未来のなでしこジャパンを育成せよ!80歳になったサッカー小僧・小幡忠義の飽くなき挑戦2019.07.10 12:00 Wed

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©︎CWS Brains, LTD.
6月23日(日)に都立飛鳥高校女子サッカー部にて、『小幡塾』が開催された。この『小幡塾』を開催する小幡氏は、宮城県サッカー協会会長も務めた人物。人口わずか5万6千人の宮城県塩釜市から、昨年のアジアチャンピオンである鹿島アントラーズで活躍するMF遠藤康や、モンテディオ山形、ガンバ大阪などJリーグで活躍した佐々木勇人氏ら、多くのJリーガーを輩出してきた。

その指導は、単なるサッカーの技術だけにとどまらず、小幡氏が会得している古武術から学んだ体の使い方や姿勢など人間の行動原理に関わるような部分まで活用し、パフォーマンスの向上を図る。

今回の講座は、正確にボールが蹴られる『パラレルキック』とサッカーでの「認知・判断・処理」能力をアップする『Exerlights』を実際に体験してもらい、未来のなでしこたちを指導するという内容で行われた。なお、今回の『小幡塾』には飛鳥高校女子サッカー部の1年生に加え、数名の男子サッカープレイヤーも参加している。『パラレルキック』、『Exerlights』の詳細については後述したい。
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小幡氏による指導が始まる前から自然とボールを蹴りだす生徒たち、朝から降り続いていた雨も上がり、迎えた16時、いよいよ小幡氏がグラウンドにやってきた。

特別コーチがやってくると事前に聞いているとはいえ、15、6歳の女子高生からすれば小幡氏はただの”おじいちゃん”。やや怪訝そうな表情でチームメイトと顔を合わせている。

小幡氏は、グラウンドに集合した女子生徒たちに向かって、あいさつを早々に済ませると、一本の”ひも”を取り出す。
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ひもの効果を実感してもらうために、小幡氏は一人の女子生徒と正対する。女子生徒には、ひもをつけていない通常の状態で、手のひらを前に出してもらい、小幡氏が上から押すのを耐えてもらう。

小幡氏は御年80歳とは言え、空手道などの経験もあり、非常に力は強い。いくら鍛えている女子サッカー部の生徒でも、あっさり力負けしてしまう。当然だろう。

すると、「じゃあ、これつけてみて」と小幡氏が先程のひもを手渡し、同じ女子生徒に、腰のあたりにゆるく巻いてもらう。巻いたところで、同じように手のひらを前に出し、小幡氏が上から押すのを耐えてもらった。

するとどうだろうか、あっけなく小幡氏の力に押し負けていた女子生徒の手がビクともしないのだ。実際にひもを巻いている生徒も何がなんだから分からない様子。あまりの驚きに言葉を失ってしまっていた。

動揺している女子生徒たちに追い打ちをかけるかのように、小幡氏は他の女子生徒にも実践していく。結果は先程の生徒と同様に、ひもを巻いた途端、ビクともしなくなったのだ。
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この"魔法"のひもは、私も小幡氏が居を構える塩釜にお邪魔した際に体験したことがあるのだが、本当に不思議だ。ひもを体に巻くことで、余計な力が抜け、正しく筋肉が使われることで体のバランスが整うそうだが、何度経験しても毎度驚かされる。

ひも効果はてきめんで、女子生徒たちはいつのまにか小幡氏の話に目を輝かせ、食い入るように聞くようになっていた。

小幡氏のサプライズは、ひもだけに止まらない。古武術的な観点からの指導を披露し、かかとをあげながら数メートル歩くだけで、体に軸が出来上がり、押されても簡単にはバランスを崩さなくなることを示した。
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女子生徒たちはこれらをただ見るだけでなく、ペアを組んで実際に体験。普段気付くことのない体の不思議に驚いていた。

この時点で、まだ小幡氏がグラウンドに入ってから10分程度であったが、すでに女子生徒たちからは小幡氏が醸し出す"只者ではない感"を感じている様子が見て取れた。そして、続く指導で一気に虜になる。
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体の仕組みを体感させたところで、サッカーの指導に移っていった講座だが、まだサッカーボールは使わない。小幡氏は、「全員スパイクを脱いで」と驚きの発言をした。

さすがの生徒たちもややぽかんとしながらも、素直にスパイクを脱ぎ出し、横一列に並ぶ。そして小幡氏は、生徒たちに「靴飛ばし」をさせたのだ。

一斉に生徒たちが利き足のスパイクを、ひもを緩めた状態で履き、シュートモーションで思い切り飛ばしていく。生徒たちのスパイクは、遠慮もあったのかもしれないが、思ったより遠くには飛ばず、中には真上に上げてしまい、ほとんど距離が出ない生徒もいた。
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この「靴飛ばし」の狙いはそこにある。正しいフォームであればスパイクはしっかりと前に飛んでいくはずで、真上に飛んでしまうということはフォームが正しくない可能性が高いのだ。

具体的には、体重移動が最も重要な要素となる。蹴るタイミングでしっかり前に体重を移動できれば、靴は前に飛んでいく。逆に体重が後ろに残ってしまい、足だけの力で蹴ることになってしまうと、腰が下がり、体がやや上を向くために、靴が真上に飛びやすくなる。足だけの力で蹴るため、当然威力も弱まってしまうのだ。

コツとしては、蹴った直後に一度宙に浮くイメージだろうか。利き足の逆に当たる足も、"軸"として意識するのではなく、体重移動の一連の流れの一部でしかない。

実際、小幡氏は今回の講座の中で幾度となく、「軸足は置くな」と強く指導していた。日頃から軸足を置くのが当然だと思っている生徒にとって、軸足を置かないことは相当の違和感を覚えるだろう。踏ん張らないと強いボールを蹴れないという固定概念が覆される瞬間だ。

