今更、戻れない…/原ゆみこのマドリッド2019.07.08 13:30 Mon

twitterfacebookhatenalinegplus
photo
「強いチームはあまり練習しなくていいってことかしら」そんな風に私が首を振っていたのは日曜日、スポーツ紙に載っているリーガ20チームのプレシーズン予定表でバルサとマジョルカだけ、あと1週間、バケーションを楽しめるのに気づいた時のことでした。いえ、昨季、2部で5位となり、2ラウンドのプレーオフでアルバセテとデポルティーボを倒して、6月23日にオサスナ、グラナダに続く、1部昇格最後の1枠を獲得した後者のスタートが他より遅いのは当然なんですけどね。リーガ2連覇の余裕なのか、メッシやルイス・スアレス、コウチーニョといった主力がコパ・アメリカのせいで合流が遅れるせいか、これまで8月開催だったスペイン・スーパーカップも今季は冬に行われるからか、ほとんどのチームがこの月曜には新シーズンに向けての練習を始めている中、バルサだけが出遅れているように見えたから。なるほど、それでグリーズマンはまだ呑気にイビサ(地中海のリゾートアイランド)で海三昧していたのかって?まあ、そうなんですけど、先週はアトレティコが木曜、金曜と連続してワンダ・メトロポリターノで新入団選手をプレゼン。まずはインテルに行ってしまったゴディンの後釜となる予定の30才のブラジル人CB、フェリペが紹介され、翌日には同じポルトから移籍。メキシコのマスコミが大挙して駆けつけ、母国にライブ配信までされていると聞いて、ようやくその、エクトル・エレラが代表キャプテンも務める大物MFだったと私も知ることになったんですけどね。

すでに午前中のセッションでチームメートと顔を合わせていた当人が、今季、ポジション争いをすることになる「コケは愛想良く迎えてくれたよ。Me dio un abrazo que no esperaba/メ・ディオ・ウン・アブラソ・ケ・ノー・エスペラバ(予想もしていなかったハグをしてくれた)」と言うのを聞いて、いきなり抱きつかれてビックリしたんだろうかと笑えたりもしたんですが、スタジアムはまだ夏のコンサート仕様でピッチにスタージがあるせいか、この両人もマルコス・ジョレンテ(レアル・マドリーから移籍)同様、ユニフォーム姿でファンに挨拶する機会はもらえず。

折しも金曜の夕方にはカンプ・ノウでデ・ヨング(アヤックスから移籍)のプレゼンがあり、2万人のファンに迎えられたなんて聞くと、レアル・マドリーだって、サンティアゴ・ベルナベウに5万人を集めたアザールのスーパープレゼンがありましたしね。この月曜午後1時に予定されているサッカー史上、ネイマール、エムバペ(PSG)に次ぐ3番目に高額となる移籍金1憶2700万ユーロ(約150億円)をベンフィカに払い、スペインではバルサのコウチーニョやデンベレ以上、お隣さんがベイルやクリスチアーノ・ロナウド獲得に使った金額も超えているという、ジョアン・フェリックスのプレゼンの際にもスタンド解放がなかったら、アトレティコファンがあまりに可哀そうな気がしないでもないんですが、まさか、そのデ・ヨングのプレゼン前にあったバルトメウ会長の記者会見がとんでもない騒ぎに発展しようとは!

そう、すでに昨季中、ヒル・マリン筆頭株主、スポーツディレクターのベルタ氏、シメオネ監督との会談を持った後、5月14日にはアトレティコを退団する旨のお別れビデオを公開したグリーズマンだったため、契約破棄金額が2億ユーロ(約250億円)から、1憶2000万ユーロに下がる7月1日から、マスコミもバルサが小切手を持って来るのを待って、リーガ協会前にずっと張り付いている状態だったんですけどね。

ところがロドリの7000万ユーロ(約85億円)を持ってマンチェスター・シティの代理人は先日、来たんですが、バルサの方は一向に現れず。それどころか、バルトメウ会長が「グリーズマンの件でアトレティコと昨日、話を始めた。Es el primer contacto/エス・エル・プリメール・コンタクトー(これが最初の接触だった)」といけしゃあしゃあと言い放ったせいで、アトレティコ側が完全にキレてしまうことに。だってえ、5月にグリーズマンが「7月に違約金を払いに来るクラブがある」と言ったとなれば、もうその時にはすでにバルサと選手の間で話がついていたってことじゃないですか。

更にその怒りに油を注いだのは、そのバルトメウ会長の言っていた交渉でバルサが1億2000万ユーロの分割払いを求めてきたことで、大体がして、交渉せずに獲得するための契約破棄金なんですから、これはもう本末転倒もいいところ。「FCバルセロナはアトレティコとその全てのファンにリスペクトを欠いている」と、まだデ・ヨングのプレゼンが終わる前に出された緊急公式声明で、グリーズマンとの合意が昨季、ユベントスに敗退したCL16強対戦2ndレグの数日後にはもうできていたこと、まだリーガ優勝を争っていた2月には接触が始まっていたことを指摘すると、まるで八つ当たりのように「グリーズマンにはアトレティコとの契約による義務を果たすため、日曜にクラブ施設に出頭し、プレシーズン練習を始めることを求める」って、え、地獄のLAキャンプへ行かせるんですか?

いやあ、こんな騒ぎになったとなれば、私も落ち着いてはいられず、とうとう土曜は朝7時30分のバスに乗って、マハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場で8時からのセッションを見学することにしたんですが、仕方ないですかね。あんなに走らされるのでは、少しでも涼しい時間にやらないと選手たちの体が持ちませんって。ええ、その日は10名程のカンテラーノ(アトレティコBの選手)を含め、コケ、サウール、ビトロ、コレア、ジエゴ・コスタ、カリニッチら、6月の代表戦に呼ばれていなかった先行スタート組、来季にはチェルシーから完全移籍となることが決まり、自主的に早出していたモラタ、そしてジョレンテ、フェリペ、エレラの新加入選手ら、およそ20名程でのセッションだったんですが、とにかく最初のエクササイズのえぐいことといったら、もう。

うーん、初見はただ並んで20メートルぐらいの距離をそこそこのスピードで往復するだけだったんですが、これが延々と続くんですよ。不慣れなフェリペが80回ぐらいこなしたところで脱落したのを皮切りに、90回を過ぎる頃にはどんどん人数が減っていき、ビトロやサウールがギブアップしたのは120回ぐらいでしたかね。最後、130回目まで完走したのはカンテラーノのサナブリアだけといった具合で、休みなしで5キロも走らせるなんて恐ろしい。その後は普通にロンド(中に選手が入ってボールを奪うゲーム)やpartidillo(パルティディージョ/ミニゲーム)をやっていましたが、最後はまた2グループに分かれて、ペースをコントロールしながら、15分間のランニング。

そんな感じでこの日は2時間弱の午前中だけの練習でしたが、これが日曜夜に移動、月曜から始まるロス・アンヘレス・デ・サン・ラファエル(マドリッドから1時間の高原リゾート)でのキャンプになると、ダブル、トリプルセッションで選手たちはしごかれますからねえ。このプレシーズンは初めて見る程、引き締まった体型で現れたコスタはともかく、イビサのクルーザー船上で撮られた写真ではお腹周りが心持ち、柔らかくなっていたグリーズマンではレアル・ソシエダから5年前、移籍した最初の年のようにまた、途中リタイアしてしまうかも。

いえ、実際、もうワンダにあるオフィシャルショップで背番号7にはジョアン・フェリックスの名前が入って爆売りされているような現状で、グリーズマンがのこのこ戻って来られる訳もないんですけどね。結局、日曜の夜、チームバスは彼抜きでキャンプに出発しましたが、どうやらクラブはバルサが違約金を満額払い、移籍が完了するまでは練習不参加という理由で選手に罰金を科すのだとか。とはいえ、それまで当人も昨年、トップチームの選手数を20名にまで絞って倹約し、2100万ユーロ(約26億円)という破格の昇給を果たした年棒の日割り分はもらえるはずですし、別に大した負担ではないと思いますが、シーズン終了間際、退団宣言した後も練習後に車で出てきた彼に悪口の1つもなかったファンたちの姿を見ているだけにちょっと、この件に関しては私もあまり後味がよくありませんね。

え、それでマドリーも月曜にはバルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場に集合するんだろうって?そうなんですが、この夏は新加入選手がもう何人もいるため、危機感を覚えた選手が多かったんでしょうか。すでに先週から、オドリオソラ、ブライム、ナチョ、ロドリゴ(サントスから移籍)らがトレーニングに通っているそうで、ルーカス・バスケスはマジョルカ(地中海のリゾートアイランド)にあるテニス選手のラファ・ナダルの経営するスポーツ施設で始動していたり、バケーションの大半をアメリカで過ごしたベンゼマも汗を流しているビデオを定期的にSNSにアップするなど、あれ?もしやコスタリカだ、エジプトだ、どこぞのプールの巨大滑り台だと最後の最後まで休暇を満喫している動画を公開(https://bit.ly/2S1XCJM)していたのは新婚さんのセルヒオ・ラモスだけかも。

おまけに日曜夕方には久保建英選手(東京FCから移籍)もバラハス空港に到着(https://bit.ly/2NCixV7)。契約はRMカスティージャとしているものの、火曜にカナダに出発するトップチームのプレシーズンキャンプに参加するため、コパ・アメリカ参加後、バケーション日数を削って、30人もいる大所帯の一員となるようですが、いや、それでもジダン監督はある程度、人数を絞れたんですよ。ええ、マルコス・ジョレンテ、コバチッチ(チェルシーに移籍)、テオ(同ミラン)、ラウール・デ・トマス(同とベンフィカ)、ウーデゴール(レアル・ソシエダにレンタル)、レギロン(同セビージャ)ともう、行き先が決まった選手が何人もいますし、スペインU21でユーロ優勝を果たしたセバージョス、バジェホ、マジョラルはまだバケーション中。その上、皆、移籍の可能性が高いとあって、当面はチームの帰りをマドリッドで待つことに。

