【原ゆみこのマドリッド】ようやくコパが終わって…
2018.02.10 10:15 Sat
▽「これって最高の旅程よね」そんな風に私が感心していたのは金曜日、週明けの降雪から始まって連日、朝晩の気温はマイナスに。そこへ北風まで吹いて全然、外出する気にならなかった今週のマドリッドだったんですが、その日は少し寒さが和らいだため、ヘタフェの練習場を訪ねてみたところ、日本から来たという女子2人に遭遇。フットテニスやロンド(輪になって中にいる選手がボールを奪うゲーム)などの軽い試合2日前のセッションを終え、グランドから上がって来る柴崎岳選手のサインやツーショットの写真をゲットした彼女たちは明日にはバルセロナに移動して観光、日曜にはカンプ・ノウでバルサvsヘタフェ戦を見ることになっていると聞いた時のことでした。
▽それでもバルサにも木曜のコパ・デル・レイ準決勝2ndレグにヒザのケガを押して出たピケが休養見込み、ベルマーレンはまだリハビリ中、そしてウムティティは出場停止。CBが1月に入ったジェリー・ミナ(パルメイラから移籍)しかおらず、DFに駒が足りないという弱点が今回はありますから、何とか無失点を終盤まで保ち、今季シーズン前半の対戦でゴールを挙げている柴崎選手が途中出場から決勝点を奪うなんて展開になったら、練習場で遭った彼女たちには一生記憶に残るラッキーな旅行になるかと思いますが、さて。そんなバルサvsヘタフェ戦は日曜午後4時15分(日本時間翌午前0時15分)からキックオフ。ちなみにこういう流れでスペイン観光定番のマドリッドとバルセロナを回る予定のあるファンにお勧めの次の日程は3月の第1週で、3日の土曜にサンティアゴ・ベルナベウでレアル・マドリーvsヘタフェ戦、日曜はカンプ・ノウでバルサvsアトレティコ戦なんていうのはおいしいと思いますよ。
▽え、いきなり週末の話になっているってことは、やっぱりレガネスはコパ決勝に行けなかったのかって?そうなんですよ、準々決勝では大先輩のマドリーにサンティアゴ・ベルナベウで1-2と勝利、逆転突破を果たしていた彼らは今回、1stレグで1-1という拮抗した状態でセビージャに挑んだんですけどね。一応、ガリターノ監督も「Queríamos evitar el arranque fuerte que suele tener el Sevilla/ケリアモス・エビタルエルアランケ・フエルテ・ケ・スエレ・テネール・エル・セビージャ(セビージャがよくやる序盤の猛攻を避けたかった)」と言っていたように兄貴分の片割れ、アトレティコが準々決勝2ndレグ開始23秒で失点したような大ポカはしなかったんですが、何せ先週、ブタルケで私が観戦した時も両チームのレベルの差と言いますか、全般的に押され気味でしたからね。
▽うーん、後でガリターノ監督は「延長戦に入った場合、ゲレロを入れていたら、バランスが崩れていただろう」と言っていましたけどね。クロスを放り込んでキャプテンのヘッドで何とかしてもらうという算段もあったのかもしれませんが、とにかく負けているですから、ここは先を考えずにFWを入れた方が良かった?そうこうするうち、セビージャのカウンターがはまり、残り1分にフランコ・バスケスが2点目をゲット。これで総合スコア3-1と完全に息絶えてしまったレガネスでしたが、無料バス6台を連ねて応援に駆け付けたファン400人もスタンドでチームを称えていたように、このコパでビジャレアル、マドリーと強豪を倒してきた彼らの健闘は立派としか言いようがありませんって。
▽年明けからずっと続いた週2試合ペースにも絶妙のローテーションで息切れしなかったですしね。選手たちにも自信がついたことでしょうし、木曜朝にセビージャ(スペイン南部)からAVE(スペインの新幹線)で帰京した彼らにはなるたけ早く、気持ちを切り替えて、チームの根本目標である1部残留を速やかに達成してほしいかと。ちなみに今週末、レガネスは土曜午後6時30分(日本時間翌午前2時30分)から、ホームに先日、近々契約延長が決まりそうだ報じられた乾貴士選手のいるエイバルをブタルケに迎えるんですが、奇しくも前節、セビージャに5-0と大勝した相手とはいえ、幸いガリターノ監督のチームにはコパ準決勝による負傷者は発生しておらず。
▽リーガでは現在、お隣さんのヘタフェと同じ勝ち点数29で、どちらも降格圏までは12、来季のヨーロッパリーグ出場権をもらえる6位まで4と、これだとどちらのチームも残留決定後、更に上を目指す余裕がありそうな。加えて、忘れてはいけないのはここ12年で17回目の決勝進出、コパでは8回の決勝で5回優勝しているセビージャですが、翌木曜にはサンチェス・ピスファン同様、大勢のファンがメスタジャ入りするチームバスをお出迎え。声を限りに応援したものの、バレンシアはコウチーニョとラキティッチにゴールを許し、総合スコア0-3で準決勝敗退に。
▽おかげで誰もがワンダ・メトロポリターノで行われると思っていたにも関わらず、その週末がベティス戦と重なるため、新たにメスタジャやサンティアゴ・ベルナベウが開催スタジアムとして浮上してきた4月21日のコパ決勝では2年前にも負けているバルサと対戦するんですよね。となると、かなり分が悪そうですが、もしここでバルサがコパ4連覇を遂げると、うーん、リーガ独走は勝ち点差9で2位のアトレティコも何とか止めたいと努力はしているものの、彼らの来季CL出場権獲得はまず確実。その場合、コパ優勝チーム用のEL出場権がリーガ7位に回るとなれば、マドリッドの弟分チームが揃ってヨーロッパの大会に参加なんてこともありうるかもしれない?
