そして連日リーガは続く…/原ゆみこのマドリッド

2020.06.27 10:00 Sat
twitterfacebookhatenalinegplus
photo
Getty Images
「あまりに目まぐるしいっちゃない」そんな風に私が溜息をついていたのは木曜日、久々にマドリッド勢の試合が途切れた夜のことでした。いやあ、セビージャとベティスのアンダルシアダービーからリーガが再開して早2週間、すでに4節消化ともなると、新型コロナウィルス流行によるparon(パロン/リーガの中断期間)で3カ月余り氷ついていた順位表も結構、様変わりしているんですけどね。一番は3月には宿敵バルサに勝ち点差2をつけられ、2位の座に甘んじていたレアル・マドリーがポイント数は同じながら、堂々の首位に返り咲いたことですが、その下のCL、EL出場圏順位にも結構、動きが生じることに。その最たる例はアウェイでの不成績が祟り、弟分のヘタフェの1つ下、6位の座に甘んじていたアトレティコで、5月初旬から始まったミニプレシーズンにはクラブ幹部から相当、ハッパをかけられていたんでしょうね。CLとELでは収入が1憶ユーロ(約121億円)程、上下するため、給料カットや放出の脅しまであったかどうかは知りませんが、たったの4試合でセビージャまで抜いて、ちゃっちゃと順位をここ近年の定位置、3位まで戻しているとなれば、同じ5位で足踏みしている後輩とはやっぱりどこか覚悟が違う?

え、だからって別にアトレティコが上位2チームに追いついて、優勝戦線に復帰なんてことはありえないんだろうって?まあ、それはその通りで中断前の首位との差は勝ち点13、再開4試合後もやっぱり13のままと、あちらは天上の彼方、otra liga(オトラ・リーガ/別のリーガ)にいますからね。彼らが残り7試合全勝したとて、お隣さんだけでなく、バルサも一緒に5試合も負けるなんてこと、とても考えられないため、そんな高望みをしているアトレティコファンはいないんですが、むしろ最近の懸念は再開後、まだ1勝も挙げられず、リズムに乗れない弟分たちの方でしょうか。

実際、前節は火曜の午後7時半から揃ってアウェイ戦に挑んだアトレティコとヘタフェだったんですが、結果は明暗を分けることに。ちなみにマドリー同様、レバンテもコロナ禍最盛期にCSD(スポーツ上級委員会)やラ・リーガに今季いっぱいは無観客試合と通告されたため、シュタット・デ・バレンシアの大型改装工事を開始。残りのホームゲームをバレンシア(スペイン南部のビーチリゾート都市)から100キロ離れたラ・ヌシアにある2部Bチームのスタジアムで開催することに。そこで前日から乗り込んで、初めて経験するピッチに備えたアトレティコだったんですが、この日は第2FWとして入ったマルコス・ジョレンテが序盤から大活躍してくれます。

ええ、2度もエリア内右奥まで切り込み、GKアイトール・フェルナンデスの手を煩わせていたんですが、その猛攻が実って、15分に入った先制点でも彼は決定的な役割を果たしたんですよ。コケが短いFKを出して始まったプレーでは、トマスのエリア外シュートは敵の壁に弾かれたものの、アリアスからのスルーパスをジョレンテがコントロール。今度はGKをかわして横にボールを送り、ゴール前にいたジエゴ・コスタだか、その前で守っていたブルーノだかの足に当たってゴールになってくれるんですから、この急造アタッカーの有能なことと言ったら、もう!

いやあ、その劇的な出世ぶりには、「Hay vacile por mi posición, no por quién juegue/アイ・バシレ・ポル・ミ・ポシシオン、ノー・ポル・キエン・フエゲ(ポジションでからかわれることはあるよ。誰がプレーするかじゃなくてね)。だって、守備的ボランチのボクがFWやるんだから」とジョレンテは笑っていましたが、長らく実践しているパレオダイエット(旧石器時代の自然食)だけでなく、最近はHogo社製の特性エネルギー回復ベッド(3万5000ユーロ/約430万円)を購入。3カ月のconfinamiento(コンフィナミエント/外出禁止)期間中も当人は更なるフィジカル能力強化に努めたようなんですけどね。

実際、熱心にトレーニングしていたのは確かで、シメオネ監督も「練習ぶりを評価して、リバプール戦から前線に置くことにした。Al final la gente que trabaja siempre tiene premio/アル・フィナル・ラ・ヘンテ・ケ・トラバハ・シエンプレ・ティエネ・プレミオ(最後は働く者が常に賞金を得る)」と話していましたが、もしやそのジョレンテの資質にもう少し早く気がついていたら、リーガの状況も変わっていた?だってえ、今季のアトレティコが首位戦線から早々に脱落したのは首のヘルニア手術で長期戦線離脱があったコスタにしろ、モラタ、コレア、スター候補として獲得したジョアン・フェリックスまで、なかなかゴールが決まらず、得点力不足にかなり酷いところがあったせいなんですよ。

それを思うとちょっと悔しい気もしますが、後半はトマスのgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)もコスタのオフサイドで認められず、そのコスタのヘッド、コケがフリーで撃ったシュートも枠を外れ、追加点は奪えず。それでもバルディやマジョラルが絶好の好機に同点弾を挙げられなかったため、「Estábamos jugando ante un equipo que eliminó al campéon de Europa/エスタバモス・フガンドー・アンテ・ウン・エキポ・ケ・エリミノ・アル・カンペオン・デ・エウロッパ(ウチはヨーロッパ王者を敗退させたチーム相手に戦ったんだ)」というパコ・ロペス監督の諦めの言葉が示す通り、そのまま0-1でアトレティコの勝利です。

おかげで再開後、ヨーロッパの大会出場権獲得に向けて猛ラッシュをかけてきたビジャレアルと引分けた4位セビージャに勝ち点2差をつけ、シメオネ監督も「世界一のクラブであるリバプールを破った後、tenía claro que el equipo iba a competir como lo está haciendo/テニア・クラーロ・ケ・エル・エキポ・イバ・ア・コンペティル・コモ・ロ・エスタ・アシエンドー(チームは今やっているように競うだろうことを確信していた)」と胸を張れたんですが、木曜の夜にはそのアトレティコがCL16強対決で連勝したチーム、とうとうプレミアリーグ優勝も決めていましましたからね。その横でまたしてもヘタフェが同じ轍を踏んでいるんですから、困ったもんじゃありません。

いや、最近はマドリッドの街もかなり平常状態に近づいてきたんですが、まだバル(スペインの喫茶店兼バー)で2時間、座っているのは怖い気もして、リーガ再開後に契約したインターネット中継を自分のPCで見ている私はウィンドウを2つ開けて、文字通り、両方の試合を並列観戦していたんですけどね。正直、頭がこんがらがるため、あまりお勧めはしませんが、ホセ・ソリージャでバジャドリー戦だった彼らも兄貴分よりはかなり遅れたものの、前半40分にスローインから、カンテラーノ(ヘタフェBの選手)のウーゴ・ドゥーロがゴール前でアルカラスに潰されている間にマタが撃ち込み、先制点をゲット。

ところがロスタイム5分にはハイボールを争った時にジェネがウナルの頭を叩いたと、ペナルティを取られてしまったから、さあ大変!ウナルが自身で蹴ったPKで同点って、うーん、そのプレーを見る限り、「los gritos de los jugadores, sin afición en el campo, son inusuales, y se exagera mucho todo/ロス・グリトス・デ・ロス・フガドーレス、シン・アフィシオン・エン・エル・カンポ、ソン・インウスアレス、イ・セ・エクサヘラ・ムーチョ・トードー(スタジアムにファンがいない中、選手の叫び声が聞こえるのはあまりないことだから、何でも誇張している)」というボルダラス監督の文句も結構、的を得ているような。

ただ、ヘタフェには決勝点を挙げる時間は後半丸々あったにも関わらず、ホルヘ・モリーナ、アンヘルも投入し、30代FWトリオ揃い踏みでもゴールが入らないのではねえ。結局、1-1で終わり、スコアレスドローだったエスパニョール戦以外、グラナダには逆転負け、エイバルにも追いつかれ、4試合3分け1敗でまだ白星が掴めないとなると、やはりレンタル契約が6月末で終わるデイベルソン、ケネディの繰り上げ退団はちょっと早計に過ぎたかも。何せ月曜の次節は、こちらも1分け3敗と再スタートに失敗して、今は7位に落ちてしまったとはいえ、中断前は4位を張っていたレアル・ソシエダをコリセウム・アルフォンソ・ペレスに迎えないといけませんからね。

その後の木曜にもバルデベバス(バラハス空港の近く)のエスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノに兄貴分のマドリーを訪ねなければならないため、現在勝ち点4差となったCL出場圏入りをヘタフェが再び狙うのはかなり難しくなったと言えなくもありませんが、大丈夫。たった4節でこれだけ変わるってことは、次の4節でも同じ可能性があるってことですから、まだまだ諦める必要はありませんって。

一方、アトレティコの次節は土曜午後10時(日本時間翌午前5時)から、ワンダ・メトロポリターノでのアラベス戦。水曜にはリーガ再開後、初めてディオフをもらった彼らの翌日の練習ではちょっと、不思議なテーブルサッカーなんかも見られたんですが、ようやくフェリペもケガが治って合流。オサスナに0-5のgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)を見舞ったのも何かの夢だったか、再び1-0勝利の定番に戻ったチームには、これって朗報ですよね。

