【原ゆみこのマドリッド】もうリーガは始まっているのに…
2018.08.23 15:15 Thu
▽「市場がまだ開いているのがいけないのよね」そんな風に私がイラッとしていたのは水曜日、すでにリーガ1節が終わったというのに相変わらず、マスコミの話題を移籍関連が多くを占めているのに気がついた時のことでした。いえ、低予算でやっているため、レンタルの選手も多く、毎夏、多くのメンバーが入れ替わるのが前提。その上、他のクラブで余剰人員となった選手が格安の値段で手に入るのを最後まで待っているマドリッドの弟分3チームに関しては、それも仕方ないところがあるんですけどね。
▽おまけにクリスチアーノ・ロナウドがユベントスに行ってしまったレアル・マドリーもこの夏はネイマールやエムバペ(どちらもPSG)の獲得がムリということから、一時は補強話が沈静化していたところ、UEFAスーパーカップの敗北でCF探しが再燃。挙句の果てにカリニッチ(ミランから移籍)の加入をもって、チーム編成終了としていたアトレティコまで、フィリペ・ルイスのPSG行きの希望が突如、表面化し、今頃になって、すでに獲得済みのジョニー(セルタから移籍)がヴォルバーハンプトンでのレンタル修行を終え、来季には加わるのがわかっている左SB探しをしなくちゃならないって、やっぱりプレミアリーグやセリエAのようにリーグ開幕前に選手登録を締め切って実質、移籍市場を閉めてしまう方がファンも試合に集中できていいような気がしたから。
▽そんな中、先週末に始まったリーガ1節がどうだったか、お話ししていくことにすると、いやあ、いよいよマドリッドの1部チームが5つに増え、金曜から月曜まで観戦三昧なのかと思いきや、世の中、そうは問屋が卸さず。リーガが私の移動時間を考慮してくれる訳ではないため、今季は早くも7節まで発表になった時間割によると、取捨選択しないといけない場合がかなり多いんですよ。
▽開幕戦から、もうその有様で、ええ、マドリッド勢はラージョがトップバッターとして、日曜にエスタディオ・バジェカスにセビージャを迎えたものの、同日の2時間後にはこの史上最多のダービー祭りシーズン、一番手となるレアル・マドリーvsヘタフェ戦がサンティアゴ・ベルナベウでキックオフとなれば、私がそちらを選んでしまったのは仕方なかったかと。
▽その上、メトロに乗る前に近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)でセビージャ戦の前半を見ていたところ、いえ、後でミチェル監督も「Necesitamos refuerzos, la plantilla es corta/ネセシタモス・レフエルソス、ラ・プランティージャ・エス・コルタ(ウチには補強が必要。選手層が薄い)」と嘆いていたんですけどね。まだ5、6人欠けている昇格したばかりのラージョはすでにEL予選4試合とスペイン・スーパーカップ、5つも公式戦をこなしている相手にまったく歯が立たず。前半15分に"ムード"・バスケスに先制点を奪われたのを皮切りに31分、46分、そして後半35分にもミランからレンタルで加入したアンドレ・シウバに決められ、開幕ハットトリックを達成されてしまうって、やっぱり3年ぶりに戻る1部の戦いは厳しかった?
