週火曜のコパ・デル・レイ2回戦、コルネジャ(2部B)相手に敗退した試合にも参加していないため、1週間以上、間が空いているんですけどね。とりあえず、月曜夕方に出発したセビージャもバラハス空港上空で2時間の待機はあったものの、無事に着陸できたようですし、「No hay excusas, circunstancias que hay que llevar hacia adelante/ノー・アイ・エクスクーサス、シルクンスタンシアス・ケ・アイ・ケ・ジェバール・アシア・アデランテ(言い訳はできない。どんな状況でも前進しなければ)」(シメオネ監督)というアトレティコの目指すは勝利一択。そう、禍転じて福と為すというか、コパがなくなったため、この先、リーガは来週ミッドウィークのエイバル戦までなく、その19節はマドリーもバルサもスペイン・スーパーカップのため、前倒しでプレーしていますしね。 おかげでもし、アトレティコがセビージャに勝てば、2位のお隣さんとの差を勝ち点4に、4差まで詰めてきた3位バルサとも7差にして、しばらく優雅な首位生活を楽しめますからね。ちなみにその間、セビージャはこの土曜にコパ32強対決で2部の弟分、柴崎岳選手のいるレガネスとブタルケで対戦。実を言うと、この大雪でマドリッドのチームは皆、被害を受けており、彼らも対戦相手のアルメリアが来られず、先週末のリーガ戦は延期に。アルコルコンも同じ理由でアルバセテ戦が行えませんでしたが、スタジアムだけでなく、練習場も雪まみれなのは皆一緒ですからね。通常状態に復帰するにはまだちょっとかかりそうですが、実はアウェイゲームだったラージョとフエンラブラダなど、もっと大変な目に遭っていたんですよ。 そう、土曜にミランデス戦のあったラージョはコロナ陽性懸念の選手がいたため、金曜午前中にPCR再検査をして、その結果が出るまで出発できず。すでに高速道路で車が立ち往生していた午後7時にマドリッド郊外の練習場をバスで出たものの、5時間かかって25kmしか進めなかった上、自家用車で伴走していたプレサ会長が雪溜まりで動けなくなり、クルトワにまで同情されていたように、選手たちがバスを下りて、車を押すなんてアクシデントも発生したため、最後は引き返すことに。ヒホン(スペイン北部のビーチリゾート)でのスポルティング戦が日曜にあったフエンラブラダも土曜にはバラハス空港から飛行機が出ず、試合は月曜にリスケされたんですが、当日午後までフライトが先送りになったため、アストゥリアス空港からエル・モリノンに直行。そうまでしてプレーした試合で2-1と負けてしまったとなれば、サンドバル監督にはマドリー以上に文句を言う権利があるかもしれませんって。 え、同様にマドリッドから出られず、日曜のエルチェ戦を月曜に延期。日曜午後10時過ぎに翌朝の飛行機に備え、バラハス空港近くのホテルに集合するよう招集がかかり、ラ・リーガが雪で家から出られない選手のため、Uberの車を送ったというヘタフェなんて、真逆の結果を出したじゃないかって?いやあ、そのお迎えも雪道のプロが運転手という訳ではなかったか、カバコやポルティージョが動けなくなってしまった、同僚の乗った車を押したりと、辿り着くまでに苦労したようですけどね。月曜にエルチェに着いた時には試合開始6時間を切っていたんですが、ホント、これはサプライズです。 というのも先週、レンタルでの入団が決まったアレニャ(バルサから移籍)は2度程、チーム練習に加わる時間があったからまだいいんですが、久保建英選手など、練習場が雪で使えず、1度もセッションをせずに招集リスト入り。それだけでもビックリですが、エルチェ戦ではアレニャ先発とはかなり思い切った起用です。更に前半3分にはラウール・グティに先制点を奪われたものの、39分にククレジャがポルティージョのクロスをヘッドして同点に追いつくと、後半早々、マルコネが2枚目のイエローカードをもらって退場したのも、ボルダラス監督にアクセルを踏ませましたかね。