【原ゆみこのマドリッド】ダービー祭りはわかっていたけど…
2018.08.28 13:30 Tue
▽「凄いことになったわね」そんな風に私が呆れていたのは月曜日、改修工事の終わる10月半ばまで、エスタディオ・バジェカスのスタンドが閉鎖というニュースを見つけた時のことでした。いやあ、確かにリーガ1部復帰第1戦でセビージャを迎えた際には1-4で負けたことより、まだ瓦礫が山積みしていたり、ファンの子供がスタンドから工事現場に落ちてしまったことに大きな非難が集まっていたんですけどね。大体がして、2部優勝で昇格を決めたラージョとなれば、クラブにも所有者のマドリッド市にも夏の間、たっぷり時間があったはず。その上、昨季、ワンダ・メトロポリターノ移転を控えたアトレティコが用心のため、開幕3試合目までアウェイ開催を頼んだような配慮をリーガに求めることもなく、すでに2節が終わった時点で閉鎖決定って、あまりに行きあたりばったりじゃない?
▽うーん、どうやらその間にホームで予定されていた、この土曜のアスレティック戦を始め、アラベス戦、エスパニョール戦はアウェイにしてもらうか、もしくは今季から2部でプレーするラージョ・マハダオンダ(ラージョのBチームではない)のように、2部Bの公式戦ホームだったアトレティコのマハダオンダ(マドリッド近郊)にある練習場ミニスタジアムが規定の収容人数に満たないため、スタンド増築工事が終わるまでワンダを借りてプレーするように、マドリッド市内の違うスタジアムで行うか、最悪、無観客試合になるか、今はリーガの決定を待っているみたいですけどね。どの方法をとってもファンに迷惑がかかりますし、何よりせっかく先週末、兄貴分の前で開幕戦の情けないイメージを改善できた選手たちが落ち着かないのは気の毒なんですが…。
▽まあ、その話はまた後ですることにして、リーガ2節のマドリッド勢がどうだったか、順番にお伝えしていくことにすると。今回、トップバッターに立ったのは弟分のヘタフェで、開幕戦では大先輩レアル・マドリーを前にいいところがまったくなし。あっさり2-0と負けていたため、金曜にコリセウム・アルフォンソ・ペレスに向かうのは私もちょっと憂鬱だったんですけどね。いやはや、スタジアムに着く以前に大きな逆境に見舞われるとは!というのも、いつもメトロ10号線の終点Puerta de Sur(プエルタ・デ・スール)駅から乗り換えて、最寄り駅のLos Espartales(ロス・エスパルタレス)で降りていたんですが、何とその12号線がいつの間にやら、改修工事による休業になっていたから、途方に暮れたの何のって。
▽うーん、マドリッドでは毎年、夏の間、メトロがイロイロな区間で止まっていることが多いんですけどね。大抵はその路線通り地上を走る代替バスがあって、結局、30分ぐらいかけて辿り着くことはできたんですが、来週金曜午後8時(日本時間翌午前3時)にもコリセウムではバジャドリー戦がありますし、観戦予定の方は要注意。12号線の工事は10月14日まで続くため、しばらくはセルカニアス(国鉄近郊路線)C-4線にSol(ソル)やAtocha(アトーチャ)駅から乗って、Las Margaritas Universidad(ラス・マルガリータス・ウニベルシダッド)駅下車、徒歩15分という経路を使った方が、代替バス乗り場を探したり、降りる場所で迷ったりする面倒がなくていいかと。
