ツキが味方してくれないと勝てない…/原ゆみこのマドリッド
2018.11.06 12:00 Tue
▽「もしかして祟られている?」そんな風に私が背筋に寒気を感じていたのは月曜日、CLグループリーグ4節のため、ワンダ・メトロポリターノに前日練習をしに来たドルトムントの記者会見を待っている時のことでした。いやあ、先週末のリーガ戦ではジエゴ・コスタ、コケ、ゴディンの3人がケガで欠場。太もも打撲で内出血のあったコケだけは日曜にマハダオンダ(マドリッド近郊)のグラウンドに姿を現し、別メニューですがボールも蹴っていましたし、その日、終わったばかりのセッションにはゴディンも急性胃腸炎が治って参加していたと知り、希望が湧いたのもほんの束の間で、実はレマルとサビッチまでがレガネス戦で負傷、火曜の試合に出られないって、相手は3節で4-0と、こてんぱんにされた今季公式戦無敗のブンデスリーガ首位チームですよ!
▽ええ、先日のコパ・デル・レイ32強対決サン・アントレウ戦1stレグからジェルソンに先発を任せたシメオネ監督の辛抱が実り、23分には彼が敵エリア前で粘ってファールを受けてFKをゲット。これをゴディンとコケの欠場で、その日はキャプテンマークを巻いていたグリーズマンが直接ネットに突き刺してくれるんですから、どんなにホッとしたことか。当人を始め、ピッチにいた選手全員がベンチに駆け寄って喜び合っていた光景からも、今季はゴール不足に泣いているチームの苦労がしのばれたんですが、ただねえ。アトレティコが1点入れれば、勝ったも同然だったのはすでに過去の話なんですよ。
▽実際、この日も36分、FKからタリンがヘッドしたボールはオブラクが弾いたものの、こぼれ球をカリージョに押し込まれ、レガネスに同点に追いつかれてしまったから、さあ大変!いえ、「Yo he intentado celebrar el gol para que me lo dieran a mi/ジョ・エ・インテンタードー・エル・ゴル・パラ・ケ・メ・ロ・ディエラン・ア・ミー(自分のゴールにしてもらいたくて祝ったんだ)。騙せたのはスコアボードだけだったけどね」と後でタリンが嘆いていたのはまあ、別にいいんですけどね。
▽とはいえ、サウールの言うこともあながち見当違いではないなと思えたのは、試合が終わるやいなや、サラケマダ駅に向かい、アトーチャ駅でセルカニアス(国鉄近郊路線)を乗り換えて、ヌエボ・ミニステリオス駅から徒歩でサンティアゴ・ベルナベウへ。何とかキックオフ15分前に着くことができた午後4時15分からのレアル・マドリーのバジャドリー戦では、それこそツキが大きく影響していたように見えたから。だってえ、ロペテギ監督が解任され、ソラリ新監督になったって、選手たちの顔ぶれは変わっていないんですよ。実際、私も恐れていた通り、ベイル、クロース、モドリッチ、カセミロら、コパ・デル・レイ32強対決では温存された、いわゆる今季、不調と言われているメンバーのプレーぶりはこの日も大差なし。
▽そこへセルヒオ監督率いるバジャドリーの「ウチの最大の特徴は全員がアニマルのように守ること。Somos como el Atletico del Cholo/ソモス・コモ・エル・アトエティコ・デル・チョロ(ボクらはシメオネ監督のアトレティコみたいなんだ)」(トニ・ビジャ)というのはちょっと買いかぶりもありますが、自慢の堅守にチャンスが阻まれたため、早くも前半途中にはスタンドからpito(ピト/ブーイング)が飛ぶように。それでも両チーム無得点のままで突入した後半、カセミロからイスコ、ベイルからルーカス・バスケスへの交代があった後、まさか28分にアセンシオに代わってビニシウスが登場したことで転機が訪れるとは!