そして同じ火曜にバルサがアスレティックをラキティッチのゴールで1-0と下した後、水曜にマジョルカ戦を迎えたマドリーはどうだったかというと。いやあ、毎回、彼らが徒歩でスタジアム入りする映像を見ると、本当に職住接近で羨ましくなるんですが、この日のジダン監督はアザールとビニシウスをスタメンで一緒に使うため、いつもの4-3-3のシステムを4-2-3-1に変更。ベンゼマがトップ、右サイドにはベイル、アザールをトップ下に起用していましたが、お気に入りの左サイドで見事に期待に応えたのが、来月には20才になるブラジル人FWでした。

ええ、前半18分にはモドリッチが周りの喧騒に関わらず、エリア内左でゆったり短く出した、ベテランならではのスルーパスをvaselina(バセリーナ/ループシュート)。GKレイナの頭の上を越えて先制点を決めたとなれば、もう誰も彼の決定力不足を笑ったりはしない?23分にも今度はベンゼマからボールをもらって、同じようにフィニッシュしていましたが、残念ながら、こちらはゴールバーを直撃。でもねえ、実は今回もマドリーの得点にはイチャモンがついていて、それにはモドリッチがボールを受ける前、センターライン近くでドリブルするダニ・ロドリゲスから、カルバハルがボールを奪ったプレーがファールだった疑いがあったから。

うーん、結局、その点に関してはVAR(ビデオ審判)でもスルーされてしまったため、またしてもカタルーニャメディアがマドリーびいきのジャッジだと、声高に批判することになったんですけどね。それでも後半12分、直接FKをセルヒオ・ラモスが見事に決め、最後は2-0の勝利ですからね。となれば、ピッチインタビューでラモスが、「マドリーがあれこれ言われるのは普通のこと。Se genera porque estamos líderes, antes no se hablaba tanto/セ・ヘネラ・ポルケ・エスタモス・リデレス、アンテス・ノー・セ・アブラバ・タント(そういうのが起きるのはウチが首位だから。その前はそんなに言われなかったよ)」と余裕を見せていたのも当然だったかと。

何せ、試合前にはジダン監督も「Mejor si se queda en casa/メホール・シー・セ・ケダ・エン・カサ(家にいてくれた方がいい)」と警戒していたマドリーからレンタル中の19才、久保建英選手の好プレーはあったものの、マジョルカはエースのブドミルが決められず、一番注目を浴びていたのが、15才219日のリーガ最年少デビュー記録を作ったルカ・ロメロでしたからね。木曜にはエスパニョールもベティスに1-0で負けたため、結局、もう1つの弟分レガネスを含む降格圏3チームは皆黒星で足並みを揃えたんですが…いや、問題は16位に上がったセルタ、17位の残留ラインのエイバルが勝って、マジョルカとは勝ち点6、レガネスとは7も開いてしまったことの方ですよね。

そして今週末、来季の続投はないとの報道があったアギーレ監督がそれは事実無根と完全否定したものの、月曜のグラナダ戦でカリージョとオスカルが負傷。FWがゲレーロとアサレだけになり、ますます暗雲が立ち込めるレガネスは土曜にオサスナとアウェイで対戦し、マドリーは日曜午後10時にエスパニョール戦と再び、降格圏のライバル相手に援護射撃ということになるんですが、今度は出場停止だったカセミロも戻りますからね。1週間前にハムストリングのケガで全治3週間と言われたイスコも超特急回復して、マジョルカ戦に途中出場していますし、再開後から4連勝している彼らの快進撃は今しばらく続くんじゃないでしょうか。

【マドリッド通信員】 原ゆみこ
南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。
コメント
関連ニュース
thumb