▽ちなみにボルダラス監督が1節とはメンバーを少し代えてエイバルに挑んだその試合では、やはりファールが多くて、序盤から地面に倒れる選手が続出したのはともかく、ホルヘ・モリーナのワントップから、アンヘルとマタ(バジャドリーから移籍)のツートップに変更したのが効いたんでしょうかね。前半18分にはブルーノが自陣から大きくボールをクリアしたところ、マタがオリベイラとの空中戦に勝ってアンヘルに送り、そのシュートが決まってくれたから、ホームのファンたちもメデタク今季初ゴールを祝えることに。エイハルにもエンリッチのヘッドなど、幾つかチャンスはあったものの、ヘタフェは後半もリードを保ち、それどころか45分にはアマトのアシストでホルヘ・モリーナが2点目をゲット。ベテランのエースが健在であることを証明してくれましたっけ。
▽ヘタフェ番の馴染みの記者たちも「ガクへのオファーはないの?」とこちらに訊いてきたぐらいだったため、移籍が迫っている印象は受けなかったものの、こればっかりはねえ。ボランチではベルガラのケガが治って戻って来るのが9月の代表戦週間後といった事情もありますが、市場が閉じる31日まではまだ時間があるため、今週は私もセルカニアスに乗って、彼らが公開練習をする日に行ってみた方がいいかもしれませんね。
▽そしてヘタフェに続いて、お隣さんのレガネスが昨季まで5年間、チームを率いて2部Bから1部の高見に引き上げたガリターノ監督がレアル・ソシエダの指揮官として古巣のブタルケに帰還する試合をキックオフしたんですが、いやいや。前半からスルトゥサに先制点を決められ、更にイジャラメンディの見事なvolea(ボレア/ボレーシュート)で2点を許すなんて、あまりに歓迎しすぎかと。でも大丈夫、後半には満員のスタンドに後押しされたレガネスの選手たちが奮起してくれます。ええ、エル・ザールが8分と43分にゴールを挙げ、最後は2-2の引き分けに持ち込んだとなれば、「Considero Leganés mi casa/コンシデロ・レガネス・ミ・カサ(レガネスは私の家だと思っている)」というガリターノ監督だって内心、安心したかと。
▽おかげで開幕戦のサン・マメスでは後半ロスタイムにムニアインに決勝点を取られ、アスレティックに悔しい1点差負けを喫した後、ペレグリーノ監督もこの土曜午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)、勝ち点0という引け目を抱えてサンティアゴ・ベルナベウに乗り込まずに済むことになりましたが、うーん、何か本当に今季は毎節ダービーばかり。できれば、ヘタフェの敗戦を参考にして、弟分チームの意地を見せてもらいたいものですが、これが実際、なかなか難しいんですよ…。
▽というのも翌土曜、私がワンダで観戦したのもミニダービーだったんですが、いえ、別にその日はスタジアムに併設して、"Bendita Locura(ベンディータ・ロクラ)"というバル(スペインの喫茶店兼バー)がオープン。大勢のファンで賑わっていただけでなく、キックオフ前にもグリーズマン、リュカ、レマルのフランス代表トリオにより、W杯トロフィーのお披露目があったり、試合後はUEFAスーパーカップ優勝の祝賀イベントが予定されていたりと、あまりゲームそのものにスポットが当たっていなかったのが悪かったとは思わないんですけどね。まさか、世間から、"Supercapeon/スーペルカンペオン(スーパーチャンピオン)"と呼ばれるようになってすら、彼らのプレーを見るのが苦行に等しい感覚を与えてくれるとは。
▽ええ、その日はセビージャ戦で懲りたラージョが近距離でプレスをかけてきたため、アトレティコのパスがなかなか繋がらないということもあったんですけどね。前半など、ファンフランがケガでトマスの右SB緊急出動があったぐらいで、チャンスなんてレマルの力のないシュートがGKアルベルトの正面に飛んだぐらいだったかと。それでも後半18分にはCKからサビッチが頭で落としたボールをグリーズマンがゴールにねじ込み、虎の子の1点を取った彼らでしたが、その後は自陣に押し込められてしまうって一体、どっちが兄貴分?