▽ええ、先日のコパ、メリージャ戦で頭角を現した18才が「En hacer gol/エン・アセール・ゴル(ゴールを入れようと考えて」ピッチに立ってから10分、敵3人をかわしてエリア内に侵入し、「ボールを持った時から得点できるかも思って、conte uno, dos y tres y tire fuerte/コンテ・ウノ、ドス・イ・トレス・イ・ティレ・フエルテ(1、2、3と数えて強く蹴った)」ところ、これがCBオリバスの背中を直撃。GKマシップの手を弾いてネットに収まってしまうなんて、呆気に取られたのは絶対、私だけではなかったかと。
▽このタイミングの良さには新顔の活躍を期待していたファンも大喜び、スピーカーも「Gol de Vinicius!/ゴル・デ・ビニシウス」と絶叫するし、当人もスタンドに賑々しいお辞儀までして応えたものだから、レガネスのタリンのケースとは違い、主審も思わず、得点者をビニシウスと記録。本来なら、オリバスのオウンゴールになってもいいはずでしたが、これぞまさにバジャドリーのキャプテン、ミチェルも「Ellos tuvieron una accion de fortuna con un balon que iba fuera y entro/エジョス・トゥビエロン・ウナ・アクシオン・デ・フォルトゥーナ・コン・ウン・バロン・ケ・イバ・フエラ・イ・エントロ(彼らには枠外に行っていたはずのボールがゴールに入るというラッキーなプレーが1つあった)」と言っていた通り、サッカーの神様からの贈り物?
▽逆にバジャドリーはその前にアルカラスとビジャのシュートがゴール枠を直撃し、GKクウトワが破られずに済んでいましたしね。おかげでマドリーの選手たちも気が楽になったか、43分にはベンゼマがカレロにエリア内で倒されてPKをゲット。スタンドからはビニシウスコールが聞こえてきたものの、セルヒオ・ラモスが担当したため、一時はブーイングが起きたんですが、そこは海千山千の強者キャプテンです。「気がつかなかったよ。でも責任は長い間、このクラブにいる選手が引き受けないとね」と、得意のパネンカ風PK(緩いキックをゴール中央に蹴る)で2点目を沈めたとなれば、いやホント、ジダン監督同様、RMカスティージャ(マドリーのBチーム)から昇格したソラリ監督にはロペテギ監督にはなかったツキがあるのかも。
▽え、これで2-0として勝利したマドリーはようやくリーガ5試合に渡る白星なしという不名誉な記録を終わらせることができたとはいえ、「Me gustaria ganar 7-0 con tres goles de media chilena/メ・グスタリア・ガナール・シエテ・セロ・コン・トレス・ゴーレス・デ・メディア・チレナ(オーバーヘッドシュート気味の3ゴールとか入って、7-0で勝ちたいね)」という、ソラリ監督の夢が叶う日は来るのかって?うーん、次の試合は水曜午後9時からのCLビクトリア・プルゼニ戦ですから、ありえないとは言い切れないんですけどね。
▽この日、カルバハルとマルセロの代理を務めた両SB、オディオソラとレギロンもパッとしない不動のレギュラー陣と比べれば、称賛に値する働きをしていましたし、風向きが変わって、これまでゴール枠に嫌われていたシュートがゴールになってくれるなら、もっと楽に勝てるようになるとは思いますが、さて。いくらビニシウスがいい選手だとしてもまだ1年目ですし、何より、ベルナベウでも交代時にブーイングを浴びていたベイルが元気になってくれないことにはまだ先行き不安かと。そんなマドリーは火曜にプラハに向けて発つんですが、マリアーノ、バラン、バジェホを含め、負傷者は誰も復帰できないようです。
▽そしてベルナベウを後にして、土曜午後8時45分の最終試合が行われるエスタディオ・バジェカスに私は向かったんですが、こちらの移動は簡単でした。ええ、メトロをトリブナル駅で1号線に乗り換えて、30分もあれば余裕で着くため、途中で軽食を取る時間もあったんですが、さすがバルサ戦。スタジアム周辺の道など凄まじい大混雑で、ラージョファンたちはスタンドを埋め尽くしてチームを応援していたんですが、まさか開始からたったの11分、ジョルディ・アルバのエリア内奥からの折り返しをルイス・スアレスに決められて、早々に失望させてくれるとはやってくれるじゃないですか。