それぞれの女子生徒たちが小幡氏の指導を受けていく中で、徐々に飛距離が伸びていく。最初は遠慮がちだったフォームもダイナミックになっていき、スパイクは美しい放物線を描いていく。気づけばグラウンドの反対側にある柵にスパイクがぶつかる「ガシャン」という音がひっきりなしに聞こえてくるようになった。

後はボールを置いてもやることは同じだ。「靴飛ばし」の時と同様のフォームでボールを捉えていく。これまで、しっかり軸足を作って蹴っていた生徒にとっては、ボールを芯で捉えることがやや難しくなり、いざボールを蹴るとなると、蹴るポイントがずれ、軌道が左右にずれてしまうことが最初は多かった。

しかし、綺麗にヒットした際の、飛距離は見違えるほど伸びており、飛鳥高校女子サッカー部の顧問である金澤先生からも「すげー」という驚きの声があがっていた。このキックこそ、今回小幡氏が教えようとしていた『パラレルキック』の正体である。
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さらに、講座の難易度は上がり、次は動いているボールを捉えていく。ゴール正面からドリブルで持ち上がり、相手をかわしてシュートを打つ練習だ。ここで大事なのは、相手を抜き切るのではなく、シュートコースを作って打つということだ。ここで、これまでの練習やフォームが活きてくる。

どうしてもしっかりと軸足を置いて、シュートという流れだと、シュートまでにワンテンポ遅れるために相手ディフェンダーに時間を与えてしまうのと、靴飛ばしの時と同様に軸足でない方の足の力に頼るため、腰が下がり、シュートをふかしてしまいやすくなる。
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一番の模範解答はバルセロナのアルゼンチン代表FWリオネル・メッシなのではないだろうか。振りが小さいために相手ディフェンダーを抜いてからすぐにシュートが打て、しっかり体重移動ができているためにシュートスピードは落ちない。

小幡氏は“サッカーの王様”ペレのシュートモーションからこの『パラレルキック』の着想を得たと言っていた。その時、小幡氏が「一流」を見るべき、知るべきと常々言っていたことを思い出した。それは単なる口先だけの言葉ではなく、小幡氏の指導の根幹にあるものだ。

実際、小幡氏は1970年当時ほとんど見ることができなかったペレのプレーを見るために、大卒の初任給が4万円前後だった時代に、50万円の「ビデオデッキ」を購入し、「一流のプレー」を目に焼き付けた。

女子生徒たちが、入れ替わり立ち替わりシュートを撃っていく中、「腰が下がったー」、「ワンステップ余計」、「軸足置かないよー」という小幡氏の厳しい声が飛んでいく。それと同時に、綺麗なフォームでシュートを撃てた生徒には「いいねー!」、「キレイ!」という賞賛の声も惜しまなかった。生徒が理想のフォームでシュートを撃てた時は、生徒本人よりも小幡氏の方が喜んでいるようにも見えた。
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最後に、サイドからカットインで切れ込んでからのシュート練習を行い、小幡氏の『パラレルキック』の指導は終了した。

小幡氏の指導を受けた生徒たちは、自身の成長を実感したのか、講座が終了しても自ずとゴールに向かってシュートを蹴りこんでいく。そのシュートは未来のなでしこジャパンへの道となっていくのだろう。

今回の講座を通し、小幡氏は「日本の指導は凝り固まっている」「自分自身でなぜこうなるのかを考えてほしい」ということを生徒だけでなく保護者に対しても伝えていた。「育成」の強化が叫ばれる昨今のサッカー界。そんな中、自身の信念をブラさずに育成指導に長年携わってきた小幡氏の、本気で未来のなでしこジャパンを育てたいという想いを強く感じさせられた。

ちょうどこの『小幡塾』が開催された前後、サッカー日本代表は招待国枠として南米王者を決める戦い、「コパ・アメリカ」に参加していた。結果は、2分1敗でグループステージ敗退であったが、「小幡氏の指導を受けていれば…」と思わせるシーンも多く見られた。
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現在の日本のサッカー界、特に育成の分野の現状に疑問を呈する小幡氏。だが、現状をどうにもならないと見限り、ただ手をこまねいて黙り込む、あるいは遠くから批判の言葉を投げかける、そんな諦めに近いようなことはせず、小幡氏は、日本サッカー界の未来を真剣に見つめている。

御年80歳になった小幡氏だが、その挑戦はまだまだ続いていく。
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とうとう試合が始まる…/原ゆみこのマドリッド

