【原ゆみこのマドリッド】このままダービーを迎えるのは怖い…

2017.11.07 12:21 Tue
▽「今はあまり練習する必要もないのよね」そんな風に私が呟いていたのは月曜日、スペイン代表がいつもより1日遅く、火曜にラス・ロサス(マドリッド近郊)のサッカー協会施設に集合することを知った時のことでした。そう、10月のW杯予選でグループ首位として、来年6月のロシア大会に参加することが決まった彼らの今回の国際代表戦週間は親善試合のみ。2位でプレーオフに回ったイタリアがスウェーデンと命運を懸けて戦うのを高みの見物と洒落込んで、土曜にマラガ(スペイン南部のビーチリゾート都市)でコスタリカと、そして来週火曜にサンクトペテルスブルクでロシアとプレーする際には、久々に呼ばれたアルベルト・モレーノ(リバプールの左SB)や初招集のルイス・アルベルト(ラツィオのMF)ら、ロペテギ監督も思う存分、選手を試すことができるっていうことです。
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▽どちらにしろ、火曜の午後7時半からあるこの合宿、唯一の一般公開練習にはモンクロア(マドリッド市内のバスターミナル)から628/629番のバスに乗って行ってみるつもりですが、今、私がちょっと気になっているのはこの月曜に発表されたW杯用の新ユニフォーム(http://www.sefutbol.com/sabes-donde-puedes-comprar-ya-nueva-camiseta)。協会によると、来週月曜まではラス・ロサスの施設内にある代表オフィシャルショップとアディダス直営ショップのみでの限定販売だそうですが、まあ練習の日に見られなくてもグラン・ビア(市内の中央大通り)にはアディダスの大型店もありますからね。コスタリカ戦では選手がそれを着てプレーしてくれるそうですし、そんなに焦ることはないんですが…1994年W杯アメリカ大会のバージョンを模した右側に黄色と紺の菱形ストライプが入ったこの新ユニ、同大会での準々決勝敗退という結果以上を出せるラッキーアイテムとなってくれるんでしょうか。▽まあ、代表戦のことはまた後で話すとして、先に先週末のリーガがどうだったのかをお伝えしておかないと。今節はマドリッドの弟分にはいい目が出ず、ベティスとのアウェイ戦に挑んだヘタフェが2-2と引き分けた翌日、レガネスも土曜のお昼のバレンシア戦でパレホ、ロドリゴ、サンティ・ミナにゴールを入れられて完敗。いやあ、確かにガリターノ監督も「この3-0というスコアを見れば、誰でも何がああいったチームとの差なのかわかる。Ni aun jugando bien eres capaz de sacar nada/ニ・アウン・フガンドー・ビエン・エレス・カパス・デ・サカール・ナーダ(ウチがいいプレーをしていたって、何も得ることはできない)」と、前節のセビージャ戦からの連敗にリーガ上位候補との実力の違いを痛感していたようですけどね。
▽実際、ローコストの選手で構成されているレガネスの目標は1部残留のため、今も9位ですし、これからも同等チームとの対戦でしっかり勝ち点を稼いでいけば問題はないんですが、paron(パロン/リーガの停止期間)明けにはバルサ戦が控えていますからね。やはり3連敗ともなると選手たちの士気に良くありませんし、それこそ先日は昇格組のジローナが兄貴分のレアル・マドリーに勝つという僥倖があったばかり。となれば、月火の練習休みの後、新グラウンドもオープンしたというインスタラシオン・デポルティボ・ブタルケで水曜から再開される練習では、各国代表に出向する選手がアムラバット(モロッコ)1人しかいないという強みを生かし、気合も新たにトレーニングに励んでもらいたいものです。

