【CLプレビュー】18連勝のバイエルン優位か? バルサは“諸刃の剣”となる絶対的エースに注目
2020.08.14 19:00 Fri
チャンピオンズリーグ(CL)準々決勝、バルセロナvsバイエルンが、日本時間14日28:00にリスボンのエスタディオ・ダ・ルスで開催される。優勝候補同士による5年ぶり11度目の対戦だ。
バルセロナは、約5カ月半の中断期間を挟んで行われたナポリのラウンド16を2戦合計4-2のスコアで順当に突破。敵地での1stレグを1-1のドローで終えていた中、8日にホームで行われた2ndレグは、伏兵ラングレの先制点を皮切りにFWメッシとFWスアレスが揃い踏みのゴールを奪い、3点のリード。その後、PKから1点を返されて後半は守勢に回るも、3-1で勝ち切って突破を決めた。
ラ・リーガの戦いにおいては首位で6月半ばの再開を迎えたが、セティエン監督の下でシステム、メンバーの最適解を見いだせず、格下セルタ相手に逃げ切りに失敗するなど、取りこぼしが目立った結果、再開後に圧巻の強さを見せた宿敵レアル・マドリーにまくられて3連覇を逃した。また、今季はコパ・デル・レイ、スーペルコパ・デ・エスパーニャでも優勝を逃がしており、仮にCL制覇を逃がせば、ライカールト体制最終年となった2007-08シーズン以来のシーズン無冠となる。
一方、バイエルンはバルセロナと同じく約5カ月半の中断期間を挟んで行われたチェルシーとのラウンド16を2戦合計7-1の圧勝で突破。敵地での1stレグを3-0の快勝で飾り、大きなアドバンテージを持って臨んだホームでの2ndレグではFWレヴァンドフスキのPKによるゴールで早々に先制に成功。さらに、FWペリシッチの追加点で勝ち抜けを確実なモノとすると、後半は早い時間帯に主力をベンチに下げる余裕の試合運び。終盤にMFトリソ、レヴァンドフスキのゴールで突き放し、4-1の大勝で締めくくった。
今季CLで全勝を継続中の絶好調のハンジ・フリック監督率いるチームは、ブンデスリーガでも圧巻の13連勝でシーズンを終え、前人未踏の8連覇を達成。さらに、DFBポカールでもレバークーゼンを4-2で一蹴し国内2冠を達成している。公式戦18連勝(27戦無敗)と無敵状態のドイツ王者は、懸念された試合勘の問題もチェルシー戦を通じてクリアしており、まさに盤石の状態で今回のバルセロナ戦を迎える。
なお、新型コロナウイルスの影響で準々決勝以降のレギュレーションは大幅に変更となっており、通常のホーム&アウェイ方式から中立地であるポルトガルのリスボンでの一発勝負形式の短期トーナメントに変わっている。
▽バルセロナ予想スタメン

GK:テア・シュテーゲン
DF:セメド、ピケ、ラングレ、ジョルディ・アルバ
MF:セルジ・ロベルト、ブスケッツ、デ・ヨング
MF:ビダル
FW:メッシ、スアレス
負傷者:DFユムティティ
出場停止者:なし
退団者:なし
出場停止者はいないが、来季ユベントス入りが決定しているアルトゥールがクラブとの確執により招集外となっている。負傷者に関してはユムティティが招集外となったが、コンディションに問題を抱えるデンベレもリスボン入りしている。
システムに関してはセティエン監督が中盤4枚での戦いを示唆しており、トップ下にビダルを置く[4-3-1-2]、あるいは中盤フラットの[4-4-2]の採用が濃厚だ。スタメンに関しては可能性は低いが、セルジ・ロベルトをサイドバックに置きラキティッチを中盤で起用するオプションもある。
▽バイエルン予想スタメン
GK:ノイアー
DF:キミッヒ、ボアテング、アラバ、A・デイビス
MF:ゴレツカ、チアゴ
MF:コマン、ミュラー、ニャブリ
FW:レヴァンドフスキ
負傷者:DFパヴァール
出場停止者:なし
退団者:なし
出場停止者、退団者は共にいない。負傷者に関してはチェルシー戦を欠場したコマンとパヴァールのフランス代表コンビが復帰。前者は先発起用、後者はベンチスタートが濃厚だ。チェルシー戦後に内転筋の違和感を訴えたアルフォンソ・デイビスに関しても問題ないようだ。
スタメンに関しては前述のコマンとパヴァールが関わる2つのポジション以外はチェルシー戦と同じメンバー構成となる見込みだ。パヴァールとコマンが先発起用可能な場合、キミッヒがチアゴに代わってセントラルMF、ペリシッチがベンチスタートになる。
★注目選手
◆バルセロナ:FWリオネル・メッシ