▽続いて兄貴分のマドリーがホームで今季リーガデビューをしたんですが、何せ夏の暑さを考慮した8月限定の午後10時15分という遅いキックオフでしたからね。先日のUEFAスーパーカップもエストニアはスペインより1時間早いとはいえ、午後10時だったせいか、ドイツ人のクロースなど、後で「機嫌良さそうに見えるけど、この時間、普段の自分は眠っている(https://twitter.com/ToniKroos/status/1031318720231235584)」と文句を言っていたぐらいですが、もしやそれもサンティアゴ・ベルナベウの観客数が5万人にも届かなかったのに影響していたかも。
▽え、今まではバケーション中のabonado(アボナードー/シーズンシート購入者)が来られない時期でも観光客で賑わっていたマドリーの試合だというのに満員にならないって、やっぱりロナウドに代わるスーパースターを獲得できてないからじゃないのかって?どうですかねえ、一応、昨季までロナウドだったスタメンアナウンスのトリにはベイルが入り、前半20分には彼のクロスをGKソリアがパンチング。中途半端なところに落ちたボール゛をカルバハルが頭でゴールに入れ、先制したマドリーは後半6分、今度はアセンシオのラストパスでベイルが2点目をゲットと、当人も今季の看板に恥じない働きは見せてくれたんですけどね。
▽もちろん、その日は相手がここ9年間、マドリーとのアウェイ戦で勝っていないヘタフェ。しかもせっかく柴崎岳選手がフル出場しながら、「No ha salido casi de nada de lo que habiamos trabajado/ノー・ア・サリードー・カシー・デ・ナーダ・デ・ロ・ケ・アビアモス・トラバハードー(練習してきたことが、ほとんど上手くいかなかった)
(ボルダラス監督)という状態で、とりわけ2失点目以降は「El equipo ha sido incapaz de dar tres pases seguidos/エル・エキポ・ア・シードー・インカパス・デ・ダール・トレス・パセス・セギードス(チームはパス3つも繋げなかった)
(同)有様となれば、マドリーがあっさり2-0で初勝利したのも当然だったかと。
▽おかげで終盤、ボールを追うのに疲れたヘタフェの選手たちがタイミングの遅れたタックルをかけて、イエローカードだらけになっていたのはともかく、でも何かねえ。ロペテギ監督は「No conceder ocasiones a un equipo como este nos hace estar contentos/ノー・コンセデール・オカシオネス・ア・ウン・エキポ・コモ・エステ・ノス・アセ・エスタル・コンテントス(ああいうチームにゴールチャンスを与えなかったのは自分たちを満足させてくれる)と語っていたものの、どうにも今季のマドリーが地味なチームになってしまったと感じたのは私だけ?
▽いえ、結論を急いではいけません。今週末の彼らは再び、日曜午後10時15分(日本時間翌午前5時15分)から、アウェイのジローナ戦。そろそろ、W杯のせいでプレシーズン開始が遅れ、この2試合、途中出場だったモドリッチの先発や、ナバスに文句をつけるところは1つもないものの、GKクルトワ(チェルシーから移籍)のデビューがあるかもしれませんが、とにかくアタッカーの新顔は18歳のビニシウス(同フラメンゴ)だけですからね。土曜の開幕アラベス戦から2得点して、バルサではメッシがスポットライトを独占しているのと比べると、ちょっとマドリーファンも肩身が狭い気がするんですが、本当にこの夏はもう、FWの補強はしないんですかね。
▽そして翌月曜には“Supercampeon/スーペルカンペオン(スーパーチャンピオン)"がバレンシアの選手たちのpasillo(パシージョ/花道)に迎えられ、メスタジャで待望のリーガデビューをしたんですが、UEFAスーパーカップで妙に強いアトレティコを見てしまったせいで、私が期待しすぎたんでしょうか。前半26分にはグリーズマンの顔を背けたスルーパスから、コレアがゴールを決めて先制してくれたのは良かったんですが、ジエゴ・コスタが数度、抜け出しながら、ガライにファールで止められてしまったり、角度のないところから撃ったシュートはGKネトにそらされてしまったから、何ともツイていない。
