早起きは三文の徳っていうけど…/原ゆみこのマドリッド

2019.07.03 13:15 Wed
「朝9時から親善試合って凄いわ」そんな風に私が驚いていたのは火曜日、弟分チームのレガネスのプレシーズンマッチ予定を見つけた時のことでした。いやあ、数日前から、マドリッドはお昼過ぎには気温40度になる日も珍しくない猛暑に突入。今週木曜にはエスタディオ・ブタルケに程近い、インスタラシオン・デポルティバ・ブタルケで新シーズンに向けての練習を始めるペレグリーノ監督がセッションのスタートを午前8時45分と早い時間に設定したのもわかるんですけどね。だからって、来週13日の土曜日、その施設に昨季、2部に降格してしまったラージョを迎えて行う最初のプレシーズンマッチも似たような時間帯って、それじゃあ近所に住んでいるファンしか見に行けないじゃないですか。
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いえ、その次の試合では、2部Bから昇格して、新たにマドリッドの2部チームの弟分に加わったフエンラブラダと20日の午後7時に対戦するんですけどね。30日には再び、首都圏チームの2部メンバーとして、8年間頑張っているアルコルコンをやはり午前9時30分に迎えるって、この夏のレガネスは朝活が多くない?もちろん、マドリッド旅行がプレシーズン時期に当たってしまい、たまたま空いた午前中を有効に使いたいというサッカー好きの観光客の方には、メトロ5番線のアルーチェ駅前から出るバス(491、492、493、482)に乗って、20分程で行けるレガネス練習場での試合を見てみるのも一興かと思いますけどね。朝に弱い私にはムリかも。一応、リーガ開始直前のホームでの新チームお目見えゲームとなるビジャ・デ・レガネス杯ではスタジアムの方で8月10日午後8時のキックオフですから、相手はやはり2部のアルバセテとちょっと物足りないところはあるものの、その頃にはある程度、補強選手も来ていそうですしね。現在、アフリカ・ネイションズカップのモロッコ代表で活躍しているエン・ネシリが戻って来てくれるのかは保証できないところですが、いよいよ彼らも1部リーグ4年目。今季は3度目のヨーロッパリーグに挑むことになるヘタフェがシュダッド・デポルティボで練習を始めるのが11日と、余裕を見せている間に少しでもお隣さんに近づけるよう、この夏の準備を怠りなく進めてほしいものです。
え、今週はプレシーズンが始まるチームがある一方で、ようやくバケーション入りができた選手たちもいるんだろうって?その通りで月曜にはスペインU21がユーロ大会のトロフィーを持って帰国。決勝の地だったイタリアのウディネからは日曜深夜に飛ぶ便がなく、100キロ離れたスロベニアのリュブリャナまでバスで移動して戻って来たなんて聞くと、ちょっと大人の代表との格差を感じたりもしますが、何せ昨年のロシアでのW杯もそうですが、兄貴分たちは2012年以来、久しく優勝から遠ざかっていますからねえ。お祝いとしては、さすがにこのレベルでは市内パレードもなく、ラス・ロサス(マドリッド近郊)のサッカー協会施設で式典があった程度とはいえ、近い将来のラ・ロハ(スペイン代表の愛称)の復権を期待して、私もつい喜んでしまうことに。

ちなみにこのU21ユーロでの彼らの躍進ぶりをちょっと振り返っておくと、グループリーグ初戦で開催国イタリアと対戦した彼らはセバージョス(レアル・マドリー)のゴールで先制しながら、最後は3-1で逆転負けしてしまうという最悪のスタート。それでも2戦目でベルギーに2-1と辛勝すると、グループ突破に3点差以上の大勝が必要とされたポーランド戦で5-0のgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)を披露して、一気に追い風に乗ったんですよ。
ええ、先週木曜、決勝トーナメント最初の準決勝では前半16分にPKでフランスに先制されながら、28分にはマルク・ロカ(エスパニョール)が同点弾。ロスタイムには折しもこの4年間、サッカーと並行して学んでいた経営学の学位を取得したばかりのオジャルサバル(レアル・ソシエダ)が自ら受けたPKを決めてリードを奪うと、後半にもダニ・オルモ(ディナモ・ザグレブ)とマジョラル(マドリー、昨季はレバンテでプレー)が゛ールを挙げ、現世界王者の弟分たちに4-1と圧勝しているんですから、何とも頼もしい。

そして迎えた日曜の決勝の相手は、そこまでの4試合で計14ゴールという攻撃力を誇るドイツ。おまけに2年前の同大会決勝ではアセンシオ(マドリー)やサウール(アトレティコ)らを擁しながら、1-0で負けてしまった因縁の相手だったんですが、それが却って、セバージョス、バジェホ(マドリー)、マジョラル、オジャルサバル、ソレル(バレンシア)、メレ(コロン)、ミケル・メリーノ(レアル・ソシエダ)ら、連続出場でリベンジに燃えているメンバーが多かったスペインに力を与えた?