キャンプに加わってもベイルのようにガチの放出候補がいたり、先週木曜にあった新ユニフォームお披露目会でアンヘル・トーレス会長も言っていたように、セバージョスやブライムの手近なレンタル先として立候補しているヘタフェのようなクラブもありますからね。話が早々にまとまれば、マドリッドに戻って来る頃には人数が減っているか、もしくはポグバ(マンチェスター・ユナイテッド)やエリクセン(トッテナム)など、更なる獲得が噂されている選手が加わって増えているか、それは天ののみぞ知るといったところなんですが…。

まあ、それはともかく、一応、夏休みでたまたま北米にいるファンと予定が合った場合を考えて、マドリーの日程を伝えておくと、火曜からはモントリオールのリッツ・カールトンに宿泊してMLSのモントリオール・インパクトの施設で19日まで練習。私は行ったことがないので適当で悪いんですが、ホテル内やゴルフカートでセッションのため移動する際は結構、選手たちを間近で見るいい機会になっているかと。

インターナショナル・チャンピオンズ・カップ(夏の親善大会)は20日のヒューストンでのバイエルン戦から始まり、23日にはメリーランドでアーセナル戦、そして27日にニュージャージーでアトレティコ戦となります。その後、ミュンヘンに移動して30、31日にアウディカップ(バイエルン主催の夏の親善大会)をこなし、ようやく帰京となりますが、久保選手だけでなく、アザール(チェルシーから移籍)、ヨビッチ(同フランクフルト)、メンディ(同オリンピック・リヨン)といった新戦力を早くピッチで見てみたいですよね。

え、先週は乾貴士選手も参加してベティスのプレシーズンも始まったし、一応、今のところは柴崎岳選手も戻って来そうな弟分、ヘタフェはいつプレシーズンを始めるのかって?いやあ、それが新ユニのプレゼンを見に行った際、プレスの人に訊いたところ、月曜からメディカルチェックが始まり、11日にはコリセウム・アルフォンソ・ペレスの側にある練習場で初セッションとなるんですが、一般のファンが見学できるかどうかはまだわからないとか。柴崎選手の合流時期についてもはっきりしていないようでしたが、その辺はまた週明けに情報招集に努めたいかと。

一方、アトレティコと同じ木曜に早朝セッションでスタートしたレガネスは順調に進んでいるようで、とはいえ、時間と場所が場所だけになかなか私も足を運べず。早くも来週の土曜、13日にはラージョとの初プレシーズンマッチもありますし、彼らはほとんどマドリッドから出ずに練習するようなので、まあ焦ることはありませんって。

そうそう、最後に先週決まった8月第3週末、リーガ1節のマドリッド勢のカードをお伝えしておくと、アトレティコがワンダにヘタフェを迎えての兄弟分ダービーでスタート。サンティアゴ・ベルナベウの改装工事が終わらないマドリーはアウェイでセルタ戦、レガネスはブタルケに3年ぶりに1部に戻ってきたオサスナを迎えます。8月中はスペイン人ファンもバケーション中でチケットが取りやすいこともありますしねえ。キックオフ時間はまだ決まっていませんが、暑さが気にならなければ、現地観戦を計画してみるのも楽しいかもしれませんよ。
【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。
コメント

