【原ゆみこのマドリッド】来週はもっと熱くなる…

2018.04.28 12:00 Sat
▽「同じ人出不足でも何か違う」そんな風に私が首を捻っていたのは金曜日、マドリッド両雄のヨーロッパの大会準決勝1stレグが終わり、ええ、準々決勝からはCLも2ndレグが1週間後に来てしまいますからね。早速、出場できない選手をチェックしていたんですが、水曜にミュンヘンでバイエルン戦があったレアル・マドリーはイスコが肩を痛めて全治1カ月、カルバハルも左の太ももをケガしてしまい交代。どうやらここのところ、ずっとリハビリを続けているナチョも来週火曜のサンティアゴ・ベルナベウ、2ndレグには間に合わないようだとか。
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▽その一方で木曜日にロンドンであったヨーロッパリーグ準決勝では、いやあ、元々、今季後半はフィールドプレーヤー17人だけという人数になっているアトレティコですが、現在はフィリペ・ルイスとフアンフラン、ジエゴ・コスタの負傷で14人という超少数精鋭に。コスタこそ、チェルシー時代に築いたプレミアリーグでの評判を買って、アーセナルの守備陣を心理的に脅かしてやろうとシメオネ監督も思ったんでしょうかね。エミレーツ・スタジアムのピッチ脇で後半、アップに精を出していましたが、幸いながら出場には至らず、2014年にアトレティコがリーガ優勝を決めたバルサとの最終戦、お隣さんとのリスボンでのCL決勝の轍は踏まず、最悪の悲劇は避けられたものの、2枚イエローカードをもらって退場したベルサイコが次戦出場停止に。▽それどころか、その数分後、審判に侮辱的な言葉を使って抗議したとして、彼を追うように退場させられたシメオネ監督など、パルコ(貴賓席)で観戦中、クラブの職員を使って指示を送っていたという、至極当たり前ながら、UEFA規則に違反したという嫌疑までかけられて、ワンダ・メトロポリターノでの準決勝2ndレグはもちろんのこと、リヨンでの決勝どころか、来季にも影響する最長4試合のベンチ入り禁止が科されるかもしれないって言うんですよ。
▽え、監督は試合でプレーしないし、もうFIFA処分も解けているため、夏には補強で選手数も増えているだろうから、別にそんなに深刻にならなくてもいいんじゃないかって?そうなんですが、とにかく来週木曜の2ndレグを乗り切らないといけないですからね。当然、ファンの応援はアテにできるとはいうものの、いつもベンチ前で盛り上げ役をしてくれるシメオネ監督がいないとなると少々、雰囲気的に心配ですが、そんなところはいかにもアトレティコ。シーズンのクライマックがやって来た今頃になって、面倒な事態を引き起こしてくれましたっけ。

▽まあ、とりあえずこのミッドウィークの報告をしておくことにすると、火曜にはCL準決勝1stレグでリバプールが5点を取って先勝。私もクロップ監督のチームの強さには度肝を抜かれたんですが、何せ、ローマには準々決勝で4-1の負けを3-0とひっくり返し、バルサを敗退に追いやった実績がありますからね。アンフィールドでも終盤に2点を返しているため、来週水曜のオリンピコで奇跡のremontada(レモンターダ/逆転劇)第2弾が見られるかもしれないと、期待してしまうファンは結構いるのでは?
▽その2チームのどちらが決勝でマドリーと対決するのかなんてことを考えながら、翌水曜、私はアトレティコを追ってロンドンへ。前回、4年前にCL準決勝チェルシー戦を見に行った時にはアンダーグラウンド(地下鉄)のストに見舞われ、2階建てバスの路線を探してスタンフォード・ブリッジとホテルを往復なんて苦労もしたんですが、今回は無事にピカデリーラインのHalloway Road駅から、徒歩数分のスタジアムに到着。プレスルームであった試合前記者会見ではゴディンなど、「Sabemos que será una eliminatoria dura y muy igualada/サベモス・ケ・セラ・ウナ・エリミナトリア・ドゥラ・イ・ムイ・イグアラーダ(厳しくてとても拮抗した試合になるのはわかっている)」と言っていたものの、まだその時はあんな恐ろしい展開が待っているとは夢にも思っていなかったに違いありません。

▽その後、ピッチでのアトレティコの練習を15分だけ見せてもらい、急いでキックオフの迫ったバイエルンvsマドリー戦を流しているパブをホテルの近くで探したんですが、さすがCLも準決勝となると、イングランドのチームではなくとも店内は超満員。出遅れたせいで、ずっと立ち見することになりましたが、アルジェリア系でジダン監督を尊敬しているというイギリス人のオジさんと意気投合し、ビールを奢ってくれたのはともかく、何より開始9分でロッベンが負傷、すでにチアゴ・アルカンタラに代わっているって、もしやその日のマドリーにはツイがあった?