「クラブの人も面倒臭くなったのかな?」そんな風に私が首を捻っていたのは木曜日、先週はマドリッドのクラブの新入団選手プレゼンのため、ほぼ毎日、出ずっぱりだったのとあまりに対照的で何もなく、退屈していた今週、ようやくアトレティコでトリッピアーのお披露目があると聞き、いそいそとワンダ・メトロポリターノに向かったところ、プレス・コンファレンス・ホールの舞台に立った司会者が、「今日は新しい選手を2人、紹介します」とアナウンスしているのを聞いた時のことでした。 いやあ、確かに話の流れとしては、オフシーズンのかなり早い時期から噂になっていたエルモーソの方は火曜にはもう、すでに交渉がまとまり、数時間のうちに移籍決定のオフィシャル声明が出るだろうと言われていたんですけどね。ところがその夜、当人はルビ監督がベティスに河岸を変えた後、Bチームから内部昇格したダビド・ガジェゴ監督率いる新生エスパニョールのプレシーズンマッチ、ペララダ(3部)戦に出場。 そうこうするうち、翌日には伏兵、トリッピアーの入団が先に発表されたため、木金連続プレゼンになるのかと思っていたところ、さすがに6月末から始まったマルコス・ジョレンテ(レアル・マドリーから移籍)を皮切りにフェリペ(ポルトから移籍)、エクトル・エレラ(同ポルト)、ジョアン・フェリックス(同ベンフィカ)、ロディ(同パラナエンセ)、サポンジッチ(同ベンフィカ)と、6回もプレゼンで祝辞を読んでいたセレソ会長もそろそろ、バケーションを取りたくなった? ま、そんなことはともかく、残念にも一足違いで火曜の夜にあったロス・アンヘレス・デ・サン・ラファエル(マドリッドから1時間の高原リゾート)でのキャンプ恒例、セゴビア(ローマ水道橋で有名な観光地)のレストラン、ホセ・マリアでのコチニージョ(子豚の丸焼き)ディナー(https://bit.ly/2JBZiqG)を逃してしまった、この2人の新戦力がどんな選手なのか、一応、説明しておくことにすると。プレゼンで最初に紹介されたトリッピアーはトッテナムから移籍金2200万ユーロ(約27億円)で獲得した右SB。クラブ史上、95年ぶりとなる2人目のイギリス人選手ということで、まだスペイン語も全然、話せないんですが、ファンフランの退団後、アリアスだけではちょっと心配だったポジションを、イングランド代表で昨年のW杯ベストイレブンにも選ばれた28歳が経験で補ってくれることに。 いやあ、当人にしてみれば、昨季はそれこそ、このワンダでCL決勝に挑み、リバプールにトロフィーをさらわれてしまっただけにいい思い出はないはずですけどね。今季は2度のCL決勝負けを経験しているシメオネ監督と共に初優勝を目指してくれるのでは?エルモーソの方はすでに何度かスペイン代表にも招集されている24歳のCBで、こちらはジョレンテ同様、RMカスティージャ(マドリーのBチーム)の出身。移籍金2500万ユーロ(約30億円)のうち、お隣さんに半額の1250万ユーロが渡るのは別として、当人は実家のあるマドリッドに戻って来られたのが何より嬉しかったよう。 実際のところ、彼にはゴディン(インテルに移籍)の抜けた穴を塞ぎ、更には契約が満了したフィリペ・ルイスが帰って来るという話も一向に聞かないため、21才と若く、しかもヨーロッパ初経験のロディだけでは不安だった左SBもカバーするという、今季からバイエルンの一員となったリュカと同じ役割が期待されているんですが、果たして両名共、シメオネ監督の高い要求にすぐに応えることができるのかどうか。いえ、体力的には一応、前者はリーガより早い8月9日のプレミアリーグ開幕、後者など、7月25日にあるヨーロッパリーグ予選2回戦を目指してプレシーズン練習を始めていただけに、あまり心配ないとは思いますけどね。 だからって、プレゼン後、夕方のセッションでは2人共、早速、レギュラー組でpartidillo(パルティディージョ/ミニゲーム)をしていたっていうのも凄いですが、これでとりあえず、守備陣の補強が完了したアトレティコは金曜に地獄のLAキャンプを打ち上げ、この夏、最初の小手調べ、2部のヌマンシアとブルゴス・デ・オスナでのヘスス・ヒル・ヒル杯で土曜に実戦デビュー。いえ、まだ大物、ハメス・ロドリゲス(バイエルンへのレンタルが終わってマドリーに帰還)の獲得を狙っているなんて話はあるんですけどね。とはいえ、ここまで大量にメンバーが入れ替わったとなると、もうファンとしては、新チームがどんな感じなのか、早く試合で見せてもらいたいと思うばかり。 1憶2700万ユーロ(約154億円)で加入したジョアン・フェリックスもそうですが、順調にトレーニングを続けているジエゴ・コスタやモラタがグリーズマン(バルサに移籍)分のゴールを補ってくれるのかも気になりますしね。ヌマンシア戦の後はアメリカに飛んでインターナショナル・チャンピオンズ・カップ(夏の親善大会)に参加、テキサスでのチバス戦、ニュージャージーでのマドリーダービー、オーランドでのMLSオールスターズ戦、そしてメキシコの弟分、アトレティコ・サン・ルイスとも手合わせてすることになっている彼らですが、その頃にはカリニッチやコレア、ビトロら、放出予定選手の行き先も決まっているのでしょうか。 一方、先週からカナダのモントリオールでキャンプを続けているお隣さんはどうしているのかというと。いやあ、あちらも6月中から、ヨビッチ(フランクフルトから移籍)、アザール(同チェルシー)、ロドリゴ(同サントス)、メンディ(同オリンピック・リヨン)と新入団選手のプレゼンが目白押しで、先日もミリタオ(同ポルト)のお披露目がサンティアゴ・ベルナベウであったんですけどね。最後の大物、ジダン監督ご執心のポグバに関してはマンチェスター・ユナイテッドが1億7000万ユーロ(約206億円)だの2億ユーロ(約242億円)だのと、移籍金を吹っかけて、徹底抗戦の姿勢を貫いているため、本当に来ることになるとしても今、しばらく時間がかかる気配。 それより大変なのは、ここまでマルコス・ジョレンテ、コバチッチ(チェルシーに完全移籍)、ラウール・デ・トマス(ラージョへのレンタルが終わり、ベンフィカへ移籍)、テオ(同レアル・ソシエダからミランへ)と前述のエルモーソの分で1憶3750万ユーロ(約166億円)までは売却益を上げたものの、それ以降が停滞。まだ目標額の3億ユーロ(約363億円)には程遠いとあって、月曜にはペレス会長が直々、キャンプ地に乗り込んで人員整理の陣頭指揮を執ることに。いえ、お兄さんのお葬式に一時帰国していたジダン監督がキャンプに再合流したのは火曜の練習からだったんですけどね。 翌日、練習場を借りているモントリオール・インパクトのホーム、スタット・サプトでの有料公開練習も20カナダドル(約1650円)の入場券は完売御礼。2万人のファンが詰めかけ、セッション後はグラウンドでのトレーニングには参加しなかったセルヒオ・ラモスまで、ファンサービスに精を出すなど、大成功に終わったんですが、現在30人近くいるトップチームの選手を25人に減らすまでにはまだまだ、長い道のりが待っているかと。 ええ、レギロン(セビージャにレンタル)、ジダン監督の次男、GKルカ(同ラシン・サンタンデール)の他、セバージョス、マジョラル、バジェホらU21ユーロ優勝のスペイン代表メンバーの貸し出し先も探さないといけませんしね。7月末にはコパ・アメリカ参加組も戻って来ますし、このままだと新入団選手の背番号も決められないのはマーケティング的に痛いかと。ちなみに最近の報道を見ていると、どうやら放出確定だったベイルはトッテナムからレンタルの問い合わせが来ている程度、更に当人の残留意志が固いため、動かない可能性が高くなっているようですが、今季はクルトワが第1GKと決まった後、移籍すると思われていたケイロル・ナバスもクラブとの退団条件が折り合わず、このまま残ることになるよう。 そこでフロントはイスコやアセンシオ、ルーカス・バスケス、マリアーノらにいいオファーが来ることを祈っているらしいんですが、とにかく頭数の多い前線は大変ですよね。おかげで今季こそ、トップチーム所属になるものと思われたビニシウスがRMカスティージャで登録されていたり、今季入団した1歳年下のロドリゴも同様。久保建英選手なんて、18歳なら制度的に可能ということでフベニルA登録になってしまいましたが、キャンプでは評価が赤丸急上昇中とはいえ、ジダン監督のチームでプレーする場合、彼には外国人選手枠というハンディキャップも。 ええ、昨季、RMカスティージャから昇格したウルグアイ人のバルベルデはもうすぐスペイン国籍が取れる見込みのようですが、ビニシウス、そして今季加入のロドリゴとミリタオもEU外選手ですからね。3人までしかプレーできないため、何だかややこしいことになりそうですが、今はただ、何の制限もないインターナショナル・チャンピオンズ・カップの試合がこの週末にはもう、見られることを喜ぶばかりかと。はい、木曜のセッションでモントリオールでのキャンプを終了する彼らは翌日にはヒューストンに移動。日曜午前2時(日本時間午前9時)という変な時間ですが、相手はバイエルンとなれば、夜更かしする価値はある? うーん、来週火曜のアーセナル戦、金曜のアトレティコ戦も幸い、スペインではRMTVが生中継してくれることになり、問題は時間だけなんですけどね。いえ、現在はバレンシア州のオリバ・ノバ・ビーチ&ゴルフ・ホテルでキャンプ中、昨季はトップチームのEL出場圏獲得に貢献しただけでなく、Bチームでも2部B昇格の立役者になりながら、今年も所属はBチームのままとなった19歳のウーゴ・ドゥーロの髪を先輩たちがメチャクチャに剃り上げてしまったビデオなどは出回っていたものの、土曜のイベリア・カップ準決勝、アルガルベ(ポルトガル南部)であるポルティモネンセ戦の中継があるかないかもわからない弟分チームのヘタフェや、この週末も土曜午前9時から、シュダッド・デポルティーバ・ブタルケで今季から2部の弟分となったフエンラブラダ戦を入場料無料で実施、でもマスコミには注目してもらえないレガネスなんかよりは全然、いい扱いなんですが、はあ。できれば、プレシーズンマッチはヨーロッパでやってほしいものの、兄貴分には兄貴分のマーケティング的都合があるんでしょうね。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2019.07.19 12:00 Fri
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疑惑のジャッジの舞台裏/六川亨の日本サッカー見聞録