No.105

日本語が下手すぎて読んでて気持ち悪くなる。 気取った文面のくせになにもまとまっていない。 二度とかくな

2019.07.09 08:49 Tue

関連ニュース
thumb

去る者は追わず…/原ゆみこのマドリッド

「思ったより早かったわね」そんな風に私が戸惑っていたのは日曜日、柴崎岳選手のデポルティーボ移籍が決まったというニュースをマルカ(スポーツ紙)のサイトで見つけた時のことでした。いえ、先週木曜にはコリセウム・アルフォンソ・ペレスに出向き、リーガ5位でヨーロッパリーグ出場権を勝ち取った37歳のホルヘ・モリーナを筆頭に32歳のアンヘル、30歳のマタらのFWトリオに32歳で加わり、いよいよ30代カルテットとして、ユーロヘタにゴールを供給することになったエリック・ガジェゴ(ウエスカから移籍)のプレゼンを見てきたんですけどね。 その時にスポーツ・ディレクターのアンヘル・マルティン氏が「ガクの移籍交渉はかなり進んでいて、来週ぐらいには」と言っていたため、週末は呑気に構えていたものの、いやいや。柴崎選手がもうヘタフェの練習に加わることはないとも聞いたものの、丁度、チームはその日の夕方からプレシーズンの練習を開始。そこで私も金曜の朝は早起きして、といってもホームページの予定表に出ていた午前9時には間に合わず、10時過ぎに着いたところ、偶然にもジムを終えた選手たちがスタジアムから出て、練習場に歩いていくのに遭遇することに。 案の定、セッションはフィジカルが中心で、最後の方ではグラウンドを1周した後、そのままDF陣とオフェンス陣が対決するという、非常に疲れる演習をしていて、いえ、別に私やスタンドで眺めていた10人程のファンは日影にいたため、大丈夫だったんですけどね。直射日光にさらされっぱなしの選手たちにはかなり効いたんじゃないかと思いますが、幸いながら、その日には夕方の部もあるダブルセッションだったせいか、1時間15分とボルダラス監督にしてみれば、かなり短めだったのは救いだった? 昨季は途中から、ソシオ(協賛会員)しか、練習が見られなくなってしまっていたものの、その日は誰でも入れるとあって、引き上げる選手たちにファンがサインや写真を頼むお馴染みのシーンも展開されていたんですが、もうこの場所で柴崎選手に会えないというのは残念至極。うーん、ヘタフェにいた2年間で出場したのが31試合だけでは仕方ないんですけどね。移籍先のデポルティーボはリーガ2部6位で6月にはプレーオフを戦い、マラガには勝ったものの、最後はマジョルカに負けて1部昇格が果たせなかったのはともかく、練習場のアベゴンドはラ・コルーニャ(スペイン北西部の港町)からタクシーでしか行けない、ちょっと辺鄙な場所にありますからね。 プレシーズン練習開始はこの月曜からで、コパ・アメリカ参加の後、バケーションを取っていた当人も近日中に参加するようですが、いえ、別にスペイン観光旅行中に柴崎選手の試合も見たいと思っているファンが諦めることはないんですよ。マドリッドはスペインサッカーのメッカで、1部チームが4つあるだけでなく、今季から昇格したフエンラブラダを含めて、1年でUターンしたラージョ、そしてアルコルコンと2部にも3チームが所属。しかも3節のある9月1日の週末には早速、エスタディオ・バジェカスでラージョ戦、11月3日の週末はエスタディオ・フェルナンド・トーレスでフエンラブラダ戦があるため、その辺を狙うのもいい手かと。 まあ、何よりは5年契約を結んだ柴崎選手が貢献して、老舗のデポルティーボを3年ぶりの1部再昇格に導いてくれることなんでしょうが、また話をヘタフェに戻すと、チームは2日間、地元で練習しただけで、日曜にはバレンシア州にあるオリバ・ノバ・ビーチ&ゴルフ・ホテルに移動。あちらでキャンプを行って、来週土曜にはポルトガル南部のポルティマンで開かれるコパ・イベリカ(夏の親善大会)の準決勝ポルティモネンセ戦でプレシーズンマッチをスタートさせると、翌日にはポルトvsベティス戦の勝者or敗者と決勝or3位決定戦をプレーすることに。 マドリッドに戻った24日には練習場で、残念ながら、1シーズンだけでまた2部Bに落ちてしまったラージョ・マハダオンダ(ラージョ・バジェカーノとは別クラブ)との親善試合も行われるため、その頃にはだんだん、新チームの形も見えてくるかと思いますが、さて。昨季はケガでシーズンを丸々棒に振ったベルガラ、後半戦に出られなかったアマトなど、9月に始まるヨーロッパリーグに備え、頼りになりそうな選手たちが復活してきたのは心強い限りですよね。 え、練習が始まったばかりのヘタフェに比べ、土曜にはもう最初のプレシーズンマッチをやるなど、お隣さんのレガネスは一歩、先を行っていないかって?そうですね、私も今度は試合ということで妥協せず、朝9時にはインスタラシオン・デポルティバ・ブタルケに着いていたんですが、すでにスタンドが満員に近かったって、いやあ、レガネスファンの勤勉なことといったら、もう。 おそらく練習試合ということで入場料を取らなかったのも影響していたんでしょうが、何せ、キックオフも15分程、遅れるわ、今季はまた1部昇格を目指す、パコ・ヘメス監督率いるラージョなんて、選手たちが練習着で背番号もついてないわ、25分にお水休憩を取った後、スコアボードの時間がまたゼロから始まるわとイレギュラーなことが幾つもあったんですが、やっぱり迫力ありますよ、かぶりつきの位置でプロ選手たちのプレーを見るのって。 それどころか、時々、スタンドに凄い速さでボールが飛び込んできて、身の危険を感じた程だったんですが、先手を取ったのは前半23分、ベベのラストパスをヨニ・マティエルが決めたラージョ。彼らはどちらのチームも選手総入れ替えとなった後半20分にもポソのゴールで2点にリードを広げたんですが、その1分後にはレガネスが1部リーガ3年目の貫禄を示すことに。ええ、ブスティンサが自陣から放り込んだロングボールに合わせたサビン・メリーノが1点を返すと、ロスタイムにはグンバウが見事な直接FKを決め、最後は2-2で引き分けているんですから、しっかりしているじゃないですか。 気になるのはブライトバイト(ミドルスブラ)、カリージョ(サザンプトン)ら、EL出場圏まであと少しだった昨季のレガネスの前線を担った選手たちのレンタル期間が終わってしまい、また借りてくるのが難しかったり、コパ・アフリカでモロッコ代表が敗退して、現在、バケーション中のエン・ネシリも残留できるのかわからないといったように、まだFW陣が全然、不足していることですが、こちらも昨季は負傷で1試合も出られなかったキャプテンのシマノフスキがプレーできるようになっていたという朗報が。 ラウール・デ・トマスが修業期間を終え、レンタル元の兄貴分からベンフィカに売られてしまったラージョもエンバルバや契約を延長したマリオ・スアレスら、お馴染みの顔が結構、あったため、また1部に戻って来られるように頑張ってほしいかと。ちなみに朝9時キックオフのレガネス練習試合はこの先も来週土曜にフエンラブラダ戦、31日にもアルコルコン戦と、2部の弟分たちとの対戦が組まれているため、せっかくマドリッドに来たからにはプレシーズンでもサッカーを見たいというファンの方々にお勧め。