後半19分にマクシモビッチに代わり、久保選手投入って、え、それってあまりにデビューが早すぎない? でも大丈夫、今季前半、ビジャレアルでは十分、見せられなかった実力を新天地では発揮しようと当人も張り切っていたか、後半24分にはエリア内からシュート。それはGKバディアに弾かれてしまったんですが、ゴール前に詰めていたマタが押し込んで、勝ち越し点ゲットとなれば、入団プレゼン前から、ファンへのアピールに成功したと言っていい?そして40分にも彼が送ったクロスが敵のペナルティを引き起こし、PKを獲得したアンヘルが自身で決めて、ヘタフェは1-3で勝利。4試合ぶりにリーガで白星を挙げ、降格圏まで勝ち点差1の17位だったのを一気に13位までジャンプアップ、勝ち点差も4に広げたとなれば、大雪騒動に翻弄されたのもいい思い出にしかならないかと。 ちなみに試合後、ボルダラス監督は久保選手について、「Hoy durante la estancia en el hotel le he explicado lo que podía aportar si entraba al campo/オイ・ドゥランテ・ラ・エスタンシア・エン・エル・オテル・レ・エ・エクスプリカードー・ロ・ケ・ポディア・sポルタル・シー・エントラバ・アル・カンポ(今日、ホテルにいる間、彼にはピッチに入ったら、どのように貢献できるか説明した)」と言っていたんですが、金曜に入団決まる前後にも電話でのコンタクトはあったよう。これぞ、まさしくスペイン語でコミュニケートできる強みかと、私も納得でしたが、この弟分チームも先週、コパ2回戦でコルドバ(2部B)に負け、早期敗退していたのが有利に働きそうな気が。 というのも次の試合は来週、20日(水)のウエスカ戦となるため、月曜は飛行機の関係でエルチェ泊となったチームも帰京する頃には練習場の除雪も済んでいそうですし、そこから1週間以上、じっくりトレーニングできるとなれば、久保選手もチームメートをもっと知ることができますしね。岡崎慎司選手のいるウエスカもコパで敗退したばかりなのは一緒とはいえ、同日、超特急で除雪したアルコラスでのベティス戦でも0-2と負け、変わらず最下位にいるため、ここはヘタフェも絶対、勝ち星を得たいところですが…何はともあれ、この大雪禍節で移動中の事故が起きなかったは本当に良かったですよ。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2021.01.12 22:15 Tue
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とにかく無茶苦茶、雪が降ってる…/原ゆみこのマドリッド

「これからが面白くなるところだったのに」そんな風に私が溜息をついていたのは金曜日、コパ・デル・レイ32強対決組み合わせ抽選でバルサと当たったコルネジャやレアル・マドリーと当たったアルコジャノら、2部Bチームの選手たちが大喜びしているシーンをTVで見た時のことでした。いやあ、スペイン・スーパーカップ参加による1、2回戦免除により、マドリッドの1部チームがまだ1つ残っているのは有難いんですけどね。まさか今週開催された2部B相手の2回戦で敗退した1部4チームのうち、その半分がマドリッド勢って、一体どういうこと? 逆に優秀だったのは2部の弟分チームたちで、レガネス(vsソクエジャモス、0-2)、ラージョ(vsアロ、1-3)、フエンラブラダ(vsマジョルカ、2-2、延長戦を経て、PK戦で勝利)、アルコルコン(vsサラゴサ、2-1)は同カテゴリー対決になった2チームも含め、全て突破。16or17日にはそれぞれ、セビージャ、エルチェ、レバンテ、バレンシアら、1部チームをホームに迎えての一発勝負に挑むことになりましたが、どこより健闘したのはラス・パルマス(2部)を破った2部Bのナバルカルネーロだったかと。 