【原ゆみこのマドリッド】代表に専念できるはずだったのに…

2018.06.02 13:00 Sat
▽「レガネスだって監督いなかったわよね」そんな風に私が思い出したのは金曜日、いえ、ジダン監督の電撃的辞任が発表された翌日には、後継の第1候補と目されたポチェッティーノ監督が自著「Un mundo nuevo/ウン・ムンド・ヌエボ(新たな世界)」の発売記念イベントでバルセロナを訪問していたんですけどね。この機会を逃すかとばかりに報道陣が詰めかけ、TVでインタビューが延々と流れている展開の速さに驚かされたものですが、でも彼は最近、トッテナムとの契約を5年間、延長したばかりですよ。もちろん天下のレアル・マドリーを率いることにイヤな顔をする監督は少ないとはいえ、あのレビー会長と交渉しないといけないとなると、いつぞやのモドリッチやベイルのように夏いっぱい時間がかかって、下手したらリーガが始まってしまうのでは?
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▽まあ、そうなれば8月15日にUEFAスーパーカップで対戦するお隣さんなどにとっては願ってもない好条件となるんでしょうが、候補の1人に挙げられている現在、ドイツ代表でプレW杯合宿中のレーブ監督も大体、チームが決勝まで行ったら、もうその時点でプレシーズン開始となる7月中旬ですからね。金曜にはマドリー行きを完全否定。先日のCL決勝で負けたばかりのリバプールのクロップ監督と今季はマドリーのフベニルA(RMカスティージャの下のユース)で好成績を収めたグティ監督の反応はまだ聞いていませんが、いやあ、リーガ最終節終了後にガリターノ監督がブタルケを去って、もう2週間も経つんですけどね。▽当人はさっさと転職先をレアル・ソシエダに決めて、アノエタで就任プレゼンまであったというのに先週半ばまで見かけたペジェグリーノ監督との交渉報道もいつの間にか立ち消えに。それ以外の候補の話など、全然聞かない弟分の新しい指揮官探しは一体、どうなっている?何せ、今週はセビージャにジローナから河岸を変えたマチン監督、アスレティックに今季途中でセビージャを解任されたベリッソ監督と、ヨソでは着々と新年度の人事が発表されていますからね。マドリッド勢では来季から1部に加わるラージョはミチェル監督の続投が濃厚、アトレティコ、ヘタフェもそれぞれシメオネ監督、ボルダラス監督が更なるプロジェクトを進展させていくことになっていますが、いやはや。
▽CL3連覇祝勝が一段落して、クリスチアーノ・ロナウドは彼女のジョルジーナさんとマルベジャ(スペイン南部のビーチリゾート)で休暇中。来週、ポルトガル代表の合宿に合流するまでコメントはしないようですし、同様にキエフで移籍を匂わせる発言をしたベイルなど、ウェールズはW杯に参加しないため、それこそゴルフ三昧で音沙汰がないようですからね。そこで仕方なく、ネイマール(PSG)の様子を見ながら、GKアリソン(ローマ)、オドリオソラ(レアル・ソシエダ)、ヒメネス(アトレティコ)、出戻りのマリアーノ(オリンピック・リヨン)、更にエリクソン(トッテナム)と、すでにこの夏の獲得選手候補のリストアップで紙面を埋めていた各スポーツ紙のマドリー番もこれからしばらく、監督候補の追っかけもしないといけないのはちょっと気の毒だったかと。

