悔やんでも後の祭り…/原ゆみこのマドリッド2019.01.18 12:00 Fri

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「やっぱり最初が肝心だったのよ」そんな風に私がやるせない思いを感じていたのは水曜日、マドリッド勢のコパ・デル・レイ16強対決2ndレグの結果が出揃った時のことでした。いやあ、ワンダ・メトロポリターノのプレスルームでレガネスが兄貴分のレアル・マドリーに一矢を報いるのを見た後、長々とメトロに乗って自宅に着いた頃にはすでに試合は終わっていたんですけどね。いくらブタルケのサポーターの後押しがあったとて、3点差を引っくり返すまでには至らず、前日にプレーしたヘタフェも1stレグで先勝していたおかげで2ndレグを1-1と引き分けても突破。対照的に先週、アウェイで1-1だったアトレティコは2試合目も引き分けたのが仇となり、準々決勝に行きそびれてしまったから。いえ、話は順番にしていかないといけません。まず火曜に霧煙るホセ・ソリージャでバジャドリーに挑んだヘタフェはエースのホルヘ・モリーナをベンチ待機にし、アンヘルと19歳のカンテラーノ(ヘタフェBの選手)、ウーゴ・ドゥロで前線を組んだんですが、これが大当たり。前半30分、ボールを追ってエリア内深くに入ったドゥロがアントニートに足を引っかけて倒れたところ、うーん、このシーズン前半、ヘタフェは不可思議なVAR(ビデオ審判)裁定に何度も煮え湯を飲まされていたからですかね。丁度、その日の昼間、ラス・ロサス(マドリッド近郊)のサッカー協会本部で審判委員会が最初の運用実績報告があり、例に出した事例が関係者の怒りを増幅させたせいもあったか、しばしの間を置いて、VARのおかげでペナルティが宣告されることに。

このPKをアンヘルが決め、ヘタフェが先制したんですが、後でボルダラス監督は「最後の瞬間、相手が後ろから触れたから、ペナルティだとウーゴは言っている。Es un chico del filial que nunca finge ni se tira. Debo creerle/エス・ウン・チコ・デル・フィリアル・ケ・ヌンカ・フィンヘ・ニ・セ・ティラ。デボ・クレエルレ(Bチームの子だし、やられたふりをしたり、ダイブしたこともない。信じるべきだよ)」と擁護していましたが、アントニートの弁によると真逆。曰く、「彼は少し接触があったけど、自分がボクに当たったんだと言っていたから、ペナルティを取られたのにはビックリした」のだとか。

もちろんこの判定にはカンカンだったバジャドリー勢ですが、後半4分にはそのアントニートのクロスをベルデがvolea(ボレア/ボレーシュート)で決めて同点に持ち込み、昨季このチームで33ゴールを挙げ、1部昇格の原動力となり、ヘタフェへの移籍を勝ち取ったマタが30分過ぎに凱旋出場。スタンドから温かい拍手を浴びた後、残り7分にはブルーノがオスカル・プラーノにエリア内でcodazo(コダソ/肘打ち)を見舞ったとして、PKで勝ち越すチャンスもあったんですけどね。アルカラスがGKダビド・ソリアの正面に蹴ってしまい、逆転にはあと2点が必要だった相手はここで撃沈。総合スコア2-1で勝ち抜けたヘタフェは金曜にアラベスをコリセウム・アルフォンソ・ペレスに迎えるヨーロッパリーグ出場圏の直接対決の後また2週間、ミッドウィークにも働くハードスケジュールをこなすことになりましたっけ。

そして翌水曜、厚めのヒートテックを着用してワンダに出かけた私でしたが、グリーズマンがベンチだったにも関わらず、アトレティコの気合の入った序盤には感心させられたもの。ええ、実際、早くも12分にはゴディンが自陣から放ったロングボールをカリニッチが受け、ジローナから先制点を奪ったとなれば、これで総合スコアは2-1、後はいつも通り、一歩引いて逃げ切るに違いないと誰もが思ったのでは?

でも何故か、この日の彼らはリードしても攻勢を緩めなかったんですよ。32分にはコレアのシュートがGKイライソスに弾かれたボールをカリニッチが押し込みながら、最後の敵よりヒザが前に出ていたことがVARにより発覚。オフサイドでスコアに上らなかったのはともかく、その4分後にはカウンターを喰らい、DFがクリアしたクロスをフリーだった若干19歳のバレリが胸でトラップ、そのまま撃ち込まれ、追いつかれてしまったから、さあ大変!さすが昨季昇格して以来、アトレティコとの4試合全てを引き分けているジローナというか、あらやだ、このままだったら、極寒の中で延長戦じゃないですか。

いやあ、そんな些細な懸念は後半早々、吹っ飛んでしまったんですけどね。実はアトレティコは試合前、ビトロがケガで招集リスト落ちをしていたんですが、11分にはサウールも敵の接触プレーのせいで左太ももに打撲を受け、ロドリと交代。その2分後にはFKから、折しも今週末のリーガ戦に出場停止となるため、レギュラーながら先発してきたストゥアーニがヘッドでジローノの2点目を入れてしまったとなれば、もう一体どうしたものか。マテウ・ラオス主審はウルグアイ人同士の骨肉の争いでゴディンがストゥアーニに倒されたという抗議を聞き、VARで確認もしてくれたものの、ファールはなしの判定。そう、これでアトレティコは勝ち抜けるためにあと2点が必要になったんですよ!

でも大丈夫。当然、即座にグリーズマンを投入したシメオネ監督でしたが、その効果は覿面で、20分には彼がカリニッチ経由でエリア内にボールを送り込み、コレアが同点ゴールをゲットしてくれます。この日のアトレティコは珍しいぐらいにイケイケだったため、あと1点ぐらい何とかなりそうな気配はあったんですが、33分にアリアスが決めたゴールは再び、VAR判定で足1つ分オフサイドとされ、得点にならず。それでも39分にはレマルが敵DFの頭を超えるパスを送り、ゴール左脇の角度のない位置から、シュートを入れてくれたとなれば、グリーズマンがチームでずば抜けた高給取りであることを誰も批判なんてできない?

うーん、当人もユニフォームを脱いで祝っていましたし、私も滅多に見られないアトレティコの見事なremontada(レモンターダ/逆転劇)に感動していたんですけどね。やはり慣れないことはあまりしない方がいいのか、まさか43分になって、トマスがセンターでボールをロスト。ここからジローナの速攻カウンターが始まり、最後はボルハ・ガルシアのシュートをドゥンビアが方向を変えてGKアダンを破り、3-3の同点って、開いた口が塞がらないとはまさにこのことだったかと。ええ、いくら再三のVAR待機でロスタイムが6分もあったとて、ここからまた2点を取るなんていう常軌を逸した奇跡なんか、無理に決まっていますって。

結局、アトレティコは総合スコア4-4、アウェイゴール差で敗退してしまったんですが、これには試合後の記者会見に出てきたコケなども、「ジローナに勝つために何をすればいいのか、ボクにはわからないよ。Se ha visto un gran Atlético/セ・ア・ビストー・ウン・グラン・アトレティコ(皆、偉大なアトレティコを見たはず)。ウチは5回ゴールを入れながら、3点しか認められなかった。相手は凄く効率が良くて、3度の枠内シュートで3点取った」と嘆いていましたけどね。何より怖いのはせっかく、彼らにも見応えのあるサッカーができることを示しながら、結果伴わなかったことによる今後の反動です。

ええ、シメオネ監督も「A veces se juega bien y no se pasa... yo prefiero jugar mal y pasar siempre/ア・ベセス・セ・フエガ・ビエン・イ・ノー・セ・パサ…ジョ・プリフィエロ・フガール・マル・イ・パサール・シエンプレ(時にはいいプレーをしても突破できない…私は悪いプレーをして常に勝ち抜けることの方を好む)」と言っていましたが、この経験に懲りて、もしやこの先、一旦リードしたら最後、アトレティコは完全に自陣に閉じこもってしまうかも。いえまあ、この土曜午後6時30分(日本時間翌午前2時30分)からのリーガ戦の相手は最下位ウエスカですから、そこまで極端にはならないかもしれませんけどね。ここはもう開き直って、2月のCL16強対決ユベントス戦1stレグまでの4週間、週1ペースの余裕日程が続くのを利用して、攻撃力を生かしながら、守備力も落とさない訓練を積んでくれたらいいと思います。

一方、丁度、アトレティコの試合が終わった後にレガネス戦2ndレグのキックオフを迎えたお隣さんはというと。先週、サンティアゴ・ベルナベウで3-0と勝利し、余裕のあったマドリーはセルヒオ・ラモスとモドリッチが休養。週末のベティス戦でベンゼマが右手小指を骨折、マリアーノもリハビリ中に再びケガをしてしまったため、ビニシウスをCFにして、後ろにルーカス・バスケス、イスコ、マルセロが並ぶ4-2-3-1のシステムでスタートすることに。すると、ようやくソラリ監督に先発として使ってもらえたイスコに前半29分、アピールのチャンスが巡ってきたんですが、残念ながら、そのシュートはレガネスの右SB、ファンフランに防がれてしまいます。

間が悪かったのはその直後、この冬の市場でレガネスに加入したFWブライトワイトが得点。一度はシュートを枠に弾かれたものの、ゴール前の混戦からGKケイロル・ナバスが押し戻したボールを蹴り込んで反撃の狼煙を上げたんですよ。これでマドリーも動揺したか、マルセロなど、その日は後ろにレギロンがいて左SBとしてプレーしていたにも関わらず、キャプテン権限でポジションを代わってしまうし、おかげでハーフタイムにはソラリ監督がレギロンを下げ、セバージョスを入れないといけない始末。イスコも後半22分にはカンテラーノ(RMカスティージャの選手)のFWクリストと交代させられてしまいましたしね。

