【原ゆみこのマドリッド】戻って来たのはCLだけじゃない…
2018.02.13 11:30 Tue
▽「今度こそホントよね」そんな風に私が頷いていたのは月曜日、スペイン・サッカー協会理事会の会合でようやく、4月21日に開催されるコパ・デル・レイ決勝の会場がワンダ・メトロポリターノに決定したという記事をスポーツ紙のネット版で見つけた時のことでした。いやあ、FAカップはウェンブリー、クープ・ド・フランスはスタッド・ド・フランス、DFBポーカルはオリンピアシュタディオンといったように、ヨーロッパの主要リーグでは決勝のスタジアムが固定されているのとは違って、スペインは毎シーズンどこになるかわからず。それでも丁度、今季はアトレティコの新しいホームが華々しくオープンしたとあって、誰もがその任を授かるとつい最近までは疑っていなかったんですけどね。
▽それが、いえ、別にアトティコが準々決勝であっさり敗退してしまったせいではありませんよ。ファイナリスタがセビージャとバルサに決まった後、前者のホセ・カストロ会長が決勝は地元のサンチェス・ピスファンかエスタディオ・オリンピコがいいと主張。後者は後者でコパ5連覇を永遠のライバルのお膝元で果たしたいという、嫌味な願いもあって、サンティアゴ・ベルナベウを希望する声もあったものの、その週末に重なるリーガ34節のベティス戦をコパ決勝翌日の日曜にプレーすることになっても準備は滞りなくできると、クラブが請け合ったのが効いたんでしょうか。結局、アトレティコの望み通り、会場はワンダと決まったんですが、そのベティス戦の方も同じ節のセビージャvsレアル・マドリー戦、バルサvsビジャレアル戦と一緒に5月9日に延期されることに。
▽実際、これはまだ取らぬ狸の皮勘定ですが、ありがたいことにパルケン・スタディオンはすでにチケット完売。スペインからも勇気あるアトレティコファン400人が応援に駆けつけると言われている、この木曜午後9時5分(日本時間翌午前5時5分)からの32強対決コペンハーゲン戦1stレグから始まるヨーロッパリーグ決勝トーナメントを順調に勝ち上がっていったとしたら、その頃は準決勝間近と佳境に入っているはずですからね。もちろんコパ決勝でトロフィーを掲げ、初年度からワンダに歴史を刻む夢が無残に砕けた後ですし、参加チームにドルトムントやアーセナル、ナポリ、ミランといった老舗もある中、5月16日のリヨンでのEL決勝に出ようなんて、昨今のプレーぶりからすれば、高望みもいいところなのかもしれないんですが…どういう訳か、最近アトレティコにリーガ優勝争いの目が戻って来たみたいなんですよ。
▽え、先週末はマドリッド勢のトップバッターとしてマラガ戦に挑んだ彼らだったけど、開始41秒、ベルサイコのスローインを敵がクリアしたところ、サウールがエリア前からシュート。ケコに当たってエリア内にこぼれたボールをグリーズマンが素早く拾って先制点を挙げてから、後は何もなかったじゃないかって? まあ、そのゴールの後、当人が用具係の渡してくれたユニフォームをかざし、先日、サッカーをプレー中に急死した15歳のアトレティコファン、ナチョ・バルベラ君に哀悼の意を捧げていたのは感動的だったんですけどね。その日もパスが3回と続かないせいで、ジエゴ・コスタにボールが届かなかったのもありますが、せっかくリーガ初先発を飾ったビトロも実力を示すことができず。
▽結局、その後、枠内シュートが1本もなかったチームで目立ったのは、「lo de hoy fue extraordinario, estando en todos los sitos, arriba, abajo, cortando centros/ロ・デ・オイ・フエ・エクスラオルディナリオ、エスタンドー・エン・トードス・ロス・シティオス、アリバ、アバッホ、コルタンドー・セントロス(今日は格別に素晴らしかった。クロスをカットしたり、前線でも後方でも全ての場所にいた)」とシメオネ監督も褒めていたグリーズマンの攻守に渡る獅子奮迅ぶりと、いつもながらのGKオブラクの安定感。後半43分にはコスタと代わったフェルナンド・トーレスにラセン(冬の市場でヘタフェとの契約を解除してマラガに移籍)が頭をぶつけ、担架退場となったこともあり、最後は10人で戦った相手にそのまま0-1で勝利したんですが、いやはや。
