【原ゆみこのマドリッド】年明けそうそう試合が始まる…
2018.01.02 21:30 Tue
「先にコパがあるのは良かったかも」。そんな風に私が思っていたのは火曜日、ようやく長いクリスマスのバケーションも終わり、またサッカーに明け暮れる日々が戻って来たため、すでに遠く感じられる2017年リーガ最後の節を見直してみたところ、本当に最悪。いえ、マドリッド勢の弟分に限って言えば、レバンテとスコアレスドローを演じたレガネスが他チームとの兼ね合いもあって、13位まで落ちてしまったのは残念だったものの、柴崎岳選手のいるヘタフェはラス・パルマスに2-0と快勝。ヨーロッパリーグ出場圏6位に勝ち点差3と、かなりいい形で再昇格1年目前半を終えているんですけどね。
▽ちなみに昨年最後の月を負傷渦で苦しんだチームにとって、いいニュースだったのは、マントバーニ、シオバス、ティト、ガブリエル・ピレスらのグループ合流で、当面、1月第2週まで続く週2試合ペースを乗り切るメドは立ったようですが、あくまで彼らの目標は1部残留。クラブW杯のせいで2月に延期となったレアル・マドリー戦のせいで消化試合が1つ少ないとはいえ、現在、降格圏との差が6というのは少々、心もとないため、やはり優先するのは日曜のレアル・ソシエダ戦の方になりますでしょうか。
▽そして翌29日にはお隣のヘタフェもコリセウム・アルフォンソ・ペレスの先にあるシュダッド・デポルルティバに戻って来たんですが、マドリッド勢では彼らだけ、すでにコパから敗退。ええ、32強対決でアラベスに総合スコア4-0と苦もなく捻られてしまっているため、年明けは土曜のリーガまで試合がないせいですかね。大晦日、元旦は練習を休む代わりに、柴崎選手を始め、大勢のチームメートが参加して「Feliz Ano Nuevo/フェリス・アーニョ・ヌエボ(新年おめでとう)」のメッセージビデオをツイッターに上げていましたが、実はその一戦が難関なんですよ。
▽え、ところでそのワンダ・メトロポリターノは年末、かなり賑わっていたんじゃないかって?その通りで、29日にマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場で休暇明け初トレーニングを行ったアトレティコは夕方、エジプトに移動。翌日のアル・アハリとの親善試合は、いえ、相変わらず前半はまったく点を取れず、40分にはザカリアのヘッドで先制され、後半7分にもシェイクのゴールでリードが広がった時にはどうしようかと私も思ったんですけどね。幸い後半から出場したガメイロが今季の鬱憤を晴らすかのように大爆発。19分にベルサイコのクロスを頭で決めたのを皮切りに、28分にはクリアされたCKから回って来たボールを最後にネットに収め、36分にはグリーズマンのスルーパスから、とうとうGKとの1対1を決めてのハットトリック達成って、凄い張り切りようじゃないですか。
▽おかげで2-3と逆転勝利を果たしたアトレティコでしたが、何せ相手が相手ですからね。むしろ失点の方が心配ではあったんですが、大丈夫。帰国した翌日の大晦日、ワンダでの公開練習には2万5000人が詰めかけ、2017年最後となる声援を選手たちに送ってくれることに。いえ、セッション前には今季前半、チームが喉から手が出るぐらい待ちわびていたゴールを決めてくれるはずの助っ人、ビトロとジエゴ・コスタの入団プレゼンがあったというのも年末の忙しい時期、遥々、マドリッドの西の端にある新しいホームまでファンが足を運んだ理由だったんですけどね。
▽最初にワンダのVIPルームに設けられたステージに登場したのはビトロで、彼はアトレティコがFIFA処分を受け、昨年の夏は新規選手登録ができなかったため、半年間、ラス・パルマスにレンタル移籍。負傷のリハビリもあり、12月からはすでにマドリッドに来ていたんですが、どうやらこのバケーション期間で完全に復調したよう。残念ながら、すでに今季はCLを敗退してしまったアトレティコでしたが、背番号23のユニを受け取ったアタッカーは「Vengo con la expectativa de ganar titulos/ベンゴ・コン・ラ・エクスタティバ・デ・ガナール・ティトゥロス(タイトル獲得の期待を持ってここに来た)」と前向きで、2018年はEL決勝トーナメントに鞍替え。セビージャ時代、前人未到の3連覇を成し遂げた経験を今はもう、2012年同大会優勝時のメンバーがガビ、ゴディン、フィリペ・ルイス、フアンフラン、コケしかいないチームに注入してくれそうなのは頼りになるかと。
