リーガは混戦状態が続いている…/原ゆみこのマドリッド
2018.10.20 08:00 Sat
▽「これじゃ次はどこが首位になるかわからないよね」そんな風に私が頭を抱えていたのは金曜日、長かったインターナショナルマッチウィークが終わり、いよいよリーガが再開するとあって、半ば忘れかけていた順位表を見直していた時のことでした。そう、思わぬバルサとレアル・マドリーの躓きもあり、この2週間を首位の特等席で過ごしたのはセビージャだったものの、彼らはこの9節、勝ち点差1で2位のバルサとカンプ・ノウで直接対決。とはいえ、話がそれだけで済まないのは3位のアトレティコもバルサと同じ勝ち点で、その下の4、5、6位にマドリー、エスパニョール、アラベスが勝ち点差1で続いているとなれば、勝敗の組み合わせによって、どこがトップになっても不思議はなかったから。
▽ただ、懸念は彼らには来週火曜にCL3節のビクトリア・プルゼニ戦が控えていることで、何せグループ最弱の相手とはいえ、前節はCSKAモスクワに1-0で思わぬ敗戦をしていますからね。うっかり油断すると、昨季カラバフ(アゼルバイジャン)と2分けして、ヨーロッパリーグへ回ってしまったお隣さんのようなケースもありうるため、少しでも再負傷の懸念がある選手は温存される可能性もなきにしろあらず。といっても、それを言えば、来週日曜にはクラシコ(伝統の一戦、バルサ戦のこと)が控えているんですから、とりわけ原因不明の筋肉疲労を度々起こし、いつプレーできなくなるかわからないベイルなど、そこまで取っておきたいというのが本音だったりして。
▽ちなみに昨季のサンティアゴ・ベルナベウで1-1の引き分けを勝ち取っている相手のレバンテは、マドリーからレンタルで移籍しているFWマジョラルが契約条項により出場できず。FIFAウィルスの感染者もいて、こちらはベイルと真逆にケガをした状態でモンテネグロ代表に参加、無理してフル出場したセルビア戦でネンザを悪化させたMFブクチェビッチも出られないようですが、パコ・ロペス監督率いるチームがここ2試合、アラベス、ヘタフェに連勝中というのは要注意ですよね。
▽とはいえ、その日はまだグリーズマンやリュカ(フランス)やゴディン(ウルグアイ)、アリアス(コロンビア)ら、最後に各国代表から戻った選手たちが参加していなかったものの、CLクラブ・ブルージュ戦でケガをしたヒメネス、そして先月のモンテネグロ代表戦から音沙汰のなかったサビッチが合流していたという朗報が。丁度、シュートの特訓日に当たったのか、フェンス越しではありますが、割と近くでコケやサウール、ロドリ、トマス、レマスらMFたちが敵のパスを奪ってから、ワンツーから、エリア内奥からの折り返しから、GKオブラクが守るゴールを破るという、ちょっと高尚な技術を磨いているのも見られましたしね。FW陣、DF陣と分かれた別動隊もクロスからのシュートを丹念にやっていましたが、ええ、いつもいつもグリーズマンばかりに頼ってはいられませんって。
▽そのアトレティコのゴールを担う主役は木曜からグラウンドでのセッションに参加、やはりクラブ・ブルージュ戦でのケガ以来、姿を消していたジエゴ・コスタも金曜には全体練習に戻ってきたんですが、実は先日など、この夏、クラブと契約延長したグリーズマンの年棒が2300万ユーロ(約30億円)に上がったため、自身の800万ユーロ(約10億円)とのあまりの違いにコスタが昇給を要求。でないと中国に行くとフロントに訴えたなんて話も出てきたんですが、でもねえ。確かに今季はUEFAスーパーカップで2得点を挙げ、アトレティコがお隣さんを下して優勝するのに大きく貢献した彼ですが、リーガでは昨年2月以来、ゴールを挙げておらず。
▽おまけに先月は奥さんの第2子出産、今月は負傷でW杯以来、スペイン代表ともご無沙汰していますし、火曜のドイツ戦でフランスの2点を挙げ、ますますバロンドール受賞後押しの声も高まってきたグリーズマンと比べると、やっぱり水を開けられてしまっても仕方ない?ただ、そんな報道はあっても練習を見る限り、2人の仲が悪い訳ではありませんし、何せ、コスタにはこれからガンガン活躍してもらわないといけませんからねえ。