まだ有頂天になるのは早い…/原ゆみこのマドリッド

「上手い話には絶対、ウラがあるんだから」そんな風に私が疑心暗鬼になっていたのは日曜日、これまでずっと行きつけだった近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)が新型コロナウィルス流行の影響で今季もサッカー中継のTV契約をしてくれず、仕方なく、代わりに通うようになったお店で初めて頼んだハンバーガーが予想より、ずっと美味しかったことだけでも結構、満足していたんですけどね。ワンダ・メトロポリターノでの今季開幕戦に挑んだアトレティコも1-0とグラナダにリードしてハーフタイムに入ったことだし、あとはじっと辛抱するだけと心を決めていたのが嘘のように、後半は怒涛のgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)って、ルイス・スアレスが加わっただけでいきなり、ここ数年の課題だった体質改善に成功するなんてこと、あっていい? いや、まあ、昨季も弟分のヘタフェ、レガネスに、どちらも地味な1-0でですが、開幕2連勝して、首位に立ち、9月の代表戦のparon(パロン/リーガの中断期間)に入りながら、その後は尻つぼんでしまったアトレティコですから、まだ全然、信用なんてできないんですけどね。今季も3節終了後の首位は2勝しているベティスとグラナダと、少なくとも5試合ぐらいはやってみないと、どのチームが本当に強いのかもわからないんですが、とりあえず、話を順番にしていくことにすると。8月にヨーロッパの大会に参加していたため、リーガのスタートが遅れていたマドリッドの1部3チームがいよいよ、揃い踏みした先週末の3節、トップバッターを飾ったのはヘタフェ。初戦となった2節でオサスナに1-0で勝利した後、アラベスとのアウェイゲームを迎えたんですが…。 うーん、まだ、コロナ流行下の特別措置として続いているベンチ入り23名のリストを満たすだけの選手が揃ってないせいもあるんですかね。一応、FWだけはマタ、アンヘルに新加入のクーチョ(マジョルカから移籍)、ウナル・エネル(同ビジャレアル)と4人いるボルダラス監督のチームなんですが、どうにもゴールが決まらず。アラベスも昨季の後半、ヘタフェにレンタル移籍していたデイベルソンがチャンスを作ったものの、最後はスコアレスドローと、開幕2連敗していた向こうが一息ついたという形でしたが、何せ、今週はミッドウィーク開催節がありますからね。早くも火曜にはコリセウム・アルフォンソ・ペレスでベティス戦となるんですが、それまでに補強選手が到着する兆しもないため、ここはお馴染みの面々に頑張ってもらうしかなさそうです。 そして土曜の夜には兄貴分のレアル・マドリーが、首位のお手並み拝見とばかりにベニト・ビジャマリンに乗り込んだんですが、やはり開幕戦だった前節、こちらもレアル・ソシエダと0-0で引き分けていたため、ジダン監督も真剣にゴール不足解消に取り組むことにしたんでしょうか。4-2-3-1のシステムを採用した初戦とは打って変わり、ビニシウスとロドリゴのブラジル人若年FWコンビをベンチに置くと、この日は4-4-2として、ベンゼマとヨビッチのツートップを採用。ただ、先制点を挙げたのはベンゼマのラストパスをゴール左前で受けた、こちらもレアル・アレナでは控えだったバルベルデだったんですが、その後がいけません。 ええ、キャプテンのセルヒオ・ラモスも「1点目が入った後、inconscientemente hicimos una línea defensiva, regalamos el balón/インコンシエンテメンテ・イシモス・ウナ・リネア・デフェンシバ、レガラモス・エル・バロン(ボクらは無意識に守る方に傾いて、相手にボールを贈ってしまった)」と言っていたように、お隣さんの十八番を真似されてもねえ。それも相手が昨季のベティスだったら、まだ大丈夫だったのかもしれませんが、ペジェグリーニ監督が赴任してからの彼らは、メンバーはそう変わらなくともチームとしてはまったくの別物。諦めずに攻め続けたおかげで、34分にはCKを起点にカナレスのクロスをメンディがヘッドで叩き込むと、その3分後にもカルバーリョのゴールが決まって、前半中に逆転されてしまったから、驚いたの何のって。 おまけにハーフタイム入り直前にはクロースが臀部の負傷でモドリッチと交代という不運にも見舞われたマドリーでしたが、後半にはVAR(ビデオ審判)という名のツキが巡ってきたんですよ。ええ、再開早々、3分にカルバハルが入れたラストパスに向かったベンゼマはエメルソンに先んじられ、オウンゴールで殊勲の同点弾を奪われてしまいましたが、そのスタート位置にかけられたオフサイドの疑いはVARのラインにより解消。22分にエメルソンがボールを持ってゴールに向かうヨビッチを後ろから倒したプレーについても、審判がリプレーをピッチ脇のモニターで見てくれたため、GK前、最後のDFのファールとして、レッドカードを出してもらえましたしね。 かてて加えて、39分など、次のプレーが始まっていたにも関わらず、遡って、エリア内でボルハ・マジョラルとバルトラがボールを争った際、ベティスのDFのハンドがあったことが発覚しているとなれば、もうジダン監督もラス・ロサス(マドリッド近郊、VARのモニタールームはスペイン・サッカー協会施設内にある)に足を向けては眠れない?いやあ、実はこの時、マジョラルはオフサイドでボールを受けていたものの、スルーされたなんて話を聞くと、結局、ラモスのPKが決まり、2-3で逆転負けを喰らったペジェグリーニ監督が、「Penalti, expulsión, el VAR y el Real Madrid juntos es demasiado/ペナルティ、エクスプルシオン、エル・バル・イ・エル・レアル・マドリッド・エス・デマシアドー(ペナルティ、退場処分、VARにレアル・マドリーが一緒に来るのは多すぎる)」と嘆いていたのもわかりますが、この新生ベティス、今季は結構、手ごわそうな感じがします。 そんな、晴れて今季1勝目を挙げたマドリーにはもう補強の予定はないとはいえ、今週はゆっくりしている時間もなく、水曜午後9時30分(日本時間翌午前4時30分)には次節のバジャドリー戦をホームで迎えるんですが、相変わらず、サンティアゴ・ベルナベウは絶賛大改装中でねえ。今季も当分、無観客試合が続くのをいいことに、バルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場内にあるエスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノ(RMカスティージャのホーム)で全て賄うようなんですが、月曜のセッションでは背筋痛でセビージャ遠征参加を急遽、取り止めたマルセロが回復していたのが朗報かと。クロースの方は全治10~15日のケガになるため、復帰は来週から始まる10月の代表戦週間が終わってからになりますが、すでに全体練習に参加しているアザールとアセンシオはそろそろ、招集されるかもしれませんね。 え、それでアトレティコのゴールラッシュがどんな試合だったのか、早く教えてくれって?そうですね、勿体ぶる程のこともないんですが、このプレシーズン、アルメリア(2部)を迎えての変則30分x4ハーフの非公開練習試合しかしていない彼らだったため、私も実戦を見るのは8月のCL準々決勝ライプツィヒ戦以来。その時のゴールがなかなか入らない、痛ましい姿しか、記憶に残っていないせいもあって、開始早々の前半9分、コレアのクロスから、ジエゴ・コスタのヘッドが決まったのに驚かされることに。 更に前半16分には第2FWの位置で先発したジョアン・フェリックスがエリア内でドゥアルテに足を踏まれ、PKを獲得したんですが、キッカーはリスボンで同点ゴールを挙げた彼ではなく、サウールが担当。これがまた、古い話の繰り返しで、昨季のバルサ戦では失敗したコスタの代わりにPKを蹴って、2本共、決めていたにも関わらず、この日はGKルイ・シウバに弾かれてしまう有様なんですよ。リーガで一番、PK成功率が低いクラブという記録を不動のものにしてくれたんですが、まさか、試合が終わる頃にはそんなこと、些末事として忘れ去られているとは、一体、誰が想像したでしょう。 そう、この木曜にELグループリーグ出場の最終関門である予選プレーオフでマルメ(スウェーデン)と戦うため、ソルダードやマチスら、ここまで公式戦4連勝を支えた自慢のレギュラー陣を多数、温存したグラナダがほとんど攻めてこないのをいいことに、後半はアトレティコの独壇場となったんです。早くも2分にはジョアンの上げたクロスをエリア内左から、コレアが決めて2点目をゲットしたかと思えば、20分にはそのコレアのパスをコスタがスルー、後ろにいたジョアンがCBバジェホを切り返しで座らせて、3点目を挙げているとなれば、これはいよいよ、昨年夏の1憶2800万ユーロ(約160億円)の投資が実を結び始めたとほくそ笑んでいたのは決して、ヒル・マリン筆頭株主だけではなかったはず。 これで3-0と、GKオブラクを擁するアトレティコにとっては完全に勝ち試合になりましたから、先週木曜にはPCR検査で2度目の陰性を出し、何とかベンチ入りすることができたシメオネ監督も前線総取っ替えという荒業が可能に。ええ、26分にはコスタ、ジョアン、カラスコに代え、マルコス・ジョレンテ、トマス、そして入団ほやほやのスアレスをピッチに入れたんですが、いや、この元バルサのCF、ファルカオ(現ガラタサライ)以来のゴール量産型エースになってくれるかもしれません。その手始めはほんの1分後のことで、彼がワンタッチで繋いだパスをジョレンテがシュートして、4点目が入っているのには私も呆気に取られるばかりだったかと。 34分にはフェデ・ビコにスアレスがエリア内で倒され、PKが宣告されたため、当人が蹴る気満々でボールを持っていたものの、VARでペナルティが認められなかったのは、この先のPKキッカーの人選を知る機会がなくなったという意味でも残念ですが、とんでもない。これが逆に早く、新チームでゴールデビューして、戦力外のレッテルを貼ったバルサ幹部を見返してやろうという、スアレスの負けん気を刺激したか、40分にはジョレンテのクロスを悠々、頭で決めているんですから、何とも頼もしいじゃないですか。 いやあ、そのすぐ後にはこの夏、ヘタフェから河岸を変え、グラナダで自身2年連続となるELグループリーグ出場を目指しているホルヘ・モリーナがオブラクの前で倒れながら、足だけ上げて決めたゴールで1点を返されてしまったアトレティコでしたけどね。ロスタイムにも1度、ビトロのアシストで放ったシュートが枠に弾かれながら、跳ね返りに自ら駆けつけ、ネットに収めるという、スアレスの飽くなき、ゴールへの執念も見られましたしね。もちろん、昨今の得点がなかなかできない彼らに慣れていた私など、しみったれ根性で次の試合のために少しはゴールを節約しておいた方がいいんじゃないかとチラッと思ったりもしたんですが…いや、このアトレティコはそんな心配とは無縁のチームに生まれ変わった? ちなみにシメオネ監督は6-1という、彼らにしては滅多にない大量得点で勝利した後、スアレスが2ゴール挙げたことより、彼のアシストやマーク外しの動きなどを賞賛。同時に「Su llegada genera una competencia interna muy buena/ス・ジェガダ・ヘネラ・ウナ・コンペテンシア・インテルナ・ムイ・ブエナ(彼の加入はとてもいいチーム内競争を生む)。今いる23人がそれ相応のプレー時間を受け入れてくれれば、ウチが競っていけるのは確かだ」と、主役の座を与えられないのが不満で、たったの1年半であっさり、ユベントスに移籍してしまったモラタへの当てつけとも取れるような台詞もあったんですけどね。やあ、実際、誰かさんとスアレスはシュート精度に天と地の差があるかも。 ただ、この日は先制ゴールを決め、今季こそは前回在籍した頃の得点力回復に向け、いいスタートを切ったかに見えたコスタに関しては、まだ先行きが決まっていないようで、当人も「クラブや監督と話して、ケガさえなければ、チームのために戦うつもりだけど、もし移籍の可能性があって、それがクラブにとってもいいことなら、その判断に従う」と言っていたんですけどね。巷にはスアレスに続いて、同じウルグアイ代表FWで、PSGを退団してフリーのカバーニも獲得するかもしれないという噂もあるんですが、今年はコロナ禍のせいで、夏の移籍市場が閉まるのも10月5日とまだちょっと先。 それまでどうなるかはわかりませんが、2度続けて当たりが出るのかというのもありますしね。今週は水曜午後7時(日本時間翌午前2時)から、岡崎慎司選手のいるウエスカのホームを訪れるアウェイ戦、土曜午後4時(同午後11時)からは再び、ワンダ・メトロポリターノで久保建英選手のビジャレアルを迎えるホームゲームと日本のファンも興味を惹かれる試合が続くため、是非とも、もっぱら「Se le veía libre/セ・レ・ベイア・リブレ(のびのびプレーしているように見える)」(シメオネ監督)というジョアンのおかげか、プレーも良くなり、ゴールも入るようになったアトレティコを見てもらいたいと思いますが…なかなか、予想通りにはならないのも彼らの特技なんですよね。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2020.09.29 17:00 Tue
twitterfacebook
thumb