実際、ナバスのparadon(パラドン/スーパーセーブ)なしでは1-0では済まなさそうでしたが、そこは「La eliminatoria se fue en la ida, sobre todo después del segundo gol/ラ・エリミナトリア・セ・フエ・エン・ラ・イダ、ソブレ・トードー・デスプエス・デル・セグンド・ゴル(勝負は1stレグでついていた。とりわけ2点目を取られた後はね)」(ペジェグリーニ監督)という2ndレグ。最後はブタルケで初めてマドリーに勝てたことだけでレガネスは満足だったよう。同様に最後のチャンスでマンチェスター・シティから来て3試合目の出場となるブラヒム・ディアスのシュートもポストに阻まれ、引き分けに持ち込めなくても「El partido fue flojo, pero me quedo con que pasamos la eliminatoria/エル・パルティードー・フエ・フロッホ、ペロ・メ・ケド・コン・ケ・パサモス・ラ・エリミナトリア(ピリッとしない試合だったが、勝ち抜けたことで良しとするよ)」(ソラリ監督)というマドリーですが、いやあ。今季は一体、いつになったら、名前にふさわしい強さを見せてくれるんですかね。

そんな彼らは今週末、サンチェス・ピスファンで同じ勝ち点ながら、順位は1つ上の3位、やはり水曜のコパ2ndレグでは0-1とアスレティックに負けながら、総合スコア3-2で準々決勝進出を決めたセビージャと土曜の午後4時15分(日本時間翌午前0時15分)から対決するんですが、そろそろ負傷から戻ってきそうなのはGKクルトワ。いえ、ナバスは彼の不在中、立派にゴールを守っていたんですけどね。リーガとCLの正GKは前者で変わらず、木曜にカシージャのリーズへの移籍が決まったため、第3GKはルカ・ジダンになるようです。その他、クロース、マルコス・ジョレンテ、アセンシオ辺りも復帰が近そうですが、ベンゼマなどは指にカバーをしてこの試合に出場予定、翌日曜に手術を受けるとあって、その後いつ戻って来るのかが気になるところかと。

そしてレガネスは日曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)から、カンプ・ノウに乗り込むんですが、木曜のコパでは相手のバルサに予想もしない逆境が発生。いえ、試合ではレバンテを3-0と下し、1stレグの2-1負けをあっさり逆転したんですが、何とその1週間前の試合に出たカンテラーノ(バルサBの選手)のチュミにalineraion indebida(アリネラシオン・インデビダ/不正な出場)の疑いがかけられたんですよ。というのも彼は先週末の2部Bのリーガ戦で累積警告になっていて、規則ではその処分を済まさないとトップチームの試合に出られないとなっているにも関わらず、バルベルデ監督が起用してしまったからですが、レバンテが告発するなら、当該の試合の後、48時間以内でないといけないという決まりもあって、どうなるかはまだ不明。

コパ準々決勝の組み合わせ抽選がある金曜午後5時までに結論は出ないかもしれませんが、何せ2015年にはマドリーが前シーズン、レンタル先のビジャレアルでコパ次戦出場停止となっていたことに気がつかず、チェリシェフ(現バレンシア)を使い、カディス(2部B)との32強対決1stレグで勝ちながら、2ndレグ前に失格敗退となったという悲惨な前例がありますからね。この騒ぎで相手が少しでもやきもきしてくれていれば、シーズン前半戦で勝っているレガネスだけに勝機もあるかもしれませんが、さて。ちなみに同じ日曜にはラージョもレアル・ソシエダとエスタディオ・バジェカスで対戦。こちらもいよいよ、残留ラインまであと勝ち点2と近づいてきただけに、いい結果を出してほしいところです。
【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。
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去る者は追わず…/原ゆみこのマドリッド

