【原ゆみこのマドリッド】首位決戦になるらしい…

2018.03.03 10:00 Sat
▽「あと4日って言ってもまだリーガ戦があるのに」そんな風に私が白けていたのは金曜日、というのもこのところ、レアル・マドリー関連のニュースはネイマール情報に特化。AS(スポーツ紙)など、早くもパリ入りしている特派員から、先週末のリーグ1のオリンピック・マルセイユ戦で負ったケガは足首のネンザだけでなく、第5中足骨の骨折も判明、結局、当人はW杯を優先して母国ブラジルのベロオリゾンテで手術を受けることに。要はCL16強対決PSG戦2ndレグには出られないということを仔細に渡って伝えてきたかと思いきや、土曜にヘタフェとのマドリーミニダービーを控え、バルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場であった監督記者会見内容もほとんど、来週火曜の対戦についてだったから。

▽いえ、一応、ジダン監督は「Yo sigo pensando que hay Liga para nosotros/ジョー・シゴ・ペンサンドー・ケ・アイ・リーガ・パラ・ノソトロス(自分はウチにもまだリーガ優勝の目があると考えている)。難しいが、不可能ではない」と言っていましたけどね。確かに彼らと首位バルサの勝ち点差15がずっとこのままなら、33節まで夢を見ていることはできますが、選手たちも人間ですからねえ。残り12試合でライバルが5敗、もしくは8分けもするなんて、天地がひっくり返りでもしない限り、ありえないと思っていても仕方ないですし、この先、降格やヨーロッパの大会出場権を懸けて真剣に挑んでくるチームと当たり、CLしか目に入っていない自身が足元をすくわれることだってあるかもしれませんし…そう、まさにそれが今週のミッドウィーク開催リーガのエスパニョール戦だったんですよ。

▽いえ、キケ・サンチェス・フローレス監督の率いるチームにはアトレティコも昨年12月、1年余り続いていたリーガのアウェイ無敗記録を破られましたし、バルサも1月のコパ準々決勝1stレグで敗戦。全てRCDEスタジアムで終盤にゴールを奪われ、1-0の負けと、決して火曜の対戦で同じ轍を踏んだマドリーを責められはしないんですけどね。ただ、この日もジダン監督は先週のブタルケでのレガネス戦に続いてクリスチアーノ・ロナウドにお休みを与え、週1試合ペースをキープ。その時は1-3と快勝したのに安心したか、ベンゼマもベンチスタート、ベイルをCFに置くという奇策に出たのが裏目に出たんでしょうかね。クロース、モドリッチ、マルセロが負傷欠場、カセミロも急性胃腸炎で遠征に参加できずというのもあったんですが、イスコ、ルーカス・バスケス、アセンシオ、ジョレンテ、アクラフらで構成されたチームは、コパ準々決勝2ndでレガネスに逆転勝ち抜けを許した汚名を返上することはできませんでしたっけ。
▽うーん、前半はエスパニョールの堅い守りに阻まれ、後半には何度もカウンターのチャンスを許していた彼らだっただけに、私もロスタイムにとうとうセルヒオ・ガルシアのパスから、ジェラール・モレモがゴールを挙げた時にはいつぞやのデジャブを見ているような気がしたものですけどね。イスコなど、後半まだ0-0の時にベンゼマと交代させられ、まるで引き分け狙いかのようにピッチをノロノロ歩いて戻ってきたり、終盤にセルヒオ・ラモスがCFとして攻撃に参加して、守りが手薄になっていたのが仇になったり、試合後は試合後でバランが「A veces somos capaces de lo mejor y de lo peor/ア・ベセス・ソモス・カパセス・デ・ロ・メホール・イ・デ・ロ・ペオール(ボクらは時に最上なことと最低なことが可能)」とかつてのお隣さんみたいなことを言っていたりと、どうにもリーガのマドリーには突っ込みどころが多すぎ。

