もういい加減、移籍の話は止めたい…/原ゆみこのマドリッド

2019.09.01 22:00 Sun
「もしかして大山鳴動して鼠一匹ってこと?」そんな風に私が呆れていたのは金曜日、お昼のニュースでバルサがネイマール獲得を諦めたかもしれないというニュースを聞いた時のことでした。いやあ、今週は毎日のように当人の顔がスポーツ紙のトップページを飾り、火曜などには移籍金1憶7000万ユーロ(約200億円)とデンベレのレンタルでPSGがOKしてくれそうだなんて話をしていたんですけどね。最後はこの夏のグリーズマン(アトレティコから移籍)獲得などで、1憶ユーロ(約120億円)の赤字が出ているクラブ財政から、そこまで払えないという結論に至ったって、大体、元からして、メッシ、ルイス・スアレス、デンベレが揃ってケガでいなくても先週末など、ベティスに5-2の大勝をしてしまうチームにネイマールが必要だった?
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いや、まあ、アトレティコなども散々、ロドリゴ(バレンシア)の入団がほぼ確定のように言われながら、結局、ミランとの交渉が平行線のままとあって、今週はずっと風邪で練習を休んでいるコレアが残る方向に進んでいるようですけどね。逆に急転直下で移籍が決まりそうなのはレアル・マドリーのGKケイロル・ナバスで、この週末のリーガ戦が済んだ後、移籍市場がクローズする月曜に移籍金1500万ユーロ(約18億円)と、第2GKとなるアレオラのレンタルを条件にPSGに移るのだとか。うーん、こういう人事異動に関しては正式発表されるまで、信じない方がいいというのは鉄則ですけどね。9月2日までのこの3日間、駆け込み移籍の多いマドリッドの弟分チームを含め、まだまだ油断ができないといったところでしょうか。そんなことはともかく、今週の一番の話題というと、やっぱりCLグループリーグの組み合わせが木曜に決まったことで、マドリーは皮肉にもナバスの新天地となりそうなPSG、そして昨季はお隣さんが1勝1分けだったクラブ・ブルージュ、そして長友佑都選手がいて、ファルカオ獲得の話も進んでいるガラタサライと一緒の組に。しかも9月18日の1節にパリのパルク・デ・プランスを訪ねるんですが、残念なことに来年夏、ペレス会長がギャラクティコ候補として狙っているエムバペは先日の負傷でプレーはまだできないよう。
対照的にその頃にはリーガ開幕前日にケガをしたアザール、先週のバジャドリー戦でふくらはぎを痛めたハメス・ロドリゲス、この水曜に太ももを痛め、今季のプレシーズン開始から、10人目の負傷者となったイスコも戻って来られそうなのはジダン監督にとって、心強いかと。もちろん問題はこの日曜午後9時(日本時間翌午前4時)からのビジャレアル戦には彼らに加え、ヒザの靭帯を断裂したアセンシオは当然ながら、ブライムもロドリゴも間に合いそうにないことなんですけどね。相手も初戦は昇格組のグラナダと4-4の引き分け、2節はレバンテに2-1と競り負けと、まだ調子を上げていないんものの、果たしてベンゼマ、ベイル、ビニシウスの3人でチームの失点を上回る得点を奪えるのかどうか。