「思ったより早かったわね」そんな風に私が戸惑っていたのは日曜日、柴崎岳選手のデポルティーボ移籍が決まったというニュースをマルカ(スポーツ紙)のサイトで見つけた時のことでした。いえ、先週木曜にはコリセウム・アルフォンソ・ペレスに出向き、リーガ5位でヨーロッパリーグ出場権を勝ち取った37歳のホルヘ・モリーナを筆頭に32歳のアンヘル、30歳のマタらのFWトリオに32歳で加わり、いよいよ30代カルテットとして、ユーロヘタにゴールを供給することになったエリック・ガジェゴ(ウエスカから移籍)のプレゼンを見てきたんですけどね。 その時にスポーツ・ディレクターのアンヘル・マルティン氏が「ガクの移籍交渉はかなり進んでいて、来週ぐらいには」と言っていたため、週末は呑気に構えていたものの、いやいや。柴崎選手がもうヘタフェの練習に加わることはないとも聞いたものの、丁度、チームはその日の夕方からプレシーズンの練習を開始。そこで私も金曜の朝は早起きして、といってもホームページの予定表に出ていた午前9時には間に合わず、10時過ぎに着いたところ、偶然にもジムを終えた選手たちがスタジアムから出て、練習場に歩いていくのに遭遇することに。 案の定、セッションはフィジカルが中心で、最後の方ではグラウンドを1周した後、そのままDF陣とオフェンス陣が対決するという、非常に疲れる演習をしていて、いえ、別に私やスタンドで眺めていた10人程のファンは日影にいたため、大丈夫だったんですけどね。直射日光にさらされっぱなしの選手たちにはかなり効いたんじゃないかと思いますが、幸いながら、その日には夕方の部もあるダブルセッションだったせいか、1時間15分とボルダラス監督にしてみれば、かなり短めだったのは救いだった? 昨季は途中から、ソシオ(協賛会員)しか、練習が見られなくなってしまっていたものの、その日は誰でも入れるとあって、引き上げる選手たちにファンがサインや写真を頼むお馴染みのシーンも展開されていたんですが、もうこの場所で柴崎選手に会えないというのは残念至極。うーん、ヘタフェにいた2年間で出場したのが31試合だけでは仕方ないんですけどね。移籍先のデポルティーボはリーガ2部6位で6月にはプレーオフを戦い、マラガには勝ったものの、最後はマジョルカに負けて1部昇格が果たせなかったのはともかく、練習場のアベゴンドはラ・コルーニャ(スペイン北西部の港町)からタクシーでしか行けない、ちょっと辺鄙な場所にありますからね。 プレシーズン練習開始はこの月曜からで、コパ・アメリカ参加の後、バケーションを取っていた当人も近日中に参加するようですが、いえ、別にスペイン観光旅行中に柴崎選手の試合も見たいと思っているファンが諦めることはないんですよ。マドリッドはスペインサッカーのメッカで、1部チームが4つあるだけでなく、今季から昇格したフエンラブラダを含めて、1年でUターンしたラージョ、そしてアルコルコンと2部にも3チームが所属。しかも3節のある9月1日の週末には早速、エスタディオ・バジェカスでラージョ戦、11月3日の週末はエスタディオ・フェルナンド・トーレスでフエンラブラダ戦があるため、その辺を狙うのもいい手かと。 まあ、何よりは5年契約を結んだ柴崎選手が貢献して、老舗のデポルティーボを3年ぶりの1部再昇格に導いてくれることなんでしょうが、また話をヘタフェに戻すと、チームは2日間、地元で練習しただけで、日曜にはバレンシア州にあるオリバ・ノバ・ビーチ&ゴルフ・ホテルに移動。あちらでキャンプを行って、来週土曜にはポルトガル南部のポルティマンで開かれるコパ・イベリカ(夏の親善大会)の準決勝ポルティモネンセ戦でプレシーズンマッチをスタートさせると、翌日にはポルトvsベティス戦の勝者or敗者と決勝or3位決定戦をプレーすることに。 マドリッドに戻った24日には練習場で、残念ながら、1シーズンだけでまた2部Bに落ちてしまったラージョ・マハダオンダ(ラージョ・バジェカーノとは別クラブ)との親善試合も行われるため、その頃にはだんだん、新チームの形も見えてくるかと思いますが、さて。昨季はケガでシーズンを丸々棒に振ったベルガラ、後半戦に出られなかったアマトなど、9月に始まるヨーロッパリーグに備え、頼りになりそうな選手たちが復活してきたのは心強い限りですよね。 え、練習が始まったばかりのヘタフェに比べ、土曜にはもう最初のプレシーズンマッチをやるなど、お隣さんのレガネスは一歩、先を行っていないかって?そうですね、私も今度は試合ということで妥協せず、朝9時にはインスタラシオン・デポルティバ・ブタルケに着いていたんですが、すでにスタンドが満員に近かったって、いやあ、レガネスファンの勤勉なことといったら、もう。 おそらく練習試合ということで入場料を取らなかったのも影響していたんでしょうが、何せ、キックオフも15分程、遅れるわ、今季はまた1部昇格を目指す、パコ・ヘメス監督率いるラージョなんて、選手たちが練習着で背番号もついてないわ、25分にお水休憩を取った後、スコアボードの時間がまたゼロから始まるわとイレギュラーなことが幾つもあったんですが、やっぱり迫力ありますよ、かぶりつきの位置でプロ選手たちのプレーを見るのって。 それどころか、時々、スタンドに凄い速さでボールが飛び込んできて、身の危険を感じた程だったんですが、先手を取ったのは前半23分、ベベのラストパスをヨニ・マティエルが決めたラージョ。彼らはどちらのチームも選手総入れ替えとなった後半20分にもポソのゴールで2点にリードを広げたんですが、その1分後にはレガネスが1部リーガ3年目の貫禄を示すことに。ええ、ブスティンサが自陣から放り込んだロングボールに合わせたサビン・メリーノが1点を返すと、ロスタイムにはグンバウが見事な直接FKを決め、最後は2-2で引き分けているんですから、しっかりしているじゃないですか。 気になるのはブライトバイト(ミドルスブラ)、カリージョ(サザンプトン)ら、EL出場圏まであと少しだった昨季のレガネスの前線を担った選手たちのレンタル期間が終わってしまい、また借りてくるのが難しかったり、コパ・アフリカでモロッコ代表が敗退して、現在、バケーション中のエン・ネシリも残留できるのかわからないといったように、まだFW陣が全然、不足していることですが、こちらも昨季は負傷で1試合も出られなかったキャプテンのシマノフスキがプレーできるようになっていたという朗報が。 ラウール・デ・トマスが修業期間を終え、レンタル元の兄貴分からベンフィカに売られてしまったラージョもエンバルバや契約を延長したマリオ・スアレスら、お馴染みの顔が結構、あったため、また1部に戻って来られるように頑張ってほしいかと。ちなみに朝9時キックオフのレガネス練習試合はこの先も来週土曜にフエンラブラダ戦、31日にもアルコルコン戦と、2部の弟分たちとの対戦が組まれているため、せっかくマドリッドに来たからにはプレシーズンでもサッカーを見たいというファンの方々にお勧め。この時間だと、丁度、スタンドが日影になりますしね。