▽続いてはジエゴ・コスタの番で、こちらはチェルシーから出戻った後、試合には出ず、マハダオンダでずっと調整に専念。その間、「He sufrido mucho como aficionado/エ・スフリードー・ムーチョ・コモ・アフィシオナードー(ファンのようにとても苦しんだ)」そうですが、考えようによれば、4年前、当人がアトレティコで最後にプレーした2013-14シーズンはリーガ優勝を決めたカンプ・ノウでの最終戦も、リスボンでのCL決勝も先発しながら、ケガですぐに交代。それもあって、お隣さんに優勝をさらわれたという逸話もあるため、逆に今季は最後までガス欠にならず、ガンガン飛ばしてくれるという期待も。
▽今回は背番号18となったコスタ自身もこのシーズン後半にゴールを量産して、5月末にはロペテギ監督にスペイン代表W杯メンバーに呼んでもらうという夢がありますしね。上手くいけば、コケとサウールのみならず、ビトロとコスタも加えて、アトレティコ勢4人参加でロシア行きというのは、場内一周してスタンドのファンに応えた2人を大歓迎していたファンたちもきっと、誇らしく思うはずですよ。
▽そして元旦も練習と水曜午後7時(日本時間翌午前3時)からのコパ、ジィイダ(2部B)戦1stレグへの準備に余念のないアトレティコなんですが、実はバケーション明けにはケガ人も発生していて、それはフィリペ・ルイスとコケ。エジプトでの親善試合にも出ていないんですが、とりわけ前者はハムストリングのケガで3週間程、かかるかもしれないとか。まあ、コパの方はカテゴリーも2つ違う相手ですし、来週火曜には2ndレグもあるため、たとえ、コスタのトランスファーが間に合わなくとも、問題はあまりないはずですが、何せ、リーガの方がああいう状態ですからね。まずは一番、タイトル獲得の可能性のありそうな大会から、しっかり勝ち進んで行ってくれればと思います。
▽一方、マドリッド勢最後に練習再開となったマドリーは30日にアルフレド・ディ・ステファノ・スタジアムでの公開セッションでスタート。さすがファンが見学できるのはこの年1回の機会だけとあって、ソシオ(協賛会員)対象の入場整理券は26日にはもうなくなってしまったそうで、結局、一般のファンに出回ることはなかったんですが、こればっかりはねえ。セッション自体もランニング、ロンド(輪になって中の選手がボールを奪うゲーム)、partidillo(パルティディージョ/ミニゲーム)程度と、あっさりしたものだったようですが、スタジアムには2017年に獲得した優勝トロフィー5個(リーガ、CL、UEFAスーパーカップ、スペイン・スーパーカップ、クラブW杯)が堂々と鎮座。
▽セッション終了後には選手たちがスタンドに近寄って、サインや写真撮影に応じてくれたとなれば、5000人のソシオも今季、sextete(UEFAスーパーカップ、スペイン・スーパーカップ、クラブW杯、リーガ、コパ、CLの6冠優勝のこと)達成の野望が現在、かなり遠のいてしまった無念さも忘れられた?そうそう、大晦日はサンティアゴ・ベルナベウでの練習で行く年を締め括ったジダン監督のチームだったんですが、意外だったのは休暇明けにベンゼマがクラシコでハムストリングを負傷、全治2、3週間となっていたのが発覚したこと。いえ、そのバルサ戦ではまたパッとした働きができず、スタンドからpito(ピト/ブーイング)を浴びて交代した当人ですが、年明け木曜午後9時(日本時間翌午前5時)からのコパ、ヌマンシア(2部)戦1stレグ、続く日曜のセルタ戦はどちらもアウェイのため、当面はホームのファンに叩かれる心配はしなくて良かったんですけどね。
▽ただ、どうやら今年もクリスチアーノ・ロナウドはこの1月、格下相手のコパの試合には出ず、2月からのCL再開に向けて温存というプランらしいため、代わりで入るだろう、ルーカス・バスケス、アセンシオ、マジョラルといったところにはしっかり頑張ってもらわないと、先行きが不安なんですが、さて。ちなみにコパ32強対決フエンラブラダ(2部B)戦のカタ・ディアスに続いて今回、ヌマンシアでマドリーに立ち塞がるのは同じ元ヘタフェのマヌ・デ・モラル。当人はここまで今季5得点、チームも5位で昇格プレーオフ圏内と乗っているため、油断は禁物かと。すでにロス・パハリート(ヌマンシアのホーム)はチケット完売が見込まれているそうですが、何はともあれ、面白い試合が見られるといいですよね。