▽でもこの日のラージョは一味、違ったんですよ。ええ、1点目を奪われた瞬間には2年前、2部降格する以前、パコ・ヘメス監督の下で何度もバルサにgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)を喰らっていた悪夢を思い出していた私ですが、リードして気を緩めた相手に彼らはしっかり反撃したんです。前半30分には絶好機にシュートを外してしまったポソがその5分後、リベンジとばかりにエリア前からgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)を決めて同点にすると、後半13分にはエンバルバのクロスをからラウール・デ・トマスがヘッド。このボールはゴールポストに弾かれてしまったものの、途中出場したばかりのアルバロが押し込み、とうとう逆転してしまったのですから、どんなにバジェカスのファンも意気が上がったことか。
▽おかげでいよいよ、バルササイドも今季の6節でレガネスに2-1と逆転負けした直近の黒歴史、「El fantasma de Butarque se aparece por todas partes en momentos/エル・ファンタスマ・デ・ブタルケ・セ・アパレセ・ポル・トーダス・パルテス・エン・モメントス(ブタルケの亡霊がそこここに漂ってきた)」(バルベルデ監督)という一種のパニック状態に陥っていたんですが、そこは先日のコパ32強対決レガネス戦1stレグでも前半2点をリードしながら、後半には守備のミスで追いつかれたばかりのラージョ。メッシはこの日も負傷欠場していたものの、ピケをFWの位置に上げ、総攻撃態勢に入ったバルサを抑えきれず、残り3分にはジョルディ・アルバのクロスをピケが落としたボールをデンベレに、45分にはセルジ・ロベルトのクロスをゴール左前に走り込んだルイス・スアレスに決められて、2-3の負けで勝ち点1すら手にできないとはやっぱり、彼らの本質はあまり変わっていなかった?
▽いやあ、これにはミチェル監督も試合後、「Hay que defender mejor los centros laterales/アイ・ケ・デフェンデール・メホール・ロス・セントロス・ラテラレス(サイドからのクロスはもっと上手く守らないといけない)」とカンカンでしたけどね。それでもファンたちは健闘した選手たちを称えていたものの、おかげで今週も弟分仲間のレガネスと仲良く降格圏のままとなれば、いい加減、心配にもなってきますって。そんなラージョは今週末、意外と近い16位にいるビジャレアルを日曜午後6時30分に迎え、レガネスの方は土曜にアウェイでジローナ戦。ここはもう1つの弟分、ヘタフェを見習わってほしいところかと。
▽そう、マドリッド勢で唯一、日曜に試合があったボルダラス監督のチームはウエスカ(スペイン西部)に赴いたんですが、最下位のガケっ淵に立っている相手に後半序盤、チェイタのヘッドで先制を許してしまうことに。その1点がなかなか返せず、これはいよいよ敗戦かと思われた45分、36歳のベテランCFがやってくれたんです。ええ、90分もプレーした後だというのに敵DF数人をすり抜けてゴールを決め、土壇場で1-1の引き分けをもぎ取ってくれたとなれば、その日はベンチ待機で終わってしまった柴崎岳選手やマタやグアルディオラ、もっと若いアタッカーたちだって、きっと次は絶対、自分が見せ場を作ってやると発奮したに違いませんって。
▽これでヨーロッパリーグ出場圏まで勝ち点1差の8位という、いい位置に留まったヘタフェは土曜の午後4時15分からコリセウム・アルフォンソ・ペレスに今季はリーガでまだ1勝、水曜にはCLグループリーグの生き残りを懸けたヤング・ボーイズ戦もあるバレンシアを迎えるんですが、残念ながら、同日のアトレティコvsアスレティック戦は次の時間帯、午後6時30分のキックオフなため、梯子観戦は私には臨むべくもなし。セルカニアスとメトロを乗り継ぐと、どうしても1時間以上、移動にかかってしまうからですが、意外とセントロ(市内中央部)外縁部を取り巻く高速道路経由だと近いため、タクシーなら何とかなるかも。ワンダ・メトロポリターノ周辺の渋滞もありますし、それでもかなり厳しいとは思いますけどね。やはり先週の土曜のように梯子できる時間割になるのはなかなか、珍しいことかもしれませんね。
