【原ゆみこのマドリッド】もうすぐヨーロッパの大会なのに…

2018.02.06 12:00 Tue
▽「嬉しいもんなのかしら」そんな風に私が首を傾げていたのは月曜日、前夜ワンダ・メトロポリターノから自宅に着いたのが午前1時過ぎだったため、遅めに新聞を買いに出たところ、外は激しく雪が舞い踊る状態。道にも積もり始めているのに閉口して、おっかなびっくり歩いていたんですが、途中でセルフィーを撮っているスペイン人を何人も見かけたから。いえ、幸いスタジアムに試合観戦に行かないといけなかった日曜はまだみぞれとかで、レバンテ戦を終えて帰京したイスコが、雪がちらつくマドリッド郊外にある家の庭で上半身裸になって犬と戯れるビデオ(http://espndeportes.espn.com/video/clip/_/id/3954321)などが話題にもなったんですけどね。

▽それが月曜になると、ジエゴ・コスタはまだ服を着ていたからいいものの(https://twitter.com/diegocosta/media)、21歳のリュカなど、半裸で雪の上にダイブ(http://www.marca.com/futbol/atletico/2018/02/05/5a786f96468aebcf048b4617.html)なんて映像も出てきたため、思わず、「また当分、出づっぱりが続くんだから、風邪だけは引かないで」と祈ってしまったものの、幸いながらアトレティコは火曜午後5時まで練習がなし。ええ、マハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場なんて凄い積雪になっていたと思うんですが、おかげで月曜午後からトレーニングを予定していたお隣さんなど、バルデベバス(バラハス空港の近く)のグラウンドが雪まみれ(https://www.realmadrid.com/noticias/2018/02/la-nieve-cubre-la-ciudad-real-madrid-y-el-santiago-bernabeu)でセッション中止になったとか。

▽まあ、それでもレアル・マドリーは今週土曜のリーガ、レアル・ソシエダ戦しかないからいいものの、気の毒だったのは、その大先輩をコパ・デル・レイ準々決勝で破り、水曜にはセビージャとの準決勝2ndレグを控えるレガネス。前日もみぞれの降りしきる中、コリセウム・アルフォンソ・ペレスで行われたヘタフェとの弟分ダービーを戦ったんですが、いえ、私もその正午からの試合をスタンドで寒さに震えながら見ていたんですけどね。丁度、コパの谷間ということもあり、9人もローテーションしながら、後半序盤にはアントゥネスのFKがゴールポストに当たったり、ホルヘ・モリーナのシュートもGKクェジェルが弾いて何とかピンチを脱出。新加入のロイク・レミ(ラス・パルマスからレンタル)や柴崎岳選手が交代でピッチに入っても最後まで無失点をキープしているんですから、頑張るじゃないですか。
▽ただ、自分たちのチャンスも終盤、キャプテンのマントバーニのヘッドが際どく枠をそれたぐらいしかなかったため、「El punto es muy bueno para nosotros/エル・プント・エス・ムイ・ブエノ・パラ・ノソトロス(この勝ち点1はウチにとって非常にいいもの)」(ガリターノ監督)というスコアレスドローを勝ち取るにとどまったんですが、次の試合まで中2日しかないとなれば、雪が降ろうが槍が降ろうが、トレーニングをしない選択はないですからね。それも1-1だった1stレグから勝ち抜けるには1点以上、サンチェス・ピスファンで挙げないといけないため、たとえ先週末はエイバルに5-1と大敗した相手とはいえ、月曜午前11時にはインスタラシオン・デポルティバ・ブタルケでセッションを強行することに。クラブのツイッターの映像(https://twitter.com/CDLeganes/status/960472663369158656)によると、ホントにこれで練習になるのかという気はしますが、レガネスの選手たちにとってはコパ決勝に出られるチャンスなど、一生に一度あるかないか。

▽もうそうなると、今回スペインのかなりの地方を襲った降雪も決戦の地、セビージャ(スペイン南部)には無縁、快適な気温でプレーできることを期待して、ここは歯を喰いしばって立ち向かうしかないと思いますが、さて。うーん、ヘタフェ戦の後、年明けからは週2試合でかなりのハードワークになっているエル・ザールなどは、「La carga de minutos la llevamos bien/ラ・カルガ・デ・ミヌートス・ラ・ジェバモス・ビエン(ボクらはプレー時間の多さを上手くこなしている)」と言っていましたけどね。ガリターノ監督に「Esta enfermo/エスタ・エンフェルモ(/病気中)」と言われ、日曜の試合に出なかったトップ下のガブリエル・ピレスが回復するのかも気にならなくはないとはいえ、今週の土曜午後6時30分、乾貴士選手のいるエイバルをブタルケに迎える試合でコパ決勝進出祝いができたら、私も嬉しいんですけど。
▽そしてヘタフェの方は次節、カンプ・ノウでバルサと日曜に対戦。セントロ(マドリッド中心部)でも夕方には雪が雨に変わったため、こちらは天候が落ち着いた頃を見計らって偵察に行ってくるつもりですが、その一方で先週末、マドリッドの兄貴分チームたちの出来はどうだったのかというと。いやあ、それが土曜に一足早く試合をしたのはマドリーだったんですが、このところ、リーガでデポルティボとバレンシアに連勝して、調子が戻ったのかと思っていたんですけどね。実際、前節に続いて同じバレンシア(スペイン西部にある地中海沿岸のリゾート都市)でのレバンテ戦でも前半11分にはクロースのCKをセルヒオ・ラモスがヘッドで決め、早い時間に先制。

