浮かれた自分が愚かだった…/原ゆみこのマドリッド

2020.10.03 17:00 Sat
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「当分、ミッドウィーク開催リーガはないからいいけどお」そんな風に私が嘆いていたのは金曜日、ここ最近のコロナウィルス感染者数急上昇を受け、マドリッドが再び、confinamiento(コンフィナミエントー/外出禁止)体制に入ると聞いた時のことでした。いやあ、とはいっても第1波の到来した3月、4月のEstado de alarma(エスタードー・デ・アラルマ/国家警戒事態)程、厳しいものではなく、当時は完全休業に追いやられたレストランやバル(スペインの喫茶店兼バー)などもお店を開けることはできるようなんですけどね。ただ、営業時間が午後11時までになるため、今週のように週中設定のリーガ節があると、遅い時間帯に当たるカードの終了が11時15分過ぎになり、最後まで試合を見られない心配があったから。それ以外にも再び、バルのカウンターで立ち飲みが禁じられたり、店内キャパを50%に制限されたり、はたまた、仕事などのよんどころのない事情がない限り、マドリッド郊外のヘタフェやレガネスに行けなくなってしまったりと、いやま、今季になってもラ・リーガがスタジアムに入れる記者の数を厳しく制限しているため、私も試合には行けないので別にいいんですけどね。それよりむしろ、気になっているのは木曜に決まったCLグループリーグの日程で、グループAとなったアトレティコが先日はUEFAスーパーカップでセビージャを倒したかと思えば、水曜にはDFLスーパーカップでもドルトムントに勝利。2009年にグアルディオラ監督下のバルサが達成したsextete(セクステテ/6冠優勝のこと)に並ぶまで、あとクラブW杯を残すのみとなったCL王者、バイエルンと同じ組になったことはまだ、別に心配するには早いんですけどね。

他がザルツブルク(オーストリア)、ロコモティブ・モスクワ(ロシア)と、まあ、それなりだったのもありますが、お隣さんがシャフタール(ウクライナ)、インテル(イタリア)、ボルシア・メンヘングラッドバッハ(ドイツ)と同組のグループBになってしまった方が大問題。というのもAからDのグループは同じ曜日の開催となるからで、UEFAはこのグループリーグ、スタジアムの収容人員30%までのファンの入場を認めたそうですが、それも各国の衛生規範に従ってとあって、とてもスペインでは望めそうにありませんしね。

もし同時刻のキックオフとなった場合、大抵のバルはレアル・マドリーの試合を優先。ええ、10月21日の開幕節はマドリーvsシャフタール戦が午後6時55分、バイエルンvsアトレティコ戦が午後9時キックオフとズレてくれたものの、27日の2節ではアトレティコvsザルツブツク戦とメンヘングラッドバッハvsマドリー戦が午後9時でもろかぶり。いよいよ最終節でグループ勝ち抜けを争っているアトレティコを尻目に、すでに突破の決まったマドリーの試合を見る破目になったりしたら、どうしようと今から、頭が痛いんですが、まあ、それはまだ先の話ですからね。今はとりあえず、今週のミッドウィーク・リーガがどうだったか、報告していくことにすると。

火曜に先陣を切ったのは弟分のヘタフェだったんですが、いやあ、昨季もコロナ禍でリーグが中断するまで、CL出場圏内で3、4位争いをしていたこともありますが、もう弟分なんて、呼んでいられないかもしれませんよ。そう、コリセウム・アルフォンソ・ペレスにベティスを迎えた彼らはキックオフから、エンジン全開。前半13分にはニヨムのクロスをアンヘルがchilena(チレナ/オーバーヘッドシュート)で叩き込み、VAR(ビデオ審判)にオフサイド疑惑を払拭されたおかげもあって、先制点をゲットすると、39分にはククレジャがエリア外から弾丸シュートを決めて、2点目が入ります。42分にもクーチョのラストパスをアンヘルがネットに突き刺し、前半だけで3-0としたとなれば、後半は流しモードになったとしても仕方ない?

うーん、確かに「Nos han tirado tres veces y nos hicieron tres goles/オンス・アン・ティラードー・トレス・ベセス・イ・ノス・イシエロン・トレス・ゴーレス(相手は3回、シュートを撃って、3ゴールを挙げた)」とペジェグリーニ監督が言っていた通りではあるんですけどね。前節ではVARに祟られて、兄貴分のマドリーに2-3と競り負けたのがよっぽど堪えたか、開幕2連勝で昨季の悪いイメージを払拭したベティスもあっという間に元に戻ってしまった感がなきにしろあらず。ただ、それでもボルダラス監督は記者会見で戦力不足を訴えることを止めず、ええ、退団した選手の方が加入した選手より、全然、多いのは本当ですからね。

とはいえ、「もうトップチームには22人いる。El entrenador está últimamente un poco quejica. Si vamos líderes, qué más queremos/エル・エントレナドール・エスタ・ウツティマメンテ・ウン・ポコ・ケヒカ。シー・バモス・リデレス、ケ・マス・ケレモス(最近、監督はちょっと文句が多い。ウチが首位だったら、もっと何が欲しいんだ)」というアンヘル・トーレス会長の言い分ももっともで、ええ、2節からスタートして3試合、何と、2勝1分けのヘタフェは兄貴分たちを差し置いて、堂々、首位の座についたんですよ。もちろん、この土曜のレアル・ソシエダ戦を見てみないことには、何とも言えませんが、今季の彼らはELがない分、試合数が少ないのも事実。金曜にはELのグループリーグ組み合わせも決まり、ナポリ(イタリア)、AZ(オランダ)、リエカ(クロアチア)との対戦にウキウキしているだろう相手に付け込む隙は十分、ありそうです。

そして水曜にはマドリッドの2強がプレーしたんですが、どうして、ああもアトレティコはファンを天から地べたに突き落とすのが得意なんでしょうか。そう、開幕だった前節、グラナダ戦では6-1のgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)を披露し、モラタ(ユベントスにレンタル移籍)に代わり、ルイス・スアレス(バルサから加入)した今季はもう、ゴール日照りという単語とは無縁になったはずだというのに、早くも非常な現実を突きつけられるとは、これ、如何に。アルコラスでのウエスカ戦では序盤から、ボールを支配していたものの、前半はほとんどチャンスが作れません。

デビュー戦の20分間で挙げた2ゴールを買われ、その日はスタメンに入ったスアレスも不発で、後半、ジョアン・フェリックスからのスルーパスで得たチャンスもGKアンドレス・フェルナンデスに防がれてしまい、そのジョアンのシュートも密集した敵のDF陣やGKに弾かれてしまう始末。「Hemos hecho un gran trabajo defensivo/エモス・エッチョー・ウン・グラン・トラバッホ・デフェンシボ(ウチは偉大な守備の仕事をした)」という、1部に復帰したばかりのミチェル監督のチームから、1点も取れないとはどうしたことでしょう。幸い、岡崎慎司選手が先発したウエスカもGKオブラクを破ることはできなかったため、最後はスコアレスドローという結果に終わりましたが、そこはいくら、「後半のウチはゴールを追求したし、fue diferente a los empates de otras ocasiones/フエ・ディフェレンテ・ア・ロス・エンパテス・デ・オトラス・オカシオネス(以前のドローとは違った)」(シメオネ監督)と言われてもねえ。

というのも昨季の彼らは引き分けの帝王で、38試合中16試合がドロー。しかもアウェイでは6勝しかできなかったという悲惨な過去を振り返ると、一刻も早く、「Tenemos que aprender de nuestros errores para que no vuelva a pasar/テネモス・ケ・アプレンデール・デ・ヌエストロス・エローレス・パラ・ケ・ノー・ブエウバ・ア・パサール(ボクらはミスから学ばないといけない。もう繰り返さないようにね)」というサウールの言葉を有言実行してもらいたいところですが、はあ。スアレスが来ても、敵に狭いスペースに固まってしまわれるとお手上げって、こうなると、もうメッシにも来てもらうしかない?

これでは日曜に大幅ローテーションしたせいで、大敗を喫したものの、木曜には見事にEL予選プレーオフでマルメ(スウェーデン)を1-3と撃破。とうとうグループリーグ出場にこぎつけ、クラブ創設以来、初のヨーロッパの舞台でPSV(オランダ)、PAOK(ギリシャ)、オモニア(キプロス)と戦うことになった、グラナダなど、高笑いが止まらないといったところでしょうが、アトレティコはこの土曜、午後4時(日本時間午後11時)から、ワンダ・メトロポリターノにビジャレアルを迎えて仕切り直し。こちらもELのグループで、2年前、アトレティコが連続ドローでCL早期敗退をする原因を作ったカラバフ(アゼルバイジャン)、マッカビ・テルアビフ(イスラエル)、シバススポル(トルコ)との対戦が決まったばかりのチームですが、このミッドウィーク節でもアラベスを3-1と破り、ヘタフェと同じ勝ち点7で並ぶ、4チームの首位グループに入っているだけに、やたら守備的にはならず、スペースがもらえそうなのはアトレティコにとって、助けになるんじゃないでしょうか。

え、ヘタフェと同じ火曜にレアル・ソシエダに勝ったバレンシアも首位グループにいるとなると、あと1つは当然、マドリーなんじゃないかって?まあ、その通りなんですが、アトレティコの試合の後もバルに居座って、私が見ていたバジャドリー戦も途中まではかなり、スコアレスドローの気配が強かったんですよ。それも前節のベティス戦に続き、連続スタメンとなったヨビッチがCKからのヘッドをGKロベルトにparadon(パラドン/スーパーセーブ)されたりと,チャンスに決めきれなかったせいですが、ジダン監督が後半11分、早めに実施した3人一斉交代が実を結ぶことに。20分、敵エリア内での混乱の中、ベンゼマの前で蹴ったブルーノからのボールがオフサイドの位置にいたビニシウスへと渡り、そのシュートから決まったゴールが先制点として認められているんですから、驚いたの何のって。

