【CLプレビュー】18連勝のバイエルン優位か? バルサは“諸刃の剣”となる絶対的エースに注目

2020.08.14 19:00 Fri
Getty Images
チャンピオンズリーグ(CL)準々決勝、バルセロナvsバイエルンが、日本時間14日28:00にリスボンのエスタディオ・ダ・ルスで開催される。優勝候補同士による5年ぶり11度目の対戦だ。

バルセロナは、約5カ月半の中断期間を挟んで行われたナポリのラウンド16を2戦合計4-2のスコアで順当に突破。敵地での1stレグを1-1のドローで終えていた中、8日にホームで行われた2ndレグは、伏兵ラングレの先制点を皮切りにFWメッシとFWスアレスが揃い踏みのゴールを奪い、3点のリード。その後、PKから1点を返されて後半は守勢に回るも、3-1で勝ち切って突破を決めた。

ラ・リーガの戦いにおいては首位で6月半ばの再開を迎えたが、セティエン監督の下でシステム、メンバーの最適解を見いだせず、格下セルタ相手に逃げ切りに失敗するなど、取りこぼしが目立った結果、再開後に圧巻の強さを見せた宿敵レアル・マドリーにまくられて3連覇を逃した。また、今季はコパ・デル・レイ、スーペルコパ・デ・エスパーニャでも優勝を逃がしており、仮にCL制覇を逃がせば、ライカールト体制最終年となった2007-08シーズン以来のシーズン無冠となる。
一方、バイエルンはバルセロナと同じく約5カ月半の中断期間を挟んで行われたチェルシーとのラウンド16を2戦合計7-1の圧勝で突破。敵地での1stレグを3-0の快勝で飾り、大きなアドバンテージを持って臨んだホームでの2ndレグではFWレヴァンドフスキのPKによるゴールで早々に先制に成功。さらに、FWペリシッチの追加点で勝ち抜けを確実なモノとすると、後半は早い時間帯に主力をベンチに下げる余裕の試合運び。終盤にMFトリソ、レヴァンドフスキのゴールで突き放し、4-1の大勝で締めくくった。

今季CLで全勝を継続中の絶好調のハンジ・フリック監督率いるチームは、ブンデスリーガでも圧巻の13連勝でシーズンを終え、前人未踏の8連覇を達成。さらに、DFBポカールでもレバークーゼンを4-2で一蹴し国内2冠を達成している。公式戦18連勝(27戦無敗)と無敵状態のドイツ王者は、懸念された試合勘の問題もチェルシー戦を通じてクリアしており、まさに盤石の状態で今回のバルセロナ戦を迎える。
両者の通算対戦成績はバイエルンが6勝2敗2分けという圧倒的な相性の良さを見せている。ただ、直近の対戦となった2014-15シーズンのCL準決勝では1stレグを3-0、2ndレグを2-3で終えたバルセロナが勝ち抜けを決め、後にビッグイヤーを掲げている。

なお、新型コロナウイルスの影響で準々決勝以降のレギュレーションは大幅に変更となっており、通常のホーム&アウェイ方式から中立地であるポルトガルのリスボンでの一発勝負形式の短期トーナメントに変わっている。

◆バルセロナ◆
【4-3-1-2】

▽バルセロナ予想スタメン
(C)CWS Brains,LTD.

GK:テア・シュテーゲン
DF:セメド、ピケ、ラングレ、ジョルディ・アルバ
MF:セルジ・ロベルト、ブスケッツ、デ・ヨング
MF:ビダル
FW:メッシ、スアレス
負傷者:DFユムティティ
出場停止者:なし
退団者:なし

出場停止者はいないが、来季ユベントス入りが決定しているアルトゥールがクラブとの確執により招集外となっている。負傷者に関してはユムティティが招集外となったが、コンディションに問題を抱えるデンベレもリスボン入りしている。

システムに関してはセティエン監督が中盤4枚での戦いを示唆しており、トップ下にビダルを置く[4-3-1-2]、あるいは中盤フラットの[4-4-2]の採用が濃厚だ。スタメンに関しては可能性は低いが、セルジ・ロベルトをサイドバックに置きラキティッチを中盤で起用するオプションもある。

◆バイエルン◆
【4-2-3-1】

▽バイエルン予想スタメン
(C)CWS Brains,LTD.

GK:ノイアー
DF:キミッヒ、ボアテング、アラバ、A・デイビス
MF:ゴレツカ、チアゴ
MF:コマン、ミュラー、ニャブリ
FW:レヴァンドフスキ
負傷者:DFパヴァール
出場停止者:なし
退団者:なし

出場停止者、退団者は共にいない。負傷者に関してはチェルシー戦を欠場したコマンとパヴァールのフランス代表コンビが復帰。前者は先発起用、後者はベンチスタートが濃厚だ。チェルシー戦後に内転筋の違和感を訴えたアルフォンソ・デイビスに関しても問題ないようだ。

スタメンに関しては前述のコマンとパヴァールが関わる2つのポジション以外はチェルシー戦と同じメンバー構成となる見込みだ。パヴァールとコマンが先発起用可能な場合、キミッヒがチアゴに代わってセントラルMF、ペリシッチがベンチスタートになる。

★注目選手
◆バルセロナ:FWリオネル・メッシ
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バルセロナの注目プレーヤーは諸刃の剣となる絶対的エースだ。今季のラ・リーガで25ゴール21アシストという圧巻のスタッツを残した33歳は、リーグ史上初となる1シーズンでの20ゴール20アシストを達成。相棒スアレスの不在やグリーズマンの不調もあり、例年以上の徹底マークに遭った中、それを上回るパフォーマンスを見せつけた。今季のCLでは7試合3ゴール4アシストと活躍は限定的も、直近のナポリ戦では見事な個人技でゴールを挙げるなど、チームを突破に導く圧巻の存在感を放っている。