去年、長男のエンソを応援に、ジダン監督も観戦に来ていたラージョ・マハダオンダ戦では真正面から西日を浴び、脱水症状を起こしそうになった経験からすると、早起きは三文の徳というのは本当ですね。 え、フエンラブラダへ移籍の噂もあった次男のルカもラシン・サンタンデール(2部)へのレンタルが決まったし、充電中だった昨年と違い、この夏は仕事があるんだから、もうジダン監督をレガネスの練習場で見かけることはないんだろうって?その通りで火曜から、マドリーはカナダのモントリオールでキャンプしているんですが、実は先週金曜に異変が発生。ええ、家族に不幸があったとかで、帯同していた奥さんと四男のエリアス君、友人らと一緒にジダン監督が緊急帰国してしまったから、驚いたの何のって! これじゃ、まるで3月にルイス・エンリケ監督がスペイン代表を離脱した時みたいじゃないかと思ったんですが、両者の事情はまったく違い、重病の娘さんの側を離れられなくなって、3カ月後に辞職したルイス・エンリケ監督に対し、ジダン監督の方は長患いだった兄、ファリドさんが死亡。悲しいことには変わりありませんが、早ければ来週金曜に予定されているスタット・サプト(モントリオール・インパクトのホーム)での公開練習、遅くともインターナショナル・チャンピオンズ・カップ(夏の親善大会)最初の21日、バイエルン戦前までには戻って来る予定というのは、選手やファンにとって、良かったかと。 その間、モントリオール・インパクトの練習場でトレーニングを続けるチームはベットーニ第2監督が指揮するんですが、あちらも今は体力作りがメインですからね。インテルに移ったピントゥス氏の後任となったデュポン・フィジカルコーチが、先週水曜にサンティアゴ・ベルナベウでプレゼン。コパ・アメリカ優勝のブラジル代表でお祝い漬け直後に到着し、時差呆けもあって、スタンドのファンにボールをプレゼントする際、1度も足を使わず、全部手で投げていたのはともかく、記者会見中に気分が悪くなって退席したミリタオ(ポルトから移籍)はバケーションに入ってしまいましたが、この夏、到着したアザール(同チェルシー)やヨビッチ(同フランクフルト)、メンディ(同オリンピック・リヨン)、ロドリゴ(サントス)らも含め、ガンガンしごいてくれていますから、心配する必要はまったくない? そしてキャンプ初日に27人来た取材陣のうち、日本のマスコミが12人もいたことで注目の的になっていた久保建英選手もしっかり練習に励んでいるようですが、まあその辺は私より、今は日本にいるファンの方が情報を得やすいかと。それでもこの日曜など、AS(スポーツ紙)の表紙が久保選手の写真、トップページでは「全然違和感がない」とロッカールームで言われているなどと、スペインでも結構、話題になっているんですけどね。その記事では今季、RMカスティージャ(マドリーのBチーム)でプレーする予定の彼ですが、実はEU外選手の人数枠に引っかかるため、契約はフベニル(Bチームの下のチーム)としているとありましたが、お隣さんではモジェホやカメージョら、フベニル所属の選手でも平気でトップチームの試合で使われていたため、まあ別に問題にはならないかと。 そうそう、そのアトレティコですが、先週は月曜には移籍金1憶2700万ユーロ(約155億円)の超大型新人、ジョアン・フェリックス(ベンフィカから移籍)、火曜にはロディ(同パラナエンセ)、金曜にはサポンジッチ(同ベンフィカ)のプレゼンが行われたんですが、3人とも、地獄のLAキャンプのお昼休みにロス・アンヘレス・デ・サン・ラファエル(マドリッドから1時間の高原リゾート)から連れて来られ、イベント後には即、セゴビア・シエラ・デ・グアルダラマ・ホテルに戻って、また午後は練習という慌ただしさ。ジョアン・フェリックスが19歳、後の2人も21歳ということで、若いから、それでも平気なんでしょうけど、何せ、相変わらず、朝7時45分から始まるセッションでは傾斜14度の坂昇りダッシュに始まって、体力増強トレーニングのオンパレートですからねえ゛。 もちろん、プロフェ・オルテガが「1+7/ウノ・マス・シエテ」、「3x5/トレス・ポル・シンコ」などと数式を指示、答えが偶数か奇数によって、左右に動くエクササイズでジエゴ・コスタが1人、全部間違えているなんていうお笑いのシーンなどもあったものの、これじゃ、グリーズマンが先週いっぱい、金曜にとうとうバルサが1億2000万ユーロ(約146億円)の小切手をリーガ協会に届けるまで、罰金覚悟でイビサ(地中海のリゾートアイランド)での休暇を楽しんでいたのもムリはない?ただ、誰も予期していなかったのはその支払いが確認された直後、アトレティコが再びcomunicado official/コムニカードー・オフィシアル(公式声明)を発表。「この金額では不十分。選手とバルサの移籍合意があったのは契約破棄金額が2億から1憶2000万に下がる7月前だったのだから、あと8000万ユーロ(約98億円)払うべき」って、え、そんな主張、通るんですかあ? うーん、セレソ会長など、「Si el club ha hecho este comunicado es porque tiene pruebas/シー・エル・クルブ・ア・エッチョー・エステ・コムニカードー・エス・ポルケ・ティエネ・プルエバス(クラブがこの声明を出したということは証拠を握っているからだ)」と自信ありげでしたけどね。もう当のグリーズマンはイビサ滞在を利用して、「Mi padre me enseno de pequeno que los trenes no pasan solo una vez/ミ・パドレ・メ・エンセノ・デ・ペケーニョ・ケ・ロス・トレネス・ノー・パサン・ソロ・ウナ・ベス(小さい時から、ボクの父は列車は1度しか通らない訳ではないと教えてくれた)」と語るバルサ入団イメージビデオを制作しているし(https://bit.ly/2XQRpBy)、土曜の夜にはバルセロナに到着。カンプ・ノウのオフィシャルショップで写真撮影を行った後、日曜夕方には17番の背番号をつけてプレゼンされているとなったら、もう正直、どうでもいいというか。 いやまあ、その余分の8000万ユーロがあれば、エルモーソ(エスパニョール)に加え、ハメス・ロドリゲス(マドリー)も余裕で獲れてしまうなんて思わない訳ではないですけどね。とりあえず、アトレティコは今週金曜にキャンプを打ち上げ、土曜のヌマンシア(2部)戦が初プレシーズンマッチとなりますが、その時にはシメオネ監督が今季の軸にしようと毎日、試しているモラタ、ジエゴ・コスタ、ジョアン・フェリックスを並べた4-3-3のシステムが上手く機能するのかどうか、見られたらいいですよね。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2019.07.15 15:00 Mon
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今更、戻れない…/原ゆみこのマドリッド