まあ、これもVAR様々で、最後に触れたのがバジャドリーの選手だったことがわかったんですが、ここは開幕レアル・ソシエダ戦で先発に抜擢されながら、ベティス戦では出番なし。この日も控えだったにも関わらず、交代でピッチに入ってから、ずっと積極的に攻撃に絡んでいった当人のやる気を褒めてあげるべきかと。そこへ、ジダン監督からは「Para eso está Thibaut/パラ・エソ・エスタ・ティブー(クルトワはそのためにいる)」とあっさり、言われてしまいますが、ヴァイスマンやワルドのシュートを昨季のサモラ(リーガで一番失点率が低いGKに与えられる賞)が弾いてくれたのもあって、マドリーは1-0で逃げ切りに成功しましたっけ。

ちなみにジダン監督がこの3試合、イロイロなシステムを使っているのには訳があって、「No hemos tenido pretemporada para probar/ノー・エモス・テニードー・プレテンポラーダ・パラ・プロバル(ウチにはプレシーズンに試す機会がなかった)」せいなんですが、まあ確かにテストマッチがヘタフェとの練習試合だけではねえ。実際、ここしばらくはそれが続きそうな感じで、というのもアセンシオは先月のスペイン代表合宿で腫らしたヒザが治り、この日、途中出場したんですが、何と、足並みを揃えるはずだったアザールが試合当日になって、太ももを痛めてしまったから。全治は3週間とも1カ月とも言われていますが、こうなるとお馴染みの4-3-3が戻ってくる日は遠いかもしれません。

そして、ヨビッチにレンタルのオファーがないせいか、ここ2試合で途中出場しながら、結局、ローマで2年間、過ごすことが決まったボルハ・マジョラルが旅立って行った翌日、マドリーには思わぬ負傷者も発生。それはカルバハルで、バルデベバス(バラハス空港の近く)での午前セッションで右ヒザ靭帯を損傷し、全治2カ月となってしまったため、バジャドリー戦で先発したオドリオソラにはしばらく1人で頑張ってもらわないといけないことに。

同様に被害を受けたのは金曜に招集リストが発表されたスペイン代表で、ええ、カルバハルは右SBのレギュラーですからね。今回はラス・ロサス(マドリッド郊外)のサッカー協会施設でではなく、バルセロナのSEAT(スペインの自動車メーカー)本社で記者会見も行ったルイス・エンリケ監督は急遽、セルジ・ロベルト(バルサ)を呼ぶことに。その一方で、マドリーの次の相手、日曜午後4時から、ホームのシュタット・デ・バレンシアの改修工事がまだ終わっていないため、ビジャレアルのラ・セラミカを借りて戦うレバンテでは、57年ぶりにカンパーニャがスペイン代表に招集。クラブを挙げて大喜びしていたのは印象に残りましたっけ。

そう、コロナ禍のせいで日程が詰まり、この10月は3試合をプレーすることになるルイス・エンリケ監督のリストは総勢25人。カルバハルの他にもマドリー勢はアセンシオが復帰したばかり、セビージャに移籍したオスカル・ロドリゲス(昨季はレガネスにレンタル)もプレー時間不足ということでリスト外になり、更にはバイエルンからリバプールに移ったばかりのチアゴ・アルカンタラが現在、感染隔離中とあって、少々、メンバーは変わっているんですけどね。いやあ、来週水曜、リスボンのジョゼ・アルバラーデ(スポルティングCPのホーム)で開かれるポルトガルとの親善試合には3割程度ながら、観客が入れるそうなんですが、今回もエスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノ(RMカスティージャのホーム)でプレーする、10日(土)のネイションズリーグ3節のスイス戦は無観客って、ホントにマドリッドの感染状況が悪いのは困りもの。

13日(火)のウクライナとのアウェイ戦はどうなのか、よくわからないんですが、ヨーロッパの他の国ではすでにスタンドに観客が入っているところもあるのを見るにつけ、悔しさも募るばかりかと。幸い、代表戦はTVE(スペイン国営放送)で自宅観戦できますし、こちらはバルサで大当たりしている17才のアンス・ファティがいるため、ゴールに不自由はしなさそうですが、自業自得とはいえ、今回もアトレティコからは誰も呼ばれていないというのも何だか、寂しい感じがします。

【マドリッド通信員】 原ゆみこ
南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。
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ピンクはラッキーカラーにならない…/原ゆみこのマドリッド