▽おかげで後半10分、コンドグビアのロングクロスをヴァスがエリア内でそのまま上げ、見事なトラップから、マドリーのロペテギ監督がもし、ペレス会長に獲ってもらえるなら、一番の候補に考えているロドリゴのシュートが決まって、バレンシアに同点にされてしまったんですが、まあ、よく考えれば、相手は今季CLにも出場する強いチーム。それこそ終盤、シメオネ監督も「Estuvo abierto en el final, hubo mucho desorden que no me gusto/エストゥーボ・アビエルト・エン・エル・フィナル、ウボ・ムーチョ・デスオルデン・ケ・ノー・メ・グストー(最後はオープンな展開になって、自分の気に入らない無秩序なシーンが多かった)」と言っていた通り、ヴァスやアトレティコから移籍したばかりのガメイロのエリア内シュートをGKオブラクが救ってくれたなんてこともあったため、逆転負けを喰らわなかっただけで良しとするべきかと。
▽ええ、そのオブラクも「nosotros notamos que veníamos de jugar 120 minutos/ノソトロス・ノタモス・ケ・ベニモス・デ・フガール・シエントベインテ・ミヌートス(ボクらは120分をプレーしてきたことに気付かされた)」と説明していましたが、確かにタリンでは延長戦でその上、相手のマドリーより、アトレティコは10キロ以上多く走っていましたからね。しかも前後半にお水休憩を挟む程の暑さのバレンシアでの試合となれば、その疲れが出てもムリはなかったかもしれません。
▽え、最後は1-1で引き分け、1節からライバルのマドリーやバルサに勝ち点2差をつけられてしまったアトレティコだったけど、フィリペ・ルイスはこの試合に普通の顔をして出ていなかったかって?その通りで、実はPSG移籍希望騒ぎはその前から起きていたんですが、この日は昨季から引きずる出場停止処分を受けていたリュカが出られませんでしたからね。いくら当人が昨季のEL決勝に続き、UEFAスーパーカップでもベンチ待機だったことに不満を持っていたり、32歳以上の選手とは複数年契約をしないアトレティコより、3年契約をオファーしてきたPSGに魅力を感じていたとしたって、そんな窮地にチームを見捨てることはできませんって。
▽ただ、フィリペ・ルイスは4年前のリーガ優勝直後もプレミアリーグを経験したいとチェルシーに移籍し、たった1年で舞い戻って来たという前科がありますからねえ。昨季は当人の腓骨骨折などで、本職CBのリュカが左SBとして大成長。それこそデシャン監督の目にまで止まり、そのポジションのレギュラーとしてフランス代表のW杯優勝に貢献しているため、今季はアトレティコでの出番が減るんじゃないか心配する彼の気持ちもわかりますが、ここはよくよく考えるべきかと。ええ、33歳の今となっては後でやっぱりパリよりマドリッドの方がいいと後悔したって、きっと戻って来られませんよ。
▽実際、チームメートたちも皆、「Le queremos mucho y ojalá siga con nosotros/レ・ケレモス・ムーチョ・イ・オハラ・シガ・コン・ノソトロス(彼のことが大好きだし、ボクらと一緒にいてくれますように)
(ファンフラン)と引き留めてくれていますし、シメオネ監督も試合後の記者会見で「残ると思う」とコメント。クラブも契約破棄金額の3000万ユーロ(約40億円)をPSGに要求しているとなれば、大抵、大丈夫なはずですが、さて。むしろ今はバレンシア戦で途中出場したビトロがヒザを負傷。全治5~7週間になってしまったという悪いニュースの方がこの土曜、午後8時15分(日本時間翌午前3時15分)からのラージョ戦を前にしての懸念となりますでしょうか。
▽そして最後に1節のトリを飾った弟分のレガネスのことも伝えておかないと。ええ、こちらはサン・マメスでアスレティックと対戦だったんですが、前半にCKからノラスコアインにヘッドで取られた1点はすぐ、新加入のジョナタン・シウバ(スポルティグCPからレンタル移籍)がデビュー初ゴールを挙げて帳消しにできたんですけどね。そのままアトレティコのように引き分けるかと思いきや、後半ロスタイムに決勝ゴールをムニアインに奪われて、ペレグリーニ監督は初陣を2-1の黒星で終えることに。