▽こうなると、翌水曜、ドシャ降りの雨の中、コリセウム・アルフォンソ・ペレスでデポルティボと対戦。降格圏にドップリ浸り、セードルフ新監督の下でもまったく改善の兆しを見せない相手のミスに乗じ、前半終了間際にはアンヘルがゴールライン上から押し込んで先制すると、続いてそのアンヘルのラストパスをボベダがオウンドールして2-0とリードして折り返すことに。後半にも敵DFのバックパスを追ったホルヘ・モリーナがvaselina(バセリーナ/ループシュート)で3点目を挙げ、3-0と完勝した弟分のヘタフェが勢いづいてサンティアゴ・ベルナベウに乗り込んで来る、土曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)からのミニダービーもどうなることやら。
▽実際、今度はロナウドがスタメン復帰予定、マルセロも負傷が治ってベンチに入るとはいえ、マドリーにとってはあくまでCL戦に備えての足慣らしという位置付けの試合ですからね。何だか、誰もが1stレグでは3-1と快勝しているのを忘れているみたいですが、たとえネイマールがいなくても、カバーニやムバッペ、そして水曜のクープ・ド・フランス準々決勝でも2得点と、マルセイユを下す原動力となったディ・マリアのいるPSGの攻撃力には用心しないといけない?一方、シーズン前半は1-2で惜敗したヘタフェは丁度、アマトが5枚目のイエローカードをもらったため、このマドリー戦で出場停止。おかげでデポルティボ戦では後半19分からピッチに入った柴崎岳選手の先発見込みが高まっていますし、まだチケットも3000枚程残っているそうなので、折よくマドリッド訪問中の日本人ファンにも観戦のチャンスがありそうですよ。

▽え、そんなお隣さんと対照的にアトレティコの調子が劇的に良くなってきたのはCLの重荷がないせいもあるんじゃないかって?そうですね、来週木曜にはヨーロッパリーグ16強対決、ロコモティブ・モスクワとの1stレグが迫っている彼らですが、コペンハーゲンとの32強対戦の時同様、ロシアからのウルトラ(過激なファン)集団がワンダ・メトロポリターノに襲来するかもしれない懸念を除いたら、相手の話は一向に聞こえてこず。その脇で中国スーパーリーグに行ったカラスコ、ガイタンに続き、前日には控えGKのモヤまでレアル・ソシエダ(1月末にイニゴ・マルティネスがアスレティックに契約破棄金額で移ったため、1カ月の補強猶予期間があった)に電撃移籍、とうとうチームに19人しか選手がいなくなってしまったというショッキングなニュースがあったにも関わらず、ようやく雨が止んだ水曜夜のレガネス戦では滅多にお目にかかれない光景を目撃することに。

▽それはグリーズマンのpoker(ポケル/1試合4得点のこと)で、だってえ、彼は前節のセビージャ戦でもハットトリックを挙げていたんですよ。もちろんその流れで調子はいいのだろうとは思っていたものの、まさかあそこまでだったとは!ええ、序盤はエラソや、グンバウとガブリエル・ピレスのダブルチャンスなどでレガネスが気を吐いたんですが、「No vale solo con tener ocasiones/ノー・バレ・ソロ・コン・テネール・オカシオネス(チャンスを作るだけでは価値がない)」とガリターノ監督も後で反省していた通り、前半26分にワンマンショーが開幕。まずはコケが自陣から出したスルーパスを追ってエリア内まで走ると、GKクエジェルの下を抜いて1点目を決めます。

▽続いては35分、その日は最初のFKでもバーを直撃していた彼が2度目の正直で直接ネットに収めてくれたため、とりわけ今季は1点死守のケチ臭い試合に慣れていた私など、もう前半だけでグリーズマンとジエゴ・コスタを引っ込めて、バルサ戦に備えて温存すればいいのにと思ったぐらいでしたけどね。当人はまだ飽きたらなかったのか、後半も11分にはフィリペ・ルイスのクロスをヘッドで、22分にはコスタのクロスを利き足でない右で半ば打ち損じながらもゴールに。計4点を1人で挙げてしまったとなれば、2人同時に交代となった27分の直前、1対1をクエジェルに弾かれてしまったコスタがプリプリしながらベンチに戻って行ったのも、気持ちはわからなくはない?