「同じ負傷離脱でもちょっと、重みが違うわよね」そんな風に私が嘆いていたのは月曜日、カディス戦を欠場したレアル・マドリーのウーデゴールがノルウェー代表で張り切り過ぎたための筋肉痛ではなく、実はふくらははぎを肉離れ。全治1カ月となると、ニュースで知った時のことでした。というのもお隣さん同様、先週末から、アトレティコもリーガとCLグループリーグが3週間続く、地獄の7連戦に突入。ところがその初戦でいきなり、ジエゴ・コスタが太ももを痛め、こちらも全治3週間と、11月のインターナショナルマッチウィークが終わるまで、復帰が見込めない状態になっていたから。 何せ、片や昨季、レアル・ソシエダでの活躍を買われ、ようやく数年に渡るレンタル移籍生活から解放されたものの、まだレギュラーになったとはとても言えない21才に対して、チェルシーから出戻りした後、ゴールこそ、あまり決めていないものの、コスタはピッチにいるだけで敵に威圧感を与えてくれる、攻撃陣の精神的支柱ですからね。せっかく、週末のセルタ戦では初めてルイス・スアレスと大型FWツートップを組み、息の合ったところを見せてくれていたにも関わらず、ツキに恵まれていないとはまさにこのことだったかと。 え、それでも前節のリーガでは美味しいところ獲りができたアトレティコだったんだろうって?まあ、その通りで、マドリッド勢の1番手として、彼らはバライドスでセルタと対戦。paron(パロン/リーガの停止期間)前はウエスカ、ビジャレアル戦とスコアレスドローを続けていたため、私もゴールが見られるのか、不安だったんですが、いやいや。この日は早くも前半6分、右サイドでコケがコスタに繋ぐと、ブラジル代表の疲れが取れず、お留守番となったロディの代わりに左SBを務めていたカンテラーノ(下部組織出身の選手)マヌ・サンチェスがエリア内から、渾身の力を振り絞って折り返し。今季から背番号3をもらい、トップチームに昇格した彼が期待に応えるラストパスをスアレスに供給しているのですから、素晴らしいじゃないですか。 おかげでスアレスも移籍後、3点目を決めることができたんですが、リードした後はやっぱりいつものアトレティコ。反撃に転じたセルタに迫られ、それこそGKオブラクがイアゴ・アスパス、サンティ・ミナ、カレイラらのシュートを弾いてくれなければ、無失点でハーフタイムには入れないところでしたが、例のコスタの悲劇が起きたのは後半キックオフからすぐだったんですよ。ええ、彼がドリブルでエリア内に持ち込んで、並走していたスアレスにパスを送ったんですが、今度はシュートが枠を外れてしまったのはともかく、その時のダッシュで太ももを痛め、即交代要請って、いやほんと、ここ3シーズンのコスタはこれで14回目の負傷と、もうケガに祟られっぱなしです。 そこでコスタに代わってピッチに入ったのがジョアン・フェリックスだったんですが、その才能の煌めきが見られたのは後半ロスタイムに入ってから。うーん、最初はコーナーでボールをキープして、敵にファールを受けるという時間稼ぎをしていた彼だったんですけどね。やはり、それだけで満足できる器ではなかったようで、何と、敵の頭上を越すパスでマルコス・ジョレンテに繋ぎ、こちらも見事なtaconazo(タコナソ/ヒールキック)で戻って来たボールをシュート。残念ながら、その一撃はゴールバーに当たって跳ね返ってしまったものの、駆けつけたカラスコがヘッドで押し込み、「Por suerte apareció el 0-2/ポル・スエルテ・アパレシオ・エル・セロ・ドス(ラッキーにも0-2が生まれた)」(シメオネ監督)って、随分、上手く辻褄を合わせたもんじゃないですか。 いえ、実際、2点目が入った後、退場させられてしまったセルタのオスカル・ガルシア監督が、「Ellos tienen calidad, no necesitan de muchas ocasiones/エジョス・ティエネン・カリダッド、ノー・ネセシータン・デ・ムーチャス・オカシオネス(彼らには質の高さがあって、多くのチャンスを必要としない)」と言っていた程、アトレティコがゴールに恵まれている訳ではないんですけどね。それでも今週水曜午後9時(日本時間翌午前4時)にはCL1節で昨季の王者、シメオネ監督も「Nos vamos a enfrentar al mejor del mundo por intensidad, presión, juego/ノス・バモス・ア・エンフレンタール・アル・メホール・デル・ムンド・ポル・インテンシダッド、プレシオン、フエゴ(ウチは激しさ、プレス、プレーにおいて世界一のチームと対戦する)」と言っていたバイエルンとの試合をミュンヘンで迎えるため、セルタ戦で勝利できたのは選手たちの士気も上がって良かったかと。 ただ、2016年のCL準決勝ではビセンテ・カルデロンでサウールのゴールで1-0と勝ち、アリアンツ・アレナではグリーズマンの得点でようやく2-1として、アウェイゴール差で決勝進出を決めた彼らでしたが、今回はそのサウールが参加できるかが微妙。日曜、月曜のマハダオンダ(マドリッド近郊)でのセッションでもヒメネスと共にグラウンドに姿を見せず、招集リストに戻って来られそうなのはロディぐらいと、いえ、まあ、セルタ戦でボランチデビューをしたトレイラ(アーセナルからレンタル移籍)も最後はふくらはぎにこむら返りを起こしながら、頑張ってくれたんですけどね。とりあえず、まだグループリーグですし、3月には前年度王者のリバプールも破っているアトレティコなんですから、8月にリスボンでの昨季準々決勝で2-8とgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)を喰らったバルサより、9月のUEFAスーパーカップで2-1の惜敗をしたセビージャに近い結果ぐらいは出してもらわないと。 そして、土曜はそのままバル(スペインの喫茶店兼バー)に居座って、マドリーとカディスの試合を見ていた私だったんですが、いくらピンクリボンデー(乳ガン撲滅運動の国際デー)が近いからといえ、エスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノ(RMカスティージャのホーム)なのに第3ユニのピンクでプレーしたせいで、選手たちも気が散ってしまったんですかね。ジダン監督も「Entramos mal, sin ritmo/エントラモス・マル、シン・リトモ(ウチは悪い形で、試合のリズムにも欠けて、ゲームに入った)」と言っていましたが、まさか、15年ぶりに1部のピッチを踏むカディスにキックオフ早々、押し込まれ、開始1分にはネグレドのシュートをセルヒオ・ラモスがゴールライン前でカット。 かろうじて古巣への恩返しゴールを防いだかと思えば、ロサノとカラの一撃もGKクルトワが必死で防ぐといった具合で、とうとう16分にはロサノにvaselina(バセリーナ/ループシュート)を決められて、先制点を奪われてしまったから、さあ大変!それこそ、「もっと上手く攻撃できてれば、5点は取れていただろう」(セルベラ監督)という劣勢だったんですが、泣きっ面に蜂とはよく言ったもので、30分過ぎにはロサノと接触プレーになったラモスが左ヒザを負傷。ハーフタイムで彼がミリトンに代わったのは仕方ないんですが、さすがにこれではマズいと思ったか、ジダン監督はルーカス・バスケス、イスコ、モドリッチもアセンシオ、カセミロ、バルベルデへと、一気に4人交代って、なかなかお目にかかれる光景ではなかったかと。 更に32分にはクロースもヨビッチと代わり、FW4人体制で同点を目指したマドリーだったんですが、自陣エリア周辺に9人が密集して守るカディスの壁を最後まで崩せず。そのまま0-1で負けてしまうとは、いやあ、「Hemos regalado la primera parte/エモス・レガラードー・ラ・プリメーラ・パルテ(ウチは前半を相手に贈ってしまった)」(カセミロ)のが、ここまで高くつくとはやはり、彼らのゴール不足も相当なもののよう。ただ、同様のことは去年の10月にも起こっていて、その時は9節でやはり、昇格組で、当時は久保建英選手がレンタル移籍していたマジョルカに1-0でシーズン初黒星を喫しているんですけどね。 そのマジョルカも結局は降格してしまったため、マドリーのホームで初勝利を挙げたカディスもそうそう、喜んでばかりはいられないんですが、昨季のリーガ王者にとっては、ホントに間の悪い時期の敗戦になったかと。だってえ、ラモスのケガは打撲だけだったようで、月曜にはチームのセッションに部分参加したとはいえ、水曜午後6時55分(日本時間翌午前1時55分)からのCLシャフタール(ウクライナ)戦のために無理したら、週末、土曜のクラシコ(伝統の一戦、バルサvsマドリー戦のこと)に出られなくなってしまうかもしれないんですよ。 かといって、CLでキャプテンを欠くと、1年前に逆転敗退を招いた16強対決アヤックス戦2ndレグや、コロナ禍による中断をはさんで連敗した8月のマンチェスター・シティ戦2ndレグのように悲惨な結果になりかねず、ええ、昨季はグループリーグ初戦でPSGに3-0と完敗したなんて前例もありますからね。普通なら、楽勝の相手でも決して油断はできないんですが、もちろん、宿敵バルサとのビッグマッチもムゲにはできないという、難しい選択をジダン監督はしないといけなくなったんですが…。 マドリッドには優秀な弟分チームもいるってことを忘れてはいけません。さすがに3試合連続というのは、お店にも悪いので退散した私だったんですが、コリセウム・アルフォンソ・ペレスにバルサを迎えたヘタフェが想定外の大金星を挙げてくれるんですから、驚いたの何のって。ええ、グリーズマンのシュート失敗などあり、前半を0-0で折り返した彼らには後半11分、デ・ヨングがエリア内でジェネを倒し、PKをゲットするという幸運が舞い込むことに。昨季の最終戦ではレバンテ相手にそれまで25回連続成功していたPKを失敗、そのせいでチームは2連連続EL出場という栄誉を逃してしまったこともあり、プレッシャーも相当、あったに違いないマタがGKネトを破り、ヘタフェに先制点を与えてくれます。 ま、当人は「Fue una liberación/フエ・ウナ・リベラシオン(これで解放されたよ)。失敗してから、ずっとまたPKを蹴って、自信を取り戻したかったんだ」と言っていたぐらい、強気な性格で、そんなに心配することもなかったんでしょうけどね。まだまだ、反撃する時間はあったにも関わらず、こちらもピンクデーに合わせて、第3ユニを着たバルサにはたった1点を返すことも難しかったよう。 ええ、それこそカウンターからクーチョが2本も絶好機に外していなければ、もっと点差が開いていた可能性もあった訳で、終了の笛を聞くなり、クーマン監督がボルダラス監督に「ニヨムはリスペクトを欠いていた。Me ha insultado, ha dicho dos o tres veces cosas muy feas/メ・ア・インスルタードー、ア・ディッチョー・ドス・オ・トレス・ベセス・コーサス・ムイ・フェアス(私を侮辱して、とても醜い言葉を2、3度、投げかけた)」と抗議していたように、気迫でもファール数でも勝ったヘタフェがそのまま、勝ち点3を手に入れてしまうとは、大したもんじゃないですか。 何せ、これまでリーガの3強には1つも白星がなかったボルダラス監督ですからね。今季、クーマン監督の下で立ち直ったかのように見えたバルサを、まさにクラシコ直前で叩いてくれるとは一体、誰に予想できた?おかげで消化試合数が1つ少ない相手に勝ち点で並ばれてしまうのを覚悟していたはずのマドリーも3差ある分だけ、ちょっとは気が楽になって、カンプ・ノウに乗り込めるはずですし、これでヘタフェも兄貴分、そしてカディスとグラナダと並んで2番手グループに躍進。日曜のカードでは決勝点のアシストをした後、久保選手が2枚目のイエローカードで退場となったものの、ビジャレアルがバレンシアに2-1で競り勝ち、レアル・ソシエダもベティスに0-3と勝ったため、この2チームが勝ち点差1で首位グループとなりましたが、いやいや。 そう、今週はビジャレアル、レアル・ソシエダ、グラナダにはELグループリーグ初戦があるため、ミッドウィークがフリーとなるヘタフェにはまさにその、木曜にPSVとアウェイ戦をこなしたばかりのグラナダと日曜に対戦する試合まで準備の時間がたっぷりあるんですよ。土曜にグラナダに負けたセビージャも火曜にチェルシーとのCL、バルサも同日、フェレンツバーロシュ戦と、上位候補は軒並み、ヨーロッパの戦いが始まって、地獄の7連戦となるため、ここ3週間のリーガ順位はかなり変動するんじゃないかと。いやあ、4試合しかしてなくて、2分けしているアトレティコはまだ8位なんですけどね。何はともあれ、どのチームもケガ人とコロナ陽性者を出さずに乗り切れることを祈っています。 2020.10.20 21:45 Tue
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いよいよ連戦週間が始まる…/原ゆみこのマドリッド