▽ちなみにこの週末、土曜午後6時30分(日本時間翌午前1時30分)からのビジャレアル戦の遠征リストにコスタは入らなかったんですが、これはシメオネ監督も「Es saludable tenerlos a todos a disposición y poder elegir/エス・サルダブレ・テネールロス・ア・トードス・ア・ディスポシシオン・イ・ポデール・エレヒル(全員がプレー可能で選ぶことができるのは健全だ)」と言っていたため、おそらく来週水曜のCLドルトムント戦を見越してのことかと。うーん、ビジャレアルにもここ3シーズン、エスタディオ・デ・ラ・セラミカでは負けているとあって、難しい試合になりそうですが、それより気になるのはこの土曜、バレンシア地方に大雨の予想が出ていること。
▽一応、今のところ、ビジャレアルも同日、弟分のレガネスがバレンシアと対戦するメスタジャもピッチの状態は問題ないと言うものの、すでにグラウンドがそこここで水害に遭っているユースレベルの試合は全て中止が決まったとか。そうそう、ペレグリーニ監督の古巣帰還となるこの試合、レガネスは降格圏の18位で挑むんですが、順位表の下の方もよく見ると、14位のバレンシアとはたったの勝ち点差2。前節のラージョ戦で負傷したブスティンサはまだ戻って来られませんが、こちらも上手くいけば、数チーム追い越してのジャンプアップができるかもしれませんね。
▽そしてマドリッド勢残り2チームは日曜正午から、エスタディオ・バジェカスでミニダービーとなるんですが、いやあ、ヘタフェのボルダラス監督の念の入りようったら、もう。ええ、「Al final es un partido de mucha rivalidad/アル・フィナル・エス・ウン・パルティードー・デ・ムーチャ・リバリダッド(つまるところ、大いにライバル心のある試合)。どちらもマドリッドのチームだからね。あまりヒントも与えたくなかったし」という理由で今週は金曜以外、全て非公開練習なんて、私もビックリしたんですけどね。ただコリセウム・アルフォンソ・ペレスでなく、練習場でpuerta cerrada(プエルタ・セラーダ/非公開)の場合、敷地の周囲は荒野であるため、外から眺める手もなくはないんですが、それはラージョの練習場も同じ。この辺りの条件は互角です。
▽状況的にはヘタフェは15位と19位にいるラージョよりマシなんですが、悩みの種はここ4試合勝ち星がないこと。今回はレギュラーのポルティージョとジェネが出場停止というハンデもありますしね。とりあえず、柴崎岳選手を始め、マキシモビッチ(セルビア)、アマト(セネガル)ら、各国代表に行っていた選手たちは無事に帰って来ましたし、スタメン選びに困るこということはないようです。一方、ラージョも前節はレガネスとのミニダービーを1-0で落とし、江戸の敵を長崎で討つじゃありませんが、もう1つの弟分チームには絶対、後れを取りたくないといった心境かと。
▽え、マドリッドが1部5チーム体制に入った今季、毎週のように続くダービーにはコパ・デル・レイも無縁じゃなかったんだろうって?いやあ、本当にそうで、この金曜には32強対決の抽選があったんですが、再来週の火曜の1stレグではレガネスとラージョがブタルケで再戦。ヘタフェは2部のコルドバと翌水曜にアウェイで当たり、兄貴分たちはアトレティコが唯一の3部の生き残り、バルセロナのサン・アンドレウと5年ぶりに、マドリーはモロッコの飛び地にある2部Bのメリージャと顔を合わせることに。
▽まあ、全てがマドリッドで開催される2ndレグは12月第1週ですからね。それまでは私もTVで気楽に追うことにしますが、今季は予想外の波乱が見られたりする?そうこうするうち金曜試合のリーガ戦が終わり、セルタに0-1で勝ったアラベスが首位に上昇。もちろんこのままってことはないはずですが、もしかしたらこの土曜は1試合終わるごとに順位が変わる、激動の日になるかもしれませんね。