この時間だと、丁度、スタンドが日影になりますしね。去年、長男のエンソを応援に、ジダン監督も観戦に来ていたラージョ・マハダオンダ戦では真正面から西日を浴び、脱水症状を起こしそうになった経験からすると、早起きは三文の徳というのは本当ですね。 え、フエンラブラダへ移籍の噂もあった次男のルカもラシン・サンタンデール(2部)へのレンタルが決まったし、充電中だった昨年と違い、この夏は仕事があるんだから、もうジダン監督をレガネスの練習場で見かけることはないんだろうって?その通りで火曜から、マドリーはカナダのモントリオールでキャンプしているんですが、実は先週金曜に異変が発生。ええ、家族に不幸があったとかで、帯同していた奥さんと四男のエリアス君、友人らと一緒にジダン監督が緊急帰国してしまったから、驚いたの何のって! これじゃ、まるで3月にルイス・エンリケ監督がスペイン代表を離脱した時みたいじゃないかと思ったんですが、両者の事情はまったく違い、重病の娘さんの側を離れられなくなって、3カ月後に辞職したルイス・エンリケ監督に対し、ジダン監督の方は長患いだった兄、ファリドさんが死亡。悲しいことには変わりありませんが、早ければ来週金曜に予定されているスタット・サプト(モントリオール・インパクトのホーム)での公開練習、遅くともインターナショナル・チャンピオンズ・カップ(夏の親善大会)最初の21日、バイエルン戦前までには戻って来る予定というのは、選手やファンにとって、良かったかと。 その間、モントリオール・インパクトの練習場でトレーニングを続けるチームはベットーニ第2監督が指揮するんですが、あちらも今は体力作りがメインですからね。インテルに移ったピントゥス氏の後任となったデュポン・フィジカルコーチが、先週水曜にサンティアゴ・ベルナベウでプレゼン。コパ・アメリカ優勝のブラジル代表でお祝い漬け直後に到着し、時差呆けもあって、スタンドのファンにボールをプレゼントする際、1度も足を使わず、全部手で投げていたのはともかく、記者会見中に気分が悪くなって退席したミリタオ(ポルトから移籍)はバケーションに入ってしまいましたが、この夏、到着したアザール(同チェルシー)やヨビッチ(同フランクフルト)、メンディ(同オリンピック・リヨン)、ロドリゴ(サントス)らも含め、ガンガンしごいてくれていますから、心配する必要はまったくない? そしてキャンプ初日に27人来た取材陣のうち、日本のマスコミが12人もいたことで注目の的になっていた久保建英選手もしっかり練習に励んでいるようですが、まあその辺は私より、今は日本にいるファンの方が情報を得やすいかと。それでもこの日曜など、AS(スポーツ紙)の表紙が久保選手の写真、トップページでは「全然違和感がない」とロッカールームで言われているなどと、スペインでも結構、話題になっているんですけどね。その記事では今季、RMカスティージャ(マドリーのBチーム)でプレーする予定の彼ですが、実はEU外選手の人数枠に引っかかるため、契約はフベニル(Bチームの下のチーム)としているとありましたが、お隣さんではモジェホやカメージョら、フベニル所属の選手でも平気でトップチームの試合で使われていたため、まあ別に問題にはならないかと。 そうそう、そのアトレティコですが、先週は月曜には移籍金1憶2700万ユーロ(約155億円)の超大型新人、ジョアン・フェリックス(ベンフィカから移籍)、火曜にはロディ(同パラナエンセ)、金曜にはサポンジッチ(同ベンフィカ)のプレゼンが行われたんですが、3人とも、地獄のLAキャンプのお昼休みにロス・アンヘレス・デ・サン・ラファエル(マドリッドから1時間の高原リゾート)から連れて来られ、イベント後には即、セゴビア・シエラ・デ・グアルダラマ・ホテルに戻って、また午後は練習という慌ただしさ。ジョアン・フェリックスが19歳、後の2人も21歳ということで、若いから、それでも平気なんでしょうけど、何せ、相変わらず、朝7時45分から始まるセッションでは傾斜14度の坂昇りダッシュに始まって、体力増強トレーニングのオンパレートですからねえ゛。 もちろん、プロフェ・オルテガが「1+7/ウノ・マス・シエテ」、「3x5/トレス・ポル・シンコ」などと数式を指示、答えが偶数か奇数によって、左右に動くエクササイズでジエゴ・コスタが1人、全部間違えているなんていうお笑いのシーンなどもあったものの、これじゃ、グリーズマンが先週いっぱい、金曜にとうとうバルサが1億2000万ユーロ(約146億円)の小切手をリーガ協会に届けるまで、罰金覚悟でイビサ(地中海のリゾートアイランド)での休暇を楽しんでいたのもムリはない?ただ、誰も予期していなかったのはその支払いが確認された直後、アトレティコが再びcomunicado official/コムニカードー・オフィシアル(公式声明)を発表。「この金額では不十分。選手とバルサの移籍合意があったのは契約破棄金額が2億から1憶2000万に下がる7月前だったのだから、あと8000万ユーロ(約98億円)払うべき」って、え、そんな主張、通るんですかあ? うーん、セレソ会長など、「Si el club ha hecho este comunicado es porque tiene pruebas/シー・エル・クルブ・ア・エッチョー・エステ・コムニカードー・エス・ポルケ・ティエネ・プルエバス(クラブがこの声明を出したということは証拠を握っているからだ)」と自信ありげでしたけどね。もう当のグリーズマンはイビサ滞在を利用して、「Mi padre me enseno de pequeno que los trenes no pasan solo una vez/ミ・パドレ・メ・エンセノ・デ・ペケーニョ・ケ・ロス・トレネス・ノー・パサン・ソロ・ウナ・ベス(小さい時から、ボクの父は列車は1度しか通らない訳ではないと教えてくれた)」と語るバルサ入団イメージビデオを制作しているし(https://bit.ly/2XQRpBy)、土曜の夜にはバルセロナに到着。カンプ・ノウのオフィシャルショップで写真撮影を行った後、日曜夕方には17番の背番号をつけてプレゼンされているとなったら、もう正直、どうでもいいというか。 いやまあ、その余分の8000万ユーロがあれば、エルモーソ(エスパニョール)に加え、ハメス・ロドリゲス(マドリー)も余裕で獲れてしまうなんて思わない訳ではないですけどね。とりあえず、アトレティコは今週金曜にキャンプを打ち上げ、土曜のヌマンシア(2部)戦が初プレシーズンマッチとなりますが、その時にはシメオネ監督が今季の軸にしようと毎日、試しているモラタ、ジエゴ・コスタ、ジョアン・フェリックスを並べた4-3-3のシステムが上手く機能するのかどうか、見られたらいいですよね。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2019.07.15 15:00 Mon
twitterfacebook
thumb