JFA(日本サッカー協会)は7月18日、今年で2回目となるレフェリーブリーフィングを実施した。今回のブリーフィングまで、J1とJ2、J3にルヴァン杯のグループステージ、そして天皇杯を含めて137試合でJクラブと意見交換(疑問の残る試合について検証すること)を実施し、そのうち27パーセントがミスジャッジであることを明かした。 その上で小川佳実審判委員長は今月13日の横浜FM対浦和戦での誤審について、17日に審判委員会を開いて事情説明をしているので、今日は議題から省くと冒頭の挨拶で語った。 疑惑のシーンは、ワンツーで左サイドを突破した遠藤のクロスに、ファーサイドにいたFW仲川とDF宇賀神がもつれながら決めたゴールである。松尾一主審はゴールを認めたものの、浦和の抗議を受けて審判団は協議の上で仲川のオフサイドによりノーゴールとジャッジを覆した しかし9分間の協議の末、再び横浜FMのゴールと認めたのだった。 その経緯を小川審判委員長は、「ゴール直後、第1副審と第4審判がクラブ(横浜FM)の運営から入手した情報(得点者が誰か)をもとに、判定をオフサイドに変更した。主審は、その後審判団と協議する中で、本来得てはいけない審判団以外の情報だと認識し、再びゴールに判定を戻した。両チームの監督に事情説明などをし、試合を再開させた」と説明した。 要するに、本来ジャッジは4人の審判団で下さなければならない。にもかかわらずピッチ外から情報を経てオフサイドと判定を覆したことは、競技規則上、許されることではない。そこで仲川のオフサイドと認めつつも、元の判定であるゴールに戻さざるを得なかったわけだ。 ちなみに浦和の選手交代はプレーに直接関係ないので、次のプレーを再開する前であれば判定を変えることはできるそうだ。 ちなみにレフェリーブリーフィングでは「オフサイド」のテーマで問題のシーンを再現し、仲川はオフサイドポジションにいて、なおかつ手で押し込んでいた。 そして問題はここからである。松尾主審は横浜FMのポステコグルー監督と浦和の大槻監督の2人と両チームの選手に対し「審判が持っている情報で変えたのではなく、変えるきっかけになった情報が外部からのものだと分かったので、申し訳ないが、最初の得点を認めた判断に戻させてください」と説明したという。だから選手らも納得してプレーを再開させたのだろう。 ところが試合後に槙野が「運営が決めること」とメディアに話したことで混乱が広がった。素朴な疑問としてジャッジは審判団が決めるのが常識だ。しかし切り取られた発言で、あたかも決めたのは「運営」との誤解を招いた。 試合後の両チームの監督も、事情が事情だけに59分のシーンについては「ノーコメント」を貫いた。不確かな情報がメディアを通じて拡散された結果、さらなる疑惑を招いたことは否めない。 ミスジャッジの被害者は両チームの選手と監督だが、観戦していたファン・サポーターも事情を知らされていないだけに「?」のジャッジに混乱したことだろう。 大相撲のように場内アナウンスで説明することは難しいかもしれないが、VAR導入までに何らかの策を審判委員会は講ずるべきだろう。 この日、説明を行った上川氏は追加副審がいたとしても、その位置では「選手の背中しか見えないため正確なジャッジは下せなかっただろう。副審からも背中越しのプレーなので正確なジャッジを下せたかどうか。もう少し主審がペナルティエリアの角あたりに移動していれば(仲川と宇賀神の競り合いを)見えていたかもしれない」と述べていた。 ちなみに審判委員会は誤審の松尾主審には1か月の割り当て停止、外部から情報を得た第1副審の相楽亨氏と第4審判の大坪博和氏に1か月の資格停止、第2副審の田尻智計氏は1試合の割り当て停止の処分を科した。<hr>【六川亨】1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた、博識ジャーナリストである。 2019.07.18 19:10 Thu
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こんなにたくさん選手がいなくなって大丈夫なんですかというご質問にお答えして!? の巻/倉井史也のJリーグ

