ロシアはゲンが良くないみたい…/原ゆみこのマドリッド
2018.10.06 13:00 Sat
▽「時代も変わったものね」そんな風に私が感慨を覚えていたのは木曜日、10月のインターナショナルマッチウィークを前に発表されたスペイン代表招集リストから、ケガでセルジ・ロベルトが落ちたため、とうとうバルサ勢がブスケツ1人になってしまったのを知った時のことでした。いやあ、確かにチャビ(アル・サッド)、イニエスタ(ヴィッセル神戸)、ピケら、黄金期を担ったメンバーが代表から引退。ジョルディ・アルバもルイス・エンリケ監督と訳ありで呼ばれていないとなると、ここまで少なくなってしまっても仕方ないんですけどね。代わって勢力を伸ばしたのがアトレティコで今回、コケの復帰でサウール、ロドリと中盤の3選手が招集って、これじゃ一世を風靡したスペイン代表のティキタカ(短いパスを繋ぐサッカースタイルのこと)はもうお目にかかれない?
▽え、それよりマドリッド勢のCL第2節がどうだったのかの方が気になるって?そうですね、火曜に一足早くプレーしたのはマドリーだったんですが、相手が強豪ではなく、CSKAモスクワだったのがいけなかったんですかね。ロペテギ監督も先日のマドリダービーで途中交代したものの、ケガはしていなかったベイルやプレー時間の多いセルヒオ・ラモスをお留守番で残し、「Me habia dicho el mister que queria darme descanso por jugar tres o cuatro partidos seguidos/メ・アビア・デッチョー・エル・ミステル・ケ・ケリア・ダールメ・デスカンソ・ポル・フガール・トレス・オ・クアトロ・パルティードス・セギードス(3、4試合出場が続いたから、休みを与えたいと監督に言われた)」とモドリッチもベンチスタートにした辺りから、さすが余裕があるなとは思っていたところ…。
▽その計算が狂ったのは開始2分、ええ、クロースのバックパスをブラシッチに奪われて、先制ゴールを奪われてしまったから、呆気に取られたの何のって!ただそれでも反撃の時間はたっぷりありましたし、その後はずっと攻めていたマドリーだったんですが、こういう日もあるんですね。ええ、CSKAのゴロチェンコ監督も「ハーフタイムにはチームを落ち着かせないといけなかった。1-0で勝っているのを信じられない選手もいたからね」と言っていたように、前半が終了しても彼らはたったの1点が返せず。
▽うーん、初戦のローマ戦には3-0と快勝した彼らですし、この先は同日、そのローマに5-0と大敗しているビクトリア・プルゼニ(チェコ)との2連戦ですから、今の段階でグループリーグ突破が危うくなるとか、そういった問題はまったくないんですけどね。気になるのはここ3試合、マドリーが無得点で終わっていることで、これは2007年以来のゴール日照りなのだとか。おかげで再浮上してきたのがクリスチアーノ・ロナウドの移籍に伴う得点力不足懸念で、ええ、GKを務めたケイロル・ナバスも「Cristiano dejo el liston muy alto, no se puede tapar el sol con un dedo/クリスティアーノ・デホ・エル・リストン・ムイ・アルトー、ノー・セ・プエデ・タパール・エル・ソル・コン・ウン・デド(クリスチアーノが残したハードルは高いよ。太陽を指で隠すことができないようにね)」と認めていましたけどね。
▽とはいえ、「Fue el quien quiso irse/フエ・エル・キエン・キソ・イールセ(出て行きたがったのは彼だから)」とナチョも現実を直視していたように、いない人は当てにできないんですし、ここはベンゼマやベイル、アセンシオが1人平均10得点以上、上増しして、ロナウドの1シーズン40~50ゴールを補っていくしかないんですが…もしやマリアーノ(オリンピック・リヨンから移籍)しかFWを補強しなかったペレス会長の読みは甘かった?このままいくと、同じような悩みを抱えたモウリーニョ監督(元マンチェスター・ユナイテッド)が冬にアデバヨールを緊急補強した2010-11シーズンみたいな展開になるかもしれませんが、まあそれは最悪の場合。この土曜午後6時30分(日本時間翌午前1時30分)からのアラベス戦ではイスコ、マルセロ、カルバハルはまだですが、ベイルとラモスが戻って来るため、きっとゴールは見られますって。
▽そして翌水曜はワンダ・メトロポリターノで今季初のCL戦が開かれたんですが、最初に驚かされたのは、いえ、3000人ものベルギー人ファンが詰めかけ、喉を枯らして歌っていたのもインパクトがあったんですけどね。まさか、クラブ・ブルージュの5人DF体制に対抗して、シメオネ監督もゴディン、ヒメンス、リュカの3CBを並べ、アリアスとサウールをSBというミラー戦略を取ってくるとは、やだあ、これって昨季、セティエン監督のベティスに同じ手を使い、スコアレルドローの不毛な結果に終わってなかった?