▽まあ、こちらも完全にチーム編成は終わっていませんし、難所での試合でしたからね。早くもこの金曜午後10時15分にはブタルケに昨季まで5年間、レガネスを率いたガリターノ監督がレアル・ソシエダの指揮官として帰還してくるため、1部3年目の飛躍を期待するホームのファンの前でいいプレーを見せてくれればいいかと。ちなみにまた、その金曜はマドリッド勢の試合が連続開催となり、私は午後8時15分からのヘタフェvsエイバル戦のため、コリセウム・アルフォンソ・ペレスに行くことを選んだんですが、実は両スタジアムの場所は車なら10分程度の近さ。それでもメトロと徒歩で移動すると30分以上かかるため、梯子を断念するしかないのはこの先、きっと何度となくあるジレンマになりそうです。
▽おまけにクリスチアーノ・ロナウドがユベントスに行ってしまったレアル・マドリーもこの夏はネイマールやエムバペ(どちらもPSG)の獲得がムリということから、一時は補強話が沈静化していたところ、UEFAスーパーカップの敗北でCF探しが再燃。挙句の果てにカリニッチ(ミランから移籍)の加入をもって、チーム編成終了としていたアトレティコまで、フィリペ・ルイスのPSG行きの希望が突如、表面化し、今頃になって、すでに獲得済みのジョニー(セルタから移籍)がヴォルバーハンプトンでのレンタル修行を終え、来季には加わるのがわかっている左SB探しをしなくちゃならないって、やっぱりプレミアリーグやセリエAのようにリーグ開幕前に選手登録を締め切って実質、移籍市場を閉めてしまう方がファンも試合に集中できていいような気がしたから。
▽そんな中、先週末に始まったリーガ1節がどうだったか、お話ししていくことにすると、いやあ、いよいよマドリッドの1部チームが5つに増え、金曜から月曜まで観戦三昧なのかと思いきや、世の中、そうは問屋が卸さず。リーガが私の移動時間を考慮してくれる訳ではないため、今季は早くも7節まで発表になった時間割によると、取捨選択しないといけない場合がかなり多いんですよ。
▽その上、メトロに乗る前に近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)でセビージャ戦の前半を見ていたところ、いえ、後でミチェル監督も「Necesitamos refuerzos, la plantilla es corta/ネセシタモス・レフエルソス、ラ・プランティージャ・エス・コルタ(ウチには補強が必要。選手層が薄い)」と嘆いていたんですけどね。まだ5、6人欠けている昇格したばかりのラージョはすでにEL予選4試合とスペイン・スーパーカップ、5つも公式戦をこなしている相手にまったく歯が立たず。前半15分に"ムード"・バスケスに先制点を奪われたのを皮切りに31分、46分、そして後半35分にもミランからレンタルで加入したアンドレ・シウバに決められ、開幕ハットトリックを達成されてしまうって、やっぱり3年ぶりに戻る1部の戦いは厳しかった?
▽最後はエンバルバがPKで1点を返し、1-4で負けたラージョでしたが、後日報によると、間に合っていなかったのは選手補強だけに留まらず。何と、オフシーズンに始まったスタジアム施設の改装もまだ完成していなかったようで、スタンドやトイレなど、かなり悲惨な状態だったようですしね。この土曜にはワンダ・メトロポリターノでアトレティコとのミニダービーがあるため、一応、彼らの状態を生で見る機会は持てるんですが、その後も日程表によると、私がバジェカスを訪れることができるのは代表戦週間後、9月後半。その頃までには工事も済んで、新戦力もチームに馴染んでいてくれるといいのですが。
▽続いて兄貴分のマドリーがホームで今季リーガデビューをしたんですが、何せ夏の暑さを考慮した8月限定の午後10時15分という遅いキックオフでしたからね。先日のUEFAスーパーカップもエストニアはスペインより1時間早いとはいえ、午後10時だったせいか、ドイツ人のクロースなど、後で「機嫌良さそうに見えるけど、この時間、普段の自分は眠っている(https://twitter.com/ToniKroos/status/1031318720231235584)」と文句を言っていたぐらいですが、もしやそれもサンティアゴ・ベルナベウの観客数が5万人にも届かなかったのに影響していたかも。
