ケガなんかに負けてられない…/原ゆみこのマドリッド2018.11.13 11:30 Tue

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▽「こりゃ混戦なんてもんじゃないわね」そんな風に私が呆れていたのは月曜日、せっかく一時は2位に上がったアトレティコが3位に落ちてしまったと嘆きつつ、よくよくリーガの順位表を眺め直していた時のことでした。というのも首位はバルサが何とか維持したものの、続くセビージャ、アトレティコ、アラベスの3チームは同じポイントでたったの勝ち点差1。5位のエスパニョールにしても3ポイントしか違わないため、各国代表戦週間によるパロン(リーガの一時停止期間)後の13節ではバルサをワンダ・メトロポリターノに迎えてガチンコ対決になるアトレティコだけでなく、他3チームにも1位になる可能性があったから。

▽ちなみにその原因を作った先週末のリーガがどうだったかお伝えしていくことにすると。マドリッド勢の先陣を切ったヘタフェは土曜にバレンシアをコリセウム・アルフォンソ・ペレスに迎え、私がワンダ・メトロポリターノに向かうため、家を出るまではスコアレスドローで頑張っていたんですけどね。ホルヘ・モリーナやカブレラらにチャンスもあり、優勢に進めていたようですが、後半36分、ブルーノがエリア内でガメイロのユニフォームを後ろから引っ張って邪魔したのをVAR(ビデオ審判)に見咎められたのが運の尽き。パレホが決めたPKによる1点を最後まで返せず、0-1で負けてしまうことに。

▽それでも11位という落ち着いた位置にいるボルダラス監督のチームは別に心配しなくて大丈夫なんですが、今回も降格圏を脱出できなかったのはアトレティコの試合の後、ジローナとアウェイで対戦したもう1つの弟分、レガネス。いえ、スコアレスドローで勝ち点1は稼いだんですけどね。兄貴分も援護射撃をしてあげていたんですが、勝ち点では並んだものの、アスレティックを抜いて、17位に上がるにはあと一歩が足りませんでしたっけ。

▽え、それで「El gol del cojo!/エル・ゴル・デル・コホ(びっこのゴール)」というタイトルで幾つものスポーツ紙の一面を飾ったアトレティコの勝利はどんなだったのかって?いやあ、実はこれ、お隣さんのお株を奪うような根性のremontada(レモンターダ/逆転劇)だったんですよ。先週はCLドルトムント戦があって疲れていた彼らは前半、負傷から先発復帰したジエゴ・コスタもピリッとせず。それどころか、36分には不慣れなカンテラーノ(アトレティコBの選手)CB、モンテーロのサイドからアスレティックに侵入を許し、サン・ホセのシュートがポストに弾かれてゴールライン上に落下、それをウィリアムスに蹴り込まれ、先制点を取られてしまうんですから、困ったもんじゃないですか。

▽もちろんシメオネ監督も手をこまねいて見てはおらず、後半頭からコスタをビトロに代えて反撃に出ると、10分には「porque veiamos un partido mas para hombres/ポルケ・ベイアモス・ウン・パルティードー・マス・パラ・オンブレス(もっと本物の男のための試合だと思ったから)」(シメオネ監督)という理由でモンテーロを下げてジェルソンを投入。5年前、ラージョにレンタル移籍しての修業時代にCBも務めたサウールを守備ラインに回すという荒業に出ます。すると17分にはトマスがエリア外から放った一撃が決まり、同点に追いつくことができたんですが、この直後、間髪置かずにコレアをカリニッチに代え、一気に畳みかけようとしたのが仇となるとは一体、誰に予想できたかと。

▽そう、ゲーム再開から1分でカリニッチからボールを奪ったアスレティックがカウンターを発動。ムニアインのスルーパスに抜け出した俊足ウィリアムを追ったゴディンが左足に肉離れを起こし、その上、GKオブラクと1対1のシュートも決められてしまったとなれば、泣きっ面に蜂とはまさにこのこと?その後すぐ、ケガをしたゴディンが交代するつもりでキャプテンマークもグリーズマンに渡したところ、ここでもう枠が残っていないという過酷な現実に直面したから、さあ大変!

▽それが当人はシメオネ監督に「Quedate de delantero/ケダテ・デ・デランテーロ(前線に留まれ)」と言われ、まったく走れない状態ながら、「Intente hacer el minimo esfuerzo para que no se agravar/インテンテー・アセール・エル・ミニモ・エスフエウソ・パラ・ケ・ノー・セ・アグラバル(ケガが悪化しないよう、最低限の動きだけするようにした)」って、だってえ、これってただのリーガの試合なんですよ。何かの決勝でもあるまいし、どこからそんな執念が湧いてくる?

▽そのゴディンの根性にようやくチームメートが報いてくれたのは35分、丁度、その日は一時帰国して金曜にはマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場も訪問していた昨季までのキャプテン、ガビがパルコ(貴賓席)で見守っていたおかげもあるんですかね。その背番号14の後継者、ロドリがトマスの蹴ったCKを長身を生かしてヘッドでネットに叩き込み、再びアトレティコは同点に持ち込みます。そしてロスタイム、ゴディンがウナイ・ニュネスにエリア正面でファールを受けると、またしてもトマスがFKのキッカーに。高く舞い上がったボールはゴール前右側にいたサウール、そしてグリーズマンを経由し、反対サイドにいたゴディンがヘッドで決勝点に変えているとなれば、もうドラマとしか言いようがないじゃないですか。

▽いやあ、最初はオフサイドだったジャッジも、古巣から100試合以上出場した選手に贈られるプレートをその日、キックオフ前にもらっていたラウール・ガルシアが前にいたため、VARでゴールが認められ、おかげでアトレティコは3-2と逆転勝ち。シメオネ監督も「ウチは93分に決勝を負けたり、引き分けられたりしたから、よくわかっている。サッカーにはプレースタイルや形式を越えて、感情的な面があるってことをね」といたく満足していたんですけどね。大変なのはこの先で、自分で「Puedo tener una rotura en los isquiotibiales de 20 dias o un mes/プエド・テネール・ウナ・ロトゥーラ・エン・ロス・イスキオティビレス・デ・ベインテ・ディアス・オ・ウン・メス(全治20日、もしくは1カ月のハムストリングの肉離れだろう)」と言っていたゴディンを始め、バルサ戦を控えたアトレティコには本職のCBが1人もいないという恐ろしい事態が発生。

▽そう、大体がして、ゴディンも負傷明けだったにも関わらず、サビッチ、ヒメネス、リュカが欠場しているため、ムリした面もあったかと思うんですが、いくらこの日は臨時にサウールとトマスがCBコンビを務めたとて、果たしてバルサの攻撃陣相手に通用するものかどうか。コケとレマルもまだ復帰していませんしね。今回、常に心配の種となる各国代表戦で出向する選手は11人から6人に減ったとはいえ、すでにケガをしているから、呼ばれていないだけって、ちょっと笑うに笑えないかと。

▽そして翌日曜はエスタディオ・バジェカスにラージョを応援に行った私でしたが、近辺のバル(スペインの喫茶店兼バー)のテラスは試合前にビールで喉を潤しながら、バルサ戦を見るサポーターで大賑わい。ええ、丁度終盤に差し掛かっており、しかも3-4でベティスが勝っていたせいですが、この兄貴分たちにとっての朗報もラージョには全然、関係ないんですよね。おまけにビジャレアルとの一戦も前半33分にチュクウェゼに奪われた先制点をハーフタイム入り直前にラウール・デ・トマスが挽回、更に後半20分にはアルバロ・ガルシアのゴールで1点リードしながら、守備が脆弱な彼らには耐えることができず。

▽ええ、前節にバルサに土壇場の逆転負けを喰らった時よりはマシですが、34分、途中出場のサンソネにエリア前から決められて、結局、2-2の引き分け、ホーム未勝利のままでは、最近の定位置となってしまった19位を脱出できなくても仕方なかったかと。ちなみにレガネス、ラージョのマドリッド勢降格圏組はどちらも今週、水曜に親善試合を実施。前者は午後7時からブタルケで現在、首位グラナダと同じ勝ち点で2位につける、リーガ2部の弟分アルコルコンを、後者はバジェカ杯でスイスのグラスホッパーを午後8時30分に迎えます。1部リーガの試合は来週末までないですし、チケットも格安のため、観光ついでに覗いてみるのもいいかと思いますが、とりわけ次節、2位グループの一角であるアラベスと戦うレガネスには早く勝ち癖をつけてもらいたいですよね。

▽え、バジェカスなんかで私が時間を潰しているなんて、もしや首位争いに関係ないとして、レアル・マドリーの扱いが軽くなっていないかって?いやあ、それでも急いで戻ったため、セルタ戦の後半は近所のバルで見ることができたんですが、どうやら前半の間、彼らも負傷禍に苦しんだよう。19分にはウーゴ・マージョのタックルで足首を痛めたカセミロがセバージョスに交代、レギロンもハーフ直前に筋肉系のケガでカンテラーノ(RMカスティージャの選手)のCB、ハビ・サンチェスと代わっていたんですが、23分にはモドリッチのパスを絶妙にトラップしたベンゼマが先制点を決めているんですから、まあいいじゃないですか。

▽加えて後半11分には再びベンゼマが活躍、エリア内からのシュートはGKセルヒオが触れてゴール枠に当たったものの、カブラルの胸に当たってオウンゴールで追加点が入ったため、もう大丈夫かと思ったんですが…16分にはブライズ・メンデデスのクロスをマージョに流し込まれ、1点差になってしまうとは!そこへ25分にはレギロンの代わりに左SBに移っていたナチョがヒザの靭帯を痛め、3人目まで負傷で交代となるなんて、容易ならざる事態ですが、いやあ、予定通りアセンシオを投入。ルーカス・バスケスを右ならまだしも左SBの位置に置くとはソラリ監督、かなりいい度胸をしていますね。

