まだバケーション入りするには早い…/原ゆみこのマドリッド2019.06.04 12:00 Tue

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「ようやく始まってくれたわ」そんな風に私がホッとしていたのは月曜日、午後1時を過ぎた頃から、スペイン代表選手がラス・ロサス(マドリッド郊外)のサッカー協会施設に到着する写真が公式ツィッター(https://twitter.com/SeFutbol)に上がっているのを見つけた時のことでした。いやあ、この6月の2020年ユーロ予選に向けた招集リストが発表されたのはもう2週間以上前のことだったんですけどね。それからリーガの最終節があったり、コパ・デル・レイ決勝があったり、先週はアゼルバイジャンのバクーでのEL決勝はともかく、マドリッドはワンダ・メトロポリターノでのCL決勝に向けてお祭り状態に突入。え、コパ決勝にはバルサのバスケツ、ジョルディ・アルバ、セルジ・ロベルト、バレンシアのロドリゴ、パレホ、ガジャが出場していたとはいえ、それはもう1週間も前のこと。EL決勝だってチェルシーのケパしか出ておらず、それこそCL決勝の舞台に立った代表選手は1人もいなかったんだから、もっと早くから始めていても良かったんじゃないかって?そうですね、確かにそれ以外の選手たちはリーグ終了後、少々、間が空いてしまい、いえ、CL準々決勝バルサ戦2ndレグでは当人のポカもあってマンチェスター・ユナイテッドが敗退。翻って、立派にチェルシーのゴールをEL王者になるまでしっかり守ったケパに代表正GKの座を脅かされる危険を感じたんでしょうか。プレミアリーグ終了後、デ・ヘアなど、ラス・ロサスに通ってトレーニングする姿が目撃されてもいたんですけどね、

セルヒオ・ラモス、イスコ、アセンシオ、カルバハルといったレアル・マドリー勢も先週はバルデベバス(バラハス空港の近く)のクラブ練習場で汗を流していたそうですが、ネイションズリーグのファイナルフォー出場が決まっていたならともかく、今回は金曜にフェロー諸島戦、来週月曜のスウェーデン戦の予選2試合だけ。となれば、そんなに何日も合宿する必要はない?いえ、3月のマルタ戦直前に代表を緊急離脱したルイス・エンリケ監督がまだ不在なのはそのせいではないんですけどね。どちらにしろ、まだ予選3節ですし、2試合を終えて勝ち点6のスペインはグループ首位とあって、あまり今からカリカリする必要はないんですが…。

まあ、代表のことはまた後で話すことにして、せっかくですから、土曜のCL決勝の様子をお伝えしていくと。私もこのところ、チャンピオンス・フェスティバルがあるのにかこつけて、イギリスから来たファンたちで賑わうセントロを日々、散策していたんですが、試合当日には両チームのファンゾーンまで足を伸ばしてみることに。それが、トッテナム勢の集まるコロン広場は広いせいですかね。盛り上がりぶりを観察しながら、歩き回るスペースもあったんですが、メトロ2駅分を歩いて辿り着いたフェリペ2世大通りの方はまだランチ前の時間だというのに恐ろしい程の混みよう。あまりに人が多くて前に進めないのには弱ったの何のって。

チームカラーが赤というのも熱気を上昇させる効果があるのか、何人ものファンがスーパーなどで買ったらしい24缶パックのビールを持ち込んでおり、氷とバケツまで持参とはまったくもって用意がいい。そんなに飲み続けていたら、夜9時からの試合まで起きていられるのだろうかと心配にもなりましたが、大丈夫。実は私が立ち見を恐れてキックオフ1時間前に行った近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)も完全にリバプールファンに占拠されており、彼らもビール片手に割れるばかりの音量で皆すっと応援歌を歌っていたんですが、これまでに見たことのない速さでグラスビールを次々とつぎ、ガラスのピッチャーにワインとファンタオレンジを凄い勢いで注ぎ込んでサングリアを作っていた顔なじみの店員さんに訊くと、「今日はもう半日程、同じ状態」だったとか。

え、それよりこの日はワンダでも1分間の黙とうがあったように、お昼のニュースではスペイン中が予期せぬ訃報にショックを受けることになったんだろうって?はい、アーセナルでプレミアリーグ制覇した後、2007年にはカペッロ監督の指揮するマドリーでリーガ優勝に貢献、翌シーズンと2009~2011年にはアトレティコでもプレーして、キケ・サンチェス・フローレス監督時代にはEL優勝のタイトルをもたらしているレジェスが午前11時40分、セビージャ(スペイン南部)近くの高速道路で事故を起こし、同乗していた23才のいとこと共に亡くなってしまったんですよ。

今季は2部のエクストレマドゥラでプレーする彼は前節にほぼチームの残留が決定、この火曜のカディス戦のベンチには入らないことになったため、週末を実家のあるウトレラで過ごそうと、土曜の練習後に自家用車のメルセデス・ブラバスS550に乗って移動中だったようなんですけどね。警察の調べによると、どうやら200キロ以上のハイスピードで運転中、車線をはみ出し、ガードレールに当たってコントロールを失うと、数百メートル走った先で車体が炎上。3人目の同乗者も重度のヤケドで入院中だそうですが、2人は全焼した車内で死亡することに。

いやあ、レジェスはまだ35才だっただけにこの悲劇には周囲も茫然、翌日曜には遺体がカンテーラ時代を過ごし、16才という史上最年少でリーガにデビュー、復帰後には前人未踏のEL3連覇も達成したセビージャのホーム、サンチェス・ピスファンにお棺が運び込まれ、長年の友人だったラモス、ヘスス・バナスを始め、お隣さんであるベティスのホアキン、他にもマドリーのペレス会長、ブトラゲーニョ渉外ディレクター、RMカスティージャの来季監督になるラウールらの弔問を受けていましたが、前妻との間にできたレガネスのユースチームでプレーしていた11才の長男が来季から、マドリーでプレーするといった話も。うーん、本当にあまりに突然のことでしたしね。人生の不条理に私も今は何と言っていいかわからないんですが…。

いえ、話をCL決勝に戻さないといけません。オープニングセレモニーもこの大勢いるパフォーマーのうち、どれがUEFAにボランティアで採用された人々なのだろう、太鼓を叩く係は出演料をもらえるのだろうかとしょうもないことに私がまだ頭を巡らせているうちに試合は始まったんですが、まさか開始からたった25秒でバル中が大歓声に包まれることになろうとは!ええ、キックオフと同時に速攻をかけたリバプールはマネがエリア内からクロスを上げようとしたボールがシソッコの腕に当たりペナルティをゲット。VAR(ビデオ審判)の介入があったため、サラーがPKを決めて得点が入ったのは2分のことでしたが、何せ昨季の決勝では31分にラモスともつれて転倒。肩を脱臼して泣く泣く交代したエジプト人エースでしたからね。

今回のツキの良さには当人もビックリしたでしょうが、その後はトッテナムがボールを独占。といって、この試合でようやく4月以来の復帰を果たしたエースのハリー・ケインも本調子でなかったか、見せ場を作る訳でもなく、その後はかなり退屈な展開だったんですが、昨季のリバプールを違ったのはやはり一流の守護神のおかげだった?ええ、マドリーとのキエフでの決勝ではGKカリウスのミスが3-1での敗戦を招くことになりましたが、この日のアリソンはソンや準決勝アヤックス戦2ndレグでハットトリックを挙げ、チームを土壇場の逆転突破に導いたルーカス・モウラのシュートもしっかり弾き、1点差をキープしているんですから、バルにいたリバプールファンも安心できたかと。

そして後半42分にはやはり負傷上がりだったフィルミノから代わったオリジが2点目を挙げ、ここで勝負は決着。0-2でリバプールが勝ち、これまで7回の決勝全てに負けているというクロップ監督がとうとうCL初優勝…いや、周囲が赤いユニばかりだったため、逆だった場合のことはあまり考えたくないんですけどね。ホストとしてパルコ(貴賓席)にいたアトレティコのセレソ会長も「今日はリバプールが優勝したが、el campeón de campeones es el Atleti, por su fantástica organización/エル・カンペオン・デ・パンペオネス・エス・エル・アトレティ、ポル・ス・ファンタスティカ・オルガニサシオン(チャンピオンの中のチャンピオンはアトレティコだ。素晴らしいオーガナイズ能力を披露した)」と言っていたように幸い、マドリッドの街中でもスタジアム内外でもフーリガンたちの騒ぎが一切、なかったのは何よりでしょうか。

そしてCL決勝翌日、日曜には各地でリーガ昇格プレーオフ2ndレグがあったんですが、こちらはいい知らせと悪い知らせが。というのも午前中には3部のグループで1位となり、1ラウンドだけで良かったヘタフェBがレアルタッドとの1stレグに2-0と負けながら、コリセウム・アルフォンソ・ペレス横にある練習場の人工芝ブラウンドでの試合で4-1と逆転し、2部B昇格を達成。今季はほとんどトップチームで過ごしていたウーゴ・ドゥーロが2得点と大活躍だったんですが、もしやこれって、RMカスティージャで登録されていたビニシウスをプレーオフに出すぐらいの荒業だったかも。

そしてヘタフェ、レガネス同様、マドリッド南部の衛星都市チームであるフエンラブラダもレクレアティボをアウェイで破り、2部昇格を決めたのは朗報だったんですが、情けなかったのは兄貴分チームの後輩たち。ええ、コパ・アメリカのブラジル代表に呼ばれず、訪日して商業活動等をするため、ビニシウスにバケーションを与えてしまったのもマズかったんでしょうかね。1stレグでカルタヘナに3-1で勝利していながら、2ndレグで2-0と負け、RMカスティージャは逆転敗退。お隣さんのBチームも決して自慢できる結果ではなく、マハダオンダでスコアレスドローの後、ミランデスのホームでは先制しながら、最後は2-1で負け、どちらも2部昇格への望みを繋ぐ2回戦に進出できなかったのですから、困ったもんじゃないですか。