▽え、そうは言っても私もジダン監督の辞任には意表を突かれた1人じゃないのかって?そうですね、今週は月曜から、スペイン代表がラス・ロサス(マドリッド郊外)のサッカー協会施設で毎日、トレーニングしているため、天気の良くなった木曜に様子を伺いに行ったんですが、何せここ数年は代表もマドリーやアトレティコのように練習の公開を最初の15分に限定。ロンド(選手が輪の中に入ってボールを奪うゲーム)が終わった辺りで取材陣もグラウンドが見えないプレスルームに追いやられてしまうため、チームがどんな調子か、まったくわからないのが残念なんですが、今週の彼らは施設内のホテルで寝起きする義務もなかったようで、マドリッド在住の選手たちなど、自宅から通っていたとか。
▽その日はヘルプ要員のバジェホを除き、来週月曜まで合宿参加を免除されていたマドリーからの選出メンバーの中でナチョが先乗り出勤していましたが、私がバルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場でジダン監督の緊急記者会見があると知ったのは丁度、その1時間ぐらいのセッションが終わるのを待っている間。暇を持て余していた他の記者たちも一体、何を話すんだろうと首を捻っていたんですが、いやあ、今は本当にいい時代になりましたね。ジダン監督が選手たちに胴上げされていたサンティアゴ・ベルナベウでの祝勝イベントのように、スマホで実況中継を見ればいいやと思っていたところ、計算外はこちらでも時同じくして、アスピリクエタ(チェルシー)とジエゴ・コスタ(アトレティコ)の記者会見が始まってしまったから、さあ大変!

▽イヤホンを持って来ていなかったため、音声を聞けずにまさか、TVのレポーターの「ジダン監督が辞任を発表したが、どう思うか」という質問で重大ニュースを知るという間抜けぶりでしたけど、どうやら根耳に水だったのは演壇に上がっていた2人も同じだったよう。「初めて聞いた」、「Es oficial?/エス・オフィシアル(公式に?)」といぶかる彼らに、「公式、公式!」、「1時からの会見で言ったばかり」と記者たちが説明していましたが、「Mala suerte, acaba de ganar Champions y le echan, no tenia que haber ganado/マラ・スエルテ、アカバ・デ・ガナール・チャンピオンズ・イ・レ・エチャン、ノー・テニア・ケ・アベール・ガナードー(ツイていない。CL優勝したばかりでクビにされるなんて。勝たなくても良かったね)」って、いや、コスタですから。

▽それでもEL決勝前のメディアデーのようにマイクをグリグリ回して遊んでいないだけ、マシだったんですが、この日はフランス代表に行ってもだんまりを続け、バルサに移籍するかどうか決まってないクラブの同僚、グリーズマン関連以外の質問もありましたからね。前回、2014年のブラジルW杯ではデル・ボスケ監督にエースとして抜擢されながらも不発。チームもグループリーグ敗退に終わり、もちろん、そのシーズン最後の試合、リスボンでのCL決勝で当人がケガを再発したせいもあったんですけどね。2年前、スペインが16強対決で敗退したユーロ大会には呼ばれず、リベンジとなる今回は、折しもFIFA処分のせいで今年の1月からしか、アトレティコでプレーできなかったことが逆に強みになっているよう。

▽ええ、「シーズン通してプレーして、終盤にダウンする選手もいるけど、yo me encuentro bien, cada vez mejor, y a tope para llegar a esta Copa/ジョー・メ・エンクエントロ・ビエン、カーダ・ベス・メホール、イ・ア・トペ・パラ・ジェガール・ア・エスタ・コパ(ボクはいい感じだ。毎回良くなっている。このW杯に向けてトップギアさ)」だそうですが、CFとして最大のライバルだったモラタ(チェルシー)が招集メンバーに入っていないだけ、彼の得点における責任は重大。スタメンFWにはロドリゴ(バレンシア)やイアゴ・アスパス(セルタ)というチョイスもありますが、3月にワンダ・メトロポリターノであったアルゼンチンとの親善試合でコスタが先制点、イスコがハットトリックを挙げて6-1と大勝したように、ロシアではゴールの沢山入るスペインを見られるといいですよね。