▽おかげで前半のファールのせいで、交代を今か今かと待っていたベイルが「Gareth jugo todo el segundo tiempo con el tobillo muy hinchado/ガレス・フゴ・トードーエル・セグンド・ティエンポー・コン・エル・トビージョ・ムイ・インチャードー(後半全部、ひどく足首を腫らしたままプレーしなければならなかった)」(ソラリ監督)という貧乏クジを引いたんですが、お隣さんと違い、この試合のヒーローになったのは他の選手。ええ、38分にオディオソラがフンカにエリア内で倒され、PKをゲットすると、前節バジャドリー戦に続き、セルヒオ・ラモスがパネンカ風(緩いボールを中央に蹴る)でこれを決め、ロスタイムにはカセミロと代わっていたセバージョスもエリア外からシュートを突き刺してgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)を挙げてくれたため、ブライズが最後に入れたゴールも焼け石に水となることに(最終結果2-4)。

▽おかげで勝ち点3が手に入ったマドリーは6位のままなんですが、バルサとの差が4に縮小。それでも1試合では引っくり返らないため、今回は首位争いメンバーがから外したんですが、いよいよこの週明けには暫定だったソラリ監督が正式なマドリー監督として、サッカー協会に登録されたそうですからね。ケイロル・ナバスとのレギュラー争いを制し、リーガとCLを担当することになったGKクルトワなど、「0-0の時、敵のシュートがポストに当たるとか、ツキが回ってきている。La calidad no ha cambiado, el equipo tampoco/ラ・カリダッド・ノー・ア・カンビアドー、エル・エキポ・タンポコ(選手の質は変わってないし、チームも変わってないけどね)」と言っていましたが、就任以来、4連勝、しかも15得点2失点という成績を挙げたソラリ監督の強運は決して侮るべきではないかと。

▽ただこちらもアトレティコ同様、カセミロは全治3週間、ナチョは2カ月、レギロンは肉離れがあるかどうか検査待ち、ベイルは速攻でウェールズ代表に行ってしまったため、よくわからないものの、負傷者が増えているのは痛いところですが、マルセロ、カルバハルはもう復帰秒読み段階みたいですからね。次のリーガは13位のエイバル戦というのも今の状態なら、あまり心配しなくて済むのはラッキー要因ではありますが…ちょっとファンとして気になるのはロペテギ監督に重用されていたイスコとアセンシオの出場機会がこのところ、めっきり減ってしまったこと。

▽そのいい証明となったのは翌月曜、私がラス・ロサス(マドリッド近郊)のサッカー協会施設にスペイン代表の唯一の公開練習を見に行ってみると、ここ9月、10月のセッション同様、日曜にプレーした選手たち、バライドス(セルタのホーム)で火花を散らしていたイアゴ・アスパス、ブライズとラモス、バルサのブスケツ、セルジ・ロベルト、ようやくルイス・エンリケ監督を翻意することができたジョルディ・アルバ、その他12名ぐらいは20分くらいロンド(輪の中に選手が入ってボールを奪うゲーム)をした後、ちょっとランニングしただけでロッカールームに戻って行ったんですけどね。同じ敷地内で練習をしているU21代表からヘルプに来てもらったマジョラル(レバンテ)、オジャルサバル(レアル・ソシエダ)、ペドラサ(ビジャレアル)らと一緒に最後までpartidillo(パルティディージョ/ミニゲーム)をしていたメンバーに、その2人のマドリー選手がいたから。

▽何せ今週、ネーションズリーグのクロアチア戦では折しも相手のキャプテン、モドリッチがセルタ戦でかなりいい状態に戻っていたのもありますし、イスコとアセンシオには中心となって働いてもらわないといけませんからね。たとえ9月の対戦では6-0と大勝している相手とはいえ、勝ち点3を取らないと、現在グループ2位のイングランドに最終戦で追い越されるor並ばれて、直接対決のアウェイゴール差でファイナルフォー(準決勝)行きの切符をかすめ取られてしまう危険性があるとなれば、決して油断はできませんって。

▽そんなクロアチアvsスペイン戦は木曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)からキックオフ。試合後、チームはザグレブ(クロアチアの首都)から、日曜にボスニア・ヘルツェゴビナとの親善試合のあるラル・パルマス(カナリア諸島)へ直接飛んでしまうため、もう来年の3月までラス・ロサスで彼らを見ることができないのもちょっと寂しいですよね。
【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。
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いよいよ長い夏が始まる…/原ゆみこのマドリッド