▽でも大丈夫。この日のアトレティコは昨季、やはりDFが5人いたカラバフから点が取れず、2試合共引き分けて、グループリーグ敗退した時とは違ったんですよ。個人特定すると、それはグリーズマンで、当人も「メンタル的にビッグゲームを100%で戦える状態になかった。Para mi eso fue la culpa de no pasar la Champions/パラ・ミー・エソ・フエ・ラ・クルパ・デ・ノー・パサール・ラ・チャンピオンズ(ボクにとってはそれがCLグループ通過できなかった理由だ)」と後で認めていたんですが、「アトレティコに残ることを決意して、その成果を受け取っている」(シメオネ監督)今季は真逆。
▽ええ、前半19分にレマルのパスから決めたvaselina(バセリーナ/ループシュート)によるゴールはオフサイドでスコアに上がらなかったんですが、29分には再び、フランス代表同僚からのクロスをゴール右前でトラップ。狙い澄ました一撃でGKレティカを破ってくれたんですよ。でもねえ、リードして油断したんでしょうか。39分には試合前記者会見でもシメオネ監督が「Tiene gente por banda izquierda, el numero 47/ティエネ・ヘンテ・ポル・バンダ・イスキエルダ、エル・ヌメロ・クアレンテタシエテ(左サイドに背番号47のいい選手がいる)」と言及していたダンジュマにエリア外から、強烈な同点ゴールを浴びてしまうことに。
▽その瞬間、またしてもカラバフの亡霊が蘇ったのは私だけではなかったかと思いますが、後半のアトレティコは意外なことにヒメネスが太ももを痛めて交代、左SBにフィリペ・ルイスが入って、慣れない5バックから、通常の4バックに戻ったのが幸いしたんです。シメオネ監督の「En el descanso hable de mejorar la ansiedad/エン・エル・デスカンソ・アブレ・デ・メホラル・ラ・アンシエダッド(ハーフタイムには焦らないようにと話した)」のも効いたか、元々、ブルージュ相手にはボールを支配していたんですが、22分にはグリーズマンがエリア内に走り込むジエゴ・コスタへスルーパス、その当人は敵に邪魔されて撃てなかったものの、折り返しをもらったグリーズマンがシュートして2点目が決まったとなれば、もう大船に乗った気でいていい?
▽いやあ、後々のことを考えると、このプレーでコスタが太ももを負傷。この先、数試合欠場することになったのは、「Aunque no meta goles, te libera muchos espacios, nos hace la vida mas fácil/アウンケ・ノー・メタ・ゴーレス、テ・リベラ・ムーチョス・エスパシオス、ノス・アセ・ラ・ビダ・マス・ファシウ(ゴールを入れなくてもスペースを沢山、作って、ボクらをやり易くしてくれる)」とグリーズマンも言っていたように、チームにとって、痛いんですけどね。この日は即座にロドリが入り、敵の攻撃を中盤で抑えてくれたため、見ていて安心できたんですが、まさかロスタイムにもグリーズマンが活躍してくれるとは!
