ゴールが見足りない…/原ゆみこのマドリッド
2018.10.09 17:15 Tue
▽「ようやく順当なとこまで上がったわね」そんな風に私が頷いていたのは月曜日、いえ、前日のワンダ・メトロポリターノからの帰り道にはいきなりアトレティコがリーガ首位になっていて、これではあまりに話が上手すぎると半信半疑だったんですけどね。家に着いてみれば、セルタに2-1で勝ったセビージャに追い越され、夜にはバレンシアと1-1で引き分けたバルサにも得失点差で及ばず、彼らは近年の定位置となっている3位で8節を終了。とはいえ、今季は開幕から4試合で勝ち点7も落としていたせいで、どうなることかとハラハラしていたのがウソのように、こんな短期間で挽回できたとなれば、ホッとしているアトレティコファンは自分だけじゃなかったはずかと。
▽うーん、ヘタフェには後半ロスタイムとして表示された3分では短すぎると抗議したポルティージョが一発レッドで退場させられる不運もありましたしね。更にこの試合でイエローカードをもらったジェネが累積警告で次戦出場停止となるため、インターナショナルマッチウィーク明けのミニダービー、ラージョ戦でレギュラーが2人欠けることになるのも踏んだり蹴ったりとはいえ…もしやここ3試合、ベンチに入れなかった柴崎岳選手にとっては、これがビッグチャンスになる?
▽うーん、ボルダラス監督も「Tenemos una plantilla con todos disponibles, son decisiones tecnicas./テネモス・ウナ・プランティージャ・コン・トードス・ディスポニブレス、ソン・デシシオネス・テクニカス(今は選手全員がプレー可能で、戦術的判断)」と柴崎選手不在の理由を話していたため、競争相手が23人から21人になれば、もちろん確率は上がりますけどね。ただ、今回の彼は日本代表に招集され、長旅を挟むことになりますし、その間、アレホ、グアルディオラ、ロベル・イバニェスといったMFのライバルたちは地元でみっちり練習。「ガクはもう長い間、チームにいて、当然ながら、もっと貢献してくれないと。あと一歩を踏み出さないとね」というボルダラス監督の要望を叶えるには代表戦で成果を出し、尚且つ、帰還後の短い時間でアピールするしかないんですが、果たしてどうなることやら。
▽いやあ、後半になっても点が取れないまま、先日のマドリーダービーのように脚に違和感を覚えたベイルが交代を頼み、35分にビニシウスが入ったなんてこともあったんですけどね。引き分けならまだしも、ロスタイム5分にアラベスがCKから、ソブリーノがヘッド。GKクルトワの弾いたボールが逆のゴール脇にいたマヌ・ガルシアの前に行き、それを頭で押し込まれてしまったから、さあ大変!それこそ反撃の時間もあったもんじゃなく、「20分とかに先制していたら、逆転されていたかもしれない。Es la victoria sonada/エス・ラ・ビクトリア・ソニャーダ(夢見たような勝利だ)」(アベラルド監督)という、1-0で勝ち点3をアラベスに贈ってしまったとなれば、もうこれはロペテギ監督の進退が問われるクライシス突入としか言いようがない?