▽相手は昨年11月から勝ってないし、順位も降格圏ギリギリだったため、その日もgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)を期待したファンも多かったかもしれませんが、気を抜くのが早すぎたんでしょうかね。ハーフタイムまであと3分というところでカウンターを喰らい、モラレスのシュートはGKケイロル・ナバスが弾いたものの、こぼれたボールをエリア前からボアテングに撃ち込まれ、1-1で前半を折り返すことに。おまけに後半は拮抗してしまったため、とうとうジダン監督はベイルを諦めて、20分にはイスコを投入。それが功を奏したのは36分、ベンゼマがエリア内右奥から送ったパスをその彼がシュートして、ようやく再びリードを奪ったんですが…。

▽え、大体がしてその直後、ジダン監督が、当人は不満の表情を浮かべたにも関わらず、クリスチアーノ・ロナウドを下げてしまったのが一番いけないんじゃないかって?いやあ、「代えたのは中盤に選手を入れたかったから。Más fuerza en el centro del campo/マス・フエルサ・エン・エル・セントロ・デル・カンポ(ピッチのセンターをもっと強化できるようにね)」(ジダン監督)という考えは悪くはないんですが、アセンシオは半分FWみたいなもんですからね。この辺はアトレティコなどとは感覚が違っていて、おそらくシメオネ監督だったら、ナチョやテオでDFを厚くして、なりふり構わず1点差を守りにいったと思いますが、そこは天下のマドリー。

▽それまで何度もモラレスの独走を招いていた守備が44分に再びほころびを見せ、ジェイソンのスルーパスから、移籍市場クローズの日にベローナから加入したばかりのパッツィーニに同点ゴールを決められ、痛恨の引き分けと終わった後、キャプテンのラモスも「あと5分という時に引き分けにされるなんて普通じゃない」と怒っていましたけどね。「経験を生かして、プレーを遅らせて時間を稼いだり…Pero el Madrid está obligado a jugar bien y queremos dar una buena imagen/ペロ・エル・マドリッド・エスタ・オブリガードー・ア・フガール・ビエン・イ・ケレモス・ダール・ウナ・ブエナ・イマヘン(でもマドリーはいいプレーをすることを義務付けられていて、ボクらもいいイメージを見せたいから)」とも言っていたように、きっとジダン監督の頭も追加点を取りに行く方に向いていたのかと。

▽うーん、この結果、翌日にバルサがエスパニョールとのダービーに勝っていたら、勝ち点差が21ポイントに広がってしまうところだったんですけどね。それでもまだ、「Yo siempre voy a decir que la Liga no está sentenciada/ジョ・シエンプレ・ボイ・エ・デシール・ケ・ラ・リーガ・ノー・エスタ・センテンシアーダ(自分は常にまだリーガの行方は決まっていないと言うよ)」と主張するジダン監督はある意味、凄いんですが、心配なのは事あるごとにカウンターを受けて失点してしまうマドリーの守備の弱さ。昨季とかなら、自慢の点取り屋たちのおかげでそんなの何てことはなかったんですけどね。一応、バランなどは「No nos afecta, la Champions es diferente/ノー・ノス・アフェクタ、ラ・チャンポンズ・エス・ディフェレンテ(影響はないよ、CLはまた違うんだから)」と強気でしたが、レバンテに2点取られるなら、果たしてネイマール、カバーニ、エムバペを擁するPSGにはどれだけゴールを奪われることになるのやら。

▽ええ、CL16強対決1stレグも来週水曜と迫ってきただけに不安も尽きないかと思いますが、折しもこの2月5日の月曜はロナウドが33歳、ネイマールが26歳の誕生日。さすがにこの年にもなると、日曜夜にはパリのディスコを借り切った後者のメガバースデーパーティがTV画面を賑わせても、自分も30歳になった時などやっているし、今は静かに家族とアットホームに祝うのがいいみたいな感じにロナウドもなってしまうんでしょうが(https://www.instagram.com/p/Be0ZuuuFs9Y/?hl=ja&taken-by=cristiano)、向こうはフランス・リーグ1でも18得点と、PSGの独走に大いに貢献していますからね。それでも今季、マドリー唯一の命綱となってしまったCLでは8得点のリーガと違い、6試合9得点で大会トップを走っている彼に期待を預けるしかないんですが…まずはこの土曜のリーガ、レアル・ソシエダ戦で上手く助走をつけられるといいですね。