「高いお給料もらっているんだから、最後までしっかり働くのは当然よね」そんな風に私が頷いていたのは月曜日、先週末にリーガは終わったものの、火曜にあるベイタル・エルサレムとの親善試合のため、グリーズマンも含めたアトレティコの選手たちがイスラエルに向けて出発したのを知った時のことでした。いやあ、レバンテ戦をケガで休んだGKオブラク、サビッチ、ヒメネス、カリニッチまで参加していたのはもしや、観光目的もあるのではとちょっと疑ってしまったりもしたんですけどね。加えてこれから2部昇格プレーオフの厳しい戦いを控えるカンテラーノ(アトレティコBの選手)が6人、しかもカメージョやモジェホなど、土曜も日曜も試合に出たのにまだ働かせるのかと気の毒になってしまったんですが、ティーンエイジャーの彼らなら、体力が有り余っているから大丈夫ってこと? まあ、そんなことはともかく、マドリッドの兄貴分たちにとって消化試合となってから、とりわけ長く感じられた今季の最終節がどうだったか、お伝えしていくことにすると。土曜の午後1時から、先陣を切ったのはアトレティコだったんですが、相手のレバンテは1節前に残留を達成してお祭りムードながら、やはりシュタット・デ・バレンシアは鬼門だったよう。ええ、前半6分にはCKからカバコに技ありのtaconazo/タコナソ(ヒールキック)でGKアダンが破られてしまったかと思えば、35分にもトマスが自陣エリア前でボールをロジェルに献上。2点目のゴールを決められてしまうって、本当に今季、一体何を学んできたんでしょう! そのせいもあってか、ハーフタイムでシメオネ監督はトマスを下げ、18才のカメージョを入れたんですが、まさか再開から3分で、うーん、彼もアトレティコにもう5年いるんですけどね。チェマに倒されたコレアがカッとなって蹴り返したところ、最初はイエローカードだったのが、VAR(ビデオ審判)によりレッドカードに変更。退場で来季のリーガ1節をバルサ戦で課された8試合、最後の分を済ますジエゴ・コスタと一緒に出場停止になっているんですから、まったくもって頭が痛い。もういっそ、今季限りで退団するグリーズマン、ゴディン、そしてその日は最後の試合の記念にキャプテンマークを託されたファンフランだけでなく、それ以外の選手たちも入れ換えた方がいいんじゃないかと、私が近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)のTVの前で毒づいていたところ…。 何と22分、このままだとマンチェスター・シティ行きの話も流れてしまうかもしれないと恐れたんですかね。エリア外から、勇気を出してロドリが撃ったシュートが決まったんですよ!おまけに33分には前節のセビージャ戦でもrebote(レボテ/リバウンド)で先制ゴールを挙げていたコケがこの日もマンサラナラに当ててしまったものの、ボールはゴール右前にいたカメージョのところへ。それを「cuerpo no tengo, pero gol tengo mucho/クエルポ・ノー・テンゴ、ペロ・ゴル・テンゴ・ムーチョ(体はまだできていないけど、ゴールは沢山持っている)」という彼が呆気なく決めてしまったから、ビックリしたの何のって。 だってえ、シーズン前半のエイバル戦後半ロスタイム、1-1で引き分けるゴールを挙げたボルハ・ガルセス同様、このカメージョもトップチーム初出場だったんですよ。しかも2つ年下の彼は今季、フベニルA(アトレティコBの下のユースチーム)に所属、そこで19ゴールと量産し、アトレティコBでも5得点で2部昇格プレーオフ入りを助けているって、もしや待望久しかったフェルナンド・トーレス(ヴィッセル神戸)の再来が近づいている? いえ、当人も「me gustaria ser una leyenda en el Atletico como todo nino/メ・グスタリア・セル・ウナ・レジェンダ・エン・エル・アトレティコ・コモ・トードー・ニーニョ/全ての子供たちと同じでボクもアトレティコのレジェンドになりたいんだ」と言っているとはいえ、先のことはまだ全然、わからないんですけどね。そのまま試合は2-2で終了、2年連続、お隣さんの上を行くリーガ2位でシーズンを閉じたアトレティコでしたが、ゴディンから第1キャプテンを引き継いだコケなども「Va a ser una temporada ilusionante, con mucha gente nueva, joven y menos joven/バ・ア・セル・ウナ・テンポラーダ・イルシナンテ、コン・ムーチャ・ヘンテ・ヌエバ、ホベン・イ・メノス・ホベン(来季は若い新人やそんなに若くない選手が沢山来て、希望に満ちたシーズンになるだろう)」と言っていましたしね。とりあえずはその言葉を信じておくことにしましょうか。 え、それでアトレティコの試合の終了ホイッスルが鳴る前にバルを出て、私がメトロで向かったコリセウム・アルフォンソ・ペレスでヘタフェはCL出場権を掴めたのかって?いやあ、前半13分にはホルヘ・モリーナからボールをもらったポルティージョがビジャレアルDF陣を上手くかわして先制ゴールを決めたんですが、スタンドの歓喜が続いたのも同時進行のホセ・ソリージャでバレンシアのソレルが35分に得点を挙げるまでのこと。彼らが4位を奪い返すにはバジャドリーに少なくとも引分けてもらわないといけなかったせいですが、それどころか、43分にはCKからイボラのヘッドが決まり、ヘタフェの方がビジャレアルに追いつかれてしまったから、さあ大変! おまけに後半9分にはロドリゴが追加点を挙げ、バレンシアがリードを2点に広げたため、ヘタフェの選手たちも気落ちしたかと思いますが、31分にはアンヘルのクロスをマキシモビッチが頭で決め、再び勝ち越しに成功。まあそれも42分にはイボラの強烈な至近距離からのヘッドをGKダビド・ソリアがparadon(パラドン/スーパーセーブ)したものの、こぼれたボールをジェラール・モレノが押し込み、また同点になってしまったんですが、その頃にはもう、試合後の1部残留お祝いイベントに頭が行っているバジャドリーに期待できないのは皆、わかっていましたからね。 39分にポルティージョに代わってピッチに入った柴崎岳選手も見せ場を作ることはできず、こちらも2-2の引き分けで終了。いえ、前節にEL出場権は確定していたため、バレンシアと勝ち点2差の5位となり、チームはEurogeta(エウロヘタ)のTシャツを着てスタンドのファンと一緒にお祝い。選手たちに胴上げされたボルダラス監督は「No tengo bajon, estoy super contento/ノー・テンゴ・バホン、エストイ・スーペル・コンテントー(自分は落ち込んではいない。最高に満足しているよ)」と笑っていましたけどね。 なかなか正直だったのはヘタフェのカンテラーノ、ウーゴ・ドゥーロで、ええ、前半せっかく初ゴールを挙げながら、VARでマタのオフサイドが発覚。スコアシートに名前を刻むことができなかった19才など、「ELはいいよ。誰もが出たがるだろう。Queriamos la Champions, pero hemos quedado quintos/ケリアモス・ラ・チェンピオンズ、ペロ・エモス・ケダードー・キントス(CLに行きたかったけど、5位になっちゃった)」と喉を詰まらせていましたが、まあまあ。CLとELはUEFAからの分配金に3000万ユーロ(約37億円)程差がつくのは惜しいところですが、何せ彼らがヨーロッパの大会に出るのは2010-11シーズン以来。 1部のチームを率いるのはヘタフェが初めてというボルダラス監督もその辺は経験がありませんし、ここは焦らず一歩一歩進んで行くのがいいかと。ちなみに気になる柴崎選手の先行きに関して、監督は「Le pedimos mucha salud y seguir trabajando en lo que nos gusta, que es entrenar/レ・ペディモス・ムーチャ・サルード・イ・セギール・トラバハンドー・エン・ロ・ケ・ノス・グスタ、ケ・エス・エントレナール(彼に頼むのは健康と我々が好きなことに努力し続けること、練習だね)」とコメント。どうにも私には真意がくみ取れませんでしたが、もし残留することになれば、試合数が確実に増える来季はもっと出番が増えると思うんですけどねえ。 そしてその時間帯ではセビージャがアスレティックに2-0で勝利して6位を確定、レアル・ソシエダに2-0で勝ったエスパニョールが7位となり、EL予選2回戦からの参戦権を獲得しましたが、まさかそれでRCDEスタジアムのピッチがファンで埋まり、あんな大変なことになるとは!うーん、実はこの道は以前、アトレティコなども経験したことがあるんですが、7月末から公式戦突入となり、しかもグループリーグまで6試合もあるという消耗コースなんですけどね。対戦相手もELだと無名チームが多いため、決勝トーナメント準々決勝ぐらいまで、客席も淋しかったりするものの、12年ぶりのヨーロッパの大会となると、やっぱり夢も膨らむんでしょうか。 一方、土曜の夜に最終戦を行った組ではレガネスがすでに降格しているウエスカに2-1で敗戦。昨季までキャプテンを務め、今季後半からウエスカに加入していたマントバーニが前半にオウンゴール、後半にはヘッドで2点とたった1人で全ての得点を叩き出すという妙な試合だったんですが、そのため残念ながら、ペジェグリーニ監督は目標の勝ち点48を溜めることはできず、順位も13位止まりに。とはいえ、1部昇格して以来、2年間、降格圏ギリギリの17位で終わっていた彼らとなれば、EL出場圏、降格圏のどちらからも勝ち点8差という位置は大いなる進歩と言っていいかと。 その脇ですでに降格していたラージョはせっかく、エンバルバのPKとメドランのgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)で2点をリードしながら、終盤にイアゴ・アスパスに2ゴールを決められて、セルタと2-2のドロー。有終の美を飾るどころか、ウエスカに抜かされて最下位になってしまいましたが、もうすでにパコ・ヘメス監督も最短コースで1部復帰しようと、来季のプランニングに入っていますしね。アラベスに2-1で負け、3番目の降格チームとなったジローナも元々、ラージョが大量得点を挙げて勝ってくれるとは思っていなかったはずなので、これでセルタが残留確定となっても別に恨まれる筋合はありませんって。 え、それで日曜のレアル・マドリーの最終戦はどうだったのかって?いやあ、1度は暑くなったものの、また寒さがぶり返し、サンティアゴ・ベルナベウの日影のスタンドで震えていた私でしたが、もうホントに今季は処置なしといったところ。だってえ、頑張っていたのは先日、ジダン監督から来季はクルトワが正GKなると通告を受け、これがマドリー最後の試合になるだろうと言われていたケイロル・ナバスぐらいで、ビニシウスやブラヒムを含め、アピールをしないといけない選手たちも全然、パッとしないんですよ。 挙句の果てに後半16分、グアルダードのラストパスをロレンが決めてベティスに先制されると、30分にもジュニオールの折り返しをヘセが押し込み、まんまと古巣に恩返しされているとなれば、この日もスタンドから大量のpito(ピト/ブーイング)が飛んでいたのもムリはない?いえ、ジダン監督の「No es algo fisico. El futbol es motivacion/ノー・エス・アルゴ・フィシコ。エル・フトボル・エス・モティバシオン(フィジカルの問題じゃない。サッカーはモチベーションなんだ)。マドリーの選手はゲームに何も懸かってないとプレーするのが難しい」という言い訳もわかるんですけどね。 ベティスだって、今季はコパ・デル・レイ決勝がホームのベニト・ビジャマリンで開催されると決まった途端、準決勝でバレンシアに負けてしまうし、ELも16強対決でレンヌに敗退、シーズン終盤の不調が響いて来季のEL出場権も取れず、この試合に0-2で勝った直後、セティエン監督が解任されてしまうぐらいの落ち込みようだったにも関わらず、1点も返せないとはこれ如何に。リードされているのに今季、チームで一番ゴールを挙げているベンゼマを代えたり、最後までベイルの出場がなかったりと、ソラリ監督を引き継いで11試合、5勝2分け4敗という不成績で終わったジダン監督の采配にも疑問はあったものの…。 いえ、もう全部忘れましょう。そんなマドリーの決意が早速、明らかになったのは月曜でいきなり、2023年までクロースが契約延長したことを発表。即日、サンティアゴ・ベルナベウのプレスルームで会見があり、来季もジダン監督のチームで大事な役割を担うだろうと、いえ、CL戦後のミックスゾーンでは彼が英語かドイツ語で喋っているところしか、皆知らなかったせいもあるんですけどね。流暢なスペイン語で全ての質問に答え、驚かせてくれましたが、その彼によると、今季の不振の原因は「Ningun jugador alcanzo su nivel top/ニングン・フガドール・アルカンソ・ス・ニベル・トップ(誰もトップレベルに届かなかった)」からだそう。 確かに「ボクらも人間だから、3年連続CLに優勝した後、これはまあ普通のこと。普通じゃないのはCL3連覇の方さ」(クロース)と言われてしまうと、そうかなとも思えてしまいますが、でもねえ。マドリーだって、CLにもコパにもリーガにも優勝できない年があってもいいんですが、バルサと史上最大の勝ち点差19で終わるというのはかなり恥ずかしいかと。そうは言っても今のところ、クリスチアーノ・ロナウドのユーベ移籍で純減した年間50ゴールを補うクラックの補強はアテがないようですし、果たして来季はどうなるのやら。マドリーのプレシーズン開始は7月6日ですが、それまでに大物選手のメガプレゼンが見られたらいいですよね。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2019.05.21 17:00 Tue
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去る者は追わず…/原ゆみこのマドリッド