▽え、それでもマドリーは日曜試合の結果のおかげもあり、首位と勝ち点差2の4位に留まっているのに比べたら、片や最下位、もう一方は18位という降格圏ダービーとなった弟分、レガネスとラージョの方が大変さは深刻だろうって?まあ、そうなんですが、近場ということで普段、ビジターチームのファンが座らされる正面スタンド左側角のスペースからはみ出る程の人数でブカネーロ(ラージョの過激なファンのグループ)がキックオフ前から声を張り上げ、何だかエスタディオ・バジェカス(ラージョのホーム)にいるような気分で始まったというのにどうやら、肝心の選手たちはエンジンがかかるのに時間がかかったよう。
▽ミチェル監督も「La intensidad de uno y otro en la primera parte ha sido distinta/ラ・ンテンシダッド・デ・ウノ・イ・オトロ・エン・ラ・プリメーラ・パルテ・ア・シードー・ディスティントー(前半の両者のプレーの激しさは違っていた)」と後で怒っていたんですが、まだレガネスのファンたちが喉を温めている間、前半14分にはマイケル・サントスが右奥から送ったラストパスをカリージョがシュート。これが先制点となったから、一気にスタンドが盛り上がることに。その後はキャプテンのCBブスティンサが28分にケガで交代したこともあって、とりわけ後半にはラージョも攻勢をかけていたんですが、メドランの退場が響いたか、最後までスコアは動かず。
▽おかげで先日のバルサ戦に続き、ホーム2連勝としたレガネスが最下位を脱出して18位に、ラージョは19位と1つ順位を落とすこことになったんですが、まだまだ先は長いですからねえ。paron(パロン/リーガの停止期間)後は20日(土)にアウェイでバレンシアに挑むレガネスも、21日(日)にヘタフェをホームに迎えるラージョもこの2週間、しっかり鍛えて、11月の代表戦週間は降格圏外で迎えられるといいのですが。
▽そして翌日曜はアトレレティコのベティス戦を見にワンダに向かった私でしたが、うーん、やはりランチタイム(スペインでは午後2時から4時)直後の試合だったせいでしょうかね。開始4分にはいきなり敵陣からのスルーパスがダイレクトにロレンに渡り、エリア内からフリーでシュートを撃たれるという不注意なミスを犯した彼らでしたが、幸いこのボールは枠を外れてくれることに。何せ相手がポゼッション命のセティエン監督のチームですからね。それからもボールは持たせてもらえず、かといってピンチに陥ることもなく、淡々と前半を終えましたが、どうやらそれはシメオネ監督の作戦通りの展開だったよう。
▽だってえ、後でロドリも「Hay partidos en los que interesa tener mas la posesion, otros menos.../アイ・パルティードス・エン・ロス・ケ・インテレサ・テネール・マス・ラ・ポセシオン、オトロス・メノス(ポゼッションを高くしたい試合とそうでもない試合がある)」と言っていたんですが、相変わらず、ボールはベティスの手にあったものの、後半になって敵陣でのプレスを強めたところ、いきなりチャンスが増えたんですよ。ええ、負傷中のジエゴ・コスタの代理で入ったカリニッチがゴールポストに当たるシュートを放ったり、GKパウ・ロペスにセーブされる惜しい一撃があった後、相手が疲れたところを見計らい、レマルをコレアに、カリニッチをトマスに代えてトップ下をやらせるという交代策が大当たり。とうとう29分にはコレアがジュニオールからボールを奪ってトマスと連携すると、ゴール右隅に狙い澄ましたシュートを送り込んでいるんですから、呆気に取られたの何のって。
▽そのまま堅守で1点リードを守ったアトレティコは、いえ、後でセティエン監督など、「No es facil que el Atletico termine perdiendo tiempo y pidiendo la hora/ノー・エス・ファシル・ケ・エル・アトレティコ・テルミネ・ペルディエンドー・ティエンポ・イ・ピディエンドー・ラ・オラ(アトレティコが時間稼ぎをして、審判にタイムアップを訴えるような状況で終わらせるのは簡単ではない)」と嫌味を言っていましたけどね。元々、彼らはgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)体質のチームではないですし、大入りだったスタンドのファンも喜びに湧いていたため、1-0の勝利で何の問題もなかったかと。