てかね、本当にシーズン途中で大丈夫なんですか? だって膨らんだ賞金を狙いに、前半戦で様子を見て、夏に戦力補強して終盤戦に向かうってことじゃないの? ところが今年のJリーグはやたらチームから出て行く人が多いんじゃないですか。18日現在で判明している移籍で、「入」のほうが「出」より多いって、湘南と松本ぐらい。あとはいなくなっちゃう選手のほうが多いんですよ。 これって、とりあえず抱えてスタートして強化費捻出のために移籍を使うってこと? にしても主力選手がいなくなるって、マイナスじゃないの? Jリーグが今、草刈場になってるってことですか? そんな中でもこの夏の大激震といえばG大阪。宇佐美貴史が戻ってきたのはうれしいニュースだったけど、今野泰幸、中村敬斗、藤本淳吾、ファン・ウィジョ、田中達也、オ・ジェソク、野田裕喜って、シーズン終わったとき並みに出してるでしょ? そもそも19節終了時に勝点23のG大阪が絞り込んで大丈夫なんですかっちゅうことなんですよ。監督の構想がちょっとでも狂ったときに助けてくれるベテランって、これから先に使い勝手がよくなる選手じゃないですか。 てなことで、19節終了時、勝点23だったチームが最終的にどうなったか過去のシーズンで調べてみましょ。 【2005年】 勝点23なし 【2006年】 横浜FM(9位)、名古屋(7位) 【2007年】 FC東京(12位) 【2008年】 大宮(12位)、清水(5位) 【2009年】 山形(15位) 【2010年】 勝点23なし 【2011年】 勝点23なし 【2012年】 勝点23なし 【2013年】 清水(9位) 【2014年】 勝点23なし 【2015年】 神戸(12位) 【2016年】 仙台(12位) 【2017年】 勝点23なし 【2018年】 勝点23なし なな、なんと。J1が18チーム構成になった2005年以降の14シーズンで、19節を終えて勝点23というチームがあったのは7年だけ!! しかもその7年とも勝点23を稼いでいたチームは優勝してない!! どころか降格もしてない!! つまりG大阪はこのままごゆるりとシーズンを終えられれば、無事来年もJ1ってことになってるんですよ。さすが知将、宮本恒靖監督。きっとこういう統計データももっていらっしゃるのでしょう。もしかしてこのコラムも読んでいたりして。それはないな。<hr>【倉井史也】 試合当日は、はやる気持ちを抑えられずスタジアムに受け付け開始と同時に駆けつけ、選手のバスが両方行ってしまうまで名残を惜しむ。自慢は対戦カードの因縁をよく覚えていること。特にサポーター寄りのネタが得意。パッと見は若いが実は年齢不詳のライター。 2019.07.18 15:05 Thu
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海外移籍について思うこと/六川亨の日本サッカーの歩み