ええ、木曜の夜には午後中、暴風雨フィロメナ来襲の前触れとして降った雪が早くも積もり、同じ2部Bグループのラス・ロサスのクラブスタッフが超特急で除雪した市営総合スポーツ施設の凍てつくグラウンドで、武藤嘉紀選手の先制点を皮切りにキケ・ガルシア、ペドロ・レオンがゴールを挙げ、後半23分までに0-3とリードしながら、そこから追いつかれて同点に。レギュラー選手を投入した延長戦でエンリッチが決勝点を入れて、冷や汗ものの勝利を掴んだエイバルと32強対決を戦うことになったんですが、うーん。このカテゴリーのクラブはキャパ制限はあるものの、観客を入れてくれるんですが、ラス・ロサス同様、ナバルカルネーロもマドリッド市内からはバスに乗って、遥々行った郊外にスタジアムがあるため、とてもコロナによる夜間外出禁止が始まる午前零時までに戻って来れそうにないのがネックなんですよねえ。 まあ、そんなことはともかく、このミッドウィークのコパでヘタフェとアトレティコがどのようにダメダメだったか、お話ししていくことにすると。火曜に先陣を切ったのは弟分の方だったんですが、前半5分にはウィリーのヘッドでコルドバに先制点を奪われる始末。ハーフタイムまで経過してもまったく追いつける気配がなかったため、「Hemos dado entrada a jugadores no habituales para que se reivindicaran/エモス・ダードー・エントラーダ・ア・フガドーレス・ノー・アビトゥアレス・パラ・ケ・セ・レイビンディカラン(アピールできるよう、レギュラーじゃない選手をスタメンに起用した)」というボルダラス監督も後半にはククレジャ、アランバリ、ポルティージョ、マタ、ジェネと次々、投入していったものの、まったく今季のヘタフェのゴール日照りは根が深い。 結局、最後までその1点が返せず、1-0で負けてしまったんですが、え、現在、彼らは降格圏と勝ち点差1の16位とリーガで下位に低迷。前節もバジャドリーに0-1で負け、ここ3試合白星なしなんだから、却って、早めにコパとお別れできて助かったんじゃないかって?うーん、まだ4試合の出場停止処分を消化中、かつ負傷のリハビリをしているクーチョもまだ戻れませんし、昨年最後のアトレティコ戦でケガをしたウナルもハムストリングの肉離れが発覚。2月末まで戦列を離れるとあって、FWも30代のマタとアンヘルしか残っていませんからね。 そういう意味では試合数が減るのはラッキーなんですが、水曜にバルサからのレンタルが決まったアレニャに続いて、いよいよ金曜には久保建英選手がビジャレアルから河岸を変え、マドリーからのレンタル移籍として、シーズン後半をヘタフェで過ごすことが発表されましたからね。今年はヨーロッパの大会にも出ておらず、コパももうないとなると、プレーできるのはリーガだけになってしまいますが、その辺は大丈夫?ちなみにヘタフェはこの2日間、雪の降る中、何とか、練習はできたようですが、金曜の午後にはコリセウム・アルフォンソ・ペレスも見事に白化粧。 日曜午後6時30分(日本時間翌午前2時30分)からのエルチェ戦はスペイン南東部にあるマルティン・バレロでのキックオフなので、今のところ、雪の影響はないようですが、果たして土曜に久保選手が加わるだろう、前日練習が実施できるかは不明。そうなると、遠征に連れて行ってもらえるかも定かではないんですが、まだ1月には岡崎慎司選手のいる、やはりコパで敗退したウエスカ、アスレティック、アラベスとのリーガ戦が控えていますからね。エルチェも18位で現在、10試合白星なしとはいえ、あちらは水曜にコパでラ・ヌシア(2部B)に0-1と勝ち、32強対決に進出できて、意気が上がっているかもしれませんし、とにかくrival directo/リバル・ディレクト(直接ライバル)とのガチンコ勝負では意地を見せてくれるといいのですが。 