▽加えてセティエン監督は、「pero hay una superioridad manifiesta/ペロアイ・ウナ・スペリオリダッド・マニフィエスタ(それでも相手の方が明らかに優れていた)。中盤の3人はスペイン代表、FWは世界一の選手の1人、守備陣も経験豊富だ」と認めてもいたんですが、言われればそんな気もしなくもなし。一方、シメオネ監督は「Los recambios que tienen los equipos que pelean arriba son los que te hacen hacer la diferencia/ロス・レカンビオス・ケ・ティエネン・ロス・エキポス・ケ・ペレア・アリーバ・ソン・ロス・ケ・テ・アセン・アセール・ラ・ディフェレンシア(上位を争うチームで差をつけるのは交代選手)。スタメンの10人だけだと拮抗しているからね」とこの日、控えだったトマスとコレアが試合を決めてくれたことを褒めていましたが、何せ弟分たちと違って、今週のアトレティコは大量11人が各国代表に行ってしまいますからね。
▽先月、モンテネグロ代表の試合で打撲を受けてきたサビッチがまだ回復していないなど、その辺はちょっと不安なんですが、逆にこの時間を利用して、コスタや今回、日本で親善試合をするウルグアイ代表には行かないヒメネスのケガが、リーガ再開となる20日のビジャレアル戦までには治ってくれればいいかと。いやあ、負傷者に関してはもっと大変なことになっているお隣さんなど、ただの筋肉疲労とは言うものの、2試合連続途中交代したベイルがウェールズ代表に行ってしまいましたけどね。バルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場に残ってリハビリをするベンゼマ、イスコ、マルセロらはサンティアゴ・ベルナベウでのレバンテ戦に間に合うかもしれません。
▽そうそう、代表繋がりではベティス戦の後、ワンダのミックスゾーンを通った乾貴士選手も今回の日本代表に呼ばれていないんですが、この日の試合で出番がなかったことには「結果を出している選手が使われるのが当然」と納得していたよう。更に「試合に出るだけが全てではないし、練習でもアピールできるからね。チームに残れることをプラスと考えてやっていきたい」と意欲を表明していましたが、今季、移籍した新天地でも徐々にプレーする機会が増えていくといいですね。
▽そんな調子で週末が終わり、いよいよ月曜はラス・ロサス(マドリッド近郊)のサッカー協会施設にスペイン代表が集合。私も唯一、彼らの練習風景を見る機会と午後7時からのセッションを見に行ったんですが、いやあ、やられました。モンクロア(市内のバスターミナル駅)に定刻通りバスが来ず、15分遅れで着くと同時に日曜に試合に出た選手たちが引き揚げていくって、あまりのタイミングの悪さ。おかげでもちろん、コケ、サウール、ロドリのアトレティコ勢はおらず、アセンシオやセバージョスらマドリー勢はいたものの、セルヒオ・ラモスやナチョもすぐジムに行ってしまいましたしね。ピッチを半分使ったミニゲームも半分以上が同じ敷地で練習しているU21代表の選手、バジェホ(マドリー)、オジャルサバル、スベルディア(レアル・ソシエダ)、ウナイ・ニュネス、ウナイ・シモン(アスレティック)らを借りてきて実施というのはちょっと肩透かしを喰らった気がしないでもなし。
▽ちなみにこちら、火曜は非公開練習で水曜にはウェールズとの親善試合に備えてカーディフ入り。木曜深夜にはまたマドリッドに戻り、月曜のネイションズリーグ3節イングランド戦の前日、ベニト・ビジャマリン(ベティスのホーム)でのセッションまで、ずっと非公開ばかりというのはあまりに秘密めかしていて、何だかチームとの距離が遠ざかってしまったようですが、こればっかりはルイス・エンリケ監督の決めることですからね。その分、試合で楽しませてくれればいいんですが、さて。9月のネイションズリーグ2試合でイングランドに1-2、クロアチアには6-0で連勝して、期待外れに終わったW杯ロシア大会の印象を少し、改善できたスペインですが、国際メジャータイトル3連覇を果たした時のような黄金期はまた巡ってくるのでしょうか。