▽え、今まではバケーション中のabonado(アボナードー/シーズンシート購入者)が来られない時期でも観光客で賑わっていたマドリーの試合だというのに満員にならないって、やっぱりロナウドに代わるスーパースターを獲得できてないからじゃないのかって?どうですかねえ、一応、昨季までロナウドだったスタメンアナウンスのトリにはベイルが入り、前半20分には彼のクロスをGKソリアがパンチング。中途半端なところに落ちたボール゛をカルバハルが頭でゴールに入れ、先制したマドリーは後半6分、今度はアセンシオのラストパスでベイルが2点目をゲットと、当人も今季の看板に恥じない働きは見せてくれたんですけどね。
▽もちろん、その日は相手がここ9年間、マドリーとのアウェイ戦で勝っていないヘタフェ。しかもせっかく柴崎岳選手がフル出場しながら、「No ha salido casi de nada de lo que habiamos trabajado/ノー・ア・サリードー・カシー・デ・ナーダ・デ・ロ・ケ・アビアモス・トラバハードー(練習してきたことが、ほとんど上手くいかなかった)
(ボルダラス監督)という状態で、とりわけ2失点目以降は「El equipo ha sido incapaz de dar tres pases seguidos/エル・エキポ・ア・シードー・インカパス・デ・ダール・トレス・パセス・セギードス(チームはパス3つも繋げなかった)
(同)有様となれば、マドリーがあっさり2-0で初勝利したのも当然だったかと。
▽おかげで終盤、ボールを追うのに疲れたヘタフェの選手たちがタイミングの遅れたタックルをかけて、イエローカードだらけになっていたのはともかく、でも何かねえ。ロペテギ監督は「No conceder ocasiones a un equipo como este nos hace estar contentos/ノー・コンセデール・オカシオネス・ア・ウン・エキポ・コモ・エステ・ノス・アセ・エスタル・コンテントス(ああいうチームにゴールチャンスを与えなかったのは自分たちを満足させてくれる)と語っていたものの、どうにも今季のマドリーが地味なチームになってしまったと感じたのは私だけ?
▽いえ、結論を急いではいけません。今週末の彼らは再び、日曜午後10時15分(日本時間翌午前5時15分)から、アウェイのジローナ戦。そろそろ、W杯のせいでプレシーズン開始が遅れ、この2試合、途中出場だったモドリッチの先発や、ナバスに文句をつけるところは1つもないものの、GKクルトワ(チェルシーから移籍)のデビューがあるかもしれませんが、とにかくアタッカーの新顔は18歳のビニシウス(同フラメンゴ)だけですからね。土曜の開幕アラベス戦から2得点して、バルサではメッシがスポットライトを独占しているのと比べると、ちょっとマドリーファンも肩身が狭い気がするんですが、本当にこの夏はもう、FWの補強はしないんですかね。
▽そして翌月曜には“Supercampeon/スーペルカンペオン(スーパーチャンピオン)"がバレンシアの選手たちのpasillo(パシージョ/花道)に迎えられ、メスタジャで待望のリーガデビューをしたんですが、UEFAスーパーカップで妙に強いアトレティコを見てしまったせいで、私が期待しすぎたんでしょうか。前半26分にはグリーズマンの顔を背けたスルーパスから、コレアがゴールを決めて先制してくれたのは良かったんですが、ジエゴ・コスタが数度、抜け出しながら、ガライにファールで止められてしまったり、角度のないところから撃ったシュートはGKネトにそらされてしまったから、何ともツイていない。
▽おかげで後半10分、コンドグビアのロングクロスをヴァスがエリア内でそのまま上げ、見事なトラップから、マドリーのロペテギ監督がもし、ペレス会長に獲ってもらえるなら、一番の候補に考えているロドリゴのシュートが決まって、バレンシアに同点にされてしまったんですが、まあ、よく考えれば、相手は今季CLにも出場する強いチーム。それこそ終盤、シメオネ監督も「Estuvo abierto en el final, hubo mucho desorden que no me gusto/エストゥーボ・アビエルト・エン・エル・フィナル、ウボ・ムーチョ・デスオルデン・ケ・ノー・メ・グストー(最後はオープンな展開になって、自分の気に入らない無秩序なシーンが多かった)」と言っていた通り、ヴァスやアトレティコから移籍したばかりのガメイロのエリア内シュートをGKオブラクが救ってくれたなんてこともあったため、逆転負けを喰らわなかっただけで良しとするべきかと。