早起きは三文の徳っていうけど…/原ゆみこのマドリッド

「朝9時から親善試合って凄いわ」そんな風に私が驚いていたのは火曜日、弟分チームのレガネスのプレシーズンマッチ予定を見つけた時のことでした。いやあ、数日前から、マドリッドはお昼過ぎには気温40度になる日も珍しくない猛暑に突入。今週木曜にはエスタディオ・ブタルケに程近い、インスタラシオン・デポルティバ・ブタルケで新シーズンに向けての練習を始めるペレグリーノ監督がセッションのスタートを午前8時45分と早い時間に設定したのもわかるんですけどね。だからって、来週13日の土曜日、その施設に昨季、2部に降格してしまったラージョを迎えて行う最初のプレシーズンマッチも似たような時間帯って、それじゃあ近所に住んでいるファンしか見に行けないじゃないですか。 いえ、その次の試合では、2部Bから昇格して、新たにマドリッドの2部チームの弟分に加わったフエンラブラダと20日の午後7時に対戦するんですけどね。30日には再び、首都圏チームの2部メンバーとして、8年間頑張っているアルコルコンをやはり午前9時30分に迎えるって、この夏のレガネスは朝活が多くない?もちろん、マドリッド旅行がプレシーズン時期に当たってしまい、たまたま空いた午前中を有効に使いたいというサッカー好きの観光客の方には、メトロ5番線のアルーチェ駅前から出るバス(491、492、493、482)に乗って、20分程で行けるレガネス練習場での試合を見てみるのも一興かと思いますけどね。朝に弱い私にはムリかも。 一応、リーガ開始直前のホームでの新チームお目見えゲームとなるビジャ・デ・レガネス杯ではスタジアムの方で8月10日午後8時のキックオフですから、相手はやはり2部のアルバセテとちょっと物足りないところはあるものの、その頃にはある程度、補強選手も来ていそうですしね。現在、アフリカ・ネイションズカップのモロッコ代表で活躍しているエン・ネシリが戻って来てくれるのかは保証できないところですが、いよいよ彼らも1部リーグ4年目。今季は3度目のヨーロッパリーグに挑むことになるヘタフェがシュダッド・デポルティボで練習を始めるのが11日と、余裕を見せている間に少しでもお隣さんに近づけるよう、この夏の準備を怠りなく進めてほしいものです。 え、今週はプレシーズンが始まるチームがある一方で、ようやくバケーション入りができた選手たちもいるんだろうって?その通りで月曜にはスペインU21がユーロ大会のトロフィーを持って帰国。決勝の地だったイタリアのウディネからは日曜深夜に飛ぶ便がなく、100キロ離れたスロベニアのリュブリャナまでバスで移動して戻って来たなんて聞くと、ちょっと大人の代表との格差を感じたりもしますが、何せ昨年のロシアでのW杯もそうですが、兄貴分たちは2012年以来、久しく優勝から遠ざかっていますからねえ。お祝いとしては、さすがにこのレベルでは市内パレードもなく、ラス・ロサス(マドリッド近郊)のサッカー協会施設で式典があった程度とはいえ、近い将来のラ・ロハ(スペイン代表の愛称)の復権を期待して、私もつい喜んでしまうことに。 ちなみにこのU21ユーロでの彼らの躍進ぶりをちょっと振り返っておくと、グループリーグ初戦で開催国イタリアと対戦した彼らはセバージョス(レアル・マドリー)のゴールで先制しながら、最後は3-1で逆転負けしてしまうという最悪のスタート。それでも2戦目でベルギーに2-1と辛勝すると、グループ突破に3点差以上の大勝が必要とされたポーランド戦で5-0のgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)を披露して、一気に追い風に乗ったんですよ。 ええ、先週木曜、決勝トーナメント最初の準決勝では前半16分にPKでフランスに先制されながら、28分にはマルク・ロカ(エスパニョール)が同点弾。ロスタイムには折しもこの4年間、サッカーと並行して学んでいた経営学の学位を取得したばかりのオジャルサバル(レアル・ソシエダ)が自ら受けたPKを決めてリードを奪うと、後半にもダニ・オルモ(ディナモ・ザグレブ)とマジョラル(マドリー、昨季はレバンテでプレー)が゛ールを挙げ、現世界王者の弟分たちに4-1と圧勝しているんですから、何とも頼もしい。 そして迎えた日曜の決勝の相手は、そこまでの4試合で計14ゴールという攻撃力を誇るドイツ。おまけに2年前の同大会決勝ではアセンシオ(マドリー)やサウール(アトレティコ)らを擁しながら、1-0で負けてしまった因縁の相手だったんですが、それが却って、セバージョス、バジェホ(マドリー)、マジョラル、オジャルサバル、ソレル(バレンシア)、メレ(コロン)、ミケル・メリーノ(レアル・ソシエダ)ら、連続出場でリベンジに燃えているメンバーが多かったスペインに力を与えた? いやあ、実際この試合、彼らがスピードのあるパスサッカーで試合を支配していた前半7分にエリア外から、自慢のシュート力で先制点を奪ったファビアン(ナポリ)にしろ、後半24分、今度はGKヌベル(シャルケ)にファビアンが弾かれた後、こぼれ球をvaselina(バセリーナ/ループシュート)で決めたオルモにしろ、U21ユーロ決勝を初めて体験する選手たちだったんですけどね。ドイツの反撃を残り2分、バジェホの頭に当たって入ったアミリ(ホッフェンハイム)の1点だけに抑え、2-1で勝利して、2013年以来の優勝を達成することに。 いやあ、実際、2年前にもルイス・デ・ラ・フエンテ監督はバジェホ、メレ、セバージョアス、マジョラルのいたスペインU19を率い、やはりユーロの王冠を勝ち取っているだけに、この世代には優秀な選手が多いのは確かなようですけどね。ただ今回、大会MVPに輝いたファビアンのように国外でプレーする選手が結構、いたのは珍しかったかも。ええ、監督も「この選手たちはスペイン・サッカー界から信頼されているし、deberian tenerla de los clubes/デベリアン・テネールラ・デ・ロス・クルーベス(クラブもそうすべき)」と嘆いていましたが、バルサのカンテラからクロアチアに活路を見出したオルモなどはともかく、クラブが移籍金ほしさに若くして売ってしまったなんてケースもありますからね。 それこそ、ベティスを離れて1年、この大会で大幅に株を上げ、マドリーが狙っているなんて噂も出てきたファビアンへなど、アンチェロッティ監督直々、「Todo el Napoles esta orgulloso de ti. Yo el primero. Enhorabuena/トードー・エル・ナポレス・エスタ・オルグジョーソ・デ・ティ。ジョ・エル・プリメーロ。エンオラブエナ(ナポリの全員が君のことを誇らしく思っている。まず私が1番にね。おめでとう)」とツイート(https://bit.ly/2XkK69X)して、引き留めを計っていましたしね。 同じくベティス出身、2年前にマドリーに移籍して以来、実はあまりプレーしていないセバージョスなど、MVPをゲットした前大会がステップアップの機会に繋がったことで学習したんでしょうか。今回、優勝した際には「El ano que viene quiero jugar 40 partidos/エル・アーニョ・ケ・ビエネ・キエロ・フガール・クアレンタ・パルティードス(来季は40試合に出場したい)。そしたら2020年ユーロを目標にできるし」と何度もマイクの前でアピールって、もしかしてジダン監督を挑発してる? まあ、一般的にはプレー時間をもっともらえるチームにレンタル移籍して、この2年間の空白を埋めるつもりだろうと解釈されていますが、いやいや。まだこのU21のメンバーには来年の東京五輪で優勝するという目標も残っているのを忘れていけませんって。 実際、もうセバージョスもファビアンもオジャルサバルもA代表でデビューしているだけに、目標が大人の大会になってしまうのは仕方ないんですけどね。私など、前回、スペインが出場した2012年ロンドン五輪ではロドリゴ(バレンシア)やイスコ(マドリー)、マタ(マンチェスター・ユナイテッド)、ジョルディ・アルバ(バルサ)らがいながら、日本もいたグループで最下位敗退をした情けない姿を覚えているため、今度こそは強いスペインを日本のファンに見せてあげたいと思ったところ…あれ?以前はデ・ヘア(現マンチェスター・ユナイテッド)やアドリアン(昨季ポルトとの契約が終了)、ドミンゲス(引退)、コケ、オリベル(ポルト)、サウールと常にいたアトレティコ勢が今回のU21にいないのはとっくにチェック済みだったものの、バルサ勢も姿を消しているとは、これまた如何に。 複数いるマドリー勢も皆、今季も残留するか、確定していない辺りを見ると、どうやらスペインのビッグクラブで国産若手選手がチャンスを掴むのが難しくなっているというのは本当のようですが、こればっかりはねえ。何はともあれ、レガネス同様、木曜からプレシーズン開始となるアトレティコでは先日、コパ・アメリカの準々決勝で敗退したウルグアイのヒメネス、コロンビアのアリアス、そしてアフリカ・ネイションズカップのガーナ代表に行っているトマス以外、バケーションがずれ込んで、遅れて合流する選手がいないのはラッキーだった? いやあ、それがそうでもなくて、というのも新戦力がまだ到着していないんですよ。お隣さんから移籍したマルコス・ジョレンテこそ、先週金曜にはワンダ・メトロポリターノのプレス・コンフェレンスルームでプレゼンされたんですけどね。まだロドリの退団が正式に発表されていないにも関わらず、14がついたユニフォームでお披露目されていたのはともかく、ピッチにはその週末にあるスペイン人ポップ歌手、マヌエル・カラスコのコンサートのための大舞台が組みあがり、まさにリハーサルの真っ最中だったためか、当人がユニを着て、芝の上でポーズをとることはできず。 やはりこの状態では大枚1億2000万ユーロ(約146億円)を払うジョアン・フェリックス(ベンフィカ)をプレゼンすることはできないのか、もしくは同額の違約金を払ってバルサに行くことになっているグリーズマンのプレゼンが来週までカンプ・ノウで開かれないためなのか、わかりませんが、FWの到着も遅れている上、ポルトからの移籍が決まったCBフェリペ・モンテイロとパナメンセから獲得した21才の左SBロディ以外、まだDFも頭数が揃ってないとなれば、またマハダオンダ(マドリッド郊外)のセッションではカンテラーノ(アトレティコBの選手)が大量にヘルプに駆り出されることになるかと。 大体がして、先日、シメオネ監督になって以来、アトレティコに加入して成功を収めた選手は54人中9人しかいないなんてデータをAS(スポーツ紙)で見てしまって以来、すでにインテルへの入団が発表されたゴディンを始め、かなりの人数が入れ替わる今季はかなり不安が高いんですが、その横でお隣さんは着々と投資金額の回収が進んでいるよう。ええ、6月中はヨビッチ(フランクフルトから移籍)、アザール(同チェルシー)、ロドリゴ(サントス)、メンディ(オリンピック・リヨン)と次々にプレゼンして、まずは3億ユーロ(約366億円)程の財力を見せつけた後、マドリーは人員整理も開始。 それこそ、「シメオネ監督の個性もクラブのプロジェクトも魅力的で入団するのにためらいはなかった」というマルコス・ジョレンテからして、移籍金が3000万ユーロ(約37億円)もしたんですが、7月に入るやいなや、昨季はチェルシーにレンタルしていたコバチッチが4500万ユーロ(約55億円)で完全移籍。ラージョで2年間、修行したラウール・デ・トマスはベンフィカに2000万ユーロ(約24億円)で、ミランのメディカルチェックを受けているテオ(昨季はレアル・ソシエダでプレー)は2500万ユーロ(約31億円)で売却と、ここまでですでに1憶ユーロ以上回収した上、ハメス・ロドリゲス(バイエルンに2年間レンタル)、ウーデゴール(昨季はフィテッセでプレー)らも移籍予定と、まだかなりの収入が見込めることに。 いえ、まだ大物、当人はわかりませんが、代理人が相変わらず、移籍を否定しているベイル、セビーッジャでのスーパー挙式の後、セルヒオ・ラモスと芸能人のピラル・ルビオさんが新婚旅行として訪れたコスラリカでガイド役を買ってあげていたケイロル・ナバスが残っていますけどね。おまけにジダン監督が欲しがっているポグバ(マンチェスター・ユナイテッド)は1憶7000万ユーロ(約207億円)かかると言われているため、やっぱりこの夏は赤字で終わりそうなマドリーですが、人の財布を心配しても仕方ないかと。 とりあえず、コパ・アメリカの日本代表に参加した久保建英選手がもう来るのかはわからないんですが、チームは来週月曜にバルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場に集合した後、翌日にはカナダのモントリオールに向けて出発。まだまだ選手たちをマドリッドで見られるのは先のことになりそうですが、1つ残念なお知らせがあって、現在、サンティアゴ・ベルナベウに隣接したショッピングモールの取り壊しが始まり、3年計画のスタジアム改修工事にかかっているマドリーはどうやら、その関係で8月いっぱい、リーガに頼んでホームゲームを避けてもらうよう。2019-20シーズンの対戦組み合わせもこの木曜に決まるため、それを見て、マドリッド訪問の計画を立てるファンも多いかと思いますが、これはちょっと頭に入れておいた方がいいかもしれませんよ。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2019.07.03 13:15 Wed
twitterfacebook
thumb