▽そして日曜、ヘタフェ(マドリッド近郊の衛星都市)で冷え切った体を一旦、家に帰って温め、今度は体感温度マイナス1度との予想にヒートテックを1枚余分に着込み、ホッカイロを大量持ちしてワンダ・メトロポリターノに向かった私でしたが、同じように覚悟してスタンドに足を運んだファンは約5万人。相手のバレンシアがバルサとのコパ準決勝1stレグの疲労or2ndレグに備えての体力温存もあったのか、前半、鬼のように守備を固めてきたため、せいぜいサウールのミドルシュートとCKからのジエゴ・コスタのヘッドぐらいしかチャンスを作れなかったアトレティコでしたが、どちらもGKネトのparadon(パラドン/スーパーセーブ)に阻まれてしまっては。とはいえ、前半0-0で終わるのはよくあることだったため、むしろ28分にサンティ・ミナにタックルされたサビッチが左太もも裏を痛め、アップもせずにヒメネスがピッチに入ったことの方が私としては心配だったんですが、何と後半5分には先発CBの片割れ、ゴディンまでもケガで交代なんてことあっていい?

▽いえ、彼の場合、CKで攻撃参加した際、クリアにジャンプしたネトの腕で顔面を強打。あとから空中に白い物が飛んでいるショッキングな映像も出てきたように、前歯3本を折る大変な目に遭ったんですけどね。シメオネ監督も「si la de hoy de Godín no lo es... Nos van a matar uno para que se penalti/シー・ラ・デ・オイ・デ・ゴディン・ノー・ロ・エス…ノス・バン・ア・マタール・ウノ・パラ・ケ・セ・ペナルティ(今日のゴディンのがそうでないなら、ウチがペナルティを取ってもらうには誰かが殺されないと)」と言っていたようにこの災難も今季のリーガで初PKゲットには繋がらず。ここは急遽、右SBのフアンフランが入り、CBはヒメネスとリュカ、左SBにベルサイコを回して窮地を凌ぐことに。

▽そんな不運続きでしたから、すでに守備固めに入るつもりでガビがライン際で交代を待っていた後半13分、コケのパスを受けたコレアがハーフタイムに「バレンシアはエリア外からなら撃たしてくれる」とロッカールームで話し合ったのを生かし、エリアの左前から斜めにシュート。それが決まった時にはビックリしたの何のって。1-0となって、カラスコに代わって入ったガビは反撃を始めたバレンシアに対し、しっかり中盤を支えてくれましたし、いやまあ、コスタとグリーズマンのFWコンビはアトレティコ最強ですからね。追加点を狙うなら、そのままの方がいいのもあったんでしょうが、残り15分には今季はビジャレアル、バルサ、ジローナなど、終盤の失点で引き分けられてしまったのを反省したんですかね。そうそうに逃げ切りの姿勢に入ります。

▽その方法はそれまで40%を切っていたポゼッションを上げることで、危険なパスを避けて、後半30分以降は60%に、最後の5分など、70%以上になっていたそうですが、おかげでせっかくのカウンターのチャンスにグリーズマンがボールを戻してしまい、スタンドからpito(ピト/ブーイング)が飛ぶ一幕も。怒った当人が指を唇の前に立てるポーズでファンを批判するのも大人気ないんですが、後でシメオネ監督も「no atacó innecesariamente cuando no había que atacar/ノー・アタコ・インネセサリアメンテ・クアンドー-・ノー・アビア・ケ・アタカール(攻撃すべきでない時、不必要に攻めていかなかった)」と褒めていましたしね。ファンにしてみれば、もっとガンガン行くチームを見たいのはわかりますが、そのまま1-0の勝利で勝ち点3が手に入ったとなれば、文句を言ってはバチが当たるかと。

▽だってえ、丁度、その日はバルサがエスパニョールと1-1で引き分けていたため、これで首位との勝ち点差が9になったんですよ。ただ11差になったのは2節前、彼らがジローナに追いつかれ、引き分けてしまったせいなので、元に戻っただけなんですが、サルールなども「Tenemos que pensar en nosotros e ir partido a partido/テエモス・ケ・ペンサール・エン・ノソトロス・エ・イル・パルティードー・ア・パルティードー(ウチは自分たちのことだけを考えて、1試合1試合やっていかないと)」と言っていましたしね。月曜にはゴディンもサビッチも全治3週間と診断されてしまいましたし、もしやバルサは木曜のコパ準決勝、バレンシアとの2ndレグ(1stレグは1-0で先勝)で力を使い果たし、リーガの次戦では弟分のヘタフェが手助けしてくれるかもしれないなんて夢は見るだけ時間の無駄というもの。それより早く練習場のグラウンドをしっかり雪かきして、土曜のマラガ戦に備えるべきですが、何だか来週木曜のヨーロッパリーグ32強対決、アウェイのコペンハーゲン戦もデンマークだけに寒さとの戦いになりそうですね。

NEWS RANKING
Daily
Weekly
Monthly