いやあ、まだシーズンが終わっていない2部の弟分、アルコルコンは13位と昇格にも降格にも関係ない位置にいるんですが、今季昇格したばかりのラージョ・マハダオンダはこの火曜のオビエド戦が最後の試合で、最終節は今季半ばに経営破綻で降格となったレウス戦の不戦勝分、勝ち点3が入る予定といっても現在、残留ラインのルーゴと勝ち点差3ありますからね。ここで勝っておかないと、2部Bに最速Uターンが決まってしまうというのは心配なところ。どちらにしろ、もう今季はマドリッドで見られるクラブの公式戦がないのは淋しい限りではあります。

え、それでもスペイン代表の2試合目、スウェーデン戦はサンティアゴ・ベルナベウであるんだろうって?その通りで、この月曜夕方には私もラス・ロサスまで公開練習を見学に行ったんですが、やはりセッションの始まりには全員一列に並んでレジェスの冥福を祈る1分間の黙とうが。それまでファンの歓声で賑やかだったスタンドもシーンとなって、しめやかなムードだったんですが、その後はそれそれが贔屓の選手にカンティコ(メロディのあるシュプレヒコール)を送るいつもの光景に戻ります。コパ決勝でふくらはぎを負傷、ベンチからバレンシアが4連覇中のバルサを倒して新王者の座につくのを見守ったパレホも回復しており、招集された23人揃っていたのには練習の一部始終を生中継で見守っていたという、現在、重病を患った娘さんにかかりっきりになっているルイス・エンリケ監督も安心できたかと。

ちなみにこの日のセッションはスペイン代表にしては珍しく、いえ、1、2週間のミニバケーションをはさんでいる選手がほとんどだったせいもあるんでしょうけどね。いつもは1時間弱で終わるのにランニング、ロンド(中に入った選手がボールを奪うゲーム)、軽いフィジカルメニューと続き、ピッチ半面でのパスシュート練習、守備攻撃練習の後も40分ぐらいを6人制のpartidillo(パルティディージョ/ミニゲーム)に当てて、計1時間半ほどの長丁場に。かといって、先発候補がわかるようなものではなかったんですが、モラタ(アトレティコ)やロドリゴ(バレンシア)が何発もゴールを決めていたのは心強かったかと。

火曜以降、彼らのセッションは全て非公開で、木曜にはフェロー諸島戦のため、トースハウンに移動。またラス・ロサスに戻って来た後もファンが見られるのはスウェーデン戦の前日のスタジアム練習ぐらいしかないというのは残念なんですが、国際メジャートーナメントのないこの夏は次の試合が9月までありませんしね。イスコやアセンシオら、今季はマドリーで活躍できなかったにも関わらず、招集してもらえた選手たちなど、ジダン監督にもアピールするいいチャンスだけにきっと皆、気合を入れてプレーをしてくれますよ。
【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。
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悩みはあんまり変わってない…/原ゆみこのマドリッド