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▽え、ということはすでにこのparon(パロン/リーガの停止期間)中、コンテ監督だの、ラウドルップ監督だの、しきりと後任の名前が噂されていたマドリーのロペテギ監督にも一気に首位となって、ここ4試合無得点白星なしの汚名を返上するチャンスもあるってことじゃないかって?はい、その通りで、ロペテギ監督も「Me encuentro bien, sin ninguna duda/メ・エンクエントロ・ビエン、シン・ニングーナ・ドゥーダ(いい感じがしている。まったく迷いはないよ)。要求されるレベルは高いが、ウチが全ての大会で頂点に立つことができることはわかっている」と言っていたように、実は追い風も吹いているんですよ。▽それはイスコ、マルセロの完全復帰で何せ、急性盲腸炎の手術でお休みして以来、チームが勝てなくなった前者など、先日、イングランドに負けたスペイン代表でもその不在が嘆かれていた程ですからね。才能溢れるイスコが刺激剤となって、少しは点が入りやすくなってくれるといいかと。加えて代表戦入り直前のアラベス戦でケガをしたベンゼマもほぼ回復し、筋肉疲労で交代したベイルもウェールズ代表には行ったものの、試合に出ずに帰還。金曜には揃って全体練習に加わっていたため、ふくらはぎを痛めているカルハバル以外は皆、土曜の午後1時(日本時間午後8時)からのレバンテ戦に出られるかも。▽ちなみに昨季のサンティアゴ・ベルナベウで1-1の引き分けを勝ち取っている相手のレバンテは、マドリーからレンタルで移籍しているFWマジョラルが契約条項により出場できず。FIFAウィルスの感染者もいて、こちらはベイルと真逆にケガをした状態でモンテネグロ代表に参加、無理してフル出場したセルビア戦でネンザを悪化させたMFブクチェビッチも出られないようですが、パコ・ロペス監督率いるチームがここ2試合、アラベス、ヘタフェに連勝中というのは要注意ですよね。
▽そしてこちらも首位に躍り出る可能性のあるアトレティコはどうしているかというと。いやあ、マドリッドで試合のない今週は私も退屈だったので、水曜にはマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場まで見学に行ってみたんですが、最近は日が暮れるのが早くて、午後7時から始まったセッションが8時過ぎに終わる頃にはもう辺りは真っ暗。もちろんグラウンドは煌々とライトに照らされているんですが、開始15分で敷地から追い出され、残りは外から覗いていたため、バス通りに戻る間に明かりのまったくない箇所があるのには少々、閉口したかと。
▽とはいえ、その日はまだグリーズマンやリュカ(フランス)やゴディン(ウルグアイ)、アリアス(コロンビア)ら、最後に各国代表から戻った選手たちが参加していなかったものの、CLクラブ・ブルージュ戦でケガをしたヒメネス、そして先月のモンテネグロ代表戦から音沙汰のなかったサビッチが合流していたという朗報が。丁度、シュートの特訓日に当たったのか、フェンス越しではありますが、割と近くでコケやサウール、ロドリ、トマス、レマスらMFたちが敵のパスを奪ってから、ワンツーから、エリア内奥からの折り返しから、GKオブラクが守るゴールを破るという、ちょっと高尚な技術を磨いているのも見られましたしね。FW陣、DF陣と分かれた別動隊もクロスからのシュートを丹念にやっていましたが、ええ、いつもいつもグリーズマンばかりに頼ってはいられませんって。
▽そのアトレティコのゴールを担う主役は木曜からグラウンドでのセッションに参加、やはりクラブ・ブルージュ戦でのケガ以来、姿を消していたジエゴ・コスタも金曜には全体練習に戻ってきたんですが、実は先日など、この夏、クラブと契約延長したグリーズマンの年棒が2300万ユーロ(約30億円)に上がったため、自身の800万ユーロ(約10億円)とのあまりの違いにコスタが昇給を要求。でないと中国に行くとフロントに訴えたなんて話も出てきたんですが、でもねえ。確かに今季はUEFAスーパーカップで2得点を挙げ、アトレティコがお隣さんを下して優勝するのに大きく貢献した彼ですが、リーガでは昨年2月以来、ゴールを挙げておらず。
▽おまけに先月は奥さんの第2子出産、今月は負傷でW杯以来、スペイン代表ともご無沙汰していますし、火曜のドイツ戦でフランスの2点を挙げ、ますますバロンドール受賞後押しの声も高まってきたグリーズマンと比べると、やっぱり水を開けられてしまっても仕方ない?ただ、そんな報道はあっても練習を見る限り、2人の仲が悪い訳ではありませんし、何せ、コスタにはこれからガンガン活躍してもらわないといけませんからねえ。