▽実際、後でサウールも「si intentamos presionar y llegamos tarde, es mejor ir atrás/シー・インテンタモス・プレシオナール・イ・ジェガモス・タルデ、エス・メホール・イル・アトラス(プレスをかけようとしても遅く着くのなら、後退した方がいい)」と言っていましたが、まったくどこまで現実的なチームなんでしょう。最後はGKオブラクがポソやモレノのシュートをしっかり弾き、ゴールを死守してくれたため、1-0で今季初勝利を挙げることができたとはいえ、スタンドからも何度かpito(ピト/ブーイング)が聞こえてくるって…はい、「Somos el Atletico. Aqui no hay juego bonito, solo valen los tres puntos/ソモス・エル・アトレティコ。アキー・ノー・アイ・フエゴ・ボニート、ソロ・バレン・ロス・トレス・プントス(ボクらはアトレティコ。ここには美しいプレーはなくて、価値があるのは勝ち点3だけ)」(グリーズマン)というのは皆、わかっていますって。
▽うーん、試合後、場内を暗くして始まった祝賀イベントでマイクを握ったシメオネ監督も「ウチは称賛や批判で変わったりしない。Lo único que conocemos en el Atlético es trabajo, unidad y compromiso/ロ・ウニコ・ケ・コノセモス・エン・エル・アトレティコ・エス・トラバッホ、ウニダッド・イ・コンプロミソ(アトレティコが知っているのは努力、団結、そして忠誠だけだ)」と言っていましたしね。この日、ひどい有様だったのはどうやら、プレシーズン練習の疲労とまだ体力が十分でないからのようでしたが、タリンではお隣さん相手に延長戦でも走りまくっていたのを考えると、やっぱり精神的な面もあるのかもしれませんね。
▽そんなアトレティコは今週末、土曜午後4時15分(日本時間午後11時15分)からアウェイのセルタ戦ですが、診断の結果、交代したファンフランは太ももの負傷で復帰はビトロと同じく9月の代表戦週間明けになるとか。夏に選手の出入りはあったものの、トップチームのフィールドプレーヤーが18人だけという少数精鋭状態は変わっていないため、またやりくりが大変になりそうですが、これがいい機会となって、そろそろアリアス(PSVから移籍)やカリニッチ(同インテル)らのプレーも見られるかも。クラブやシメオネ監督が引き止めに動いているフィリペ・ルイスのPSG移籍の噂もまだ立ち消えてはいませんが、木曜の抽選会でグループ分けが決まるCLもそのうち始まりますし、これ以上、選手が減るのだけは避けてもらいたいものです。
▽え、新加入選手のデビューに関してはお隣さんの方がもっと遅れているんじゃないかって?そうですね、日曜のジローナ戦前にはいよいよGKクルトワ(同チェルシー)が先発という予想があちこちで立っていたんですが、蓋を開けてみればやっぱりケイロル・ナバス。オディオソラ(同レアル・ソシエダ)はケガが治ったばかりということもありましたが、移籍金に4500万ユーロ(約58億円)も払った18歳のビニシウス(同フラメンゴ)など、RMカスティージャ(マドリーのBチーム)に行かされて、同日お昼にはエスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノで2部Bの試合に出ていたとなれば少々、新鮮味に欠けてしまうのは仕方なかった?
▽おまけにエウセビオ新監督の下、素早いカウンターを次々と繰り出すジローナに前半17分、マルセロの裏を突かれ、ボルハ・ガルシアに先制点を奪われていたため、これはどうしたものかと私も心配になったものの、まさか相手が2度もアセンシオをエリア内で倒してPKを献上してくれるとは!ムニエサがペナルティを犯した39分にはUEFAスーパーカップの時のように、「Yo soy el primer lanzador/ジョ・ソイ・エル・プリメール・ランサドール(ボクが第1キッカー)」というセルヒオ・ラモスが決め、ポソが繰り返した後半7分には「第2キッカーはカリン。Pienso que no hay que ser egoista, hay que tener compañerismo/ピエンソー・ケ・ノー・アイ・ケ・セル・エゴイスタ、アイ・ケ・テネール・コンパニェリスモ(エゴイストになってはいけないと思う。仲間意識を持たないとね)」(ラモス)と譲られたベンゼマが決め、あっさり逆転しているんですから、まったくの杞憂です。