▽ええ、そのオブラクも「nosotros notamos que veníamos de jugar 120 minutos/ノソトロス・ノタモス・ケ・ベニモス・デ・フガール・シエントベインテ・ミヌートス(ボクらは120分をプレーしてきたことに気付かされた)」と説明していましたが、確かにタリンでは延長戦でその上、相手のマドリーより、アトレティコは10キロ以上多く走っていましたからね。しかも前後半にお水休憩を挟む程の暑さのバレンシアでの試合となれば、その疲れが出てもムリはなかったかもしれません。
▽え、最後は1-1で引き分け、1節からライバルのマドリーやバルサに勝ち点2差をつけられてしまったアトレティコだったけど、フィリペ・ルイスはこの試合に普通の顔をして出ていなかったかって?その通りで、実はPSG移籍希望騒ぎはその前から起きていたんですが、この日は昨季から引きずる出場停止処分を受けていたリュカが出られませんでしたからね。いくら当人が昨季のEL決勝に続き、UEFAスーパーカップでもベンチ待機だったことに不満を持っていたり、32歳以上の選手とは複数年契約をしないアトレティコより、3年契約をオファーしてきたPSGに魅力を感じていたとしたって、そんな窮地にチームを見捨てることはできませんって。
▽ただ、フィリペ・ルイスは4年前のリーガ優勝直後もプレミアリーグを経験したいとチェルシーに移籍し、たった1年で舞い戻って来たという前科がありますからねえ。昨季は当人の腓骨骨折などで、本職CBのリュカが左SBとして大成長。それこそデシャン監督の目にまで止まり、そのポジションのレギュラーとしてフランス代表のW杯優勝に貢献しているため、今季はアトレティコでの出番が減るんじゃないか心配する彼の気持ちもわかりますが、ここはよくよく考えるべきかと。ええ、33歳の今となっては後でやっぱりパリよりマドリッドの方がいいと後悔したって、きっと戻って来られませんよ。
▽実際、チームメートたちも皆、「Le queremos mucho y ojalá siga con nosotros/レ・ケレモス・ムーチョ・イ・オハラ・シガ・コン・ノソトロス(彼のことが大好きだし、ボクらと一緒にいてくれますように)
(ファンフラン)と引き留めてくれていますし、シメオネ監督も試合後の記者会見で「残ると思う」とコメント。クラブも契約破棄金額の3000万ユーロ(約40億円)をPSGに要求しているとなれば、大抵、大丈夫なはずですが、さて。むしろ今はバレンシア戦で途中出場したビトロがヒザを負傷。全治5~7週間になってしまったという悪いニュースの方がこの土曜、午後8時15分(日本時間翌午前3時15分)からのラージョ戦を前にしての懸念となりますでしょうか。
▽そして最後に1節のトリを飾った弟分のレガネスのことも伝えておかないと。ええ、こちらはサン・マメスでアスレティックと対戦だったんですが、前半にCKからノラスコアインにヘッドで取られた1点はすぐ、新加入のジョナタン・シウバ(スポルティグCPからレンタル移籍)がデビュー初ゴールを挙げて帳消しにできたんですけどね。そのままアトレティコのように引き分けるかと思いきや、後半ロスタイムに決勝ゴールをムニアインに奪われて、ペレグリーニ監督は初陣を2-1の黒星で終えることに。
▽まあ、こちらも完全にチーム編成は終わっていませんし、難所での試合でしたからね。早くもこの金曜午後10時15分にはブタルケに昨季まで5年間、レガネスを率いたガリターノ監督がレアル・ソシエダの指揮官として帰還してくるため、1部3年目の飛躍を期待するホームのファンの前でいいプレーを見せてくれればいいかと。ちなみにまた、その金曜はマドリッド勢の試合が連続開催となり、私は午後8時15分からのヘタフェvsエイバル戦のため、コリセウム・アルフォンソ・ペレスに行くことを選んだんですが、実は両スタジアムの場所は車なら10分程度の近さ。それでもメトロと徒歩で移動すると30分以上かかるため、梯子を断念するしかないのはこの先、きっと何度となくあるジレンマになりそうです。
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