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▽もちろん、それにはリーガの2強がここ数試合、取りこぼしまくっているおかげもあるんですけどね。おまけに途中、CLトッテナム戦で一息つけたバルサと異なり、ここ4試合無得点で白星なし。ミッドウィークのCSKAモスクワ戦から2連敗となってしまったマドリーなど、早くも監督交代の噂まで出ていたりするんですが、まあその辺はおいおい話していくことにして、まずは5チームもあるマドリッド勢のゴールが計2本しか見られなかった先週末のリーガがどうだったか、お伝えしていくことにすると。▽土曜午後4時15分の試合でトップバッターを飾ったのは弟分のヘタフェだったんですが、3試合ぶりにホームのコリセウム・アルフォンソ・ペレスに帰ってきながら、勝利でファンを喜ばすことはできず。ええ、前半にはホルヘ・モリーナやマキシモビッチのチャンスがあったものの、シュートが決まらず、そうこうするうちに後半14分、バルディに直接FKを見事に叩き込まれてしまったんですよ。そのまま0-1で負けてしまっては、まさに昨季、ムニス監督の後を継いで、ヘタフェ戦で1部リーガ白星デビューを飾ったパコ・ロペス監督が「El Coliseum siempre va a ser un estadio especial para mi/エル・コリセウム・シエンプレ・バ・ア・セル・ウン・エスタディオ・エスペシアル・パラ・ミー(私にとって、コリセウムはいつも特別なスタジアムになるだろう)」と喜んでいたのも当然だった?▽うーん、ボルダラス監督も「Tenemos una plantilla con todos disponibles, son decisiones tecnicas./テネモス・ウナ・プランティージャ・コン・トードス・ディスポニブレス、ソン・デシシオネス・テクニカス(今は選手全員がプレー可能で、戦術的判断)」と柴崎選手不在の理由を話していたため、競争相手が23人から21人になれば、もちろん確率は上がりますけどね。ただ、今回の彼は日本代表に招集され、長旅を挟むことになりますし、その間、アレホ、グアルディオラ、ロベル・イバニェスといったMFのライバルたちは地元でみっちり練習。「ガクはもう長い間、チームにいて、当然ながら、もっと貢献してくれないと。あと一歩を踏み出さないとね」というボルダラス監督の要望を叶えるには代表戦で成果を出し、尚且つ、帰還後の短い時間でアピールするしかないんですが、果たしてどうなることやら。
▽そしてその日はメトロスールが工事中で止まっているため、地上の同じルートを走る代替バスに乗り、最寄りのフリアン・ベステイロ駅から徒歩でブタルケに向かった私でしたが、途中で一休みしたバル(スペインの喫茶店兼バー)のTVでは丁度、アラベスvsレアル・マドリー戦が0-0のまま、後半が始まるところ。ベンゼマと交代でマリアーノがピッチに入ったので、そのうち1点くらい入るだろうと思いながら、オンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)の中継を聞いていたんですが…まさか、ミニダービーのキックオフをスタンドで待っている間、実況アナウンサーの「Gol del Alaves/ゴル・デル・アラベス(アラベスのゴール)」というガックリした声と共に、記者席が「El Madrid ha palmado!/エル・マドリッド・ア・パルアードー(マドリーがコケた!)」とどよめく場に立ち会うことになろうとは!
▽いやあ、後半になっても点が取れないまま、先日のマドリーダービーのように脚に違和感を覚えたベイルが交代を頼み、35分にビニシウスが入ったなんてこともあったんですけどね。引き分けならまだしも、ロスタイム5分にアラベスがCKから、ソブリーノがヘッド。GKクルトワの弾いたボールが逆のゴール脇にいたマヌ・ガルシアの前に行き、それを頭で押し込まれてしまったから、さあ大変!それこそ反撃の時間もあったもんじゃなく、「20分とかに先制していたら、逆転されていたかもしれない。Es la victoria sonada/エス・ラ・ビクトリア・ソニャーダ(夢見たような勝利だ)」(アベラルド監督)という、1-0で勝ち点3をアラベスに贈ってしまったとなれば、もうこれはロペテギ監督の進退が問われるクライシス突入としか言いようがない?