「強いチームはあまり練習しなくていいってことかしら」そんな風に私が首を振っていたのは日曜日、スポーツ紙に載っているリーガ20チームのプレシーズン予定表でバルサとマジョルカだけ、あと1週間、バケーションを楽しめるのに気づいた時のことでした。いえ、昨季、2部で5位となり、2ラウンドのプレーオフでアルバセテとデポルティーボを倒して、6月23日にオサスナ、グラナダに続く、1部昇格最後の1枠を獲得した後者のスタートが他より遅いのは当然なんですけどね。リーガ2連覇の余裕なのか、メッシやルイス・スアレス、コウチーニョといった主力がコパ・アメリカのせいで合流が遅れるせいか、これまで8月開催だったスペイン・スーパーカップも今季は冬に行われるからか、ほとんどのチームがこの月曜には新シーズンに向けての練習を始めている中、バルサだけが出遅れているように見えたから。 なるほど、それでグリーズマンはまだ呑気にイビサ(地中海のリゾートアイランド)で海三昧していたのかって?まあ、そうなんですけど、先週はアトレティコが木曜、金曜と連続してワンダ・メトロポリターノで新入団選手をプレゼン。まずはインテルに行ってしまったゴディンの後釜となる予定の30才のブラジル人CB、フェリペが紹介され、翌日には同じポルトから移籍。メキシコのマスコミが大挙して駆けつけ、母国にライブ配信までされていると聞いて、ようやくその、エクトル・エレラが代表キャプテンも務める大物MFだったと私も知ることになったんですけどね。 すでに午前中のセッションでチームメートと顔を合わせていた当人が、今季、ポジション争いをすることになる「コケは愛想良く迎えてくれたよ。Me dio un abrazo que no esperaba/メ・ディオ・ウン・アブラソ・ケ・ノー・エスペラバ(予想もしていなかったハグをしてくれた)」と言うのを聞いて、いきなり抱きつかれてビックリしたんだろうかと笑えたりもしたんですが、スタジアムはまだ夏のコンサート仕様でピッチにスタージがあるせいか、この両人もマルコス・ジョレンテ(レアル・マドリーから移籍)同様、ユニフォーム姿でファンに挨拶する機会はもらえず。 折しも金曜の夕方にはカンプ・ノウでデ・ヨング(アヤックスから移籍)のプレゼンがあり、2万人のファンに迎えられたなんて聞くと、レアル・マドリーだって、サンティアゴ・ベルナベウに5万人を集めたアザールのスーパープレゼンがありましたしね。この月曜午後1時に予定されているサッカー史上、ネイマール、エムバペ(PSG)に次ぐ3番目に高額となる移籍金1憶2700万ユーロ(約150億円)をベンフィカに払い、スペインではバルサのコウチーニョやデンベレ以上、お隣さんがベイルやクリスチアーノ・ロナウド獲得に使った金額も超えているという、ジョアン・フェリックスのプレゼンの際にもスタンド解放がなかったら、アトレティコファンがあまりに可哀そうな気がしないでもないんですが、まさか、そのデ・ヨングのプレゼン前にあったバルトメウ会長の記者会見がとんでもない騒ぎに発展しようとは! そう、すでに昨季中、ヒル・マリン筆頭株主、スポーツディレクターのベルタ氏、シメオネ監督との会談を持った後、5月14日にはアトレティコを退団する旨のお別れビデオを公開したグリーズマンだったため、契約破棄金額が2億ユーロ(約250億円)から、1憶2000万ユーロに下がる7月1日から、マスコミもバルサが小切手を持って来るのを待って、リーガ協会前にずっと張り付いている状態だったんですけどね。 ところがロドリの7000万ユーロ(約85億円)を持ってマンチェスター・シティの代理人は先日、来たんですが、バルサの方は一向に現れず。それどころか、バルトメウ会長が「グリーズマンの件でアトレティコと昨日、話を始めた。Es el primer contacto/エス・エル・プリメール・コンタクトー(これが最初の接触だった)」といけしゃあしゃあと言い放ったせいで、アトレティコ側が完全にキレてしまうことに。だってえ、5月にグリーズマンが「7月に違約金を払いに来るクラブがある」と言ったとなれば、もうその時にはすでにバルサと選手の間で話がついていたってことじゃないですか。 更にその怒りに油を注いだのは、そのバルトメウ会長の言っていた交渉でバルサが1億2000万ユーロの分割払いを求めてきたことで、大体がして、交渉せずに獲得するための契約破棄金なんですから、これはもう本末転倒もいいところ。「FCバルセロナはアトレティコとその全てのファンにリスペクトを欠いている」と、まだデ・ヨングのプレゼンが終わる前に出された緊急公式声明で、グリーズマンとの合意が昨季、ユベントスに敗退したCL16強対戦2ndレグの数日後にはもうできていたこと、まだリーガ優勝を争っていた2月には接触が始まっていたことを指摘すると、まるで八つ当たりのように「グリーズマンにはアトレティコとの契約による義務を果たすため、日曜にクラブ施設に出頭し、プレシーズン練習を始めることを求める」って、え、地獄のLAキャンプへ行かせるんですか? いやあ、こんな騒ぎになったとなれば、私も落ち着いてはいられず、とうとう土曜は朝7時30分のバスに乗って、マハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場で8時からのセッションを見学することにしたんですが、仕方ないですかね。あんなに走らされるのでは、少しでも涼しい時間にやらないと選手たちの体が持ちませんって。ええ、その日は10名程のカンテラーノ(アトレティコBの選手)を含め、コケ、サウール、ビトロ、コレア、ジエゴ・コスタ、カリニッチら、6月の代表戦に呼ばれていなかった先行スタート組、来季にはチェルシーから完全移籍となることが決まり、自主的に早出していたモラタ、そしてジョレンテ、フェリペ、エレラの新加入選手ら、およそ20名程でのセッションだったんですが、とにかく最初のエクササイズのえぐいことといったら、もう。 うーん、初見はただ並んで20メートルぐらいの距離をそこそこのスピードで往復するだけだったんですが、これが延々と続くんですよ。不慣れなフェリペが80回ぐらいこなしたところで脱落したのを皮切りに、90回を過ぎる頃にはどんどん人数が減っていき、ビトロやサウールがギブアップしたのは120回ぐらいでしたかね。最後、130回目まで完走したのはカンテラーノのサナブリアだけといった具合で、休みなしで5キロも走らせるなんて恐ろしい。その後は普通にロンド(中に選手が入ってボールを奪うゲーム)やpartidillo(パルティディージョ/ミニゲーム)をやっていましたが、最後はまた2グループに分かれて、ペースをコントロールしながら、15分間のランニング。 そんな感じでこの日は2時間弱の午前中だけの練習でしたが、これが日曜夜に移動、月曜から始まるロス・アンヘレス・デ・サン・ラファエル(マドリッドから1時間の高原リゾート)でのキャンプになると、ダブル、トリプルセッションで選手たちはしごかれますからねえ。このプレシーズンは初めて見る程、引き締まった体型で現れたコスタはともかく、イビサのクルーザー船上で撮られた写真ではお腹周りが心持ち、柔らかくなっていたグリーズマンではレアル・ソシエダから5年前、移籍した最初の年のようにまた、途中リタイアしてしまうかも。 いえ、実際、もうワンダにあるオフィシャルショップで背番号7にはジョアン・フェリックスの名前が入って爆売りされているような現状で、グリーズマンがのこのこ戻って来られる訳もないんですけどね。結局、日曜の夜、チームバスは彼抜きでキャンプに出発しましたが、どうやらクラブはバルサが違約金を満額払い、移籍が完了するまでは練習不参加という理由で選手に罰金を科すのだとか。とはいえ、それまで当人も昨年、トップチームの選手数を20名にまで絞って倹約し、2100万ユーロ(約26億円)という破格の昇給を果たした年棒の日割り分はもらえるはずですし、別に大した負担ではないと思いますが、シーズン終了間際、退団宣言した後も練習後に車で出てきた彼に悪口の1つもなかったファンたちの姿を見ているだけにちょっと、この件に関しては私もあまり後味がよくありませんね。 え、それでマドリーも月曜にはバルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場に集合するんだろうって?そうなんですが、この夏は新加入選手がもう何人もいるため、危機感を覚えた選手が多かったんでしょうか。すでに先週から、オドリオソラ、ブライム、ナチョ、ロドリゴ(サントスから移籍)らがトレーニングに通っているそうで、ルーカス・バスケスはマジョルカ(地中海のリゾートアイランド)にあるテニス選手のラファ・ナダルの経営するスポーツ施設で始動していたり、バケーションの大半をアメリカで過ごしたベンゼマも汗を流しているビデオを定期的にSNSにアップするなど、あれ?もしやコスタリカだ、エジプトだ、どこぞのプールの巨大滑り台だと最後の最後まで休暇を満喫している動画を公開(https://bit.ly/2S1XCJM)していたのは新婚さんのセルヒオ・ラモスだけかも。 おまけに日曜夕方には久保建英選手(東京FCから移籍)もバラハス空港に到着(https://bit.ly/2NCixV7)。契約はRMカスティージャとしているものの、火曜にカナダに出発するトップチームのプレシーズンキャンプに参加するため、コパ・アメリカ参加後、バケーション日数を削って、30人もいる大所帯の一員となるようですが、いや、それでもジダン監督はある程度、人数を絞れたんですよ。ええ、マルコス・ジョレンテ、コバチッチ(チェルシーに移籍)、テオ(同ミラン)、ラウール・デ・トマス(同とベンフィカ)、ウーデゴール(レアル・ソシエダにレンタル)、レギロン(同セビージャ)ともう、行き先が決まった選手が何人もいますし、スペインU21でユーロ優勝を果たしたセバージョス、バジェホ、マジョラルはまだバケーション中。その上、皆、移籍の可能性が高いとあって、当面はチームの帰りをマドリッドで待つことに。 キャンプに加わってもベイルのようにガチの放出候補がいたり、先週木曜にあった新ユニフォームお披露目会でアンヘル・トーレス会長も言っていたように、セバージョスやブライムの手近なレンタル先として立候補しているヘタフェのようなクラブもありますからね。話が早々にまとまれば、マドリッドに戻って来る頃には人数が減っているか、もしくはポグバ(マンチェスター・ユナイテッド)やエリクセン(トッテナム)など、更なる獲得が噂されている選手が加わって増えているか、それは天ののみぞ知るといったところなんですが…。 まあ、それはともかく、一応、夏休みでたまたま北米にいるファンと予定が合った場合を考えて、マドリーの日程を伝えておくと、火曜からはモントリオールのリッツ・カールトンに宿泊してMLSのモントリオール・インパクトの施設で19日まで練習。私は行ったことがないので適当で悪いんですが、ホテル内やゴルフカートでセッションのため移動する際は結構、選手たちを間近で見るいい機会になっているかと。 インターナショナル・チャンピオンズ・カップ(夏の親善大会)は20日のヒューストンでのバイエルン戦から始まり、23日にはメリーランドでアーセナル戦、そして27日にニュージャージーでアトレティコ戦となります。その後、ミュンヘンに移動して30、31日にアウディカップ(バイエルン主催の夏の親善大会)をこなし、ようやく帰京となりますが、久保選手だけでなく、アザール(チェルシーから移籍)、ヨビッチ(同フランクフルト)、メンディ(同オリンピック・リヨン)といった新戦力を早くピッチで見てみたいですよね。 え、先週は乾貴士選手も参加してベティスのプレシーズンも始まったし、一応、今のところは柴崎岳選手も戻って来そうな弟分、ヘタフェはいつプレシーズンを始めるのかって?いやあ、それが新ユニのプレゼンを見に行った際、プレスの人に訊いたところ、月曜からメディカルチェックが始まり、11日にはコリセウム・アルフォンソ・ペレスの側にある練習場で初セッションとなるんですが、一般のファンが見学できるかどうかはまだわからないとか。柴崎選手の合流時期についてもはっきりしていないようでしたが、その辺はまた週明けに情報招集に努めたいかと。 一方、アトレティコと同じ木曜に早朝セッションでスタートしたレガネスは順調に進んでいるようで、とはいえ、時間と場所が場所だけになかなか私も足を運べず。早くも来週の土曜、13日にはラージョとの初プレシーズンマッチもありますし、彼らはほとんどマドリッドから出ずに練習するようなので、まあ焦ることはありませんって。 そうそう、最後に先週決まった8月第3週末、リーガ1節のマドリッド勢のカードをお伝えしておくと、アトレティコがワンダにヘタフェを迎えての兄弟分ダービーでスタート。サンティアゴ・ベルナベウの改装工事が終わらないマドリーはアウェイでセルタ戦、レガネスはブタルケに3年ぶりに1部に戻ってきたオサスナを迎えます。8月中はスペイン人ファンもバケーション中でチケットが取りやすいこともありますしねえ。キックオフ時間はまだ決まっていませんが、暑さが気にならなければ、現地観戦を計画してみるのも楽しいかもしれませんよ。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2019.07.08 13:30 Mon
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早起きは三文の徳っていうけど…/原ゆみこのマドリッド