バルセロナの注目プレーヤーは諸刃の剣となる絶対的エースだ。今季のラ・リーガで25ゴール21アシストという圧巻のスタッツを残した33歳は、リーグ史上初となる1シーズンでの20ゴール20アシストを達成。相棒スアレスの不在やグリーズマンの不調もあり、例年以上の徹底マークに遭った中、それを上回るパフォーマンスを見せつけた。今季のCLでは7試合3ゴール4アシストと活躍は限定的も、直近のナポリ戦では見事な個人技でゴールを挙げるなど、チームを突破に導く圧巻の存在感を放っている。
その絶対的なエースは、これまでの5度の対戦で4ゴール2アシストを記録するなどバイエルンとの相性は良い。とりわけ、2015年の準決勝1stレグでボアテング、ノイアーを手玉に取った“アンクルブレイク”からのループ弾は語り草となっている。
ただ、今回の一戦に向けてはエースの守備の貢献度の低さが、バルセロナにとって大きな足かせとなることが懸念される。ノイアー、アラバ、キミッヒを起点に後方から変幻自在のビルドアップを見せるバイエルンに対して、自陣に引いて構える戦い方をしないバルセロナは、ある程度前線の選手がビルドアップを制限しながらボールの奪いどころを中盤に定めて対応する形となる。ただ、その戦い方を採用する中で運動量、強度共に大いに不安を残すメッシの存在が足かせとなる。そのため、バイエルンに一度ボールを握られた場合、後方から自由にボールを動かされ、ボール支配率で下回るような展開も予想される。
したがって、チームとして相手にボールを持たせない戦い方を徹底し、エースの存在をウィークポイントにしないことが求められる。一方、今更守備でのハードワークが期待できないメッシにはその圧倒的な攻撃力でゴールに絡む仕事共に、相手守備の攻撃参加を易々と許さない抑止力になることが求められる。
◆バイエルン:MFトーマス・ミュラー

バイエルンの注目プレーヤーは神出鬼没のチャンスメーカーだ。バルセロナ戦に向けての最大の注目ポイントは、メッシとレヴァンドフスキによる異次元のエース対決だ。とりわけ、今季CLで出場した7試合すべてでゴールを記録し、得点ランキングトップ独走の13ゴールを挙げるポーランド代表FWへの関心は非常に高い。ただ、この一戦に向けてはミュラーを注目選手に挙げたい。
コバチ前体制で不遇をかこった生え抜きMFだが、フリック監督就任以降はトップ下、セカンドトップの絶対的な主力に定着。その空間把握能力、チャンスを嗅ぎ分ける独特な嗅覚を生かした、まさに神出鬼没と言うべき動きで、多くの決定機を創出。ブンデスリーガ新記録となるシーズン21アシストを記録した。
このバルセロナ戦では、その神出鬼没な動きで味方の決定機を演出するとともに、マッチアップが予想される相手の司令塔ブスケッツへの徹底監視という2つの役割が求められる。その一方で、ミュラーはこの対戦カードでメッシと並ぶ最多の4ゴール(4試合)を挙げており、相手のマークがレヴァンドフスキに集中する中でスコアラーとしての活躍も期待される。
バルセロナは、約5カ月半の中断期間を挟んで行われたナポリのラウンド16を2戦合計4-2のスコアで順当に突破。敵地での1stレグを1-1のドローで終えていた中、8日にホームで行われた2ndレグは、伏兵ラングレの先制点を皮切りにFWメッシとFWスアレスが揃い踏みのゴールを奪い、3点のリード。その後、PKから1点を返されて後半は守勢に回るも、3-1で勝ち切って突破を決めた。
ラ・リーガの戦いにおいては首位で6月半ばの再開を迎えたが、セティエン監督の下でシステム、メンバーの最適解を見いだせず、格下セルタ相手に逃げ切りに失敗するなど、取りこぼしが目立った結果、再開後に圧巻の強さを見せた宿敵レアル・マドリーにまくられて3連覇を逃した。また、今季はコパ・デル・レイ、スーペルコパ・デ・エスパーニャでも優勝を逃がしており、仮にCL制覇を逃がせば、ライカールト体制最終年となった2007-08シーズン以来のシーズン無冠となる。
今季CLで全勝を継続中の絶好調のハンジ・フリック監督率いるチームは、ブンデスリーガでも圧巻の13連勝でシーズンを終え、前人未踏の8連覇を達成。さらに、DFBポカールでもレバークーゼンを4-2で一蹴し国内2冠を達成している。公式戦18連勝(27戦無敗)と無敵状態のドイツ王者は、懸念された試合勘の問題もチェルシー戦を通じてクリアしており、まさに盤石の状態で今回のバルセロナ戦を迎える。