今は凪いでいる…/原ゆみこのマドリッド

「結構、間が空くわね」そんな風に私が退屈を持て余していたのは水曜日、ここしばらく毎日、何がしかの試合があった国際大会、女子W杯もコパ・アメリカもU21ユーロもグループリーグが終了。決勝トーナメントに入ったため、休養日があることに気がついた時のことでした。いえ、2度目のW杯出場で初のグループリーグ突破を成し遂げたスペイン女子はPKを2度も献上したことが響き、アメリカに2-1で敗退。なでしこがオランダに負けるのに足並みを揃えて姿を消してしまったのはともかく、RMカスティージャへの入団が決まった久保建英選手の活躍を楽しみにしていた日本男子代表もコパ・アメリカのグループリーグ突破は叶わなかったんですけどね。 おかげで私も楽しめる試合が減ってしまったんですが、そんな中、こちらのマスコミの期待を一身に背負うことになったのはU21スペイン代表。というのも4チームが3つのグループで戦った後、その先はすぐ準決勝となり、決勝トーナメントに進めるのはたったの4チームだけというコンパクトな大会形式のせいもあるんですけどね。初戦をイタリアに3-1と逆転負け、ベルギーにはかろうじて2-1と勝ったものの、早期帰国を避けるためにはグループ最終戦で3点差以上の勝利が求められていたにも関わらず、まさかポーランドに5-0のgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)を喰らわせ、得失点数差による首位突破を果たしてしまうとは恐るべし根性。 ええ、その先週土曜の試合ではそれまでCFにマジョラル(レアル・マドリー、昨季はレバンテでプレー)を据えていたルイス・デ・ラ・フエンテ監督はfalso nueve(ファルソ・ヌエベ/偽のCF)としてオジャルサバル(レアル・ソシエダ)を起用。そのおかげもあってか、前半だけでフォルナルス(ビジャレアルからウェストハムに移籍)、オジャルサバル、ファビアン(ナポリ)がゴールを挙げ、後半にもセバージョス(マドリー)、途中出場のマジョラルが決めて、余裕のスコアでベスト4入りしてしまったとなれば、この木曜午後9時(日本時間翌午前4時)からのフランスとの準決勝だけでなく、ドイツvsルーマニア戦勝者との決勝、更にはこれで参加が確定した来年の東京五輪へと果てしなく夢が膨らんでいくのも理解はできる? いやあ、取らぬ狸の皮勘定は避けて、選手たちと同様、当面、私も準決勝に照準を合わせているんですけどね。ちょっと面白かったのはその対戦相手、フランスには年齢的に出場資格がありながら、去年、大人の代表でW杯優勝を達成したエムバペ(PSG)やリュカ(アトレティコからバイエルンに移籍)が参加していないこと。スペインでもアセンシオ(マドリー)とロドリ(アトレティコ)が2017年大会のリピートをしないことを決め、批判を浴びていたりしましたが、隣国には1度、A代表に上がった選手がU21のヘルプに回る習慣はないため、誰も何も言わないのだとか。 とはいえ、6月のユーロ予選、フェロー諸島戦、スウェーデン戦でA代表としてプレーした後、U21に合流したファビアン、オジャルサバルの両名など、この大会でどんどん評価を高めていますからねえ。前者にはマドリーが狙っているという噂が早速出てきたり、逆に放出確定に近いセバージョスもクラブが5000万ユーロ(約62億円)以上の移籍金でないと交渉に応じないなんて話もあって、名前を売りたい選手には最適な大会なんですが、ロドリなんてもう、7000万ユーロ(約86億円)の契約破棄金額をフルに払ってのマンチェスター・シティ行きがほぼ決まっているとなれば、木曜夜には気温35度が予想されている猛暑のイタリアで汗をかく必要はもうないのかも。 え、若い選手たちの話もいいけど、それより先週末はマドリーのOBたちがサンティアゴ・ベルナベウを沸かせてくれたんじゃないかって?その通りで日曜には恒例のコラソン・クラッシク・マッチが開催。普段の試合とは異なり、チケットが7ユーロ(約900円)からと格安なため、子供の多い家族連れを中心に6万人のファンがスタンドを賑わせることに。試合の方は序盤から、ジダン、フィーゴ、ロナウド、ロベルト・カルロス、ベッカムは来ていなかったものの、ギャラクティコ時代のマドリー国産前線が見事に機能。こぼれ球を追ったラウールの抜け目ないゴールを皮切りに、昨季はベシクタシュのアシスタントコーチを経験したグティも躍動し、モリエンテスも2ゴールと盛り上げてくれたんですが、相手のチェルシーOBもシェフチェンコのPK、ポジェのゴールで1点差迫ります。 すると35分にはこの試合、一番のgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)が生まれ、エリア外からカランブーがボールをネットに突き刺してくれたから、場内は大喝采。後半も再開早々、ギャラスが得点したチェルシーはラウールがPKでこの日、自身2点目を挙げた後にも元アトレティコのチアゴのスルーパスに抜け出したマルダがゴールを入れたものの、両チームの撃ち合いはここまで。最後は5-4でマドリーの勝利に終わったんですが、OBといっても比較的若い選手が多かったせいか、ゲームのテンポも良かったし、何より沢山ゴールを見ることができたため、スタジアムを訪れたファンは満足して帰ることができたんじゃないでしょうか。 ちなみに試合後、ピッチでインタビューに答えていたラウールは今季、RMカスティージャの監督として久保選手を指導することになるんですが、当人の目標は「Inculcar a los chicos lo que es el madridismo/インクルカール・ア・ロス・チコス・ロ・ケ・エス・エル・マドリディスモ(選手たちにマドリー精神を教え込む)」ことなのだとか。うーん、マシア(バルサのカンテラ)育ちの久保選手だけにスペインの2強、どの辺りにサッカー哲学の違いがあるのか、いつか訊いてみたいところですが、彼はこのプレシーズン、トップチームと練習すると聞いていますからねえ。コパ・アメリカの後、たった2週間のバケーションしか取らず、7月8日にバルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場に集合するメンバーに入るのかもまだ不明ですが、とりあえず、ジダン監督のチームの予定をお伝えしておくことにすると。 彼らがマドリッドにいるのは最初の1日だけで、翌日にはカナダへ出発。doblete(ドブレテ/CL、リーガの2冠優勝)を達成した2016-17シーズンの夏を過ごしたゲンのいいモントリオール・インパクトのグラウンドでトレーニングに励み、インターナショナル・チャンピオンズ・カップ(夏の国際親善大会)が始まるのは20日、ヒューストンでのバイエルン戦から。続いて23日にはメリーランドでアーセナル戦、26日にはニュージャージーでお隣さんとのマドリーダービーをこなし、30日にはミュンヘンでアウディカップ(バイエルン主催の夏の親善大会)参加となります。まずは準決勝で昨季のCLフィナリストであるトッテナムと顔を合わせ、それからバイエルンorフェネルバフチェと決勝or3位決定戦という流れですが、8月第3週の週末から始まるリーガ開幕前にホームでの新チームお披露目となるサンティアゴ・ベルナベウ杯に関してはまだ相手も日付もわからず。 RMカスティージャの2部Bリーガ戦が始まるのも大体、似たような時期になると思いますが、夏の旅行でたまたま、これらの試合とが重なった場合は覗いてみるのも一興かと。そうそう、マドリーには先日、昨季リーガ1部昇格を果たした同じ首都を本拠とする女子チーム、タコンの経営権を取得。今季はまだ名称が変わらないものの、練習やホームゲームをバルデベバスの施設で行うそうで、2020-21シーズンからは正式にマドリーの一員になるというニュースも。いやあ昨今、リーガには日本人女子選手が結構いますし、こちらにも誰か来てくれたりすると楽しみが増えていいですよね。 え、それでアトレティコの方はどうなっているのかって?うーん、彼らにとって、最大の朗報は日曜に東京で8月のヴィッセル神戸戦を最後に現役引退すると発表したフェルナンド・トーレス(サガン鳥栖)が古巣への帰還を予告してくれたことだったかと。ただ、「para lo que yo quiero hacer en el Atleti necesito formarme/パラ・ロ・ケ・ジョ・キエロ・アセール・エン・エル・アトレティ・ネセシートー・フォルマルメ(自分がアトレティコでしたいことのためには学ぶことが必要だ)」と本人も言っていたように、単なる選手たちとクラブの繋ぎ役になりたい訳ではなく、「アトレティコをもっと偉大にして、まだクラブ史上、達成していないことを成し遂げる」という大きな目標があるため、監督業にしろ、マネージャー業にしろ、修行にしばらく時間がかかるよう。 その一方で、代理人の話ではジダン監督から、「Le dijo que iba a tener pocos minutos, que lo mejor era salir/エオ・ディホ・ケ・イバ・ア・テネール・ポコス・ミヌートス、ケ・ロ・メホール・エラ・サリール(あまりプレー時間がないだろう。退団する方がいいと言われた)」せいで先日、お隣さんへの移籍を決めたマルコス・ジョレンテや、すでに契約書へのサインは済んだと言われている、移籍金1憶2000万ユーロ(約150億円)という、マドリー並みの大盤振る舞いをしたジョアン・フェリックス(ベンフィカ)らのプレゼンもいつになるかわからない状態なんですが、何せこちらは一足早く、7月4日にはプレシーズンがスタートしますからねえ。おそらく今週遅く、もしくは来週の頭には両人ともワンダ・メトロポリターノに姿を見せてくれるんじゃないかと思いますが、さて。 一応、彼らのプレシーズン日程も伝えておくと、昨年夏はW杯があったため、恒例のロス・アンヘレス・デ・サン・ラファエル(マドリッドから1時間の高原リゾート)での地獄のキャンプを省いたせいで、結果的にシーズン中の負傷禍に繋がったことをシメオネ監督が猛反省。今年は7日にはマハダオンダ(マドリッド近郊)を出発し、プロフェ・オルテガの指導の下、ダブル、トリプル・セッション満載の体力増強トレーニングに入るのだとか。親善試合は20日にキャンプ地から程近い、ブルゴス・デ・オスナでヌマンシア(2部)とのヘスス・ヒル・ヒル杯から始まり、その後はアメリカに移動。24日にテキサスでチバス・グアラルダハラ、26日にマドリー戦、31日にはオーランドでMLSオールスターチームと、そして8月3日にメキシコで海外の弟分、アトレティコ・サン・ルイスと対戦してから帰国。 最後は10日にストックホルムでのユベントス戦で昨季のCL16強敗退のリベンジを挑んで準備を終えることになりますが、いやはや。とにかくそれまでにゴディン、ファンフラン、おそらくフィリペ・ルイスもいなくなったDF陣の補強が済んでいることを祈るばかり。何せ、5月末にポルトからCBのフェリペ・モレイラを獲得したという報があって以来、その当人のプレゼンすらまだないのはともかく、毎日、ヘルモーソ(エスパニョール)だ、ロディ(パナメンセ)だ、オタメンディ(マンチェスター・シティ)だ、ブリント(アヤックス)だと名前だけは挙がるものの、実際まだ頭数不足は解消していませんからね。両SBも同じ状態なため、会計年度が変わる7月早々には順次、つつがなく決まってほしいものかと。 その脇で今季はヨーロッパリーグに参加するヘタフェはプレシーズン開始が7月12日と遅め、それに合わせたかのように新戦力到着の報はないんですが、4日にスタートするレガネスも冬にバジャドリー移籍が決まっていたGKクェジェルが契約を延長して残留することになった程度と、こちらも例年通り、8月末の駆け込み人事が主流となりそうな。とりあえず、来週ぐらいには彼らの親善試合の予定なども出てくるはずなので、その辺はまた追ってお知らせしていきますね。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2019.06.29 22:30 Sat
twitterfacebook
thumb