「15年ぶりじゃ、残念感もひとしおよねえ」そんな風に私が頷いていたのは金曜日、カディスのセルベラ監督が、「me hubiera gustado que fuese en el Bernabéu/メ・ウビエラ・グスタードー・ケ・フエセ・エン・エル・ベルナベウ(ベルナベウでなら良かったのに)」と嘆いているのを聞いた時のことでした。いやあ、昨季、新型コロナウィルス大流行で中断したリーガが再開して以来、今季になっても、レアル・マドリーがバルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場内にあるエスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノ(RMカスティージャのホーム)で試合をしているのは、実のところ、無観客が続いているからというより、この機会を逆手にとって、サンティアゴ・ベルナベウの大改装工事をガンガン進めたいという、クラブの意向があるからなんですけどね。 とはいえ、21世紀になってから、2005-06の1シーズンしか、1部にいたことのないカディスにしてみれば、来季以降もマドリーの総本山を訪れるチャンスがあるかどうか、微妙なところ。おまけにディ・ステファノは2部Bに沈んでいた時代に何度もお邪魔して、経験済みですからねえ。この夏、加入したネグレド(アラブ首長国連邦のアル・ナスルから移籍)や、マドリー一途の兄ナチョとは違い、いくつか河岸を変えてきたアレックスら、RMカスティージャ出身の選手たちには懐かしい古巣再訪となるものの、初めて踏むサンティアゴ・ベルナベウのピッチを楽しみにしていたカディスの選手もきっと、多かったのでは? まあ、その辺はコロナ渦中による、仕方のない事情もあるため、嘆いていても仕方ないんですが、実は今週のスペイン代表戦では大いなる不公平を目撃することになったんですよ。そう、火曜に行われたネーションズリーグ4節をキエフのオリンピスキー・スタジアムで戦ったルイス・エンリケ監督のチームだったんですが、あちらはスペインのように規制が厳しくないようで、1万5000人のファンがスタンド観戦できることに。UEFAにより、キャパの30%までという縛りはあっても、さすがにこれだけの人数になると、応援の声もTVのマイクを通して入ってきますしね。リーガの試合は放送局がイメージ音声をかぶせているので、そうでもないんですが、先週土曜にディ・ステファノであった、選手やスタッフの怒鳴り声飛び交うスイス戦と比べると、それこそ雰囲気に雲泥の差があったかと。 え、でもスペインが予想外の敗戦を喫したのは別に地元ファンの応援に臆したからではないんだろうって?それはその通りで、前半など完璧に試合を支配していたんですが、とにかくシュートが入らないんですから、もうどうしたものか。大体がして、正GKピアトフ(シャフタール)、第2GKレニン(マドリー)が揃って、PCR検査で陽性になってしまったため、この代表戦期間でウクライナのゴールを守ることになった第3GK、ブッシュチャン(ディナモ・キエフ)など、親善試合だったフランス戦で大量7失点、ネーションズリーグのドイツ戦でも2失点と、決して自信のある状態にはあらず。 ところが、ロドリゴ(リーズ)、アンス・ファティ(バルサ)、そしてセルヒオ・ラモス(マドリー)のFKまで、paradon(パラドン/スーパーセーブ)で弾かれているとなれば、おそらくその日もスタンドに大勢いただろう、オリンピスキーをホームとするディナモ・キエフのファンの支えがあったからというのはちょっと、私の穿ち過ぎ? 実際、その自信はウクライナの他の選手にも伝染したか、辛抱強く守って前半を終えると、いえ、こちらもディナモ・キエフ出身のシェフチェンコ監督は、「ウチは何も変えていない。0-0のままだと、スペインに辛抱強さが欠けてくるのはわかっていたから、あとは待つだけだった」と言っていたんですけどね。後半31分、GKブッシュチャンのロングキックをセンターで受けた後、ヤモレンコ(ウェストハム)が送ったラストパスをツィガンコフ(ディナモ・キエフ)がシュート。これが前に出ていたGKデ・ヘア(マンチェスター・ユナイテッド)を破り、ウクライナに先制点が入ったから、ビックリしたの何のって。 うーん、もうこの時点でルイス・エンリケ監督はロソリゴ、アンス・ファティをフェラン・トーレス(マンチェスター・シティ)、オジャルサバル(レアル・ソシエダ)に代えていて、ダニ・オルモ(ライプツィヒ)、セバージョス(アーセナル)と、スイス戦の後、左ハムストリングのケガで離脱したジェラール・モレノ(ビジャレアル)を除き、持てるアタッカーは全て投入したんですけどね。結局、終盤、CFと化し、誰よりシュートを撃っていったのがラモスだったとなれば、やはり、スペインのFW人材難は深刻かと。ええ、いくら後半ロスタイムに奇跡の同点弾などを入れているとはいえ、ラモスがDFなのにはそれなりの訳があるはずですし、ロドリ(マンチェスター・シティ)なども「No tenemos un gran goleador/ノー・テネモス・ウン・グラン・ゴレアドール(ウチには偉大なゴールゲッターがいない)」と認めていましたしね。 21本もシュートを撃ったものの、結局、そのまま1-0でスペインは負けてしまったんですが、彼らがラッキーだったのはその日、スイスと対戦したドイツが3-3で引き分けたため、ファイナルフォーへの出場権が得られるグループ首位の座を譲らずに済んだこと。いや、といっても差は勝ち点1だけなので、ルイス・エンリケ監督も「Hemos sido infinitamente superiores y merecimos ganar por más de un gol/エモス・シードー・インフィニータメンテ・スペリオーレス・イ・メレシモス・ガナール・ポル・マス・デ・ウン・ゴル(ウチの方が無限大に力が上だったし、1点以上の差で勝つに値した)」なんて強がっている暇があったら、11月のネーションズリーグ最後の2節、スイス、ドイツ戦に向けて、改善策を練った方がいいかと。 何せ、今回の3連戦はリスボンでのポルトガルとの親善試合のスコアレスドローで始まって、ベルデベバスでもGKゾマー(ドルトムント)のミスから、オジャルサバルが奪ったゴールだけで、スイスに1-0の辛勝でしたしね。それこそ、バーゼルのザンクト・ヤコブパルクで行われる試合は無観客じゃないような気がとってもしますし、逆にセビージャ(スペイン南部)のカルトゥーハでのドイツ戦はファンを入れないことになっているため、スペインはスタンドからの援護をまったく当てにできないって、これはもう不公平の極みかと。せめてもの救いは、まだこれが、ユーロやW杯予選などではなく、ネーションズリーグだということでしょうか。 そしてインターナショナルマッチウィークの強行日程は終わり、選手たちもそれぞれのクラブに帰って行ったんですが、息つく間もなく、今週末から、ヨーロッパの大会に参加するチームは地獄の7連戦に突入。