「何かいたたまれないわよね」そんな風に私が同情していたのは月曜日、レアル・マドリーのインターナショナル・チャンピオンズ・カップ(夏の国際親善大会)2試合目、アーセナル戦の会場となるフェデックス・フィールドで練習しているベイルの映像をお昼のニュースで見た時のことでした。いやあ、プレシーズン開始前から、彼が放出確定と見なされていたのは本当ですけどね。パルコ(貴賓席)観戦となった土曜のバイエルン戦の後、ジダン監督が「プレーしなかったのはクラブが移籍先を探しているから」と説明したまでは良かったものの、「Y si se puede ir manana mismo, mejor/イ・シー・セ・プエデ・イル・マニャーナ・ミスモ、メホール(明日にでも出ていけるなら、その方がいい)」って、ちょっとお、それってあまりに冷たくない? 続けて「自分は個人的にベイルに何の含みもないが、改革の時が来た。退団は監督の決断であり、選手の決断でもある。彼は状況をわかっているよ」と言っていたものの、現在、中国のクラブやトッテナムなどと交渉中の代理人が話をまとめるまで、さらし者のようにチームと一緒に練習をしないといけないとは、これ如何に。だってえ、同じ放出候補で、やはりバイエルン戦では出場機会のなかったマリアーノなど、監督に名指しで何も言われていないため、肩身の狭い思いをする必要はないんですよ。 U21ユーロに出場したため、ようやくこの月曜に練習を始めた同じ身分のバジェホ、マジョラル(昨季はレバンテにレンタル)はコパ・アメリカ帰りのバルベルデと共にラウール監督の指揮するRMカスティージャがバルデベバス(バラハス空港の近く)で始めたプレシーズン練習に合流し、アーセナルだか、トッテナムだか、すでにレンタル先を吟味中のセバージョスに至っては決まるまでバケーションを延長。ハメス・ロドリゲス(2年間、バイエルンにレンタル)も7月末のチーム合流期日が来る前にお隣さんでも何でもいいから、移籍先を決めろと言われているとか。 となると、ベイルだけが貧乏クジを引いて、悪目立ちしているみたいですが、まったく。実際、少しでも高く売るためにはプレシーズンマッチに出して、活躍してもらう方がいい戦略なのにという声も聞こえますからね。とにかく、このイヤな雰囲気だけは一刻も早く解消してもらえると、ファンにとってもありがたいと思うんですが…。 まあ、そんなことはともかく、先週末の土曜はマドリッドの4チームが揃って親善試合を開催。といっても私が現地観戦できたのは再び朝9時から、レガネスがシュダッド・デポルティバ・ブタルケに今季から2部の弟分仲間に加わったフエンラブラダを迎えたゲームだけだったんですけどね。初戦は昨季2部に降格したラージョと2-2で分けた彼らだったものの、この日は前半にサビン・メリーノと、フエンラブラダと入れ違いで2部Bに戻ってしまったラージョ・マハダオンダ(ラージョ・バジェカーノとは別のクラブ)から入団したFWルイバルのゴールでリードすると、後半も敵の反撃を許さず、そのまま2-0でこのプレシーズン初勝利をゲット。 実はこの試合では現在、フエンラブラダでテスト期間を過ごしている、サガン鳥栖でフェルナンド・トーレスの同僚だった加藤恒平選手のプレーなども見ることができたんですが、その辺の詳細は別の記事(https://bit.ly/2Z7P72q)で読んでもらうことにして、今はレガネス中心に話を進めると。今週の彼らは月曜からモロッコのタンジュに移動。あちらでキャンプを行うと共に水曜にはラジャ・カサブランカと、土曜にはイティハッド・タンジュとの親善試合に挑むことに。 どうやらこの間にアフリカ・ネイションズカップのモロッコ代表に参加していたエン・ネスリに戻ってもらおうという思惑もあるようですが、確かにブライトバイテ(ミドルスブラに帰還)とカリージョ(同サザンプトン)がいなくなった前線はちょっと寂しいですからね。昨季、頭角を現した22歳にはあと1シーズンぐらいはレガネスで頑張って、もっともっと移籍金を釣り上げてもらいたいところですが、さて。地元密着型の彼らにはモロッコから戻った後、来週水曜にはまた午前9時30分から、3つ目のマドリッド2部チーム、アルコルコンとの練習試合があるため、その頃、マドリッド観光の予定があるファンはチェックしておくといいかもしれませんよ。 そして土曜の午後7時には、まだ日が燦々と輝くブルゴス・デ・オスナで地獄のLAキャンプを打ち上げたアトレティコが2部のヌマンシアとヘスス・ヒル・ヒル杯で対戦。何故か、前日には今季の黒い第2ユニフォームをお披露目しながら、昨季の第3ユニでピッチに現れた先発メンバーの半分、5人がこの夏、入団したばかりの選手となれば、期待も高まるというものです。ジョアン・フェリックス(ベンフィカから移籍)、マルコス・ジョレンテ(同マドリー)、エルモーソ(同エスパニョール)、ロディ(同パラナエンセ)、トリッピアー(同トッテナム)らが果たしてどんなプレーをするのか、私も興味津々で見ていたところ…。 いやあ、確かに移籍金1憶2600万ユーロ(約153億円)という大盤振る舞いをしただけあるというか、19歳と若いながら、ジョアンって、どこか違いますね。敵DFの間をするりとすり抜けてしまうし、ボールも失くさないし、いいところにパスを出せるとあって、今までのアトレティコにはなかった才能の持ち主かも。ただ、残念だったのは前半27分、腰を打撲して、コレアに代わってしまったことで、実はジョアンのスルーパスからジエゴ・コスタがシュートチャンスを迎えても倒されてしまい、しかもペナルティも取ってもらえないなんて不運もあったんですけどね。加えてモラタも相変わらず、シュート精度が悪いわ、ハーフタイム入り間際にコレアの放った一撃もゴールポストに弾かれてしまうといった具合で結局、前半の彼らは無得点で終わることに。 後半はコレア以外、選手が総入れ替えとなったんですが、それが驚いたことに23分にはカンテラーノ(アトレティコBの選手)のリケルメのクロスを低い位置でビトロがヘッドして先制点を奪うと、32分にはマヌ・サンチェスのラストパスを、こちらは将来を買われて入団した21歳のサポンジッチ(ベンフィカから移籍)がゴール前から押し込んで2点目をゲット。おまけに38分には敵GKにクリアされたボールをエレラ(同ポルト)、カメージョと繋いで最後はフェリペ(同ポルト)がゴールって、この日の先発でサビッチとCBコンビを組んだのはエルモーソだったものの、その前のCKでも強烈ヘッドをparadon(パラドン/スーパーセーブ)されていたとなれば、ゴディン(インテルへ移籍)の後継者争いを彼が制するのも夢じゃない? いえ、セットプレーからのゴールはまだ、コパ・アメリカ参加後のバケーション中のヒメネスも得意とするところですし、大体、CBのレギュラーが得点力で決まる訳もないんですけどね。私がそんな莫迦なことを考えてしまったのは相変わらず、モラタもジエゴ・コスタも点を入れるのに苦労していたからで、最後は0-3の快勝だったとはいえ、後半の控え組、放出候補、そしてカンテラーノの混成チームで達成したgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)を果たして喜んでいいものかどうか。 