「朝9時から親善試合って凄いわ」そんな風に私が驚いていたのは火曜日、弟分チームのレガネスのプレシーズンマッチ予定を見つけた時のことでした。いやあ、数日前から、マドリッドはお昼過ぎには気温40度になる日も珍しくない猛暑に突入。今週木曜にはエスタディオ・ブタルケに程近い、インスタラシオン・デポルティバ・ブタルケで新シーズンに向けての練習を始めるペレグリーノ監督がセッションのスタートを午前8時45分と早い時間に設定したのもわかるんですけどね。だからって、来週13日の土曜日、その施設に昨季、2部に降格してしまったラージョを迎えて行う最初のプレシーズンマッチも似たような時間帯って、それじゃあ近所に住んでいるファンしか見に行けないじゃないですか。 いえ、その次の試合では、2部Bから昇格して、新たにマドリッドの2部チームの弟分に加わったフエンラブラダと20日の午後7時に対戦するんですけどね。30日には再び、首都圏チームの2部メンバーとして、8年間頑張っているアルコルコンをやはり午前9時30分に迎えるって、この夏のレガネスは朝活が多くない?もちろん、マドリッド旅行がプレシーズン時期に当たってしまい、たまたま空いた午前中を有効に使いたいというサッカー好きの観光客の方には、メトロ5番線のアルーチェ駅前から出るバス(491、492、493、482)に乗って、20分程で行けるレガネス練習場での試合を見てみるのも一興かと思いますけどね。朝に弱い私にはムリかも。 一応、リーガ開始直前のホームでの新チームお目見えゲームとなるビジャ・デ・レガネス杯ではスタジアムの方で8月10日午後8時のキックオフですから、相手はやはり2部のアルバセテとちょっと物足りないところはあるものの、その頃にはある程度、補強選手も来ていそうですしね。現在、アフリカ・ネイションズカップのモロッコ代表で活躍しているエン・ネシリが戻って来てくれるのかは保証できないところですが、いよいよ彼らも1部リーグ4年目。今季は3度目のヨーロッパリーグに挑むことになるヘタフェがシュダッド・デポルティボで練習を始めるのが11日と、余裕を見せている間に少しでもお隣さんに近づけるよう、この夏の準備を怠りなく進めてほしいものです。 え、今週はプレシーズンが始まるチームがある一方で、ようやくバケーション入りができた選手たちもいるんだろうって?その通りで月曜にはスペインU21がユーロ大会のトロフィーを持って帰国。決勝の地だったイタリアのウディネからは日曜深夜に飛ぶ便がなく、100キロ離れたスロベニアのリュブリャナまでバスで移動して戻って来たなんて聞くと、ちょっと大人の代表との格差を感じたりもしますが、何せ昨年のロシアでのW杯もそうですが、兄貴分たちは2012年以来、久しく優勝から遠ざかっていますからねえ。お祝いとしては、さすがにこのレベルでは市内パレードもなく、ラス・ロサス(マドリッド近郊)のサッカー協会施設で式典があった程度とはいえ、近い将来のラ・ロハ(スペイン代表の愛称)の復権を期待して、私もつい喜んでしまうことに。 ちなみにこのU21ユーロでの彼らの躍進ぶりをちょっと振り返っておくと、グループリーグ初戦で開催国イタリアと対戦した彼らはセバージョス(レアル・マドリー)のゴールで先制しながら、最後は3-1で逆転負けしてしまうという最悪のスタート。それでも2戦目でベルギーに2-1と辛勝すると、グループ突破に3点差以上の大勝が必要とされたポーランド戦で5-0のgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)を披露して、一気に追い風に乗ったんですよ。 ええ、先週木曜、決勝トーナメント最初の準決勝では前半16分にPKでフランスに先制されながら、28分にはマルク・ロカ(エスパニョール)が同点弾。ロスタイムには折しもこの4年間、サッカーと並行して学んでいた経営学の学位を取得したばかりのオジャルサバル(レアル・ソシエダ)が自ら受けたPKを決めてリードを奪うと、後半にもダニ・オルモ(ディナモ・ザグレブ)とマジョラル(マドリー、昨季はレバンテでプレー)が゛ールを挙げ、現世界王者の弟分たちに4-1と圧勝しているんですから、何とも頼もしい。 そして迎えた日曜の決勝の相手は、そこまでの4試合で計14ゴールという攻撃力を誇るドイツ。おまけに2年前の同大会決勝ではアセンシオ(マドリー)やサウール(アトレティコ)らを擁しながら、1-0で負けてしまった因縁の相手だったんですが、それが却って、セバージョス、バジェホ(マドリー)、マジョラル、オジャルサバル、ソレル(バレンシア)、メレ(コロン)、ミケル・メリーノ(レアル・ソシエダ)ら、連続出場でリベンジに燃えているメンバーが多かったスペインに力を与えた? いやあ、実際この試合、彼らがスピードのあるパスサッカーで試合を支配していた前半7分にエリア外から、自慢のシュート力で先制点を奪ったファビアン(ナポリ)にしろ、後半24分、今度はGKヌベル(シャルケ)にファビアンが弾かれた後、こぼれ球をvaselina(バセリーナ/ループシュート)で決めたオルモにしろ、U21ユーロ決勝を初めて体験する選手たちだったんですけどね。ドイツの反撃を残り2分、バジェホの頭に当たって入ったアミリ(ホッフェンハイム)の1点だけに抑え、2-1で勝利して、2013年以来の優勝を達成することに。 いやあ、実際、2年前にもルイス・デ・ラ・フエンテ監督はバジェホ、メレ、セバージョアス、マジョラルのいたスペインU19を率い、やはりユーロの王冠を勝ち取っているだけに、この世代には優秀な選手が多いのは確かなようですけどね。ただ今回、大会MVPに輝いたファビアンのように国外でプレーする選手が結構、いたのは珍しかったかも。ええ、監督も「この選手たちはスペイン・サッカー界から信頼されているし、deberian tenerla de los clubes/デベリアン・テネールラ・デ・ロス・クルーベス(クラブもそうすべき)」と嘆いていましたが、バルサのカンテラからクロアチアに活路を見出したオルモなどはともかく、クラブが移籍金ほしさに若くして売ってしまったなんてケースもありますからね。 それこそ、ベティスを離れて1年、この大会で大幅に株を上げ、マドリーが狙っているなんて噂も出てきたファビアンへなど、アンチェロッティ監督直々、「Todo el Napoles esta orgulloso de ti. Yo el primero. Enhorabuena/トードー・エル・ナポレス・エスタ・オルグジョーソ・デ・ティ。ジョ・エル・プリメーロ。エンオラブエナ(ナポリの全員が君のことを誇らしく思っている。まず私が1番にね。おめでとう)」とツイート(https://bit.ly/2XkK69X)して、引き留めを計っていましたしね。 同じくベティス出身、2年前にマドリーに移籍して以来、実はあまりプレーしていないセバージョスなど、MVPをゲットした前大会がステップアップの機会に繋がったことで学習したんでしょうか。今回、優勝した際には「El ano que viene quiero jugar 40 partidos/エル・アーニョ・ケ・ビエネ・キエロ・フガール・クアレンタ・パルティードス(来季は40試合に出場したい)。そしたら2020年ユーロを目標にできるし」と何度もマイクの前でアピールって、もしかしてジダン監督を挑発してる? まあ、一般的にはプレー時間をもっともらえるチームにレンタル移籍して、この2年間の空白を埋めるつもりだろうと解釈されていますが、いやいや。まだこのU21のメンバーには来年の東京五輪で優勝するという目標も残っているのを忘れていけませんって。 実際、もうセバージョスもファビアンもオジャルサバルもA代表でデビューしているだけに、目標が大人の大会になってしまうのは仕方ないんですけどね。私など、前回、スペインが出場した2012年ロンドン五輪ではロドリゴ(バレンシア)やイスコ(マドリー)、マタ(マンチェスター・ユナイテッド)、ジョルディ・アルバ(バルサ)らがいながら、日本もいたグループで最下位敗退をした情けない姿を覚えているため、今度こそは強いスペインを日本のファンに見せてあげたいと思ったところ…あれ?以前はデ・ヘア(現マンチェスター・ユナイテッド)やアドリアン(昨季ポルトとの契約が終了)、ドミンゲス(引退)、コケ、オリベル(ポルト)、サウールと常にいたアトレティコ勢が今回のU21にいないのはとっくにチェック済みだったものの、バルサ勢も姿を消しているとは、これまた如何に。 複数いるマドリー勢も皆、今季も残留するか、確定していない辺りを見ると、どうやらスペインのビッグクラブで国産若手選手がチャンスを掴むのが難しくなっているというのは本当のようですが、こればっかりはねえ。何はともあれ、レガネス同様、木曜からプレシーズン開始となるアトレティコでは先日、コパ・アメリカの準々決勝で敗退したウルグアイのヒメネス、コロンビアのアリアス、そしてアフリカ・ネイションズカップのガーナ代表に行っているトマス以外、バケーションがずれ込んで、遅れて合流する選手がいないのはラッキーだった? いやあ、それがそうでもなくて、というのも新戦力がまだ到着していないんですよ。お隣さんから移籍したマルコス・ジョレンテこそ、先週金曜にはワンダ・メトロポリターノのプレス・コンフェレンスルームでプレゼンされたんですけどね。まだロドリの退団が正式に発表されていないにも関わらず、14がついたユニフォームでお披露目されていたのはともかく、ピッチにはその週末にあるスペイン人ポップ歌手、マヌエル・カラスコのコンサートのための大舞台が組みあがり、まさにリハーサルの真っ最中だったためか、当人がユニを着て、芝の上でポーズをとることはできず。 やはりこの状態では大枚1億2000万ユーロ(約146億円)を払うジョアン・フェリックス(ベンフィカ)をプレゼンすることはできないのか、もしくは同額の違約金を払ってバルサに行くことになっているグリーズマンのプレゼンが来週までカンプ・ノウで開かれないためなのか、わかりませんが、FWの到着も遅れている上、ポルトからの移籍が決まったCBフェリペ・モンテイロとパナメンセから獲得した21才の左SBロディ以外、まだDFも頭数が揃ってないとなれば、またマハダオンダ(マドリッド郊外)のセッションではカンテラーノ(アトレティコBの選手)が大量にヘルプに駆り出されることになるかと。 大体がして、先日、シメオネ監督になって以来、アトレティコに加入して成功を収めた選手は54人中9人しかいないなんてデータをAS(スポーツ紙)で見てしまって以来、すでにインテルへの入団が発表されたゴディンを始め、かなりの人数が入れ替わる今季はかなり不安が高いんですが、その横でお隣さんは着々と投資金額の回収が進んでいるよう。ええ、6月中はヨビッチ(フランクフルトから移籍)、アザール(同チェルシー)、ロドリゴ(サントス)、メンディ(オリンピック・リヨン)と次々にプレゼンして、まずは3億ユーロ(約366億円)程の財力を見せつけた後、マドリーは人員整理も開始。 それこそ、「シメオネ監督の個性もクラブのプロジェクトも魅力的で入団するのにためらいはなかった」というマルコス・ジョレンテからして、移籍金が3000万ユーロ(約37億円)もしたんですが、7月に入るやいなや、昨季はチェルシーにレンタルしていたコバチッチが4500万ユーロ(約55億円)で完全移籍。ラージョで2年間、修行したラウール・デ・トマスはベンフィカに2000万ユーロ(約24億円)で、ミランのメディカルチェックを受けているテオ(昨季はレアル・ソシエダでプレー)は2500万ユーロ(約31億円)で売却と、ここまでですでに1憶ユーロ以上回収した上、ハメス・ロドリゲス(バイエルンに2年間レンタル)、ウーデゴール(昨季はフィテッセでプレー)らも移籍予定と、まだかなりの収入が見込めることに。 いえ、まだ大物、当人はわかりませんが、代理人が相変わらず、移籍を否定しているベイル、セビーッジャでのスーパー挙式の後、セルヒオ・ラモスと芸能人のピラル・ルビオさんが新婚旅行として訪れたコスラリカでガイド役を買ってあげていたケイロル・ナバスが残っていますけどね。おまけにジダン監督が欲しがっているポグバ(マンチェスター・ユナイテッド)は1憶7000万ユーロ(約207億円)かかると言われているため、やっぱりこの夏は赤字で終わりそうなマドリーですが、人の財布を心配しても仕方ないかと。 とりあえず、コパ・アメリカの日本代表に参加した久保建英選手がもう来るのかはわからないんですが、チームは来週月曜にバルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場に集合した後、翌日にはカナダのモントリオールに向けて出発。まだまだ選手たちをマドリッドで見られるのは先のことになりそうですが、1つ残念なお知らせがあって、現在、サンティアゴ・ベルナベウに隣接したショッピングモールの取り壊しが始まり、3年計画のスタジアム改修工事にかかっているマドリーはどうやら、その関係で8月いっぱい、リーガに頼んでホームゲームを避けてもらうよう。2019-20シーズンの対戦組み合わせもこの木曜に決まるため、それを見て、マドリッド訪問の計画を立てるファンも多いかと思いますが、これはちょっと頭に入れておいた方がいいかもしれませんよ。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2019.07.03 13:15 Wed
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今は凪いでいる…/原ゆみこのマドリッド