「便利な時代で良かったよね」そんな風に私が感心していたのは金曜日、6月のスペイン代表招集リスト発表の際にもルイス・エンリケ監督が姿を現さず。いやあ、彼は3月のユーロ予選マルタ戦前夜に緊急帰国して以来、重い病を患った家族の看病に懸かり切っているため、27日から予定されているラス・ロサス(マドリッド近郊)のサッカー協会施設での練習や6月7日のフェロー諸島戦、10日のスウェーデン戦もロベルト・モレノ第2監督が引き続き指揮を執るそうなんですけどね。「当人ができなかったのは試合に足を運んで選手を見ることだけで、我々とビデオ会議などで密に連絡を取っていた。Va a ver a todos los entrenamientos en directo/バ・ア・ベル・ア・トードス・ロス・エントレナミエントス・エン・ディレクト(全ての練習をライブで見ることになるだろう)」(モレノ監督)となれば、招集された選手たちも決して手は抜けない? うーん、協会のスポーツディレクター、モリーナ氏も「監督交代はまったく考えていない」と言っていたんですけどね。幸いだったのは今回の代表戦がグループ6チーム中、上位2チームにユーロ出場権が与えられるユルユル予選の3、4節。しかも3月に2勝しているスペインは首位で余裕があるからでしょうが、これが万が一、6月5~9日にあるネイションズリーグのファイナルフォー(準決勝はポルトガルvsスイス、オランダvsイングランド)に進出していたら、果たしてどうなったことか。その後は次の予選が9月ということで、また考える時間ができるんでしょうが、あまり例を見ない事態なのは間違いないかと。 え、それより同日に発表された来月16日から始まるU21ユーロ・イタリア/サンマリノ大会の招集メンバーにすでにA代表に出世しながら、ヘルプで加わる予定になっていたアセンシオ(レアル・マドリー)とロドリ(アトレティコ)がいなかった方が意外じゃなかったかって?そうですね、デ・ラ・フエンテ監督の話によると、前回、2017年のU21ユーロ・ポーランド大会にも出場した彼らですが、前者は2018年W杯ロシア大会にも参加し、後者も応援メンバーとして同行していたため、ここ2年間、ほとんど休暇が取れず。そのせいもあってか、今は最高のプレーができるレベルにないということで招集を見送ったのだとか。 そんな2人でも今回、A代表の方のリストに入っているのは置いておいて、逆に元気が有り余っているのか、オジャルサバル(レアル・ソシエダ)、ファビアン(ナポリ)ら、梯子をするメンバーもいますけどね。まあ、私としてもスペイン勢にはCL決勝もEL決勝もなく、国際メジャートーナメントもないこの夏はアセンシオもロドリもバケーションを満喫。来季はマドリッドの兄貴分チームでそれぞれ、飛躍の年にしてくれればいいんですが、いやあ、何だかそれも最近は雲行きが怪しくなってきて…。 というのも先週末、ワンダ・メトロポリターノでのゴディンお別れ試合から、アトレティコは近年では稀に見る退団ラッシュが始まっていて、火曜の夜には前々から噂のあったグリーズマンが同じラ・フィンカ(マドリッド郊外の高級住宅地)に住むヒル・マリン筆頭株主の自宅を訪問。シメオネ監督も加わった席で退団の意志を表明し、"La Decision(ラ・デシシオン/決心、昨季終了後にアトレティコ残留を決める過程を描いたドキュメンタル番組)"パート2の制作をピケに依頼する間も惜しんで、その日のうちにクラブのオフィシャルメディアにビデオメッセージを掲載することに。 曰く「He tomado la decision de irme, de ver otras cosas y tener otros desafios/エ・トマードー・ラ・デシシオン・デ・イールメ、デ・ベル・オトラス・コーサス・イ・テネール・オトロス・デサフィオス(出て行って、違うことを見て、違う挑戦をすることを決心した)」となれば、翌水曜、私がマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場に駆けつけてしまったのもムリはない? いえ、もちろんセッション中には普段と変わったことはなかったんですが、丁度、その日はマドリッド市の祝日だったため、選手たちが出て来るのを待つファンで施設のゲートは大賑わい。それも出入り口が2カ所あるため、マスコミのカメラも含め、敷地の角を挟んで50メートル程の距離を何度も行ったり来たりする人が多かったんですけどね。結構、遅い時間に登場したグリーズマンは延々とサインやセルフィーに応じていたため、私も見逃すことはなかったんですが、SNSなどでは早速、「rata/ラタ(ドブネズミ)」なんて呼ばれていたものの、その場のファンたちからは一切、当人を批判する言葉はなく、「これまでありがとう」と言っているんですから、本当に皆優しい。 とはいえ、これが金曜の記者会見でシメオネ監督も仄めかしていたように、契約破棄金額が2億ユーロ(約246億円)から1億2000万ユーロ(約148億円)に下がる7月1日にバルサ移籍が決まり、来季アスグラナ(紺とエンジ)のユニを着て当人がワンダのピッチを踏む日にはスタジアム前の100試合以上出場の記念プレートもクルトワ(マドリー)同様になってしまうのは火を見るより明らか?おまけに彼の場合、ファルカオ(モナコ)やアグエロ(マンチェスター・シティ)移籍の際にはできなかった、2000万ユーロ(約25億円)強という破格の昇給をして去年の夏、引き留めたにも関わらず、こうもあっさり河岸を変えてしまえるとなれば、セレソ会長の「Mas que enojado estoy decepcionado/マス・ケ・エノハードー・エストイ・デセプシオナードー(怒りより失望している)」というコメントには私も頷いてしまうかと。 自分にも移籍の経験があるシメオネ監督などは、「Hay que entender que para los jugadores es un trabajo/アイ・ケ・エンテンデール・ケ・パラ・ロス・フガドーレス・エス・ウン・トラバッホ(選手にとって、これは仕事だということを理解しないといけない)」と言っていましたが、一説によると、バルサでは年棒が1700万ユーロ(約21億円)に下がるみたいですしね。となると、グリーズマンの移籍の理由も「リュカがバイエルンに行ったように、選手は歴史的により上のクラブに行って、自身の成長を探すもの」(シメオネ監督)ということになりますが、はあ。どんなに人材育成に励んでも所詮、名門チームのオーラの前には成す術ないって、やっぱり憂鬱としか思えないかと。 そんな現実もあるのか、グリーズマンの抜けた穴を埋めるFWの補強も「Es difícil apostar por un crack hecho, no lo vamos a buscar/エス・ディフィシル・アポスタール・ポル・ウン・クラック・エッチョー、ノー・ロ・バモス・ア・ブスカル(すでに出来上がったクラックに賭けるのは難しいし、ウチはそういうのは探さない)。レアル・ソシエダから来た時のグリーズマン、ビジャレアルから来た時のロドリ、ベンフィカから来た時のオブラクみたいなのを獲りたい」とシメオネ監督が言っていたため、せっかくグリーズマンとリュカで2億ユーロの売却益がありながら、即座に名前の出ていたディバラ(ユベントス)、カバーニ(PSG)、イカルディ(インテル)といった線は消失。今季のEL準々決勝フランクフルト戦でハットトリックを決めて注目されたベンフィカの19才、ジョアン・フェリックスなんてプロフィール的に該当しそうですけどね。それでも契約破棄金額が1億2000万ユーロ(約148億円)って、うーん最近の移籍金インフレってちょっと凄すぎない? だってえ、アトレティコはそのゴディンやグリーズマンに加え、やはり30才以上は1年契約というのがネックになってクラブのオファーを拒否したファンフランの代わりも探さないといけないんですよ。残留希望を訴えていたフィリペ・ルイスだって、コパ・アメリカのブラジル代表に招集されたため、条件のいいオファーが届かないとも限らないですし、若手だって、ロドリにマンチェスター・シティが満額の7000万ユーロ(約86億円)払うという話が出ているため、決して楽観はできず。もうこうなると、土曜午後1時(日本時間午後8時)からのレバンテ戦のことなんか、とても考えてなんていられないかと。 それでもアトレティコの今季リーガ最終戦を楽しみにしているファンのため、お伝えしておくと、この試合、すでに4年連続でサモラ(失点率が一番低いGKに与えられる賞)をゲットすることが確定しているオブラクは太もものケガで欠場。ヒメネスとカリニッチもまだリハビリ中でサウールとモラタは累積警告とあって、見どころはグリーズマンがゴールで5年間、プレーしたチームにささやながらも恩を返して終われるかどうか。まあ、2位が確定したアトレティコ同様、レバンテも前節に残留が決まり、パコ・ロペス監督はこれまで出番の少なかった選手を使うようですしね。親善試合でも面白いことはありますし、時間的にも日本のファンに見やすいため、チャンネルを合わせてみるのもいいかもしれません。 え、それよりその後、土曜午後4時15分(日本時間午後11時15分)からはまだ順位が動く可能性のあるカードがまとめてキックオフするんだろうって?その通りでCL出場権末席の4位を目指して、弟分のヘタフェがコリセウム・アルフォンソ・ペレスにビジャレアルを迎えるんですが、いやあ、彼らは前節にバルサに負け、同じ勝ち点ながら、直接対決の結果でバレンシアに先を越されてしまうことに。要は向こうがバジャドリーから勝ち点を取りこぼしてくれないと、勝っても5位止まりなんですから、一体どうしたらいいものやら。 おまけに前節残留確定組のバジャドリーはお祝いに忙しくて、今週は木曜まで練習していないし、もうここはエースのセルジ・グアルディオラが今季前半に在籍していたため、ヘタフェからもらえるCL出場ボーナス20万ユーロ(約2500万円)を励みに頑張ってくれることを祈るしかないかと。ちなみにビジャレアルも1部残留を決めたばかりのチームなんですが、金曜にはカソルラが4年ぶりに代表再招集という嬉しいニュースが。ええ、2010年のW杯優勝メンバーでもあった彼はアーセナル時代から負傷ループに陥り、計10回も足の手術を受けているんですが、34才になってまた呼んでもらえるとはまさに逆境克服のお手本。 いやあ、その脇で3月に30才で初招集されたヘタフェのマタはセルタのイアゴ・アスパスのケガ治ったこともあり、今回は落選しちゃったんですけどね。とにかく今はビジャレアル戦に勝って、あとは運を天に任せるばかり。ボルダラス監督も「Pase lo que pase tiene que ser una fiesta/パセ・ロ・ケ・パセ・ティエネ・ケ・セル・ウナ・フィエスタ(何が起ころうとお祭りにならないといけない)。素晴らしいシーズンを送った選手たちを祝ってあげないとね」と言っていましたし、低予算の彼らがEL出場権を確保しているだけでも十分、称賛に値しますよね。 そしてバレンシアとヘタフェが負けた場合、4位になるチャンスがある現在6位のセビージャは、その順位を奪って、7月末から始まるELの予選2回戦からの参加を避けたい7位のアスレティックと対戦し、バルセロナではセビージャが勝った場合、自らも勝てばそのアスレティックの7位を奪い獲れるチーム同士、エスパニョールとレアル・ソシエダがぶつかるんですが、緊張感が続くのはこの時間帯だけ。いえ、土曜最後の時間帯にはシーズン開始前の目標だった勝ち点48に届きたいペジェグリーニ監督率いるレガネスが降格済みのウエスカと対戦。足並みを揃えてやはり2部逆戻りとなったラージョがセルタと当たり、ここでもし7点差で勝ったりすると、ジローナがアラベスに勝てば降格を免れたりするんですが、そんな展開はかなり非現実的かと。 一方、やはり消化試合となったマドリーは日曜正午(日本時間午後7時)にサンティアゴ・ベルナベウでのベティス戦でファンと今季のお別れをするんですが、ここ7試合をふくらはぎのケガで欠場し、最終節での復帰を目指していたセルヒオ・ラモスはどうやら間に合わないよう。いえ、スペイン代表には招集されていますし、この火曜には当人もモラレハ(マドリッド近郊の高級住宅地)の教会で洗礼を受け、6月15日にセビージャのカテドラル(大聖堂)で予定されているタレントのピラル・ルビオさんとの挙式準備には余念がないようなんですけどね。 オドリオソラ同様、まだ全体練習には加われていないため、ピッチに立つのは難しいかと。その横で本当にマドリーファンと最後のお別れとなってしまうのはケイロル・ナバスで何せ、クラブの意向で来季の正GKがクルトワに決まってしまいましたからね。CL3連覇の立役者がこうもムゲに扱われるのを見るのは私も残念なんですが、すでにマスコミの注目は来季の第2GKがジダン監督の次男、リュカになるのか、今季はレガネスで修行していたルニンになるのかの方へ。ちなみに売却を望まれていながら、プレーすると値段が下がると心配され、ここ2試合ベンチに入らなかったベイルが招集されるかはどうかは微妙なようです。 そんなマドリーはすでにオフシーズン体制に入っていて、もう来週には昨年夏に契約、今季はサントスにレンタルで留まっていたロドリゴのプレゼンがあるなんて話もあり、ほぼ合意ができているらしいアザール(チェルシー)は29日のEL決勝アーセナル戦の後、21才のFWヨビッチ(フランクフルト)、左SBメンディ(リヨン)ともあとはクラブと金額を詰めるだけになっているのだとか。うーん、こんな調子でポンポン、補強が決まり、6月中もプレゼンで賑わうと私も暇を潰せて嬉しいんですが、金曜にはマルセロとビニシウスがコパ・アメリカのブラジル代表に呼ばれなかったという意外なニュースも。カセミロと3月に来季の入団が決まったミリトン(ポルト)は参加するんですけどね。19才のビニシウスはケガが治ったばかりなこともあり、仕方ないような気がしますが、今季はマドリーでも惨々だったマルセロはこの先、代表復帰に苦労するかもしれませんね。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2019.05.18 18:15 Sat
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決着がついていく…/原ゆみこのマドリッド