といっても先日、昨季の背番号23をトリッピアーがプレゼンで着けていたため、てっきり移籍かと思っていたビトロなど、新たに20番を着けて、「Estoy ilusionado y tengo muchas ganas de triunfar aqui/エストイ・イルシオナードー・イ・テンゴ・ムーチャス・ガナス・デ・トリウンファール・アキー(自分は希望に燃えているし、ここで勝利する意欲でいっぱいだ)」と残留アピールをしていましたけどね。実際、本当にコレアが5000万ユーロ(約61億円)で売れて、予算4000万ユーロ(約49億円)前後のハメス・ロドリゲスなどが入ってきたら、出番がもらえるのかは微妙。 ええ、現在、ポジション争いがかなり熾烈になっており、この日は太ももに痛みがあったため、出場せず。キャプテン権限でちゃっかりトロフィーだけもらっていたコケなども同様かと思いますが、もう1つの懸念は21歳のロディだけとなってしまった左SB。というのも翌日曜、ワンダ・メトロポリターノでフィリペ・ルイスのお別れ会見があり、もうアトレティコではプレーしないことが正式に発表されたんですよ。会場がいつものプレス・コンファレンスルームでなかったのはその日、スタジアムがエホバの証人の集会に使われていたせいで、他意はなかったようですが、小さいホールでのセレモニーには自身の就任当時からいたベテランの最後の挨拶に駆けつけたシメオネ監督始め、コケ、サウール、オブラク、サビッチ、モラタらの姿も。 ちなみに次は母国のフラメンゴでプレーすると言われているフィリペ・ルイスは「Soy un privilegiado, vivi la mejor etapa de este club, soy muy afortunado/ソイ・ウン・プレビレヒアードー、ビビ・ラ・メホール・エタパ・デ・エステ・クルブ、ソイ・ムイ・アフォルトゥナードー(自分は恵まれている。このクラブの最高の時代を生きられて、とても運がいい)」と並んだトロフィーの前で話していましたが、いやいや。ここまで奮発して戦力補強をしたんですから、この先はもっともっといい時代を迎えてくれないと。月曜には移籍が決まるのを待っているカリニッチだけを残し、アメリカに向けて出発したチームですが、まずは水曜午前3時(日本時間午前11時)からのチバス・グアルダラハラ戦を皮切りにマドリー、MLSオールスターと対戦するこのインターナショナル・チャンピオンズ・カップの試合で新生アトレティコの強さを披露できたらいいですよね。 え、それで夜中の2時に始まったマドリーのバイエルン戦はどうだったのかって?うーん、この夏は同じように何人も補強をした彼らだったんですが、ジダン監督はお隣さんとは真逆で先発に抜擢された新顔はアザール(チェルシーから移籍)だけ。他はお馴染みのメンバーでスタートしたんですが、前半15分にはトリソのシュートを1度は背番号を13に変えたGKクルトワが弾いたものの、2度目のトライでゴールにされてしまうことに。FWがベンゼマだけだったのもマズかったか、GKノイアーにも阻まれて、その1点を返せずに前半は終了。 後半には11人全員を代え、CFのヨビッチ(フランクフルトから移籍)を始め、ロドリゴ(同サントス)、メンディ(同オリンピック・リヨン)、そして久保建英選手もマドリーデビューとなったんですが、またしても得点したのはバイエルンの方でした。ええ、24分にはズーレのロングパスを受けたレバンドフスキが貫禄の2点目を挙げると、その2分後にもナチョのパスミスを起点にナブリが3点目って、もしやこの新生マドリーって守備が弱い?うーん、39分にはロドリゴが見事な直接FKを決めて一矢を報いたものの、彼も自分で「Para Vini y para mi Marcelo es como nuestro papa/パラ・ビニ・イ・パラ・ミー・マルセロ・エス・コモ・ヌエストロ・パパ(ビニシウスにもボクにもマルセロはパパみたいなもの)」と言っていたぐらいの、ティーンエイジャーですからね。 まだ、今季はRMカスティージャでプレーするか、レンタルに出るか、方針も決まっていないため、どこまで頼りにしていいのかわからないんですが、3-1の敗戦でスタートしたのはちょっと期待外れ。いえ、久保選手などは何度もいいプレーを見せて、ますます株を上げることができたんですけどね。どうやら、Kuboがcubo(クーボ/バケツ)を連想させるせいか、Take(タケ)と呼ばれたがっているとマルカ(スポーツ紙)が何度も書いていた彼も立場上はロドリゴと同じですし、大体、ベイルも出すことにした今、マドリーが獲らなきゃいけない選手って、ポグバ(マンチェスター・ユナイテッド)ではなく、クリスチアーノ・ロナウド(ユベントス)退団以来、昨季から続くゴール不足を補うスーパーFWなのでは? いえ、その辺は私の考えることではないので、好きにしてくれていいんですけどね。翌日、ワシントンに移動したチームは水曜午前1時(日本時間午前8時)のアーセナル戦に向けて練習を開始。今度はジダン監督も考えて、もっと効率的にゴールの入るラインアップにしてくれるといいんですが、さて。土曜のアトレティコ戦ではどちらのチームが上手く補強できたのか、比べてみられるのもちょっと楽しみではありますね。 そして同じ土曜の夜にはもう1つの弟分、ヘタフェもアルガルベ(ポルトガル南部のビーチリゾート)でイベリア・カップの準決勝、ポルティモネンセ戦だったんですが、悲しいことに私には翌日、GOL TV(スペインの民放)の録画中継を待つしか見る手立てがなし。先週金曜にバルサからのレンタル移籍で入団、プレゼンされていたククレジャがチーム練習を1回もせずに出ていたのには驚かされましたが、幸い、その試合は0-0の末、PK戦でGKチチソラが相手のシュートを2度止めてくれたため、ポルティモネンセのゴールを守っていた権田修一選手には気の毒でしたが、日曜の決勝でベティスに勝っていたポルトと対戦できることに。 そちらではカブレラのヘッドで先制したものの、後半にペペとファビオ・シウバにどちらもセットプレーからゴールを奪われ、2-1と惜敗してしまいましたが、まあ相手はCLの常連チームですからね。まだプレシーズン開始から、それ程、日にちも経っていないヘタフェですし、開幕までは時間がありますから、ボチボチ調子を上げていけばいいかと。ちなみに彼らは先週いっぱいでオリバ・ノバ・ビーチ&ゴルフ・ホテルでのキャンプを打ち上げ、今週は地元に留まって練習。水曜にはラージョ・マハダオンダとの試合が練習場であるはずなんですが…何でこのクラブ、オフィシャルウェブの予定表のアップデートが遅いんでしょうかね。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2019.07.23 11:55 Tue
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とうとう試合が始まる…/原ゆみこのマドリッド