「結構、間が空くわね」そんな風に私が退屈を持て余していたのは水曜日、ここしばらく毎日、何がしかの試合があった国際大会、女子W杯もコパ・アメリカもU21ユーロもグループリーグが終了。決勝トーナメントに入ったため、休養日があることに気がついた時のことでした。いえ、2度目のW杯出場で初のグループリーグ突破を成し遂げたスペイン女子はPKを2度も献上したことが響き、アメリカに2-1で敗退。なでしこがオランダに負けるのに足並みを揃えて姿を消してしまったのはともかく、RMカスティージャへの入団が決まった久保建英選手の活躍を楽しみにしていた日本男子代表もコパ・アメリカのグループリーグ突破は叶わなかったんですけどね。 おかげで私も楽しめる試合が減ってしまったんですが、そんな中、こちらのマスコミの期待を一身に背負うことになったのはU21スペイン代表。というのも4チームが3つのグループで戦った後、その先はすぐ準決勝となり、決勝トーナメントに進めるのはたったの4チームだけというコンパクトな大会形式のせいもあるんですけどね。初戦をイタリアに3-1と逆転負け、ベルギーにはかろうじて2-1と勝ったものの、早期帰国を避けるためにはグループ最終戦で3点差以上の勝利が求められていたにも関わらず、まさかポーランドに5-0のgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)を喰らわせ、得失点数差による首位突破を果たしてしまうとは恐るべし根性。 ええ、その先週土曜の試合ではそれまでCFにマジョラル(レアル・マドリー、昨季はレバンテでプレー)を据えていたルイス・デ・ラ・フエンテ監督はfalso nueve(ファルソ・ヌエベ/偽のCF)としてオジャルサバル(レアル・ソシエダ)を起用。そのおかげもあってか、前半だけでフォルナルス(ビジャレアルからウェストハムに移籍)、オジャルサバル、ファビアン(ナポリ)がゴールを挙げ、後半にもセバージョス(マドリー)、途中出場のマジョラルが決めて、余裕のスコアでベスト4入りしてしまったとなれば、この木曜午後9時(日本時間翌午前4時)からのフランスとの準決勝だけでなく、ドイツvsルーマニア戦勝者との決勝、更にはこれで参加が確定した来年の東京五輪へと果てしなく夢が膨らんでいくのも理解はできる? いやあ、取らぬ狸の皮勘定は避けて、選手たちと同様、当面、私も準決勝に照準を合わせているんですけどね。ちょっと面白かったのはその対戦相手、フランスには年齢的に出場資格がありながら、去年、大人の代表でW杯優勝を達成したエムバペ(PSG)やリュカ(アトレティコからバイエルンに移籍)が参加していないこと。スペインでもアセンシオ(マドリー)とロドリ(アトレティコ)が2017年大会のリピートをしないことを決め、批判を浴びていたりしましたが、隣国には1度、A代表に上がった選手がU21のヘルプに回る習慣はないため、誰も何も言わないのだとか。 とはいえ、6月のユーロ予選、フェロー諸島戦、スウェーデン戦でA代表としてプレーした後、U21に合流したファビアン、オジャルサバルの両名など、この大会でどんどん評価を高めていますからねえ。前者にはマドリーが狙っているという噂が早速出てきたり、逆に放出確定に近いセバージョスもクラブが5000万ユーロ(約62億円)以上の移籍金でないと交渉に応じないなんて話もあって、名前を売りたい選手には最適な大会なんですが、ロドリなんてもう、7000万ユーロ(約86億円)の契約破棄金額をフルに払ってのマンチェスター・シティ行きがほぼ決まっているとなれば、木曜夜には気温35度が予想されている猛暑のイタリアで汗をかく必要はもうないのかも。 え、若い選手たちの話もいいけど、それより先週末はマドリーのOBたちがサンティアゴ・ベルナベウを沸かせてくれたんじゃないかって?その通りで日曜には恒例のコラソン・クラッシク・マッチが開催。普段の試合とは異なり、チケットが7ユーロ(約900円)からと格安なため、子供の多い家族連れを中心に6万人のファンがスタンドを賑わせることに。試合の方は序盤から、ジダン、フィーゴ、ロナウド、ロベルト・カルロス、ベッカムは来ていなかったものの、ギャラクティコ時代のマドリー国産前線が見事に機能。こぼれ球を追ったラウールの抜け目ないゴールを皮切りに、昨季はベシクタシュのアシスタントコーチを経験したグティも躍動し、モリエンテスも2ゴールと盛り上げてくれたんですが、相手のチェルシーOBもシェフチェンコのPK、ポジェのゴールで1点差迫ります。 すると35分にはこの試合、一番のgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)が生まれ、エリア外からカランブーがボールをネットに突き刺してくれたから、場内は大喝采。後半も再開早々、ギャラスが得点したチェルシーはラウールがPKでこの日、自身2点目を挙げた後にも元アトレティコのチアゴのスルーパスに抜け出したマルダがゴールを入れたものの、両チームの撃ち合いはここまで。最後は5-4でマドリーの勝利に終わったんですが、OBといっても比較的若い選手が多かったせいか、ゲームのテンポも良かったし、何より沢山ゴールを見ることができたため、スタジアムを訪れたファンは満足して帰ることができたんじゃないでしょうか。 ちなみに試合後、ピッチでインタビューに答えていたラウールは今季、RMカスティージャの監督として久保選手を指導することになるんですが、当人の目標は「Inculcar a los chicos lo que es el madridismo/インクルカール・ア・ロス・チコス・ロ・ケ・エス・エル・マドリディスモ(選手たちにマドリー精神を教え込む)」ことなのだとか。うーん、マシア(バルサのカンテラ)育ちの久保選手だけにスペインの2強、どの辺りにサッカー哲学の違いがあるのか、いつか訊いてみたいところですが、彼はこのプレシーズン、トップチームと練習すると聞いていますからねえ。コパ・アメリカの後、たった2週間のバケーションしか取らず、7月8日にバルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場に集合するメンバーに入るのかもまだ不明ですが、とりあえず、ジダン監督のチームの予定をお伝えしておくことにすると。 彼らがマドリッドにいるのは最初の1日だけで、翌日にはカナダへ出発。doblete(ドブレテ/CL、リーガの2冠優勝)を達成した2016-17シーズンの夏を過ごしたゲンのいいモントリオール・インパクトのグラウンドでトレーニングに励み、インターナショナル・チャンピオンズ・カップ(夏の国際親善大会)が始まるのは20日、ヒューストンでのバイエルン戦から。続いて23日にはメリーランドでアーセナル戦、26日にはニュージャージーでお隣さんとのマドリーダービーをこなし、30日にはミュンヘンでアウディカップ(バイエルン主催の夏の親善大会)参加となります。まずは準決勝で昨季のCLフィナリストであるトッテナムと顔を合わせ、それからバイエルンorフェネルバフチェと決勝or3位決定戦という流れですが、8月第3週の週末から始まるリーガ開幕前にホームでの新チームお披露目となるサンティアゴ・ベルナベウ杯に関してはまだ相手も日付もわからず。 RMカスティージャの2部Bリーガ戦が始まるのも大体、似たような時期になると思いますが、夏の旅行でたまたま、これらの試合とが重なった場合は覗いてみるのも一興かと。そうそう、マドリーには先日、昨季リーガ1部昇格を果たした同じ首都を本拠とする女子チーム、タコンの経営権を取得。今季はまだ名称が変わらないものの、練習やホームゲームをバルデベバスの施設で行うそうで、2020-21シーズンからは正式にマドリーの一員になるというニュースも。いやあ昨今、リーガには日本人女子選手が結構いますし、こちらにも誰か来てくれたりすると楽しみが増えていいですよね。 え、それでアトレティコの方はどうなっているのかって?うーん、彼らにとって、最大の朗報は日曜に東京で8月のヴィッセル神戸戦を最後に現役引退すると発表したフェルナンド・トーレス(サガン鳥栖)が古巣への帰還を予告してくれたことだったかと。ただ、「para lo que yo quiero hacer en el Atleti necesito formarme/パラ・ロ・ケ・ジョ・キエロ・アセール・エン・エル・アトレティ・ネセシートー・フォルマルメ(自分がアトレティコでしたいことのためには学ぶことが必要だ)」と本人も言っていたように、単なる選手たちとクラブの繋ぎ役になりたい訳ではなく、「アトレティコをもっと偉大にして、まだクラブ史上、達成していないことを成し遂げる」という大きな目標があるため、監督業にしろ、マネージャー業にしろ、修行にしばらく時間がかかるよう。 その一方で、代理人の話ではジダン監督から、「Le dijo que iba a tener pocos minutos, que lo mejor era salir/エオ・ディホ・ケ・イバ・ア・テネール・ポコス・ミヌートス、ケ・ロ・メホール・エラ・サリール(あまりプレー時間がないだろう。退団する方がいいと言われた)」せいで先日、お隣さんへの移籍を決めたマルコス・ジョレンテや、すでに契約書へのサインは済んだと言われている、移籍金1憶2000万ユーロ(約150億円)という、マドリー並みの大盤振る舞いをしたジョアン・フェリックス(ベンフィカ)らのプレゼンもいつになるかわからない状態なんですが、何せこちらは一足早く、7月4日にはプレシーズンがスタートしますからねえ。おそらく今週遅く、もしくは来週の頭には両人ともワンダ・メトロポリターノに姿を見せてくれるんじゃないかと思いますが、さて。 一応、彼らのプレシーズン日程も伝えておくと、昨年夏はW杯があったため、恒例のロス・アンヘレス・デ・サン・ラファエル(マドリッドから1時間の高原リゾート)での地獄のキャンプを省いたせいで、結果的にシーズン中の負傷禍に繋がったことをシメオネ監督が猛反省。今年は7日にはマハダオンダ(マドリッド近郊)を出発し、プロフェ・オルテガの指導の下、ダブル、トリプル・セッション満載の体力増強トレーニングに入るのだとか。親善試合は20日にキャンプ地から程近い、ブルゴス・デ・オスナでヌマンシア(2部)とのヘスス・ヒル・ヒル杯から始まり、その後はアメリカに移動。24日にテキサスでチバス・グアラルダハラ、26日にマドリー戦、31日にはオーランドでMLSオールスターチームと、そして8月3日にメキシコで海外の弟分、アトレティコ・サン・ルイスと対戦してから帰国。 最後は10日にストックホルムでのユベントス戦で昨季のCL16強敗退のリベンジを挑んで準備を終えることになりますが、いやはや。とにかくそれまでにゴディン、ファンフラン、おそらくフィリペ・ルイスもいなくなったDF陣の補強が済んでいることを祈るばかり。何せ、5月末にポルトからCBのフェリペ・モレイラを獲得したという報があって以来、その当人のプレゼンすらまだないのはともかく、毎日、ヘルモーソ(エスパニョール)だ、ロディ(パナメンセ)だ、オタメンディ(マンチェスター・シティ)だ、ブリント(アヤックス)だと名前だけは挙がるものの、実際まだ頭数不足は解消していませんからね。両SBも同じ状態なため、会計年度が変わる7月早々には順次、つつがなく決まってほしいものかと。 その脇で今季はヨーロッパリーグに参加するヘタフェはプレシーズン開始が7月12日と遅め、それに合わせたかのように新戦力到着の報はないんですが、4日にスタートするレガネスも冬にバジャドリー移籍が決まっていたGKクェジェルが契約を延長して残留することになった程度と、こちらも例年通り、8月末の駆け込み人事が主流となりそうな。とりあえず、来週ぐらいには彼らの親善試合の予定なども出てくるはずなので、その辺はまた追ってお知らせしていきますね。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2019.06.29 22:30 Sat
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プレゼンもいいんだけど…/原ゆみこのマドリッド