▽ただそんな勝利でも実になったのは多分に翌日曜、弟分のヘタフェがカンプ・ノウで頑張ってくれたおかげで、まず驚かされたのはキックオフ前、顔なじみのオンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)の記者が、まあ私にしてくれたバルサ戦の先発予想が外れたせいもあったんでしょうかね。柴崎岳選手のスタメン出場を伝えてきてくれたことなんですが、いやいや。まさかボルダラス監督がエースのホルヘ・モリーナを外してくるなんて、誰も予想できませんって。その日の前線を担ったアンヘルや柴崎選手もシュートを撃って得点を狙ったんですが、まあそれはともかく、何より助けになったのは先週木曜にバレンシアとコパ準決勝2ndを戦っていたバルサには、「Nos falto chispa para hacer algo mas/ノス・ファルト・チスパ・パラ・アセール・アルゴ・マス(ウチはもっと何かをするための火花が欠けていた)」(バルベルデ監督)ということ。
▽幸い前半終了間際のルイス・スアレスのゴールもオフサイドを取ってもらえましたしね。そこへ「Hemos hecho un gran partido a nivel defensivo, alternando marcas a Messi/エモス・エッチョー・ウン・グラン・パルティードー・ア・ニベル・デフェンシボ、アルテルナンドー・マルカス・ア・メッシ(ウチは守備のレベル的に素晴らしい試合をした。交代でメッシをマークしながらね)」(ボルダラス監督)というヘタフェの堅守が功を奏し、GKグアイタのparadon(パラドン/スーパーセーブ)にも助けられた彼らは終了の笛が鳴るまで、相手を無得点に抑えることに成功。スコアレスドローで勝ち点1をマドリッドに持ち帰って来るんですから、何て頼りになる弟分なんでしょう!
▽おかげでここ2節連続の引き分けとなったため、バルサと2位のアトレティコとの差が勝ち点11から7に縮小。いえ、まだ世間は本気にしていないからか、お隣さんと違い、奇跡のremontada(レモンターダ/逆転優勝)体質がアトレティコに備わっていないせいか、リーガ23節から、この差をひっくり返した前例があるのかといった情報はまだ出ていないんですけどね。楽観的なファンからは「直接対決とクラシコ(伝統の一戦)で勝ち点1差になる」なんて意見も聞かれたんですが、いや、アトレティコもマドリーもカンプ・ノウで勝てるんですか?
▽まあその辺は何ですが、とりあえずリーガ次節はアトレティコが日曜にワンダでアスレティック戦、バルサは土曜にアウェイのエイバル戦ですから、今度は乾貴士選手の力を借りることができるかも。一方、ヘタフェもホームのコリセウム・アルフォンソ・ペレスでセルタ戦なんですが、こちらは月曜午後9時からの設定。終わる時間が遅いのは気になりますが、徒歩1分のLos Espartales(ラス・パスパルタレス)駅から、メトロスールと10号線でセントロ(マドリッド市内中心部)に戻れる地下鉄は午前1時過ぎまでありますし、15分歩いてLas Margaritas(ラス・マルガリータス)駅でセルカニアス(国鉄近郊路線)を捕まえるにしても、終電の午後11時40分には間に合うと思うので、チケットの取りやすそうな試合としてお勧めはできます。
▽え、コパ疲れが出たのは準決勝でセビージャに敗退したレガネスも同じじゃないかって?そうですね、先週末はアトレティコの次の時間帯にブタルケにエイバルを迎えた弟分の片割れだったんですが、こちらは最後の最後までゴールが生まれず。それでもミッドウィークに試合がなく、体力満々で攻めてくる相手の攻撃を凌いでいたものの、後半ロスタイム4分、CKからラミスがヘッドを叩き込み、土壇場で勝ち点3を持っていかれることに。とはいえ、それでも彼らは12位ですし、消化試合が1つ少ないという状態ですから、別に悲観することはないんですけどね。今週は金曜にジローナ戦をプレーした後、いよいよ来週水曜にはその延期されていたマドリー戦が到来。その後は日程も楽になるため、少しずつコパ酔いを解消して、1部残留ライン確定に早く近づけたらと思います。
▽そして土曜の夜、サンティアゴ・ベルナベウに足を運んで私が見た、マドリーの今季が懸かったCL16強対決PSG戦のensayo general/エンサージョ・ヘネラル(総合リハーサル)、レアル・ソシエダ戦はどうだったのかというと。いやあ、それが前半は完璧な出来で、お隣さんに対抗するかのように開始50秒、クリスチアーノ・ロナウドのクロスをルーカス・バスケスがヘッドして、先制点が決まっているんですから、驚いたの何のって。逆にまたその後、何も起きないのだろうかと私も先行き不安に駆られたものでしたが、いえいえ、とんでもない。29分にはマルセロの折り返しをゴール前でロナウドがコースを変えて2点目、33分にもクロースがエリア前から決めると、その3分後にはロナウドがCKを頭で叩き込み、前半だけで4点差をつけているんですから、心強いじゃないですか。