両者の通算対戦成績はバイエルンが6勝2敗2分けという圧倒的な相性の良さを見せている。ただ、直近の対戦となった2014-15シーズンのCL準決勝では1stレグを3-0、2ndレグを2-3で終えたバルセロナが勝ち抜けを決め、後にビッグイヤーを掲げている。
なお、新型コロナウイルスの影響で準々決勝以降のレギュレーションは大幅に変更となっており、通常のホーム&アウェイ方式から中立地であるポルトガルのリスボンでの一発勝負形式の短期トーナメントに変わっている。
◆バルセロナ◆
【4-3-1-2】
【4-3-1-2】
▽バルセロナ予想スタメン

(C)CWS Brains,LTD.
GK:テア・シュテーゲン
DF:セメド、ピケ、ラングレ、ジョルディ・アルバ
MF:セルジ・ロベルト、ブスケッツ、デ・ヨング
MF:ビダル
FW:メッシ、スアレス
負傷者:DFユムティティ
出場停止者:なし
退団者:なし
出場停止者はいないが、来季ユベントス入りが決定しているアルトゥールがクラブとの確執により招集外となっている。負傷者に関してはユムティティが招集外となったが、コンディションに問題を抱えるデンベレもリスボン入りしている。
システムに関してはセティエン監督が中盤4枚での戦いを示唆しており、トップ下にビダルを置く[4-3-1-2]、あるいは中盤フラットの[4-4-2]の採用が濃厚だ。スタメンに関しては可能性は低いが、セルジ・ロベルトをサイドバックに置きラキティッチを中盤で起用するオプションもある。
◆バイエルン◆
【4-2-3-1】
【4-2-3-1】
▽バイエルン予想スタメン

(C)CWS Brains,LTD.
GK:ノイアー
DF:キミッヒ、ボアテング、アラバ、A・デイビス
MF:ゴレツカ、チアゴ
MF:コマン、ミュラー、ニャブリ
FW:レヴァンドフスキ
負傷者:DFパヴァール
出場停止者:なし
退団者:なし
出場停止者、退団者は共にいない。負傷者に関してはチェルシー戦を欠場したコマンとパヴァールのフランス代表コンビが復帰。前者は先発起用、後者はベンチスタートが濃厚だ。チェルシー戦後に内転筋の違和感を訴えたアルフォンソ・デイビスに関しても問題ないようだ。
スタメンに関しては前述のコマンとパヴァールが関わる2つのポジション以外はチェルシー戦と同じメンバー構成となる見込みだ。パヴァールとコマンが先発起用可能な場合、キミッヒがチアゴに代わってセントラルMF、ペリシッチがベンチスタートになる。
★注目選手
◆バルセロナ:FWリオネル・メッシ

Getty Images
バルセロナの注目プレーヤーは諸刃の剣となる絶対的エースだ。今季のラ・リーガで25ゴール21アシストという圧巻のスタッツを残した33歳は、リーグ史上初となる1シーズンでの20ゴール20アシストを達成。相棒スアレスの不在やグリーズマンの不調もあり、例年以上の徹底マークに遭った中、それを上回るパフォーマンスを見せつけた。今季のCLでは7試合3ゴール4アシストと活躍は限定的も、直近のナポリ戦では見事な個人技でゴールを挙げるなど、チームを突破に導く圧巻の存在感を放っている。
その絶対的なエースは、これまでの5度の対戦で4ゴール2アシストを記録するなどバイエルンとの相性は良い。とりわけ、2015年の準決勝1stレグでボアテング、ノイアーを手玉に取った“アンクルブレイク”からのループ弾は語り草となっている。
ただ、今回の一戦に向けてはエースの守備の貢献度の低さが、バルセロナにとって大きな足かせとなることが懸念される。ノイアー、アラバ、キミッヒを起点に後方から変幻自在のビルドアップを見せるバイエルンに対して、自陣に引いて構える戦い方をしないバルセロナは、ある程度前線の選手がビルドアップを制限しながらボールの奪いどころを中盤に定めて対応する形となる。ただ、その戦い方を採用する中で運動量、強度共に大いに不安を残すメッシの存在が足かせとなる。そのため、バイエルンに一度ボールを握られた場合、後方から自由にボールを動かされ、ボール支配率で下回るような展開も予想される。
したがって、チームとして相手にボールを持たせない戦い方を徹底し、エースの存在をウィークポイントにしないことが求められる。一方、今更守備でのハードワークが期待できないメッシにはその圧倒的な攻撃力でゴールに絡む仕事共に、相手守備の攻撃参加を易々と許さない抑止力になることが求められる。