「クラブの人も面倒臭くなったのかな?」そんな風に私が首を捻っていたのは木曜日、先週はマドリッドのクラブの新入団選手プレゼンのため、ほぼ毎日、出ずっぱりだったのとあまりに対照的で何もなく、退屈していた今週、ようやくアトレティコでトリッピアーのお披露目があると聞き、いそいそとワンダ・メトロポリターノに向かったところ、プレス・コンファレンス・ホールの舞台に立った司会者が、「今日は新しい選手を2人、紹介します」とアナウンスしているのを聞いた時のことでした。 いやあ、確かに話の流れとしては、オフシーズンのかなり早い時期から噂になっていたエルモーソの方は火曜にはもう、すでに交渉がまとまり、数時間のうちに移籍決定のオフィシャル声明が出るだろうと言われていたんですけどね。ところがその夜、当人はルビ監督がベティスに河岸を変えた後、Bチームから内部昇格したダビド・ガジェゴ監督率いる新生エスパニョールのプレシーズンマッチ、ペララダ(3部)戦に出場。 そうこうするうち、翌日には伏兵、トリッピアーの入団が先に発表されたため、木金連続プレゼンになるのかと思っていたところ、さすがに6月末から始まったマルコス・ジョレンテ(レアル・マドリーから移籍)を皮切りにフェリペ(ポルトから移籍)、エクトル・エレラ(同ポルト)、ジョアン・フェリックス(同ベンフィカ)、ロディ(同パラナエンセ)、サポンジッチ(同ベンフィカ)と、6回もプレゼンで祝辞を読んでいたセレソ会長もそろそろ、バケーションを取りたくなった? ま、そんなことはともかく、残念にも一足違いで火曜の夜にあったロス・アンヘレス・デ・サン・ラファエル(マドリッドから1時間の高原リゾート)でのキャンプ恒例、セゴビア(ローマ水道橋で有名な観光地)のレストラン、ホセ・マリアでのコチニージョ(子豚の丸焼き)ディナー(https://bit.ly/2JBZiqG)を逃してしまった、この2人の新戦力がどんな選手なのか、一応、説明しておくことにすると。プレゼンで最初に紹介されたトリッピアーはトッテナムから移籍金2200万ユーロ(約27億円)で獲得した右SB。クラブ史上、95年ぶりとなる2人目のイギリス人選手ということで、まだスペイン語も全然、話せないんですが、ファンフランの退団後、アリアスだけではちょっと心配だったポジションを、イングランド代表で昨年のW杯ベストイレブンにも選ばれた28歳が経験で補ってくれることに。 いやあ、当人にしてみれば、昨季はそれこそ、このワンダでCL決勝に挑み、リバプールにトロフィーをさらわれてしまっただけにいい思い出はないはずですけどね。今季は2度のCL決勝負けを経験しているシメオネ監督と共に初優勝を目指してくれるのでは?エルモーソの方はすでに何度かスペイン代表にも招集されている24歳のCBで、こちらはジョレンテ同様、RMカスティージャ(マドリーのBチーム)の出身。移籍金2500万ユーロ(約30億円)のうち、お隣さんに半額の1250万ユーロが渡るのは別として、当人は実家のあるマドリッドに戻って来られたのが何より嬉しかったよう。 実際のところ、彼にはゴディン(インテルに移籍)の抜けた穴を塞ぎ、更には契約が満了したフィリペ・ルイスが帰って来るという話も一向に聞かないため、21才と若く、しかもヨーロッパ初経験のロディだけでは不安だった左SBもカバーするという、今季からバイエルンの一員となったリュカと同じ役割が期待されているんですが、果たして両名共、シメオネ監督の高い要求にすぐに応えることができるのかどうか。いえ、体力的には一応、前者はリーガより早い8月9日のプレミアリーグ開幕、後者など、7月25日にあるヨーロッパリーグ予選2回戦を目指してプレシーズン練習を始めていただけに、あまり心配ないとは思いますけどね。 だからって、プレゼン後、夕方のセッションでは2人共、早速、レギュラー組でpartidillo(パルティディージョ/ミニゲーム)をしていたっていうのも凄いですが、これでとりあえず、守備陣の補強が完了したアトレティコは金曜に地獄のLAキャンプを打ち上げ、この夏、最初の小手調べ、2部のヌマンシアとブルゴス・デ・オスナでのヘスス・ヒル・ヒル杯で土曜に実戦デビュー。いえ、まだ大物、ハメス・ロドリゲス(バイエルンへのレンタルが終わってマドリーに帰還)の獲得を狙っているなんて話はあるんですけどね。とはいえ、ここまで大量にメンバーが入れ替わったとなると、もうファンとしては、新チームがどんな感じなのか、早く試合で見せてもらいたいと思うばかり。 1憶2700万ユーロ(約154億円)で加入したジョアン・フェリックスもそうですが、順調にトレーニングを続けているジエゴ・コスタやモラタがグリーズマン(バルサに移籍)分のゴールを補ってくれるのかも気になりますしね。ヌマンシア戦の後はアメリカに飛んでインターナショナル・チャンピオンズ・カップ(夏の親善大会)に参加、テキサスでのチバス戦、ニュージャージーでのマドリーダービー、オーランドでのMLSオールスターズ戦、そしてメキシコの弟分、アトレティコ・サン・ルイスとも手合わせてすることになっている彼らですが、その頃にはカリニッチやコレア、ビトロら、放出予定選手の行き先も決まっているのでしょうか。 一方、先週からカナダのモントリオールでキャンプを続けているお隣さんはどうしているのかというと。いやあ、あちらも6月中から、ヨビッチ(フランクフルトから移籍)、アザール(同チェルシー)、ロドリゴ(同サントス)、メンディ(同オリンピック・リヨン)と新入団選手のプレゼンが目白押しで、先日もミリタオ(同ポルト)のお披露目がサンティアゴ・ベルナベウであったんですけどね。最後の大物、ジダン監督ご執心のポグバに関してはマンチェスター・ユナイテッドが1億7000万ユーロ(約206億円)だの2億ユーロ(約242億円)だのと、移籍金を吹っかけて、徹底抗戦の姿勢を貫いているため、本当に来ることになるとしても今、しばらく時間がかかる気配。 それより大変なのは、ここまでマルコス・ジョレンテ、コバチッチ(チェルシーに完全移籍)、ラウール・デ・トマス(ラージョへのレンタルが終わり、ベンフィカへ移籍)、テオ(同レアル・ソシエダからミランへ)と前述のエルモーソの分で1憶3750万ユーロ(約166億円)までは売却益を上げたものの、それ以降が停滞。まだ目標額の3億ユーロ(約363億円)には程遠いとあって、月曜にはペレス会長が直々、キャンプ地に乗り込んで人員整理の陣頭指揮を執ることに。いえ、お兄さんのお葬式に一時帰国していたジダン監督がキャンプに再合流したのは火曜の練習からだったんですけどね。 翌日、練習場を借りているモントリオール・インパクトのホーム、スタット・サプトでの有料公開練習も20カナダドル(約1650円)の入場券は完売御礼。2万人のファンが詰めかけ、セッション後はグラウンドでのトレーニングには参加しなかったセルヒオ・ラモスまで、ファンサービスに精を出すなど、大成功に終わったんですが、現在30人近くいるトップチームの選手を25人に減らすまでにはまだまだ、長い道のりが待っているかと。 ええ、レギロン(セビージャにレンタル)、ジダン監督の次男、GKルカ(同ラシン・サンタンデール)の他、セバージョス、マジョラル、バジェホらU21ユーロ優勝のスペイン代表メンバーの貸し出し先も探さないといけませんしね。7月末にはコパ・アメリカ参加組も戻って来ますし、このままだと新入団選手の背番号も決められないのはマーケティング的に痛いかと。ちなみに最近の報道を見ていると、どうやら放出確定だったベイルはトッテナムからレンタルの問い合わせが来ている程度、更に当人の残留意志が固いため、動かない可能性が高くなっているようですが、今季はクルトワが第1GKと決まった後、移籍すると思われていたケイロル・ナバスもクラブとの退団条件が折り合わず、このまま残ることになるよう。 そこでフロントはイスコやアセンシオ、ルーカス・バスケス、マリアーノらにいいオファーが来ることを祈っているらしいんですが、とにかく頭数の多い前線は大変ですよね。おかげで今季こそ、トップチーム所属になるものと思われたビニシウスがRMカスティージャで登録されていたり、今季入団した1歳年下のロドリゴも同様。久保建英選手なんて、18歳なら制度的に可能ということでフベニルA登録になってしまいましたが、キャンプでは評価が赤丸急上昇中とはいえ、ジダン監督のチームでプレーする場合、彼には外国人選手枠というハンディキャップも。 ええ、昨季、RMカスティージャから昇格したウルグアイ人のバルベルデはもうすぐスペイン国籍が取れる見込みのようですが、ビニシウス、そして今季加入のロドリゴとミリタオもEU外選手ですからね。3人までしかプレーできないため、何だかややこしいことになりそうですが、今はただ、何の制限もないインターナショナル・チャンピオンズ・カップの試合がこの週末にはもう、見られることを喜ぶばかりかと。はい、木曜のセッションでモントリオールでのキャンプを終了する彼らは翌日にはヒューストンに移動。日曜午前2時(日本時間午前9時)という変な時間ですが、相手はバイエルンとなれば、夜更かしする価値はある? うーん、来週火曜のアーセナル戦、金曜のアトレティコ戦も幸い、スペインではRMTVが生中継してくれることになり、問題は時間だけなんですけどね。いえ、現在はバレンシア州のオリバ・ノバ・ビーチ&ゴルフ・ホテルでキャンプ中、昨季はトップチームのEL出場圏獲得に貢献しただけでなく、Bチームでも2部B昇格の立役者になりながら、今年も所属はBチームのままとなった19歳のウーゴ・ドゥーロの髪を先輩たちがメチャクチャに剃り上げてしまったビデオなどは出回っていたものの、土曜のイベリア・カップ準決勝、アルガルベ(ポルトガル南部)であるポルティモネンセ戦の中継があるかないかもわからない弟分チームのヘタフェや、この週末も土曜午前9時から、シュダッド・デポルティーバ・ブタルケで今季から2部の弟分となったフエンラブラダ戦を入場料無料で実施、でもマスコミには注目してもらえないレガネスなんかよりは全然、いい扱いなんですが、はあ。できれば、プレシーズンマッチはヨーロッパでやってほしいものの、兄貴分には兄貴分のマーケティング的都合があるんでしょうね。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2019.07.19 12:00 Fri
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去る者は追わず…/原ゆみこのマドリッド