今週末で開幕戦も終了…/原ゆみこのマドリッド

「これでもう、ゴール日照りと無縁になれるのかしら」そんな風に私が喜び半分、懐疑心半分でいたのは金曜日、とうとうルイス・スアレスがバルセロナからマドリッドに朝一で到着し、慣例のメディカルチェックを昨季、手術したヒザにも異常なく、無事に通過。ワンダ・メトロポリターノのオフィスで2年間の契約書類にサイン、背番号9のユニフォームを掲げてポースした後、夕方にはマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場で他の選手たちと一緒に汗を流している一連の写真を見た時のことでした。いやあ、モラタのトリノ行きから始まった今週のアトレティコはずっとバタバタしていて、火曜には当人が1年半過ごしたチームに別れを告げ、前回いた時は同僚だったピルロ監督率いるユベントスにレンタル移籍することが決定。 これでモラタの年棒900万ユーロ(約11億円)のコストカットとそのレンタル料、1000万ユーロ(約12億円)を手に入れたクラブは、いえ、スアレスの自由移籍を最初は認めていたバルサの上層部が、相手がアトレティコと知った途端、グダグダ言い出して、すったもんだしていたなんてこともあったんですけどね。最後はアトレティコがCLで準々決勝以上に進んだ時のみ、成功報酬オプションとして700万ユーロ(約9億円)を払うという形で火曜が終わる頃、決着したようですが、翌日は6シーズンの在籍で計198ゴール、1試合平均0.70得点という素晴らしい成績で13タイトルの獲得に貢献したチームにスアレスがお別れするセレモニーがカンプ・ノウで開催。その後、マスコミ各社は夜遅くまでエル・プラッツ空港を張って、選手がマドリッド行きの飛行機に乗る姿を捉えようとしたんですが、結局は翌朝まで肩透かしを喰わされる破目に。 ただ、新チームに合流してもスアレスはウルグアイ代表の後輩、ヒメネスに会うことはできなくて、ええ、彼は今週始めのPCR検査で新型コロナウィスル陽性が発覚し、自宅隔離になってしまったからですが、ラッキーだったのは丁度、ロスアンヘレス・デ・サン・ラファエル(マドリッドから1時間の高原リゾート)キャンプ明けから、隔離期間を過ごしていたシメオネ監督がとうとう、陰性となって、この日からセッションに復帰したこと。もちろん、代表キャプテンのゴディン(インテル)や元同僚となったグリーズマンから、情報はたっぷり得ていたはずですが、自分をアトレティコに誘ってくれた指揮官と直接、顔を合わせることができたのは良かったかと。 ちなみにバルサのプレシーズン練習開始時から、クーマン監督に戦力外通告を受け、親善試合にも招集されなかったスアレスなんですが、火曜まで律儀にバルサのセッションに参加。よって、この日曜、午後4時(日本時間午後11時)から、アトレティコのリーガ開幕となるグラナダ戦に出場することも体調的にはできそうですが、まるで正反対のようなサッカーカルチャーを持つチームのプレーにそんなすぐに適応することができるのかどうか。今季はジャンプアップが期待されるジョアン・フェリックスはいるとはいえ、メッシ並みのアシスト力はまだ見せていませんし、大体がして、バルサ程、タレントのある選手がいる訳じゃないですからね。何はともあれ、決定力の高い選手が加入してくれたのは嬉しい限りではあるんですが…。 それというのも相手のグラナダはすでに今季、リーガのどのチームより多い公式戦4試合をすでに消化。しかもリーガではアスレティック、アラベスに連勝して首位にいる上、EL予選2回戦でテウタ(アルメニア)、この木曜にも3回戦でロコモティブ・トビリシ(ジョージア)を撃破し、4連勝と絶好調だから。ええ、昨季はマドリッドの弟分、ヘタフェにいたホルヘ・モリーナとケネディ(チェルシーからレンタル)もすでに新天地での初ゴールを挙げていて、現在、向かうところ、敵なし状態なんですよ。 ただ、いきなり昨季のリーガ再開後と同様、1週間に2試合というのを続けていくのは、グラナダとしても難しいはずなので、来週木曜にいよいよ、ELグループリーグに出場できるかどうかの最終関門、プレーオフのマルメ(スウェーデン)戦を控えていますしね。このアトレティコ戦はもしかしたら、メンバーを落としてくれるかもしれませんが、さて。ちなみにそのELの試合があるため、彼らの来週ミッドウィークのリーガ、オサスナ戦は来年に延期されています。 え、同じ木曜には昨季EL王者のセビージャがCL王者のバイエルンに挑むUEFAスーパーカップもあったんだろうって?その通りで、私もつい、近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)まで、足を伸ばしてしまったんですが、8月のファイナルエイトで続いた流れと真逆になってしまったのが、ロペテギ監督のチームのツキを奪いましたかね。というのも、ハンガリーのブタペストで両チームのファン、3000人がスタジアム入場を許されたこの試合、ウォルバーハンプトン、マンチェスター・ユナイテッド、インテル戦とは違い、序盤にペナルティを犯したのはディエゴ・カルロスではなく、バイエルンのアラバだったから。ええ、前半12分、ヘスス・ナバスのクロスをデ・ヨングが頭で落としたとこに駆けつけた、出戻りホヤホヤながら、セビージャのユニにまったく違和感のないラキティッチを突き飛ばしてPKを献上。これをオカンポスがしっかり決めて、先制点が入ります。 といってもやはり、そこはCL準々決勝で、その時はラキティッチもまだいたバルサを8ゴールで叩きのめし、ブンデスリーガ開幕のシャルケ戦でも8得点のgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)づいている相手。その程度ではまったく動じず、33分にはミュラー、レバンドフスキの連携から、ゴレツカが同点ゴールをゲットすると、その後はセビージャがあまりに圧倒されまくっていたため、これはいつ大量得点が始まるのかと、私もドキドキしながら、見ていたんですけどね。幸い、後半のレバンドフスキとザネのゴールはVAR(ビデオ審判)により、認められず、それどころか、後半43分にはキャプテンのナバスが34才の全英知を振り絞ったかのような絶妙なスルーパスを送り、去年まではレガネスにいたエン・ネシリが抜け出したんですが…エリア内から1対1で放ったシュートをGKノイアーに逸らされてしまってはねえ。 勝負はそのまま延長戦にもつれ込み、とうとうバイエルンが勝ち越し点を挙げたのは前半14分のこと。それもセビージャが得意だったはずのCKから、1度はEL優勝の立役者、GKボノが弾きながら、古巣アスレティックへの移籍を待っているハビ・マルティネスにヘッドを決められてしまうというのは皮肉。いえ、もちろん、2-1と僅差、しかも天下のバイエルンに120分間、戦うことを余儀なくさせた点は評価に値しますけどね。前人未到のEL6回優勝をしているセビージャは、これでUEFAスーパーカップ5敗目。彼らが勝てたのは最初に出場した2006年のバルサ戦だけと聞くと、EL制覇は3回と回数では及ばないものの、その3度共、スーパーカップで優勝(相手はインテル、チェルシー、レアル・マドリー)しているアトレティコって、結構、偉いのかもしれない? そこへ、今季のスタートから3節目、平日開催予定試合がスペイン・サッカー協会の反対により、いやあ、もう恒例になりかけているとも言っていいんですけどね。水曜になって、土日にズラされたため、セビージャには月曜だったはずのカディス戦を日曜にプレーしないといけないという、とりわけ延長戦を戦った身には辛い開幕戦が待ち受けているんですが、同時に金曜予定だったエイバルvsアスレティック戦も日曜午後2時(日本時間午後9時)に変更。乾貴士選手の活躍や武藤嘉紀選手(ニューキャッスルから移籍)のデビュー戦を楽しみにしている日本のファンはちょっと、気をつけておきたいところです。 え、今週末の土曜には昨季の最終戦でグラナダに今季のEL参加権を奪われたばかりか、4シーズン、チームを支えてくれた38才のエースも奪われたヘタフェもリーガ2戦目を迎えるんだろうって?はい、こちらは午後1時(日本時間午後8時)から、アラベスとのアウェイゲームに挑むんですが、まだ選手補強が済んでいないのが、ボルダラス監督の悩みの種のよう。前日記者会見でも「han salido nueve futbolistas y han llegado tres/アン・サリードー・ヌエベ・フトボリスタス・イ・アン・ジェガードー・トレス(9人の選手が退団して、3人しか入っていない)」とこぼしていましたが、更にGKチチソラとポルティージョの2人が放出要員という事情もあって、今季もリーガはベンチ入り23人が可能なところ、18人しか遠征に連れて行かないとは、はて。 まあ、マチン監督が就任したアラベスも開幕からベティス、グラナダに2連敗とスタートダッシュに失敗していますから、前節のオサスナ戦のようにマタがゴール力を発揮してくれれば、何とかなるとは思いますけどね。一応、FW陣には他にもアンヘル、新加入のクーチョ(マジョルカから移籍)、ウナル・エネル(同ビジャレアル)と頭数は揃っていますし、今季はヨーロッパの大会で体力を消耗することはない彼らだけに、1試合、1試合、リーガで勝ち点を積み上げていってほしいものです。 そして前節の開幕レアル・ソシエダ戦がスコアレスドローだったせいで、一気にゴール不足論が浮上してきたマドリーはというと。いやあ、こちらも火曜にはウーデゴールがPCR検査で陽性を出し、それこそ彼が昨季レンタルでお世話になり、レアル・アレナでの試合前に親しく挨拶を交わしていたソシエダの選手たちからはここ昨今、何人も感染者が出ているとあって、ジダン監督のチームにも緊張が走ったんですが、大丈夫。2度目の検査で陰性が確認されたため、当人の自宅隔離にも、バルデベバス(バラハス空港の近く)でのチーム練習が個人練習にもならず、無事に今週のセッションをこなすことができましたっけ。 何せ、この土曜午後9時(日本時間翌午前4時)からの彼らの相手はグラナダと並び、先行組2チームだけ2連勝と調子に乗っているベティスですからね。ハメス・ロドリゲス(エバートンに移籍)やベイル(同トッテナム)がいなくなったのは元々、昨季終盤から戦力外にされていたため、影響はないものの、金曜に出たセビージャ行きの遠征リストにはまだ、アザールもアセンシオも含まれず。攻撃陣ではイスコとルーカス・バスケスが増えただけと、もちろん、ジダン監督の信頼を受ける唯一のCFであるベンゼマが当たってくれれば問題はないとはいえ、それも常にとはいかないのが辛いところかと。 ただ、そんな世間の心配とは無縁なのか、ジダン監督はクラブにCFの補強を頼むことはしないそうで、今節もヨビッチとボルハ・マジョラル(昨季はレバンテにレンタル移籍)を連れて行くんですが、移籍市場が閉まる10月5日までは何かが起きる可能性を否定せず。いや、まあ、昨季のリーガ再開後のマドリーも得点力が凄かった訳ではなく、固い守備がモノを言って、最後は優勝を掴んだ感もありましたからね。 その流れのままは言っても、ゴールラッシュに慣れているファンにしてみれば、「Yo firmaría ganar siempre por la mínima y no encajar goles/ジョ・フィルマリア・ガナール・シエンプレ・ポル・ラ・ミニマ・イ・ノー・エンカハール・ゴーレス(自分は最小得点差で勝って、失点しないことで満足する)」(ジダン監督)とはいかないんじゃないかと思いますが…どちらにしろ、沢山、ゴールを挙げてもスタジアムでファンが喜べる日は当分、来なさそうなのが今季のリーガです。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2020.09.26 17:00 Sat
twitterfacebook
thumb