◆バイエルン:MFトーマス・ミュラー

Getty Images
バイエルンの注目プレーヤーは神出鬼没のチャンスメーカーだ。バルセロナ戦に向けての最大の注目ポイントは、メッシとレヴァンドフスキによる異次元のエース対決だ。とりわけ、今季CLで出場した7試合すべてでゴールを記録し、得点ランキングトップ独走の13ゴールを挙げるポーランド代表FWへの関心は非常に高い。ただ、この一戦に向けてはミュラーを注目選手に挙げたい。
コバチ前体制で不遇をかこった生え抜きMFだが、フリック監督就任以降はトップ下、セカンドトップの絶対的な主力に定着。その空間把握能力、チャンスを嗅ぎ分ける独特な嗅覚を生かした、まさに神出鬼没と言うべき動きで、多くの決定機を創出。ブンデスリーガ新記録となるシーズン21アシストを記録した。
このバルセロナ戦では、その神出鬼没な動きで味方の決定機を演出するとともに、マッチアップが予想される相手の司令塔ブスケッツへの徹底監視という2つの役割が求められる。その一方で、ミュラーはこの対戦カードでメッシと並ぶ最多の4ゴール(4試合)を挙げており、相手のマークがレヴァンドフスキに集中する中でスコアラーとしての活躍も期待される。
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1989年1月8日に日本で始まった「平成」。日本では31年にわたって使用されてきたが、2019年4月30日をもってその時代が終わりを告げる。 日本サッカーにおいても激動の時代であった「平成」だが、目をヨーロッパに向け、同じ時代で印象に残ったレジェンドチームを超ワールドサッカー編集部が選出。記憶や記録に残る50チームを紹介していく。 <div style="position: relative;margin: 2em 0;padding: 25px 10px 7px;border: solid 2px #FFC107;"><span style="position: absolute;display: inline-block;top: -2px;left: -2px;padding: 0 9px;height: 25px;line-height: 25px;vertical-align: middle;font-size: 17px;background: #FFC107;color: #ffffff;font-weight: bold;">vol.47</span><p style="margin: 0; padding: 0;font-weight:800">2014-2015シーズン/バルセロナ ~“MSN”ここにあり&3冠~</p></div> <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2021/2014-15barca.jpg" style="max-width:100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">(C)CWS Brians,LTD.<hr></div><div style="padding: 0.5em 1em;margin: 2em 0;border: double 5px #4ec4d3;"><p style="margin: 0; padding: 0;">監督:ルイス・エンリケ 獲得タイトル:リーガエスパニョーラ、コパ・デル・レイ、チャンピオンズリーグ 攻撃力10:★★★★★★★★★★ 守備力9:★★★★★★★★★☆ タレント10:★★★★★★★★★ 連係9:★★★★★★★★★☆ 選手層9:★★★★★★★★★☆ </p></div> <div style="padding: 0.25em 0.5em;font-weight:800;font-size:1.2em;color: #494949;background: #dbeeff;border-left: solid 5px #7db4e6;">バルサ復活を遂げる3冠</div> 2013-14シーズンに指揮を執ったヘラルド・マルティーノ監督の下では、リーガエスパニョーラ2位、コパ・デル・レイ準優勝、チャンピオンズリーグベスト8と無冠に終わっていた。これはフランク・ライカールト監督が率いていた2007-08シーズン以来の出来事であり、タイトル獲得に慣れてきたチームとしては、屈辱のシーズンでもあった。 