「やっぱり階段は1つ1つ上がらないといけないのかな」そんな風に私が悔しさを紛らわそうとしていたのは月曜日、ここしばらくリーガ4位の特等席を占有していたマドリッドの弟分、ヘタフェが5位に転落してしまった事実を反芻している時のことでした。いえ、先週末、まんまと彼らを追い越したバレンシアと勝ち点差はなく、直接対決成績で劣っているせいでの順位逆転なんですけどね。7位のアスレティックとは5差あるため、最終節に何が起ころうがELグループリーグ出場権は手中にしているんですが、来季は兄貴分たちと肩を並べて晴れのCLの舞台を闊歩するという夢が叶わないのは何だか、残念だったから。 え、といってもヘタフェが最後にヨーロッパの大会行きの切符を掴んだのは2009-10シーズン。ミチェル監督の下、6位となってEL出場権をゲットしたんですが、それは折しもアトレティコがフラムを倒してこの大会に初優勝した年で、リーガでは弟分のずっと下、9位で終わっていなかったかって?その通りで実際、シメオネ監督が2012年にEL優勝をリピートした後、毎年CLに出られるようになったのは2013-14シーズンからのことですからね。ヘタフェもELで16強対決までプレーした2010年にはリーガ16位と振るわず、降格の危機も味わっているため、やっぱりまずはハードルの低い大会で数シーズン修行、それからCL出場を目指す方が無難なのかも。 ちなみにどうしてそんな状況になったのか、日曜午後6時30分から10試合が同時開催となった37節の様子をお伝えしていくことにすると。マドリッドで開催される3試合のうち、私が足を運んだのはゴディンのお別れ試合となったワンダ・メトロポリターノでのアトレティコvsセビージャ戦だったんですが、キックオフ前にはリーガ2連覇を果たした女子チームがトロフィーを持って場内一周。いえ、彼女たちは前日、グラナダで行われたコパ・デ・レイナ(女王杯)決勝で1週間前、最終節で優勝を決める1-3の勝利を挙げた相手だったレアル・ソシエダに1-2と逆転負けしちゃたんですよね。 そう、せっかく前半15分にはエステルが完璧に流し込んだゴールで先制しながら、18分にはパラシオスのエリア外からのシュートをGKロラが逃してしまい同点に。後半15分にはナイカリに決勝点を奪われ、今季もdoblete(ドブレテ/2冠優勝)はならなかったんですが、いえいえ。「No somos felices por acabar segundos, pero estamos contentos/ノー・ソモス・フェリセス・ポル・アカバル・セグンドス、ペロ・エスタモス・コンテントス(2位で終わったのは嬉しくはないが、我々は満足している)」(シメオネ監督)という、今季は昨年夏にUEFAスーパーカップを獲得しただけ。コパ・デル・レイもCLも16強敗退で終わってしまった男子チームと比べたら、全然偉いってもんですよ。 おまけにこの試合のハーフタイムには今季、それぞれ所属のカテゴリーで優勝したカンテラ(ユース組織)、7、8チームの選手たちが続々とピッチに登場して、スタンドから拍手を贈られていましたが、すみませんねえ。去年は男子チームがネプトゥーノ広場に舞台を組んでEL制覇をお祝い。女子やカンテラの優勝メンバーもそれに便乗してイベントを楽しめたものの、2位ではとても望めませんからね。ここは来季、男子チームが発奮して、再びネプトゥーノに連れて行ってくれるのを期待するしかない? まあ、そんなことはともかく、試合の方は前半、意外なことにまだCL出場権を争っているセビージャより、アトレティコの方に覇気があったんですよ。ええ、20分には誰にも邪魔されず、ドリブルで敵エリアに近づいたコケがパスの送り先を見つけられなかったんでしょうかね。思い切ってシュートを撃ってみたところ、ボールがケアーに当たり、GKバチリクを破ってしまったから、ビックリしたの何のって。負傷禍でカリーソ、メルカード、エスクデーロとDF陣が不足しているセビージャは左SBゴナロンがハーフタイム前にケガでアマドゥと交代した上、ケアーもロッカールームで気分が悪くなって後半はピッチに出ず。 そのため、久々に見るワンタッチの華麗なパスが繋がり、途中出場したコレアのシュートがVAR(ビデオ審判)でオフサイドとされ、追加点にならなくてもあまり心配していなかったんですが、25分にはアレイシ・ビダルのクロスをサラビアに決められてしまうとは!その後もチャンスはあったものの、応援団席から、「Un gol en la memoria, un Faraón para la historia/ウン・ゴル・エンラ・メモリア、ウン・ファラオン・パラ・ラ・イストリア(記憶に残るゴール、ファラオはクラブ史に残る)」という横断幕を掲げてもらい、「Nos diste la vida y el campeonato. Ganamos LaLiga, qué cabezazo. Es historia viva. Godín es nuestro faraón/ノス・ディステ・ラ・ビダ・イ・エル・カンペオナートー。ガナアモス・ラ・リーガ、ケ・カベサソ。エス・イストリア・ビバ。ゴディン・エス・ヌエストロ・ファラオン(ボクらに命とリーガを与えてくれた。リーガ優勝を決めた凄いヘッド。生きている歴史だ。ゴディンはボクたちのファラオ)」というカンティコ(応援歌)を贈られていた、この日、ワンダでの最後の試合となったキャプテンのお別れゴールは生まれず。 そのまま1-1で引き分けることになりましたが、別にいいですよね。昨季のリーガ最終戦でのフェルナンド・トーレス(サガン鳥栖)、12月のガビ(アル・サッド)に続いて3人目となるため、もうアトレティコのスタッフも試合後はスムースに舞台を準備。9年間の在籍中に獲得した8つのトロフィーがピッチ中央に運ばれると、名場面ビデオの上映、記念プレート贈呈と進み…おやおや、ガビ、ゴディンの後を継ぐ第1キャプテンとしては「そこまで強い性格をしていない」という評価もあったせいですかね。ファンの見守る中、コケへbrazalete(ブラサレテ/キャプテンマーク)を引き渡しするなんて一幕も。 確かに記者会見で今季の総括を訊かれ、「Es una buena temporada/エス・ウナ・ブエナ・テンポラーダ(いいシーズンだったよ)。沢山負傷者が出たし、大事な選手も出て行ってしまった。スーパーカップでマドリーに勝ったし、2位になって…グレートなシーズンだ」なんて当人が答えているのを聞くと、私も少々、不安になってしまいますけどね。ゴディンの方は「Este es un homenaje para mi afición/エステ・エス・ウン・オメナヘ・パラ・ミ・アフィシオン(これはボクのファンへの感謝のイベントだ)。遠くから来た自分に1日目から家にいるように感じさせてくれた。このクラブの紋章を愛するように教えてくれた。今日、サッカー選手のゴディンは別れを告げるけど、常に1ファンであり続けるだろう」という感動的なスピーチで締めくくり、最後は恒例の場内一周と胴上げでセレモニーは終了。 