先週土曜のJ1リーグ、横浜FM対浦和戦で、横浜FMの仲川のゴールを巡って約9分間、試合が中断した。主審は、一度はゴールを認めながらもオフサイドとしてノーゴールになったところ、再びゴールと認定したのである。 主審は「(判定は)運営が決めているから」と発言したと試合後の選手たちは話していた。ゴールかどうかを判断するのは主審の役割である。ここで微妙なのは、ゴールの再認定したあとに浦和の橋岡が山中と交代している点である。もしも「やっぱりオフサイドでした」と判定を覆そうにも、すでに交代が成立し、ゲームは次の局面に移っている。 こうなると「ルールの運営(運用)上」得点を取り消すことはできない(交代を元に戻すことはできないから)。 こちらについては木曜に定例のレフェリーブリーフィングがあるので、そこで説明があったら紹介したい。 さて、J1リーグは移籍のウインドウがオープンした。アメリカでキャンプ中のレアルの久保の評価は日に日に高まるばかり。そして安部(バルセロナ)、安西(ポルティモネンセ)に続きG大阪の大型FW中村もトゥエンテへの期限付き移籍が濃厚と、日本は若手選手の海外流出が止まらない。 そのG大阪だが、得点源のファン・ウィジョがフランスのボルドーへ、SBのオ・ジェソクがFC東京へ、さらにはMF田中が大分へ完全移籍、元日本代表の藤本もJ2京都への移籍が決定的と選手の流出が止まらない。ファン・ウィジョ以外は主力選手ではないものの、選手層の低下は否めないだろう。すでに復帰した宇佐美に加え、井手口が復帰するという噂もあるが、出場機会に恵まれていなかっただけに、どれだけ試合勘を取り戻せるかに不安が残る。 他にも代表クラスではFC東京のCBチャン・ヒョンスがサウジアラビアのアル・ヒラルに完全移籍した。 チャン・ヒョンスは昨シーズンの夏にも移籍の噂はあった。しかし当時はチームのキャプテンを務め、優勝争いにも絡んでいたため、さすがに周囲も移籍に猛反対したことで断念した経緯がある。今シーズンも首位で優勝争いの渦中にいるなかでの移籍とあって、ファン・サポーターに挨拶することなく日本を後にした。 出て行く選手が多いなか、残念なのは移籍ウインドウがオープンしても大物外国人選手の名前がほとんど出てこないことだ。まだヨーロッパの主要クラブの移籍が落ち着いていないのもその一因かもしれないが、シーズンも折り返し地点を迎え、チームのプレースタイルも確立されているだけに、ピンポイントでの補強には難しいものがあるのかもしれない。 明後日の17日には、9月から始まるカタールW杯のアジア次予選の組み分け抽選会が実施される。果たして日本はどの国々と戦うことになるのか興味深いところだ。 今日7月15日はロシアW杯の決勝戦、フランス対クロアチア戦が行われた日でもある。「ロストフの悲劇」を実感した西野監督がタイの監督に就任したら、日本との対戦は注目度を集めるだろうし、カンボジアの監督は相変わらず本田だ。W杯アジア予選で日本人監督の対決も見てみたい気がする。<hr>【六川亨】1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた、博識ジャーナリストである。 2019.07.15 18:45 Mon
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去る者は追わず…/原ゆみこのマドリッド