▽そして午後からチームは自由時間となったんですが、明けて金曜午後からのセッションにはサプライズが。うーん、もしやジダン監督が、「Este equipo debe seguir ganando y necesita un cambio/エステ・エキポ・デベ・セギール・ガナンドー・イ・ネセシータ・ウン・カンビオ(このチームは勝ち続けないといけなくて、それには変化が必要)。自分との3年間の後、違う訓話、違う練習方法がいる」とtrigesimo(トリヘシモ/13回目のCL優勝のこと)の偉業こそ達成したものの、リーガやコパ・デル・レイで振るわなかったことから、チームのマンネリ化を懸念。「これからも勝ち続けると確信できないとしたら、それは代わる時」と自ら身を引いただけに、次はどんな監督が来るかわからないマドリーの選手たちも危機感を感じたんでしょうか。

▽ええ、今週はW杯を前にフラメンコ歌手のデマルコとイメージソングのビデオクリップ(http://www.sefutbol.com/video-sergio-ramos-y-demarco-flamenco-cantan-al-mundial-rusia2018)撮影などをしていたラモスを筆頭にイスコ、アセンシオ、ルーカス・バスケスが予定を早めて練習に参加。CL決勝で太ももを負傷したカルバハルだけは施設内で凍結療法の零下188度のタンクに入っていたりするため、姿を見ることはなかったんですが、もしや彼らもW杯で活躍すれば、新監督にいい印象を与えられると判断した?

▽まあ、個々の思惑はともかく、これで人数が増えたスペイン代表はヘルプ要員のうち、オジャルサバル(レアル・ソシエダ)、ウィリアムス、ウナイ・ニュネス(アスレティック)の3人をお役御免にして、土曜には日曜午後9時(日本時間翌午前4時)から、ラ・セラミカで行われるスイスとの親善試合のためにビジャレアル(スペイン南東部)に移動。現地では午後8時から公開練習が予定されています。先発予想などはまだ出ていないんですが、マドリーの選手たちはプレーしなくてもヴィッセル神戸に移籍したイニエスタやピケ、ブスケツ、ジョルディ・アルバらのバルサ勢、コスタ、コケ、サウールらのアトレティコ勢は月曜からずっと練習していますからね。シルバ(マンチェスター・シティ)やデ・ヘア(マンチェスター・ユナイテッド)ら、プレミアリーグ組など、先週からラス・ロサスに詰めているため、ロペテギ監督も贅沢な選手起用ができるかと。

▽そしてその試合の後、チームはマドリッドに戻り、来週木曜まで一般公開はなしで練習。それからW杯でのベースキャンプ地、クラスノダールに飛ぶスペインなんですが、現地では9日(土)に最後のテストマッチとしてチュニジアとの対戦も。本大会は15日のポルトガル戦からスタートし、20日にイラン戦、25日にはグループリーグ最終戦として、ファジル(ヘタフェ)やアムラバット(レガネス)のいるモロッコ戦に挑みます。ちなみに最近はマドリッド勢のいる他国の代表の親善試合も始まってきて、この水曜にはそれこそトマス(アトレティコ)がFKからガーナの先制点を挙げ、柴崎岳選手(ヘタフェ)も途中出場した日本に0-2と勝ったなんてこともあったそうですが、こちらではTV放送がなくて見ることができず。

▽この土曜のラージョの2部最終節もアウェイのグラナダ戦ですし、リーガ1部優勝を2連覇したアトレティコ・フェメニーノがバルサ女子とタイトルを争うコパ・デ・ラ・レイナ決勝もメリダ(スペイン西部)で開催とあって、マドリッドでは当分、生で試合観戦できそうもないのはちょっと寂しいかと。あ、そうそう来季のマハダオンダ(マドリッド近郊)にあるアトレティコの練習場にあるミニスタジアムは凄いことになりそうで、アトレティコB(2部B)とフェメニーノならず、2部昇格が決まったラージョ・マハダオンダ(ラージョのBチームではない)もそちらで公式戦ホームゲームを開催するとか。週末ごとに恐ろしい試合ラッシュとなりそうですが、そうなるとシメオネ監督のトップチーム男子はどこで非公開練習をやったらいいんでしょうかね。

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