そんなお別れイベントも含め、アトレティコの選手を何人も顧客に抱える近所の美容師のお兄さんの情報によると、前日、合宿先ホテルにサウールの髪を切りに行ったところ、「あと1枚で累積警告になって、最終節には出なくていいんだ」と言っていたそうですが、見事に有言実行。モラタと共にイエローカードをもらって週末のレバンテ戦に出場停止になるなど、あまりに今季はもう店仕舞いの雰囲気が強かったため、私もこの勝ち点1で2位確定の宿題を今週末まで持ち越さなくて済んだのは嬉しいんですが、え?別にその1ポイントは必要なかったんじゃないかって? いやあ、実際そうなんですよね。というのも同時刻、3位のお隣さんは女子チームがコパのトロフィーを持って場内一周した後のアノエタで3-1と負けていたから。そう、この日も先発のチャンスをもらった19才のブラヒムが「Yo quiero estar en el Madrid sí o sí/ジョ・キエロ・エスタル・エン・エル・マドリッド・シーオ・シー(ボクは何が何でもマドリーにいたいんだ)」という意地を見せ、前半6分にはルーベン・パルドとディエゴ・ジョレンテをかわして先制点をゲット。そこまでは順調だったようですが、どうやらEL予選2回戦からの出場権がもらえる7位になりたいというレアル・ソシエダの執念が勝ったよう。 26分にミケル・メリーノに同点にされると、いえ、34分にはバジェホが手でウィリアム・ホセのシュートを遮り、ハンドでレッドカードとペナルティ宣告というダブルパンチを受けた際にはGKクルトワがPKを弾き、難を逃れたんですけどね。1人少ない状態の後半12分にはマルセロの後ろでサルドゥアが悠々ヘッド、リードを奪うと22分にはオジャルサバルのシュートがゴールポストに嫌われた後、17才のバレネチェアに初ゴールを決められてしまうってもう一体、どうしてよいのやら。うーん、ジダン監督も試合後は「Mejor que acabe la temporada cuanto antes/メホール・ケ・アカベ・ラ・テンポラーダ・クアントー・アンテス(できるだけ早くシーズンが終わった方がいいようだ)」と言っていましたしね。 前節に続き、2試合連続で招集リストに入らなかったベイルの先行きも放出で決定のようですし、月曜にはとうとう、ケイロル・ナバスにも来季は戦力外の通告があったとの報道が。その横では先週末、プレミアリーグが終了したアザール(チェルシー)の入団が確実になったとか、もう完全にシーズンオフに入ってしまったようなマドリーなんですが、こんなんだと、サンティアゴ・ベルナベウでファンと今季のお別れをする日曜のベティス戦も憂鬱なだけかもしれない? おかげで来季もマドリーにレンタル継続を希望して、同日はブタルケでの最終戦にGKルニンを先発に立てたレガネスもトバッチリを喰らいそうですしね。ちなみに残留を確定していたこの弟分は前節、アトレティコとの試合でも2ゴールを挙げたボルハ・イグレシアスに2得点を許し、エスパニョールに2-0と敗戦。この日はアスレティックも3-1でセルタに勝っていたため、順位は変わらなかったんですが、7位争いの行方は今週土曜午後4時15分、サンチェス・ピスファンでのセビージャvsアスレティック戦と、勝ち点3少ないものの、並べば直接対決の結果で優位なチーム同士がぶつかるエスパニョールvsレアル・ソシエダ戦の結果に委ねられることに。 そして2部降格決定済みのラージョはエスタディオ・バジェカスでキックオフ早々、PKでリードを奪われた後、一旦はメドランのゴールで追いついたものの、最後は後半34分、セルジ・グアルディオラが決勝ゴールを挙げたバジャドリーが1-2で勝利。エイバルに1-0で勝ったビジャレアル、ジローナに1-2で勝ったレバンテと共に残留を確定させたんですが…いやあ、この結果が最終節、ヘタフェの4位奪還という野望にとって、良かったのやら、悪かったのやら。 え、元を正せばカンプ・ノウで先週はCL準決勝2ndレグでリバプールに悪夢の4-0負け。3-0のリードを大逆転され、決勝進出を逃したショックの抜け切れていないバルサに負けた彼らが悪いんだろうって?そうなんですけどねえ、こんな時、思い出すのは以前、ヘタフェを率いていたシュスター監督が何かと、「Somos el Getafe/ソモス・エル・ヘタフェ(ウチはヘタフェだから)」とビッグクラブとの差を強調していたこと。実際、彼らはここ数年、サンティアゴ・ベルナベウやワンダに来た時などもちょっと大舞台が苦手というか、この日も前半、ホルヘ・モリーナのゴールがVARでオフサイドとされてスコアに上がらず。 そうこうするうち、39分にはメッシの蹴ったFKをピケがヘッド、GKダビド・ソリアが弾いた後の混戦からアルトゥーロ・ビダルに先制点を決められてしまいましたしね。柴崎岳選手からポルティージョ、そしてサム・サイス、ウーゴ・ドゥーロとアタッカーをリフレッシュしていった後半もゴールを挙げられないまま、挙句の果てに45分、セルジ・ロベルトと連携したメッシがシュートに行くのを止めようとして、アランバリとジェネがオウンゴールにしているんですから、悲しいじゃないですか(最終スコア2-0)。 そこへ先週、アーセナルとのEL準決勝2ndレグでも連敗し、決勝進出の夢破れたバレンシアも素早く立ち直り、シーズン後半はどんどん尻すぼみになっていたアラベスに3-1と快勝したため、ヘタフェが追い抜かれてしまったんですが、いえ、ボルダラス監督は「Queda una jornada todavía/ケダ・ウナ・ホルナーダ・トダビア(まだ最後の節が残っている)。バジャドリーだって、バレンシア戦でいいイメージをファンに見せたいはず」と諦めていませんでしたけどね。 つまりこの土曜午後4時15分からの最終節、ヘタフェはビジャレアルをコリセウム・アルフォンソ・ペレスに迎え、バレンシアはホセ・ソリージャでのバジャドリー戦で4位を獲りにいくんですが、はい、前述のように相手はどちらも先週末、残留が決まってホッとしているチーム。常識的に考えると、ヘタフェとバレンシアが揃って勝つんじゃないかと思いますが、その場合、同勝ち点で上に立っているのは後者ですからね。そこでバジャドリーには頑張ってもらわないといけないんものの、ラージョ戦でチームが来季も1部で戦えるよう導いたセルジ・グアルディオラが実は12月までヘタフェにいたというのはまさに運命の皮肉。 そう、あまり経緯には詳しくないんですが、今季、2部のコルドバからレンタルでヘタフェ入団を果たした27才の彼はシーズン前半、ホルヘ・モリーナ、マタ、アンヘルら30代FWトリオに付け入る隙を見つけられず、出場もたった5試合に留まることに。そこでバジャドリーに河岸を変えたんですが、果たして半年間いた古巣には一体、何を感じている?うーん、最終節、ラージョがセルタに0-7以上で勝たない限り、アラベスに勝っても降格が決まるジローナの方がはるかに不幸なのは当然ですが、最後の奇跡を待つという意味ではヘタフェも近いものがあるかもしれないですね。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2019.05.14 17:15 Tue
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そして誰もいなくなった…/原ゆみこのマドリッド