「思ったより早かったわね」そんな風に私が戸惑っていたのは日曜日、柴崎岳選手のデポルティーボ移籍が決まったというニュースをマルカ(スポーツ紙)のサイトで見つけた時のことでした。いえ、先週木曜にはコリセウム・アルフォンソ・ペレスに出向き、リーガ5位でヨーロッパリーグ出場権を勝ち取った37歳のホルヘ・モリーナを筆頭に32歳のアンヘル、30歳のマタらのFWトリオに32歳で加わり、いよいよ30代カルテットとして、ユーロヘタにゴールを供給することになったエリック・ガジェゴ(ウエスカから移籍)のプレゼンを見てきたんですけどね。 その時にスポーツ・ディレクターのアンヘル・マルティン氏が「ガクの移籍交渉はかなり進んでいて、来週ぐらいには」と言っていたため、週末は呑気に構えていたものの、いやいや。柴崎選手がもうヘタフェの練習に加わることはないとも聞いたものの、丁度、チームはその日の夕方からプレシーズンの練習を開始。そこで私も金曜の朝は早起きして、といってもホームページの予定表に出ていた午前9時には間に合わず、10時過ぎに着いたところ、偶然にもジムを終えた選手たちがスタジアムから出て、練習場に歩いていくのに遭遇することに。 案の定、セッションはフィジカルが中心で、最後の方ではグラウンドを1周した後、そのままDF陣とオフェンス陣が対決するという、非常に疲れる演習をしていて、いえ、別に私やスタンドで眺めていた10人程のファンは日影にいたため、大丈夫だったんですけどね。直射日光にさらされっぱなしの選手たちにはかなり効いたんじゃないかと思いますが、幸いながら、その日には夕方の部もあるダブルセッションだったせいか、1時間15分とボルダラス監督にしてみれば、かなり短めだったのは救いだった? 昨季は途中から、ソシオ(協賛会員)しか、練習が見られなくなってしまっていたものの、その日は誰でも入れるとあって、引き上げる選手たちにファンがサインや写真を頼むお馴染みのシーンも展開されていたんですが、もうこの場所で柴崎選手に会えないというのは残念至極。うーん、ヘタフェにいた2年間で出場したのが31試合だけでは仕方ないんですけどね。移籍先のデポルティーボはリーガ2部6位で6月にはプレーオフを戦い、マラガには勝ったものの、最後はマジョルカに負けて1部昇格が果たせなかったのはともかく、練習場のアベゴンドはラ・コルーニャ(スペイン北西部の港町)からタクシーでしか行けない、ちょっと辺鄙な場所にありますからね。 プレシーズン練習開始はこの月曜からで、コパ・アメリカ参加の後、バケーションを取っていた当人も近日中に参加するようですが、いえ、別にスペイン観光旅行中に柴崎選手の試合も見たいと思っているファンが諦めることはないんですよ。マドリッドはスペインサッカーのメッカで、1部チームが4つあるだけでなく、今季から昇格したフエンラブラダを含めて、1年でUターンしたラージョ、そしてアルコルコンと2部にも3チームが所属。しかも3節のある9月1日の週末には早速、エスタディオ・バジェカスでラージョ戦、11月3日の週末はエスタディオ・フェルナンド・トーレスでフエンラブラダ戦があるため、その辺を狙うのもいい手かと。 まあ、何よりは5年契約を結んだ柴崎選手が貢献して、老舗のデポルティーボを3年ぶりの1部再昇格に導いてくれることなんでしょうが、また話をヘタフェに戻すと、チームは2日間、地元で練習しただけで、日曜にはバレンシア州にあるオリバ・ノバ・ビーチ&ゴルフ・ホテルに移動。あちらでキャンプを行って、来週土曜にはポルトガル南部のポルティマンで開かれるコパ・イベリカ(夏の親善大会)の準決勝ポルティモネンセ戦でプレシーズンマッチをスタートさせると、翌日にはポルトvsベティス戦の勝者or敗者と決勝or3位決定戦をプレーすることに。 マドリッドに戻った24日には練習場で、残念ながら、1シーズンだけでまた2部Bに落ちてしまったラージョ・マハダオンダ(ラージョ・バジェカーノとは別クラブ)との親善試合も行われるため、その頃にはだんだん、新チームの形も見えてくるかと思いますが、さて。昨季はケガでシーズンを丸々棒に振ったベルガラ、後半戦に出られなかったアマトなど、9月に始まるヨーロッパリーグに備え、頼りになりそうな選手たちが復活してきたのは心強い限りですよね。 え、練習が始まったばかりのヘタフェに比べ、土曜にはもう最初のプレシーズンマッチをやるなど、お隣さんのレガネスは一歩、先を行っていないかって?そうですね、私も今度は試合ということで妥協せず、朝9時にはインスタラシオン・デポルティバ・ブタルケに着いていたんですが、すでにスタンドが満員に近かったって、いやあ、レガネスファンの勤勉なことといったら、もう。 おそらく練習試合ということで入場料を取らなかったのも影響していたんでしょうが、何せ、キックオフも15分程、遅れるわ、今季はまた1部昇格を目指す、パコ・ヘメス監督率いるラージョなんて、選手たちが練習着で背番号もついてないわ、25分にお水休憩を取った後、スコアボードの時間がまたゼロから始まるわとイレギュラーなことが幾つもあったんですが、やっぱり迫力ありますよ、かぶりつきの位置でプロ選手たちのプレーを見るのって。 それどころか、時々、スタンドに凄い速さでボールが飛び込んできて、身の危険を感じた程だったんですが、先手を取ったのは前半23分、ベベのラストパスをヨニ・マティエルが決めたラージョ。彼らはどちらのチームも選手総入れ替えとなった後半20分にもポソのゴールで2点にリードを広げたんですが、その1分後にはレガネスが1部リーガ3年目の貫禄を示すことに。ええ、ブスティンサが自陣から放り込んだロングボールに合わせたサビン・メリーノが1点を返すと、ロスタイムにはグンバウが見事な直接FKを決め、最後は2-2で引き分けているんですから、しっかりしているじゃないですか。 気になるのはブライトバイト(ミドルスブラ)、カリージョ(サザンプトン)ら、EL出場圏まであと少しだった昨季のレガネスの前線を担った選手たちのレンタル期間が終わってしまい、また借りてくるのが難しかったり、コパ・アフリカでモロッコ代表が敗退して、現在、バケーション中のエン・ネシリも残留できるのかわからないといったように、まだFW陣が全然、不足していることですが、こちらも昨季は負傷で1試合も出られなかったキャプテンのシマノフスキがプレーできるようになっていたという朗報が。 ラウール・デ・トマスが修業期間を終え、レンタル元の兄貴分からベンフィカに売られてしまったラージョもエンバルバや契約を延長したマリオ・スアレスら、お馴染みの顔が結構、あったため、また1部に戻って来られるように頑張ってほしいかと。ちなみに朝9時キックオフのレガネス練習試合はこの先も来週土曜にフエンラブラダ戦、31日にもアルコルコン戦と、2部の弟分たちとの対戦が組まれているため、せっかくマドリッドに来たからにはプレシーズンでもサッカーを見たいというファンの方々にお勧め。この時間だと、丁度、スタンドが日影になりますしね。