▽おっと、そんな絵に描いた餅のような話は置いといて、試合のないミッドウィーク2週目を終えた兄貴分たちについても触れておかないと。月曜に練習場を覆った雪も火曜にはすっかりキレいになっていたため、どちらも4日間じっくりトレーニングに励めたんですが、やっぱり首位まで勝ち点19ともなると、マドリーファンも来週水曜のCL決勝トーナメント16強対決PSG戦1stレグの方が気になっているはずと各紙も判断したんでしょうね。ただ、ネイマールの連日バースデーパーティや雪の中でサンタ帽をかぶってパンツ一丁でポーズをとるツイート(https://twitter.com/neymarjr)などばかりではさすがにネタがもたないためか、木曜にはBBC(ベイル、ベンゼマ、クリスチアーノ・ロナウドの頭文字)の復活により、控えに戻ってからの態度の悪さに失望して、ジダン監督はこの夏、イスコを放出する意向を固めたという噂なども現れることに。
▽まあ、これは金曜の試合前日監督会見に出た当人が「自分はイスコが好きだ。マドリーにずっといてほしい。Todo lo dicho es mentira/トードー・ロ・ディッチョー・エス・メンティーラ(言われていることは全て嘘だよ)」と否定していましたので、そんなに気にしないでもいいかと思いますが、ちょっと心配なのはあまりにCLが近づきすぎて、土曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)からのレアル・ソシエダ戦で選手たちが上の空にならないかということ。何せ、今回はウィリアム・ホセとジャヌザイがケガで出られないとはいえ、相手は前節デポルティボに5-0と大勝して、調子を取り戻しつつありますからね。今季のマドリーはサンティアゴ・ベルナベウでの試合でも勝ち点を落とすことが多いため、うっかり選手を温存もできないって、なんだか大変そうですが、とりあえず、現在5位のビジャレアルと勝ち点差2の4位の座だけは死守しないと面目が立たないかと。
▽そして土曜の午後4時15分から、4試合ぶりのアウェイゲームで最下位のマラガに挑むのがアトレティコなんですが、こちらもバルサ程ではありませんが、前節のバレンシア戦でサビッチとゴディンが全治3週間見込みのケガを負ってしまったため、今週の練習ではシメオネ監督がCBコンビを務めるヒメネスとリュカに居残りまで命じて鍛えていたとか。いえ、ゴディンなど、金曜には失くした前歯3本の治療を終え、マハダオンダ(マドリッド近郊)のグラウンドで元気な姿を見せていたんですけどね。やはり当分は頭を使うようなプレーは避けた方がいいようで、招集リストには入らず。相手のマラガはミチェル監督がヘタフェ戦の後に解任され、ホセ・ゴンサレス新監督となってから、2分け1敗とまだ白星がないんですが、窮鼠猫を噛むといったことわざもありますしね。アトレティコとしても油断は禁物ですが…こちらも来週木曜にはEL32強対決コペンハーゲン戦1stレグなのにまったく盛り上がってないのはやっぱり大会柄、仕方ないんでしょうか。
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▽いやあ、最近はリーガの時間割が出るのも結構、早まって、1カ月ぐらい前には予定が組めますからね。地中海沿いのバルセロナはマドリッド程、寒くはならないですし、今季はカンプ・ノウの観客が減っていて、チケットが手に入りやすいというのも旅行で来る日本人ファンには嬉しいニュースですが、ただ1つ難なのはコリセウム・アルフォンソ・ペレスでボルダラス監督の記者会見を待つ間、顔なじみの記者たちに訊いたところ、前節のレガネスとの弟分ダービーで控えだった柴崎選手がバルサ戦で先発復帰する可能性はかなり薄いんじゃないかという意見が多かったこと。▽オンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)の番記者など、「ケガでブランクがあった後、ほとんど貢献していないし、彼は守れないから。そういった面では同じにゴールやアシストがなくても、チームのために汗をかくアマトとかの方が監督の評価は高い。