▽それでも28分にはマルセロのサイドを上がったキミッヒにバイエルンの先制点をゲットされてしまった彼らでしたが、34分にはボアテングも太ももを痛めてジューレに交代。すると44分にはマルセロがカルバハルのクロスをエリア前から決め、面目躍如の同点に持ち込んでくれたから、助かったの何のって。ただねえ、ケガがうつる訳はないんですが、イスコが肩の負傷でハーフタイムにはアセンシオにバトンタッチ。その彼のゴールで後半12分にはリードを奪ったため、結果的には禍転じて福となすだったのかもしれませんが、思ったより重傷でキエフでの決勝にも間に合わないとなれば、もしや頭を抱えているのは6月にW杯が待っているスペイン代表のロペテギ監督も同じだったかも。

▽おまけに22分にはカルバハルまで太ももを痛め、その日のベンチには右SB控えのアクラフも入っていませんでしたからね。ベンゼマを投入し、ベイルを押しのけて先発していたルーカス・バスケスのポジションを下げるというジダン監督の判断は妥当だったかと。結局、試合はそのまま1-2でマドリーの先勝で終わったんですが、30分にはハビ・マルティネスも頭部打撲で交代せざるを得なかったバイエルンだったため、ハインケス監督としてもその日は不運を嘆くしかなかったかと。

▽ええ、実際、来週の試合にもボアテングは出られず、「The battle is lost but the war is not over ???? we will get our chances in Madrid!(戦いには負けたが戦争は終わっていない?ウチはマドリッドでチャンスを掴むだろう)」と試合後には自身のツイッター(https://twitter.com/FranckRibery/status/989439900670971904?ref_src=twsrc%5Etfw&ref_url=https%3A%2F%2Fas.com%2Ffutbol%2F2018%2F04%2F26%2Fchampions%2F1524740730_531592.html&tfw_creator=diarioas&tfw_site=diarioas)で気勢を挙げていたものの、ロッベンも回復待ちで出場が微妙ですからね。ちなみにこの1stレグのスコアは昨季の準々決勝1stレグと同じで、その時はサンティアゴ・ベルナベウでの2ndレグでバイエルンが2点を挙げて、延長戦に突入。最後はマドリーが4-2で勝って準決勝に進出できたものの、今回は果たしてどうなることやら。ミュンヘンでは不発だったクリスチアーノ・ロナウド、レバンドフキ共々、来週こそは火を噴きそうな気がするんですが…希望としては90分で試合が終わってほしいです。

▽そして木曜は、一部のアーセナルファンには不思議がられていたようなんですが、キックオフ10分前から赤と、チームカラーの白ではなく、銀の旗で覆い尽くされたエミレーツ・スタジアムのスタンドの美しさに私が感動している暇もあればこそ。開始2分にはウィルシャーへのファールでイエローカードをもらっていたベルサイコが9分、今度はラガゼットへのタックルで2枚目を出されているって、こんな空気を読まない審判、あっていい?あまりにも早くから人数的劣勢になったため、シメオネ監督もついエキサイトしすぎて3分後に退場させられてしまったんでしょうが、いえ、ロンドンまで応援に駆けつけた1500人のアトレティコファンはここそとばかりに肺から声を振り絞っていましたけどね。

▽左SBにはトマスを充てたものの、当然ながら、アーセナルの猛攻が始まったため、私など、生きた心地もしなかったんですが、前半は相手のシュートに精度がなかったのが幸い。そうこうするうち、グリーズマンもチャンスを見つけて2度程、撃つことができたものの、いやいいです。下手にリードして、敵を刺激した日には、逆襲を喰らってgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)されちゃうかもしれないじゃないですか。それだけに0-0のまま、ハーフタイムに入った際には、私もスコアレスドローで逃げ切れればという気分になっていたんですが…。

