【原ゆみこのマドリッド】お祝いは沢山、あった方がいい…

2018.05.26 13:00 Sat
▽「日曜夜のマドリッドは凄いことになるかも」そんな風に私がドキドキしていたのは金曜日、CL決勝の地、キエフに乗り込んだレアル・マドリーの試合後の予定を聞いた時のことでした。いやあ、先週の金曜はアトレティコのヨーロッパリーグ優勝祝賀行事でネプトゥーノの噴水を中心に通りがrojiblanco(ロヒブランコ/赤白のストライプ)に染まったんですが、お隣さんもtrigesimo(トリヘシモ/13回目のCL優勝のこと)を達成した場合、ウクライナから戻るのは5時間程の長旅。よって、恒例のシベレス広場への祝賀パレードやサンティアゴ・ベルナベウでのイベントは日を改めて、日曜午後に開催されるようなんですけどね。
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▽その脇で同じ日曜午後8時30分からはリーガ2部の41節が一斉にスタートし、ここ2試合、コルドバともう1つの2部のマドリッド勢アルコルコンに連敗。月曜にプレーしたウエスカに昇格確定1番乗りこそ、譲ってしまったものの、ラージョもバジェカスでルーゴに勝利するか、3位のスポルティングがグラナダに勝てなければ3年ぶりの1部復帰が決まることに。マドリー、アトレティコ、ヘタフェ、レガネスと肩を並べ、来季は前代未聞のマドリッド1部5チーム体制の幕開けとなれば、こちらでも大量のファンが駆けつける盛大な祝賀イベントが始まるのは容易に想像がついたから。▽いえ、同じマドリッド市内とはいえ、ベルナベウは北部、バジェカスは南部とメトロでも結構、離れているため、両チームのファンが混じり合うことはないと思いますけどね。ちょっと気の毒なのは大兄貴分のお祝いと被ってしまうと、その分、TVニュースで扱いが小さくなってしまうことですが、そんなの1部の大舞台に戻って来られるのに比べたら、何てことはない?万が一、予定が狂って、昨年のヘタフェのように昇格プレーオフに回ったりすると、6月中旬までシーズンが終わらないため、ラージョの選手たちも世間のCL決勝フィーバーには惑わされず、自分たちの仕事に集中してくれるといいのですが。
▽とはいうものの、私も今週はほとんどマドリー関連のニュースしか聞いておらず、火曜には決勝前オープン・メディアデーが開催されたバルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場を訪問。いやあ何せ、ここ3年連続の恒例行事ですからね。世界各国から来た130のメディアで満員のプレスコンファレンスルームとか、シーズン中唯一、フルで公開される練習を見るため、かなり広いバルコニーに鈴なりになっているカメラとかはもう、見慣れた風景と言っていいかと。選手も記者会見方式のアトレティコと違って、マドリーはTVやラジオ、活字等のメディア別に選手のインタビューゾーンを設けてくれるんですが、クリスチアーノ・ロナウドやベイルといった人気選手は放映権を持つ放送局やレアル・マドリーTVにしか話さないといったところも毎年同じで、いえ、別にナチョやバジェホに偏見がある訳じゃないんですけどね。

▽とはいえ、やっぱり決勝で主役になりそうな選手の顔を見たいと思ってしまうのが人情かと。ちなみに各紙の今週の先発予想記事を追っていくと、GKケイロル・ナバス、カルバハル、バラン、セルヒオ・ラモス、マルセロ、クロース、モドリッチ、カセミロ、ロナウドまでは確定で、残り2席をイスコ、ベイル、ベンゼマで争うという話から、ベルデベバスで「皆、準備できているよ。決めるのはジダン監督さ。それで給料もらっているんだから。Que se coma el marron/ケ・セ・コマ・エル・マロン(ババ引き役になるといい)」と笑っていたイスコがどうやら、1席を勝ち取ったような按配に。あとはベイルとベンゼマの競り合いとなりますが、リーガ最後の4試合で4ゴール挙げている前者の方が調子はいいのかもしれません。
▽え、さすがにここ5年間で4回CLに優勝ともなると、決勝前の雰囲気にもマンネリ感が出て来るんじゃないかって?いやあ、それにはジダン監督も2005年以来、CL優勝がなく、クロップ監督も2013年の決勝でドルトムントを率いてバイエルンに敗れた経験しかないことから、リバプールの方が燃えているんじゃないかと問われ、「相手には相手の事情が、ウチにはウチの事情があるが、no me puedes decir que vamos a tener menos hambre/ノー・メ・プエデス・デシール・ケ・バモス・ア・テネール・メノス・アンブレ(我々がハングリー精神で劣っているとは言えない)」と、温厚な彼にしてはかなり語気を強めて反論していましたしね。

▽ロナウドなども「Ganar mi quinta Champions seria la hostia/ガナール・ミ・キンタ・チャンピオンズ・セリア・ラ・オスティア(自分にとって5度目のCL優勝をゲットするのは最高だろう)」とマンチェスター・ユナイテッド時代の1回を加え、現在のチームで最多獲得選手になるのは励みになっているよう。実際、その上の6回はCL創成記の1900年代半ばにマドリーで達成したゲントだけですからね。当人が張り切るのも当然ですが、そんな中、今季はCL以外、リーガでもコパ・デル・レイでも優勝できなかったマドリーとあって、決勝ではベンチ外の可能性が高いテオが年子の兄、リュカにアトレティコのEL優勝を自慢され、「Espero que ganemos y ya se la devolvere yo/エスペロ・ケ・ガネモス・イ・ジャー・セ・ラ・デボルベレ・ジョ(ボクらも勝って、言い返してやるよ)」と息巻いていたのはまあ、気にしなくていいんですけどね。