▽ちなみにこの週末、土曜午後6時30分(日本時間翌午前1時30分)からのビジャレアル戦の遠征リストにコスタは入らなかったんですが、これはシメオネ監督も「Es saludable tenerlos a todos a disposición y poder elegir/エス・サルダブレ・テネールロス・ア・トードス・ア・ディスポシシオン・イ・ポデール・エレヒル(全員がプレー可能で選ぶことができるのは健全だ)」と言っていたため、おそらく来週水曜のCLドルトムント戦を見越してのことかと。うーん、ビジャレアルにもここ3シーズン、エスタディオ・デ・ラ・セラミカでは負けているとあって、難しい試合になりそうですが、それより気になるのはこの土曜、バレンシア地方に大雨の予想が出ていること。
▽一応、今のところ、ビジャレアルも同日、弟分のレガネスがバレンシアと対戦するメスタジャもピッチの状態は問題ないと言うものの、すでにグラウンドがそこここで水害に遭っているユースレベルの試合は全て中止が決まったとか。そうそう、ペレグリーニ監督の古巣帰還となるこの試合、レガネスは降格圏の18位で挑むんですが、順位表の下の方もよく見ると、14位のバレンシアとはたったの勝ち点差2。前節のラージョ戦で負傷したブスティンサはまだ戻って来られませんが、こちらも上手くいけば、数チーム追い越してのジャンプアップができるかもしれませんね。
▽そしてマドリッド勢残り2チームは日曜正午から、エスタディオ・バジェカスでミニダービーとなるんですが、いやあ、ヘタフェのボルダラス監督の念の入りようったら、もう。ええ、「Al final es un partido de mucha rivalidad/アル・フィナル・エス・ウン・パルティードー・デ・ムーチャ・リバリダッド(つまるところ、大いにライバル心のある試合)。どちらもマドリッドのチームだからね。あまりヒントも与えたくなかったし」という理由で今週は金曜以外、全て非公開練習なんて、私もビックリしたんですけどね。ただコリセウム・アルフォンソ・ペレスでなく、練習場でpuerta cerrada(プエルタ・セラーダ/非公開)の場合、敷地の周囲は荒野であるため、外から眺める手もなくはないんですが、それはラージョの練習場も同じ。この辺りの条件は互角です。
▽状況的にはヘタフェは15位と19位にいるラージョよりマシなんですが、悩みの種はここ4試合勝ち星がないこと。今回はレギュラーのポルティージョとジェネが出場停止というハンデもありますしね。とりあえず、柴崎岳選手を始め、マキシモビッチ(セルビア)、アマト(セネガル)ら、各国代表に行っていた選手たちは無事に帰って来ましたし、スタメン選びに困るこということはないようです。一方、ラージョも前節はレガネスとのミニダービーを1-0で落とし、江戸の敵を長崎で討つじゃありませんが、もう1つの弟分チームには絶対、後れを取りたくないといった心境かと。
▽え、マドリッドが1部5チーム体制に入った今季、毎週のように続くダービーにはコパ・デル・レイも無縁じゃなかったんだろうって?いやあ、本当にそうで、この金曜には32強対決の抽選があったんですが、再来週の火曜の1stレグではレガネスとラージョがブタルケで再戦。ヘタフェは2部のコルドバと翌水曜にアウェイで当たり、兄貴分たちはアトレティコが唯一の3部の生き残り、バルセロナのサン・アンドレウと5年ぶりに、マドリーはモロッコの飛び地にある2部Bのメリージャと顔を合わせることに。
▽まあ、全てがマドリッドで開催される2ndレグは12月第1週ですからね。それまでは私もTVで気楽に追うことにしますが、今季は予想外の波乱が見られたりする?そうこうするうち金曜試合のリーガ戦が終わり、セルタに0-1で勝ったアラベスが首位に上昇。もちろんこのままってことはないはずですが、もしかしたらこの土曜は1試合終わるごとに順位が変わる、激動の日になるかもしれませんね。
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