「思ったより早かったわね」そんな風に私が戸惑っていたのは日曜日、柴崎岳選手のデポルティーボ移籍が決まったというニュースをマルカ(スポーツ紙)のサイトで見つけた時のことでした。いえ、先週木曜にはコリセウム・アルフォンソ・ペレスに出向き、リーガ5位でヨーロッパリーグ出場権を勝ち取った37歳のホルヘ・モリーナを筆頭に32歳のアンヘル、30歳のマタらのFWトリオに32歳で加わり、いよいよ30代カルテットとして、ユーロヘタにゴールを供給することになったエリック・ガジェゴ(ウエスカから移籍)のプレゼンを見てきたんですけどね。 その時にスポーツ・ディレクターのアンヘル・マルティン氏が「ガクの移籍交渉はかなり進んでいて、来週ぐらいには」と言っていたため、週末は呑気に構えていたものの、いやいや。柴崎選手がもうヘタフェの練習に加わることはないとも聞いたものの、丁度、チームはその日の夕方からプレシーズンの練習を開始。そこで私も金曜の朝は早起きして、といってもホームページの予定表に出ていた午前9時には間に合わず、10時過ぎに着いたところ、偶然にもジムを終えた選手たちがスタジアムから出て、練習場に歩いていくのに遭遇することに。 案の定、セッションはフィジカルが中心で、最後の方ではグラウンドを1周した後、そのままDF陣とオフェンス陣が対決するという、非常に疲れる演習をしていて、いえ、別に私やスタンドで眺めていた10人程のファンは日影にいたため、大丈夫だったんですけどね。直射日光にさらされっぱなしの選手たちにはかなり効いたんじゃないかと思いますが、幸いながら、その日には夕方の部もあるダブルセッションだったせいか、1時間15分とボルダラス監督にしてみれば、かなり短めだったのは救いだった? 昨季は途中から、ソシオ(協賛会員)しか、練習が見られなくなってしまっていたものの、その日は誰でも入れるとあって、引き上げる選手たちにファンがサインや写真を頼むお馴染みのシーンも展開されていたんですが、もうこの場所で柴崎選手に会えないというのは残念至極。うーん、ヘタフェにいた2年間で出場したのが31試合だけでは仕方ないんですけどね。移籍先のデポルティーボはリーガ2部6位で6月にはプレーオフを戦い、マラガには勝ったものの、最後はマジョルカに負けて1部昇格が果たせなかったのはともかく、練習場のアベゴンドはラ・コルーニャ(スペイン北西部の港町)からタクシーでしか行けない、ちょっと辺鄙な場所にありますからね。 プレシーズン練習開始はこの月曜からで、コパ・アメリカ参加の後、バケーションを取っていた当人も近日中に参加するようですが、いえ、別にスペイン観光旅行中に柴崎選手の試合も見たいと思っているファンが諦めることはないんですよ。マドリッドはスペインサッカーのメッカで、1部チームが4つあるだけでなく、今季から昇格したフエンラブラダを含めて、1年でUターンしたラージョ、そしてアルコルコンと2部にも3チームが所属。しかも3節のある9月1日の週末には早速、エスタディオ・バジェカスでラージョ戦、11月3日の週末はエスタディオ・フェルナンド・トーレスでフエンラブラダ戦があるため、その辺を狙うのもいい手かと。 まあ、何よりは5年契約を結んだ柴崎選手が貢献して、老舗のデポルティーボを3年ぶりの1部再昇格に導いてくれることなんでしょうが、また話をヘタフェに戻すと、チームは2日間、地元で練習しただけで、日曜にはバレンシア州にあるオリバ・ノバ・ビーチ&ゴルフ・ホテルに移動。あちらでキャンプを行って、来週土曜にはポルトガル南部のポルティマンで開かれるコパ・イベリカ(夏の親善大会)の準決勝ポルティモネンセ戦でプレシーズンマッチをスタートさせると、翌日にはポルトvsベティス戦の勝者or敗者と決勝or3位決定戦をプレーすることに。 マドリッドに戻った24日には練習場で、残念ながら、1シーズンだけでまた2部Bに落ちてしまったラージョ・マハダオンダ(ラージョ・バジェカーノとは別クラブ)との親善試合も行われるため、その頃にはだんだん、新チームの形も見えてくるかと思いますが、さて。昨季はケガでシーズンを丸々棒に振ったベルガラ、後半戦に出られなかったアマトなど、9月に始まるヨーロッパリーグに備え、頼りになりそうな選手たちが復活してきたのは心強い限りですよね。 え、練習が始まったばかりのヘタフェに比べ、土曜にはもう最初のプレシーズンマッチをやるなど、お隣さんのレガネスは一歩、先を行っていないかって?そうですね、私も今度は試合ということで妥協せず、朝9時にはインスタラシオン・デポルティバ・ブタルケに着いていたんですが、すでにスタンドが満員に近かったって、いやあ、レガネスファンの勤勉なことといったら、もう。 おそらく練習試合ということで入場料を取らなかったのも影響していたんでしょうが、何せ、キックオフも15分程、遅れるわ、今季はまた1部昇格を目指す、パコ・ヘメス監督率いるラージョなんて、選手たちが練習着で背番号もついてないわ、25分にお水休憩を取った後、スコアボードの時間がまたゼロから始まるわとイレギュラーなことが幾つもあったんですが、やっぱり迫力ありますよ、かぶりつきの位置でプロ選手たちのプレーを見るのって。 それどころか、時々、スタンドに凄い速さでボールが飛び込んできて、身の危険を感じた程だったんですが、先手を取ったのは前半23分、ベベのラストパスをヨニ・マティエルが決めたラージョ。彼らはどちらのチームも選手総入れ替えとなった後半20分にもポソのゴールで2点にリードを広げたんですが、その1分後にはレガネスが1部リーガ3年目の貫禄を示すことに。ええ、ブスティンサが自陣から放り込んだロングボールに合わせたサビン・メリーノが1点を返すと、ロスタイムにはグンバウが見事な直接FKを決め、最後は2-2で引き分けているんですから、しっかりしているじゃないですか。 気になるのはブライトバイト(ミドルスブラ)、カリージョ(サザンプトン)ら、EL出場圏まであと少しだった昨季のレガネスの前線を担った選手たちのレンタル期間が終わってしまい、また借りてくるのが難しかったり、コパ・アフリカでモロッコ代表が敗退して、現在、バケーション中のエン・ネシリも残留できるのかわからないといったように、まだFW陣が全然、不足していることですが、こちらも昨季は負傷で1試合も出られなかったキャプテンのシマノフスキがプレーできるようになっていたという朗報が。 ラウール・デ・トマスが修業期間を終え、レンタル元の兄貴分からベンフィカに売られてしまったラージョもエンバルバや契約を延長したマリオ・スアレスら、お馴染みの顔が結構、あったため、また1部に戻って来られるように頑張ってほしいかと。ちなみに朝9時キックオフのレガネス練習試合はこの先も来週土曜にフエンラブラダ戦、31日にもアルコルコン戦と、2部の弟分たちとの対戦が組まれているため、せっかくマドリッドに来たからにはプレシーズンでもサッカーを見たいというファンの方々にお勧め。この時間だと、丁度、スタンドが日影になりますしね。去年、長男のエンソを応援に、ジダン監督も観戦に来ていたラージョ・マハダオンダ戦では真正面から西日を浴び、脱水症状を起こしそうになった経験からすると、早起きは三文の徳というのは本当ですね。 え、フエンラブラダへ移籍の噂もあった次男のルカもラシン・サンタンデール(2部)へのレンタルが決まったし、充電中だった昨年と違い、この夏は仕事があるんだから、もうジダン監督をレガネスの練習場で見かけることはないんだろうって?その通りで火曜から、マドリーはカナダのモントリオールでキャンプしているんですが、実は先週金曜に異変が発生。ええ、家族に不幸があったとかで、帯同していた奥さんと四男のエリアス君、友人らと一緒にジダン監督が緊急帰国してしまったから、驚いたの何のって! これじゃ、まるで3月にルイス・エンリケ監督がスペイン代表を離脱した時みたいじゃないかと思ったんですが、両者の事情はまったく違い、重病の娘さんの側を離れられなくなって、3カ月後に辞職したルイス・エンリケ監督に対し、ジダン監督の方は長患いだった兄、ファリドさんが死亡。悲しいことには変わりありませんが、早ければ来週金曜に予定されているスタット・サプト(モントリオール・インパクトのホーム)での公開練習、遅くともインターナショナル・チャンピオンズ・カップ(夏の親善大会)最初の21日、バイエルン戦前までには戻って来る予定というのは、選手やファンにとって、良かったかと。 その間、モントリオール・インパクトの練習場でトレーニングを続けるチームはベットーニ第2監督が指揮するんですが、あちらも今は体力作りがメインですからね。インテルに移ったピントゥス氏の後任となったデュポン・フィジカルコーチが、先週水曜にサンティアゴ・ベルナベウでプレゼン。コパ・アメリカ優勝のブラジル代表でお祝い漬け直後に到着し、時差呆けもあって、スタンドのファンにボールをプレゼントする際、1度も足を使わず、全部手で投げていたのはともかく、記者会見中に気分が悪くなって退席したミリタオ(ポルトから移籍)はバケーションに入ってしまいましたが、この夏、到着したアザール(同チェルシー)やヨビッチ(同フランクフルト)、メンディ(同オリンピック・リヨン)、ロドリゴ(サントス)らも含め、ガンガンしごいてくれていますから、心配する必要はまったくない? そしてキャンプ初日に27人来た取材陣のうち、日本のマスコミが12人もいたことで注目の的になっていた久保建英選手もしっかり練習に励んでいるようですが、まあその辺は私より、今は日本にいるファンの方が情報を得やすいかと。それでもこの日曜など、AS(スポーツ紙)の表紙が久保選手の写真、トップページでは「全然違和感がない」とロッカールームで言われているなどと、スペインでも結構、話題になっているんですけどね。その記事では今季、RMカスティージャ(マドリーのBチーム)でプレーする予定の彼ですが、実はEU外選手の人数枠に引っかかるため、契約はフベニル(Bチームの下のチーム)としているとありましたが、お隣さんではモジェホやカメージョら、フベニル所属の選手でも平気でトップチームの試合で使われていたため、まあ別に問題にはならないかと。 そうそう、そのアトレティコですが、先週は月曜には移籍金1憶2700万ユーロ(約155億円)の超大型新人、ジョアン・フェリックス(ベンフィカから移籍)、火曜にはロディ(同パラナエンセ)、金曜にはサポンジッチ(同ベンフィカ)のプレゼンが行われたんですが、3人とも、地獄のLAキャンプのお昼休みにロス・アンヘレス・デ・サン・ラファエル(マドリッドから1時間の高原リゾート)から連れて来られ、イベント後には即、セゴビア・シエラ・デ・グアルダラマ・ホテルに戻って、また午後は練習という慌ただしさ。ジョアン・フェリックスが19歳、後の2人も21歳ということで、若いから、それでも平気なんでしょうけど、何せ、相変わらず、朝7時45分から始まるセッションでは傾斜14度の坂昇りダッシュに始まって、体力増強トレーニングのオンパレートですからねえ゛。 もちろん、プロフェ・オルテガが「1+7/ウノ・マス・シエテ」、「3x5/トレス・ポル・シンコ」などと数式を指示、答えが偶数か奇数によって、左右に動くエクササイズでジエゴ・コスタが1人、全部間違えているなんていうお笑いのシーンなどもあったものの、これじゃ、グリーズマンが先週いっぱい、金曜にとうとうバルサが1億2000万ユーロ(約146億円)の小切手をリーガ協会に届けるまで、罰金覚悟でイビサ(地中海のリゾートアイランド)での休暇を楽しんでいたのもムリはない?ただ、誰も予期していなかったのはその支払いが確認された直後、アトレティコが再びcomunicado official/コムニカードー・オフィシアル(公式声明)を発表。「この金額では不十分。選手とバルサの移籍合意があったのは契約破棄金額が2億から1憶2000万に下がる7月前だったのだから、あと8000万ユーロ(約98億円)払うべき」って、え、そんな主張、通るんですかあ? うーん、セレソ会長など、「Si el club ha hecho este comunicado es porque tiene pruebas/シー・エル・クルブ・ア・エッチョー・エステ・コムニカードー・エス・ポルケ・ティエネ・プルエバス(クラブがこの声明を出したということは証拠を握っているからだ)」と自信ありげでしたけどね。もう当のグリーズマンはイビサ滞在を利用して、「Mi padre me enseno de pequeno que los trenes no pasan solo una vez/ミ・パドレ・メ・エンセノ・デ・ペケーニョ・ケ・ロス・トレネス・ノー・パサン・ソロ・ウナ・ベス(小さい時から、ボクの父は列車は1度しか通らない訳ではないと教えてくれた)」と語るバルサ入団イメージビデオを制作しているし(https://bit.ly/2XQRpBy)、土曜の夜にはバルセロナに到着。カンプ・ノウのオフィシャルショップで写真撮影を行った後、日曜夕方には17番の背番号をつけてプレゼンされているとなったら、もう正直、どうでもいいというか。 いやまあ、その余分の8000万ユーロがあれば、エルモーソ(エスパニョール)に加え、ハメス・ロドリゲス(マドリー)も余裕で獲れてしまうなんて思わない訳ではないですけどね。とりあえず、アトレティコは今週金曜にキャンプを打ち上げ、土曜のヌマンシア(2部)戦が初プレシーズンマッチとなりますが、その時にはシメオネ監督が今季の軸にしようと毎日、試しているモラタ、ジエゴ・コスタ、ジョアン・フェリックスを並べた4-3-3のシステムが上手く機能するのかどうか、見られたらいいですよね。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2019.07.15 15:00 Mon
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今更、戻れない…/原ゆみこのマドリッド