いやあ、実際この試合、彼らがスピードのあるパスサッカーで試合を支配していた前半7分にエリア外から、自慢のシュート力で先制点を奪ったファビアン(ナポリ)にしろ、後半24分、今度はGKヌベル(シャルケ)にファビアンが弾かれた後、こぼれ球をvaselina(バセリーナ/ループシュート)で決めたオルモにしろ、U21ユーロ決勝を初めて体験する選手たちだったんですけどね。ドイツの反撃を残り2分、バジェホの頭に当たって入ったアミリ(ホッフェンハイム)の1点だけに抑え、2-1で勝利して、2013年以来の優勝を達成することに。

いやあ、実際、2年前にもルイス・デ・ラ・フエンテ監督はバジェホ、メレ、セバージョアス、マジョラルのいたスペインU19を率い、やはりユーロの王冠を勝ち取っているだけに、この世代には優秀な選手が多いのは確かなようですけどね。ただ今回、大会MVPに輝いたファビアンのように国外でプレーする選手が結構、いたのは珍しかったかも。ええ、監督も「この選手たちはスペイン・サッカー界から信頼されているし、deberian tenerla de los clubes/デベリアン・テネールラ・デ・ロス・クルーベス(クラブもそうすべき)」と嘆いていましたが、バルサのカンテラからクロアチアに活路を見出したオルモなどはともかく、クラブが移籍金ほしさに若くして売ってしまったなんてケースもありますからね。

それこそ、ベティスを離れて1年、この大会で大幅に株を上げ、マドリーが狙っているなんて噂も出てきたファビアンへなど、アンチェロッティ監督直々、「Todo el Napoles esta orgulloso de ti. Yo el primero. Enhorabuena/トードー・エル・ナポレス・エスタ・オルグジョーソ・デ・ティ。ジョ・エル・プリメーロ。エンオラブエナ(ナポリの全員が君のことを誇らしく思っている。まず私が1番にね。おめでとう)」とツイート(https://bit.ly/2XkK69X)して、引き留めを計っていましたしね。

同じくベティス出身、2年前にマドリーに移籍して以来、実はあまりプレーしていないセバージョスなど、MVPをゲットした前大会がステップアップの機会に繋がったことで学習したんでしょうか。今回、優勝した際には「El ano que viene quiero jugar 40 partidos/エル・アーニョ・ケ・ビエネ・キエロ・フガール・クアレンタ・パルティードス(来季は40試合に出場したい)。そしたら2020年ユーロを目標にできるし」と何度もマイクの前でアピールって、もしかしてジダン監督を挑発してる? まあ、一般的にはプレー時間をもっともらえるチームにレンタル移籍して、この2年間の空白を埋めるつもりだろうと解釈されていますが、いやいや。まだこのU21のメンバーには来年の東京五輪で優勝するという目標も残っているのを忘れていけませんって。

実際、もうセバージョスもファビアンもオジャルサバルもA代表でデビューしているだけに、目標が大人の大会になってしまうのは仕方ないんですけどね。私など、前回、スペインが出場した2012年ロンドン五輪ではロドリゴ(バレンシア)やイスコ(マドリー)、マタ(マンチェスター・ユナイテッド)、ジョルディ・アルバ(バルサ)らがいながら、日本もいたグループで最下位敗退をした情けない姿を覚えているため、今度こそは強いスペインを日本のファンに見せてあげたいと思ったところ…あれ?以前はデ・ヘア(現マンチェスター・ユナイテッド)やアドリアン(昨季ポルトとの契約が終了)、ドミンゲス(引退)、コケ、オリベル(ポルト)、サウールと常にいたアトレティコ勢が今回のU21にいないのはとっくにチェック済みだったものの、バルサ勢も姿を消しているとは、これまた如何に。

複数いるマドリー勢も皆、今季も残留するか、確定していない辺りを見ると、どうやらスペインのビッグクラブで国産若手選手がチャンスを掴むのが難しくなっているというのは本当のようですが、こればっかりはねえ。何はともあれ、レガネス同様、木曜からプレシーズン開始となるアトレティコでは先日、コパ・アメリカの準々決勝で敗退したウルグアイのヒメネス、コロンビアのアリアス、そしてアフリカ・ネイションズカップのガーナ代表に行っているトマス以外、バケーションがずれ込んで、遅れて合流する選手がいないのはラッキーだった?