初っ端から、1部のマドリッド勢の試合が土曜に集中となったため、いえ、幸い、マドリッド限定Estado de Alarma(エスタードー・デ・アラルマ/警戒事態)は続いているものの、完全休業させられているバルセロナなどとは違い、こちらはバル(スペインの喫茶店兼レストラン)なども時短で開いているんですけどね。 おかげでまだ私もどの試合を観戦するか、決めかねている状態なんですが、とりあえず、順番にチームの近況を伝えていくことにすると。午後4時(日本時間午後11時)から、バライドスでのセルタ戦に挑むアトレティコは木曜にようやく、各国代表に出向していた選手たちが全員帰還。どうやら、ブラジル代表で144分間、プレーしてきたロディがお疲れのようで、ビーゴ(スペイン北西部)遠征のリストに入っていませんでしたが、2週間、マハダオンダ(マドリッド近郊)でじっくりトレーニングしていたはずのサウールとヒメネスも筋肉痛で加われないって、一体、どうなっているんでしょう。 ま、その辺りは来週水曜のCLブループリーグ初戦、ドイツでのバイエルン戦との兼ね合いもあるんでしょうが、このセルタ戦、paron(パロン/リーガの中断期間)前、2試合続いたスコアレスドローのゴール日照り脱却のため、期待されているのはルイス・スアレスとジエゴ・コスタの大型FWツートップ。ええ、前者はウルグアイ代表でPKを3本も決めているため、これだと悩みの種のPKキッカー選びも解決しますしね。5日の市場クローズの日に5000万ユーロ(約62億円)の契約解除金を払い、アーセナルへ行ってしまったトマスと入れ替わり、レンタル移籍となったトレイラもスアレスと一緒にウルグアイ代表に行っていたため、まだアトレティコでは2回程しか練習していないんですが、サウールの不在もあり、土曜にはコケとボランチコンビを組んで、先発デビューするという予測も出ています。 いえ、それ以上に気になるのは、ポルトガル代表の3試合全てに出場。スペインとの親善試合に続き、ネーションズリーグ、こちらも0-0だったフランス戦の後、コロナ陽性となったクリスチアーノ・ロナウドがチーム離脱しながら、スウェーデンに3-0と快勝した一戦でいいプレーをしたと言われているジョアン・フェリックスなんですけどね。シメオネ監督も「代表戦ではチームへの責任感、意欲などを見ることができた」と記者会見で褒めていましたが、「lo necesitamos también con nosotros/ロ・ネセシタモス・タンビエン・コン・ノソトロス(それがウチでも必要だね)」と釘を刺すことを忘れず。何はともあれ、バイエルンとのビッグマッチの前だけに、チーム一丸となって、ゴールを決める感触を思い出してくれたらいいかと。 そして土曜日、続く6時30分(日本時間翌午前1時30分)から、バルデベバスにカディスを迎えるのがお隣さんなんですが、こちらはノルウェー代表で3試合。プレーオフ準決勝でセルビアに負け、来年のユーロ出場の夢が消えたものの、現バージョンのネーションズリーグでルーマニア、北アイルランドに連勝したウーデゴールがふくらはぎを痛めるという逆境が。朗報はリーガのベティス戦で臀部を痛めたクロースがドイツ代表のウクライナ戦、スイス戦でリハビリを済まし、完璧な状態で戻ってきたことですが、スウェーデン戦、フランス戦でフル出場したモドリッチは35才ともあって、ちょっと疲れが残っているかもしれません。 え、マドリーも来週水曜にはCLシャフタール戦があるんだから、ジダン監督はローテーションを考えているんだろうって?その通りで、そのシャフタールではコロナ陽性が何人も出て、スペインとの試合に出られなかった選手も多いんですが、時期的にもう、隔離から戻ってきそうですしね。やはり昇格組のカディスよりは手ごわい相手とも言えるんですが、マドリーの強みは今回の代表戦、フランスにデ・シャン監督ある限り、呼ばれないだろうと言われているベンゼマはともかく、アセンシオ(スペイン)とビニシウス(ブラジル)も招集されなかったため、スタメン予定の攻撃陣は体力があり余っているということ。 カルハバルとオドリオソラの負傷のため、穴が開いている右SBもレバンテ戦同様、この土曜はアレックスとの兄弟対決を楽しみにしているナチョでもいいし、メンディもフランス代表のクロアチア戦で練習してきましたしね。更にルーカス・バスケスもいるとなれば、特に問題はなさそうですが、さて。むしろ、ファンとしてはようやく予定が24日(土)と決まった今季最初のクラシコ(伝統の一戦、バルサvsマドリー戦のこと)までに、今度は太ももをケガしているアザールが戻れるのかどうかの方が気になるかと思いますが、どうやら、こちらはかなり難しいようですよ。 一方、一足先にこの土曜、午後9時(日本時間翌午前4時)から、バルサとコリセウム・アルフォンソ・ペレスで対決する弟分のヘタフェはというと。幸い、スペインU21代表でユーロ予選2試合をこなしてきたククレジャを始め、ウルグアイ代表に初参加したアランバリ、ダミアンら、各国代表からは全員、元気で戻って来たんですが、こちらも頼りは居残り組のマタやアンヘルのゴールになりそう。ちなみにそのアンヘル、昨季の2月には長期離脱となったデンベレの代わりにバルサがFWを特例補強しようとした際、候補の1人に挙がっていたんですが、結局は当時のセティエン監督の希望でお隣さん、レガネスのブライトワイテに白羽の矢が当たることに。 その経験を当人は、「Uno siente un poco de tristeza porque ese tren pasa una vez en la vida/ウノ・シエンテ・ウン・ポコ・デ・トリステサ・ポルケ・エセ・トレン・パサ・ウナ・ベス・エン・ラ・ビダ(そんな機会は人生に1度しかないから、ちょっと悲しかった)」と先日、ラジオのインタビューで話していましたが、ま、プロの選手とはそんなもの。ブライトワイテにしてもゴール飢饉で沈みゆくレガネスを見捨て、補強も市場外でできなかったレガネスはそれこそ、2部に降格してしまったりと、惨々でしたが、選手の方も今季、ルイス・スアレスのアトレティコ移籍で空いた背番号9をもらったものの、ここ3カ月で成績を残さないと、また1月の市場で放出要員になるという、厳しい立場のようですからね。 ここはアンヘルも腹を括って、大勢のファンがヒーローと崇めてくれるチームのため、Eurogeta(エウロヘタ/ヨーロッパの大会に出場するヘタフェのこと)復活に貢献してくれたら、嬉しいかと。ただ、バルサ相手にはここ9年、コリセウムで勝っていないヘタフェですし、相手も来週火曜には、カンプ・ノウで無観客開催と決まったCLフェレンツバーロシュ戦が控えていながら、クーマン監督がメッシを温存することはなさそうですからね。ヘタフェが攻勢をかけるのはその先、グラナダ戦やバレンシア戦からとなるかもしれません。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2020.10.17 23:15 Sat
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敵はコロナだけじゃない…/原ゆみこのマドリッド