「強いチームはあまり練習しなくていいってことかしら」そんな風に私が首を振っていたのは日曜日、スポーツ紙に載っているリーガ20チームのプレシーズン予定表でバルサとマジョルカだけ、あと1週間、バケーションを楽しめるのに気づいた時のことでした。いえ、昨季、2部で5位となり、2ラウンドのプレーオフでアルバセテとデポルティーボを倒して、6月23日にオサスナ、グラナダに続く、1部昇格最後の1枠を獲得した後者のスタートが他より遅いのは当然なんですけどね。リーガ2連覇の余裕なのか、メッシやルイス・スアレス、コウチーニョといった主力がコパ・アメリカのせいで合流が遅れるせいか、これまで8月開催だったスペイン・スーパーカップも今季は冬に行われるからか、ほとんどのチームがこの月曜には新シーズンに向けての練習を始めている中、バルサだけが出遅れているように見えたから。 なるほど、それでグリーズマンはまだ呑気にイビサ(地中海のリゾートアイランド)で海三昧していたのかって?まあ、そうなんですけど、先週はアトレティコが木曜、金曜と連続してワンダ・メトロポリターノで新入団選手をプレゼン。まずはインテルに行ってしまったゴディンの後釜となる予定の30才のブラジル人CB、フェリペが紹介され、翌日には同じポルトから移籍。メキシコのマスコミが大挙して駆けつけ、母国にライブ配信までされていると聞いて、ようやくその、エクトル・エレラが代表キャプテンも務める大物MFだったと私も知ることになったんですけどね。 すでに午前中のセッションでチームメートと顔を合わせていた当人が、今季、ポジション争いをすることになる「コケは愛想良く迎えてくれたよ。Me dio un abrazo que no esperaba/メ・ディオ・ウン・アブラソ・ケ・ノー・エスペラバ(予想もしていなかったハグをしてくれた)」と言うのを聞いて、いきなり抱きつかれてビックリしたんだろうかと笑えたりもしたんですが、スタジアムはまだ夏のコンサート仕様でピッチにスタージがあるせいか、この両人もマルコス・ジョレンテ(レアル・マドリーから移籍)同様、ユニフォーム姿でファンに挨拶する機会はもらえず。 折しも金曜の夕方にはカンプ・ノウでデ・ヨング(アヤックスから移籍)のプレゼンがあり、2万人のファンに迎えられたなんて聞くと、レアル・マドリーだって、サンティアゴ・ベルナベウに5万人を集めたアザールのスーパープレゼンがありましたしね。この月曜午後1時に予定されているサッカー史上、ネイマール、エムバペ(PSG)に次ぐ3番目に高額となる移籍金1憶2700万ユーロ(約150億円)をベンフィカに払い、スペインではバルサのコウチーニョやデンベレ以上、お隣さんがベイルやクリスチアーノ・ロナウド獲得に使った金額も超えているという、ジョアン・フェリックスのプレゼンの際にもスタンド解放がなかったら、アトレティコファンがあまりに可哀そうな気がしないでもないんですが、まさか、そのデ・ヨングのプレゼン前にあったバルトメウ会長の記者会見がとんでもない騒ぎに発展しようとは! そう、すでに昨季中、ヒル・マリン筆頭株主、スポーツディレクターのベルタ氏、シメオネ監督との会談を持った後、5月14日にはアトレティコを退団する旨のお別れビデオを公開したグリーズマンだったため、契約破棄金額が2億ユーロ(約250億円)から、1憶2000万ユーロに下がる7月1日から、マスコミもバルサが小切手を持って来るのを待って、リーガ協会前にずっと張り付いている状態だったんですけどね。 ところがロドリの7000万ユーロ(約85億円)を持ってマンチェスター・シティの代理人は先日、来たんですが、バルサの方は一向に現れず。それどころか、バルトメウ会長が「グリーズマンの件でアトレティコと昨日、話を始めた。Es el primer contacto/エス・エル・プリメール・コンタクトー(これが最初の接触だった)」といけしゃあしゃあと言い放ったせいで、アトレティコ側が完全にキレてしまうことに。だってえ、5月にグリーズマンが「7月に違約金を払いに来るクラブがある」と言ったとなれば、もうその時にはすでにバルサと選手の間で話がついていたってことじゃないですか。 更にその怒りに油を注いだのは、そのバルトメウ会長の言っていた交渉でバルサが1億2000万ユーロの分割払いを求めてきたことで、大体がして、交渉せずに獲得するための契約破棄金なんですから、これはもう本末転倒もいいところ。「FCバルセロナはアトレティコとその全てのファンにリスペクトを欠いている」と、まだデ・ヨングのプレゼンが終わる前に出された緊急公式声明で、グリーズマンとの合意が昨季、ユベントスに敗退したCL16強対戦2ndレグの数日後にはもうできていたこと、まだリーガ優勝を争っていた2月には接触が始まっていたことを指摘すると、まるで八つ当たりのように「グリーズマンにはアトレティコとの契約による義務を果たすため、日曜にクラブ施設に出頭し、プレシーズン練習を始めることを求める」って、え、地獄のLAキャンプへ行かせるんですか? いやあ、こんな騒ぎになったとなれば、私も落ち着いてはいられず、とうとう土曜は朝7時30分のバスに乗って、マハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場で8時からのセッションを見学することにしたんですが、仕方ないですかね。あんなに走らされるのでは、少しでも涼しい時間にやらないと選手たちの体が持ちませんって。ええ、その日は10名程のカンテラーノ(アトレティコBの選手)を含め、コケ、サウール、ビトロ、コレア、ジエゴ・コスタ、カリニッチら、6月の代表戦に呼ばれていなかった先行スタート組、来季にはチェルシーから完全移籍となることが決まり、自主的に早出していたモラタ、そしてジョレンテ、フェリペ、エレラの新加入選手ら、およそ20名程でのセッションだったんですが、とにかく最初のエクササイズのえぐいことといったら、もう。 うーん、初見はただ並んで20メートルぐらいの距離をそこそこのスピードで往復するだけだったんですが、これが延々と続くんですよ。不慣れなフェリペが80回ぐらいこなしたところで脱落したのを皮切りに、90回を過ぎる頃にはどんどん人数が減っていき、ビトロやサウールがギブアップしたのは120回ぐらいでしたかね。最後、130回目まで完走したのはカンテラーノのサナブリアだけといった具合で、休みなしで5キロも走らせるなんて恐ろしい。その後は普通にロンド(中に選手が入ってボールを奪うゲーム)やpartidillo(パルティディージョ/ミニゲーム)をやっていましたが、最後はまた2グループに分かれて、ペースをコントロールしながら、15分間のランニング。 そんな感じでこの日は2時間弱の午前中だけの練習でしたが、これが日曜夜に移動、月曜から始まるロス・アンヘレス・デ・サン・ラファエル(マドリッドから1時間の高原リゾート)でのキャンプになると、ダブル、トリプルセッションで選手たちはしごかれますからねえ。このプレシーズンは初めて見る程、引き締まった体型で現れたコスタはともかく、イビサのクルーザー船上で撮られた写真ではお腹周りが心持ち、柔らかくなっていたグリーズマンではレアル・ソシエダから5年前、移籍した最初の年のようにまた、途中リタイアしてしまうかも。 いえ、実際、もうワンダにあるオフィシャルショップで背番号7にはジョアン・フェリックスの名前が入って爆売りされているような現状で、グリーズマンがのこのこ戻って来られる訳もないんですけどね。結局、日曜の夜、チームバスは彼抜きでキャンプに出発しましたが、どうやらクラブはバルサが違約金を満額払い、移籍が完了するまでは練習不参加という理由で選手に罰金を科すのだとか。とはいえ、それまで当人も昨年、トップチームの選手数を20名にまで絞って倹約し、2100万ユーロ(約26億円)という破格の昇給を果たした年棒の日割り分はもらえるはずですし、別に大した負担ではないと思いますが、シーズン終了間際、退団宣言した後も練習後に車で出てきた彼に悪口の1つもなかったファンたちの姿を見ているだけにちょっと、この件に関しては私もあまり後味がよくありませんね。 え、それでマドリーも月曜にはバルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場に集合するんだろうって?そうなんですが、この夏は新加入選手がもう何人もいるため、危機感を覚えた選手が多かったんでしょうか。すでに先週から、オドリオソラ、ブライム、ナチョ、ロドリゴ(サントスから移籍)らがトレーニングに通っているそうで、ルーカス・バスケスはマジョルカ(地中海のリゾートアイランド)にあるテニス選手のラファ・ナダルの経営するスポーツ施設で始動していたり、バケーションの大半をアメリカで過ごしたベンゼマも汗を流しているビデオを定期的にSNSにアップするなど、あれ?もしやコスタリカだ、エジプトだ、どこぞのプールの巨大滑り台だと最後の最後まで休暇を満喫している動画を公開(https://bit.ly/2S1XCJM)していたのは新婚さんのセルヒオ・ラモスだけかも。 おまけに日曜夕方には久保建英選手(東京FCから移籍)もバラハス空港に到着(https://bit.ly/2NCixV7)。契約はRMカスティージャとしているものの、火曜にカナダに出発するトップチームのプレシーズンキャンプに参加するため、コパ・アメリカ参加後、バケーション日数を削って、30人もいる大所帯の一員となるようですが、いや、それでもジダン監督はある程度、人数を絞れたんですよ。ええ、マルコス・ジョレンテ、コバチッチ(チェルシーに移籍)、テオ(同ミラン)、ラウール・デ・トマス(同とベンフィカ)、ウーデゴール(レアル・ソシエダにレンタル)、レギロン(同セビージャ)ともう、行き先が決まった選手が何人もいますし、スペインU21でユーロ優勝を果たしたセバージョス、バジェホ、マジョラルはまだバケーション中。その上、皆、移籍の可能性が高いとあって、当面はチームの帰りをマドリッドで待つことに。 キャンプに加わってもベイルのようにガチの放出候補がいたり、先週木曜にあった新ユニフォームお披露目会でアンヘル・トーレス会長も言っていたように、セバージョスやブライムの手近なレンタル先として立候補しているヘタフェのようなクラブもありますからね。話が早々にまとまれば、マドリッドに戻って来る頃には人数が減っているか、もしくはポグバ(マンチェスター・ユナイテッド)やエリクセン(トッテナム)など、更なる獲得が噂されている選手が加わって増えているか、それは天ののみぞ知るといったところなんですが…。 まあ、それはともかく、一応、夏休みでたまたま北米にいるファンと予定が合った場合を考えて、マドリーの日程を伝えておくと、火曜からはモントリオールのリッツ・カールトンに宿泊してMLSのモントリオール・インパクトの施設で19日まで練習。私は行ったことがないので適当で悪いんですが、ホテル内やゴルフカートでセッションのため移動する際は結構、選手たちを間近で見るいい機会になっているかと。 インターナショナル・チャンピオンズ・カップ(夏の親善大会)は20日のヒューストンでのバイエルン戦から始まり、23日にはメリーランドでアーセナル戦、そして27日にニュージャージーでアトレティコ戦となります。その後、ミュンヘンに移動して30、31日にアウディカップ(バイエルン主催の夏の親善大会)をこなし、ようやく帰京となりますが、久保選手だけでなく、アザール(チェルシーから移籍)、ヨビッチ(同フランクフルト)、メンディ(同オリンピック・リヨン)といった新戦力を早くピッチで見てみたいですよね。 え、先週は乾貴士選手も参加してベティスのプレシーズンも始まったし、一応、今のところは柴崎岳選手も戻って来そうな弟分、ヘタフェはいつプレシーズンを始めるのかって?いやあ、それが新ユニのプレゼンを見に行った際、プレスの人に訊いたところ、月曜からメディカルチェックが始まり、11日にはコリセウム・アルフォンソ・ペレスの側にある練習場で初セッションとなるんですが、一般のファンが見学できるかどうかはまだわからないとか。柴崎選手の合流時期についてもはっきりしていないようでしたが、その辺はまた週明けに情報招集に努めたいかと。 一方、アトレティコと同じ木曜に早朝セッションでスタートしたレガネスは順調に進んでいるようで、とはいえ、時間と場所が場所だけになかなか私も足を運べず。早くも来週の土曜、13日にはラージョとの初プレシーズンマッチもありますし、彼らはほとんどマドリッドから出ずに練習するようなので、まあ焦ることはありませんって。 そうそう、最後に先週決まった8月第3週末、リーガ1節のマドリッド勢のカードをお伝えしておくと、アトレティコがワンダにヘタフェを迎えての兄弟分ダービーでスタート。サンティアゴ・ベルナベウの改装工事が終わらないマドリーはアウェイでセルタ戦、レガネスはブタルケに3年ぶりに1部に戻ってきたオサスナを迎えます。8月中はスペイン人ファンもバケーション中でチケットが取りやすいこともありますしねえ。キックオフ時間はまだ決まっていませんが、暑さが気にならなければ、現地観戦を計画してみるのも楽しいかもしれませんよ。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2019.07.08 13:30 Mon
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早起きは三文の徳っていうけど…/原ゆみこのマドリッド