▽うーん、この日のジダン監督はベイル、カセミロ、ナチョを温存していたんですけどね。ルーカス・バスケスとアセンシオを入れた4-4-2のシステムが良かったのか、「Claro que estaba presente el partido del miercoles en la segunda parte.../クラーロ・ケ・エスタバ・プレセンテ・エル・パルティードー・デル・ミエルコレス・エン・ラ・セグンダ・パルテ(後半、水曜の試合が頭にあったのは当然)」(セルヒオ・ラモス)というハーフタイム後は、ブスティンサとイジャラメンディに守備のミスからGKケイロル・ナバスが破られ、2点を返されていただけに、PSG戦ではBBC(ベイル、ベンゼマ、ロナウドの頭文字)の揃い踏みにあまり、固執しない方がいいんじゃないかとも思ったんですが…。
▽いえ、CL再開が目の前に迫ってきたためか、その日は傍目でも明らかな程、ハングリー精神に満ち溢れていたロナウドが35分、3本目のゴールを挙げ、今季初のハットトリックを達成できたのは途中出場のベイルのシュートをGKルリがこぼしてしまったせいというのは否定できませんけどね。どうにも間が悪かったのはベンゼマでまさか、最後のプレーでベイルのゴール前へのラストパスを天高く撃ち上げてしまい、場内から大きなpito(ピト/ブーイング)を浴びて試合を終えることになるとは。結局、この日は5-2の大勝、ジダン監督も「Tengo claro quien va a jugar el miercoles/テンゴ・クラーロ・キエン・バ・ア・フガール・エル・ミエルコレス(水曜にプレーするメンバーは決めている)」と屈託なく言っていたものの、ちょっとこのベンゼマの状態は、「es importante que equipo y aficion esten unidos/エス・インポルタンテ・ケ・エキポ・イ・アフィシオン・エステン・ウニドス(チームとファンが一体になることが大事)」(ルーカス・バスケス)なビッグマッチを前に気になるかと。
▽そこへ加わるのがマドリーには昨年12月のセビージャ戦以来、リーガで無失点に終わった試合がないということで、このPSG戦には3月6日に2ndレグもあるんですよ。昨季は同じラウンドでバルサに4-0とホームで先勝しながら、2ndレグで6-1と大逆転負けを喰らった相手ですが、今年はネイマールやエムバペでかなりパワーアップしているとなれば、たとえ大勝してもアウェイゴールを奪われるのは怖いような。ええ、グループリーグ5節のドルトムント戦でわざとイエローカードをもらい、最終節のアポエル戦で累積警告を済ませようとしたとして、これが2試合目の出場停止となっているカルバハルなども、「右SBをやるナチョもアクラフもわかっているだろうけど、向こうが絶好調でなくて、自分が最高の状態の日でないと、ネイマールと対峙するのは難しい」と認めていましたっけ。
▽そんなPSG戦1stレグは水曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)キックオフ。もうとうにチケットは売り切れで、ネットやスタジアム周辺に出没するダフ屋からは1万ユーロ(約140万円)越えなんて法外な値段が聞こえてくるんですが、丁度、マドリッドに旅行に来ているファンでしたら、ラモスがソシエダ戦直後、自身のツイッター(https://twitter.com/SergioRamos/status/962462712788930561)で呼びかけたように、サンティアゴ・ベルナベウの角にあるlos Sagrados Corazones(ロス・サグラードス・コラソネス)広場で午後6時30分にチームバスのお出迎えをしてもいいかも。
▽いえ、人が多すぎてバスが見えないかもしれませんし、側でbengala(ベンガラ/発煙筒)とか炊かれたら怖いですし、実際、まだ16強対決、しかも1stレグの時点でやることじゃないんですけどね。とはいえ、ここで躓いてしまってはかつて6シーズン程、続いた3月でマドリーのCLが終わるという10年以上前の悪夢が蘇ってしまいますからね。アトレティコもいない折、私もまだしばらくはヨーロッパ最高のクラブが見られる大会がマドリッドで続いてほしいんですが…。