ちなみに今週、マドリーにとってラッキーだったのは去年はUEFA欧州最優秀選手賞を受賞したモドリッチを始め、最優秀GKに選ばれたナバス、最優秀DFのセルヒオ・ラモス、最優秀FWクリスチアーノ・ロナウドと何人もの選手がCL組み合わせ抽選会と表彰式が行われるモナコまで、週中に出張しなければならなかったんですが、今年は最優秀選手候補の3人に選ばれたロナウドだけは参加していたものの、現在の彼はユベントスの選手ということで、バルデベバス(バラハス空港の近く)での練習には一切、差しさわりがなし。当人も最優秀選手賞をCLに優勝したリバプールのDF、ファン・ダイクに攫われ、投票2位だったメッシと並んでインタビューに答えるぐらいしか見せ場はありませんでしたが、今も彼がマドリーにいてくれたらと良かったのにと思ってしまうファンはおそらく、結構いるのでは?
え、ロナウドなら、9月18日、ワンダ・メトロポリターノで開催されるCLグループリーグ1節で見ればいいじゃないかって?はい、その通りで、実はアトレティコがユベントスと同じ組になったんですよ。いやあ、昨季のCL16強対決、2ndレグで彼にハットトリックを決められ、悔しい逆転敗退を喰らった後、一応、この夏のインターナショナル・チャンピオンズ・カップ(夏の国際親善大会)ではレマルとジョアン・フェリックスのゴールで2-1と勝利。リベンジはちょっとだけ、できたんですが、今度は公式戦で新生アトレティコの力を試せるとはまさに望むところ?

他は2014-15シーズンに16強対決で当たり、PK戦勝利でGKオブラクがレジェンドへの道を歩み始めるキッカケを作ったバイエルン・レーバークーゼン、そしてロコモティブ・モスクワという面々とあって、まあ、そんなに悪くないグループじゃないかと思ったんですが、一番、弱ったのは今季はマドリーとアトレティコのグループリーグ試合開催日が被ってしまったこと。ええ、ホームとアウェイには分かれるんですが、どちらも1試合を除いて午後9時キックオフですし、またしても頼りはオンダ・マドリード(ローカルラジオ局)の二元中継か、最近はネットで他試合を見ている記者も多いですからね。その近くに座れるかどうかってのも落ち着かなくてイヤなんですが、そういう年もありますって。

そんなアトレティコは今週、私がマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場に見学に行った水曜ダブルセッションの夕方の部と木曜午前のセッションでジョアンの姿がグラウンドに見えず、心配されたんですが、どうやら初体験のリーガで弟分のヘタフェ、レガネスから散々、ファールの洗礼を受けた後、負傷防止のためにジムごもりをしていたとかで、金曜には復活。いやあ、中にはプロフェ・オルテガ(フィジカルコーチ)が毎回、知恵を絞った複雑なサーキットトレーニングで、選手人形の間に立って、次々と投げつけられるボールを避けていた時なのかは知りませんが、ヒザを捻って、負傷者リスト入りしてしまったモラタのような不運なケースもありましたしね。

今週は丁度、ジエゴ・コスタのケガが治り、ロディの出場停止処分も済んだため、日曜午後7時(日本時間翌午前2時)からのリーガ3節、エイバル戦でもワンダのファンを楽しませることができるよう、ジョアンにはケガだけには注意してもらいたいところ。ちなみに開幕戦では昇格組のマジョルカに2-1と負け、次は同じ身分のオサスナと0-0という、ちょっと冴えないスタートをしたエイバルでは今季、出戻りとなった乾貴士選手もまだデビューしておらず。ここ2シーズン、ワンダでは引き分けていますが、アトレティコもセビージャと一緒にリーガで唯一、開幕2連勝したチームとして、お隣さんやバルサを見下ろせる期間をできるだけ長引かせたいといったところでしょうか。

ちなみに残りのスペイン勢、CL2チームのグループも告げておくと、バルサはドルトムント、インテル、スラビア・プラハ、バレンシアはチェルシー、アヤックス、リールという構成になっていますが、ヘタフェの出場するヨーロッパリーグのグループも金曜には決定。ええ、こちらはバーゼル(スイス)、クランスノダール(ロシア)、トラブゾンスポル(トルコ)となったんですが、あらあら。彼ら以外は皆、CL出場経験があるチームとはちょっとツイてない。といってもプレシーズンマッチではセリエA4位でCL出場権を獲得したアタランタを4-1と軽く破っているヘタフェですからね。そんなに悲観することはないんですが、10年ぶりとなるヨーロッパの戦いが始まるのは9月19日、コリセウム・アルフォンソ・ペレスでのトラブゾンスポル戦から。