▽だってえ、後半48分にもなって、敵CBに追いすがられながら、ゴールラインまで切り込む体力を披露しているんですよ。その折り返しからのパスをゴール前からコケが決めて、アトレティコは3点目をゲット。おかげでルイス・エンリケ監督も途中、あまりに鈍い動きでシュートチャンスを逸していた当人をセルジ・ロベルトの代わりに代表に呼ぶという決断を正当化でき、ホッとしてパルコ(貴賓席)を後にしたはずですしね。これで3-0とグループ2連勝としたため、次のドルトムントとの2連戦にはアトレティコも自信を持って挑めるはずですし、何よりワンダで迎えるCL決勝に向けて夢を繋いだのは大きかったかと。
▽そして週末、日曜午後4時15分(日本時間午後11時15分)からはその因縁のベティスを迎える彼らなんですが、いやあ、ヒメネスの負傷欠場が確定、サビッチが復帰したという噂もなく、CBが2人しかいないため、多分、5バック対決のリピートはないと思うんですけどね。ただ相手も木曜のヨーロッパリーグ2節でデュドランジェ(ルクセンブルク)に3-0で勝利と調子に乗っていますし、リーガでも4位のアトレティコと勝ち点差1で5位につけているため、拮抗した戦いになるのは間違いないかと。
▽そうそう、そのELではセビージャがクラスノダールに2-1で負け、ビジャレアルもスパルタク・モスクワと3-3と、どちらもロシアの地でいい結果が残せなかったなんてことがあったんですが、試合結果一覧で興味を引いたのはカラバフがアーセナルにあっさり、0-3で負けていたこと。ええ、昨季の準決勝ではそのアーセナルを倒して、アトレティコはEL決勝に進出していますからね。となると、昨季のCLグループリーグは本当に間が悪かっただけのようですが、サッカーではどんな相手にも気を抜いてはいけないという、大きな教訓になったのは確かでしょう。
▽え、それでミッドウィークにじっくり練習できた弟分たちは今週末、どんな予定になっているのかって?実はどちらも土曜開催ゲームで現在、9位と落ち着いたところにいるヘタフェが午後4時15分から、コリセウム・アルフォンソ・ペレスでのレバンテ戦で先陣を切ることに。ここ2試合続いたアウェイ戦では2分けで凌いできただけに、久々のホームゲームでは勝ち点3を期待したいところですが、グッドニュースにもバッドニュースにもなるのは今節のチームにはケガ人が1人もいないこと。ええ、まだ招集リストは出ていないものの、そうなるとここ2回、ベンチ外になってしまった柴崎岳選手がメンバーに入るのは難しいような気がしますが、こればっかりはねえ。
▽一方、お隣さんのレガネスは最下位脱出を目指して午後8時45分から、ブタルケに18位のラージョを迎えて弟分ダービーとなるんですが、梯子観戦を考えている私にとって辛いのは、未だにメトロスールが工事で止まっているため、5キロそこそこしか離れていないにも関わらず、移動がやっかいなこと。まあ、代替バスを使えば何とかなるんでしょうけど、セルカニアス(国鉄近郊路線)を使ってもスタジアムまでは駅からかなり歩かないといけないのがネックです。
▽ちなみにまだ本調子ではない彼らは先週、ペレグリーニ監督がバルサに今季初黒星を付けて名を挙げた後、ベティス戦では終盤に痛恨の失点をして1-0で負け。ミチェル監督の方はレアル・ソシエダ、エスパニョール戦と続けて2-2で引き分けているため、だんだんゴールは入るようになってきたようですが…来週は各国代表戦のparon(パロン/リーガの停止期間)で試合がないだけにどちらも勝って、降格圏外でお休みに入りたいですよね。
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▽実際、バルサを3年間、指揮していたルイス・エンリケ監督にとっては辛抱する場面も多くなりそうですが、何せ、今回は頼りのイスコ(レアル・マドリー)も急性盲腸炎の手術をして現在、療養中ですからね。来週木曜にカーディフであるウェールズとの親善試合はともかく、15日のネイションズリーグ3節イングランド戦ではスタメン選抜に苦労しそうですが、そうそう、もっと不思議だったのは先日のCL戦でカルバハル(マドリー)が太ももを痛めたにも関わらず、代理として初招集されたのがジョニー(ウォルバーハンプトン)だったこと。▽というのも彼はこの夏、アトレティコがフィリペ・ルイスの後釜にと獲得した左SBで、今季はプレミアリーグで修行中。