▽それが、いえ、別にアトティコが準々決勝であっさり敗退してしまったせいではありませんよ。ファイナリスタがセビージャとバルサに決まった後、前者のホセ・カストロ会長が決勝は地元のサンチェス・ピスファンかエスタディオ・オリンピコがいいと主張。後者は後者でコパ5連覇を永遠のライバルのお膝元で果たしたいという、嫌味な願いもあって、サンティアゴ・ベルナベウを希望する声もあったものの、その週末に重なるリーガ34節のベティス戦をコパ決勝翌日の日曜にプレーすることになっても準備は滞りなくできると、クラブが請け合ったのが効いたんでしょうか。結局、アトレティコの望み通り、会場はワンダと決まったんですが、そのベティス戦の方も同じ節のセビージャvsレアル・マドリー戦、バルサvsビジャレアル戦と一緒に5月9日に延期されることに。
▽実際、これはまだ取らぬ狸の皮勘定ですが、ありがたいことにパルケン・スタディオンはすでにチケット完売。スペインからも勇気あるアトレティコファン400人が応援に駆けつけると言われている、この木曜午後9時5分(日本時間翌午前5時5分)からの32強対決コペンハーゲン戦1stレグから始まるヨーロッパリーグ決勝トーナメントを順調に勝ち上がっていったとしたら、その頃は準決勝間近と佳境に入っているはずですからね。もちろんコパ決勝でトロフィーを掲げ、初年度からワンダに歴史を刻む夢が無残に砕けた後ですし、参加チームにドルトムントやアーセナル、ナポリ、ミランといった老舗もある中、5月16日のリヨンでのEL決勝に出ようなんて、昨今のプレーぶりからすれば、高望みもいいところなのかもしれないんですが…どういう訳か、最近アトレティコにリーガ優勝争いの目が戻って来たみたいなんですよ。
▽結局、その後、枠内シュートが1本もなかったチームで目立ったのは、「lo de hoy fue extraordinario, estando en todos los sitos, arriba, abajo, cortando centros/ロ・デ・オイ・フエ・エクスラオルディナリオ、エスタンドー・エン・トードス・ロス・シティオス、アリバ、アバッホ、コルタンドー・セントロス(今日は格別に素晴らしかった。クロスをカットしたり、前線でも後方でも全ての場所にいた)」とシメオネ監督も褒めていたグリーズマンの攻守に渡る獅子奮迅ぶりと、いつもながらのGKオブラクの安定感。後半43分にはコスタと代わったフェルナンド・トーレスにラセン(冬の市場でヘタフェとの契約を解除してマラガに移籍)が頭をぶつけ、担架退場となったこともあり、最後は10人で戦った相手にそのまま0-1で勝利したんですが、いやはや。
▽いえ、シメオネ監督自身も「Tenemos que mejorar, pero ganando es mas facil hacerlo/テネモス・ケ・メホラール、ペロ・ガナンドー・エス・マス・ファシル・アセールロ(ウチは向上しないといけないが、勝ちながらの方がやりやすい)」と言っていたものの、ここ2週間、コパ敗退のおかげで週1試合ペースになったにも関わらず、最下位のマラガにも最少得点差勝利しかできない有様ですからね。いくらゴディンとサビッチの負傷のおかげで先発が回ってきたヒメネスが、「Lo importante es ganar, nadie se va a acordar de como jugaste contra el Malaga/ロ・インポルタンテ・エス・ガナール、ナディエ・セ・バ・ア・アコルダール・デ・コモ・フガステ・コントラ・エル・マラガ(大事なのは勝つこと。マラガにどんな風に勝ったかなんて誰も思い出しはしない)」と開き直っていたとて、90分間、いつものバル(スペインの喫茶店兼バー)でイライラしながら、じっと見ているこちらの身にもなってくださいって。