そして水曜にバルセロナでコルネジャと対戦したアトレティコはというと、こちらもシメオネ監督の「Es un gran oportunidad mañana para que se muestren los que juegan menos/エス・ウン・グラン・オポルトゥニダッド・マニャーナ・パラ・ケ・セ・ムエストレン・ロス・ケ・フエガン・メノス(明日はあまり出場していない選手たちが実力を披露するビッグなチャンスだ)」という期待を叶えることはできなかったんですよ。そう、展開的にも弟分と似ていて、前半7分、FKからアドリアン・ヒメネスのシュートが決まって、コルネジャが先制。それも原因はヒメネスが自陣で犯したファールでイエローカードをもらった上、自傷してピッチ外で待機していた間のことだったともなると、どこに突っ込んでいいのか、私もわからないぐらいなんですが、でも相手は2部Bですからね。 1点ぐらい、ジョアン・フェリックスやコレアもいるし、簡単に逆転できるだろうと思っていたら、とんでもない。先日のカルダサル(3部)戦に続き、人工芝のピッチが苦手なのか、それからも意味不明なボールロストから、敵にチャンスを作られたアトレティコはいつまで経ってもゴールが決まらず。前半こそ、サウールのシュートがバーを直撃したり、オフサイドだったものの、コレアがparadon(パラドン/スーパーセーブ)されたり、フェリペのヘッドが枠を外れたりと攻めていた時もあったんですが、ハーフタイムまでに同点に追いつくことはできません。 そしていよいよ後半、何せ、こちらはレギュラーを入れようにも、シメオネ監督が過密日程の選手たちの働きすぎを懸念して、ルイス・スアレス、カラスコ、マルコス・ジョレンテ、レマル、コケらをお留守番にしていましたからね。そこへ17分にはカンテラーノ(アトレティコBの選手)の右SB、リカルドが2枚目のイエローカードをもらって退場という逆境にも見舞われ、結局、ビトロをサポンジッチに、そして足を敵に踏まれて腫らしたジョアンを18才のソリアーノに代えただけとなれば、そのまま1-0で負けてしまったのも仕方ない? 何せ、彼らは昨季、最初のコパの試合となった32強対決のクルトゥラル・レオネサ(2部B)戦でもジョアン、コレア、ビトロ、サウール、フェリペを中心にスタメンを組んで、見事1-2で敗退していますからね。そこから、まったく学んでいなかった選手たちも選手たちですが、それだけに試合後、シメオネ監督が、「Buscaremos soluciones si estamos el ano que viene/ブスカレモス・ソルシオネス・シー・エスタモス・エル・アーノ・ケ・ビエネ(もし来季も私たちがいるなら、解決策を探すことになる)」と絶対、マスコミが喰いつくだろう、曰くあり気な発言。自分に注目を集めていたのはもしや、部下たちの至らなさから、世間の目を逸らす目的があったのかも。 でもそれはムリです。だってえ、いくら控えとは言ったって、ピッチに立っていたのはコルネジャの選手の何十倍ものお給料をもらっているトップチームの選手たちなんですよ。この日、キャプテンを務めたサウールが最近、ベンチを温めることが多くなった自身の不調に「Tengo que mejorar y estar bien, sobre todo mentalmente/テンゴ・ケ・メホラール・イ・エスタル・ビエン、ソブレ・トードー・メンタルメンテ(ボクはもっと良くならないと。とにかくメンタル的にね)」と言っていたのには、私生活で何かあったんじゃないかと心配になったものの、どんな言い訳もききませんって。 ただ、もうこうなったら、同じ水曜にシーズン当初に延期されていたアスレティック戦に2-3と競り勝ち、消化試合は2試合多いものの、勝ち点差7の3位に上昇。首位争いにバルサが加わる姿勢を見せてきたこともありますし、勝ち点差2で2位のお隣さんが追ってきているリーガの首位固めに専念するしかないんですが、木曜はコパ留守番組を中心に何とか、雪が本格的に降り出す前に練習を終えたアトレティコも、金曜の午前中にマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場に集まってみれば、一面雪景色。 