いくらルイス・エンリケ監督がセルタ時代、右SBもやらせたことがあったと言われても、他にそのポジションで先発できそうなのはアスピリクエタ(チェルシー)ぐらいしかおらず、こちらも最近はCBとしてプレーする方が多かったから。もちろん、どんな状況になってもマルチDFのナチョ(マドリー)は当てにできますけどね。代表戦に関しての詳細はまた来週にでもお伝えしますが、近々、マドリッド訪問の予定があるファンは代表チームがラス・ロサス(マドリッド近郊)のサッカー協会施設に集合するのは月曜日、午後7時から唯一の公開練習があることを覚えておくといいかもしれません。▽その計算が狂ったのは開始2分、ええ、クロースのバックパスをブラシッチに奪われて、先制ゴールを奪われてしまったから、呆気に取られたの何のって!ただそれでも反撃の時間はたっぷりありましたし、その後はずっと攻めていたマドリーだったんですが、こういう日もあるんですね。ええ、CSKAのゴロチェンコ監督も「ハーフタイムにはチームを落ち着かせないといけなかった。1-0で勝っているのを信じられない選手もいたからね」と言っていたように、前半が終了しても彼らはたったの1点が返せず。
▽そこへカルバハルが負傷でオディオソラに交代という不運が重なり、後半にはカセミロ、ルーカス・バスケスをモドリッチ、マリアーノにして攻撃力アップに努めたんですが、これぞ、同じルジニキ・スタジアムでプレーしたW杯ベスト16のスペイン対ロシアもかくあらやというようにゴールが入らないんですよ。おかげで「Hemos dado tres palos, nos ha faltado fortuna/エモス・ダードートレス・パロス、ノス・ア・ファルタードー・フォルトゥーナ(ウチはシュートが3度、ゴール枠に当たった。ツキがなかった)」(ロペテギ監督)という結末に(最終結果1-0)。
▽うーん、初戦のローマ戦には3-0と快勝した彼らですし、この先は同日、そのローマに5-0と大敗しているビクトリア・プルゼニ(チェコ)との2連戦ですから、今の段階でグループリーグ突破が危うくなるとか、そういった問題はまったくないんですけどね。気になるのはここ3試合、マドリーが無得点で終わっていることで、これは2007年以来のゴール日照りなのだとか。おかげで再浮上してきたのがクリスチアーノ・ロナウドの移籍に伴う得点力不足懸念で、ええ、GKを務めたケイロル・ナバスも「Cristiano dejo el liston muy alto, no se puede tapar el sol con un dedo/クリスティアーノ・デホ・エル・リストン・ムイ・アルトー、ノー・セ・プエデ・タパール・エル・ソル・コン・ウン・デド(クリスチアーノが残したハードルは高いよ。太陽を指で隠すことができないようにね)」と認めていましたけどね。
▽とはいえ、「Fue el quien quiso irse/フエ・エル・キエン・キソ・イールセ(出て行きたがったのは彼だから)」とナチョも現実を直視していたように、いない人は当てにできないんですし、ここはベンゼマやベイル、アセンシオが1人平均10得点以上、上増しして、ロナウドの1シーズン40~50ゴールを補っていくしかないんですが…もしやマリアーノ(オリンピック・リヨンから移籍)しかFWを補強しなかったペレス会長の読みは甘かった?このままいくと、同じような悩みを抱えたモウリーニョ監督(元マンチェスター・ユナイテッド)が冬にアデバヨールを緊急補強した2010-11シーズンみたいな展開になるかもしれませんが、まあそれは最悪の場合。この土曜午後6時30分(日本時間翌午前1時30分)からのアラベス戦ではイスコ、マルセロ、カルバハルはまだですが、ベイルとラモスが戻って来るため、きっとゴールは見られますって。
▽そして翌水曜はワンダ・メトロポリターノで今季初のCL戦が開かれたんですが、最初に驚かされたのは、いえ、3000人ものベルギー人ファンが詰めかけ、喉を枯らして歌っていたのもインパクトがあったんですけどね。まさか、クラブ・ブルージュの5人DF体制に対抗して、シメオネ監督もゴディン、ヒメンス、リュカの3CBを並べ、アリアスとサウールをSBというミラー戦略を取ってくるとは、やだあ、これって昨季、セティエン監督のベティスに同じ手を使い、スコアレルドローの不毛な結果に終わってなかった?