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▽どうにも後味が悪かったのは兄貴分たちがだらしなかったせいで、アトレティコはエスパニョールに1-0と負け、1年余りに渡るアウェイ無敗記録がジ・エンドに。それでも順位は2位と変わらなかったとはいえ、翌日のクラシコ(伝統の一戦)でもお隣さんが0-3とバルサに完敗したため、勝ち点差が9に拡大してしまったから。もちろん、それで14ポイント差となってしまった4位のレアル・マドリーに比べれば、まだマシという見方はできますが、どちらのチームにしろ、年明けそうそう、remontada(レモンターダ/逆転優勝)の掛け声を挙げるにはかなり辛い現実があるかと…。▽まあ、その辺はまた週末のリーガ再開が近づいてから話すことにして、とりあえず、先週末から練習を始めた各チームの様子をお話ししていくことにすると。最初にバケーションを切り上げたのは28日から、インスタラシオン・デポルティバ・ブタルケに集まったレガネスで、何せ彼らは休暇入りも一番乗りでしたからね。おまけに11月にはバジャドリッド(2部)を下し、コパ・デル・レイ16強対決に進出しているため、もうこの木曜にはビジャレアルをホームに迎えての1stレグを迎えるとなれば、ガリターノ監督がダブルセッションを行い、お休み中に溜まった選手たちの脂肪を絞ったのも当然だった?▽そして翌29日にはお隣のヘタフェもコリセウム・アルフォンソ・ペレスの先にあるシュダッド・デポルルティバに戻って来たんですが、マドリッド勢では彼らだけ、すでにコパから敗退。ええ、32強対決でアラベスに総合スコア4-0と苦もなく捻られてしまっているため、年明けは土曜のリーガまで試合がないせいですかね。大晦日、元旦は練習を休む代わりに、柴崎選手を始め、大勢のチームメートが参加して「Feliz Ano Nuevo/フェリス・アーニョ・ヌエボ(新年おめでとう)」のメッセージビデオをツイッターに上げていましたが、実はその一戦が難関なんですよ。
▽というのも6日のLos Reyes Magos(ロス・レジェス・マゴス/東方の三博士)の祝日午後1時(日本時間午後9時)からという、アジアンゴールデンタイムに設定されているその試合は今季前半、ヘタフェにとって最後のダービー。大先輩、アトレティコの胸を借りることになるんですが、降格前の数シーズンはビセンテ・カルデロンに集団で応援に駆けつけることもなくなっていたファンたちもやはり、ワンダ・メトロポリターノ初体験というのには魅かれたんでしょうかね。当日はヘタフェ(マドリッド南部の衛星都市)からバス4台を連ね、ここまで1勝1敗(レガネスに1-2で勝利、マドリーに1-2で負け)で、ダービー勝ち越しを狙うチームを盛り立てに向かう予定だとか。
▽え、ところでそのワンダ・メトロポリターノは年末、かなり賑わっていたんじゃないかって?その通りで、29日にマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場で休暇明け初トレーニングを行ったアトレティコは夕方、エジプトに移動。翌日のアル・アハリとの親善試合は、いえ、相変わらず前半はまったく点を取れず、40分にはザカリアのヘッドで先制され、後半7分にもシェイクのゴールでリードが広がった時にはどうしようかと私も思ったんですけどね。幸い後半から出場したガメイロが今季の鬱憤を晴らすかのように大爆発。19分にベルサイコのクロスを頭で決めたのを皮切りに、28分にはクリアされたCKから回って来たボールを最後にネットに収め、36分にはグリーズマンのスルーパスから、とうとうGKとの1対1を決めてのハットトリック達成って、凄い張り切りようじゃないですか。
▽おかげで2-3と逆転勝利を果たしたアトレティコでしたが、何せ相手が相手ですからね。むしろ失点の方が心配ではあったんですが、大丈夫。帰国した翌日の大晦日、ワンダでの公開練習には2万5000人が詰めかけ、2017年最後となる声援を選手たちに送ってくれることに。いえ、セッション前には今季前半、チームが喉から手が出るぐらい待ちわびていたゴールを決めてくれるはずの助っ人、ビトロとジエゴ・コスタの入団プレゼンがあったというのも年末の忙しい時期、遥々、マドリッドの西の端にある新しいホームまでファンが足を運んだ理由だったんですけどね。
▽最初にワンダのVIPルームに設けられたステージに登場したのはビトロで、彼はアトレティコがFIFA処分を受け、昨年の夏は新規選手登録ができなかったため、半年間、ラス・パルマスにレンタル移籍。負傷のリハビリもあり、12月からはすでにマドリッドに来ていたんですが、どうやらこのバケーション期間で完全に復調したよう。残念ながら、すでに今季はCLを敗退してしまったアトレティコでしたが、背番号23のユニを受け取ったアタッカーは「Vengo con la expectativa de ganar titulos/ベンゴ・コン・ラ・エクスタティバ・デ・ガナール・ティトゥロス(タイトル獲得の期待を持ってここに来た)」と前向きで、2018年はEL決勝トーナメントに鞍替え。セビージャ時代、前人未到の3連覇を成し遂げた経験を今はもう、2012年同大会優勝時のメンバーがガビ、ゴディン、フィリペ・ルイス、フアンフラン、コケしかいないチームに注入してくれそうなのは頼りになるかと。