まあ、その前にはボルダラス監督も「Nosotros estamos centrados en La Liga/ノソトロス・エスタモス・セントラードス・エンラ・リーガ(我々はリーガに集中している)」と言っていたように、この土曜午後7時にアラベスを迎えないといけないんですが、何せリーガでは初戦の兄貴分とのミニダービーで1-0と負けて、2試合目もアスレティックと1-1で引き分け。まだ勝ち点が1しかないヘタフェですからね。とりあえず、エースのホルヘ・モリーナも出場停止処分が終わって戻って来るこの試合では是非とも、今季初白星をファンにプレゼントしてあげてほしいもの。補強の方では金曜にはラス・パルマス(2部)から、ボランチのティモールの加入も決まり、あとは右サイドのアタッカーを獲るだけなんですが、こちらはまだ決まっていないようです。

え、それよりレガネスなんて、まだ勝ち点ゼロでもっと切実に勝利が必要なんじゃないかって?まあ、そうなんですが、どういう巡り合わせなのか、土曜午後9時からベニト・ビジャマリンで戦うベティスもまったく同じ状況。20チーム中、彼らだけが2連敗で19位と20位になっているんですが、まだまだリーガは始まったばかりですからね。ヘタフェに続いて兄弟分ダービーに屈したレガネスも、カンプ・ノウで大敗したベティスもここから仕切り直しといったところでしょうか。

そうそう、実は金曜にはスペインU21代表の2021年ユーロ予選最初の試合ための招集リスト発表もあったんですが、興味深いのはマドリー、アトレティコの2チームからは誰も呼ばれておらず、ヘタフェからはククレジャ、レガネスからはオスカルと1人ずつ、呼ばれていたこと。だんだん、こういう選手たちが増えていけば、マドリッドの弟分たちも実力的に兄貴分たちに近づいていけるのでは?

というか、金曜には9月5日にルーマニア戦、8日にフェロー諸島戦と、ユーロ2020予選に挑むA代表のメンンバーが発表されたんですが、その前日、ルイス・エンリケ前監督の9歳の娘さんが骨肉腫でとうとう帰らぬ人に。当人は3月のマルタ戦前夜に病気が発覚すると、その試合から、指揮をアシスタントだったロベール・モレノ氏に任せ、6月には代表監督も辞任。正式にモレノ氏が後任となって、初めての招集リストということで注目されていたんですが、この悲しいニュースを前にして、ラス・ロサス(マドリッド郊外)のサッカー協会本部での恒例記者会見も自粛されてしまったのは仕方なかったかと。

それでも一応、6月のリストからの変化をお伝えしておくことにすると、アセンシオ、イスコ、モラタのマドリッド勢は負傷中で招集されず。代わって、パコ・アルカセル(ドルトムント)とチアゴ・アルカンタラ(バイエルン)、サウール(アトレティコ)、スソ(ミラン)らが復活し、今季はセビージャからPSGに移ったサラビアとアスレティックのCB、ファビアン・ルイス(ナポリ)やセバージョス(アーセナル)、オジャルサバル(レアル・ソシエダ)と一緒に6月末にU21ユーロ優勝を果たしたウナイ・ヌニェスが初招集されています。

まあ、毎年のことですが、せっかくリーガ始まってもすぐ代表戦でparon(パロン/リーガの停止期間)に入ってしまうのは何なんですが、今年は中断がない2部にも香川真司選手がいるサラゴサやきっと、9月2日までには選手登録してもらえると信じたい岡崎慎司選手がいるマラガなど、試合が楽しみなチームがありますからね。ちなみに日本代表に招集された柴崎岳選手のいるデポルティーボは今週末、日曜午後6時からエスタディオ・バジェカスで今季は2部に戻ったラージョと対戦。1時間後にアトレティコvsエイバル戦が始まるため、私は行けないんですが、たまたまマドリッド訪問中の方など、覗いてみるのも一興かと思いますよ。

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