このシーズンは、前年の王者であるアトレティコ・マドリーがつまづく中、レアル・マドリーとの一騎打ちのシーズンとなった。両者の差を分けたのはアウェイゲームの戦績。シーズン終了時の勝ち点差は「2」であり、優勝争いは第37節まで続いていた。 シーズン序盤はバルセロナ、バレンシア、セビージャがリーグを牽引。一方でマドリーは開幕5試合で2敗を喫するなど、躓いたスタートとなる。そのままバルセロナが首位をキープしていく中、迎えた第9節のクラシコでマドリーが3-1と快勝。バルセロナにとってリーグ初黒星となり、ここから調子を落とす。続くセルタ戦でも敗れ連敗を喫すると、マドリーが首位に浮上。ここからはマドリーが常にリードしたまま終盤に入る。 迎えた第26節でバルセロナが首位に返り咲くと、そのまま首位を守りきり2シーズンぶりのリーグ優勝。コパ・デル・レイでもアスレティック・ビルバオを決勝で下し、国内2冠を達成する。 チャンピオンズリーグでは、史上初の快挙が。グループステージではアヤックス、パリ・サンジェルマン、APOELと各国リーグの王者と同居。決勝トーナメントでは、マンチェスター・シティ、パリ・サンジェルマン、バイエルンとこれまた各国王者と対戦。決勝まで勝ち上がると、待ち受けていたのはイタリア王者のユベントスだった。決勝でも王者を倒したバルセロナが、史上初となる各国王者を全て下しての優勝。また、史上初の2度目の3冠達成を果たし、無冠から見事に返り咲いた。 <div style="padding: 0.25em 0.5em;font-weight:800;font-size:1.2em;color: #494949;background: #dbeeff;border-left: solid 5px #7db4e6;">“MSN”が誕生</div> クラブOBであるルイス・エンリケを監督に迎え、ジョゼップ・マリア・バルトメウ会長としても正式に会長職についた1年目。夏の移籍市場では、落ち目であったセスク・ファブレガス、アレクシス・サンチェスを放出し、当時のクラブ市場最高額でウルグアイ代表FWルイス・スアレスを獲得。これが後に大当たりの補強となる。また、マルク=アンドレ・テア・シュテーゲンやイバン・ラキティッチなど補強に動いた。 リオネル・メッシ、ネイマールに加え、リバプールから加入したスアレスの影響で攻撃力が増大。3人はそれぞれ、58ゴール(メッシ)、39ゴール(ネイマール)、25ゴール(スアレス)を記録し、公式戦合計122ゴールを記録。スペインサッカー史上最多ゴールの3トップとなり、3人の頭文字をとって“MSN"と名付けられた。 攻撃陣の破壊力に目がいってしまいがちだが、守備陣もかなり強固だったことを忘れてはいけない。リーガエスパニョーラでは、シーズンで21失点とリーグ最少。チャンピオンズリーグでも決勝までの13試合を戦い11失点と堅い守備をみせ、見事にタイトルを獲得している。 また、このシーズンから加入したテア・シュテーゲンとクラウディオ・ブラーボの両守護神をルイス・エンリケ監督は完全分業制に。テア・シュテーゲンはカップ戦で、ブラーボはリーグ戦で起用し、それぞれの活躍で全タイトルを獲得したことも注目すべきポイントとなった。 なお、チームの生え抜き選手であり、このシーズンもチームを支え続けたチャビ・エルナンデスがシーズン終了後に対談。カタールのアル・サッドへと活躍の場を移している。 <div style="padding: 0.25em 0.5em;font-weight:800;font-size:1.2em;color: #494949;background: #dbeeff;border-left: solid 5px #7db4e6;">ピックアップ・プレイヤー</div> <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">FW:リオネル・メッシ(27)</span> このシーズンのバルセロナを語る上では、この3人を外すことはできない。どの1人が欠けていても、3冠は達成できなかったと言えるだろう。しかし、その中でも“MSN”を機能させたのはメッシ以外にはあり得ない。 このシーズンから加わった「S」ことスアレスは、ブラジル・ワールドカップでの噛みつき事件の影響でシーズン序盤が出場停止に。