プレゼンもいいんだけど…/原ゆみこのマドリッド

「とりあえず手近なところから始めたわね」そんな風に私が頷いていたのは木曜日、お隣さんとマルコス・ジョレンテが入団することで合意に達したという、アトレティコの公式発表を見た時のことでした。というのも実のところ、先週のヨビッチ(フランクフルトから移籍)、アザール(同チェルシー)に始まって、今週の火水にもロドリゴ(同サントス)、メンディ(同オリンピック・リヨン)と、このところのレアル・マドリーはプレゼンラッシュ。この4人だけでも4000万+1憶+4500万+4800万=2億3300万ユーロ(約285億円)もの移籍金がかかっているにも関わらず、売却決定の報が一切なかったから。 これでまず4000万ユーロ(約49億円)の入金が確定と、少なくともヨビッチ分は元を取ったことになりますが、何せ現在、コパ・アメリカのブラジル代表に参加中のため、冬に5000万ユーロ(約61億円)で獲得したミリトン(ポルトから移籍)もプレゼンがまだですからねえ。最近のレイプ疑惑スキャンダルが影響して、移籍金3憶ユーロ(約370億円)とも言われるネイマール(PSG)の線は薄くなったようですが、ここへポグバ(マンチェスター・ユナイテッド)やら、エリクソン(トッテナム)やら、1憶ユーロ越え選手が加わった暁には一体、どうやって帳尻を合わせるものやら。 そう、バイエルンへのレンタル移籍が終わったハメス・ロドリゲスこそ、かつての上司、アンチェロッティ監督の引きでナポリが5000万ユーロで買いたがっているものの、一番高値がつくべきであるベイルなど、レンタルの打診しかきてないとなれば…いえ、人の懐具合の心配なんて余計なお世話ですよね。 まあ、そんなことはともかく、今週のマドリーのプレゼンの様子からお伝えしていくことにすると、5万人のファンをサンティアゴ・ベルナベウに集めたアザールのメガプレゼンには圧倒された私でしたが、火曜のロドリゴの際には全てが平常モードに復帰。ええ、パルコ(貴賓席)にあった特設ステージも撤去され、再びパルコ前ホールでのイベントだったんですが、その方がまだ18才のFWも、元サッカー選手で息子のケアをするため、現役引退をした34才の若いお父さんも緊張しなくて良かったかと。 実際、契約そのものは昨夏に決まっていたため、レンタルでサントスに留まってプレーする間に学んだというスペイン語で挨拶したロドリゴですが、まだ背番号のないユニフォームに着替え、2000人がスタンドから歓迎するピッチでリフティング、ファンに40個のボールをプレゼント、セルフィー、PKマークからのベルナベウ初ゴール体験、そして胸の紋章へのキスとプレゼンのテンプレをこなした後の記者会見では、複雑な質問はポルトガル語で答えるという臨機応変さを発揮。 昨季、同じ18才で入団、登録をBチームにして、シーズン前半はRMカスティージャの試合に出ていたビニシウスから、ユース代表で一緒になった時などに情報を得ていたからですね。「マドリーには常に世界最高の選手たちがいるから、estoy a disposicion del club para jugar en el primer equipo o en el Castilla/エストイ・ア・ディスポシシオン・デル・クルブ・パラ・フガール・エン・エル・プリメール・エキポ・オ・エン・エル・カスティージャ(トップチームでもRMカスティージャでも自分はクラブの命じるところでプレーする用意がある)」と言っていましたが、え、これって久保建英選手(東京FCから移籍)のライバルになるかもってこと? いやあ、当人は今、コパ・アメリカの日本代表に参加中。すぐにはこちらに来られないため、私も報告が遅くなってしまい、申し訳ないんですが、先週金曜の夜にマドリーが久保選手のRMカスティージャ入団を発表したのは皆さんもご存知の通り。一応、クラブスタッフやカスティージャもカバーしている顔見知りのマドリー番記者に訊いてみたところ、基本的にBチーム選手のプレゼンはなく、あってもバルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場でやるんじゃないかという話でしたが、まあカスティージャの新監督もラウールがUEFAプロライセンスを取得して、就任準備ができたようですし、その辺はまた、情報が入り次第、お伝えしていこうかと。 それより大変そうなのは、ロドリゴ自身が「どの位置でプレーしたいというこだわりはないけど、サイドでプレーするのが好き」と言っていたように、久保選手とポジションが被っていることもありますが、まだ人員整理が進んでいないジダン監督のチームには現在、11人ものアタッカーがひしめきあっていること。ええ、昨季は弟分チームのラージョでレンタル2年目を過ごし、悔しい2部降格を味わったラウール・デ・トマスこそ、ベンフィカへの移籍が決まったようですが、それ以外にサイドを務める選手だけ挙げてもベイル、アセンシオ、ルーカス・バスケス、ビニシウス、ブライムと複数いますからね。そうなると久保選手だけでなく、ロドリゴにしてもトップチームで出場するチャンスを掴むのは難しい? 一方、入団直後からレギュラー候補と噂されているのは水曜にプレゼンがあったメンディで、こちらは昨年の11月から、W杯王者のフランス代表からもお声がかかるようになった24才の左SB。いえ、デシャン監督のチームでは冬にヒザを手術。来季からプレーするバイエルンで続けていたリハビリも終わり、9月には完全復帰しているだろう元アトレティコのリュカと、マドリーでも長年、レギュラーに君臨してきたマルセロと競わないとならないとあって、そうそう簡単ではないはずですけどね。身長178センチと174センチのマルセロより少し大きいせいか、記者会見では「フィジカル的に優位じゃないか」と問われ、「いや、ユニを脱いで彼と会ったことはまだないから」と笑いを取る一幕も。 当人はまだジダン監督とは話していないと言っていましたが、メンディの場合は自身も子供時代のアイドルだったと打ち明けていた代表の大先輩を始め、マドリーにはベンゼマ、バラン、アザール、クルトワとフランス語を話す選手が多いのが強み。いえ、だからって、英語で事が足りてしまうため、最後までスペイン語が話せるようにならなかったベッカムや、もうすでに6年が経過しているベイルのようでは困るんですけどね。そんな話をプレゼン終了後、ベルナベウ近くに最近オープンした居酒屋チェーン風バル(スペインの喫茶店兼バー)で知り合いとしていたところ…。 まさか、「ルイス・エンリケ代表監督辞任」の報に驚かされることになろうとは!ええ、3月のユーロ予選の2試合目、マルタ戦前夜に娘さんの病気で代表を離脱して以来、6月の2試合もロベール・モレノ第2監督を通じて、自宅から指揮を執っていた彼なんですが、どうやらこの件は長引きそうと、職務を退く意志をサッカー協会に表明。それを受けて午後4時から、ラス・ロサス(マドリッド近郊)にある協会本部で会長が緊急記者会見を開くことになったんですが、大丈夫。思った通り、代表のオフィシャルウェブを開くとネット生中継が用意されている辺り、ホントに便利な世の中になったものです。 ちなみに次期代表監督に就任したのはここまで3試合、ルイス・エンリケ監督の代理を務めたロベール・モレノ氏で、いえ、9年間、ルイス・エンリケ監督のアシスタントをしていた彼はエリートチームでの第1監督経験はないんですけどね。選手経験もないものの、14才の頃から指導の道に進み、とりわけ敵チームのアナリシスに優れた手腕を発揮。スターがゴロゴロいる代表チームを率いるのにはカリスマ性にやや欠けるものの、昨年はW杯直前にマドリーとの契約を発表したロペテギ監督を電撃解任、ロシアではスポーツディレクターだったイエロ氏を暫定監督に立て、開催国に16強対決で敗退した後、ルイス・エンリケ監督を招聘と、ここ短い間でコロコロ指揮官が変わっているのにも懲りたんでしょうか。今回、協会は指揮方針の継続性を重視したよう。 ええ、ルビアレス会長自身が記者会見で「発表の15分前にキャプテンたちに連絡した」と言っていたように、先週土曜にセビージャの大聖堂で3人の息子さんの母親でもある芸能人のピラル・ルビオさんとスーパー挙式。結局、ピケ&シャキーラ、カシージャス&サラ・カルボネーロ、ジダン夫妻らのセレブカップルは現れなかったものの、1時間前から午後のバラエティ番組でゲストの到着を生中継、ベッカムの奥さんのビクトリアが模様は入っていたものの、地が白いワンピースにショッキングピンクのピンヒールと、ピラルさんが課したドレスコードを全然守ってないなんて話題でスタジオが盛り上がっているのには、私も呆れたものでしたけどね。 子連れ禁止にも関わらず、郊外にある自身の別荘に観覧車などの移動遊園地まで設置、明け方まで続いたという披露宴の後もハネムーン準備で忙しいであろうセルヒオ・ラモスにも気を遣っての人事だったようですが、何せA代表の試合は9月初旬のユーロ予選5、6節までありませんしね。しかもここまで4連勝中のスペインは2位のスェーデンにも勝ち点差5つけており、大体がして2位まで突破という甘々グループ予選なため、本大会が来るまでは心配することもないものの、どうやら崖っぷちに立っているのは現在、イタリア・サンマリノでU21ユーロを戦っている弟分チームの方のよう。 ええ、日曜にイタリア戦でスタートした彼らはセバージョス(マドリー)のゴールで先制したものの、最後は1-3で逆転負けしてしまったんですよ。水曜のベルギー戦でも早々にダニ・オルモ(ディナモ・ザブレブ)のゴールでリードした後、ゴール前の混乱から同点とされ、後半44分にビジャレアルからウェスト・ハムへの移籍が決まったばかりのフォルナルスのgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)でようやく勝ち点3をゲット。この大会は決勝トーナメントがすぐ準決勝という仕組みなため、3つのグループの1位と最高成績の2位しか突破できないとあって、スペインがベスト4として、来年の東京五輪の切符を手にするには土曜のポーランド戦で大量得点差勝利が必要とされるようですが…やっぱりこれって、アセンシオ(マドリー)とロドリ(アトレティコ)の2人が参加予定を取り止めたのが響いている? え、そのロドリはとうとうアトレティコ退団が決まったんじゃないのかって?いやあ、まだ正式な発表はないんですが、この月曜にはクラブにその意志を伝えたそうで、行先はグアルディオラ監督率いるマンチェスター・シティになる可能性が濃厚だとか。うーん、各紙の記事を読むと、移籍を決心した原因は給料ではなく、エル・パイス(スペインの一般紙)によると、中盤を無視してCBがロングボールを多用することや選手が走りすぎることについて、何度もシメオネ監督やチームメートと意見を交わしたものの、いつも最後は「Aquí jugamos así/アキー・フガモス・アシー(ウチはそういう風にプレーする)」と言われて終わりになるのが不満だったとか。 まあ、アトレティコのカンテラーノ(ユースチーム出身選手)でも昨夏出戻りするまで、ビジャレアルで何年も過ごした彼ですから、ポゼッションサッカーに惹かれる気持ちもわからないではないですけどね。AS(スポーツ紙)など、「シメオネ監督のサッカースタイルと哲学ではCL出場権を獲得するというクラブの目標は果たせても、優勝のチャンスはあまりないだろうと見切りをつけた」とバッサリ。そこでクラブは最初に話したマルコス・ジョレンテ獲得に踏み切ったんですが、いやあ、まだ移籍先を発表していないグリーズマンの後釜として、その契約破棄金額と同じ1憶2000万ユーロ(約146億円)をベンフィカに払い、19才の新鋭、ジョアン・フェリックスとの契約が秒読み段階になっているアトレティコですからね。 どうも来季は大博打になりそうな懸念がなくもありませんが、ラモスと同じ土曜に母国のアルゼンチンで2児の母、カルラ・ペレイラさんと挙式したシメオネ監督にはあまり心配している様子はなし。幸い、グリーズマン以外にもリュカとロドリの8000万+7000万=1憶5000万ユーロ(約183億円)が入るだけに交渉中のエルモモーソ(エスパニョール)、ロディ(パナメンセ)、セメド(バルサ)ら、ファンフラン、ゴディン、フィリペ・ルイスら、ベテランの抜けたDF陣の補強には資金が足りそうですが、果たしてどうなることやら。 ここ数日はマドリッドに滞在し、メディカルチェックなどを受けていたジョアン・フェリックスもバケーションに入ってしまったため、ワンダ・メトロポリターノでのプレゼンラッシュは7月4日のプレシーズン開始前後になりそうですしね。オフシーズンはあまりニュースのない弟分のヘタフェなども柴崎岳選手にメキシコのクラブ・ウニベルシダッド・ナシオナルが興味を示しているという記事がちょっと目についたぐらいで、今は私も市場が動くのを辛抱強く待つしかありません。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2019.06.21 13:00 Fri
twitterfacebook
thumb