▽そしてリードした時点でロペテギ監督がマルセロを引っ込め、バランを投入。安心感のあるナチョを左SBに回してジローナの反撃を防ぐと、15分には自陣からイスコが送ったスルーパスにベイルが本領を発揮してくれます。爆走で3点目を決めただけでなく、35分にはベンゼマに嬉しいdoblete(ドブレテ/1試合2得点のこと)をプレゼントしているとなれば、クリスチアーノ・ロナウドがいないことを嘆く必要はない?うーん、カセミロなども「Creo que este ano la clave es jugar como equipo/クレオ・ケ・エステ・アーニョ・ラ・クラベ・エス・フガール・コモ・エキポ(今季のカギはチームとしてプレーすることだと思う)」と言っていましたしね。
▽この日の1-4みたいなgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)スコアはあまり見られないシーズンになるかもしれませんが、土曜にピッチの芝が野戦場みたいになっていたホセ・ソリージャでバジャドリーに0-1で勝利したバルサと共にマドリーもまずは2連勝でリーガを好発進。このままベイルやベンゼマ、アセンシオ、イスコといった辺りがタイミング良く得点してくれれば、PSGがUEFAからファイナシャル・フェアプレーで処分を受ける可能性から、急上昇してきたエムバペ獲得計画が実現しなくても問題はないかと。
▽いえ、ファン的には先日、サンティアゴ・ベルナベウで入団プレゼンもしたGKレニン(ゾリャから移籍)も月曜にレガネスへのレンタルが決まり、新顔が少なくてちょっと物足りない気はしますけどね。元々、CL3連覇をしたメンバーよりいい選手を獲るなんて贅沢の極みなんですから、その辺はちょっと我慢しないといけないかもしれませんね。
▽うーん、どうやらその間にホームで予定されていた、この土曜のアスレティック戦を始め、アラベス戦、エスパニョール戦はアウェイにしてもらうか、もしくは今季から2部でプレーするラージョ・マハダオンダ(ラージョのBチームではない)のように、2部Bの公式戦ホームだったアトレティコのマハダオンダ(マドリッド近郊)にある練習場ミニスタジアムが規定の収容人数に満たないため、スタンド増築工事が終わるまでワンダを借りてプレーするように、マドリッド市内の違うスタジアムで行うか、最悪、無観客試合になるか、今はリーガの決定を待っているみたいですけどね。どの方法をとってもファンに迷惑がかかりますし、何よりせっかく先週末、兄貴分の前で開幕戦の情けないイメージを改善できた選手たちが落ち着かないのは気の毒なんですが…。
▽まあ、その話はまた後ですることにして、リーガ2節のマドリッド勢がどうだったか、順番にお伝えしていくことにすると。今回、トップバッターに立ったのは弟分のヘタフェで、開幕戦では大先輩レアル・マドリーを前にいいところがまったくなし。あっさり2-0と負けていたため、金曜にコリセウム・アルフォンソ・ペレスに向かうのは私もちょっと憂鬱だったんですけどね。いやはや、スタジアムに着く以前に大きな逆境に見舞われるとは!というのも、いつもメトロ10号線の終点Puerta de Sur(プエルタ・デ・スール)駅から乗り換えて、最寄り駅のLos Espartales(ロス・エスパルタレス)で降りていたんですが、何とその12号線がいつの間にやら、改修工事による休業になっていたから、途方に暮れたの何のって。
▽ちなみにボルダラス監督が1節とはメンバーを少し代えてエイバルに挑んだその試合では、やはりファールが多くて、序盤から地面に倒れる選手が続出したのはともかく、ホルヘ・モリーナのワントップから、アンヘルとマタ(バジャドリーから移籍)のツートップに変更したのが効いたんでしょうかね。前半18分にはブルーノが自陣から大きくボールをクリアしたところ、マタがオリベイラとの空中戦に勝ってアンヘルに送り、そのシュートが決まってくれたから、ホームのファンたちもメデタク今季初ゴールを祝えることに。エイハルにもエンリッチのヘッドなど、幾つかチャンスはあったものの、ヘタフェは後半もリードを保ち、それどころか45分にはアマトのアシストでホルヘ・モリーナが2点目をゲット。ベテランのエースが健在であることを証明してくれましたっけ。
▽え、最後は2-0で快勝したヘタフェだったけど、前半途中にアランバリがヒザを痛めた時から、アップを開始。ハーフタイムにも熱心に練習を続け、後半もずっとラインの外で身体を動かしていたにも関わらず、柴崎岳選手の出場がなかったのは気にならないかって?うーん、ボルダラス監督は「交代策のオプションの1つではあったが、他の選手を使うことにした。シーズンは長いんだし、どうということないよ。Gaku es ejemplar en todos los sentidos/ガク・エス・エヘンプラール・エン・トードス・ロス・センティードス(ガクは全ての意味において模範的だ)」と記者会見で言っていましたけどね。