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▽いえ、香川真司選手は来ていなかったものの、マルコ・ロイスや3週間前はケガで出場しなかったパコ・アルカセル、そしてジグナル・インドゥナ・パルクのサイドを鬼のように駆け上がっていたアクラフらが雨降りのピッチでアップをしているのを私が見た後、マハダオンダからワンダに駆けつけたシメオネ監督は「El equipo está muy bien/エル・エキポ・エスタ・ムイ・ビエン(チーム状態はとてもいい)。代わりに出る選手たちは何をやるかわかっているからね」とあまり、心配しているようではなかったんですけどね。たとえ、ここで負けたとしてもモナコ、クラブ・ブルージュはまだ勝ち点1しかなく、アトレティコがグループ3位敗退をした昨季の二の舞となる可能性はそれ程ないとはいえ、夜に発表された招集リストでは結局、5人共欠場が決定。これではまた、GKオブラクに辛い思いをさせてしまうかも。▽まあ、その辺は火曜午後9時(日本時間翌午前5時)からのキックオフを待たないと、何とも言えないんですが、私も滅多にない同日3試合梯子観戦となった先週末、マドリッド勢のリーガ戦がどうだったか、お伝えしていくことにすると。土曜日の始まりは午後1時、ブタルケでの兄弟分ミニダービーで、レガネスがアトレティコを迎えたんですけどね。前半はどちらも得点どころか、チャンスもほとんどなかった程で、このままだと3年連続スコアレスドローへの道が避けられないかのように思われたものの、後半になってようやく変化が訪れます。▽実際、この日も36分、FKからタリンがヘッドしたボールはオブラクが弾いたものの、こぼれ球をカリージョに押し込まれ、レガネスに同点に追いつかれてしまったから、さあ大変!いえ、「Yo he intentado celebrar el gol para que me lo dieran a mi/ジョ・エ・インテンタードー・エル・ゴル・パラ・ケ・メ・ロ・ディエラン・ア・ミー(自分のゴールにしてもらいたくて祝ったんだ)。騙せたのはスコアボードだけだったけどね」と後でタリンが嘆いていたのはまあ、別にいいんですけどね。
▽というのも、ここまで16試合でアトレティコが2得点以上挙げた試合は6試合しかなかったためで、案の定、残り時間が少なかったのもあって、そのまま1-1で終了したんですが、はあ。これにはサウールなど、「Tenemos que ser mas ambiciosos/テネモス・ケ・セル・マス・アンビイオーソス(ボクらはもっと野望を持たないといけない)」と試合直後のピッチインタビューで自己批判していましたが、ロッカールームでシメオネ監督に忠告でもされたんでしょうか。頭を冷やして現れたミックスゾーンでは「そうじゃないよ。ボクらはリードしても一歩下がらなかったし、相手のゴールはセットプレーだった。Hoy ha sido una cuestion de mala fortuna/オイ・ア・シードー・ウナ・クエスティオン・デ・マラ・フォルトゥーナ(今日は運が悪かったということさ)」と訂正していましたが、え?そういう結論なの?
▽とはいえ、サウールの言うこともあながち見当違いではないなと思えたのは、試合が終わるやいなや、サラケマダ駅に向かい、アトーチャ駅でセルカニアス(国鉄近郊路線)を乗り換えて、ヌエボ・ミニステリオス駅から徒歩でサンティアゴ・ベルナベウへ。何とかキックオフ15分前に着くことができた午後4時15分からのレアル・マドリーのバジャドリー戦では、それこそツキが大きく影響していたように見えたから。だってえ、ロペテギ監督が解任され、ソラリ新監督になったって、選手たちの顔ぶれは変わっていないんですよ。実際、私も恐れていた通り、ベイル、クロース、モドリッチ、カセミロら、コパ・デル・レイ32強対決では温存された、いわゆる今季、不調と言われているメンバーのプレーぶりはこの日も大差なし。
▽そこへセルヒオ監督率いるバジャドリーの「ウチの最大の特徴は全員がアニマルのように守ること。Somos como el Atletico del Cholo/ソモス・コモ・エル・アトエティコ・デル・チョロ(ボクらはシメオネ監督のアトレティコみたいなんだ)」(トニ・ビジャ)というのはちょっと買いかぶりもありますが、自慢の堅守にチャンスが阻まれたため、早くも前半途中にはスタンドからpito(ピト/ブーイング)が飛ぶように。それでも両チーム無得点のままで突入した後半、カセミロからイスコ、ベイルからルーカス・バスケスへの交代があった後、まさか28分にアセンシオに代わってビニシウスが登場したことで転機が訪れるとは!