ゴールはどこも不足している…/原ゆみこのマドリッド

「開幕戦で悔やむよりはいいけど」そんな風に私が複雑な気持ちになっていたのは月曜日、お昼のニュースでルイス・スアレルのバルサとの契約解消が成立し、アトレティコへの移籍が秒読みになったと報じられているのを見た時のことでした。いやあ、昨季はもう、ゴール日照りで悔しい思いをすることの多かった彼らですから、実績のある一流FWが加入してくれるのは有難いんですけどね。ただ、これまではジエゴ・コスタの放出が決まらない限り、人件費の関係で補強はできないと言われていたんですが、どうやら当人のたっての願いもあって、モラタのユベントス行きが決まりかけているのだとか。 え、モラタって、アトレティコに来たのは2018-19シーズンの1月だったとはいえ、チェルシーに5500万ユーロ(約68億円)払って、レンタルから完全移籍になったのはこの夏じゃなかったかって?そうなんですが、一説によると、彼は昨季終盤、リーガやCLの大事な試合でスタメン起用されず、チーム内で一番多い16得点を挙げながら、シメオネ監督にコスタより信頼されていないと感じていたそうで、ついでに言うと、奥さんのアリス・カンペッロさんがイタリア人であることも2014年から16年の2シーズン、在籍したセリエAのクラブ復帰を後押ししているらしいんですけどね。でも、ちょっと前まで、お隣さんのカンテラ(ユース組織)に河岸を変える前にいたアトレティコは、「プレーするのを望んでいた場所だ」とか、「アトレティコで引退したい」とかいう台詞を耳にした覚えがあるのは私だけですかあ? いやまあ、前回、ユーベで活躍した後、買い戻されたレアル・マドリーで1シーズン過ごしたものの、やはり主役にはなれないと、チェルシーに移籍した彼ですから、奇しくもまた、クリスチアーノ・ロナウドとご一緒することになって、どうなるかはわかりませんけどね。月曜のマハダオンダ(マドリッド近郊)での練習にはもう、現れなかったモラタのレンタル料は1000万ユーロ(約12億円)、今季末には4500ユーロ(約56億円)での強制買い取りオプションがついての移籍となるため、別にアトレィコの損にはならないようですが、いやまったく。 ルイス・スアレスに関しては先週、イタリアに日帰り旅行をして、国籍取得に必要なイタリア語会話の10分間テストを受け、見事合格したというニュースもあり、まさか、シメオネ監督の経営陣へのお願いが実現するとは、かなり意外な展開。もっとも移籍金なしで来るとしても、年棒8000万ユーロ(約100億円)のルイス・スアレスはここ数年、負傷勝ちで、33才という年齢を考えると、ちょっと高い買い物とあって、こちらもまだ正式には決まっていないんですけどね。 といっても他に残っているCF補強候補もPSGを退団してフリーのカバーニ(33歳)、ルイス・スアレスと並行してユーベが交渉していたジェコ(34才)とベテランばかり。それもこれも20才前後で獲得しながら、早々に見限られ、今ではリバプールに5000万ユーロ(約62億円)で入団するまでになったディオゴ・ジョタ(ウルバーハンプトンから移籍)や、その同僚として昨季、17得点を挙げたラウール・ヒメネスなど、アトレティコを出た後、大成したFWが少なからず、世間にはいるのを見ると、残念な気がしないでもないですが、ま、それも天の巡り合わせでしょうか。何はともあれ、ルイス・スアレスが本決まりになって、かつてバルサから31才で移籍し、在籍した1シーズンに見事、リーガ優勝を果たしたビジャの例に倣ってくれたら、嬉しい限りではあるんですが…。 まあ、移籍云々は実際、選手がユニを着てプレゼンされるまで、報道を信用することはできないため、今はとりあえず、先週末のリーガの様子をお伝えしていくことにすると。2節ではいよいよ、8月にヨーロッパの大会があったため、スタートが遅れていたマドリッドの1部勢も2チームが参戦したんですが、土曜に一足先にプレーしたのは弟分のヘタフェ。エイバルの乾貴士選手が先発しながら、後半39分にピッチに入ったビジャレアルの久保建英選手とはニアミスに留まり、勝負も後者が2-1で逆転してすでに決着していたという、日本人選手対決第2弾の試合が終わった後、ホームのコリセウム・アルフォンソ・ペレスにオサスナを迎えたんですが、やはりマドリッドがコロナ再流行期に入ったのが影響しているんでしょうか。 行きつけだったバル(スペインの喫茶店兼バー)が店内のキャパ制限があるうちは元が取れないと、今季もリーガのTV中継を契約しないことにしたせいで、最近、違うお店に行くようになった私でしたが、そこもお客さんは少なく、3密を心配しないで観戦できたのはラッキーだったんですけどね。マジョルカから加入したFWクーチョ以外、昨季とまったく同じメンバーでスタートしたボルダラス監督のチームも、1節にはカディスに勝っていたオサスナも前半はほとんどチャンスがなく、0-0で終了。昨季のリーガ再開後は白星が1つだけというヘタフェだったため、まだ流れは変わってないのかと心配になったものでしたが…。 大丈夫、確実にツキが戻って来ました。というのも後半9分、ククレジャの折り返したボールをマクシモビッチがマタへ送ったところ、いえ、volea(ボレア/ボレーシュート)で決まったゴールは最初、オフサイドで認められなかったんですけどね。2年連続のEL出場権ゲットを目指していた昨季終盤はこれに何度も泣かされたものでしたが、この日はVAR(ビデオ審判)が彼らの味方に。ほんの数ミリの差でマタのオフサイドではなかったとして、貴重な先制点がスコアボードに上がってくれたから、助かったの何のって。 そのまま1-0でヘタフェは今季初勝利を挙げたんですが、ボルダラス監督も「Después de no jugar la primera jornada era vital conseguir una victoria/デスプエス・デ・ノー・フガール・ラ・プリメラ・ホルナーダ・エラ・ビタル・コンセギール・ウナ・ビクトリア(1節をプレーしなかった後、勝ち星を得るのはとても重要だった)。そうじゃなかったら、順位表のかなり下の方に留まることになるからね」と言っていましたしね。最初から勝ち点6がハンデとなるアトレティコやバルサはそう簡単にはいかないでしょうが、ヘタッフェのように初っ端から7位となって、次戦のアラベス戦を迎えられるというのは選手たちも気分がいいんと思いますよ。 そんなヘタフェはまだ、ワトフォードから右サイドにキケ・フェメミア、ジェノアからCBエル・ヤンク(昨季はサラゴサにレンタル)を獲る予定になっているようですが、いやあ、翌日には、これは絶対、補強した方がいいんじゃないかと疑われる兄貴分チームが出現したから、さあ大変。ええ、それは土曜にはワンダ・メトロポリターノでアルメリア(2部)と完全非公開の30分x4パートの変型練習試合を実施。モラタ、コスタ、サポンジッチ、モジェホがゴールを挙げ、4-0で完勝したのはともかく、チームの足りない部分を目撃した外部の人もいないため、もちろんアトレティコではなく、レアル・アレーナでレアル・ソシエダとの開幕戦を迎えたマドリーの方でした。 だってえ、いつまで経ってもゴールが入らないんですよ。まだアザールとアセンシオが調整中だったため、ベンゼマをトップにロドリゴとビニシウスのブラジル人若輩コンビを左右に、やはり21才と若い出戻りのウーデゴールをトップ下に配置して、カセミロ抜きで珍しく、4-2-3-1というシステムを採用したジダン監督だったんですが、前半など、速いリズムで敵を圧倒しながら、なかなかフィニッシュまでに至らないのは如何なものかと。 それどころか、前半終了間際など、GKクルトワがイサクのシュートを長い足でparadon(パラドン/スーパーセーブ)してくれていなかったら、逆にリードされていたはずですが、昨季、アトレティコの後輩、オブラクの5年連続ゲットを阻み、6年ぶりにサモラ(リーガで一番失点率の少ないGKに与えられる賞)を取り戻したクルトワは今季も健在のよう。おかげでスコアレスのまま、後半が始まったんですが、ゴールが遠いのはまったく変わらないんですよ。早めにイナモル監督が新加入のダビド・シルバ(マンチェスター・シティ)を投入し、相手が活気づいたせいもありますが、それに対して、ジダン監督は一気に3人を交代。ウーデゴール、モドリッチ、ロドリゴをバルベルデ、カセミロ…え、マルビンって一体、誰? いやあ、彼は先日、UEFAユースリーグで優勝したフベニル(2番目のユースカテゴリー)チームのメンバーで、今季からはラウール監督率いるRMカスティージャ(2部B)でプレーすることが決まっている20才なんですが、コパ・デル・レイの初戦じゃあるまいし、ましてや、コロナクラスターが発生して、猫の手も借りないといけないチームでもないのに、この、どうしても1点が欲しい場面でカンテラーノをデビューさせるのは果たしてセオリーと言っていいのかどうか。かてて加えて、ロスタイムにビニシウスの代わりに入ったアリバスも18歳のフベニル仲間となれば、アップの指示もなく、スタンドで見守っていた2人のFW、ヨビッチとマジョラル(昨季はレバンテにレンタル)が何を感じたかは想像に難くありませんって。 いえ、0-0のまま、試合は終わった後、ジダン監督は「No quería cambiar el dibujo, había que meter a jugadores en las bandas/ノー・ケリア・カンビアール・エル・ディブーホ、アビア・ケ・メテール・ア・フガドーレス・エン・ラス・バンダス(システムを変えたくなかったから、サイドに選手を入れる必要があった)」と言っていましたけどね。確かにこの日、マドリッドでお留守番となったアタッカーはサイドの選手ばかりでしたが、ううん。チーム2位の得点者がセルヒオ・ラモスだった昨季もそうでしたが、先週、エスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノ(RMカスティージャのホーム)でやったヘタフェとの練習試合で4ゴール挙げたベンゼマがいても、そこは人間、当たらない日もありますからね。そんな時、ゴールを補ってくれるFWが他にいないというのはやっぱり、シーズンは長いだけに大きな懸念になるかと。 まあ、その辺は、今は緊縮財政に励み、来夏、改装が大幅に進んだサンティアゴ・ベルナベウでエムバペ(PSG)のメガプレゼンを行うことが目標のペレス会長の意向もありますし、昨季だって、先日、トッテナムへのレンタル移籍が決まったベイルはほとんど戦力外で、ベンゼマ1人だったにも関わらず、リーガ優勝はできてしまったマドリーですからね。マスコミが言うように、この選手起用がジダン監督のFW不足を訴えるアピールだったとも思えませんが、ただ、早いところ、アザールやアセンシオが戻って来てくれないと、とりわけ次節、開幕から2連勝と、ペジェグリーニ監督の招聘でイメチェンに成功したベティスとの対戦など、かなり心配になりますよね。 そして今週は木曜にブタペストでCL王者のバイエルンとEL王者のセビージャが戦うUEFAスーパーカップなどもあって、平日にもサッカーが楽しめるのは嬉しいんですが、よくわからないのが週末の3節の時間割。一応、マドリッド勢は土曜午後1時からアラベスvsヘタフェを皮切りに午後9時にベティスvsマドリー、日曜午後4時からグラナダvsアトレティコとなっているんですが、ここ2節、サッカー協会の反対により、週中に水曜に土日へと変更された金曜、月曜試合が性懲りもなくあるのは何故?今回、被害を受けるとしたら、金曜のエイバルvsアスレティック戦、月曜のカディスvsセビージャ戦ですが、どちらも近い距離でのバス移動になるため、融通が利きやすいのは救いでしょうか。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2020.09.22 19:30 Tue
twitterfacebook
thumb