▽結局、そのまま4-0で快勝したアトレティコでしたが、ここ2試合で7得点と尋常でないゴール数を記録したグリーズマンは丁度いい機会だと思ったか、ピッチでのフラッシュインタビューで「コメントやファンに黙るような仕草をしたりして間違うことはあるけど、en el campo no me equivoco/エン・エル・カンポノー・メ・エキボコ(ピッチで自分は間違えない)」と、2月のバレンシア戦でカウンターのチャンスにパスを後ろに出してファンからpito(ピト/ブーイング)を受けた際のリアクションについて言及。まあ、今更ながらですが、先日はシメオネ監督も「自分がファンなら、グリーズマンが来季も残ってくれるよう、何でもする」と全面的にバックアップ、それに応えてスタンドも応援してくれたのは本人も嬉しかったんでしょうね。

▽その後、「Primero que no se acostumbren a que meta tres y cuatro goles/プリメーロ・ケ・ノー・セ・アコストゥンブレン・ア・ケ・メタ・トレス・イ・クアトロ・ゴーレス(最初に言うけど、3つも4つもゴールを入れるのに慣れちゃダメだよ)」と始めた記者会見では、コスタと一緒にプレーできるようになったのを「Me da mucha libertad/メ・ダ・ムーチャ・リベルタッド(自分が大いに自由を与えてくれる)」と高く評価。曰く、「サイドに流れたり、中に入ったり、好きなことができるし、前線での対象もできた。彼が敵DFとぶつかって、ボクはリバウンドにスタンバイ」だそうですが、何より頼もしいのはグリーズマンのシュート精度が上がってきたことだったかと。

▽そんな好調極まりないアトレティコを見てしまっただけに、日曜午後4時15分(日本時間翌午前0時45分)からのカンプ・ノウでもいい試合をしてくれることを期待してしまった私でしたが、いやあ、天は自ら助くる者を助くってこと、本当にあるんですねえ。翌木曜には再び、首位バルサとの勝ち点差が7に戻るのを覚悟していたところ、パコ・ヘメス監督のラス・パルマスがジャッジにイロイロ議論はありながら、カレリのPKゴールで1-1の引き分けに持ち込んでしまったから、ビックリしたの何のって。これで1位と2位の差は勝ち点5。もしももしも、この直接対決にアトレティコが勝ったら、たったの2差って、つまりあとは5月のクラシコ(伝統の一戦)でお隣さんが協力してくれさえしれば、逆転優勝できるかもしれない?

▽いや、彼らにだってベルナベウでのダービーがありますし、木曜のベティス戦を零封して、GKモヤが立派にソシエダデビューをしてしまったため、オブラクはもう風邪すら引けないなど、もちろんまだ取らぬ狸の皮勘定にしかすぎませんけどね。1カ月前は11ポイント差と全然、つまらなかったリーガ優勝戦線が俄然、興味深いものになってきたのはきっと私だけではないはず。ちなみにその試合、バルサではあとイエローカード1枚で累積警告だったルイス・スアレスが難を逃れ、出場できるんですが、そこは「En la cancha no hay amigos/エン・ラ・カンチャ・ノー・アイ・アミーゴス(ピッチでは友達はいない)」(ヒメネス)という、ゴディンとのウルグアイ代表CBコンビを信頼するしかないかと。うーん、本当に怖いのはラス・パルマス戦でも見事なFKゴールを決めたメッシなんですけどね。こればっかりはどうしようもないため、当日、ツキが味方してくれることを祈るしかありません。

▽そしてアトレティコにも負けてしまったため、とうとう6試合白星なしとなってしまったレガネスは土曜に最下位のマラガをブタルケに迎えるんですが、何せその後はアスレティック、セビージャ、バレンシア、バルサと手ごわい相手との対戦が続きますからね。順位が16位になってしまったのは、勝ち点30で降格圏にまだ勝ち点差10あるため、あまり気にしなくてもいいかと思いますが、ガリターノ監督も「Las diferencias en Primera entre unos equipos y otros es abismal/ラス・ディフェレンシアスエン・プリメーラ・エントレ・ウノス・エキポス・イ・オトロス・エス・アビスマル(1部でのチーム間の差は深淵のように大きい)」と言っていたように、とにかくこの試合が踏ん張り時。とりあえず、弟分ライバルのヘタフェのように勝ち点36ぐらい貯めれば落ち着くはずですが、残留確定にはあと3勝ぐらいは必要でしょうかね。

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