その絶対的なエースは、これまでの5度の対戦で4ゴール2アシストを記録するなどバイエルンとの相性は良い。とりわけ、2015年の準決勝1stレグでボアテング、ノイアーを手玉に取った“アンクルブレイク”からのループ弾は語り草となっている。

ただ、今回の一戦に向けてはエースの守備の貢献度の低さが、バルセロナにとって大きな足かせとなることが懸念される。ノイアー、アラバ、キミッヒを起点に後方から変幻自在のビルドアップを見せるバイエルンに対して、自陣に引いて構える戦い方をしないバルセロナは、ある程度前線の選手がビルドアップを制限しながらボールの奪いどころを中盤に定めて対応する形となる。ただ、その戦い方を採用する中で運動量、強度共に大いに不安を残すメッシの存在が足かせとなる。そのため、バイエルンに一度ボールを握られた場合、後方から自由にボールを動かされ、ボール支配率で下回るような展開も予想される。

したがって、チームとして相手にボールを持たせない戦い方を徹底し、エースの存在をウィークポイントにしないことが求められる。一方、今更守備でのハードワークが期待できないメッシにはその圧倒的な攻撃力でゴールに絡む仕事共に、相手守備の攻撃参加を易々と許さない抑止力になることが求められる。

◆バイエルン:MFトーマス・ミュラー
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バイエルンの注目プレーヤーは神出鬼没のチャンスメーカーだ。バルセロナ戦に向けての最大の注目ポイントは、メッシとレヴァンドフスキによる異次元のエース対決だ。とりわけ、今季CLで出場した7試合すべてでゴールを記録し、得点ランキングトップ独走の13ゴールを挙げるポーランド代表FWへの関心は非常に高い。ただ、この一戦に向けてはミュラーを注目選手に挙げたい。

コバチ前体制で不遇をかこった生え抜きMFだが、フリック監督就任以降はトップ下、セカンドトップの絶対的な主力に定着。その空間把握能力、チャンスを嗅ぎ分ける独特な嗅覚を生かした、まさに神出鬼没と言うべき動きで、多くの決定機を創出。ブンデスリーガ新記録となるシーズン21アシストを記録した。

このバルセロナ戦では、その神出鬼没な動きで味方の決定機を演出するとともに、マッチアップが予想される相手の司令塔ブスケッツへの徹底監視という2つの役割が求められる。その一方で、ミュラーはこの対戦カードでメッシと並ぶ最多の4ゴール(4試合)を挙げており、相手のマークがレヴァンドフスキに集中する中でスコアラーとしての活躍も期待される。

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浦和がバルサ、リバプールと並ぶ!! 『世界の熱狂的なサポーター5選』に浦和サポーターが選出!

▽世界各国のフットボールシーンにおいて、熱狂的なサポーターを抱えることで知られるクラブがいくつかある。日本を代表する熱狂的なサポーターと言えば、浦和レッズサポーターだが、『Fox Sports』が選ぶ『世界の熱狂的なサポーター5選』に見事選ばれた。 ▽浦和が選ばれた『世界の熱狂的なサポーター5選』には、リーベル・プレート(アルゼンチン)、ガラタサライ(トルコ)、リバプール(イングランド)、バルセロナ(スペイン)が入っており、浦和サポーターは世界でも“熱狂的”なファンで知られるクラブと肩を並べることとなった。 ▽浦和については「Jリーグの20シーズン中、14シーズンで最高の平均入場者数を誇り、サポーターが作る最高のコレオグラフィーがある」と紹介。「次東京に行く際は、埼玉スタジアムでの試合を観て欲しい」と、観戦を勧めている。以下、4クラブのサポーターの特徴を紹介。 ◆リーベル・プレート(アルゼンチン) ▽リーベル・プレートは、アルゼンチンで最もサポーターが多いクラブの1つで、ボカ・ジュニアーズとの激しいライバル関係は有名だ。ロス・ミジョナリオス(億万長者)の愛称でも知られ、ボカ・ジュニアーズとのダービーは、死人が出るほどの激しい試合になるとも言われている。 ◆ガラタサライ(トルコ) ▽ガラタサライは、ファンの大声援が地響きを起こすとも称されるほど。悪名高い「Wellcome to Hell(地獄へようこそ)」というバナーは広く知られている。1993年のマンチェスター・ユナイテッド戦、2001年のパリ・サンジェルマン戦ではサポーターが衝突し、まさに“地獄”となってしまった。 ◆リバプール(イングランド) ▽サポーターを「12人目の男」と考えるリバプール。「You'll Never Walk Alone」の大合唱は有名であり、スタジアムが素晴らしい雰囲気で包まれる。2005年のチャンピオンズリーグ決勝のミラン戦では、ビハインドで迎える後半にサポーターの大声援が選手の背中を後押しし、逆転での優勝に繋がったとも。 ◆バルセロナ(スペイン) ▽かつては「ソシオ」がチームを支えるほど、サポーターとの関係が重要視されているバルセロナ。近年、胸スポンサーを入れるようになったが、それまではサポーターの会員費と入場料収入でクラブは運営されていた。かつて、レアル・マドリーへ禁断の移籍をしたルイス・フィーゴが凱旋した時には、豚の頭が投げ込まれるほど熱狂的だ。 2017.10.12 22:45 Thu

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