▽でも大丈夫。この日のアトレティコは昨季、やはりDFが5人いたカラバフから点が取れず、2試合共引き分けて、グループリーグ敗退した時とは違ったんですよ。個人特定すると、それはグリーズマンで、当人も「メンタル的にビッグゲームを100%で戦える状態になかった。Para mi eso fue la culpa de no pasar la Champions/パラ・ミー・エソ・フエ・ラ・クルパ・デ・ノー・パサール・ラ・チャンピオンズ(ボクにとってはそれがCLグループ通過できなかった理由だ)」と後で認めていたんですが、「アトレティコに残ることを決意して、その成果を受け取っている」(シメオネ監督)今季は真逆。
▽ええ、前半19分にレマルのパスから決めたvaselina(バセリーナ/ループシュート)によるゴールはオフサイドでスコアに上がらなかったんですが、29分には再び、フランス代表同僚からのクロスをゴール右前でトラップ。狙い澄ました一撃でGKレティカを破ってくれたんですよ。でもねえ、リードして油断したんでしょうか。39分には試合前記者会見でもシメオネ監督が「Tiene gente por banda izquierda, el numero 47/ティエネ・ヘンテ・ポル・バンダ・イスキエルダ、エル・ヌメロ・クアレンテタシエテ(左サイドに背番号47のいい選手がいる)」と言及していたダンジュマにエリア外から、強烈な同点ゴールを浴びてしまうことに。
▽その瞬間、またしてもカラバフの亡霊が蘇ったのは私だけではなかったかと思いますが、後半のアトレティコは意外なことにヒメネスが太ももを痛めて交代、左SBにフィリペ・ルイスが入って、慣れない5バックから、通常の4バックに戻ったのが幸いしたんです。シメオネ監督の「En el descanso hable de mejorar la ansiedad/エン・エル・デスカンソ・アブレ・デ・メホラル・ラ・アンシエダッド(ハーフタイムには焦らないようにと話した)」のも効いたか、元々、ブルージュ相手にはボールを支配していたんですが、22分にはグリーズマンがエリア内に走り込むジエゴ・コスタへスルーパス、その当人は敵に邪魔されて撃てなかったものの、折り返しをもらったグリーズマンがシュートして2点目が決まったとなれば、もう大船に乗った気でいていい?
▽いやあ、後々のことを考えると、このプレーでコスタが太ももを負傷。この先、数試合欠場することになったのは、「Aunque no meta goles, te libera muchos espacios, nos hace la vida mas fácil/アウンケ・ノー・メタ・ゴーレス、テ・リベラ・ムーチョス・エスパシオス、ノス・アセ・ラ・ビダ・マス・ファシウ(ゴールを入れなくてもスペースを沢山、作って、ボクらをやり易くしてくれる)」とグリーズマンも言っていたように、チームにとって、痛いんですけどね。この日は即座にロドリが入り、敵の攻撃を中盤で抑えてくれたため、見ていて安心できたんですが、まさかロスタイムにもグリーズマンが活躍してくれるとは!