ヘタフェはガクを守備のために獲ったんじゃないけどね」と言っていましたが、まあ確かに。おまけに今回の相手にはメッシやルイス・スアレスら、点を取ることに秀でた選手が多いため、ベルガラが負傷中、新加入のフラミニ(昨季クリスタル・パレスを退団後、フリーだった)はまだ調整に時間がかかるという事情もありながら、中盤で使えるMFを総動員。アランバリ、モラ、ファジルによるtrivote(トリボテ/3人ボランチ)起用の可能性まで、マルカ(スポーツ紙)で論じられていましたからね。▽え、いきなり週末の話になっているってことは、やっぱりレガネスはコパ決勝に行けなかったのかって?そうなんですよ、準々決勝では大先輩のマドリーにサンティアゴ・ベルナベウで1-2と勝利、逆転突破を果たしていた彼らは今回、1stレグで1-1という拮抗した状態でセビージャに挑んだんですけどね。一応、ガリターノ監督も「Queríamos evitar el arranque fuerte que suele tener el Sevilla/ケリアモス・エビタルエルアランケ・フエルテ・ケ・スエレ・テネール・エル・セビージャ(セビージャがよくやる序盤の猛攻を避けたかった)」と言っていたように兄貴分の片割れ、アトレティコが準々決勝2ndレグ開始23秒で失点したような大ポカはしなかったんですが、何せ先週、ブタルケで私が観戦した時も両チームのレベルの差と言いますか、全般的に押され気味でしたからね。
▽選手たちがキックオフ前の「Volver a ser campeon es lo que mas quiero/ボルベル・ア・セル・カンペオン・エス・ロ・ケ・マス・キエロ(自分が一番したいのは再びチャンピオンになること)」といった垂れ幕や、サンチェス・ピスファン恒例の暗くした場内に響き渡るhimno del centenario/イムノ・デル・センテナリオ(クラブ創設100周年歌)アカペラ合唱に気を飲まれることはなかったものの、前半15分にはエリア内右奥に入りこんだムリエルをシオバスが止められず、ゴール前にラストパスを出されてコレアに先制点を決められてしまうことに。それでも1点を取れば延長戦に入れることから、決して気落ちせず、アムラバットやガブリエル・ピレスを中心にゴールを挙げようと頑張ったんですが…終盤、最後の切り札として投入されたのがCBマントバーニだった辺りがやはり、チームとしての限界だったかと。
▽うーん、後でガリターノ監督は「延長戦に入った場合、ゲレロを入れていたら、バランスが崩れていただろう」と言っていましたけどね。クロスを放り込んでキャプテンのヘッドで何とかしてもらうという算段もあったのかもしれませんが、とにかく負けているですから、ここは先を考えずにFWを入れた方が良かった?そうこうするうち、セビージャのカウンターがはまり、残り1分にフランコ・バスケスが2点目をゲット。これで総合スコア3-1と完全に息絶えてしまったレガネスでしたが、無料バス6台を連ねて応援に駆け付けたファン400人もスタンドでチームを称えていたように、このコパでビジャレアル、マドリーと強豪を倒してきた彼らの健闘は立派としか言いようがありませんって。
▽年明けからずっと続いた週2試合ペースにも絶妙のローテーションで息切れしなかったですしね。選手たちにも自信がついたことでしょうし、木曜朝にセビージャ(スペイン南部)からAVE(スペインの新幹線)で帰京した彼らにはなるたけ早く、気持ちを切り替えて、チームの根本目標である1部残留を速やかに達成してほしいかと。ちなみに今週末、レガネスは土曜午後6時30分(日本時間翌午前2時30分)から、ホームに先日、近々契約延長が決まりそうだ報じられた乾貴士選手のいるエイバルをブタルケに迎えるんですが、奇しくも前節、セビージャに5-0と大勝した相手とはいえ、幸いガリターノ監督のチームにはコパ準決勝による負傷者は発生しておらず。
▽リーガでは現在、お隣さんのヘタフェと同じ勝ち点数29で、どちらも降格圏までは12、来季のヨーロッパリーグ出場権をもらえる6位まで4と、これだとどちらのチームも残留決定後、更に上を目指す余裕がありそうな。加えて、忘れてはいけないのはここ12年で17回目の決勝進出、コパでは8回の決勝で5回優勝しているセビージャですが、翌木曜にはサンチェス・ピスファン同様、大勢のファンがメスタジャ入りするチームバスをお出迎え。声を限りに応援したものの、バレンシアはコウチーニョとラキティッチにゴールを許し、総合スコア0-3で準決勝敗退に。