▽ただそんな勝利でも実になったのは多分に翌日曜、弟分のヘタフェがカンプ・ノウで頑張ってくれたおかげで、まず驚かされたのはキックオフ前、顔なじみのオンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)の記者が、まあ私にしてくれたバルサ戦の先発予想が外れたせいもあったんでしょうかね。柴崎岳選手のスタメン出場を伝えてきてくれたことなんですが、いやいや。まさかボルダラス監督がエースのホルヘ・モリーナを外してくるなんて、誰も予想できませんって。その日の前線を担ったアンヘルや柴崎選手もシュートを撃って得点を狙ったんですが、まあそれはともかく、何より助けになったのは先週木曜にバレンシアとコパ準決勝2ndを戦っていたバルサには、「Nos falto chispa para hacer algo mas/ノス・ファルト・チスパ・パラ・アセール・アルゴ・マス(ウチはもっと何かをするための火花が欠けていた)」(バルベルデ監督)ということ。
▽幸い前半終了間際のルイス・スアレスのゴールもオフサイドを取ってもらえましたしね。そこへ「Hemos hecho un gran partido a nivel defensivo, alternando marcas a Messi/エモス・エッチョー・ウン・グラン・パルティードー・ア・ニベル・デフェンシボ、アルテルナンドー・マルカス・ア・メッシ(ウチは守備のレベル的に素晴らしい試合をした。交代でメッシをマークしながらね)」(ボルダラス監督)というヘタフェの堅守が功を奏し、GKグアイタのparadon(パラドン/スーパーセーブ)にも助けられた彼らは終了の笛が鳴るまで、相手を無得点に抑えることに成功。スコアレスドローで勝ち点1をマドリッドに持ち帰って来るんですから、何て頼りになる弟分なんでしょう!
▽おかげでここ2節連続の引き分けとなったため、バルサと2位のアトレティコとの差が勝ち点11から7に縮小。いえ、まだ世間は本気にしていないからか、お隣さんと違い、奇跡のremontada(レモンターダ/逆転優勝)体質がアトレティコに備わっていないせいか、リーガ23節から、この差をひっくり返した前例があるのかといった情報はまだ出ていないんですけどね。楽観的なファンからは「直接対決とクラシコ(伝統の一戦)で勝ち点1差になる」なんて意見も聞かれたんですが、いや、アトレティコもマドリーもカンプ・ノウで勝てるんですか?
▽まあその辺は何ですが、とりあえずリーガ次節はアトレティコが日曜にワンダでアスレティック戦、バルサは土曜にアウェイのエイバル戦ですから、今度は乾貴士選手の力を借りることができるかも。一方、ヘタフェもホームのコリセウム・アルフォンソ・ペレスでセルタ戦なんですが、こちらは月曜午後9時からの設定。終わる時間が遅いのは気になりますが、徒歩1分のLos Espartales(ラス・パスパルタレス)駅から、メトロスールと10号線でセントロ(マドリッド市内中心部)に戻れる地下鉄は午前1時過ぎまでありますし、15分歩いてLas Margaritas(ラス・マルガリータス)駅でセルカニアス(国鉄近郊路線)を捕まえるにしても、終電の午後11時40分には間に合うと思うので、チケットの取りやすそうな試合としてお勧めはできます。
▽え、コパ疲れが出たのは準決勝でセビージャに敗退したレガネスも同じじゃないかって?そうですね、先週末はアトレティコの次の時間帯にブタルケにエイバルを迎えた弟分の片割れだったんですが、こちらは最後の最後までゴールが生まれず。それでもミッドウィークに試合がなく、体力満々で攻めてくる相手の攻撃を凌いでいたものの、後半ロスタイム4分、CKからラミスがヘッドを叩き込み、土壇場で勝ち点3を持っていかれることに。とはいえ、それでも彼らは12位ですし、消化試合が1つ少ないという状態ですから、別に悲観することはないんですけどね。今週は金曜にジローナ戦をプレーした後、いよいよ来週水曜にはその延期されていたマドリー戦が到来。その後は日程も楽になるため、少しずつコパ酔いを解消して、1部残留ライン確定に早く近づけたらと思います。
▽そして土曜の夜、サンティアゴ・ベルナベウに足を運んで私が見た、マドリーの今季が懸かったCL16強対決PSG戦のensayo general/エンサージョ・ヘネラル(総合リハーサル)、レアル・ソシエダ戦はどうだったのかというと。いやあ、それが前半は完璧な出来で、お隣さんに対抗するかのように開始50秒、クリスチアーノ・ロナウドのクロスをルーカス・バスケスがヘッドして、先制点が決まっているんですから、驚いたの何のって。逆にまたその後、何も起きないのだろうかと私も先行き不安に駆られたものでしたが、いえいえ、とんでもない。29分にはマルセロの折り返しをゴール前でロナウドがコースを変えて2点目、33分にもクロースがエリア前から決めると、その3分後にはロナウドがCKを頭で叩き込み、前半だけで4点差をつけているんですから、心強いじゃないですか。