▽だってえ、後半48分にもなって、敵CBに追いすがられながら、ゴールラインまで切り込む体力を披露しているんですよ。その折り返しからのパスをゴール前からコケが決めて、アトレティコは3点目をゲット。おかげでルイス・エンリケ監督も途中、あまりに鈍い動きでシュートチャンスを逸していた当人をセルジ・ロベルトの代わりに代表に呼ぶという決断を正当化でき、ホッとしてパルコ(貴賓席)を後にしたはずですしね。これで3-0とグループ2連勝としたため、次のドルトムントとの2連戦にはアトレティコも自信を持って挑めるはずですし、何よりワンダで迎えるCL決勝に向けて夢を繋いだのは大きかったかと。
▽そして週末、日曜午後4時15分(日本時間午後11時15分)からはその因縁のベティスを迎える彼らなんですが、いやあ、ヒメネスの負傷欠場が確定、サビッチが復帰したという噂もなく、CBが2人しかいないため、多分、5バック対決のリピートはないと思うんですけどね。ただ相手も木曜のヨーロッパリーグ2節でデュドランジェ(ルクセンブルク)に3-0で勝利と調子に乗っていますし、リーガでも4位のアトレティコと勝ち点差1で5位につけているため、拮抗した戦いになるのは間違いないかと。
▽そうそう、そのELではセビージャがクラスノダールに2-1で負け、ビジャレアルもスパルタク・モスクワと3-3と、どちらもロシアの地でいい結果が残せなかったなんてことがあったんですが、試合結果一覧で興味を引いたのはカラバフがアーセナルにあっさり、0-3で負けていたこと。ええ、昨季の準決勝ではそのアーセナルを倒して、アトレティコはEL決勝に進出していますからね。となると、昨季のCLグループリーグは本当に間が悪かっただけのようですが、サッカーではどんな相手にも気を抜いてはいけないという、大きな教訓になったのは確かでしょう。
▽え、それでミッドウィークにじっくり練習できた弟分たちは今週末、どんな予定になっているのかって?実はどちらも土曜開催ゲームで現在、9位と落ち着いたところにいるヘタフェが午後4時15分から、コリセウム・アルフォンソ・ペレスでのレバンテ戦で先陣を切ることに。ここ2試合続いたアウェイ戦では2分けで凌いできただけに、久々のホームゲームでは勝ち点3を期待したいところですが、グッドニュースにもバッドニュースにもなるのは今節のチームにはケガ人が1人もいないこと。ええ、まだ招集リストは出ていないものの、そうなるとここ2回、ベンチ外になってしまった柴崎岳選手がメンバーに入るのは難しいような気がしますが、こればっかりはねえ。
▽一方、お隣さんのレガネスは最下位脱出を目指して午後8時45分から、ブタルケに18位のラージョを迎えて弟分ダービーとなるんですが、梯子観戦を考えている私にとって辛いのは、未だにメトロスールが工事で止まっているため、5キロそこそこしか離れていないにも関わらず、移動がやっかいなこと。まあ、代替バスを使えば何とかなるんでしょうけど、セルカニアス(国鉄近郊路線)を使ってもスタジアムまでは駅からかなり歩かないといけないのがネックです。
▽ちなみにまだ本調子ではない彼らは先週、ペレグリーニ監督がバルサに今季初黒星を付けて名を挙げた後、ベティス戦では終盤に痛恨の失点をして1-0で負け。ミチェル監督の方はレアル・ソシエダ、エスパニョール戦と続けて2-2で引き分けているため、だんだんゴールは入るようになってきたようですが…来週は各国代表戦のparon(パロン/リーガの停止期間)で試合がないだけにどちらも勝って、降格圏外でお休みに入りたいですよね。
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