出場機会を得ても、メッシとネイマールのコンビネーションにどことなく遠慮気味であった。一方の「N」ことネイマールは、バルセロナで2シーズン目のシーズンを過ごしていた。チームのスタイルに慣れ、ゴール数も増加。その多くを助けたのはメッシだった。 そもそも、メッシはスアレスの加入にも影響を与えている。ワールドクラスのFWを獲得してほしいという要望に対し、クラブが獲得したのがスアレス。アルゼンチン代表のチームメイトであるセルヒオ・アグエロが第一希望だったとのことだが、スアレスという相棒は今となっては欠かせない存在だ。 シーズン中にはルイス・エンリケ監督との確執も明るみに出たものの、シーズン後半戦で21試合28ゴールという驚異的なペースでゴールを記録。また、3トップの並びもスアレスに中央を譲ること、そしてスアレスへのアシストを増やすことで、チームに3つのタイトルをもたらせた。 2019.04.28 12:10 Sun3
【平成史に残るレジェンドチーム50選】vol.39“ペップの6冠バルサ”フットボールの歴史に金字塔/バルセロナ[2008-09]
1989年1月8日に日本で始まった「平成」。日本では31年にわたって使用されてきたが、2019年4月30日をもってその時代が終わりを告げる。 日本サッカーにおいても激動の時代であった「平成」だが、目をヨーロッパに向け、同じ時代で印象に残ったレジェンドチームを超ワールドサッカー編集部が選出。記憶や記録に残る50チームを紹介していく。 <div style="position: relative;margin: 2em 0;padding: 25px 10px 7px;border: solid 2px #FFC107;"><span style="position: absolute;display: inline-block;top: -2px;left: -2px;padding: 0 9px;height: 25px;line-height: 25px;vertical-align: middle;font-size: 17px;background: #FFC107;color: #ffffff;font-weight: bold;">vol.39</span><p style="margin: 0; padding: 0;font-weight:800">2008-2009シーズン/バルセロナ 〜ペップの6冠バルサ〜</p></div> <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2021/2008-09barca.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">(C)CWS Brians,LTD.<hr></div><div style="padding: 0.5em 1em;margin: 2em 0;border: double 5px #4ec4d3;"><p style="margin: 0; padding: 0;">監督:ジョゼップ・グアルディオラ(37) 獲得タイトル:CL、リーガエスパニョーラ、コパ・デル・レイ 攻撃力10:★★★★★★★★★★ 守備力9:★★★★★★★★★☆ タレント10:★★★★★★★★★★ 連係9:★★★★★★★★★☆ 選手層9:★★★★★★★★★☆ </p></div> <div style="padding: 0.25em 0.5em;font-weight:800;font-size:1.2em;color: #494949;background: #dbeeff;border-left: solid 5px #7db4e6;">無冠から6冠へ</div> フランク・ライカールトに率いられた2007-08シーズンを4シーズンぶりの無冠で終えたバルセロナは、下部組織を率いていた同クラブのレジェンド、ジョゼップ・グアルディオラにトップチームの命運を託す。規律を重んじるグアルディオラは、夏の移籍市場でロナウジーニョ、デコら個性の強い選手を放出し、ダニエウ・アウベスやピケ、セイドゥ・ケイタらを獲得し、チームを刷新する。 サポーターの大きな期待を背にスタートしたペップ・バルサだったが、リーグ開幕戦では昇格組のヌマンシアを相手に無得点に終わり、0-1とまさかの敗戦を喫する。