▽え、それでもマドリーは日曜試合の結果のおかげもあり、首位と勝ち点差2の4位に留まっているのに比べたら、片や最下位、もう一方は18位という降格圏ダービーとなった弟分、レガネスとラージョの方が大変さは深刻だろうって?まあ、そうなんですが、近場ということで普段、ビジターチームのファンが座らされる正面スタンド左側角のスペースからはみ出る程の人数でブカネーロ(ラージョの過激なファンのグループ)がキックオフ前から声を張り上げ、何だかエスタディオ・バジェカス(ラージョのホーム)にいるような気分で始まったというのにどうやら、肝心の選手たちはエンジンがかかるのに時間がかかったよう。
▽ミチェル監督も「La intensidad de uno y otro en la primera parte ha sido distinta/ラ・ンテンシダッド・デ・ウノ・イ・オトロ・エン・ラ・プリメーラ・パルテ・ア・シードー・ディスティントー(前半の両者のプレーの激しさは違っていた)」と後で怒っていたんですが、まだレガネスのファンたちが喉を温めている間、前半14分にはマイケル・サントスが右奥から送ったラストパスをカリージョがシュート。これが先制点となったから、一気にスタンドが盛り上がることに。その後はキャプテンのCBブスティンサが28分にケガで交代したこともあって、とりわけ後半にはラージョも攻勢をかけていたんですが、メドランの退場が響いたか、最後までスコアは動かず。
▽おかげで先日のバルサ戦に続き、ホーム2連勝としたレガネスが最下位を脱出して18位に、ラージョは19位と1つ順位を落とすこことになったんですが、まだまだ先は長いですからねえ。paron(パロン/リーガの停止期間)後は20日(土)にアウェイでバレンシアに挑むレガネスも、21日(日)にヘタフェをホームに迎えるラージョもこの2週間、しっかり鍛えて、11月の代表戦週間は降格圏外で迎えられるといいのですが。
▽そして翌日曜はアトレレティコのベティス戦を見にワンダに向かった私でしたが、うーん、やはりランチタイム(スペインでは午後2時から4時)直後の試合だったせいでしょうかね。開始4分にはいきなり敵陣からのスルーパスがダイレクトにロレンに渡り、エリア内からフリーでシュートを撃たれるという不注意なミスを犯した彼らでしたが、幸いこのボールは枠を外れてくれることに。何せ相手がポゼッション命のセティエン監督のチームですからね。それからもボールは持たせてもらえず、かといってピンチに陥ることもなく、淡々と前半を終えましたが、どうやらそれはシメオネ監督の作戦通りの展開だったよう。
▽だってえ、後でロドリも「Hay partidos en los que interesa tener mas la posesion, otros menos.../アイ・パルティードス・エン・ロス・ケ・インテレサ・テネール・マス・ラ・ポセシオン、オトロス・メノス(ポゼッションを高くしたい試合とそうでもない試合がある)」と言っていたんですが、相変わらず、ボールはベティスの手にあったものの、後半になって敵陣でのプレスを強めたところ、いきなりチャンスが増えたんですよ。ええ、負傷中のジエゴ・コスタの代理で入ったカリニッチがゴールポストに当たるシュートを放ったり、GKパウ・ロペスにセーブされる惜しい一撃があった後、相手が疲れたところを見計らい、レマルをコレアに、カリニッチをトマスに代えてトップ下をやらせるという交代策が大当たり。とうとう29分にはコレアがジュニオールからボールを奪ってトマスと連携すると、ゴール右隅に狙い澄ましたシュートを送り込んでいるんですから、呆気に取られたの何のって。
▽そのまま堅守で1点リードを守ったアトレティコは、いえ、後でセティエン監督など、「No es facil que el Atletico termine perdiendo tiempo y pidiendo la hora/ノー・エス・ファシル・ケ・エル・アトレティコ・テルミネ・ペルディエンドー・ティエンポ・イ・ピディエンドー・ラ・オラ(アトレティコが時間稼ぎをして、審判にタイムアップを訴えるような状況で終わらせるのは簡単ではない)」と嫌味を言っていましたけどね。元々、彼らはgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)体質のチームではないですし、大入りだったスタンドのファンも喜びに湧いていたため、1-0の勝利で何の問題もなかったかと。