▽それでも「Doblete del Barcelona? La Champions lo eclipsa/ドブレテ・デル・バルセロナ?ラ・チャンピオンズ・ロ・エクリプサ(バルサの2冠?CL優勝はそれをかすませるよ)」というラモスを筆頭に、W杯のスペイン代表合宿で顔を合わせるピケ、イニエスタ、ジョルディ・アルバ、ブスケツらの前で肩身の狭い思いはしたくない選手(イスコ、カルバハル、アセンシオ、ルーカス・バスケス、ナチョ)が複数いますからね。金曜日、会場のオリンピスキー・スタジアムでの前日練習ではセッション後、ラモスやイスコらがピッチで小さい息子たちを遊ばせていた光景にはちょっと???となったものの、きっとその辺もいいモチベーションになってくれるんじゃないでしょうか。

▽ちなみに相手のリバプールで話題になるのは1にプレミアリーグ得点王のサラ、2もサラ、3もサラといった感じだったんですが、エジプト人の彼は現在、イスラム教のラマダン(断食)中。チームに帯同しているスペイン人トレーナーからの情報では先週、マルベジャ(スペイン南部のビーチリゾート)で合宿していた際には日が出ている間、飲食はしないという教えを守り、母国の新聞でも「ラマダンをきっちりやって、家族もお供えに子牛3頭を捧げる予定」なんて報道もあったんですが、どうやらこの木曜からは通常の食事に戻したとか。

▽それが怖いのはとりわけ、彼のいる右サイドでは「よく攻撃参加する選手だが、守備をしない」と英紙のインタビューでクロップ監督が名指ししたマルセロとマッチアップすることになるから(当人はその発言を前日に否定)。あまりエネルギー満々で来られたら、他にもマネやフィルミーノら、得点力のあるFWと相まって、苦労しそうな気がするんですが、試合前日記者会見に出た当人は「Sabemos lo que tenemos que hacer, yo sé exactamente cómo tengo que jugar/サベモス・ロ・ケ・テネモス・ケ・アセール、ジョ・セ・エクサクタエンテ・コモ・テンゴ・ケ・フガール(ボクらは何をしないといけないか、わかっている。自分もどういう風にプレーするか正確に知っているよ)」とまったく心配していないよう。

▽もちろんマドリーには取られたら取り返せる攻撃力もありますしね。現地への航空運賃も宿泊費も天文学的に跳ね上がっているにも関わらず、応援に駆けつけた両チームのファンも撃ち合いの方が楽しめるのは間違いないかと。そんなCL決勝は土曜午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)キックオフ。ちなみにアトレティコ同様、今回はチケットが完売せず、UEFAに1000枚を返したというマドリーですが、これが当日売りに回るのかは不明です。マドリッドではサンティアゴ・ベルナベウで大スクリーンを全方向に向けて設置したパブリック・ビューイングの他、市内にある映画館でも観戦イベントがあるため、滞在中の方は覗いてみるのもいいかもしれませんね。

▽え、すでにバケーションに入っているアトレティコも今週はシーズン最後の親善試合があったんだろうって?そうなんですよ、実はW杯出場の各国代表に招集されているメンバーを除いて、月曜にナイジェリアに向かった彼らは同国代表Bチームと対戦。GKオブラクが出た前半に31分にはヌワクリにエリア前から撃ち込まれ、先制されてしまったものの、それから2分もしないうちにトマスの奪ったボールをもらい、コレアが敵GKとの1対1で同点ゴールをゲットしてくれます。後半には、これが本当に最後にアトレティコのユニを着てプレーする機会となったフェルナンド・トーレスが19分、コレアからのCKをヘッドで決めてリードを奪ったんですが…まさか34分、カンテラーノ(アトレティコBの選手)2人がゴール前で敵にあっさりかわされ、追いつかれてしまうとは、まったく情けない。

▽でも大丈夫、40分にはビトロのラストパスをもらったフベニル(Bチームの1つ下のカテゴリー)所属のボルハ・ガルセスがエリア内からシュートを決めて、最後は2-3と勝ったアトレティコでしたが、何せこの日参加していたトップチームのメンバーはまだ移籍先を決めていないトーレスはともかく、7月初旬まで長いオフを楽しめますからね。W杯に行かないスロベニア代表の招集を免除されたオブラクなど、特に今季の疲れを癒してほしいかと。ちなみにモンテネグロ代表のサビッチはこの遠征に行かなかったんですが、水曜にはドイツで恥骨炎とヘルニアの手術をしたそうで、プレシーズンキャンプには回復が間に合うというのは朗報でしょう。

▽その横でファンが一番、気になっているグリーズマンはリュカと一緒にフランス代表の合宿に入り、クレールフォンテーヌで毎日、汗を流しているんですが、今のところ、先行きに関するコメントはまったくなし。コケ、サウール、ジエゴ・コスタのスペイン代表組は来週月曜、ラス・ロサス(マドリッド郊外)のサッカー協会施設でマドリーメンバーだけ除いたトレーニングが始まるまでの短い1週間、バケーションに精を出しているようです。まあ、W杯に参加する選手たちに関してはCL決勝が終わったら、また情報も増えてくると思いますけどね。もう弟分チームなどはせいぜい、レガネスを退団したガリターノ監督がレアル・ソシエダと3年契約を結んだぐらいで、あとは移籍関連記事ぐらい。ヘタフェもレガネスもW杯に行く選手は数人止まりですし、クラブのファンには寂しい時期になってしまったといったところでしょうか。

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