▽もちろんそうは問屋が卸さず、後半15分にはとうとうウィルシャーのクロスをラカゼットが頭でネットに沈めてしまったから、さあ大変!そこでシメオネ監督はワントップになっていたガメイロを下げてガビ、更にはコレアに代えてサビッチと、被害を最少得点差で済ませようと守備の人員を増やしていったんですが、いやあ、驚かされましたね。37分、自陣からヒメネスが蹴ったロングパスにグリーズマンが追いつき、コシエルニをかわしてシュート。これはGKオスピナに弾かれてしまったものの、ゴール前でムスタフィが滑ってくれたおかげもあり、こぼれ球をゴールにしているって、そんな上手い話があっていい?

▽いえ、この試合、1人も選手交代をしなかったヴェンゲル監督は「Once they were down to 10 men, it destroyed a bit the flow of the game and it was not to our advantage(彼らが10人に減ったせいでゲームの流れが少し壊れて、ウチのアドバンテージにはならなかった)」と言っていましたけどね。何より偉かったのは相変わらず、ようようパスも繋がらなかったアトレティコが決して試合を諦めず。「hay que tener huevos para defender asi 80 minutos..../アイ・ケ・テネール・ウエボス・パラ・デフェンデール・アシー・オチェンタ・ミヌートス(ああいう風に80分、守るには根性がいる)」というシメオネ監督の賞賛はもっともで、いつもながら、GKオブラクの獅子奮迅の活躍もあったんですが、それだけでなく、ワンチャンスをモノにしているんですから、しっかりしているじゃないですか。

▽ええ、同点ゴールの後は今季限りでアトレティコを退団するフェルナンド・トーレスに交代、馴染みのプレミアリーグのファンにお別れを言う機会を作ってあげたグリーズマンも「Un fallo del rival es gol, sabemos aprovechar los errores/ウン・ファジョデル・リバル・エス・ゴル、サベモス・アプロベチャール・ロス・エローレス(ライバルの失敗がゴールになった。ボクらは敵のミスを利用することを知っている)」と胸を張っていましたが、アウェイでの1-1の引き分けですよ。あの大ピンチから、ホームでの2ndレグを前にして、スコアレスドローでも勝ち抜けられる結果を掴んでいるとなれば、もしやEL優勝候補ナンバーワン扱いされているのは決して伊達ではなかった?

▽もうこうなると、お隣さん同様、バルサの優勝決定が秒読みに入っている週末のリーガ戦など、邪魔なばかりに感じてしまうファンも多いかと思いますが、そうはいかないのが辛いところ。何せ土曜にはもうマドリーとレガネスのミニダービーが午後6時30分(日本時間翌午前1時30分)から、始まりますからね。ちなみにこのカード、今季のコパ・デル・レイ準々決勝2ndレグの再戦で、その時は弟分が1-2とサンティアゴ・ベルナベウで勝利して、逆転突破を達成。本来なら、マドリーも今度こそ、ベストメンバーを揃えてリベンジを期すところですが、やはりバイエルン戦が火曜に迫っているだけにどうやら、またしてもロナウドやモドリッチのいないBチーム編成になる可能性が高いかと。

▽そして日曜は正午(日本時間午後7時)から、ヘタフェがジローナをコリセウム・アルフォンソ・ペレスに迎えるんですが、折しも金曜夜の試合ではレバンテがセビージャに2-1と勝利したため、後者と同じ勝ち点のヘタフェ、1ポイント少ない9位のジローナにとっては来季のEL出場権がもらえる7位に喰いこめるビッグチャンスが到来。ここ3試合、柴崎岳選手の出場がないのはともかく、今季昇格組がヨーロッパへの大会に一気にステップアップという意味では盛り上がる試合になりそうな。

▽一方、アトレティコは日曜午後4時15分(日本時間午後11時15分)から、前節に残留を確定したアラベスのホームを訪ねますが、万が一、マドリーが前日、レガネスと引き分け以下だった場合、彼らも勝利できないと、日曜最後の自身の試合を待つまでもなく、ここでバルサの優勝が確定。うーん、一応、同じドローなら、リーガの2位争いには影響ないですし、それならシメオネ監督もいっそローテーションしちゃえばなんて思いますが…いやはや、今節はヒメネスが累積警告というのもあって、そこは少数精鋭のため、あまり選択肢がないんですよ。

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