▽おかげで誰もがワンダ・メトロポリターノで行われると思っていたにも関わらず、その週末がベティス戦と重なるため、新たにメスタジャやサンティアゴ・ベルナベウが開催スタジアムとして浮上してきた4月21日のコパ決勝では2年前にも負けているバルサと対戦するんですよね。となると、かなり分が悪そうですが、もしここでバルサがコパ4連覇を遂げると、うーん、リーガ独走は勝ち点差9で2位のアトレティコも何とか止めたいと努力はしているものの、彼らの来季CL出場権獲得はまず確実。その場合、コパ優勝チーム用のEL出場権がリーガ7位に回るとなれば、マドリッドの弟分チームが揃ってヨーロッパの大会に参加なんてこともありうるかもしれない?
▽おっと、そんな絵に描いた餅のような話は置いといて、試合のないミッドウィーク2週目を終えた兄貴分たちについても触れておかないと。月曜に練習場を覆った雪も火曜にはすっかりキレいになっていたため、どちらも4日間じっくりトレーニングに励めたんですが、やっぱり首位まで勝ち点19ともなると、マドリーファンも来週水曜のCL決勝トーナメント16強対決PSG戦1stレグの方が気になっているはずと各紙も判断したんでしょうね。ただ、ネイマールの連日バースデーパーティや雪の中でサンタ帽をかぶってパンツ一丁でポーズをとるツイート(https://twitter.com/neymarjr)などばかりではさすがにネタがもたないためか、木曜にはBBC(ベイル、ベンゼマ、クリスチアーノ・ロナウドの頭文字)の復活により、控えに戻ってからの態度の悪さに失望して、ジダン監督はこの夏、イスコを放出する意向を固めたという噂なども現れることに。
▽まあ、これは金曜の試合前日監督会見に出た当人が「自分はイスコが好きだ。マドリーにずっといてほしい。Todo lo dicho es mentira/トードー・ロ・ディッチョー・エス・メンティーラ(言われていることは全て嘘だよ)」と否定していましたので、そんなに気にしないでもいいかと思いますが、ちょっと心配なのはあまりにCLが近づきすぎて、土曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)からのレアル・ソシエダ戦で選手たちが上の空にならないかということ。何せ、今回はウィリアム・ホセとジャヌザイがケガで出られないとはいえ、相手は前節デポルティボに5-0と大勝して、調子を取り戻しつつありますからね。今季のマドリーはサンティアゴ・ベルナベウでの試合でも勝ち点を落とすことが多いため、うっかり選手を温存もできないって、なんだか大変そうですが、とりあえず、現在5位のビジャレアルと勝ち点差2の4位の座だけは死守しないと面目が立たないかと。
▽そして土曜の午後4時15分から、4試合ぶりのアウェイゲームで最下位のマラガに挑むのがアトレティコなんですが、こちらもバルサ程ではありませんが、前節のバレンシア戦でサビッチとゴディンが全治3週間見込みのケガを負ってしまったため、今週の練習ではシメオネ監督がCBコンビを務めるヒメネスとリュカに居残りまで命じて鍛えていたとか。いえ、ゴディンなど、金曜には失くした前歯3本の治療を終え、マハダオンダ(マドリッド近郊)のグラウンドで元気な姿を見せていたんですけどね。やはり当分は頭を使うようなプレーは避けた方がいいようで、招集リストには入らず。相手のマラガはミチェル監督がヘタフェ戦の後に解任され、ホセ・ゴンサレス新監督となってから、2分け1敗とまだ白星がないんですが、窮鼠猫を噛むといったことわざもありますしね。アトレティコとしても油断は禁物ですが…こちらも来週木曜にはEL32強対決コペンハーゲン戦1stレグなのにまったく盛り上がってないのはやっぱり大会柄、仕方ないんでしょうか。
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