ところ変われば…/原ゆみこのマドリッド

「歓迎されてるんだ」そんな風に私が驚いていたのは金曜日、ロンドン郊外にあるトッテナムの練習場に到着したベイルの車を待ち受けている大勢のファンの映像をお昼のニュースで見た時のことでした。いやあ、ウェールズ代表戦から帰還後、ずっとバルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場のジムに閉じこもっていた彼については毎日、クアトロ(スペインの民放)のカメラが施設の出入り口を張っていたため、こんなご時世とあって、最近は数もめっきり減った選手の出待ちをするレアル・マドリーファンから、罵声を浴びているシーンなども出回っていたんですけどね。 おかげで試合に出ずとも契約のある、あと2年間、マドリッドで快適なゴルフ三昧ライフを楽しむ予定だった当人も気を変えたか、今週の始め頃はマンチェスター・ユナイテッドの名前も出ていたものの、木曜には、かつてマドリーを率いたモウリーニョ監督のいるトッテナムに7年ぶりの古巣帰還を果たすことに。ただ、これはレンタル移籍で、しかも税抜きで3000万ユーロ(約37億円)という高額年棒の半分をマドリーが払うという条件らしいんですが、え、ということは同時にトッテナム入団の決まったレギロンの移籍金は丸々、ベイルの2年分の給料補填に充てられるってこと? ま、マドリーのカンテラーノ(ユース組織出身の選手)が優秀なのは今に始まったことではないんですが、この夏は特に大収穫で、昨季、レンタル移籍先のセビージャでEL優勝に貢献し、市場価値を高めたこのレギロンだけでなく、その前にはアクラフが2年間のドルトムント修行を終え、インテルに4000万ユーロ(約50億円)で移籍。レガネスにいたオスカルもセビージャに1500万ユーロ(約19億円)で買い取られ、更にRMカスティージャ(2部BでプレーするマドリーのBチーム)から放出された数人分を合わせて、計9550万ユーロ(約120億円)を弾き出しているんですが、何せ、クラブも3月以降はサンティアゴ・ベルナベウの入場料収入に加え、スタジアムにあるミュージアム、オフィシャルショップからの売上もなくなり、コロナ不況の真っ最中ですからね。 ベイル同様、先週、エバートンでアンチェロッティ監督と再会することになったハメス・ロドリゲスも移籍金はもらわなかったというのはちょっと、経営戦略としては如何なものかと思わないではないですが、とりあえず、今はカンテラーノで稼いでおいて、いよいよ、PSGに来年の夏には退団することを通告したというエムバペ獲得の資金を堅実に貯めるといった感じでしょうか。いやあ。この日曜午後9時(日本時間翌午前4時)には、2節のレアル・ソシエダ戦でリーガ開幕となるマドリーだというのに、新しい顔はウーデゴール(昨季はレアル・ソシエダにレンタル)と控えGKのレニン(同オビエド)ら、出戻りしかいないというのはいささか、寂しい気がしなくもありませんが…。 え、それでジダン監督のチームの準備状況はどんな感じなのかって?そうですね、先週にプレシーズンマッチ第1弾として予定されていた2部のマドリッドの弟分、ラージョとの対戦が、相手にコロナ疑似陽性の選手がいたために中止となった後、今週火曜には無事にヘタフェとエスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノ(RMカスティージャのホーム)でpartido de entrenamiento/パルティードー・デ・エントレナミエントー(練習試合)を行うことができたんですが、何せ、TV中継もなく、マスコミの入場も禁じられていたため、とにかく情報がなくてねえ。 結局、ベンゼマが前半に決めた4ゴールを含め、6-0の大勝をしたことは伝わってきたんですが、マドリーのオフィシャルページにハイライトビデオが上がることもなく、その日の練習レポートのギャラリーに両チームのキャプテン、セルヒオ・ラモスとティモルがキックオフ前に審判と並んでいる写真しかないという、徹底した秘密主義ぶり。度を超えたgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)を喰らったためか、ヘタフェの方も試合の詳細を載せていなかったんですが、ちょっと不思議だったのは他のカンテラーノ同様、レンタル帰りで行き先が決まるのを待っているはずだったボルハ・マジョラル(昨季はレバンテでプレー)も出場していたこと。 うーん、金曜の練習では筋肉系のケガでルーカス・バスケスとミリトンはジム、リハビリ中のアセンシオ、アザール、イスコもグラウンドで別メニューと、いささか、レアル・ソシエダ戦では攻撃陣が手薄になるマドリーですからね。ベイル程ではありませんが、高額年棒がネックで移籍先が決まらないマリアーノは、当人が扁桃腺の手術をしたばかりなのはともかく、ジダン監督の構想には入っていないため、とりあえず、マジョラルを10月5日に市場が閉まる直前まで、FWの控え要員として活用するつもりなのかも。そうそう、ヘタフェ戦にはまだ、ヒザのリハビリで出場していなかったウーデゴーアもここ数日で調子を上げたため、レアル・アレーナで昨季の恩返しをする機会がありそうですよ。 一方、先週末の1節でバジャドリーと1-1で引き分けたレアル・ソシエダでは、8月末に入団プレゼンをした直後、コロナ感染が発覚。2週間、ホテルで隔離生活を送っていたダビド・シルバ(マンチェスター・シティとの契約を満了して移籍)のデビューが待たれるところなんですが、実はこのチーム、オジャルサバルもコロナで9月初旬のスペイン代表招集を辞退した後、何とか、開幕戦に間に合ったり、ウィリアム・ホセも自宅隔離していたりと結構、感染者が多いよう。とはいえ、最近はもう、スペイン全土で再び、感染者数がどんどん増えていますからね。 先日、私がブタルケでレガネスの選手たちがピッチの隅で着替えていたのを目撃したのも実はそのせいで、いえ、昨季のparon(パロン/リーガの中断期間)後、再開した試合では、優勝を決めたマドリーの選手たちが喜ぶ映像もあったため、使えていたはずなんですけどね。今季になって、ラ・リーガがスタジアムのロッカールームを15分以上は使用禁止に。もちろん、密室に大勢が集まるとクラスター発生の危険があるからですが、それには6、7月は週2節の開催で選手たちもほとんど社交活動の時間がなかったのに比べ、新シーズンはまだ週末だけしか試合がないため、外出してウィルスに感染してくる危険性がより高いからなのだとか。 それでもまだ、すぐ自宅に戻れるホームゲームの時はいいでしょうが、ビジターチームなど、ホテルで着替えてスタジアム入り。試合後もそのままの恰好でホテルに戻ってからでないとシャワーも浴びられない上、通常はロッカールームでやっていた監督の訓話もオープンエアーのピッチでやることに。当分の間、無観客試合は続くため、別に選手たちに聞こえづらいということはありませんが、そのうち、TVのマイクが音を拾ったりするようになるんでしょうかね。 そしてマドリッド勢では今節、ヘタフェもオサスナ戦で開幕するんですが、まさか、先週、レガネスが受けた仕打ちを彼らも受けることになるとは!ええ、スペイン・サッカー協会の反対により、金曜開催予定だった試合を土曜に振り替えると、水曜になってから通知されたんですが、せめてもの慰めはこちらもホームのコリセウム・アルフォンソ・ペレスでの試合だったことかと。いやあ、最後のプレシーズンマッチでは兄貴分に痛い目に遭わされたヘタフェですが、それ以外、2部の弟分、フエンラブラダと昨季2部3位ながら、昇格プレーオフで敗退したサラゴサには勝っていますからね。 今となってはこの木曜、グラナダが、今季から河岸を変えたホルヘ・モリーナとケネディ(チェルシーから今季もレンタル移籍)を伴って遥々、アルバニアまで移動。テウタとのEL予選2回戦には0-4と大勝したものの、グループリーグに出場するには来週木曜、ジョージアのロコモティブ・トビリシとの3回戦、そしてプレーオフと、まだ2試合もあることを考えると、ボルダラス監督のチームがリーガ7位のEL出場権を手に入れ損なったのは逆にラッキーだった?とはいえ、オサスナも1節で昇格組のカディスに0-2と勝利と白星スタートしているため、ここは気を引き締めて、今季も上の方の順位で争えるよう、頑張ってほしいところです。 え、それで3節からの開幕となるアトレティコはどうしているのかって?いやあ、先週はヘルプスタッフに陽性者が出たため、急遽、ロス・アンヘレス・デ・サン・ラファエル(マドリッドから1時間の高原リゾート)での地獄のミニキャンプを金曜に切り上げ、帰京したチームだったんですが、翌日には何と、シメオネ監督も感染していたことが発覚。幸い、当人は無症状で自宅隔離、その後は1人も陽性結果はなく、プレシーズン開始直前に隔離されたジエゴ・コスタとアリアスも陰性になって、練習に合流しているんですが、来週のグラナダ戦でシメオネ監督が復帰できるのかは微妙なところだとか。 実際、これまでも退場処分で開幕戦やスーパーカップの決勝など、ベンチ入り禁止だったことが多々ある彼ですから、別にそれ自体は問題ないんですけどね。ただ、ちょっと心配なのは、今季はもう、”モノ”・ブルゴス第2監督が自身でチームを率いたいと退団しておらず、今週のマハダオンダ(マドリッド近郊)でのセッションはネルソン・ビバス新第2監督が指揮。それをフィジカルコーチのプロフェ・オルテガや新任のスタッフが手伝っているようで、いくらシメオネ監督が自宅から、ネット経由で見守っているとはいえ、選手たちが手を抜いてしまわないかどうか。 おまけにこの土曜には、どうやらワンダ・メトロポリターノに2部のアルメリアを迎えて、こちらも「練習試合」をマスコミ非公開でやるようなんですが、この一連のコロナ騒動のせいで、今週火曜に予定されていたカランサ杯(カディス主催の夏の親善大会)が延期となったため、そちらが唯一のテストマッチになってしまいましたからね。同じ3節開幕のバルサなど、メッシの退団騒ぎや、バルトメウ会長への不信任動議提出のため、規定の数以上のソシオ(協賛会員)票が集まるなど、ゴタゴタ続きなのは相変わらずですが、すでにジムナスティック・タラゴナ(2部B)とジローナ(2部)とのプレシーズンマッチにどちらも3-1で勝利。あまつさえ、土曜にはカンプ・ノウに1部に昇格したエルチェを招いてガンペル杯を開催って、いえ、全てカタルーニャTV(スペインのローカル局)で中継され、映像があるのが羨ましいのもありますけどね。 本当にアトレティコは開幕前に1試合しかやらなくて、1節にはアスレティックに勝利、2節のアラベス戦も含め、公式戦4試合をこなした後のグラナダと対戦して大丈夫なのかと、その辺はプランニングに少々、不安を感じてしまうんですが、こればっかりはねえ。とりあえず、今はマンチェスター・シティが8900万ユーロ(約110億円)の移籍金を提示したヒメネスへのオファーには1憶2000万ユーロ(約150億円)の契約解除金以外は受け付けないと、ヒル・マリン筆頭株主が突っぱねてくれたため、選手の出入りの方にも動きはないんですが、平日開催を巡るラ・リーガとサッカー協会の争いのせいか、未だに時間割の出てない3節が終わった後、急に戦力不足に気づいても移籍市場終了まで、1週間しかないのは大変かもしれません。 そして最後に一応、気になる日本人選手のいるチームの試合について、今週末の予定を告げておくと、水曜にはニューキャッスルから武藤嘉紀のレンタル移籍も決まり、お喋り相手ができた乾貴士選手のいるエイバルは土曜午後4時(日本時間午後11時)から、久保建英選手のいるビジャレアルと対戦。開幕は岡崎慎司選手のいる、再昇格したばかりのウエスカと1-1で引き分けと、2試合連続で日本人対決というのも珍しいですが、エイバルも初戦はセルタとスコアレスドローでしたからね。日曜午後4時にカディス戦に挑むウエスカも含め、今季初勝利を祝えるのはどの選手になるのか、気になるところかと。武藤選手も早速、エイバルの招集リストに入ったんですが、まだグループ練習は1度ぐらいしかしていないため、デビューはちょっと、難しいかもしれませんね。 柴崎岳選手のいるレガネスも日曜正午から、今度はアウェイでのルーゴ戦で1部復帰に向けて、2連勝を狙うんですが…いや、開幕に合わせて、セントロ(市内中央部)には今季のリーガ公式球のオブジェを展示、ファンに少しでも盛り上がってもらおうとしているリーガなんですが、金曜にはマドリッドの一部地域を対象にコロナ再流行抑制のため、バル(スペインの喫茶店兼バー)やレストランのキャパを50%に、営業も午後10時までという、自治体による制限が復活。一応、私の住んでいる地区は大丈夫なようですが、もうこんな話を聞くと、バルで試合をTV観戦するのがまた怖くなっちゃいますよ。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2020.09.19 19:50 Sat
twitterfacebook
thumb

