【原ゆみこのマドリッド】1-0って結構、寂しい…

2017.12.19 12:30 Tue
▽「別にどっちでもいいよね」そんな風に私がうんざりしていたのは月曜日、クラブW杯決勝のニュースが一段落した後、クラシコ(伝統の一戦)に向けて、どのメディアもまるで大問題のように取り扱っていたのはpasillo(パシージョ/花道)があるかないか。つまりレアル・マドリーがサンティアゴ・ベルナベウのピッチに出る際、バルサの選手たちが世界チャンピオンに敬意を表し、2列に分かれてお出迎えするかどうかなんですが、いえ、確かにクリスティアーノ・ロナウドなど、「Seria bonito y a mi me gustaria que el Barcelona nos hiciera el pasillo/セリア・ボニート・イ・ア・ミー・メ・グスタリア・ケ・エル・バルセロナ・ノス・イシエラ・エル・パシージョ(いいだろうね。ボクはバルサに花道を作ってもらいたいよ)」と言っていましたけどね。
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▽それにはすぐに相手側からも反応があって、この夏、UEFAスーパーカップ優勝を果たした後、スペイン・スーパーカップで両者が顔を合わせた時同様、「ウチは自分たちが参加していない大会の勝者に花道を作る習慣はない」(バルサのアモル渉外ディレクター)というもので、え、そんなこと言ったら、クラブW杯なんてCLに優勝しないと出られない大会。各大陸の覇者が参加者ですから、スペインから2チームが出ることは主催国にでもならない限り、ありえないんですが、まあマドリーのペレス会長も「花道がなくてもこのタイトルの価値が下がる訳ではない」と言っていましたしね。▽バルサだって、クラブW杯に優勝した直後のスペイン国内の試合で、花道で迎えてもらったことがあるくせにという突っ込みはともかく、何より大事なのはこのクラシコの結果の方。何せ、先週末の16節を来年に先送りしたため、首位とマドリーの勝ち点差が8から11に拡大してしまいましたからね。実際、月曜にあったマルカ(スペインのスポーツ紙)主催の表彰式で昨季のピチチ(リーガ得点王)とディ・ステファノ賞(最優秀選手賞)をもらったメッシも「Ganando es una ventaja importante/ガナンドー・エス・ウナ・ベンターハ・インポルタンテ(勝てば大きなアドバンテージになる)」と言っていたように、ここで相手が勝てば14差。こうなるともう、マドリーの選手たちだけではなく、ファンも含めて、クリスマス休暇を心おきなく楽しめるかどうかに大きく関わってくるじゃないかと思うんですが…。
▽まあ、クラシコについてはマドリーがアブ・ダビからバラハス空港に到着したのは日曜早朝。練習は火曜までお休みで、月曜には恒例のクラブ主催のクリスマス・ランチをベルナベウのアンテパルコ(貴賓席前ホール)で楽しんでいたようなので、また次回にでもお話しすることにしますが、とりあえず、グレミオとの決勝の様子を伝えておかないと。この日の彼らは準決勝のアル・ジャジーラ戦とは違い、チャンスの嵐を無駄にするということはなかったんですが、前半に得点できなかったのは同じ。敵のカウンターも食らわなかったため、0-0のまま後半が始まったところ、7分に自ら受けたファールからのFKをロナウドが決め、ようやく先制点を奪うことに。

▽いやあ、まさかグレミオ選手たちの壁が真ん中で別れ、ボールが通ってしまうとは意外でしたが、困ったのはそれからで、だってえ、追加点がさっぱり入らないんですよ。何せ、私もアトレティコvsアラベス戦を見るため、ワンダ・メトロポリターノへ向かう時間が迫ってきていましたからね。モドリッチはゴールポストに弾かれるわ、今回は35分に入ったベイルのシュートも決まらず、終盤ギリギリに追いつかれ、延長戦になったりしたら大変だと心配していたものの…。
▽でも大丈夫。というのも、グレミオは枠内シュートを1本も撃たなかったからで、おかげで1-0のまま、試合終了の笛が鳴るのと同時に私もバル(スペインの喫茶店兼バー)を離れ、メトロ(地下鉄)に直行することができたのは助かったかと。何はともあれ、「No va a fallar nunca. Siempre esta en los momentos clave/ノー・バ・ア・ファジャール・ヌンカ。シエンプレ・エスタ・エン・ロス・モメントス・クラベ(決して期待を裏切ることはない。いつも肝心な時にいてくれる)」というジダン監督も言っていた通り、ロナウドのゴールが決まってくれたのはラッキーでしたっけ。