「朝9時から親善試合って凄いわ」そんな風に私が驚いていたのは火曜日、弟分チームのレガネスのプレシーズンマッチ予定を見つけた時のことでした。いやあ、数日前から、マドリッドはお昼過ぎには気温40度になる日も珍しくない猛暑に突入。今週木曜にはエスタディオ・ブタルケに程近い、インスタラシオン・デポルティバ・ブタルケで新シーズンに向けての練習を始めるペレグリーノ監督がセッションのスタートを午前8時45分と早い時間に設定したのもわかるんですけどね。だからって、来週13日の土曜日、その施設に昨季、2部に降格してしまったラージョを迎えて行う最初のプレシーズンマッチも似たような時間帯って、それじゃあ近所に住んでいるファンしか見に行けないじゃないですか。 いえ、その次の試合では、2部Bから昇格して、新たにマドリッドの2部チームの弟分に加わったフエンラブラダと20日の午後7時に対戦するんですけどね。30日には再び、首都圏チームの2部メンバーとして、8年間頑張っているアルコルコンをやはり午前9時30分に迎えるって、この夏のレガネスは朝活が多くない?もちろん、マドリッド旅行がプレシーズン時期に当たってしまい、たまたま空いた午前中を有効に使いたいというサッカー好きの観光客の方には、メトロ5番線のアルーチェ駅前から出るバス(491、492、493、482)に乗って、20分程で行けるレガネス練習場での試合を見てみるのも一興かと思いますけどね。朝に弱い私にはムリかも。 一応、リーガ開始直前のホームでの新チームお目見えゲームとなるビジャ・デ・レガネス杯ではスタジアムの方で8月10日午後8時のキックオフですから、相手はやはり2部のアルバセテとちょっと物足りないところはあるものの、その頃にはある程度、補強選手も来ていそうですしね。現在、アフリカ・ネイションズカップのモロッコ代表で活躍しているエン・ネシリが戻って来てくれるのかは保証できないところですが、いよいよ彼らも1部リーグ4年目。今季は3度目のヨーロッパリーグに挑むことになるヘタフェがシュダッド・デポルティボで練習を始めるのが11日と、余裕を見せている間に少しでもお隣さんに近づけるよう、この夏の準備を怠りなく進めてほしいものです。 え、今週はプレシーズンが始まるチームがある一方で、ようやくバケーション入りができた選手たちもいるんだろうって?その通りで月曜にはスペインU21がユーロ大会のトロフィーを持って帰国。決勝の地だったイタリアのウディネからは日曜深夜に飛ぶ便がなく、100キロ離れたスロベニアのリュブリャナまでバスで移動して戻って来たなんて聞くと、ちょっと大人の代表との格差を感じたりもしますが、何せ昨年のロシアでのW杯もそうですが、兄貴分たちは2012年以来、久しく優勝から遠ざかっていますからねえ。お祝いとしては、さすがにこのレベルでは市内パレードもなく、ラス・ロサス(マドリッド近郊)のサッカー協会施設で式典があった程度とはいえ、近い将来のラ・ロハ(スペイン代表の愛称)の復権を期待して、私もつい喜んでしまうことに。 ちなみにこのU21ユーロでの彼らの躍進ぶりをちょっと振り返っておくと、グループリーグ初戦で開催国イタリアと対戦した彼らはセバージョス(レアル・マドリー)のゴールで先制しながら、最後は3-1で逆転負けしてしまうという最悪のスタート。それでも2戦目でベルギーに2-1と辛勝すると、グループ突破に3点差以上の大勝が必要とされたポーランド戦で5-0のgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)を披露して、一気に追い風に乗ったんですよ。 ええ、先週木曜、決勝トーナメント最初の準決勝では前半16分にPKでフランスに先制されながら、28分にはマルク・ロカ(エスパニョール)が同点弾。ロスタイムには折しもこの4年間、サッカーと並行して学んでいた経営学の学位を取得したばかりのオジャルサバル(レアル・ソシエダ)が自ら受けたPKを決めてリードを奪うと、後半にもダニ・オルモ(ディナモ・ザグレブ)とマジョラル(マドリー、昨季はレバンテでプレー)が゛ールを挙げ、現世界王者の弟分たちに4-1と圧勝しているんですから、何とも頼もしい。 そして迎えた日曜の決勝の相手は、そこまでの4試合で計14ゴールという攻撃力を誇るドイツ。おまけに2年前の同大会決勝ではアセンシオ(マドリー)やサウール(アトレティコ)らを擁しながら、1-0で負けてしまった因縁の相手だったんですが、それが却って、セバージョス、バジェホ(マドリー)、マジョラル、オジャルサバル、ソレル(バレンシア)、メレ(コロン)、ミケル・メリーノ(レアル・ソシエダ)ら、連続出場でリベンジに燃えているメンバーが多かったスペインに力を与えた? いやあ、実際この試合、彼らがスピードのあるパスサッカーで試合を支配していた前半7分にエリア外から、自慢のシュート力で先制点を奪ったファビアン(ナポリ)にしろ、後半24分、今度はGKヌベル(シャルケ)にファビアンが弾かれた後、こぼれ球をvaselina(バセリーナ/ループシュート)で決めたオルモにしろ、U21ユーロ決勝を初めて体験する選手たちだったんですけどね。ドイツの反撃を残り2分、バジェホの頭に当たって入ったアミリ(ホッフェンハイム)の1点だけに抑え、2-1で勝利して、2013年以来の優勝を達成することに。 いやあ、実際、2年前にもルイス・デ・ラ・フエンテ監督はバジェホ、メレ、セバージョアス、マジョラルのいたスペインU19を率い、やはりユーロの王冠を勝ち取っているだけに、この世代には優秀な選手が多いのは確かなようですけどね。ただ今回、大会MVPに輝いたファビアンのように国外でプレーする選手が結構、いたのは珍しかったかも。ええ、監督も「この選手たちはスペイン・サッカー界から信頼されているし、deberian tenerla de los clubes/デベリアン・テネールラ・デ・ロス・クルーベス(クラブもそうすべき)」と嘆いていましたが、バルサのカンテラからクロアチアに活路を見出したオルモなどはともかく、クラブが移籍金ほしさに若くして売ってしまったなんてケースもありますからね。 それこそ、ベティスを離れて1年、この大会で大幅に株を上げ、マドリーが狙っているなんて噂も出てきたファビアンへなど、アンチェロッティ監督直々、「Todo el Napoles esta orgulloso de ti. Yo el primero. Enhorabuena/トードー・エル・ナポレス・エスタ・オルグジョーソ・デ・ティ。ジョ・エル・プリメーロ。エンオラブエナ(ナポリの全員が君のことを誇らしく思っている。まず私が1番にね。おめでとう)」とツイート(https://bit.ly/2XkK69X)して、引き留めを計っていましたしね。 同じくベティス出身、2年前にマドリーに移籍して以来、実はあまりプレーしていないセバージョスなど、MVPをゲットした前大会がステップアップの機会に繋がったことで学習したんでしょうか。今回、優勝した際には「El ano que viene quiero jugar 40 partidos/エル・アーニョ・ケ・ビエネ・キエロ・フガール・クアレンタ・パルティードス(来季は40試合に出場したい)。そしたら2020年ユーロを目標にできるし」と何度もマイクの前でアピールって、もしかしてジダン監督を挑発してる? まあ、一般的にはプレー時間をもっともらえるチームにレンタル移籍して、この2年間の空白を埋めるつもりだろうと解釈されていますが、いやいや。まだこのU21のメンバーには来年の東京五輪で優勝するという目標も残っているのを忘れていけませんって。 実際、もうセバージョスもファビアンもオジャルサバルもA代表でデビューしているだけに、目標が大人の大会になってしまうのは仕方ないんですけどね。私など、前回、スペインが出場した2012年ロンドン五輪ではロドリゴ(バレンシア)やイスコ(マドリー)、マタ(マンチェスター・ユナイテッド)、ジョルディ・アルバ(バルサ)らがいながら、日本もいたグループで最下位敗退をした情けない姿を覚えているため、今度こそは強いスペインを日本のファンに見せてあげたいと思ったところ…あれ?以前はデ・ヘア(現マンチェスター・ユナイテッド)やアドリアン(昨季ポルトとの契約が終了)、ドミンゲス(引退)、コケ、オリベル(ポルト)、サウールと常にいたアトレティコ勢が今回のU21にいないのはとっくにチェック済みだったものの、バルサ勢も姿を消しているとは、これまた如何に。 複数いるマドリー勢も皆、今季も残留するか、確定していない辺りを見ると、どうやらスペインのビッグクラブで国産若手選手がチャンスを掴むのが難しくなっているというのは本当のようですが、こればっかりはねえ。何はともあれ、レガネス同様、木曜からプレシーズン開始となるアトレティコでは先日、コパ・アメリカの準々決勝で敗退したウルグアイのヒメネス、コロンビアのアリアス、そしてアフリカ・ネイションズカップのガーナ代表に行っているトマス以外、バケーションがずれ込んで、遅れて合流する選手がいないのはラッキーだった? いやあ、それがそうでもなくて、というのも新戦力がまだ到着していないんですよ。お隣さんから移籍したマルコス・ジョレンテこそ、先週金曜にはワンダ・メトロポリターノのプレス・コンフェレンスルームでプレゼンされたんですけどね。まだロドリの退団が正式に発表されていないにも関わらず、14がついたユニフォームでお披露目されていたのはともかく、ピッチにはその週末にあるスペイン人ポップ歌手、マヌエル・カラスコのコンサートのための大舞台が組みあがり、まさにリハーサルの真っ最中だったためか、当人がユニを着て、芝の上でポーズをとることはできず。 やはりこの状態では大枚1億2000万ユーロ(約146億円)を払うジョアン・フェリックス(ベンフィカ)をプレゼンすることはできないのか、もしくは同額の違約金を払ってバルサに行くことになっているグリーズマンのプレゼンが来週までカンプ・ノウで開かれないためなのか、わかりませんが、FWの到着も遅れている上、ポルトからの移籍が決まったCBフェリペ・モンテイロとパナメンセから獲得した21才の左SBロディ以外、まだDFも頭数が揃ってないとなれば、またマハダオンダ(マドリッド郊外)のセッションではカンテラーノ(アトレティコBの選手)が大量にヘルプに駆り出されることになるかと。 大体がして、先日、シメオネ監督になって以来、アトレティコに加入して成功を収めた選手は54人中9人しかいないなんてデータをAS(スポーツ紙)で見てしまって以来、すでにインテルへの入団が発表されたゴディンを始め、かなりの人数が入れ替わる今季はかなり不安が高いんですが、その横でお隣さんは着々と投資金額の回収が進んでいるよう。ええ、6月中はヨビッチ(フランクフルトから移籍)、アザール(同チェルシー)、ロドリゴ(サントス)、メンディ(オリンピック・リヨン)と次々にプレゼンして、まずは3億ユーロ(約366億円)程の財力を見せつけた後、マドリーは人員整理も開始。 それこそ、「シメオネ監督の個性もクラブのプロジェクトも魅力的で入団するのにためらいはなかった」というマルコス・ジョレンテからして、移籍金が3000万ユーロ(約37億円)もしたんですが、7月に入るやいなや、昨季はチェルシーにレンタルしていたコバチッチが4500万ユーロ(約55億円)で完全移籍。ラージョで2年間、修行したラウール・デ・トマスはベンフィカに2000万ユーロ(約24億円)で、ミランのメディカルチェックを受けているテオ(昨季はレアル・ソシエダでプレー)は2500万ユーロ(約31億円)で売却と、ここまでですでに1憶ユーロ以上回収した上、ハメス・ロドリゲス(バイエルンに2年間レンタル)、ウーデゴール(昨季はフィテッセでプレー)らも移籍予定と、まだかなりの収入が見込めることに。 いえ、まだ大物、当人はわかりませんが、代理人が相変わらず、移籍を否定しているベイル、セビーッジャでのスーパー挙式の後、セルヒオ・ラモスと芸能人のピラル・ルビオさんが新婚旅行として訪れたコスラリカでガイド役を買ってあげていたケイロル・ナバスが残っていますけどね。おまけにジダン監督が欲しがっているポグバ(マンチェスター・ユナイテッド)は1憶7000万ユーロ(約207億円)かかると言われているため、やっぱりこの夏は赤字で終わりそうなマドリーですが、人の財布を心配しても仕方ないかと。 とりあえず、コパ・アメリカの日本代表に参加した久保建英選手がもう来るのかはわからないんですが、チームは来週月曜にバルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場に集合した後、翌日にはカナダのモントリオールに向けて出発。まだまだ選手たちをマドリッドで見られるのは先のことになりそうですが、1つ残念なお知らせがあって、現在、サンティアゴ・ベルナベウに隣接したショッピングモールの取り壊しが始まり、3年計画のスタジアム改修工事にかかっているマドリーはどうやら、その関係で8月いっぱい、リーガに頼んでホームゲームを避けてもらうよう。2019-20シーズンの対戦組み合わせもこの木曜に決まるため、それを見て、マドリッド訪問の計画を立てるファンも多いかと思いますが、これはちょっと頭に入れておいた方がいいかもしれませんよ。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2019.07.03 13:15 Wed
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