「早くも犠牲者が生まれてしまった」そんな風に私が首を振っていたのは月曜日、スイス戦の翌日、ラス・ロサス(マドリッド郊外)のサッカー協会施設で行われた練習でジュラール・モレノ(ビジャレアル)とディエゴ・ジョレンテ(リーズ)が負傷、10月最後のスペイン代表戦、ネーションズリーグのウクライナ戦のためのキエフ遠征には参加せず、チームを離脱するという報を聞いた時のことでした。いやあ、来週にはいよいよCLが始まるとあって、ここ数日は代表戦明け、今週末から3週連続でミッドウィークにも予定が入り、11月のインターナショナルマッチウィークまで、息もつかさぬ7連戦となるアトレティコやレアル・マドリーの心配をしていたんですけどね。 もっとしっかり目を開いて今年残りのカレンダーを見てみたところ、11月にも代表戦が3試合組まれている上、その後はまた、CL、ELグループリーグが3週連続であるんですよ。つまり、9月末のミッドウィークリーガ週から、選手によっては連続11週、週2試合ペースになるということで、モロ、それにはまっていたのが、ビジャレアルでELに参戦するジェラール・モレノ。左のハムストリングを痛めて全治3週間だそうで、今、彼にいなくなられるのは、日本代表は2試合、それも親善試合だけで久保建英選手は帰って来られるとはいうものの、エメリ監督にとってはかなりの痛手かと。 左太ももを痛めたディエゴ・ジョレンテもレアル・ソシエダに留まっていれば、元同僚のオジャルサバルやミケル・メリーノと一緒にELで頑張るはずでしたが、イングランドではカップ戦は始まっているものの、先日、移籍したリーズはプレミアリーグに昇格したばかり。ヨーロッパの試合がないというだけ、まだマシなんでしょうが、今回のスペイン代表に限っても招集された24人中、17人が国内戦とヨーロッパの地獄のループにどっぷりはまっているとなれば、正直、11月の招集リスト発表時に一体、どのくらいが元気でいられるのか、ちょっと不安に思ってしまうのは、私だけではない? となると、逆に9月の代表戦再開から、1人もルイス・エンリケ監督に呼ばれていないアトレティコなど、コケ、サウール、マルコス・ジョレンテ、ジエゴ・コスタらがマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場で2週間丸々、調整に励むことができ、paron(パロン/リーガの中断期間)明けの勝ち組になれるんじゃないかと期待もしてしまうんですが、世の中、そうは問屋が卸さしません。もちろん、スペイン以外の各国代表選手が計11人もいるせいで、いやあ、ジョアン・フェリックス(ポルトガル)など、この日曜にもネーションズリーグのフランス戦でスコアレスドローを演じ、ウエスカ、ビジャレアル、スペイン戦と4試合連続の0-0街道を歩む破目に。いい加減、水曜のスウェーデン戦では白黒、はっきりつかないと、当人もゴールの祝い方を忘れてしまうかも。 そしてもう1人、心配なのは先週、お隣さんからトッテナムにとうとう移籍したベイルが負傷中で出ていないウェールズに3-0で勝った親善試合で初めて、イングランドのキャプテンを務めたトリピアーで、いえ、別に土曜のネーションズリーグでも、カラスコはプレーしていたものの、クルトワ、アザールのマドリー勢を欠いたベルギーに2-1で競り勝つなど、こちらは当人の士気も上がりそうな代表参加なんですけどね。水曜のデンマーク戦もケガせず、無事に乗り切ってもらいたいと切に私が祈っているのは、そろそろ復帰かと思われていたベルサイコが先週、再びヒザの靭帯の内視鏡手術を実施。ええ、コロナ禍でリーガが中断している最中に行ったのと同じ箇所で、その時は体内に残った補助具を抜き取るだけと聞いていたものの、予後が悪く、この再手術により、12月頃まで、実戦には戻れなくなってしまったから。 え、でもロディしかいない左SBと違い、アトレティコには右SBが3人、いなかったかって?いやあ、そうだったんですが、実はこの夏の市場でアリアスがレバークーゼンにレンタル移籍。ていうか、その彼も先週末、コロンビアのW杯予選ベネズエラ戦で、マチス(グラナダ)にタックルをかけた際に負傷し、それも腓骨骨折と足首の靭帯損傷という、全治6カ月の重傷を負うことに。手術後はマドリッドに戻って、リハビリすると言われていますが、いや、これって、インテルにレンタル移籍中にヒザの靭帯を断裂したベルサイコとまったく同じパターンかと。うーん、アリアスもアトレティコに留まっていれば、リーガ開始から3節で出番がなく、コロンビア代表にも呼ばれなかったかもしれないとか思うと、ホント、残酷な結末ですよねえ。 まあ、その辺はともかく、スペイン代表の土曜のスイス戦がどうだったかもお話ししておかないと。このネーションズリーグ3節は9月同様、バルデベバス(バラハス空港の近く)にあるエスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノ(RMカスティージャのホーム)で行われたんですが、いや、もう、風が強かったせいか、ポルトガルとの親善試合と違って、完全無観客開催だったせいか、やたら、選手たちやコーチ陣の声が響き渡ることといったら、もう。序盤から、GKデ・ヘア(マンチェスター・ユナイテッド)がベニト((ジロンダン・ボルドー)のシュートをparadon(パラドン/スーパーセーブ)するなど、CB3人制を敷いた相手に苦労させられそうな様相を呈していたものの…。 前半14分、予期せぬところか、突破口が開けます。スイスの守護神、ヤン・ゾマー(ボルシア・メンヘングラッドバッハ)がゴールキックをショートで出すことに固執し、2度程、エリア内でのパスを繰り返した挙句、正面でもらうはずだったジャカ(アーセナル)が足を滑らせるという不運に見舞われたのが運の尽き。辛抱強く、プレスをかけていたミケル・メリーノがこのボールを奪い、あうんの呼吸でオジャルサバルに送ると、そのシュートが決まって先制点が入ったから、ホッとしたの何のって。いえ、ルイス・エンリケ監督は「El gol no es un fallo de ellos, es un gran acierto nuestro/エル・ゴル・ノー・エス・ウン・ファジョ・デ・エジョス、エス・ウン・グラン・アシエルトー・ヌエストロ(ゴールは彼らのミスではなく、ウチの策が見事に的中した結果だ)」と自画自賛していましたけどね。 後半などもオジャルサバル、ミケル・メリーノ、セルヒオ・ラモス(マドリー)、ジェラール・モレノらにチャンスがあったものの、追加点は奪えず。今月末に18歳のバースデーを迎えるアンス・ファティ(バルサ)も敵の厳しいマークに遭って、キラめきを見せることはできませんでしたしね。彼と交代で入ったアダマ・トラオレ(ウォルバーハンプトン)も初っ端、ドリブル2、3人抜きを披露したぐらいで、「nos ha faltado poco para finalizar, eso tenemos que seguir trabajándolo, yo personalmente/ノス・ア・ファルタードー・ポコ・パラ・フィナルサール、エソ・テネモス・ケ・セギール・トラバハンドー、ジョ・ペルソナルメンテ(ウチはちょっとフィニッシュ力に欠けていた。それは努力し続けないといけなくて、特にボクはね)」と当人も言っていたんですが、やっぱり、今のスペイン代表はゴール不足の感があるかと。 今月から、ネーションズリーグもようやく交代枠5人制となったのを利用して、4人目にはロドリ(マンチェスター・シティ)を入れて、守備固めをしたおかげもあり、そのまま、1-0で勝つことはできましたけどね。折しも同日、同グループ2位のドイツもケガの治ったクロース(マドリー)も出場したおかげか、ウクライナに1-2で勝利、スペインが勝ち点2差を保てたのは良かったかと。ただねえ、ホントに1週間で3試合というのは強行軍日程で、もう翌日曜の夜にはチームはウクライナへ移動。23才とまだ若い上、合宿初日のコロナ検査ではっきり陰性が出なかったため、リスボンに連れて行ってもらえず、ラス・ロサスでお留守番していたオジャルサバルなどは、「Está claro que las piernas pesan, pero se recuperan rápido en los próximos días/エスタ・クラーロ・ケ・ラス・ピエルナス・ペサン、ペロ・セ・レクペラン・ラピド・エン・ロス・プロキシモス・ディアス(もちろん、足は重くなるけど、数日で回復するよ)」と言っていたんですけどね。 月曜に会場のオリンピスキーで練習した時には、まさにそのスタジアムでイタリアを4-0で下し、スペイン代表最後の栄冠となったユーロ2012優勝を果たしたメンバーの生き残り、ラモス、ブスケツ(バルサ)、ヘスス・ナバス(セビージャ)らはもう皆、30代半ばとあって、こうも連戦が続くとちょっと辛いかも。相手も9月にはディ・ステファノでそれこそ、ラモスの2発、アンス・ファティ、フェラン・トーレス(マンチェスター・シティ)のゴールで4-0と完勝したウクライナとなれば、ルイス・エンリケ監督もローテーションを考えているんじゃないかと思いますが、さて。そうそう、ウクライナ代表に合流早々、正GKのピアトフ(シャフタール)共々、PCR検査で陽性だったGKルニン(マドリー)は2度目の検査で陰性となり、もうマドリッドに戻って、ベルギー代表から即行リターンしたクルトワと一緒にバルデベバスで練習しているそうですよ。 え、聞くところによると、ジョゼ・アルバラーデ(スポルティングCPのホーム)での親善試合はたった2500人だったのが、この火曜午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)からのウクライナ戦には2万1000人のファンの入場が見込まれているんだろうって?その通りで、敵方の応援一色になるのは目に見えているんですが、これって、マドリッドの弟分チーム、ヘタフェのコリセウム・アルフォンソ・ペレス(1万7000人)やレガネスのブタルケ(1万2000人)が満員になる以上の人数ですからね。ルイス・エンリケ監督は「ウチを応援してくれるのではなくとも、普通の状態に近づくのは誰にとっても喜ばしいこと」と気にしていませんでしたが、いやいや、ちょっと待って。 実を言うと、土曜のスイス戦もUEFAはキャパの30%までなら、観客を入れて構わないという姿勢だったんですが、無観客だったのはCSD(スポーツ上級委員会)の意向で、コロナ再流行真っ盛りのスペインでは、少なくとも年内はスタジアムにファンを入れての試合はできないと伝えてしまったんですよ。でもそうなると、11月17日にセビージャ(スペイン南部)のカルトゥーハで開催予定のネーションズリーグ最終節、おそらく首位を争っているだろうドイツとの決戦でも地元の応援を当てにできないということで、それって、思いっきり不利ではない? おまけに同じUEFA括りで、これは代表戦だけでなく、CL、ELにも適応。要はマドリー、アトレティコ,バルサ、セビージャ、レアル・ソシエダ、ビジャレアル、グラナダの出場スペイン勢、全てがアウェイ戦では相手チームが地元のファンの後押しを受けながら、ホームゲームは無観客という、とんでもない不公平な目に遭うってことで、いえ、どのクラブもCSDに抗議はするつもりのようですけどね。ただ、中には年内いっぱい無観客試合を想定して、サンティアゴ・ベルナベウを絶賛大改修中にしてしまったマドリーのようなチームもあって、これは応援があろうが、なかろうが実力に自信があるという意味なのか…ええ、そこまで強気になれないお隣さんが、空っぽのワンダ・メトロポリターノで苦労する風景が目に浮かぶだけに、私も無関心ではいられませんよね。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2020.10.13 22:00 Tue
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市内なのに見に行けない…/原ゆみこのマドリッド