いえ、土曜午後4時15分(日本時間翌午前0時15分)からのアスレティック戦に備え、ワンダ・メトロポリターノも周辺は積雪に覆われていたものの、ピッチは暖房設備を使って万全の準備を整えているんですけどね。さすがに練習グラウンドの雪かきをする人手までは得られなかったか、試合前日がジムセッションという異例の事態に。幸い、ジョアンとヒメネスはほぼ回復いているとシメオネ監督は言っていましたが…金曜も暴風雨フィロメナのせいで午後から雪となり、夜になっても止まらず、マドリッドの交通網がどんどん麻痺していく中、とんでもない情報が。 何と、マルセリーノ新監督の下、首都前泊を予定していたアスレティックがビルバオ(スペイン北部)ではまだ雪が降っていなかったため、飛行機はマドリッドに着いたものの、積雪によるバラハス空港閉鎖でUターン。夜いっぱい雪は続く予定のため、バス移動も難しく、土曜の試合前に到着できるか、今の時点ではまったく不明なのだとか。同様にアトレティコの選手たちも前日合宿のため、自宅から車でワンダに集合するのも雪深くて危険と、取り止めになってしまいましたしね。正直、朝になってもすぐ道の除雪ができる訳ではありませんし、いくらピッチが完璧でも、プレーする主役たちがスタジアムに辿り着けないのでは試合開催なんて、ムリなのでは?(その後、延期が決定) え、悲惨なことになっているのはお隣さんも同じじゃないかって?その通りで、まだコパ免除のため、今週はミッドウィークにじっくり調整できたマドリーは動員できるスタッフが多いんでしょうかね。木曜にはコロナ陽性者と濃厚接触があったとして、用心のため、翌朝、PCR検査陰性がわかるまで、チームの指揮を執らなかったジダン監督も晴れて復帰。夕方のセッションだったにも関わらず、何とか、ピッチを綺麗にしたバルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場で雪の中、トレーニングしていたんですが、土曜午後9時(日本時間翌午前5時)開催予定のオサスナ戦のため、ラリーガの忠告もあり、夕方にはパンプローナ(スペイン北部)に向かうことに。 それが何と、午後7時に離陸というのが裏目に出たか、バラハス空港の滑走路除雪が済むまで、延々と機内で出発を待たされた挙句、ようやく飛び立てたのは午後11時近くだったとか。いえ、皮肉にもまだパンプローナは晴れており、おそらく着陸には問題ないと思うんですけどね。あちらの降雪開始は金曜深夜で、土曜は1日中雪という予報。試合の時刻にも止みそうになく、キックオフまでに除雪できるかも降る量次第だとか。もし延期になった場合は日曜正午にキックオフすることになっていますが、ホント、大丈夫なんでしょうか。 ちなみにこの試合、マドリーの欠場者は長期離脱のロドリゴと累積警告となるカルバハル、そして直前に筋肉痛で招集リストを外れたヨビッチの3人。まあ、オサスナもリーガ19位と降格圏にいる不調のチームですが、水曜にはコパでオロット(2部B)に0-3と快勝していますからね。雪の影響についてはジダン監督など、「El temporal no va a marcar la alineación/エル・テンポラル・ノー・バ・ア・マルカル・ラ・アリネラシオン(悪天候がスタメンを左右することはない)。アザールとか、ロンドンでプレーしてたから、慣れているしね」と言っていましたが、いやいや。こんなに雪が降っては、私の行きつけのバル(スペインの喫茶店兼バー)だって、土曜は開くかわかりませんし、何はともあれ、どのチームも事故に遭うことなく、無事にこの豪雪禍を切り抜けてくれるといいのですが。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2021.01.09 22:00 Sat
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