▽うーん、この日のジダン監督はベイル、カセミロ、ナチョを温存していたんですけどね。ルーカス・バスケスとアセンシオを入れた4-4-2のシステムが良かったのか、「Claro que estaba presente el partido del miercoles en la segunda parte.../クラーロ・ケ・エスタバ・プレセンテ・エル・パルティードー・デル・ミエルコレス・エン・ラ・セグンダ・パルテ(後半、水曜の試合が頭にあったのは当然)」(セルヒオ・ラモス)というハーフタイム後は、ブスティンサとイジャラメンディに守備のミスからGKケイロル・ナバスが破られ、2点を返されていただけに、PSG戦ではBBC(ベイル、ベンゼマ、ロナウドの頭文字)の揃い踏みにあまり、固執しない方がいいんじゃないかとも思ったんですが…。
▽いえ、CL再開が目の前に迫ってきたためか、その日は傍目でも明らかな程、ハングリー精神に満ち溢れていたロナウドが35分、3本目のゴールを挙げ、今季初のハットトリックを達成できたのは途中出場のベイルのシュートをGKルリがこぼしてしまったせいというのは否定できませんけどね。どうにも間が悪かったのはベンゼマでまさか、最後のプレーでベイルのゴール前へのラストパスを天高く撃ち上げてしまい、場内から大きなpito(ピト/ブーイング)を浴びて試合を終えることになるとは。結局、この日は5-2の大勝、ジダン監督も「Tengo claro quien va a jugar el miercoles/テンゴ・クラーロ・キエン・バ・ア・フガール・エル・ミエルコレス(水曜にプレーするメンバーは決めている)」と屈託なく言っていたものの、ちょっとこのベンゼマの状態は、「es importante que equipo y aficion esten unidos/エス・インポルタンテ・ケ・エキポ・イ・アフィシオン・エステン・ウニドス(チームとファンが一体になることが大事)」(ルーカス・バスケス)なビッグマッチを前に気になるかと。
▽そこへ加わるのがマドリーには昨年12月のセビージャ戦以来、リーガで無失点に終わった試合がないということで、このPSG戦には3月6日に2ndレグもあるんですよ。昨季は同じラウンドでバルサに4-0とホームで先勝しながら、2ndレグで6-1と大逆転負けを喰らった相手ですが、今年はネイマールやエムバペでかなりパワーアップしているとなれば、たとえ大勝してもアウェイゴールを奪われるのは怖いような。ええ、グループリーグ5節のドルトムント戦でわざとイエローカードをもらい、最終節のアポエル戦で累積警告を済ませようとしたとして、これが2試合目の出場停止となっているカルバハルなども、「右SBをやるナチョもアクラフもわかっているだろうけど、向こうが絶好調でなくて、自分が最高の状態の日でないと、ネイマールと対峙するのは難しい」と認めていましたっけ。
▽そんなPSG戦1stレグは水曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)キックオフ。もうとうにチケットは売り切れで、ネットやスタジアム周辺に出没するダフ屋からは1万ユーロ(約140万円)越えなんて法外な値段が聞こえてくるんですが、丁度、マドリッドに旅行に来ているファンでしたら、ラモスがソシエダ戦直後、自身のツイッター(https://twitter.com/SergioRamos/status/962462712788930561)で呼びかけたように、サンティアゴ・ベルナベウの角にあるlos Sagrados Corazones(ロス・サグラードス・コラソネス)広場で午後6時30分にチームバスのお出迎えをしてもいいかも。
▽いえ、人が多すぎてバスが見えないかもしれませんし、側でbengala(ベンガラ/発煙筒)とか炊かれたら怖いですし、実際、まだ16強対決、しかも1stレグの時点でやることじゃないんですけどね。とはいえ、ここで躓いてしまってはかつて6シーズン程、続いた3月でマドリーのCLが終わるという10年以上前の悪夢が蘇ってしまいますからね。アトレティコもいない折、私もまだしばらくはヨーロッパ最高のクラブが見られる大会がマドリッドで続いてほしいんですが…。
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