▽ええ、先日のコパ、メリージャ戦で頭角を現した18才が「En hacer gol/エン・アセール・ゴル(ゴールを入れようと考えて」ピッチに立ってから10分、敵3人をかわしてエリア内に侵入し、「ボールを持った時から得点できるかも思って、conte uno, dos y tres y tire fuerte/コンテ・ウノ、ドス・イ・トレス・イ・ティレ・フエルテ(1、2、3と数えて強く蹴った)」ところ、これがCBオリバスの背中を直撃。GKマシップの手を弾いてネットに収まってしまうなんて、呆気に取られたのは絶対、私だけではなかったかと。
▽このタイミングの良さには新顔の活躍を期待していたファンも大喜び、スピーカーも「Gol de Vinicius!/ゴル・デ・ビニシウス」と絶叫するし、当人もスタンドに賑々しいお辞儀までして応えたものだから、レガネスのタリンのケースとは違い、主審も思わず、得点者をビニシウスと記録。本来なら、オリバスのオウンゴールになってもいいはずでしたが、これぞまさにバジャドリーのキャプテン、ミチェルも「Ellos tuvieron una accion de fortuna con un balon que iba fuera y entro/エジョス・トゥビエロン・ウナ・アクシオン・デ・フォルトゥーナ・コン・ウン・バロン・ケ・イバ・フエラ・イ・エントロ(彼らには枠外に行っていたはずのボールがゴールに入るというラッキーなプレーが1つあった)」と言っていた通り、サッカーの神様からの贈り物?
▽逆にバジャドリーはその前にアルカラスとビジャのシュートがゴール枠を直撃し、GKクウトワが破られずに済んでいましたしね。おかげでマドリーの選手たちも気が楽になったか、43分にはベンゼマがカレロにエリア内で倒されてPKをゲット。スタンドからはビニシウスコールが聞こえてきたものの、セルヒオ・ラモスが担当したため、一時はブーイングが起きたんですが、そこは海千山千の強者キャプテンです。「気がつかなかったよ。でも責任は長い間、このクラブにいる選手が引き受けないとね」と、得意のパネンカ風PK(緩いキックをゴール中央に蹴る)で2点目を沈めたとなれば、いやホント、ジダン監督同様、RMカスティージャ(マドリーのBチーム)から昇格したソラリ監督にはロペテギ監督にはなかったツキがあるのかも。
▽え、これで2-0として勝利したマドリーはようやくリーガ5試合に渡る白星なしという不名誉な記録を終わらせることができたとはいえ、「Me gustaria ganar 7-0 con tres goles de media chilena/メ・グスタリア・ガナール・シエテ・セロ・コン・トレス・ゴーレス・デ・メディア・チレナ(オーバーヘッドシュート気味の3ゴールとか入って、7-0で勝ちたいね)」という、ソラリ監督の夢が叶う日は来るのかって?うーん、次の試合は水曜午後9時からのCLビクトリア・プルゼニ戦ですから、ありえないとは言い切れないんですけどね。
▽この日、カルバハルとマルセロの代理を務めた両SB、オディオソラとレギロンもパッとしない不動のレギュラー陣と比べれば、称賛に値する働きをしていましたし、風向きが変わって、これまでゴール枠に嫌われていたシュートがゴールになってくれるなら、もっと楽に勝てるようになるとは思いますが、さて。いくらビニシウスがいい選手だとしてもまだ1年目ですし、何より、ベルナベウでも交代時にブーイングを浴びていたベイルが元気になってくれないことにはまだ先行き不安かと。そんなマドリーは火曜にプラハに向けて発つんですが、マリアーノ、バラン、バジェホを含め、負傷者は誰も復帰できないようです。
▽そしてベルナベウを後にして、土曜午後8時45分の最終試合が行われるエスタディオ・バジェカスに私は向かったんですが、こちらの移動は簡単でした。ええ、メトロをトリブナル駅で1号線に乗り換えて、30分もあれば余裕で着くため、途中で軽食を取る時間もあったんですが、さすがバルサ戦。スタジアム周辺の道など凄まじい大混雑で、ラージョファンたちはスタンドを埋め尽くしてチームを応援していたんですが、まさか開始からたったの11分、ジョルディ・アルバのエリア内奥からの折り返しをルイス・スアレスに決められて、早々に失望させてくれるとはやってくれるじゃないですか。