期待をかきたててくれるのは嬉しい…/原ゆみこのマドリッド

「本当に皆、ギャラクティコを待っていたのね」そんな風に私が驚愕していたのは木曜日、エデン・アザールのプレゼンのため、サンティアゴ・ベルナベウに向かったところ、スタジアムの周りにできた入場待ちの行列がどこまで行っても途切れず。記者席に着いてからもどんどんスタンドに人が増えていって、最後はバックスタンドと両ゴール裏席の3階までほぼギッシリになってしまったのを見た時のことでした。いえ、それでも2009年にクリスチアーノ・ロナウドのプレゼン時の7万人には及ばず、スポーツ紙の推定では5万人ぐらいだったようですけどね。今季はコパ準決勝敗退、リーガ優勝絶望、CL16強対決でアヤックスに逆転敗退と2月末からの続いた暗黒の1週間の後、ずっと我慢を強いられ、ホームゲームの観客数も振るわなかったレアル・マドリーだというのに、アザールのプレゼンだけでこんなに人が集まるとは思っていなかったから。 いえ、ベルナベウが賑わるのを自分が目撃したのは今週に入って2回目のことで、実は月曜にはスペイン代表の2020年ユーロ予選スウェーデン戦が開催。最初のサプライズはGKが金曜のフェロー諸島戦から変わらず、ケパ(チェルシー)の3試合連続出場となったことだったんですが、このスウェーデン戦に限っては彼でもデ・ヘア(マンチェスター・ユナイテッド)でもあまり差はなかったかと。というのも、攻撃の要、クラエソン(クラスノダール)が前半27分にジョルディ・アルバ(バルサ)のタックルを受け負傷。早々にヨハネソン(レンヌ)と交代せざるを得なくなった敵は後半にシュートを1回撃っただけでそれ以外、セーブが必要なシーンがなかったから。 それでもわざわざプレミアリーグ終了後、1週間程、ユナイテッドのGKコーチに付き添ってもらい、ラス・ロサス(マドリッド近郊)のサッカー協会施設で個人練習。体調維持に努めていた当人にとっては結構、ショックはあったはずで、後で不在中のルイス・エンリケ監督に代わり、試合の指揮を執ったロベール・モレノ第2監督も「Cualquier persona en la vida necesita ese estado de dulce para triunfar/クアルキエル・ペルソーナ・エン・ラ・ビダ・ネセシータ・エセ・エスタードー・デ・ドゥルセ・パラ・トリウンファール(誰でも人生において勝利するには甘美な状態が必要だ)。ケパがアーセナルを制してのEL優勝でそういうポジティブな時期にあるのを利用したかった」と先発GKの選択について話していましたけどね。 何せ、次の代表戦は9月の頭、来季のリーグが開幕してから間がない上、8月14日にあるUEFAスーパーカップで今季のCL王者、リバプールを相手に再び、ケパにいいところを見せられてしまったら、デ・ヘアは控えのポジションが確定してしまう恐れもなきにしろあらず。まあ、その辺はかなり先のことですから、今は置いておくとして、この試合の前半、積極的に攻撃を仕掛けながら、スペインが無得点に終わったのはスウェーデンのGKオルセン(ローマ)によるところが大きかったんですよ。ええ、彼はファビアン(ナポリ)、パレホ(バレンシア)、セルヒオ・ラモス(レアル・マドリー)らの強烈シュートをparadon(パラドン/スーパーセーブ)。 16分にはパレホのラストパスから、ロドリゴ(バレンシア)がゴールを挙げたなんてこともあったものの、微妙なオフサイドで認められないという不運も。うーん、昨今、女子W杯やU20W杯、U21ユーロでもVAR(ビデオ審判)が採用されているんですが、ユーロ予選ではないっていうのはもしや、試合数が多すぎて人手が足りないから? そして0-0のまま後半に入ると、序盤は目立った空席もほとんどなくなり、ベルナベルは観客数7万2000人の大入りを記録。その頃には場内を何周もする“ola/オラ(ウェーブ)”も始まり、これって代表戦の場合、ファンが退屈しているってことなんですが、大丈夫。18分には、下手に慣れたスタジアムでプレーしたせいですかね。今季のクラブでの不調ぶりに輪をかけて精彩のなかったアセンシオ(マドリー)が左側から上げたクロスがラーション(AIKソルナ)の腕に当たり、エリア内のハンドでスペインはPKをゲット。もちろんキッカーはラモスが務め、DFとしては異例の代表20ゴール目を記録して、キックオフ前に代表最多の122勝達成を表彰されたのはダテではないことを証明してくれます。 え、その時も3人の息子さんと共にTVタレントの彼女、ピラール・ルビオさんが付き添っていたけど、ゴールを挙げた後、指輪を差し出してプロポーズする仕草のパフォーマンスまでするなんて、ちょっと最近のラモスは浮かれすぎていないかって?いやあ、それは当然のことでこの土曜にはセビージャの大聖堂でピラルさんと挙式。500人近い招待客にはベッカム夫妻やバルサのピケとシャキーラ、元同僚のカシージャスとTVレポーターのサラ・カルボネーロのカップルと、ピラルさんの課した白だけでなく、黒も赤もピンクもオレンジもグリーンも着てはいけないという厳しいドレスコードと子連れ禁止という条件にも関わらず、大勢のセレブの出席を取り付けている上、セビージャ近郊にあるラモスの別荘で開く披露宴では100万ユーロ(約1憶2000万円)の出演料でとうとう、AC/DCのプライベートコンサートまで実現してしまったとなれば、人生の頂点、ここに極まれり? ただそんなラモスでも後輩思いなところは尊敬できて、スペインは40分にもエリア内に駆け込んだモラタ(アトレティコ)がヘランデル(ボローニャ)に倒されてペナルティを獲得。当人も「yo ni le he preguntado porque el siempre quiere marcar/ジョ・ニー・レ・エ・プレグンタードー・ポルケ・エル・シエンプレ・キエレ・マルカル(訊きもしなかったよ。だって彼はいつもゴールを決めたがるから)」とラモスがキッカーをリピートするものと思い込んでいたところ、何とモラタに譲ってくれたから、意外だったの何のって。いえ、確かにシーズン終盤のモラタはほとんどゴールが入らず、代表で先発したフェロー諸島戦でも無得点に終わっていたんですけどね。 それを「Al final el delantero vive del gol/アル・フィナル・エル・デランテーロ・ビベ・デル・ゴル(FWはとどのつまり、ゴールで生きているからね)。自分が最初のPKを決めた後、次はチームメートに譲って、士気を回復してもらうのが一番さ」とかつてはマドリーの同僚であっても、将来はアトレティコで引退したいと最近のインタビューで言っていた、ライバルのエース候補に恩を売るのはちょっと、上から目線な感じがしないでもありませんが、まあ無事にPKが決まって2点目が入ったから、良かったかと。 おかげでようやくファンも安心することができたんですが、PKゴールだけで物足りなかった試合をメデタク終わらせてくれたのは若いファビアン(ナポリ)とオジャルサバル(レアル・ソシエダ)の2人。ええ、3月に初招集されながら、A型インフルエンザで泣く泣くイタリアにUターン。その時に代わりを務めたサウール(アトレティコ)も今回は休暇先のバリ島でシャッポを脱ぐしかない程の大胆なプレーを見せていた前者のパスから、後者が敵DFをかわしてのgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)を42分にねじ込んでくれたとなれば、月曜の夜にわざわざスタジアムまで足を運んだ観客だって満足したに違いありませんって。 これで3-0と快勝したスペインは予選4連勝でグループ首位の座を確固たるものにしたんですが、次の予選は9月5日のルーマニア戦、8日のフェロー諸島戦。それまではサッカー協会も3月から、重病の娘さんの側を離れられないルイス・エンリケ監督の後任を探すかどうかの決断を保留にするのだとか。まあ、それまではかなり時間がありますしね。スウェーデン戦の後、翌日からラス・ロサスで練習中のU21代表に合流したファビアン、オジャルサバルらを始め、バジャホやセバージョス(マドリー)も出場するユーロが土曜のイタリア戦を皮切りにスタートしますし、こちらも楽しみではありますね。 え、そのU21ユーロにはマドリーファンも注目した方がいいんじゃないかって?その通りで、スペイン代表戦の2日後、同じベルナベウで来季の新戦力のプレゼン第1弾があったんですが、その日はベオグラードでのリトアニア戦で見事なゴールを挙げてきたヨビッチが初めてファンの前に姿を見せることに。フランクフルトから6000万ユーロ(約74億円)で移籍したセルビアA代表FWなんですが、21才と若いため、イタリア・サンマリノでの大会にも彼は招集されているんですよ。いやあ、日程がモロにかぶる中、A代表とU20代表を兼任、火曜のイタリア戦勝利にも貢献して、土曜には韓国とのW杯決勝に挑むことになったウクライナのGKルニン(今季はレガネスにレンタル移籍していた)程のハードスケジュールではありませんけどね。優秀な選手だけが入団できるマドリーだけに各国代表でも引っ張りだこなのは当然だった? ちなみにそのヨビッチのお目見えには4000人強のファンが歓迎に駆けつけたんですが、まずはアンテパルコ(貴賓席前ホール)でのプレゼンセレモニーで、「こんなにビッグなクラブと契約できてボクは世界一幸せだ」という趣旨のスピーチを25秒という、滅多にない簡潔さで済ませた彼はどうやら、いきなり大舞台に放り込まれてかなり緊張していたよう。ええ、後で当人も「唯一、怖かったのはピッチに出ること」と言っていましたが、ユニフォームを着てファンに挨拶した際には、いや私など、プレゼン中に流された名場面ビデオではかなりアクロバティックなゴールが多かったため、高度なリフティングやドリブルを見せてくれるんじゃないかと期待していたんですけどね。 それが上がっていたヨビッチが失念したか、一緒にいたスタッフが伝え忘れたか、GK以外、ほとんどの新入団選手が披露してくれる恒例行事をすっぽかし、すぐにプレゼント用のボールをスタンドに向けて蹴りに行ってしまったのにはちょっとビックリ。いえ、カメラが頼むたびにユニの胸についている紋章にキスしてみせたり、自身のスマオを持ち込んでスタンドを背にセルフィーを撮ったり、PKマークからベルナベウ最初のゴールを決めてみたりと、他は至って普通の若い選手でしたけどね。まだジダン監督ともチームメートとの誰とも話していないそうですし、不安なことも多いでしょうが、近日中に隣国のクロアチア出身で、言葉の通じるモドリッチと連絡できることを祈っています。 え、それで翌日、パルコ前に特設されたステージでプレゼンされたアザールはベルギー代表やチェルシーで着けていた10番をもらえるのかって?うーん、この件に関しては皆、気になったようで、パルコ前ステージで両親、そして弟のトルガン(ドルトムント)、キリアン(クラブ・ブルージュ)も加わって家族写真を撮影。ユニフォームに着かえてピッチに登場すると、リフティングでボール扱いの巧みさをしっかり見せつけ、ヨビッチの時の3倍はあろうかという数の、しかもデザインも新しいユニに合わせた金色ベースのアディダス特製のボールをスタンド3面に満遍なく、手や足で放り込んでファンにプレゼントと結構、体力を消耗するお披露目だったんですけどね。 記者会見でもベテランらしい落ち着きを見せた当人は、「コバチッチ(今季はチェルシーにレンタル移籍)を通じてモドリッチと話すことができたけど、冗談で10番を譲ってと頼んだら、ノーと言われたよ」とまあ、ホントにこういう辺り、ピッチの敵選手だけでなく、マスコミの質問もかわすことに相当慣れているよう。実際、スタジアムに隣接したオフィシャルショップではプレゼン直後からアザールのネーム入りユニが売りだされているんですが、ヨビッチ同様、まだ背番号はついていませんでしたしね。予想ではマリアーノの着けている7番か、ベイルの11番といったところのようですが、彼らの移籍先が決まるまではどうなるかわからないのはマーケティング部門もちょっと、営業的に辛いところかと。 ちなみに念願だったというマドリー入団を果たしたアザールは、自分をギャラクティコだと思うかと訊かれ、「そうなるように努力するよ。今のところはエデン・アザールさ」と答えていましたが、スタンドからは「Queremos a Mbappé, queremos a Mbappé!/ケレモス・ア・エムバペ(ボクらはエムバペが欲しい)」というカンティコ(メロディーのついたシュプレヒコール)が聞こえるといった一幕も。 いやあ、そこまで獲ると、すでにロドリゴ(サントスから移籍)、ミリトン(ポルト)、ヨビッチ、アザール、そして来週水曜にプレゼンが予定されている左SBメンディ(オリンピック・リヨン)で移籍金に3億ユーロ(約370億円)を費やしたというマドリーだけに、収支バランス的にリーガ協会やUEFAのファイナンシャル・フェアプレー要件を満たすのが難しくなりそうですけどね。何はともあれ、まずは1人、スター選手がチームで活躍する姿を見たいというマドリーファンの望みが叶ったのは私も嬉しく思います。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2019.06.14 12:30 Fri
twitterfacebook




アクセスランキング

Kindle限定で配信中!
「週刊 超ワールドサッカー」
第27号 コパ・アメリカ総集編
過去の週刊超WSはこちら
@ultrasoccerjp

新着ニュース