「こんなんじゃ、また、スタジアムに観客が戻るのが遅れそう」そんな風に私が嘆いていたのは金曜日、新型コロナウィルス感染者数の再拡大を受け、数日前から、よんどころない事情がある場合を除き、市外への移動制限がかかるという話は聞いていたものの、いきなりマドリッドだけが、15日間のEstado de Alarma(エスタードー・デ・アラルマ/警戒事態)宣言をされてしまったと知った時のことでした。いえ、第1波最盛期だった3月、4月とは違い、街のお店も開いていますし、家から出てはいけない訳ではないため、旅行でも計画していたのではない限り、特に日常生活には影響はなさそうなんですけどね。 実際、通りでマスクをしてない人を見ることがほぼないという状態でありながら、ちっとも感染抑制になっていないとなれば、スペイン政府だって、一体、どうしたらいいのか、途方に暮れている?いえ、多分、来週末に再開されるリーガは各クラブのお仕事ということで、アウェイ戦のため、チームが移動する妨げにはならないはずですけどね。困るのは、これじゃ、いつになっても無観客試合が続くことで、だってえ、リスボンで行われたスペインとポルトガルとの親善試合には、すでにUEFAから、キャパの30%までなら、観客を入れていいというお達しが出ているため、ジョゼ・アルバラーデの定員5%に当たる、2500人のファンが入場。 それとは真逆なのがこの土曜、バルデベバス(バラハス空港の近く)にあるエスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノ(RMカスティージャのホーム)で開催されるネーションズリーグのスイス戦で、スペインは観客を受け入れられる状態ではないと、サッカー協会がUEFAに報告。9月同様、無観客試合で行うことになったのだとか。いえ、スタンドに人がいない中、7月にはこのスタジアムでリーガ優勝を達成した、今回、珍しくもレアル・マドリーから1人参加となったセルヒオ・ラモスなどは、もう慣れたもんですから、全然、平気でしょうけどね。 いくら、次のファイナルフォーがいつあるのかもよくわからず、その脇では今月と来月、初開催だった前回のネーションズリーグの成績により、来年に延期されたユーロ2020の出場権残り枠を争うプレーオフが開催。木曜など、ウーデゴールが延長戦まで頑張ったノルウェイが、マドリーの同僚、ヨビッチがベンチで見守っていたセルビアに1-2で負けたなんて報もあり、引き続き、両チーム共、現行の第2回バージョンのネーションリーグの2試合に挑むという、正直、訳のわからない状態になっているとはいえ、公式戦なのに、少数でもファンが応援してくれる試合とそうでない試合があるっていうのはちょっと、不公平じゃない? まあ、そうは言っても、スペインがポルトガルとスコアレスドローだったのは、別に選手たちが久々に観客の前でプレーしたせいではないとは思いますが、ようやく生で代表戦を見ることができた観客たちはちょっとガッカリだったかも。いえ、開始早々、ジェラール・モレノ(ビジャレアル)がすぐ前に詰めてきたGKルイ・パトリシオ(ウォルバーハンプトン)にシュートを阻まれたりと、前半は「los primeros 30 minutos han sido excepcionales, con y sin balón, hemos presionado muy bien/ロス・プリメーロス・トレインタ・ミヌートス・アン・シードー・エクセプシオナレス、コン・イ・シン・バロン、エモス・プレシオナードー・ムイ・ビエン(最初の30分間は素晴らしかった。ボールを持っても、持ってなくてもね。とてもいいプレスをかけていた)」とルイス・エンリケ監督も言っていた通り、敵を圧倒していたスペインだったんですけどね。 クリスチアーノ・ロナウド(ユベントス)にもチャンスを作らせず、FWトリオを構成したオルモ(ライプツィヒ)とロドリゴ(リーズ)も撃っていったんですが、とにかく点が取れないんですよ。逆に後半になると、7分にはロナウド、21分にもレナト・サンチェス(リール)のシュートがゴールバーを直撃し、最近はチェルシーで控えとなることが多いながら、ルイス・エンリケ監督の信頼を受けて先発したGKケパを脅かしたんですが、どちらも下に落ちたボールがゴールラインを割らなかったのはラッキーだったかと。後半、唯一、スペインが点を取れそうだったのは26分、昨年の初招集時は負傷で、9月にはコロナ疑似陽性のせいで、代表デビューができず、両親の母国マリからの招集もあった今回、とうとう3度目の正直で試合に出ることができたアダム・トラオレ(ウォルバーハンプトン)が演出。 ええ、彼はバルサのカンテラ(Bチーム)育ちながら、リーガでは1試合プレーしただけで、5年前から、プレミアリーグの選手であるため、私も試合で見たのは昨季、セビージャに負けたEL準々決勝の時ぐらいしかないんですけどね。「Adama ha sido Adama en estado puro/アダマ・ア・シードー・アダマ・エン・エスタードー・プーロ(アダマは純正アダマそのものだった)」とルイス・エンリケ監督も褒めていたように、右サイドをそのスピードと馬力で突破し、フリーのオルモにラストパスを送ったんですが、残念ながら、彼のシュートはルイ・パトリシオがparadon(パラドン/スーパーセーブ)。そのすぐ後にはロナウドに代わり、ポルトガルの前線にジョアン・フェリックスが入ったため、私もつい、そちらを応援してしまうことになったんですが…。 ダメでした。後半ロスタイムにはCKからのプレーで最後、ゴール右前に行ったボールに合わす機会のあったジョアンですが、ミートすることができず、そもそもスペイン勢には1人もおらず、その試合、アトレティコからの1人参加となった彼は3連続スコアレスドローを経験してしまうことに。いえ、ま、ポルトガルも公式戦なら、ロナウドとジョアンの併用になるはずですし、とりわけ前者はあと、9ゴールで代表109得点という世界最多記録のアリ・ダエイ(イラン)を追い抜けるということで、この日の途中出場で代表戦出場試合が173となり、ヨーロッパ最多のブッフォン(ユベントス)の記録まであと3つ、世界記録を持つ、アフマド・ハッサン(エジプト)までもあと11まで迫り、記録更新に意欲満々のラモス共々、まだまだ活躍してくれるはずですしね。 現在はポルトにいるペペも加わり、試合後はCLの頂点に君臨したマドリー時代の友情を温め合ったりしていたため、別にポルトガルの先行きを憂う必要はないんですが、やっぱり、今のスペインには絶対的エースが不足している感がなきにしろあらず。ええ、ルイス・エンリケ監督も「どの監督でもいい状態のルイス・スアレス、ハリー・ケーン、ファン・バステンンをチームに欲しいと思うだろうが、ウチにはいないから。ゴールを入れるにはサイドアタッカー、トップ、中盤、SBと、全ての選手でチャンスを作るしかない。Ya os adelanto que la rotación arriba será continua/ジャー・オス・アデラントー・ケ・ラ・ロタシオン・アリーバ・セラ・コンティヌア(前線のローテーションが続くことは予告しておく)」と言っていましたしね。 まあ、それも今のスペインにはあの、2008年から2012年までのユーロ、W杯、ユーロ優勝の黄金時代を牽引したビジャやフェルナンド・トーレスのようなFWがいないからですが、翌木曜にはラス・ロサス(マドリッド郊外)のサッカー協会施設に戻ったチームには朗報が。というのもポルトガル遠征前、8月末にコロナに1度感染、もうとっくに回復して、リーガ戦にも出場していたオジャルサバル(レアル・ソシエダ)がPCR検査ではっきり陰性と出ず、UEFAの規則で1人、合宿所でお留守番していたんですが、金曜には晴れて陰性結果を手に入れることができたから。 これでポルトガル戦ではレギロン(トッテナム)が打撲でガヤ(バレンシア)と交代したため、出られなかったアンス・ファティ(バルサ)に加え、使えるFWがスペインに増えたのは良かったんですが、実は土曜午後8時45分から、アルフレド・ディ・ステファノで対戦するスイスもシャキリ(リバプール)が1度、陽性となり、もう陰性になったものの、出場できるかはUEFAの判断待ちになっているのだとか。うーん、来週火曜のネーションズリーグ4節を戦う予定のウクライナなど、正GKのピアトフ(シャフタール)を始め、その控えで、今季はレンタルからマドリーに戻ったレニンも含めて、複数人のコロナ陽性が出たせいか、水曜のフランスとの親善試合では7-0とボロ負けしていましたしね。昨今はどのチームもいつ、感染者が発生するかわからない状況なんですが、この2試合ではスペインも誰かがゴールを決めて、グループ首位をキープできらと思います。 え、そのスペイン代表に試合会場を提供するマドリーには他にも心配な選手がいるんだろうって?その通りで、ルニンはウクライナの代表合宿先のホテルで隔離されているだけなんですが、実はクルトワも大腰筋を痛め、ベルギー代表から即行Uターンとなることに。うーん、彼は9月も代表に挨拶しにだけ行って、すぐ戻って来るという妙な真似をしていたんですが、バルデベバスでリハビリして、来週末のカディス戦には支障がなさそうというのが救いかと。何せ、リーガ2試合目のベティス戦で臀部を痛め、それから出場していなかったクロースもネーションズリーグのウクライナ、スイス戦に必要と、スペインと同じグループにいるレーブ監督のドイツ代表に呼ばれてしまいましたしね。 一応、先日、扁桃腺の手術を受け、流動食が続いたため、8キロも体重が落ちたというマリアーノもグラウンドでランニングを始めたようですが、彼の場合はジダン監督のチーム構想に入っていないため、あまり関係ないとも言えますし、このparon(パロン/リーガの中断期間)明けにはせめて、ミリトンぐらいは戻って来てほしいかと。カルバハルは2カ月の長期離脱、オドリオソラ、マルセロ、そして誰より待たれているアザールなどもまだのようですしね。代表戦前にリーガ単独首位に立ったマドリーとはいえ、10月はCLグループリーグがミッドウィークに入る7連戦が始まるため、戦力が揃うのは早ければ早い程いいかと。 そして今週月曜の移籍市場終了日にトマスが契約解除金5000万ユーロ(約63億円)をポンと払い、アーセナルに電撃移籍するという大ショックに見舞われたアトレティコはどうしているのかというと。いやあ、本当にその移籍、アーセナルが当人連絡してきたのも前日という、急なものだったようで、各局のレポーターがラ・リーガ本部前に締め切りの午前0時まで張り付き、午後11時過ぎに彼の代理人が手続きに訪れるところまで中継していたんですが、やはり代表戦期間に入っていたせいもあったんでしょうね。すでにロンドン入りしていると言われたトマスが火曜にマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場を訪れ、シメオネ監督や代表に呼ばれていないチームメートたちにお別れの挨拶をしていったというのにはちょっとビックリ。 結局、その後、すぐにロンドンに向かい、金曜になってみれば、いつの間にやら、ガーナ代表に合流して、マリとの親善試合に出ているんですから、何とも忙しいんですが、契約解除金による移籍だったため、アトレティコには市場が閉まってしまっても、あと1カ月はスペイン国内からなら、補強選手を獲ることが可能なのだとか。といっても、コロナ禍により、収益が悪化しているため、その5000万ユーロ全てを使う訳にはいかず、うち25%の1250万ユーロ(約16億円)しか移籍金には充てられないらしいんですけどね。候補に挙がっているコンドグビア(バレンシア)、スペイン代表デビューを果たしたばかりのカンパーニャ(レバンテ)、9月に続いて2回目の招集となったミケル・メリーノ(レアル・ソシエダ)と、どの選手も値段が高いため、そうそう簡単にはいかないよう。 加えて、ヘタフェのアランバリを推す声も挙がっていましたが、いくらこちらも木曜の南米W杯予選、ルイス・スアレス(アトレティコ)のPKとマリオ・ゴメス(バレンシア)のゴールでチリに2-1と勝ったウルグアイ代表でデビューした有望株とはいえ、昨季の2月に移籍解除金を積んで、レガネスからブライトワイテを奪っていったバルサみたいな真似は弟分にはできませんからねえ。そうそう、今回のウルグアイ代表にはヘタフェのダミアン、そしてアトレティコにトマスと入れ替わりで入団したトレイラ(アーセナルからレンタル移籍)も招集されているんですが、火曜のエクアドル戦ではこの2人にも出場機会があると嬉しいかと。何はともあれ、各国代表に行った選手も行かない選手もケガとコロナには気をつけて、無事に来週末のリーガ再開を迎えてもらいたいものです。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2020.10.10 22:00 Sat
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まだ有頂天になるのは早い…/原ゆみこのマドリッド

