ACLプレーオフと新型コロナウイルス/六川亨の日本サッカー見聞録

2020.02.02 21:30 Sun
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Getty Images
Jリーグは昨日開催した理事会で、村井満チェアマン(60歳)の再任を承認した。任期は2年で、3月の総会で正式決定する。理事会の規約で任期は今回が最後となり、過去6年は組織改革を手始めに、DAZNと巨額の放映権契約を締結して財政面を立て直し、観客増などで貢献してきた。

さて今週は氷雨の降るなかで行われたACLプレーオフの、FC東京対セレス・ネグロスの試合を取材した。昨年のラグビーW杯の際は天然芝からハイブリッドへ張り替えたが、東京五輪のために再び天然芝に張り替えた。

その結果、まだ芝が根付いておらず水はけが悪いため、特にメインスタンド側のタッチラインはあちこちで水たまりができていた。パスもドリブルも狙い通りにいかず、両チームともキック&ラッシュの体力戦という展開に。

試合は室屋成のゴールで先制したFC東京が、試合終了間際の89分に磐田から獲得したアダイウトンが絶妙なループシュートで粘るセレス・ネグロスを突き放した。

セレス・ネグロスは2012年に創設されたクラブだが、リーグを3連覇中のフィリピンの強豪であり、代表選手も多く、日本人選手(1人はフィリピン国籍を取得)も2人いる。セネガル人FWのロペス・メンディは突破力もあるので、晴天のピッチだったらきっと面白い試合になったのではと思ったほどだ。

一方のFC東京は今シーズンから採用している4-3-3の布陣で戦い、ディエゴ・オリベイラや橋本拳人らはベンチ入りさえしなかったが、これはリーグとACLで2チーム分の戦力を整えてターンオーバーするからだろう。2月11日にはアウェーで蔚山現代戦が控えているが、誰がスタメンに名を連ねるのか、こちらも楽しみである。

鹿島がメルボルン・ビクトリーに敗れたのは意外だったが、年末年始も試合があり、選手だけでなく監督も代わったのだから、その実力を発揮できなかったのだろう。

といったところで本題に入ろう。中国で猛威を振るっている新型コロナウイルスである。すでに2月上旬に武漢で開催予定だった東京五輪の女子サッカー予選はオーストラリアに変更された。

でACLである。FC東京のグループFには上海申花が、神戸のグループGには広州恒大、そして横浜FMのグループHには上海上港といずれも中国勢との対戦が控えている。

すでに昨日30日、中国サッカー協会はスーパーリーグなど2020シーズンの各カテゴリーの全試合の開幕を延期すると発表。ACLも第1節から3節を中国国外での開催が決まったものの、選手やスタッフらの安全がどのように担保されるのかは明らかになっていないし、感染の拡大は広がるばかりだ。

さらにイランからも4チームがACLに出場するが、こちらは1月上旬にアメリカ軍がイランのソレイマニ司令官を殺害したのを発端に、同国周辺で安全上の不安が高まっているため、AFC(アジアサッカー連盟)が第1節から第3節までをイラン国外で開催すると29日に発表した。

果たして今シーズンのACLは無事に開催できるのか。予断を許されない状況だけに、今後もAFCの判断に注目したい。

【六川亨】
1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた、博識ジャーナリストである。
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