▽ヘタフェ番の馴染みの記者たちも「ガクへのオファーはないの?」とこちらに訊いてきたぐらいだったため、移籍が迫っている印象は受けなかったものの、こればっかりはねえ。ボランチではベルガラのケガが治って戻って来るのが9月の代表戦週間後といった事情もありますが、市場が閉じる31日まではまだ時間があるため、今週は私もセルカニアスに乗って、彼らが公開練習をする日に行ってみた方がいいかもしれませんね。
▽そしてヘタフェに続いて、お隣さんのレガネスが昨季まで5年間、チームを率いて2部Bから1部の高見に引き上げたガリターノ監督がレアル・ソシエダの指揮官として古巣のブタルケに帰還する試合をキックオフしたんですが、いやいや。前半からスルトゥサに先制点を決められ、更にイジャラメンディの見事なvolea(ボレア/ボレーシュート)で2点を許すなんて、あまりに歓迎しすぎかと。でも大丈夫、後半には満員のスタンドに後押しされたレガネスの選手たちが奮起してくれます。ええ、エル・ザールが8分と43分にゴールを挙げ、最後は2-2の引き分けに持ち込んだとなれば、「Considero Leganés mi casa/コンシデロ・レガネス・ミ・カサ(レガネスは私の家だと思っている)」というガリターノ監督だって内心、安心したかと。
▽おかげで開幕戦のサン・マメスでは後半ロスタイムにムニアインに決勝点を取られ、アスレティックに悔しい1点差負けを喫した後、ペレグリーノ監督もこの土曜午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)、勝ち点0という引け目を抱えてサンティアゴ・ベルナベウに乗り込まずに済むことになりましたが、うーん、何か本当に今季は毎節ダービーばかり。できれば、ヘタフェの敗戦を参考にして、弟分チームの意地を見せてもらいたいものですが、これが実際、なかなか難しいんですよ…。
▽というのも翌土曜、私がワンダで観戦したのもミニダービーだったんですが、いえ、別にその日はスタジアムに併設して、"Bendita Locura(ベンディータ・ロクラ)"というバル(スペインの喫茶店兼バー)がオープン。大勢のファンで賑わっていただけでなく、キックオフ前にもグリーズマン、リュカ、レマルのフランス代表トリオにより、W杯トロフィーのお披露目があったり、試合後はUEFAスーパーカップ優勝の祝賀イベントが予定されていたりと、あまりゲームそのものにスポットが当たっていなかったのが悪かったとは思わないんですけどね。まさか、世間から、"Supercapeon/スーペルカンペオン(スーパーチャンピオン)"と呼ばれるようになってすら、彼らのプレーを見るのが苦行に等しい感覚を与えてくれるとは。
▽ええ、その日はセビージャ戦で懲りたラージョが近距離でプレスをかけてきたため、アトレティコのパスがなかなか繋がらないということもあったんですけどね。前半など、ファンフランがケガでトマスの右SB緊急出動があったぐらいで、チャンスなんてレマルの力のないシュートがGKアルベルトの正面に飛んだぐらいだったかと。それでも後半18分にはCKからサビッチが頭で落としたボールをグリーズマンがゴールにねじ込み、虎の子の1点を取った彼らでしたが、その後は自陣に押し込められてしまうって一体、どっちが兄貴分?
▽実際、後でサウールも「si intentamos presionar y llegamos tarde, es mejor ir atrás/シー・インテンタモス・プレシオナール・イ・ジェガモス・タルデ、エス・メホール・イル・アトラス(プレスをかけようとしても遅く着くのなら、後退した方がいい)」と言っていましたが、まったくどこまで現実的なチームなんでしょう。最後はGKオブラクがポソやモレノのシュートをしっかり弾き、ゴールを死守してくれたため、1-0で今季初勝利を挙げることができたとはいえ、スタンドからも何度かpito(ピト/ブーイング)が聞こえてくるって…はい、「Somos el Atletico. Aqui no hay juego bonito, solo valen los tres puntos/ソモス・エル・アトレティコ。アキー・ノー・アイ・フエゴ・ボニート、ソロ・バレン・ロス・トレス・プントス(ボクらはアトレティコ。ここには美しいプレーはなくて、価値があるのは勝ち点3だけ)」(グリーズマン)というのは皆、わかっていますって。
▽うーん、試合後、場内を暗くして始まった祝賀イベントでマイクを握ったシメオネ監督も「ウチは称賛や批判で変わったりしない。Lo único que conocemos en el Atlético es trabajo, unidad y compromiso/ロ・ウニコ・ケ・コノセモス・エン・エル・アトレティコ・エス・トラバッホ、ウニダッド・イ・コンプロミソ(アトレティコが知っているのは努力、団結、そして忠誠だけだ)」と言っていましたしね。この日、ひどい有様だったのはどうやら、プレシーズン練習の疲労とまだ体力が十分でないからのようでしたが、タリンではお隣さん相手に延長戦でも走りまくっていたのを考えると、やっぱり精神的な面もあるのかもしれませんね。