「まさかここまで決勝と無関係になるとは!」そんな風に私が嘆いていたのは金曜日、6月1日のCL決勝のみならず、28日のEL決勝までプレミア勢対決という驚きにまだ浸っていた時のことでした。いやあ、かなり前にマドリッドの両雄はCL16強対決で敗退、今季はワンダ・メトロポリターノが決勝の舞台になるという以外、早々にヨーロッパとは縁がなくなっていたんですけどね。それでも過去5年はその間、4度優勝したレアル・マドリー、残りの1回がバルサと、スペイン勢のいないCL決勝は2013年のバイエルンvsドルトムント戦以来だった上、2009年から始まったELなど、9回あった決勝のうち、スペイン勢がいないのはたった3回だけとなれば、時代の変化を感じるのはきっと私だけではない? どちらにしろ、あと2節しかないリーガの試合が今季中、マドリッドのサッカーファンが楽しめる残り少ない機会なんですが、何だか間も悪いんですよ。ええ、優勝は2節前にバルサが決めているものの、ヨーロッパの大会出場権が懸かった順位や前節に2部降格となったラージョとウエスカに続く第3のチームが決定していないため、この37節は日曜午後6時30分(日本時間翌午前1時30分)に10カード全てのキックオフがunifiacion(ウニフィカシオン/統一)。つまり、マドリッド勢の5試合のうち、3試合が開かれるマドリッドでも見に行けるのは1つしかないということで、私も頭を悩ますところなんですが…。 え、そうは言っても一番気になるのがバルサvsヘタフェ戦というのは否定できないんじゃないかって?その通りで何せ、この弟分にはCL出場圏の末席、4位を死守という目標がありますからね。しかも相手は前節もセルタ戦で大々的ローテーションを敢行、2連覇済みのリーガにはもう力をさかない姿勢を全開にしていたため、マタとブルーノが累積警告でいなくても結構、分はいいのでは思ったところ、予定が狂ったのは彼らが火曜のCL準決勝2ndレグでリバプールに大逆転を許してしまったせい。 だってえ、昨季も準々決勝ローマ戦1stレグで4-1と勝ちながら、アウェイで3-0と負けて敗退してしまったバルサですよ。普通ならここはしっかり学んで、スコアレルドローでもいいから、手堅く決勝進出を目指さなきゃいけないのに、サラーとフィルミーノ、敵の主要得点源2人がケガで休場となったのに油断しましたかね。ええ、前半6分にはジョルディ・アルバのミスから、オリジに先制点を許したのはともかく、後半早々には負傷したヘンダーソンの代わりに入ったワイナルドゥムに立て続けに2点を決められ、総合スコアで追いつかれてしまったから、さあ大変! それでもまだ時間は残っていましたから、メッシが虎の子の1点をもぎ取って逃げ切るのかと思いきや、とんでもない。33分にはCKキッカーのシャキリが近づくのを見て一旦、コーナーを離れたアレクサンダー=アーノルドが不意に身を翻してボールを蹴り、空中戦に備えてマーク担当の敵選手たちが位置につくのをノンビリ待っていたバルサ勢の虚を突くと、オリジが撃ち込んで勝ち越しとなる4点目をゲットって、そりゃあ世間から、「フベニル(ユース)のゴール」って嘲笑もされますって。 いやあ、これは後日、クアトロ(スペインの民放)がバルセロナにある17~18才の選手がプレーするユースチームの手を借り、実験してみたところ、3度目でようやく成功とあって、CKを蹴ったアレクサンダー=アーノルドもシュートを決めたオリジも正確にボールコントロールできる能力があっての賜物だったとわかったんですけどね。おかげでアンフィールドで4-0と負け、2年連続、赤っ恥の大逆転敗退を喰らったバルサではバルデベルデ監督を始め、チームが大きな批判の嵐にさらされることに。 リバプールから戻った翌日にはラキティッチがセビージャ(スペイン南部の都市)でFeria de Abril/フェリア・デ・アブリル(春祭り)を楽しんでいるところを目撃されたり、木曜にはルイス・スアレスが今季ずっと悩まされていた右ヒザ半月板の内視鏡手術を受け、リーガ残り2試合どころか、25日にある5連覇の懸かったコパ・デル・レイ決勝もパス。ウルグアイ代表で6月のコパ・アメリカに参加する方を選んだというのもバルサファンにいい印象を与えなかったというのもあるんですが、ここで問題となるのは今季最後のホームゲームをベルベルデ監督が勝利で飾り、少しでもダメージを和らげようと、主力を投入するかもしれないってこと。 まあ、そうであっても今週は木曜にマドリッド市内のレストランで決起ランチ会を開き、100試合出場を達成したポルティージョやクラブ通算600得点目を挙げたアンヘルに記念品を贈っていたヘタフェの方が休養十分なのは事実なんですけどね。さすがにここまで来ると、ボルダラス監督にCLについて話すことを禁じられていた選手たちも、「Ya que estamos ahí, queremos la cuarta plaza/ジャ・ケ・エスタモス・アイー、ケレモス・ラ・クアルタ・プラサ(もうボクらはそこにいるからね。4位を手に入れたいよ)」(ポルティージョ)とあからさまに口にするようになっているとあれば、たとえバルサがベストメンバーを並べてこようと心配することはない? そして水曜にはトッテナムがアヤックスをルーカス・モウラが土壇場で挙げたハットトリックで逆転敗退に追い込み、リバプールと一緒にワンダを訪れることが決まる傍ら、今節はCL出場圏争いの渦中にある6位のセビージャと対戦、弟分の歴史的偉業達成に重要な役割を担っているアトレティコはどうしていたかというと。いやあ、こちらも明るい話題は先週、リーガ3連覇を果たした女子チームがこの土曜にはレアル・ソシエダとのコパ・デ・レイナ(女王杯)決勝に挑み、doblete(ドブレテ/2冠優勝)を狙うことぐらいで、爪のアカを煎じて飲ませたいぐらいの男子チームはもう目標があと勝ち点1を獲得して、お隣さんを見下ろせるリーガ2位になるぐらい。そのせいか、この火曜には今季最後のホームゲームを前にこの9年間、アトレティコの屋台骨を支えていたゴディンの退団お別れ会見があったんですが、まあこれもファンには納得のいく類の話じゃないですよね。 というのもずっとクラブと契約延長の交渉を続けてきたゴディンでしたが、「al final no hemos llegado a un acuerdo/アル・フィナル・ノー・エモス・ジェガードー・ア・ウン・アクエルドー(最終的に合意に至らなかった)」ということで、以前、アトレティコでCBコンビを組んだミランダがいるインテルへの移籍を決心。お別れイベントにはシメオネ監督を始め、チームの同僚も大勢駆けつけて、ステージ上で涙に言葉を詰まらすキャプテンにもらい泣きしていたものの、どうして決裂したのか、その理由は最後までわからなかったから。 いえ、後日、今季からカタールのアル・サッドでプレーしているガビなど、「30才以上の選手は1年ごとに契約を延長というクラブの規則は公正なものじゃない。Porque no todos somos iguales, sobre todo cuando alguien da el nivel de Diego/ポルケ・ノー・トードス・ソモス・イグアレス、ソブレ・トードー・クアンドー・アルギエン・ダ・エル・ニベル・デ・ディエゴ(何故なら、皆同じじゃないし、とりわけゴディンのようなレベルを示してくれる選手の場合はね)」と抗議していましたけどね。そういう方針の違いだけでなく、世間からは「超高額年棒の新契約を結んだグリーズマンやシメオネ監督が少しでも報酬を諦めれば、ゴディンに払うお金もあったに違いない」という意見も聞かれたため、クラブの予算も関係していたのかと。 とりわけ今季は人件費に圧迫され、トップチームの選手を20人しか持てない中、プレシーズンの練習不足による負傷者が多発。8月のUEFAスーパーカップ以外、タイトルと無縁になってしまったアトレティコですしね。ケガ人による人出不足は今節も例外でなく、ヒメネス、サビッチが欠場。先発CBの片割れはカンテラーノ(アトレティコBの選手)のモンテロで落ち着いたものの、先週のトマス、サウールに続き、マハダオンダ(マドリッド郊外)のセッションではシメオネ監督が未体験のロドリまで、CBの位置で試していたとか。うーん、もしかしてこれはスタンドが拍手で送れるよう、ゴディンを途中交代した際、DFがいなくならないようにという用心の意味もあるのかもしれませんけどね。 とりあえず、この日曜はチームで一番仲のいいゴディンの移籍を機に再び、バルサ行きの噂が出てきたグリーズマンを筆頭にチーム全員で必勝を心して、セビージャに挑んでもらいたいもの。その結果、弟分に援護射撃ができて尚且つ、2位を確定できればそれに越したことはありませんしね。ちなみにヘタフェのライバルとしては同じ勝ち点差3、こちらもEL出場権は確定した5位のバレンシアがいるんですが、彼らは木曜のEL準決勝2ndレグでもアーセナルに2-4と負け、メスタジャでremontada(レモンターダ/逆転突破)を果たすことができず(総合スコア3-7)。コパ決勝でバルサに勝ってもCL出場権はもらえないため、残り2試合、死に物狂いで勝ちに行くはずですが、その点、ヘタフェはあと勝ち点4でいいのはちょっと気が楽でしょうか。 え、それで木曜の夜はELもう1つの準決勝でチェルシーとフランクフルトが激突。おそらくジダン監督も来季の補強候補、アザールとヨビッチが延長戦後、最後のPK戦でもそれぞれしっかり沈め、最後はチェルシーの決勝進出が決まるまでしっかり観察していたはずのマドリーの今週末の試合はどうなっているのかって?いやあ、彼らはアノエタでのレアル・ソシエダ戦になるんですが、相手はアスレティック、エスパニョール、アラベス、レガネス、ベティスと共にコパのフィナリストがリーガでヨーロッパの大会出場権を得ているため、EL出場権が回ってくる7位を争うチーム。ただこの権利は予選2回戦からの参戦と、7月末からシーズン開幕をしないといけないという代償も伴うため、本気で狙っているチームは少ないはずですが、そういう意味で言えば、ソシエダは強く望んでいる方かも。 対するマドリーにはもう、ファンの怒りを招かないプレーをする程度の目的意識しかないため、勝敗より、むしろ前節、ケガから復帰したビニシウスがコパ・アメリカのブラジル代表に招集されるよう、アピールできるか、ベイルやイスコ、ジョレンテ、セバージョスといった放出が噂される選手たちが招集されるのかといったぐらいしか、世間も興味を抱いていないんですけどね。朗報はここ2試合、負傷で出られなかったベンゼマの復帰。ふくらはぎを痛めたセルヒオ・ラモスはもう1カ月も経つのにまだ回復せず、最終節のベティス戦、そして6月のユーロ2020予選のスペイン代表でプレーして今季を終わらせたいという意向のようです。 そして木曜にペレグリーノ監督が2021年まで指揮を執ることを発表したレガネスは、いえ、数字的に彼らも7位になれるんですが、7月末にはまだ選手が半分ぐらいしかいない可能性が高いですからね。無理はせず、今季ブタルケで最後となるエスパニョール戦でファンと共に前節、確定した3シーズン連続の1部残留を祝うのが得策かと。一方、降格が決まったラージョはエスタディオ・バジェカスにバジャドリーを迎えるんですが、何せ相手はセルタ、ビジャレアル、レバンテ、ジローナと共に2部行き最後のババを引くまいと必死。今季はもうチームに見切りをつけたabonado(アボナードー/年間指定席購入者)たちが応援に駆けつけるバジャドリーファンに席を譲っているなんて話も聞きますし、ここで勝ったらそれこそ悪役決定? まあ、そんなこともないでしょうけど、同じ2016年には揃って降格したヘタフェとラージョながら、片やCL出場目前、他方は1年で逆戻りと随分と差が開いてしまったもの。やはりその辺はクラブのプランニングやフロントの目利きの差になるんでしょうが、今季は2部の弟分、アルコルコンとラージョ・マハダオンダも昇格の目はなく、果たしてこの先、マドリッド5チーム体制が復活するシーズンはあるのかどうか。それより4チームが揃ってヨーロッパを闊歩する日の方が近そうな気もしますが、何はともあれ、一斉開催のこの日曜日、マドリッドを訪れているファンは3試合、観戦のオプションがあることを覚えておくといいかもしれませんね。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2019.05.11 13:00 Sat
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とうとう脱落者が出た…/原ゆみこのマドリッド

