【六川亨の日本サッカー見聞録】ハリル解任にファンのリアクションを嘆く落語家の師匠
2018.05.11 14:05 Fri
▽昨日は久しぶりに旧知のサッカー仲間と痛飲した。彼は1964年の東京五輪でサッカーを見て虜になり、高校時代はインターハイにも出場したが、現在の職業は落語家のお師匠さんという変わり種だ。その彼から、「なぜハリルホジッチ監督を解任したのか意見を聞きたい」とメールが届き、サッカー仲間による飲み会となった。
▽それというのも、かつて森ジャパンは85年に行われたメキシコW杯ではアジア最終予選まで進出した。結果は韓国にホームでもアウェーでも敗れてW杯初出場はかなわなかった。しかし、それまで夢でしかなかったW杯を身近に感じさせた日本代表だった。
▽続く石井監督も87年のソウル五輪アジア最終予選で中国に敗れて辞任した。その後を引き継いだのが横山監督だったが、ファンの期待が膨らんだ89年のイタリアW杯予選では、あろうことか1次予選で敗退。翌年のダイナスティカップやアジア大会でも不振は続いた。
▽さらに97年のフランスW杯アジア最終予選では、加茂監督の更迭後、岡田監督はアウェーのウズベキスタン戦を1-1で引き分けたものの、ホームのUAE戦でも勝ちきれずに1-1のドローに終わる。この結果、日本は自力によるW杯出場が消滅した。
▽試合後の国立競技場では、正面ゲートにファンが殺到し、カズに向かって卵が投げつけられ、駐車してある高級車にレンガを投石されるなど騒然とした事態になった。怒ったカズはファンに詰め寄ろうとしたものの、サッカー専門誌のカズ番の記者が羽交い締めにして混乱を押しとどめた。選手と関係者は身の危険を感じ、2時間近くも国立競技場内にとどまることになった。
▽当時のJFAは渋谷の246号線沿いのビル内にあったが、このビルにもJFAを批判するメッセージがスプレーで書かれていた。これらの行為はけして褒められたものではない。ただ、低迷する日本代表に対してファンは「横山辞めろ」コールをし、W杯初出場という悲願達成に危機感を抱いて暴走したのだと思う。
▽そうしたファン・サポーターの“熱い気持ち”が、アギーレやハリルの解任に対し、何のアクションも起こさなかったことに師匠は疑問を抱いていた。それは、W杯出場が「当たり前」と思っていることと、「W杯では勝てない」ことを肌感覚でファン・サポーターは知っているからではないだろうか。それはそれで、寂しいことでもある。
▽師匠は「3戦全敗でしょうけど、1勝か2引き分けでもしたら、西野監督を田嶋会長は讃えるんでしょうね」とつぶやいた。結論として一致したのは、ロシアW杯に臨むのは西野ジャパンではなく田嶋ジャパンであること。結果については田嶋会長が責任を負うべきだということで、飲み会はお開きとなった。
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▽彼いわく「W杯直前での監督交代と、後任には監督交代の責任を取るべき西野さんが就任したのは納得できない。田嶋会長が解任理由に挙げたコミュニケーション不足も抽象的で理解しにくい。いっそのこと、『ハリルではW杯で勝てない』と言ってくれた方がファンとしては納得しやすい」と苦言を呈していた。▽その疑問は正鵠を射ていると思う。ただ、すでに決まった人事であるので、いまさら振り返っても時間の無駄でもある。そこで師匠が口にしたのは、「サッカーファンの熱量が下がっているのではないか?」という疑問だった。▽続く石井監督も87年のソウル五輪アジア最終予選で中国に敗れて辞任した。その後を引き継いだのが横山監督だったが、ファンの期待が膨らんだ89年のイタリアW杯予選では、あろうことか1次予選で敗退。翌年のダイナスティカップやアジア大会でも不振は続いた。
▽すると90年11月のコニカカップで「横山を解任せよ」という横断幕が国立競技場に掲げられ、91年の天皇杯決勝では「横山辞めろ」コールまで起こった。さらに、当時「日本サッカー狂会」の一員だった青年が「横山監督交代要求」の署名をサッカーファンから集め、原宿にあった岸記念体育館内のJFA(日本サッカー協会)に提出する事態まで発展した。それだけ多くのファンが、横山監督に対して不信感と危機感を抱いていた。
▽さらに97年のフランスW杯アジア最終予選では、加茂監督の更迭後、岡田監督はアウェーのウズベキスタン戦を1-1で引き分けたものの、ホームのUAE戦でも勝ちきれずに1-1のドローに終わる。この結果、日本は自力によるW杯出場が消滅した。
▽試合後の国立競技場では、正面ゲートにファンが殺到し、カズに向かって卵が投げつけられ、駐車してある高級車にレンガを投石されるなど騒然とした事態になった。怒ったカズはファンに詰め寄ろうとしたものの、サッカー専門誌のカズ番の記者が羽交い締めにして混乱を押しとどめた。選手と関係者は身の危険を感じ、2時間近くも国立競技場内にとどまることになった。
▽当時のJFAは渋谷の246号線沿いのビル内にあったが、このビルにもJFAを批判するメッセージがスプレーで書かれていた。これらの行為はけして褒められたものではない。ただ、低迷する日本代表に対してファンは「横山辞めろ」コールをし、W杯初出場という悲願達成に危機感を抱いて暴走したのだと思う。
▽そうしたファン・サポーターの“熱い気持ち”が、アギーレやハリルの解任に対し、何のアクションも起こさなかったことに師匠は疑問を抱いていた。それは、W杯出場が「当たり前」と思っていることと、「W杯では勝てない」ことを肌感覚でファン・サポーターは知っているからではないだろうか。それはそれで、寂しいことでもある。
▽師匠は「3戦全敗でしょうけど、1勝か2引き分けでもしたら、西野監督を田嶋会長は讃えるんでしょうね」とつぶやいた。結論として一致したのは、ロシアW杯に臨むのは西野ジャパンではなく田嶋ジャパンであること。結果については田嶋会長が責任を負うべきだということで、飲み会はお開きとなった。
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