▽これでマドリーは今季3つ目、2017年に限れば5つ目のタイトル獲得ですからね。こうなると、sextete(セクステテ/1シーズン7冠)をジダン監督が夢見るのもわかりますが、次の16強対戦は2部のヌマンシアと当たるものの、昨季も準々決勝でセルタに負けるなど、コパ・デル・レイにはハプニングが付き物。2月からのCL決勝トーナメントも初っ端からPSG戦とあって、決して予断は許しませんが、クラブW杯大会MVPをもらったモドリッチなども「El sabado nos espera el clasico para recortar puntos/エル・サバドー・ノス・エスペラ・エル・クラシコ・パラ・レコルタール・プントス(土曜には勝ち点差を縮めるためのクラシコが待っている)。ウチは今いい時期だし、それをバルサ相手に示せたらいいね」と言っていたように、まずはリーガを逆転優勝可能な状態に持っていかないと。

▽え、それで年内最終節、お隣さんの頑張りで漁夫の利を得ようとしているアトレティコは自身の仕事を果たしたのかって? そうなんですよ! 夜8時45分からの試合ということで、私も厚手のヒートテック着用で臨んだその試合、やはり寒さのせいか、スタジアム移転後、最も少ない5万人という観客の入りだったんですが、いやいや。2月のヨーロッパリーグ32強コペンハーゲン戦なんて絶対、もっとスカスカになるじゃないかと思いますが、1月9日のコパ16強ジェイダ(2部B)戦2ndレグなども含め、その辺はたまたま観光でマドリッドに寄ったファンもワンダで当日券を買いやすいため、チェックしておくのもいいかと。

▽アラベス戦の方は、前半、ゴールがなかったのはマドリーと同じなんですけどね。丁度、直前に2位のバレンシアが乾貴士選手の先制点のおかげもあって、エイバルに2-1で負けたという報が到着。ここはシメオネ監督もチャンスを絶対に逃したくなかったんでしょう。ピッチでボールロストを頻発していたトーマス・パルディをハーフで代え、コレアを入れただけでなく、堅い敵の守りをこじ開けるため、23分にはサウールとガメイロから、フェルナンド・トーレスとカラスコと早くも交代枠を使い切ってしまうことに。うーん、その起用策は29分、ベルサイコが右サイドから入れたラストパスをトーレスが押し込んでゴールをゲット。待望の先制点が入ったため、有難かったんですけどね。これじゃあ、前節のベティス戦のようにDFを総動員してリードを守り倒すことができないじゃないですか!

▽ただ最近のアトレティコは守備が良くなってきていて、何しろこの日は今年最後のホームゲームに駆けつけたファンの応援もありましたからね。そのまま1-0で終わった後、アラベスのペドラツァなど、「El Atletico no nos creo practicamente ocasiones/エル・アトレティコ・ノー・ノス・クレオ・プラクティカメンテ・オカシオネス(アトレティコは実際、ほとんどチャンスを作らなかった)」と負け惜しみを言っていたものの、GKオブラクが珍しくparadon(パラドン/スーパーセーブ)をしなくて済んだのも事実。ええ、それは相手のアベラルド監督も「tuvimos dos en la primera mitad, pero no disparamos/トビモス・ドス・エン・ラ・プリメーラ・ミタッド、ペロ・ノー・ディスパラモス(ウチには前半、2度チャンスがあったが、シュートまで行かなかった)」と認めていましたっけ。