「試合を見られるならやりたいかも」そんな風に私が思案を巡らしていたのは月曜日、マルカ(スポーツ紙)のウェブ版にUEFAがワンダ・メトロポリターノのCL決勝オープニングセレモニーのパフォーマンスに参加するボランティアを募集しているという記事を見つけた時のことでした。いやあ、「200 voluntarios bailarines, deportistas y estudiantes de teatro y música/ドスシエントス・ボルンタリオス・バイラリネス、デポルティスタス・イ・エストゥデアンテス・デ・テアトロ・イ・ムシカ(ダンサー、スポーツ選手、演劇と音楽専攻の学生のボランティア200人」とあるため、全然自分は条件に当てはまらなかったりするんですけどね。 実際、記事の焦点もマドリッド州のプロダンサー協会や興行アーティスト労働組合が芸術家の尊厳と権利を侵犯する行為と抗議、要はタダ働きさせようというのはけしからんという、まあ、どこか東京五輪のために大量のボランティアスタッフを募集していた際と同じような文句が出ていたことにあるとはいえ、いやいや、絶対いますって。セレモニー後も居座って、火曜のリバプールvsバルサ戦(1stレグは3-0でバルサ勝利)、水曜のアヤックスvsトッテナム(同0-1でアヤックスが勝利)の準決勝2ndレグが終わるまで、ファイナリストがわからなくてもビッグマッチを覗き見したいと思って応募するファンは。 まあ、2010年のサンティアゴ・ベルナベウでのバイエルンとインテルのCL決勝同様、すでにマドリッド勢とは何の関係もない6月1日、シーズンのトリを飾る大一番のことは置いておいて、今は激動だった先週末のリーガのことをお話ししないと。いえ、金曜にはレガネスがサンチェス・ピスファンでセビージャに0-3で大勝と良き隣人ぶりを発揮してくれたため、これは幸先がいいとニンマリした私だったんですけどね。残念ながら、土曜の部は最低で、お昼にはラージョがシュタット・デ・バレンシアでまだ残留が決まっていないレバンテに4-1とコテンパンにのされてしまうことに。 そう、前半8分のカンパーニャに先制されると、43分にもベスガに追加点を奪われ、後半にはアルバロ・ガルシアのゴールで一矢を報いたものの、エンバルバが退場になる始末。最後はジェイソン、バルディに止めを刺されてしまったから、見るも無残とはまさにこのことだった?これではせっかく前節では兄貴分のレアル・マドリーにエスタディオ・バジェカスで1-0と勝ったのも焼け石に水、パコ・ヘメス監督も「Con los seis puntos que hay en juego no nos va a llegar/コン・ロス・セイス・プントス・ケ・アイ・エン・フエゴ・ノー・ノス・バ・ア・ジェガール(残りの勝ち点6を溜めても届かないかもしれない)」と覚悟を決めていたようでしたが…。 実際、その予想が現実化したのは翌日曜だったんですが、土曜は続いてエスパニョール戦に挑んだアトレティコも最低で、うーん、序盤にはモラタがGKディエゴ・ロペスとの1対1を弾かれたり、ロドリやレマルもシュートを撃っていたんですけどね。あと少しでハーフタイムという時に失点してしまったんですよ。ええ、グリーズマンがエリア内に通そうとしたパスが敵に渡り、そこから20才のカンテラーノ(下部組織の選手)、左SBのペドロサが急発進。追いすがるロドリも立ちふさがるサビッチもものともせず、「Mi velocidad es innata y la intento explotar/ミ・ベロシダッド・エス・インナタ・イ・ラ・インテントー・エクスプロタル(ボクのスピードは生来のもので活用しようとしている)」(ペドロサ)と80メートルを走り抜くと最後はゴール前にラストパス。これをゴディンがクリアしようとしたところ、運悪くゴールに入ってしまったから、さあ大変! おまけにこれだけならまだ許せたんですが、やはり前節にはバルサの優勝が決まって気が緩んでいたんですかね。ペロロサを止めようとして太ももにケガをしたサビッチがコレアに交代、サウールがCBに転用された後半にもアトレティコは8分にロドリが中盤でボールをメレンドにプレゼント。そこからボルハ・イグレシアスを決めて2点目を奪われると、残り2分にはファンフランがエリア内でプアドに体当たりをかまし、ペナルティを取られるという災難も。いえ、そのPKもボルハ・イグレシアスに沈められ、結局3-0で負けたものの、通算23失点のGKオブラクは2位のアスレティックのエレリンとは5ゴール差あるため、4年連続でのサモラ(リーガで一番失点率の低いGKに与えられる賞)獲得には余裕なんですけどね。 だからって、「Siempre jugamos para ganar/シエンプレ・フガモス・パラ・ガナール(常に勝つためにプレーする)」(コケ)はずのアトレティコが、「後半のボクらはボクら自身でなかった。他に説明する方法はないよ」と開き直られてもねえ。お隣さんの上で終わるという目標を達成するにもあと勝ち点1は必要ですし、何より次に当たるのは弟分ヘタフェとCL出場圏末席の4位を争っているセビージャとなれば、このまま頭がバケーション入りしてしまっては困るかと。ちなみにそのワンダでの今季最後のホームゲームは2010年から、8タイトル獲得したアトレティコ黄金期の屋台骨となり、今季終了後のインテル移籍が濃厚になっているゴディンのお別れ試合となりますが、きっと最後は当人もまっとうなゴールを挙げて、ファンに感謝を示したいと思っているはずですよ。 え、私が絶対にセビージャに勝ってもらいたいと思うのはゴディンのためだけでなく、翌日、前節はVAR(ビデオ審判)に冷遇され、レアル・ソシエダ戦に負けながら、コリセウム・アルフォンソ・ペレスのファンの前で見事に立ち直ったヘタフェを見たせいじゃないかって?そうですね、まぶしい正午の光が降り注ぐ中、相手のジローナが残留争いの渦中にあり、どこか動きが固かったせいもあったんですが、最初に満員のファンの応援に応えてくれたのは37才のベテラン、ホルヘ・モリーナ。 いやあ、それは前日、マルカのインタビューで22才の誕生日前に選ばないといけない国籍について、「Claro que sé el que voy a elegir y será el japonés. Aunque si quiere puede hacer ver como que no lo sabe/クラーロ・ケ・セ・エル・ケ・ボイ・ア・エレヒル・イ・セラ・エル・ジャポネス。アウンケ・シー・キエレ・プエデ・アセール・ベル・コモ・ケ・ノー・ロ・サベ(どちらを選ぶかはわかっていて、日本になるはずよ。望むなら、まだわからないように見せかけることはできるけどね)」と答えているのを読み、私も嬉しくなった大阪なおみ選手のマドリード・オープン1回戦中。チブルコアに勝つのをスマホでテレ・デポルテ(スペイン国営放送のスポーツチャンネル)をつけながら、チラ見していた最中のことだったんですが、前半11分にはエリア内から狙い澄ましたシュートを決めて、自身リーガ1部ではシーズン最多となる今季14本目のゴールを決めているんですから、これにはシャッポを脱がない訳にはいかない? とはいえ、ようやく追加点が入ったのは後半32分になってからなんですけどね。それまでも彼やマタ、そして交代で入ったアンヘルに絶好機がありましたし、神経質になっていたジローナが審判への悪態でボルハ・ガルシアがレッドカードを受けて1人少なくなるという有利な状況も発生。最後はブルーノのパスをアンヘルが撃ち込んで、スコアが2-0となったから、前節の退場でその日はラジオのボックス席から観戦していたボルダラス監督も安心できたかと。 ただこの勝利で、来季EL予選2回戦から出場の権利が回る予定の7位以上が確定したヘタフェですが、まだ正念場が残っていて、今週末はカンプ・ノウでのバルサ戦。ええ、リーガ優勝を決め、今週はリバプール戦2ndレグを控えているため、土曜のバライドスではレギュラー全員を温存。結果、セルタに勝ち点3を贈り、残留争いに絡んでいる他のチームから顰蹙を買ったバルベルデ監督のチームですが、「el Barca ya habra jugado contra el Liverpool y alineara su mejor once/エル・バルサ・ジャー・アブラ・フガードー・コントラ・エル・リバプール・イ・アリネアララ・ス・メホール・オンセ(バルサはリバプール戦が終わって、ベストメンバーを並べてくるだろう)」というボルダラス監督の懸念はもっともですからね。 まったく気は抜けないんですが、実はこの日のヘタフェはマタとブルーノがイエローカードを受け、累積警告になるという逆境も。いえ、考えようによっては、おかげでフルキエが負傷から復帰したため、ジローナ戦でベンチ外になってしまった柴崎岳選手が遠征に参加できるかもしれないという希望も出てきたんですけどね。まだ最終節のビジャレアル戦もあるため、4位を確定するまでに必要な勝ち点4を溜められる可能性は大いにあると思いますが、さて。実際、今季のセビージャを見てもわかるように7位となって、7月末からEL予選が始まると、チームがシーズン中に息切れしてしまう危険が高いため、是非ともそこは避けてもらいたいところではあるんですよね。 そしてアトレティコ女子がサン・セバスティアン(スペイン北部の都市)でレアル・ソシエダに1-3と勝利、2位のバルサに勝ち点差6をつけて、3年連続のリーガ優勝トロフィーを掲げている間にコリセウムからサンティアゴ・ベルナベウに直行した私でしたが、やはりいくら陽気が良くても先日のラージョ戦を見て失望したファンが多かったんでしょうか。スタンドは今季リーガ戦で最低となる4万6254人という観客数で隙間が沢山あったんですが、fondo sur/フォンド・スール(南側ゴール裏席)に「EL MADRIDISMO ESTÁ CONTIGO. FUERZA IKER, ETERNO CAPITÁN/エル・マドリディスモ・エスタ・コンティーゴ、フエルサ・イケル、エテルノ・カピタン(マドリーファンは君と共にある。頑張れ、イケル、永遠のキャプテン)」と先日、ポルトの練習中に心臓発作を起こし、入院していていたカシージャスを励ます横断幕が登場。 選手たちも「Iker, todos contigo/イケル、トードス・コンティーゴ(イケル、皆君と共に)」とプリントされたTシャツを着用し、モウリーニョ監督時代から一部のマドリーファンと折り合いが悪くなり、2015年に移籍したレジェンドの早期回復を願ってキックオフしたゲームの方はすぐさま盛り上がります。ええ、開始2分には今、チームで一番、ジダン監督にアピールしてやるという熱意を持っている19歳のブラヒムが34才のカソルラから敵陣でボールを奪いマリアーノにパス。そのシュートがネットに突き刺さり、それまでの8得点、全てがベンゼマによるものという独占状態を解消してくれたから、助かったの何のって。 とはいえ、今季はずっと続いているベテランたちのレベル低下によるミスはこの日も起こり、11分にはカセミロが自陣エリア近くでアルバロにボールを奪われてしまう失態を犯してしまいます。ジェラール・モレノのシュートが決まり、すぐに同点にされてしまったんですが、大丈夫。40分にはカルバハルのキラーパスを再びマリアーノがゴール前から押し込み、再びマドリーがリード。後半開始早々にはショートCKからマルセロが送り込んだボールが敵DFに当たって転がり、バジェホが3点目を挙げてくれたんですが、いやあそれが、2カ月のブランクを経て、ビニシウスもようやく出場を果たした終盤、あんなにボールが行ったり来たりすることになろうとは。 もちろんビジャレアアルにはあと勝ち点1で残留が確定するという目標があったからですが、おかげでロスタイム4分にはGKクルトワがジャウメ・コスタに強烈な一撃を喰らい、とにかく残り時間がなかったのが幸いしましたかね。何とか3-2で逃げ切り、面目を保つことができたのは良かったかと。シュートは負傷前と変わらず、決められなかったもの、これでビニシウスもコパ・アメリカのブラジル代表招集に向けて、一歩進めましたしね。 この日はリバビリ中のセルヒオ・ラモス、オドリオソラ、ベンゼマに加え、ベイル、モドリッチ、セバージョスがベンチ外となり、私などただのローテーションだろうとしか思わなかったんですが、スペインマスコミは話題作りもあってか、完全に放出要員扱いにしていたりするのはあまり感心しないものの、3月から続く彼らの消化試合もあと2つ。週末のレアル・ソシエダ戦は相手がまだ、7位に上がる可能性があるため、ちょっと苦労しそうですが、最終節のベティス戦はpito(ピト/ブーイング)なしでベルナベウのファンに見送ってもらえるといいのですが。 え、それよりドラマが待っていたのはその後じゃなかったのかって?その通りで次の試合ではバジャドリーがアスレティックに1-0で勝利、ジローナを18位に突き落としたのみならず、この時点でラージョの2部降格が決定したんですよ。おまけに日曜最後の試合では、木曜のEL準決勝2ndレグではメスタジャでアーセナルに2-0以上で勝たないと逆転できないバレンシアが予行演習。勝てばまだかすかながら、残留の可能性があった相手から、前半だけで5点も奪い、最後は2-6の大勝となったため、ラージョに続いてウエスカも来季は2部の住民に戻ることに。 まあ、ラージョはもう自業自得だったので、私も腹を括っていたんですが、おかげでバレンシアが5位に上がり、ヘタフェと勝ち点差3になってしまったのは非常に痛いところ。うーん、こうなると残り2節、今週は火曜まで練習しないアトレティコと水曜まで練習しないマドリーの2位争いはともかく、ヘタフェの4位死守を全力で応援するばかりですが、もう人ごとながら、セルタ、ビジャレアル、レバンテ、バジャドリー、ジローナが勝ち点差3の中で降格の残り1席を争う戦いも熾烈なことになりそうな。果たして日曜午後6時30分に全てのカードがunificacion(ウニフィカシオン/統一)された次節、ババを引くのはどのチームになるのでしょうか。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2019.05.07 12:30 Tue
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