【ブンデスリーガ・シーズン総括】最優秀選手はレヴァンドフスキ!

2018.05.24 21:00 Thu
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★ハインケス緊急登板でV時回復のバイエルンが敵なしの6連覇
▽圧倒的な戦力を誇るバイエルンが順当に6連覇を成し遂げた。2季目を迎えたアンチェロッティ体制下で出だしに躓いたバイエルンだったが、9月に見切りを付け、2012-13シーズンに3冠に導いた老将ハインケス監督を招へい。ここからV時回復した王者はリーグを無双し、第10節で首位に立って以降、1度も首位の座を明け渡すことなく5試合を残して6連覇を成し遂げた。

▽バイエルンの対抗馬が今季も現れなかった中、混戦のチャンピオンズリーグ(CL)出場権争いを制したのはシャルケ、ホッフェンハイム、ドルトムントとなった。シャルケは32歳のテデスコ新監督が手腕を発揮。1部初挑戦だった上、多くの主力を入れ替えた中、DFナウドを軸としたチーム編成が見事にハマり、4シーズンぶりのCL出場権を手にした。

▽3位に滑り込んだのも若手指揮官率いるホッフェンハイムとなった。2年半前に監督に就任した現在30歳のナーゲルスマン監督率いるホッフェンハイムはヨーロッパリーグ(EL)を戦いつつの難しいシーズン前半を送ったが、シーズン後半に怒涛の追い上げを見せ、昨季の4位を上回る3位でフィニッシュ。昨季は予備予選で涙を呑んだクラブ史上初のCL出場を決めている。
▽最終節で辛くも4位に踏み留まったのはドルトムント。ボス新監督の下、スタートダッシュに成功したものの10月に入って急失速。守備の脆さを突かれ、失点がかさんだ。その後、12月にケルンを解任されていたシュティーガー監督によって守備が幾分か改善され、のらりくらりの戦いぶりだったが、最低限の4位フィニッシュでCL出場権を手にすることに成功した。

▽逆にあと一歩でCL出場に手が届かなったのがレバークーゼン。クラブOBのヘルリッヒ新監督の下で攻撃サッカーを標榜したが取りこぼしが多く、リーグ戦一本に集中できるアドバンテージを生かしきれなかった。レバークーゼン同様、ELに回ることになったライプツィヒはCLとの兼ね合いに苦しんだシーズンとなった。
▽残留争いではDF酒井高徳とFW伊藤達哉のハンブルガーSVがついにクラブ史上初の降格を喫し、FW大迫勇也のケルンが5シーズンぶりの降格となった。一方でFW武藤嘉紀のマインツは武藤のシーズン終盤の活躍もあって残留を勝ち取っている。

【最優秀選手&監督】
★最優秀選手
◆FWロベルト・レヴァンドフスキ(バイエルン)
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▽3年連続30ゴールには惜しくも届かなかったものの、29ゴールを奪って3度目のブンデス得点王に輝いた。ライバルのオーバメヤンが移籍したことで張り合いのない得点王争いとなったが、さすがの決定力で他の追随を許さなかった。シーズン後半戦はワグナーの加入もあって良好なコンディションを保ってプレーできたことも大きかった。

★最優秀監督
◆ユップ・ハインケス(バイエルン)
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▽アンチェロッティ監督の解任を受けて急遽バイエルンの監督に就任した73歳の名将を選出。4年前にバイエルンを3冠に導いた後に監督業を引退していたハインケス監督だが、そのブランクを感じさせず、不協和音が生じていたチームを見事に立て直して見せた。ハインケス監督就任後、ミュラーとハメス・ロドリゲスが見違えるようなパフォーマンスを発揮したこともバイエルンの独走に拍車がかかった。

【期待以上】
★チーム
◆シャルケ
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▽昨季は不振に陥り、6シーズンぶりに欧州カップ戦出場を逃したシャルケだったが、新進気鋭の指揮官であるテデスコ監督を招へいしたことが吉と出た。3バック採用やMFマックス・マイヤーの中盤アンカー起用など、柔軟な采配でチーム力を上げたチームは、混戦のCL出場権争いを制すに至った。

★選手
◆FWミッチー・バチュアイ(ドルトムント)
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▽冬にチェルシーからレンタルで加入したストライカーは、イングランドでくすぶっていた才能を見事に発揮した。リーグ戦10試合で7ゴールを奪い、ドルトムントの復調を後押しする存在となった。シーズン終盤、負傷で戦列を離れたが、自身の価値を取り戻す移籍となった。

【期待外れ】
★チーム
◆ケルン&ハンブルガーSV
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▽昨季5位と躍進し、25年ぶりに欧州カップ戦出場を果たしたケルンが5季ぶりに降格となった。昨季チーム内得点王のモデストが移籍したチームは深刻な得点力不足に陥り、未勝利が続いた。シュティーガー監督解任後、ようやく前半戦最終戦で勝利を手にしたが、後半戦に入ってもエンジンがかからなかった。また、近年残留争いを常に強いられていた名門のHSVもついにクラブ史上初の降格となった。3度の監督交代も実らず、キャプテンを務めた酒井高は、不名誉なクラブの歴史に名を刻んでしまった。

★選手
◆MFマハムド・ダフード(ドルトムント)
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▽ボルシアMGで台頭した22歳のMFは、最後までドルトムントに馴染むことができなかった。ギュンドアンを彷彿とさせるプレースタイルで攻撃面でアクセントを付けられるタイプのプレーメーカーだが、その持ち味を発揮することはできなかった。ブンデスリーガでの先発は11試合に留まった。

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