新型コロナの影響はアスリートのケガにも及ぶ? MLBの名医が再開明けの負傷増に警鐘
2020.05.11 22:15 Mon
新型コロナウイルス(COVID19)の影響は、アスリートのケガのリスクを増大させる可能性がありそうだ。アメリカ『メディアム』が伝えている。
早期のリーグ開幕・再開に警鐘を鳴らしたのは野球界、MLBのニューヨーク・ヤンキースのクリス・アフマド球団医師だ。
トミー・ジョン手術の名医として知られるアーマド氏は、開幕の時期にあたる春に選手が肘を痛めることが多くなることを指摘。オフシーズンでの長いブランクの後、急に激しいプレーをすることのリスクについて明かしている。
「毎年、他の月や季節と比較して春にトミー・ジョン手術の件数が急増したことが確認できた。その理由には、突然のプレーの開始、試合の激しさ、シーズン序盤のコンディション不良、オフシーズンからの準備不足が関連している」
トミー・ジョン手術とは、野球界、特に投手が行うことが多く、損傷したヒジの靱帯を切除し、患者の反対側もしくは同一側の前腕など正常な腱の一部を摘出し移植する手術だ。西武ライオンズの松坂大輔、シカゴ・カブスのダルビッシュ有、アナハイム・エンゼルスの大谷翔平らもこの手術を経験している。
アーマド氏は対策として今から準備することを提唱しており、隔離中の今から肩、ヒジ、および体幹と脚の筋肉の強化と持久力プログラムを開始する必要があるとしている。
サッカー界に目を向けると、3月13日以来中断されているドイツのブンデスリーガが16日から再開予定だ。MLBとは違い、シーズン中の中断という形だが、選手たちはおよそ2カ月のブランクを経ている。
ブンデスリーガの選手たちは4月上旬から約1カ月間はグラウンドを使ったトレーニングをこなしているため、オフからいきなり試合という状況ではないものの、実戦練習は行えていない。そのため、十分な試合コンディションが準備できているとは考えにくい。
さらに懸念点となるのは、サッカーがコンタクトスポーツという点だ。ピッチ上では選手同士が体をぶつけ合う場面も多く、交錯プレーによるケガは付き物である。野球との大きな違いであり、ケガのリスクは何倍にもなる。
自分の体の限度を理解した上でのプレーがケガをしない上でもさせない上でも求められるが、約2カ月実戦を離れていた選手たちがすぐにこの感覚を取り戻せるかという点については疑問符が残るのが正直なところだ。
先週末にトレーニングを再開したバルセロナでは、2日目にしてフランス代表DFサミュエル・ユムティティがふくらはぎを痛めて離脱。いくら自宅でトレーニングをしていても、グラウンドに出て走ること、ボールを使うことでは使う筋肉も変わり、このようなケースは他クラブでも頻発することが予想できる。
感染症のリスクという大きな問題を前にして、そちらばかりに注意を払ってしまいがちだが、リーグ再開に向けての健康上のリスクを鑑みただけでも、感染症以外のリスクが存在するということについて慎重に議論を重ねる必要があるのではないだろうか。
未だ再開時期に関しては議論されていないというJリーグでも、村井満チェアマンは「公平なトレーニングができるだけの期間はも設ける」と再開前の準備期間を設けることは11日の会見で語っていた。選手たちはどのように感じているのか、その不安を取り除くことも大事だろう。
《超ワールドサッカー編集部》
早期のリーグ開幕・再開に警鐘を鳴らしたのは野球界、MLBのニューヨーク・ヤンキースのクリス・アフマド球団医師だ。
トミー・ジョン手術の名医として知られるアーマド氏は、開幕の時期にあたる春に選手が肘を痛めることが多くなることを指摘。オフシーズンでの長いブランクの後、急に激しいプレーをすることのリスクについて明かしている。
トミー・ジョン手術とは、野球界、特に投手が行うことが多く、損傷したヒジの靱帯を切除し、患者の反対側もしくは同一側の前腕など正常な腱の一部を摘出し移植する手術だ。西武ライオンズの松坂大輔、シカゴ・カブスのダルビッシュ有、アナハイム・エンゼルスの大谷翔平らもこの手術を経験している。
新型コロナウイルスの影響を受け、未だ開幕できていないMLBは現在、7月初旬の開幕を目標に掲げており、開幕前には準備期間を設けているものの、その期間は3週間と通常の開幕前に行われるキャンプより短いものを予定している。
アーマド氏は対策として今から準備することを提唱しており、隔離中の今から肩、ヒジ、および体幹と脚の筋肉の強化と持久力プログラムを開始する必要があるとしている。
サッカー界に目を向けると、3月13日以来中断されているドイツのブンデスリーガが16日から再開予定だ。MLBとは違い、シーズン中の中断という形だが、選手たちはおよそ2カ月のブランクを経ている。
ブンデスリーガの選手たちは4月上旬から約1カ月間はグラウンドを使ったトレーニングをこなしているため、オフからいきなり試合という状況ではないものの、実戦練習は行えていない。そのため、十分な試合コンディションが準備できているとは考えにくい。
さらに懸念点となるのは、サッカーがコンタクトスポーツという点だ。ピッチ上では選手同士が体をぶつけ合う場面も多く、交錯プレーによるケガは付き物である。野球との大きな違いであり、ケガのリスクは何倍にもなる。
自分の体の限度を理解した上でのプレーがケガをしない上でもさせない上でも求められるが、約2カ月実戦を離れていた選手たちがすぐにこの感覚を取り戻せるかという点については疑問符が残るのが正直なところだ。
先週末にトレーニングを再開したバルセロナでは、2日目にしてフランス代表DFサミュエル・ユムティティがふくらはぎを痛めて離脱。いくら自宅でトレーニングをしていても、グラウンドに出て走ること、ボールを使うことでは使う筋肉も変わり、このようなケースは他クラブでも頻発することが予想できる。
感染症のリスクという大きな問題を前にして、そちらばかりに注意を払ってしまいがちだが、リーグ再開に向けての健康上のリスクを鑑みただけでも、感染症以外のリスクが存在するということについて慎重に議論を重ねる必要があるのではないだろうか。
未だ再開時期に関しては議論されていないというJリーグでも、村井満チェアマンは「公平なトレーニングができるだけの期間はも設ける」と再開前の準備期間を設けることは11日の会見で語っていた。選手たちはどのように感じているのか、その不安を取り除くことも大事だろう。
《超ワールドサッカー編集部》
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