▽そんなアトレティコは今週末、土曜午後4時15分(日本時間午後11時15分)からアウェイのセルタ戦ですが、診断の結果、交代したファンフランは太ももの負傷で復帰はビトロと同じく9月の代表戦週間明けになるとか。夏に選手の出入りはあったものの、トップチームのフィールドプレーヤーが18人だけという少数精鋭状態は変わっていないため、またやりくりが大変になりそうですが、これがいい機会となって、そろそろアリアス(PSVから移籍)やカリニッチ(同インテル)らのプレーも見られるかも。クラブやシメオネ監督が引き止めに動いているフィリペ・ルイスのPSG移籍の噂もまだ立ち消えてはいませんが、木曜の抽選会でグループ分けが決まるCLもそのうち始まりますし、これ以上、選手が減るのだけは避けてもらいたいものです。
▽え、新加入選手のデビューに関してはお隣さんの方がもっと遅れているんじゃないかって?そうですね、日曜のジローナ戦前にはいよいよGKクルトワ(同チェルシー)が先発という予想があちこちで立っていたんですが、蓋を開けてみればやっぱりケイロル・ナバス。オディオソラ(同レアル・ソシエダ)はケガが治ったばかりということもありましたが、移籍金に4500万ユーロ(約58億円)も払った18歳のビニシウス(同フラメンゴ)など、RMカスティージャ(マドリーのBチーム)に行かされて、同日お昼にはエスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノで2部Bの試合に出ていたとなれば少々、新鮮味に欠けてしまうのは仕方なかった?
▽おまけにエウセビオ新監督の下、素早いカウンターを次々と繰り出すジローナに前半17分、マルセロの裏を突かれ、ボルハ・ガルシアに先制点を奪われていたため、これはどうしたものかと私も心配になったものの、まさか相手が2度もアセンシオをエリア内で倒してPKを献上してくれるとは!ムニエサがペナルティを犯した39分にはUEFAスーパーカップの時のように、「Yo soy el primer lanzador/ジョ・ソイ・エル・プリメール・ランサドール(ボクが第1キッカー)」というセルヒオ・ラモスが決め、ポソが繰り返した後半7分には「第2キッカーはカリン。Pienso que no hay que ser egoista, hay que tener compañerismo/ピエンソー・ケ・ノー・アイ・ケ・セル・エゴイスタ、アイ・ケ・テネール・コンパニェリスモ(エゴイストになってはいけないと思う。仲間意識を持たないとね)」(ラモス)と譲られたベンゼマが決め、あっさり逆転しているんですから、まったくの杞憂です。
▽そしてリードした時点でロペテギ監督がマルセロを引っ込め、バランを投入。安心感のあるナチョを左SBに回してジローナの反撃を防ぐと、15分には自陣からイスコが送ったスルーパスにベイルが本領を発揮してくれます。爆走で3点目を決めただけでなく、35分にはベンゼマに嬉しいdoblete(ドブレテ/1試合2得点のこと)をプレゼントしているとなれば、クリスチアーノ・ロナウドがいないことを嘆く必要はない?うーん、カセミロなども「Creo que este ano la clave es jugar como equipo/クレオ・ケ・エステ・アーニョ・ラ・クラベ・エス・フガール・コモ・エキポ(今季のカギはチームとしてプレーすることだと思う)」と言っていましたしね。
▽この日の1-4みたいなgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)スコアはあまり見られないシーズンになるかもしれませんが、土曜にピッチの芝が野戦場みたいになっていたホセ・ソリージャでバジャドリーに0-1で勝利したバルサと共にマドリーもまずは2連勝でリーガを好発進。このままベイルやベンゼマ、アセンシオ、イスコといった辺りがタイミング良く得点してくれれば、PSGがUEFAからファイナシャル・フェアプレーで処分を受ける可能性から、急上昇してきたエムバペ獲得計画が実現しなくても問題はないかと。
▽いえ、ファン的には先日、サンティアゴ・ベルナベウで入団プレゼンもしたGKレニン(ゾリャから移籍)も月曜にレガネスへのレンタルが決まり、新顔が少なくてちょっと物足りない気はしますけどね。元々、CL3連覇をしたメンバーよりいい選手を獲るなんて贅沢の極みなんですから、その辺はちょっと我慢しないといけないかもしれませんね。
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