あっという間にリーガが戻って来た…/原ゆみこのマドリッド

「文句が出るのは当然よね」そんな風に私が同意していたのは金曜日、ベティスのペレグリーニ新監督が、今週末の開幕アラベス戦の日程が月曜から、日曜に変更になったことについて、手厳しく批判しているのを聞いた時のことでした。いやあ、まさに彼が「no puede ser que a tres días del primer partido cambien la hora y el día/ノー・プエデ・セル・ケ・ア・トレス・ディアス・デル・プリメール・パルティードー・カンビエン・ラ・オラ・イ・エル・ディア(開幕戦の3日前に日付と時間を変えることなどあり得ない)」と言っていた通り、水曜に競技委員会がサッカー協会の「週末のリーガ戦は金曜と月曜には開催しない」という主張を支持し、ラ・リーガが用意した1節、2節の時間割から、平日予定だったカードが急遽、土日に押し込まれることになったんですけどね。 といってもマドリッドの1部3チームは8月にCL、ELの1試合があったために開幕が遅れ、どこもこの1節はプレーせず、金曜予定だったグラナダvsアスレティック戦が土曜になったのも含め、あまり関係ないかなと思ったものですが、それは私の早とちり。実は今季は2部のマドリッド勢にも注目で、それはもちろん、昨季はデポルティーボでプレーしていた柴崎岳選手がレガネスに入団したから。ええ、彼らも金曜午後9時からに設定されていたラス・パルマス戦を土曜午後6時30分(日本時間翌午前1時30分)に変えられてしまったんですよ。 まあ、こちらは準備の時間が増えたのだから、別にいいじゃないかという見方もできますけどね。前日記者会見で話したマルティ新監督も「理解できない。とにかく気温32度の中、プレーするというのはいい選択とは言えない」と、いや、私も先日、この夕刻の時間帯、ブタルケの正面スタンドをモロに直撃する西日の中、マスク着用でラージョとのプレシーズンマッチを観戦するという苦行を経験していたため、その心配もわからなくもないんですけどね。ただ、ピッチは日影でしたし、新型コロナウィルスによるparon(パロン/リーガの中断期間)の後、恒例になった前、後半30分にあるお水休憩、交代枠5人というのも続くため、その辺は許容範囲じゃないでしょうか。 そしてこの月曜に入団プレゼンしたばかりの柴崎選手がベンチ入りできるのかという点に関しては、監督はとりあえず、全員がプレー可能であることを保証。ただ、筋肉痛などを抱えている選手もいるため、招集リストは試合当日に出す予定だそうですが、いい機会なので、ここでちょっと、あまり馴染みのない日本のファンにレガネスのことを紹介しておくと。私がこのチームの存在を知ったのは2004年頃のコパ・デル・レイで、マドリッド勢の総大将であるレアル・マドリーとの対戦をブタルケに見に行ったんですが、その頃の彼らは2部B所属。 当然のようにマドリーが勝った後、別にレガネスがお隣さんのヘタフェ同様、移民や工場労働者の多い衛星都市だからという訳ではないでしょうが、帰り道、ガラの悪い地元のファンに絡まれるという嫌な思い出も。おかげで2013年に就任したアシエル・ガリターノ監督(昨季はアラベス率いて、シーズン終盤に解任)の下、2部Bから2部へ、2部から1部へと3年間で躍進し、2016-17シーズンから、晴れてマドリッド勢1部の弟分となった時には最初、ちょっと試合を見に行くのが怖かったりしたんですが、全然、大丈夫。 ええ、メトロのアルーチェ駅から、491、492、493、482番のバスに乗り、Centro commercial Plaza Nueva(セントロ・コメルシアル・プラサ・ヌエバ)で下車すれば、セルカニアス(国鉄近郊路線)C-5線のZaraquemada(サラケマダ)駅から歩くより、楽にブタルケに着けることを発見したのも大きかったんですが、今ではレガネスのサポーターもクラブの格に合わせて、リーガでも模範的なレベルになっていますしね。ガリターノ監督下の1部、1年目と2年目は17位での残留達成だったものの、リーガの放映権料のおかげもあり、ブタルケも正面入り口やオフィシャルショップなどをキレイに改装しています。 <div style="text-align:center;" id="cws_ad"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2020/hara20200912_1_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div> 近隣の市営総合スポーツ施設内にあった、古株の選手によると、夜には野ウサギの遊び場と化していたらしい練習用グラウンドも、いやあ、初めて私が訪れた時など、すぐ横の区画で市民のテニスサークルがプレーしていて、驚かされたんですけどね。ロッカールームのある建物も、今にも倒れそうなぐらいボロボロだったんですが、2017年夏には敷地を区切って、ジムや個室も完備されている快適なクラブハウスと2面のピッチを備えたインスタラシオン・デポルティーボ・ブタルケがオープン。柴崎選手もこれなら、1年前までの2シーズン、在籍した車で10分のお隣さん、ヘタフェのようにコリセウム・アルフォンソ・ペレスのロッカールームで着替え、公道を通って練習場入りと、時にはファンに呼び止められながら、行き来することがないため、却って気が楽かも。 <div style="text-align:center;" id="cws_ad"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2020/hara20200912_1_tw3.jpg" style="max-width: 100%;"></div> その2017-18シーズンは再びコパでマドリーと対戦し、今度は準々決勝1stレグのブタルケで0-1と負けながら、サンティアゴ・ベルナベウでの2ndレグで1-2と勝利。逆転勝ち抜けで準決勝に進出したことで、マドリッド第4のチームとしての名を高めたレガネスですが、翌シーズンはペレグリーノ監督が就任し、13位でフィニッシュと急成長することに。1部では10年以上、先行されているお隣さんへのライバル意識の強いファンもEurogeta/エウロヘタ(ヨーロッパの大会に出場するヘタフェのこと)に続いて、いよいよEurolega/エウロレガの時代も近いに違いないと期待していたんですが…。 昨季は開幕から不振が続き、2年目を迎えたペレグリーノ監督は10月に解任、その後、アギーレ監督が来てくれたんですが、冬にビッグクラブが契約解除金を払って、2人のエースを奪っていくとは、血も涙もない仕打ちとはまさにこのこと!ええ、1月の移籍市場ではレガネス2年目で、成長著しかった22才のエン・ネシリをセビージャが2000万ユーロ(約25億円)払って獲得。更に2月にも、今度はデンベレを長期負傷で失ったバルサがスペイン・サッカー協会の特例条項を利用して、1800万ユーロ(約23億円)でブライトワイテをさらっていくって、こんな不条理がどうして許されるんでしょう。おかげで元々、ゴール不足だったレガネスの困窮ぶりに拍車がかかり、いえ、リーガ再開後は健闘して、最終節に勝利すれば、残留できるところまで迫ったんですけどね。 すでに前節にはリーガ優勝を決めていたとて、相手が兄貴分のマドリーだったのが運の尽き。ええ、セルヒオ・ラモスの先制点にはブライアン・ヒル(レンタルを終えてセビージャに帰還)、アセンシオの勝ち越し点にはアサレ(同ヤング・ボーイズ)のゴールで追いついたものの、そこが限界でした。