「とりあえず手近なところから始めたわね」そんな風に私が頷いていたのは木曜日、お隣さんとマルコス・ジョレンテが入団することで合意に達したという、アトレティコの公式発表を見た時のことでした。というのも実のところ、先週のヨビッチ(フランクフルトから移籍)、アザール(同チェルシー)に始まって、今週の火水にもロドリゴ(同サントス)、メンディ(同オリンピック・リヨン)と、このところのレアル・マドリーはプレゼンラッシュ。この4人だけでも4000万+1憶+4500万+4800万=2億3300万ユーロ(約285億円)もの移籍金がかかっているにも関わらず、売却決定の報が一切なかったから。 これでまず4000万ユーロ(約49億円)の入金が確定と、少なくともヨビッチ分は元を取ったことになりますが、何せ現在、コパ・アメリカのブラジル代表に参加中のため、冬に5000万ユーロ(約61億円)で獲得したミリトン(ポルトから移籍)もプレゼンがまだですからねえ。最近のレイプ疑惑スキャンダルが影響して、移籍金3憶ユーロ(約370億円)とも言われるネイマール(PSG)の線は薄くなったようですが、ここへポグバ(マンチェスター・ユナイテッド)やら、エリクソン(トッテナム)やら、1憶ユーロ越え選手が加わった暁には一体、どうやって帳尻を合わせるものやら。 そう、バイエルンへのレンタル移籍が終わったハメス・ロドリゲスこそ、かつての上司、アンチェロッティ監督の引きでナポリが5000万ユーロで買いたがっているものの、一番高値がつくべきであるベイルなど、レンタルの打診しかきてないとなれば…いえ、人の懐具合の心配なんて余計なお世話ですよね。 まあ、そんなことはともかく、今週のマドリーのプレゼンの様子からお伝えしていくことにすると、5万人のファンをサンティアゴ・ベルナベウに集めたアザールのメガプレゼンには圧倒された私でしたが、火曜のロドリゴの際には全てが平常モードに復帰。ええ、パルコ(貴賓席)にあった特設ステージも撤去され、再びパルコ前ホールでのイベントだったんですが、その方がまだ18才のFWも、元サッカー選手で息子のケアをするため、現役引退をした34才の若いお父さんも緊張しなくて良かったかと。 実際、契約そのものは昨夏に決まっていたため、レンタルでサントスに留まってプレーする間に学んだというスペイン語で挨拶したロドリゴですが、まだ背番号のないユニフォームに着替え、2000人がスタンドから歓迎するピッチでリフティング、ファンに40個のボールをプレゼント、セルフィー、PKマークからのベルナベウ初ゴール体験、そして胸の紋章へのキスとプレゼンのテンプレをこなした後の記者会見では、複雑な質問はポルトガル語で答えるという臨機応変さを発揮。 昨季、同じ18才で入団、登録をBチームにして、シーズン前半はRMカスティージャの試合に出ていたビニシウスから、ユース代表で一緒になった時などに情報を得ていたからですね。「マドリーには常に世界最高の選手たちがいるから、estoy a disposicion del club para jugar en el primer equipo o en el Castilla/エストイ・ア・ディスポシシオン・デル・クルブ・パラ・フガール・エン・エル・プリメール・エキポ・オ・エン・エル・カスティージャ(トップチームでもRMカスティージャでも自分はクラブの命じるところでプレーする用意がある)」と言っていましたが、え、これって久保建英選手(東京FCから移籍)のライバルになるかもってこと? いやあ、当人は今、コパ・アメリカの日本代表に参加中。すぐにはこちらに来られないため、私も報告が遅くなってしまい、申し訳ないんですが、先週金曜の夜にマドリーが久保選手のRMカスティージャ入団を発表したのは皆さんもご存知の通り。一応、クラブスタッフやカスティージャもカバーしている顔見知りのマドリー番記者に訊いてみたところ、基本的にBチーム選手のプレゼンはなく、あってもバルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場でやるんじゃないかという話でしたが、まあカスティージャの新監督もラウールがUEFAプロライセンスを取得して、就任準備ができたようですし、その辺はまた、情報が入り次第、お伝えしていこうかと。 それより大変そうなのは、ロドリゴ自身が「どの位置でプレーしたいというこだわりはないけど、サイドでプレーするのが好き」と言っていたように、久保選手とポジションが被っていることもありますが、まだ人員整理が進んでいないジダン監督のチームには現在、11人ものアタッカーがひしめきあっていること。ええ、昨季は弟分チームのラージョでレンタル2年目を過ごし、悔しい2部降格を味わったラウール・デ・トマスこそ、ベンフィカへの移籍が決まったようですが、それ以外にサイドを務める選手だけ挙げてもベイル、アセンシオ、ルーカス・バスケス、ビニシウス、ブライムと複数いますからね。そうなると久保選手だけでなく、ロドリゴにしてもトップチームで出場するチャンスを掴むのは難しい? 一方、入団直後からレギュラー候補と噂されているのは水曜にプレゼンがあったメンディで、こちらは昨年の11月から、W杯王者のフランス代表からもお声がかかるようになった24才の左SB。いえ、デシャン監督のチームでは冬にヒザを手術。来季からプレーするバイエルンで続けていたリハビリも終わり、9月には完全復帰しているだろう元アトレティコのリュカと、マドリーでも長年、レギュラーに君臨してきたマルセロと競わないとならないとあって、そうそう簡単ではないはずですけどね。身長178センチと174センチのマルセロより少し大きいせいか、記者会見では「フィジカル的に優位じゃないか」と問われ、「いや、ユニを脱いで彼と会ったことはまだないから」と笑いを取る一幕も。 当人はまだジダン監督とは話していないと言っていましたが、メンディの場合は自身も子供時代のアイドルだったと打ち明けていた代表の大先輩を始め、マドリーにはベンゼマ、バラン、アザール、クルトワとフランス語を話す選手が多いのが強み。いえ、だからって、英語で事が足りてしまうため、最後までスペイン語が話せるようにならなかったベッカムや、もうすでに6年が経過しているベイルのようでは困るんですけどね。そんな話をプレゼン終了後、ベルナベウ近くに最近オープンした居酒屋チェーン風バル(スペインの喫茶店兼バー)で知り合いとしていたところ…。 まさか、「ルイス・エンリケ代表監督辞任」の報に驚かされることになろうとは!ええ、3月のユーロ予選の2試合目、マルタ戦前夜に娘さんの病気で代表を離脱して以来、6月の2試合もロベール・モレノ第2監督を通じて、自宅から指揮を執っていた彼なんですが、どうやらこの件は長引きそうと、職務を退く意志をサッカー協会に表明。それを受けて午後4時から、ラス・ロサス(マドリッド近郊)にある協会本部で会長が緊急記者会見を開くことになったんですが、大丈夫。思った通り、代表のオフィシャルウェブを開くとネット生中継が用意されている辺り、ホントに便利な世の中になったものです。 ちなみに次期代表監督に就任したのはここまで3試合、ルイス・エンリケ監督の代理を務めたロベール・モレノ氏で、いえ、9年間、ルイス・エンリケ監督のアシスタントをしていた彼はエリートチームでの第1監督経験はないんですけどね。選手経験もないものの、14才の頃から指導の道に進み、とりわけ敵チームのアナリシスに優れた手腕を発揮。スターがゴロゴロいる代表チームを率いるのにはカリスマ性にやや欠けるものの、昨年はW杯直前にマドリーとの契約を発表したロペテギ監督を電撃解任、ロシアではスポーツディレクターだったイエロ氏を暫定監督に立て、開催国に16強対決で敗退した後、ルイス・エンリケ監督を招聘と、ここ短い間でコロコロ指揮官が変わっているのにも懲りたんでしょうか。今回、協会は指揮方針の継続性を重視したよう。 ええ、ルビアレス会長自身が記者会見で「発表の15分前にキャプテンたちに連絡した」と言っていたように、先週土曜にセビージャの大聖堂で3人の息子さんの母親でもある芸能人のピラル・ルビオさんとスーパー挙式。結局、ピケ&シャキーラ、カシージャス&サラ・カルボネーロ、ジダン夫妻らのセレブカップルは現れなかったものの、1時間前から午後のバラエティ番組でゲストの到着を生中継、ベッカムの奥さんのビクトリアが模様は入っていたものの、地が白いワンピースにショッキングピンクのピンヒールと、ピラルさんが課したドレスコードを全然守ってないなんて話題でスタジオが盛り上がっているのには、私も呆れたものでしたけどね。 子連れ禁止にも関わらず、郊外にある自身の別荘に観覧車などの移動遊園地まで設置、明け方まで続いたという披露宴の後もハネムーン準備で忙しいであろうセルヒオ・ラモスにも気を遣っての人事だったようですが、何せA代表の試合は9月初旬のユーロ予選5、6節までありませんしね。しかもここまで4連勝中のスペインは2位のスェーデンにも勝ち点差5つけており、大体がして2位まで突破という甘々グループ予選なため、本大会が来るまでは心配することもないものの、どうやら崖っぷちに立っているのは現在、イタリア・サンマリノでU21ユーロを戦っている弟分チームの方のよう。 ええ、日曜にイタリア戦でスタートした彼らはセバージョス(マドリー)のゴールで先制したものの、最後は1-3で逆転負けしてしまったんですよ。水曜のベルギー戦でも早々にダニ・オルモ(ディナモ・ザブレブ)のゴールでリードした後、ゴール前の混乱から同点とされ、後半44分にビジャレアルからウェスト・ハムへの移籍が決まったばかりのフォルナルスのgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)でようやく勝ち点3をゲット。この大会は決勝トーナメントがすぐ準決勝という仕組みなため、3つのグループの1位と最高成績の2位しか突破できないとあって、スペインがベスト4として、来年の東京五輪の切符を手にするには土曜のポーランド戦で大量得点差勝利が必要とされるようですが…やっぱりこれって、アセンシオ(マドリー)とロドリ(アトレティコ)の2人が参加予定を取り止めたのが響いている? え、そのロドリはとうとうアトレティコ退団が決まったんじゃないのかって?いやあ、まだ正式な発表はないんですが、この月曜にはクラブにその意志を伝えたそうで、行先はグアルディオラ監督率いるマンチェスター・シティになる可能性が濃厚だとか。うーん、各紙の記事を読むと、移籍を決心した原因は給料ではなく、エル・パイス(スペインの一般紙)によると、中盤を無視してCBがロングボールを多用することや選手が走りすぎることについて、何度もシメオネ監督やチームメートと意見を交わしたものの、いつも最後は「Aquí jugamos así/アキー・フガモス・アシー(ウチはそういう風にプレーする)」と言われて終わりになるのが不満だったとか。 まあ、アトレティコのカンテラーノ(ユースチーム出身選手)でも昨夏出戻りするまで、ビジャレアルで何年も過ごした彼ですから、ポゼッションサッカーに惹かれる気持ちもわからないではないですけどね。AS(スポーツ紙)など、「シメオネ監督のサッカースタイルと哲学ではCL出場権を獲得するというクラブの目標は果たせても、優勝のチャンスはあまりないだろうと見切りをつけた」とバッサリ。そこでクラブは最初に話したマルコス・ジョレンテ獲得に踏み切ったんですが、いやあ、まだ移籍先を発表していないグリーズマンの後釜として、その契約破棄金額と同じ1憶2000万ユーロ(約146億円)をベンフィカに払い、19才の新鋭、ジョアン・フェリックスとの契約が秒読み段階になっているアトレティコですからね。 どうも来季は大博打になりそうな懸念がなくもありませんが、ラモスと同じ土曜に母国のアルゼンチンで2児の母、カルラ・ペレイラさんと挙式したシメオネ監督にはあまり心配している様子はなし。幸い、グリーズマン以外にもリュカとロドリの8000万+7000万=1憶5000万ユーロ(約183億円)が入るだけに交渉中のエルモモーソ(エスパニョール)、ロディ(パナメンセ)、セメド(バルサ)ら、ファンフラン、ゴディン、フィリペ・ルイスら、ベテランの抜けたDF陣の補強には資金が足りそうですが、果たしてどうなることやら。 ここ数日はマドリッドに滞在し、メディカルチェックなどを受けていたジョアン・フェリックスもバケーションに入ってしまったため、ワンダ・メトロポリターノでのプレゼンラッシュは7月4日のプレシーズン開始前後になりそうですしね。オフシーズンはあまりニュースのない弟分のヘタフェなども柴崎岳選手にメキシコのクラブ・ウニベルシダッド・ナシオナルが興味を示しているという記事がちょっと目についたぐらいで、今は私も市場が動くのを辛抱強く待つしかありません。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2019.06.21 13:00 Fri
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