▽もちろんファンとしては、できればもっといいプレーをして、ゴールも景気良く沢山、入れてもらいたいところですが、「Son los mismos que nos veian fuera hace siete semanas/ソン・ロス・ミスモス・ケ・ノス・ベイアン・フエラ・アセ・シエテ・セマーナス(7週間前、全ての大会で優勝の可能性がなくなったと思われていたのと同じメンバー)」(シメオネ監督)というのも本当ですからねえ。とりあえず、今は最少得点差での勝利でも上出来として、素直に2位浮上を喜ぶのがいいかと。ようやく今季リーガ初ゴールを挙げ、チームの勝利に貢献できたトーレスも「今はこのユニフォームのために全力を尽くして、新しいスタジアムを感動の時とタイトルで満たす時」と嬉しいことを言ってくれましたしね。

▽あとは金曜の年内最終戦、RCDEスタジアムでのエスパニョール戦も白星で飾り、お隣さんと5ポイント差もあるリーガの高みを満喫して年を越してもらいたいと思いますが、さて。ちなみに日曜を休養日に充てた彼らは月曜夕方にマハダオンダ(マドリッド近郊)での練習を再開。サモラ(リーガで一番失点率の低いGKに与えられる賞)を2シーズン連続で受賞したオブラクはマルカの表彰式でバルセロナに行っていたため欠席、ヒザを痛めているヒメネスもまだジムごもりのようですが、セッション後は全員ワンダ・メトロポリターノでのクリスマス・ディナーを楽しんだとか。年明けの彼らは3日にコパのジェイダ戦1stレグがありますし、年内も30日にエジプトでアル・アハリとのチャリティーマッチが予定されているため、バケーションも1週間しかないそうです。

▽そして翌日曜、正午からのジローナ戦に挑んだマドリッドの弟分、ヘタフェはどうだったかというと、いやあ、前夜、ワンダからの帰宅が午前様だったため、私も前半は見られなかったんですけどね。開始早々の5分、FKから最後はモジカのクロスをストゥアーニにヘッドされて奪われた1点を彼らは最後まで返せず。後半20分には先週のエイバル戦に続き、柴崎岳選手も途中出場して反撃を試みたものの、残念ながら、そのまま1-0で終わり、マドリーとのミニダービーが延期になったお隣さん、レガネスに勝ち点差をつけることはできませんでした。

▽おまけに順位でもジローナ、エイバルに先を越され、憧れのEL出場圏6位が少し遠のいてしまったヘタフェですが、嘆いている暇はまったくなくてもう、この水曜午後7時30分(日本時間翌午前4時30分)にはホームのコリセウム・アルフォンソ・ペレスにラス・パルマスを迎えないといけないんですよ。うーん、相手は最下位とはいえ、日曜のエスパニョール戦で残り10分で0-2から追いつくという粘りを見せていますからね。ホルヘ・モリーナ、アンヘルのFWコンビがここリーガ4試合無得点というのもありますし、ボルダラス監督もちょっと趣向を変えて、そろそろ柴崎選手の先発なんていうのもあるかも。ちなみにチームは木曜以降、バケーションに入りますが、彼らはコパ敗退で、年明けもReyes Magos/レジェス・マゴス(東方の3博士)の祝日、6日午後1時キックオフにされてしまったリーガ戦、アトレティコに胸を借りるダービーからと間があるため、他のマドリッド勢よりゆっくり休めるのはいいですよね。

▽一方、9日のデポルティボ戦で1-0と負けて以来、試合のなかったレガネスは年内最後が火曜のレバンテ戦となりますが、何せこちらは飛ばした試合がマドリー相手とあって、2月のミッドウィークに勝ち点挽回というのが、極めて高いハードルなのは日を見るよりも明らか。よって、ここでガッチリ勝利を掴んでおくにこしたことないんですが、あまり彼らはEL出場圏に近付くことを考えない方が選手たちも浮つかなくていいかも。そんなレガネスは年明けも4日から、コパのビジャレアル戦1stレグをホームのブタルケで戦わないといけないんですが、うっかり勝ち抜けたりすると、それはそれで大変。ただでさえ、ケガ人多発に悩まされているガリターノ監督ですからね。このレベルのチームの選手層は週2試合ペースを想定していないため、相当厳しい戦いを覚悟しないといけなくなりそうです。

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