いやあ、それがそうでもなくて、というのも新戦力がまだ到着していないんですよ。お隣さんから移籍したマルコス・ジョレンテこそ、先週金曜にはワンダ・メトロポリターノのプレス・コンフェレンスルームでプレゼンされたんですけどね。まだロドリの退団が正式に発表されていないにも関わらず、14がついたユニフォームでお披露目されていたのはともかく、ピッチにはその週末にあるスペイン人ポップ歌手、マヌエル・カラスコのコンサートのための大舞台が組みあがり、まさにリハーサルの真っ最中だったためか、当人がユニを着て、芝の上でポーズをとることはできず。

やはりこの状態では大枚1億2000万ユーロ(約146億円)を払うジョアン・フェリックス(ベンフィカ)をプレゼンすることはできないのか、もしくは同額の違約金を払ってバルサに行くことになっているグリーズマンのプレゼンが来週までカンプ・ノウで開かれないためなのか、わかりませんが、FWの到着も遅れている上、ポルトからの移籍が決まったCBフェリペ・モンテイロとパナメンセから獲得した21才の左SBロディ以外、まだDFも頭数が揃ってないとなれば、またマハダオンダ(マドリッド郊外)のセッションではカンテラーノ(アトレティコBの選手)が大量にヘルプに駆り出されることになるかと。

大体がして、先日、シメオネ監督になって以来、アトレティコに加入して成功を収めた選手は54人中9人しかいないなんてデータをAS(スポーツ紙)で見てしまって以来、すでにインテルへの入団が発表されたゴディンを始め、かなりの人数が入れ替わる今季はかなり不安が高いんですが、その横でお隣さんは着々と投資金額の回収が進んでいるよう。ええ、6月中はヨビッチ(フランクフルトから移籍)、アザール(同チェルシー)、ロドリゴ(サントス)、メンディ(オリンピック・リヨン)と次々にプレゼンして、まずは3億ユーロ(約366億円)程の財力を見せつけた後、マドリーは人員整理も開始。

それこそ、「シメオネ監督の個性もクラブのプロジェクトも魅力的で入団するのにためらいはなかった」というマルコス・ジョレンテからして、移籍金が3000万ユーロ(約37億円)もしたんですが、7月に入るやいなや、昨季はチェルシーにレンタルしていたコバチッチが4500万ユーロ(約55億円)で完全移籍。ラージョで2年間、修行したラウール・デ・トマスはベンフィカに2000万ユーロ(約24億円)で、ミランのメディカルチェックを受けているテオ(昨季はレアル・ソシエダでプレー)は2500万ユーロ(約31億円)で売却と、ここまでですでに1憶ユーロ以上回収した上、ハメス・ロドリゲス(バイエルンに2年間レンタル)、ウーデゴール(昨季はフィテッセでプレー)らも移籍予定と、まだかなりの収入が見込めることに。

いえ、まだ大物、当人はわかりませんが、代理人が相変わらず、移籍を否定しているベイル、セビーッジャでのスーパー挙式の後、セルヒオ・ラモスと芸能人のピラル・ルビオさんが新婚旅行として訪れたコスラリカでガイド役を買ってあげていたケイロル・ナバスが残っていますけどね。おまけにジダン監督が欲しがっているポグバ(マンチェスター・ユナイテッド)は1憶7000万ユーロ(約207億円)かかると言われているため、やっぱりこの夏は赤字で終わりそうなマドリーですが、人の財布を心配しても仕方ないかと。

とりあえず、コパ・アメリカの日本代表に参加した久保建英選手がもう来るのかはわからないんですが、チームは来週月曜にバルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場に集合した後、翌日にはカナダのモントリオールに向けて出発。まだまだ選手たちをマドリッドで見られるのは先のことになりそうですが、1つ残念なお知らせがあって、現在、サンティアゴ・ベルナベウに隣接したショッピングモールの取り壊しが始まり、3年計画のスタジアム改修工事にかかっているマドリーはどうやら、その関係で8月いっぱい、リーガに頼んでホームゲームを避けてもらうよう。2019-20シーズンの対戦組み合わせもこの木曜に決まるため、それを見て、マドリッド訪問の計画を立てるファンも多いかと思いますが、これはちょっと頭に入れておいた方がいいかもしれませんよ。

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