去年、長男のエンソを応援に、ジダン監督も観戦に来ていたラージョ・マハダオンダ戦では真正面から西日を浴び、脱水症状を起こしそうになった経験からすると、早起きは三文の徳というのは本当ですね。 え、フエンラブラダへ移籍の噂もあった次男のルカもラシン・サンタンデール(2部)へのレンタルが決まったし、充電中だった昨年と違い、この夏は仕事があるんだから、もうジダン監督をレガネスの練習場で見かけることはないんだろうって?その通りで火曜から、マドリーはカナダのモントリオールでキャンプしているんですが、実は先週金曜に異変が発生。ええ、家族に不幸があったとかで、帯同していた奥さんと四男のエリアス君、友人らと一緒にジダン監督が緊急帰国してしまったから、驚いたの何のって! これじゃ、まるで3月にルイス・エンリケ監督がスペイン代表を離脱した時みたいじゃないかと思ったんですが、両者の事情はまったく違い、重病の娘さんの側を離れられなくなって、3カ月後に辞職したルイス・エンリケ監督に対し、ジダン監督の方は長患いだった兄、ファリドさんが死亡。悲しいことには変わりありませんが、早ければ来週金曜に予定されているスタット・サプト(モントリオール・インパクトのホーム)での公開練習、遅くともインターナショナル・チャンピオンズ・カップ(夏の親善大会)最初の21日、バイエルン戦前までには戻って来る予定というのは、選手やファンにとって、良かったかと。 その間、モントリオール・インパクトの練習場でトレーニングを続けるチームはベットーニ第2監督が指揮するんですが、あちらも今は体力作りがメインですからね。インテルに移ったピントゥス氏の後任となったデュポン・フィジカルコーチが、先週水曜にサンティアゴ・ベルナベウでプレゼン。コパ・アメリカ優勝のブラジル代表でお祝い漬け直後に到着し、時差呆けもあって、スタンドのファンにボールをプレゼントする際、1度も足を使わず、全部手で投げていたのはともかく、記者会見中に気分が悪くなって退席したミリタオ(ポルトから移籍)はバケーションに入ってしまいましたが、この夏、到着したアザール(同チェルシー)やヨビッチ(同フランクフルト)、メンディ(同オリンピック・リヨン)、ロドリゴ(サントス)らも含め、ガンガンしごいてくれていますから、心配する必要はまったくない? そしてキャンプ初日に27人来た取材陣のうち、日本のマスコミが12人もいたことで注目の的になっていた久保建英選手もしっかり練習に励んでいるようですが、まあその辺は私より、今は日本にいるファンの方が情報を得やすいかと。それでもこの日曜など、AS(スポーツ紙)の表紙が久保選手の写真、トップページでは「全然違和感がない」とロッカールームで言われているなどと、スペインでも結構、話題になっているんですけどね。その記事では今季、RMカスティージャ(マドリーのBチーム)でプレーする予定の彼ですが、実はEU外選手の人数枠に引っかかるため、契約はフベニル(Bチームの下のチーム)としているとありましたが、お隣さんではモジェホやカメージョら、フベニル所属の選手でも平気でトップチームの試合で使われていたため、まあ別に問題にはならないかと。 そうそう、そのアトレティコですが、先週は月曜には移籍金1憶2700万ユーロ(約155億円)の超大型新人、ジョアン・フェリックス(ベンフィカから移籍)、火曜にはロディ(同パラナエンセ)、金曜にはサポンジッチ(同ベンフィカ)のプレゼンが行われたんですが、3人とも、地獄のLAキャンプのお昼休みにロス・アンヘレス・デ・サン・ラファエル(マドリッドから1時間の高原リゾート)から連れて来られ、イベント後には即、セゴビア・シエラ・デ・グアルダラマ・ホテルに戻って、また午後は練習という慌ただしさ。ジョアン・フェリックスが19歳、後の2人も21歳ということで、若いから、それでも平気なんでしょうけど、何せ、相変わらず、朝7時45分から始まるセッションでは傾斜14度の坂昇りダッシュに始まって、体力増強トレーニングのオンパレートですからねえ゛。 もちろん、プロフェ・オルテガが「1+7/ウノ・マス・シエテ」、「3x5/トレス・ポル・シンコ」などと数式を指示、答えが偶数か奇数によって、左右に動くエクササイズでジエゴ・コスタが1人、全部間違えているなんていうお笑いのシーンなどもあったものの、これじゃ、グリーズマンが先週いっぱい、金曜にとうとうバルサが1億2000万ユーロ(約146億円)の小切手をリーガ協会に届けるまで、罰金覚悟でイビサ(地中海のリゾートアイランド)での休暇を楽しんでいたのもムリはない?ただ、誰も予期していなかったのはその支払いが確認された直後、アトレティコが再びcomunicado official/コムニカードー・オフィシアル(公式声明)を発表。「この金額では不十分。選手とバルサの移籍合意があったのは契約破棄金額が2億から1憶2000万に下がる7月前だったのだから、あと8000万ユーロ(約98億円)払うべき」って、え、そんな主張、通るんですかあ? うーん、セレソ会長など、「Si el club ha hecho este comunicado es porque tiene pruebas/シー・エル・クルブ・ア・エッチョー・エステ・コムニカードー・エス・ポルケ・ティエネ・プルエバス(クラブがこの声明を出したということは証拠を握っているからだ)」と自信ありげでしたけどね。もう当のグリーズマンはイビサ滞在を利用して、「Mi padre me enseno de pequeno que los trenes no pasan solo una vez/ミ・パドレ・メ・エンセノ・デ・ペケーニョ・ケ・ロス・トレネス・ノー・パサン・ソロ・ウナ・ベス(小さい時から、ボクの父は列車は1度しか通らない訳ではないと教えてくれた)」と語るバルサ入団イメージビデオを制作しているし(https://bit.ly/2XQRpBy)、土曜の夜にはバルセロナに到着。カンプ・ノウのオフィシャルショップで写真撮影を行った後、日曜夕方には17番の背番号をつけてプレゼンされているとなったら、もう正直、どうでもいいというか。 いやまあ、その余分の8000万ユーロがあれば、エルモーソ(エスパニョール)に加え、ハメス・ロドリゲス(マドリー)も余裕で獲れてしまうなんて思わない訳ではないですけどね。とりあえず、アトレティコは今週金曜にキャンプを打ち上げ、土曜のヌマンシア(2部)戦が初プレシーズンマッチとなりますが、その時にはシメオネ監督が今季の軸にしようと毎日、試しているモラタ、ジエゴ・コスタ、ジョアン・フェリックスを並べた4-3-3のシステムが上手く機能するのかどうか、見られたらいいですよね。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2019.07.15 15:00 Mon
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