▽加えてセティエン監督は、「pero hay una superioridad manifiesta/ペロアイ・ウナ・スペリオリダッド・マニフィエスタ(それでも相手の方が明らかに優れていた)。中盤の3人はスペイン代表、FWは世界一の選手の1人、守備陣も経験豊富だ」と認めてもいたんですが、言われればそんな気もしなくもなし。一方、シメオネ監督は「Los recambios que tienen los equipos que pelean arriba son los que te hacen hacer la diferencia/ロス・レカンビオス・ケ・ティエネン・ロス・エキポス・ケ・ペレア・アリーバ・ソン・ロス・ケ・テ・アセン・アセール・ラ・ディフェレンシア(上位を争うチームで差をつけるのは交代選手)。スタメンの10人だけだと拮抗しているからね」とこの日、控えだったトマスとコレアが試合を決めてくれたことを褒めていましたが、何せ弟分たちと違って、今週のアトレティコは大量11人が各国代表に行ってしまいますからね。
▽先月、モンテネグロ代表の試合で打撲を受けてきたサビッチがまだ回復していないなど、その辺はちょっと不安なんですが、逆にこの時間を利用して、コスタや今回、日本で親善試合をするウルグアイ代表には行かないヒメネスのケガが、リーガ再開となる20日のビジャレアル戦までには治ってくれればいいかと。いやあ、負傷者に関してはもっと大変なことになっているお隣さんなど、ただの筋肉疲労とは言うものの、2試合連続途中交代したベイルがウェールズ代表に行ってしまいましたけどね。バルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場に残ってリハビリをするベンゼマ、イスコ、マルセロらはサンティアゴ・ベルナベウでのレバンテ戦に間に合うかもしれません。
▽そうそう、代表繋がりではベティス戦の後、ワンダのミックスゾーンを通った乾貴士選手も今回の日本代表に呼ばれていないんですが、この日の試合で出番がなかったことには「結果を出している選手が使われるのが当然」と納得していたよう。更に「試合に出るだけが全てではないし、練習でもアピールできるからね。チームに残れることをプラスと考えてやっていきたい」と意欲を表明していましたが、今季、移籍した新天地でも徐々にプレーする機会が増えていくといいですね。
▽そんな調子で週末が終わり、いよいよ月曜はラス・ロサス(マドリッド近郊)のサッカー協会施設にスペイン代表が集合。私も唯一、彼らの練習風景を見る機会と午後7時からのセッションを見に行ったんですが、いやあ、やられました。モンクロア(市内のバスターミナル駅)に定刻通りバスが来ず、15分遅れで着くと同時に日曜に試合に出た選手たちが引き揚げていくって、あまりのタイミングの悪さ。おかげでもちろん、コケ、サウール、ロドリのアトレティコ勢はおらず、アセンシオやセバージョスらマドリー勢はいたものの、セルヒオ・ラモスやナチョもすぐジムに行ってしまいましたしね。ピッチを半分使ったミニゲームも半分以上が同じ敷地で練習しているU21代表の選手、バジェホ(マドリー)、オジャルサバル、スベルディア(レアル・ソシエダ)、ウナイ・ニュネス、ウナイ・シモン(アスレティック)らを借りてきて実施というのはちょっと肩透かしを喰らった気がしないでもなし。
▽ちなみにこちら、火曜は非公開練習で水曜にはウェールズとの親善試合に備えてカーディフ入り。木曜深夜にはまたマドリッドに戻り、月曜のネイションズリーグ3節イングランド戦の前日、ベニト・ビジャマリン(ベティスのホーム)でのセッションまで、ずっと非公開ばかりというのはあまりに秘密めかしていて、何だかチームとの距離が遠ざかってしまったようですが、こればっかりはルイス・エンリケ監督の決めることですからね。その分、試合で楽しませてくれればいいんですが、さて。9月のネイションズリーグ2試合でイングランドに1-2、クロアチアには6-0で連勝して、期待外れに終わったW杯ロシア大会の印象を少し、改善できたスペインですが、国際メジャータイトル3連覇を果たした時のような黄金期はまた巡ってくるのでしょうか。
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