先日、スペイン代表でデビューした後、今では堂々、セビージャの一員となっている、マドリーから2年のレンタル移籍をしていたオスカル・ロドリゲスの最後のシュートも外れ、2-2で引き分けた彼らは17位のセルタに勝ち点1及ばず、5年ぶりの2部に戻ることに。 <div style="text-align:center;" id="cws_ad"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2020/hara20200912_1_tw4.jpg" style="max-width: 100%;"></div> まあ、柴崎選手が加入したのはこういうチームなんですが、残念なのは今季もおそらく、年内は無観客試合が続くこと。というのも、マドリッドにはセルカニアスの路線は違うものの、郊外南部に横に並ぶ2部のチームが他にもあって、1つはすでに10年間、このカテゴリーで揉まれているアルコルコン。もう1つは昨季、初めての2部での戦いでありながら、最終節まで1部昇格プレーオフ出場権を争ったフエンラブラダで、ここに1部復帰を目指して2年目のシーズンに入るラージョを加えれば、計4チームになりますからね。つまりブタルケでのホームゲームだけでなく、ダービーのアウェイ戦でも柴崎選手を応援する機会がマドリッドを訪れるファンにはあったはずだったんですが、はあ。 嘆いていても仕方ないので、とりあえず、昨季から、18人が退団し、8人の補強選手が入った新生レガネスの開幕戦はTVで見てもらうことにして、ええ、今週末の1部では日曜午後6時30分から、いきなり久保建英選手と岡崎慎司選手の日本人対決となる、ビジャレアルvsウエスカというカードもありますからね。ちなみにレスターシティから移籍した昨季はチームの1部最昇格という目的を見事に果たし、このプレシーズンマッチでも2得点と好調が続いている岡崎選手は、クラブのオフィシャルサイトに出た記者会見ビデオで、「日本人対決とか、開幕戦とかは結構、相性がいいんで、ゴールを挙げて勝てたらと思う」と意欲をアピール。果たしてどちらに軍配が挙がるのか、ちょっと楽しみですよね。 え、それでマドリッドの1部勢は今週、どうしていたのかって?いやあ、水曜にはエスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノ(RMカスティージャのホーム)にラージョを迎え、マドリーがこのプレシーズン最初の親善試合、というか、クラブによると、非公開の練習試合をやる予定だったんですが、相手に前日、コロナ陽性疑いの選手がいることが発覚して中止に。その間に各国代表に招集されていた選手たちも新シーズンが始まって初めて、バルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場に出勤してきたんですが、いえ、ウェールズ代表のネーションズリーグの2試合目で90分プレーした後、ベイルがジムに籠ってしまったのは、どこかに打撲を受けたという情報はあるものの、いつものことですから、別にいいんですけどね。 心配なのはアザールで、合宿初日にベルギー代表に顔を出し、挨拶だけですぐ戻ってきたクルトワとは違い、ネーションズリーグの2試合に帯同したものの、結局、ピッチには1度も立たず。「彼はまだセッションを14回しかしていなくて、90分プレーするには60回、こなす必要がある」という、ロベルト・マルティネス代表監督の言葉も何か、謎めいていて、気になりますが、もう巷では胴体周りがふくよかな当人の写真も出回っており、昨夏、バケーション中に理想体重を8キロオーバーしたまま、マドリーにやって来るという過ちを再び犯している恐れもなきにしろあらず。 それがなくても昨季は足首の負傷が祟り、コロナによる中断で時間を稼いだものの、最後までチェルシー時代の卓越したプレーを披露することはできず、ええ、アザールは移籍金1憶ユーロ(約126億円)のギャラクティコ補強ですからね。とにかく今季は違いを見せてもらわないといけないんですが、こちらもスペイン代表のウクライナ戦でネンザしたレギロン(昨季はセビージャにレンタル、今も移籍先を探している)、昨年手術したヒザを腫らして早々に代表離脱したアセンシオ、セッション中にネンザしたイスコらと一緒にジムでリハビリしているって、やっぱりまだ足首の調子が良くない? そんな彼らは来週火曜にヘタフェをディ・ステファノに迎え、いよいよ、プレシーズン最初で最後の練習試合を行い、20日のレアル・ソシエダ戦で開幕となるんですが、ボルダラス監督のチームも練習再開が遅かったため、まだプレシーズンマッチは水曜にご近所さんのフエンラブラダと相まみえた一戦だけ。ただ、こちらは前半にファンマのロングシュートで先制されながら、後半にククレジャとマタがゴールを挙げて逆転勝利と、いやもう、昨季のリーガ再開後は8月のEL16強対決インテル戦を含め、12試合で1勝しかできなかった彼らですからね。終盤、マジョルカから移籍したクチョのcodazo(コダソ/肘打ち)が原因でtangana(タンガナ/小競り合い)が始まった時には、「これ、本当に親善試合?」と目が丸くなったりもしたものの、敵の倍の数のファールをして、ガツガツ勝ちに行くヘタフェが戻って来たのはある意味、朗報ですよね。 そしてマドリッドのもう1つの兄貴分、アトレティコは今週、ロス・アンヘレス・デ・サン・ラファエル(マドリッドから1時間の高原リゾート)で恒例、真夏の地獄キャンプの縮小版をやっていたんですが、金曜になって、コロナ陽性者が1人発生。いえ、選手やコーチ陣ではなく、外部の練習補助要員だったらしんですが、チームのメンバーと接触があったことから、急遽、土曜までの予定を1日切り上げて、マハダオンダ(マドリッド近郊)に戻ることに。今は新たに受けたPCR検査の結果を待っているところだとか。まあ、ジエゴ・コスタとアリアスもまだ自宅隔離中ですし、最近は陽性者が出ても、他の選手たちはすぐ練習に戻りますからね。 リーガも新シーズンを始めるにあたって、コロナ感染で選手を失っても13人、うちトップチームの選手5人が健康であれば、試合の開催を認めていますし、逆に被害がそれ以上になって、延期を許されるのは各チーム1試合のみという規定を導入。以降は放棄試合で敗戦扱いになるそうで、まあ、昨季最終節で感染者28人というクラスターに見舞われたフエンラブラダとデポルティーボの試合など、8月に入って、ようやく開かれましたからね。その轍は2度と踏まないということでしょうが、ホント、リーガの金曜開幕がズレたのは関係ないとはいえ、何かとコロナ時代は予定が立てにくいのが欠点でしょうか。 そんな調子なので、アトレティコも検査をパスした選手たちだけ連れて、来週火曜にはプレシーズン最初の親善試合、久々に1部復帰を果たしたカディスとのカランサ杯に挑むはずですが、最近、完全なる混迷状態に入ってしまったようなのが、ファンも期待して待っているストライカーの補強。いやあ、どうやら候補の1人だったチミ・アビラ(オサスナ)が先日、昨季の半分を棒に振ったのとは反対のヒザの靭帯断裂を起こし、移籍ができなくなってしまったせいもあるんでしょうが、それぞれのマスコミがカバーニ(PSGを退団してフリー)だの、ルイス・スアレル(バルサのクーマン監督から戦力外通告を受けた)だの、果てはラウール・デ・トマス(昨季の冬にベンフィカからエスパニョールに移籍もチームは2部降格)だのと、好き勝手な名前を挙げているんですから、もう何がなにやら。モラタのユベントス移籍疑惑もまだ解消していませんしね。3節までリーガに参戦しないシメオネ監督のチームだけに当分、こういった補強関連話題は続くんでしょうね。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2020.09.12 17:00 Sat
twitterfacebook