▽でもこの日のラージョは一味、違ったんですよ。ええ、1点目を奪われた瞬間には2年前、2部降格する以前、パコ・ヘメス監督の下で何度もバルサにgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)を喰らっていた悪夢を思い出していた私ですが、リードして気を緩めた相手に彼らはしっかり反撃したんです。前半30分には絶好機にシュートを外してしまったポソがその5分後、リベンジとばかりにエリア前からgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)を決めて同点にすると、後半13分にはエンバルバのクロスをからラウール・デ・トマスがヘッド。このボールはゴールポストに弾かれてしまったものの、途中出場したばかりのアルバロが押し込み、とうとう逆転してしまったのですから、どんなにバジェカスのファンも意気が上がったことか。
▽おかげでいよいよ、バルササイドも今季の6節でレガネスに2-1と逆転負けした直近の黒歴史、「El fantasma de Butarque se aparece por todas partes en momentos/エル・ファンタスマ・デ・ブタルケ・セ・アパレセ・ポル・トーダス・パルテス・エン・モメントス(ブタルケの亡霊がそこここに漂ってきた)」(バルベルデ監督)という一種のパニック状態に陥っていたんですが、そこは先日のコパ32強対決レガネス戦1stレグでも前半2点をリードしながら、後半には守備のミスで追いつかれたばかりのラージョ。メッシはこの日も負傷欠場していたものの、ピケをFWの位置に上げ、総攻撃態勢に入ったバルサを抑えきれず、残り3分にはジョルディ・アルバのクロスをピケが落としたボールをデンベレに、45分にはセルジ・ロベルトのクロスをゴール左前に走り込んだルイス・スアレスに決められて、2-3の負けで勝ち点1すら手にできないとはやっぱり、彼らの本質はあまり変わっていなかった?
▽いやあ、これにはミチェル監督も試合後、「Hay que defender mejor los centros laterales/アイ・ケ・デフェンデール・メホール・ロス・セントロス・ラテラレス(サイドからのクロスはもっと上手く守らないといけない)」とカンカンでしたけどね。それでもファンたちは健闘した選手たちを称えていたものの、おかげで今週も弟分仲間のレガネスと仲良く降格圏のままとなれば、いい加減、心配にもなってきますって。そんなラージョは今週末、意外と近い16位にいるビジャレアルを日曜午後6時30分に迎え、レガネスの方は土曜にアウェイでジローナ戦。ここはもう1つの弟分、ヘタフェを見習わってほしいところかと。
▽そう、マドリッド勢で唯一、日曜に試合があったボルダラス監督のチームはウエスカ(スペイン西部)に赴いたんですが、最下位のガケっ淵に立っている相手に後半序盤、チェイタのヘッドで先制を許してしまうことに。その1点がなかなか返せず、これはいよいよ敗戦かと思われた45分、36歳のベテランCFがやってくれたんです。ええ、90分もプレーした後だというのに敵DF数人をすり抜けてゴールを決め、土壇場で1-1の引き分けをもぎ取ってくれたとなれば、その日はベンチ待機で終わってしまった柴崎岳選手やマタやグアルディオラ、もっと若いアタッカーたちだって、きっと次は絶対、自分が見せ場を作ってやると発奮したに違いませんって。
▽これでヨーロッパリーグ出場圏まで勝ち点1差の8位という、いい位置に留まったヘタフェは土曜の午後4時15分からコリセウム・アルフォンソ・ペレスに今季はリーガでまだ1勝、水曜にはCLグループリーグの生き残りを懸けたヤング・ボーイズ戦もあるバレンシアを迎えるんですが、残念ながら、同日のアトレティコvsアスレティック戦は次の時間帯、午後6時30分のキックオフなため、梯子観戦は私には臨むべくもなし。セルカニアスとメトロを乗り継ぐと、どうしても1時間以上、移動にかかってしまうからですが、意外とセントロ(市内中央部)外縁部を取り巻く高速道路経由だと近いため、タクシーなら何とかなるかも。ワンダ・メトロポリターノ周辺の渋滞もありますし、それでもかなり厳しいとは思いますけどね。やはり先週の土曜のように梯子できる時間割になるのはなかなか、珍しいことかもしれませんね。
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