【東本貢司のFCUK!】チャンピオンズこそ伏兵に期待

2017.12.09 11:45 Sat
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▽キリの良いところでチャンピオンズ・グループリーグがすべて完結した時点で、と思っていたら、ちょうど今年のバロン・ドール発表がめぐってきた。案の定というべきか、ほんのつい最近、インスタグラムでの偽投稿騒動とやらが番外の話題になったクリスティアーノ君が、こちらもキリ良く(というか、ライバルのメッシとのつり合い加減で?)5度目の受賞。レアルのチャンピオンズ制覇に昨年のユーロ優勝を掛け合わせて、さも順当に見えるが、なぜかどうもしっくりこない。そう感じる根拠はと問われれば、そう、そもそも近年の同賞を含む表彰の選考基準そのものが「やっつけ風でファジー」に感じられてしかたがないのである。多分、こういう表彰もの自体にマンネリズムの臭いが漂って新鮮味が薄れてきているのかもしれない。例えば、ちょうどこの頃にどこかの国にてめぐってくる「流行語大賞」とやらのように・・・・? いや、この件はいずれ改めて触れることにしよう。

▽さて、チャンピオンズは“首尾よく”イングランドからの出場全5チームがノックアウトステージに勝ち上がった。それも、ほぼパーフェクトに近い危なげない戦りぶりで・・・・とは言い過ぎかと殊勝に控えてとも思うのだが、現にチェルシーを除く“4強”が悠々たるトップ通過。なにせ、大豪レアルとドルトムントをぶつけられて最も“不運”を予想されたスパーズにしてからが、一番の戦績(勝ち点で全チーム中最多)である。近年、特にまずユナイテッドがこぼれ落ち、今また常連中の常連アーセナルがお休みになってしまったりで、何かとパッとしなかったのがまるで嘘のよう。これはひょっとしたら、いつぞやの快挙(おや、振り返ればもう10年ほど前のことなんだな・・・・)「4の3(準決勝進出のうち3つがイングランド勢)」再現も、と胸が膨らむ今日この頃である。そういえばちょうどあの頃、スコットランドはエディンバラにいてたまたま同時期に重なったオールドファーム・ダービーの方にむしろ関心が偏ってたんだっけな、と“懐かしむ”余裕さえも・・・・。

▽しかし(毎度のことながら)問題はこれからだ。“本番”再開の明年2月までのイングランドならではの過密スケジュールが待ち受けている。つくづく「冬休み」の恩恵ない現実が恨めしい。それでなくても、一年で最も過酷な日程を乗り切って一息ついたのもつかの間、そこでチャンピオンズ版“負けたらそこで終わり”ステージが幕を開けるのである。いろいろと「改善案」などが口にされ、それなりに“議案”として持ち出されても、一向に“手をこまねいたまま”硬直状態の、イングランドならではのお家事情をひもといていけば・・・・いや、今このときばかりは控えておこう。とにかく、イングランド勢にとっては2月こそが勝負、と言えるのかもしれない。また、今回は“追加対外試合組”が過去最多の5チームに増えることで、国内の試合の対戦相手にも少なからず影響(必然的日程調整による予定外の過密化など)が避けられない。畢竟、タイトルレース、順位戦(ヨーロッパ参戦権争い、残留争い)にも類が及ぶ。そしていつになく先の見えない終盤戦が・・・・。

▽いやいや、現時点であまり心配の種をあら捜ししすぎるのは控えよう。なにせ、さらにその先には“ロシアの夏”がある。下手をすれば「さらにそのあと」も気になってきてしまう。つまり「来シーズン」はどうなっているんだろうか、と。だから、ひとまずはあえて目先のあれこれにのみ集中しよう。先ほどスパーズがグループリーグで「最高成績」を収めたことに触れた。リヴァプールは6試合で合計23得点を記録し、パリSGに次ぐ破壊力を証明した。相手関係云々はこの際度外視することにして、数字だけは“トップクラス”だ。無論、この勢いが“本チャン”でも、などと期待できるとは本人たちですら思ってはいないだろうが、少なくとも前向きになれる土壌にはなる。そこで今のうちに、いや今のうちだからこそ、“希望的観測”をしてしまえば、この両チームをダークホースの一番手に数えても罰は当たるまい。実は、この目、けっこうあると思っている。そして、現実に対戦する相手方もかなり警戒してマークする。すると、ゲームそのものも伯仲する・・・・。

▽そこ、である。勝ち負けは端からどう転んでもそれは時の運。キックオフからファイナルホイッスルまで息をのみ続ける激戦を繰り広げ、見どころ・ドラマ満載の、記憶に残るひとときを演出してくれること。始まる前から「どうせ・・・・」などと結果を予測してしまう苦痛こそ、スポーツを楽しむ者にとって何よりも避けたい自爆の悪いクセ。TV音声の解説云々は“商売柄”突飛なことは口にしないもので、あえて言えば通り一遍、ほとんど金太郎飴的なもったいらしさばかりで「つまらない」。ここは是非、副音声の“ノイズ”にずっぽりひたってゲームそのものに集中してみてはどうか。きっと何か新しい発見があるはずだし、それは試合のたびに着実に少しずつ蓄積されていく。ブルース・リーじゃないが「Feel. Not think」である。もちろん、普段のリーグ戦(プレミア他)などでもお試しあれ。ふと思うのだが、是非Jリーグを“外国語音声”で観戦することができれば意外にハマるんじゃないかな、と(DAZNさん、いっそのこと提案してみては?!)。
【東本 貢司(ひがしもと こうじ)】 1953年大阪府生まれ 青春期をイングランド、バースのパブリックスクールで送る。作家、翻訳家、コメンテイター。勝ち負け度外視、ひたすらフットボール(と音楽とミステリー)への熱いハートにこだわる。
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