▽続いてはジエゴ・コスタの番で、こちらはチェルシーから出戻った後、試合には出ず、マハダオンダでずっと調整に専念。その間、「He sufrido mucho como aficionado/エ・スフリードー・ムーチョ・コモ・アフィシオナードー(ファンのようにとても苦しんだ)」そうですが、考えようによれば、4年前、当人がアトレティコで最後にプレーした2013-14シーズンはリーガ優勝を決めたカンプ・ノウでの最終戦も、リスボンでのCL決勝も先発しながら、ケガですぐに交代。それもあって、お隣さんに優勝をさらわれたという逸話もあるため、逆に今季は最後までガス欠にならず、ガンガン飛ばしてくれるという期待も。
▽今回は背番号18となったコスタ自身もこのシーズン後半にゴールを量産して、5月末にはロペテギ監督にスペイン代表W杯メンバーに呼んでもらうという夢がありますしね。上手くいけば、コケとサウールのみならず、ビトロとコスタも加えて、アトレティコ勢4人参加でロシア行きというのは、場内一周してスタンドのファンに応えた2人を大歓迎していたファンたちもきっと、誇らしく思うはずですよ。
▽そして元旦も練習と水曜午後7時(日本時間翌午前3時)からのコパ、ジィイダ(2部B)戦1stレグへの準備に余念のないアトレティコなんですが、実はバケーション明けにはケガ人も発生していて、それはフィリペ・ルイスとコケ。エジプトでの親善試合にも出ていないんですが、とりわけ前者はハムストリングのケガで3週間程、かかるかもしれないとか。まあ、コパの方はカテゴリーも2つ違う相手ですし、来週火曜には2ndレグもあるため、たとえ、コスタのトランスファーが間に合わなくとも、問題はあまりないはずですが、何せ、リーガの方がああいう状態ですからね。まずは一番、タイトル獲得の可能性のありそうな大会から、しっかり勝ち進んで行ってくれればと思います。
▽一方、マドリッド勢最後に練習再開となったマドリーは30日にアルフレド・ディ・ステファノ・スタジアムでの公開セッションでスタート。さすがファンが見学できるのはこの年1回の機会だけとあって、ソシオ(協賛会員)対象の入場整理券は26日にはもうなくなってしまったそうで、結局、一般のファンに出回ることはなかったんですが、こればっかりはねえ。セッション自体もランニング、ロンド(輪になって中の選手がボールを奪うゲーム)、partidillo(パルティディージョ/ミニゲーム)程度と、あっさりしたものだったようですが、スタジアムには2017年に獲得した優勝トロフィー5個(リーガ、CL、UEFAスーパーカップ、スペイン・スーパーカップ、クラブW杯)が堂々と鎮座。
▽セッション終了後には選手たちがスタンドに近寄って、サインや写真撮影に応じてくれたとなれば、5000人のソシオも今季、sextete(UEFAスーパーカップ、スペイン・スーパーカップ、クラブW杯、リーガ、コパ、CLの6冠優勝のこと)達成の野望が現在、かなり遠のいてしまった無念さも忘れられた?そうそう、大晦日はサンティアゴ・ベルナベウでの練習で行く年を締め括ったジダン監督のチームだったんですが、意外だったのは休暇明けにベンゼマがクラシコでハムストリングを負傷、全治2、3週間となっていたのが発覚したこと。いえ、そのバルサ戦ではまたパッとした働きができず、スタンドからpito(ピト/ブーイング)を浴びて交代した当人ですが、年明け木曜午後9時(日本時間翌午前5時)からのコパ、ヌマンシア(2部)戦1stレグ、続く日曜のセルタ戦はどちらもアウェイのため、当面はホームのファンに叩かれる心配はしなくて良かったんですけどね。
▽ただ、どうやら今年もクリスチアーノ・ロナウドはこの1月、格下相手のコパの試合には出ず、2月からのCL再開に向けて温存というプランらしいため、代わりで入るだろう、ルーカス・バスケス、アセンシオ、マジョラルといったところにはしっかり頑張ってもらわないと、先行きが不安なんですが、さて。ちなみにコパ32強対決フエンラブラダ(2部B)戦のカタ・ディアスに続いて今回、ヌマンシアでマドリーに立ち塞がるのは同じ元ヘタフェのマヌ・デ・モラル。当人はここまで今季5得点、チームも5位で昇格プレーオフ圏内と乗っているため、油断は禁物かと。すでにロス・パハリート(ヌマンシアのホーム)はチケット完売が見込まれているそうですが、何はともあれ、面白い試合が見られるといいですよね。
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