さらに、ホーム開幕戦となった次節のラシン戦でも1-1で引き分け、早くも不協和音が響いた。しかし、第3節のヒホン戦を6-1で圧勝すると、チームは一気に軌道に乗る。そこから9連勝を記録したチームは、第22節までに19勝を挙げて首位を快走。第34節では、宿敵のレアル・マドリーを相手にサンチャゴ・ベルナベウで2-6の歴史的大勝を収めると、そのまま逃げ切りに成功。2位レアル・マドリーに勝ち点9差をつけて、3シーズンぶりにスペイン王者に輝いた。 ペップ・バルサの快進撃はリーガだけにはとどまらなかった。CLではリヨン、バイエルンを撃破して4強入り。準決勝のチェルシー戦では、カンプ・ノウでの試合をゴールレスで終えて迎えた2ndレグ、試合終盤のイニエスタのゴールで1-1と引き分けて決勝に進出。決勝では、前回王者のマンチェスター・ユナイテッドを寄せ付けず、2-0で完勝した。さらに、1991-92シーズン以来となる欧州王者の座についたチームは、コパ・デル・レイでも決勝でビルバオを撃破。スペイン史上初となる3冠を達成する偉業を成し遂げた。そして、同年にはスーペル・コパとUEFAスーパーカップ、クラブ・ワールドカップをも制覇し、前人未到の6冠を達成。フットボールの歴史に金字塔を打ち立てた。 <div style="padding: 0.25em 0.5em;font-weight:800;font-size:1.2em;color: #494949;background: #dbeeff;border-left: solid 5px #7db4e6;">隙のないタレント集団</div> システムは、ライカールト時代の4-3-3を踏襲したが、プレッシングやパス回しの流動性など、パフォーマンスは前シーズンよりも大きく向上した。 バルデスは元々、足下が拙いタイプのGKだったが、着実に技術を磨いてビルドアップに貢献できるようになった。センターバックは、ガブリエル・ミリートが長期離脱を強いられたが、ユナイテッドから復帰したピケ、そしてマルケスの復調もあって大きな穴とはならなかった。また、右サイドバックでは、ダニエウ・アウベスを獲得したのが大きかった。セビージャから加入したブラジル人サイドバックは、メッシと好連係を築き、シーズン通して活躍。1年目から、チーム最多の公式戦52試合に出場した。 中盤ではチャビとイニエスタという世界屈指のプレーメーカーに加え、グアルディオラは自身が率いていたバルセロナBからブスケッツをトップチームに引き上げた。また、ヤヤ・トゥーレはアンカーポジションをブスケッツとシェアするとともに、最終ラインもこなすなど、チームとしての安定感を押し上げる存在となった。 前線では、右サイドが主戦場だったメッシが中央でプレーする機会を増やしていったシーズンだった。また、デコ&ロナウジーニョのストロングポイントを失っていた左サイドでは、アンリとエトーが好調を維持。新たなラインを確立し、対面する相手を恐怖に陥らせた。 <div style="padding: 0.25em 0.5em;font-weight:800;font-size:1.2em;color: #494949;background: #dbeeff;border-left: solid 5px #7db4e6;">ピックアップ・プレイヤー</div> <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">MFアンドレス・イニエスタ(24)</span> この男がいなければ、バルセロナの3冠はなかったはずだ。2009年5月6日に行われたCL準決勝2ndレグ、スタンフォード・ブリッジでのチェルシー戦ではチームを救った。1stレグを0-0で終えていたバルセロナは、90分が過ぎた時点で1点ビハインドという苦しい状況。しかし、アディショナルタイム3分、メッシからボールを受けた小柄なMFは、ボックス外から右足を一閃。鋭いシュートがチェルシーゴールに突きささり、枠内シュート1本のバルセロナがアウェイゴール差で決勝に進出した。あのイニエスタの一撃は、当時のシーズンだけでなく、その後のバルサの栄光にも影響を与えるほどのものだった。まさに、バルセロナの歴史上で最も重要なゴールのうちのひとつと言えるだろう。 2019.04.22 22:00 Mon4