「上手い話には絶対、ウラがあるんだから」そんな風に私が疑心暗鬼になっていたのは日曜日、これまでずっと行きつけだった近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)が新型コロナウィルス流行の影響で今季もサッカー中継のTV契約をしてくれず、仕方なく、代わりに通うようになったお店で初めて頼んだハンバーガーが予想より、ずっと美味しかったことだけでも結構、満足していたんですけどね。ワンダ・メトロポリターノでの今季開幕戦に挑んだアトレティコも1-0とグラナダにリードしてハーフタイムに入ったことだし、あとはじっと辛抱するだけと心を決めていたのが嘘のように、後半は怒涛のgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)って、ルイス・スアレスが加わっただけでいきなり、ここ数年の課題だった体質改善に成功するなんてこと、あっていい? いや、まあ、昨季も弟分のヘタフェ、レガネスに、どちらも地味な1-0でですが、開幕2連勝して、首位に立ち、9月の代表戦のparon(パロン/リーガの中断期間)に入りながら、その後は尻つぼんでしまったアトレティコですから、まだ全然、信用なんてできないんですけどね。今季も3節終了後の首位は2勝しているベティスとグラナダと、少なくとも5試合ぐらいはやってみないと、どのチームが本当に強いのかもわからないんですが、とりあえず、話を順番にしていくことにすると。8月にヨーロッパの大会に参加していたため、リーガのスタートが遅れていたマドリッドの1部3チームがいよいよ、揃い踏みした先週末の3節、トップバッターを飾ったのはヘタフェ。初戦となった2節でオサスナに1-0で勝利した後、アラベスとのアウェイゲームを迎えたんですが…。 うーん、まだ、コロナ流行下の特別措置として続いているベンチ入り23名のリストを満たすだけの選手が揃ってないせいもあるんですかね。一応、FWだけはマタ、アンヘルに新加入のクーチョ(マジョルカから移籍)、ウナル・エネル(同ビジャレアル)と4人いるボルダラス監督のチームなんですが、どうにもゴールが決まらず。アラベスも昨季の後半、ヘタフェにレンタル移籍していたデイベルソンがチャンスを作ったものの、最後はスコアレスドローと、開幕2連敗していた向こうが一息ついたという形でしたが、何せ、今週はミッドウィーク開催節がありますからね。早くも火曜にはコリセウム・アルフォンソ・ペレスでベティス戦となるんですが、それまでに補強選手が到着する兆しもないため、ここはお馴染みの面々に頑張ってもらうしかなさそうです。 そして土曜の夜には兄貴分のレアル・マドリーが、首位のお手並み拝見とばかりにベニト・ビジャマリンに乗り込んだんですが、やはり開幕戦だった前節、こちらもレアル・ソシエダと0-0で引き分けていたため、ジダン監督も真剣にゴール不足解消に取り組むことにしたんでしょうか。4-2-3-1のシステムを採用した初戦とは打って変わり、ビニシウスとロドリゴのブラジル人若年FWコンビをベンチに置くと、この日は4-4-2として、ベンゼマとヨビッチのツートップを採用。ただ、先制点を挙げたのはベンゼマのラストパスをゴール左前で受けた、こちらもレアル・アレナでは控えだったバルベルデだったんですが、その後がいけません。 ええ、キャプテンのセルヒオ・ラモスも「1点目が入った後、inconscientemente hicimos una línea defensiva, regalamos el balón/インコンシエンテメンテ・イシモス・ウナ・リネア・デフェンシバ、レガラモス・エル・バロン(ボクらは無意識に守る方に傾いて、相手にボールを贈ってしまった)」と言っていたように、お隣さんの十八番を真似されてもねえ。それも相手が昨季のベティスだったら、まだ大丈夫だったのかもしれませんが、ペジェグリーニ監督が赴任してからの彼らは、メンバーはそう変わらなくともチームとしてはまったくの別物。諦めずに攻め続けたおかげで、34分にはCKを起点にカナレスのクロスをメンディがヘッドで叩き込むと、その3分後にもカルバーリョのゴールが決まって、前半中に逆転されてしまったから、驚いたの何のって。 おまけにハーフタイム入り直前にはクロースが臀部の負傷でモドリッチと交代という不運にも見舞われたマドリーでしたが、後半にはVAR(ビデオ審判)という名のツキが巡ってきたんですよ。ええ、再開早々、3分にカルバハルが入れたラストパスに向かったベンゼマはエメルソンに先んじられ、オウンゴールで殊勲の同点弾を奪われてしまいましたが、そのスタート位置にかけられたオフサイドの疑いはVARのラインにより解消。22分にエメルソンがボールを持ってゴールに向かうヨビッチを後ろから倒したプレーについても、審判がリプレーをピッチ脇のモニターで見てくれたため、GK前、最後のDFのファールとして、レッドカードを出してもらえましたしね。 かてて加えて、39分など、次のプレーが始まっていたにも関わらず、遡って、エリア内でボルハ・マジョラルとバルトラがボールを争った際、ベティスのDFのハンドがあったことが発覚しているとなれば、もうジダン監督もラス・ロサス(マドリッド近郊、VARのモニタールームはスペイン・サッカー協会施設内にある)に足を向けては眠れない?いやあ、実はこの時、マジョラルはオフサイドでボールを受けていたものの、スルーされたなんて話を聞くと、結局、ラモスのPKが決まり、2-3で逆転負けを喰らったペジェグリーニ監督が、「Penalti, expulsión, el VAR y el Real Madrid juntos es demasiado/ペナルティ、エクスプルシオン、エル・バル・イ・エル・レアル・マドリッド・エス・デマシアドー(ペナルティ、退場処分、VARにレアル・マドリーが一緒に来るのは多すぎる)」と嘆いていたのもわかりますが、この新生ベティス、今季は結構、手ごわそうな感じがします。 そんな、晴れて今季1勝目を挙げたマドリーにはもう補強の予定はないとはいえ、今週はゆっくりしている時間もなく、水曜午後9時30分(日本時間翌午前4時30分)には次節のバジャドリー戦をホームで迎えるんですが、相変わらず、サンティアゴ・ベルナベウは絶賛大改装中でねえ。今季も当分、無観客試合が続くのをいいことに、バルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場内にあるエスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノ(RMカスティージャのホーム)で全て賄うようなんですが、月曜のセッションでは背筋痛でセビージャ遠征参加を急遽、取り止めたマルセロが回復していたのが朗報かと。クロースの方は全治10~15日のケガになるため、復帰は来週から始まる10月の代表戦週間が終わってからになりますが、すでに全体練習に参加しているアザールとアセンシオはそろそろ、招集されるかもしれませんね。 え、それでアトレティコのゴールラッシュがどんな試合だったのか、早く教えてくれって?そうですね、勿体ぶる程のこともないんですが、このプレシーズン、アルメリア(2部)を迎えての変則30分x4ハーフの非公開練習試合しかしていない彼らだったため、私も実戦を見るのは8月のCL準々決勝ライプツィヒ戦以来。その時のゴールがなかなか入らない、痛ましい姿しか、記憶に残っていないせいもあって、開始早々の前半9分、コレアのクロスから、ジエゴ・コスタのヘッドが決まったのに驚かされることに。 更に前半16分には第2FWの位置で先発したジョアン・フェリックスがエリア内でドゥアルテに足を踏まれ、PKを獲得したんですが、キッカーはリスボンで同点ゴールを挙げた彼ではなく、サウールが担当。これがまた、古い話の繰り返しで、昨季のバルサ戦では失敗したコスタの代わりにPKを蹴って、2本共、決めていたにも関わらず、この日はGKルイ・シウバに弾かれてしまう有様なんですよ。リーガで一番、PK成功率が低いクラブという記録を不動のものにしてくれたんですが、まさか、試合が終わる頃にはそんなこと、些末事として忘れ去られているとは、一体、誰が想像したでしょう。 そう、この木曜にELグループリーグ出場の最終関門である予選プレーオフでマルメ(スウェーデン)と戦うため、ソルダードやマチスら、ここまで公式戦4連勝を支えた自慢のレギュラー陣を多数、温存したグラナダがほとんど攻めてこないのをいいことに、後半はアトレティコの独壇場となったんです。早くも2分にはジョアンの上げたクロスをエリア内左から、コレアが決めて2点目をゲットしたかと思えば、20分にはそのコレアのパスをコスタがスルー、後ろにいたジョアンがCBバジェホを切り返しで座らせて、3点目を挙げているとなれば、これはいよいよ、昨年夏の1憶2800万ユーロ(約160億円)の投資が実を結び始めたとほくそ笑んでいたのは決して、ヒル・マリン筆頭株主だけではなかったはず。 これで3-0と、GKオブラクを擁するアトレティコにとっては完全に勝ち試合になりましたから、先週木曜にはPCR検査で2度目の陰性を出し、何とかベンチ入りすることができたシメオネ監督も前線総取っ替えという荒業が可能に。ええ、26分にはコスタ、ジョアン、カラスコに代え、マルコス・ジョレンテ、トマス、そして入団ほやほやのスアレスをピッチに入れたんですが、いや、この元バルサのCF、ファルカオ(現ガラタサライ)以来のゴール量産型エースになってくれるかもしれません。その手始めはほんの1分後のことで、彼がワンタッチで繋いだパスをジョレンテがシュートして、4点目が入っているのには私も呆気に取られるばかりだったかと。 34分にはフェデ・ビコにスアレスがエリア内で倒され、PKが宣告されたため、当人が蹴る気満々でボールを持っていたものの、VARでペナルティが認められなかったのは、この先のPKキッカーの人選を知る機会がなくなったという意味でも残念ですが、とんでもない。これが逆に早く、新チームでゴールデビューして、戦力外のレッテルを貼ったバルサ幹部を見返してやろうという、スアレスの負けん気を刺激したか、40分にはジョレンテのクロスを悠々、頭で決めているんですから、何とも頼もしいじゃないですか。 いやあ、そのすぐ後にはこの夏、ヘタフェから河岸を変え、グラナダで自身2年連続となるELグループリーグ出場を目指しているホルヘ・モリーナがオブラクの前で倒れながら、足だけ上げて決めたゴールで1点を返されてしまったアトレティコでしたけどね。ロスタイムにも1度、ビトロのアシストで放ったシュートが枠に弾かれながら、跳ね返りに自ら駆けつけ、ネットに収めるという、スアレスの飽くなき、ゴールへの執念も見られましたしね。もちろん、昨今の得点がなかなかできない彼らに慣れていた私など、しみったれ根性で次の試合のために少しはゴールを節約しておいた方がいいんじゃないかとチラッと思ったりもしたんですが…いや、このアトレティコはそんな心配とは無縁のチームに生まれ変わった? ちなみにシメオネ監督は6-1という、彼らにしては滅多にない大量得点で勝利した後、スアレスが2ゴール挙げたことより、彼のアシストやマーク外しの動きなどを賞賛。同時に「Su llegada genera una competencia interna muy buena/ス・ジェガダ・ヘネラ・ウナ・コンペテンシア・インテルナ・ムイ・ブエナ(彼の加入はとてもいいチーム内競争を生む)。今いる23人がそれ相応のプレー時間を受け入れてくれれば、ウチが競っていけるのは確かだ」と、主役の座を与えられないのが不満で、たったの1年半であっさり、ユベントスに移籍してしまったモラタへの当てつけとも取れるような台詞もあったんですけどね。やあ、実際、誰かさんとスアレスはシュート精度に天と地の差があるかも。 ただ、この日は先制ゴールを決め、今季こそは前回在籍した頃の得点力回復に向け、いいスタートを切ったかに見えたコスタに関しては、まだ先行きが決まっていないようで、当人も「クラブや監督と話して、ケガさえなければ、チームのために戦うつもりだけど、もし移籍の可能性があって、それがクラブにとってもいいことなら、その判断に従う」と言っていたんですけどね。巷にはスアレスに続いて、同じウルグアイ代表FWで、PSGを退団してフリーのカバーニも獲得するかもしれないという噂もあるんですが、今年はコロナ禍のせいで、夏の移籍市場が閉まるのも10月5日とまだちょっと先。 それまでどうなるかはわかりませんが、2度続けて当たりが出るのかというのもありますしね。今週は水曜午後7時(日本時間翌午前2時)から、岡崎慎司選手のいるウエスカのホームを訪れるアウェイ戦、土曜午後4時(同午後11時)からは再び、ワンダ・メトロポリターノで久保建英選手のビジャレアルを迎えるホームゲームと日本のファンも興味を惹かれる試合が続くため、是非とも、もっぱら「Se le veía libre/セ・レ・ベイア・リブレ(のびのびプレーしているように見える)」(シメオネ監督)というジョアンのおかげか、プレーも良くなり、ゴールも入るようになったアトレティコを見てもらいたいと思いますが…なかなか、予想通りにはならないのも彼らの特技なんですよね。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2020.09.29 17:00 Tue
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