▽そして同じ土曜、やはりアウェイでデポルティボ戦となったのがアトレティコで、うーん、最近は私も近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)に彼らの試合を見に行くたび、あんなチームを応援している自分が変な奴に思われていないかと恥ずかしくなる、何年かぶりの肩身の狭さを感じているんですけどね。その日も先週ミッドウィークのCLカラバフ戦からプレーが向上した気配がまったくなく、中盤でパスがまったく続かないわ、ロングボールは必ず敵選手のものになるわ、グリーズマンのシュートはGKにセーブされるわと、とにかく頭が痛くなる一方だったんですが、デポルティボにも決定力が欠けていたのが幸い。
▽よって90分が0-0で終わり、またドローかと溜息をついていたところ、いやあ、たまにはツキが回ってくることもあるんですね。いえ、ロスタイムにリュカがエリアすぐ前で倒されてFKをゲットした時には、別にアトレティコにはメッシやクリスティアーノ・ロナウドのように直接狙って成功するキッカーがいる訳じゃないしと、あまり期待はしていなかったものの、何とガビが短く横に出したボールをトーマスが弾丸シュート。GKパンティリモンは一歩も動けず、土壇場で1点をもぎ取った彼らが0-1で勝利って、まったく冗談みたいじゃないですか。

▽ただ、「ガビとボクで決めたんだ。Hemos trabajado en los entrenamientos el pegarle asi/エモス・トラバハードー・エン・ロス・エントレナミエントス・エル・ペガールレ・アシー(練習でああいう風に蹴るってね)」と後で打ち明けていたトーマスでしたが、実を言うと、先日のカラバフ戦同様、それまではミスのオンパレード。見ているのが辛くなる程の酷さでありながら、その時も彼がエリア外からのgolazo(ゴラソ/スーパードール)で1-1の同点に持ち込み、驚かせてくれたんですが、要はパスやボール扱いとシュート能力にはまったく関係がない?

▽というか、両方とも秀でていたなら、アトレティコなどにはおらず、それこそお隣さんの選手になっていたりするんじゃないかと思いますが、これで今季4ゴールでチームの得点王となったからって、この先もトーマスの決定力だけにチームの命運を預ける訳にはいかないですからね。その日はグリーズマンを後半35分で下げ、代わりにCBのヒメネスをボランチとして入れることで「buscaba fortalecer el medio campo, buscamos el gol con Saul, Gameiro y Gaitan/ブスカバ・フォルタレセル・エル・メディオ・カンポ、ブスカモス・エル・ゴル・コン・サウル、ガメイロ・イ・ガイタン(中盤を強化して、サウール、ガメイロ、ガイタンで得点を目指そうと思った)」とシメオネ監督は言っていましたが、このFW陣のゴール日照りぶり、いくらここまでリーガ11試合無敗、昨季の同時点より勝ち点2多いとはいえ、かなり心配ですよね。

▽え、せっかくアトレティコが勝ったのに私が喜べないのは次の試合がマドリーダービーだからじゃないかって?そうですね、デポルティボ戦でも相変わらず、ひどいサッカーをしていた点についてはこの火曜、マハダオンダ(マドリッド郊外)の練習場で午前11時から始まるセッションから改善に取り組んでもらうしかないんですが、今回の各国代表戦ではすでに予選敗退の決まったオブラク(スロベニア)やサビッチ(モンテネグロ)は試合がなく、トーマス(ガーナ)も出場停止なので行く必要はなし。負傷中のコケ(スペイン)とカラスコ(ベルギー)、フィリペ・ルイス(ブラジル)もこの2週間で全快する見込みと、不在なのはグリーズマン(フランス)、ゴディンとヒメネス(ウルグアイ)、リュカ(フランスU21)、そしてギリシャとのW杯予選プレーオフに挑むクロアチアのヴルサリコと極少数に留まったこともありがたいんですが、同様にcrisis(クリシス/危機)状態と言われていたマドリーが翌日曜のラス・パルマス戦で何だか、立ち直ってしまったみたいなんですよ。

▽いえ、ジローナ戦、CLトッテナム戦の連敗を経て、大胆なローテーションをするんじゃないかと言われていたその試合、ジダン監督はW杯出場の懸かった代表戦の待っているモドリッチ(クロアチア)を控えに、アクラフ(モロッコ)をベンチ外にしただけで、アセンシオやCBバジェホが先発に入った程度のメンバーチェンジだったんですが、前半はまるでお隣さんに憑依されたようにボールが繋がらず。40分にようやくCKからカセミロのヘッドが決まり、サンティアゴ・ベルナベウのスタンドからの一斉pito(ピト/ブーイング)を避けた彼らだったんですけどね。ハーフタイムに「監督からllevaramos el balon de lado a lado con circulaciones rapidas/ジェバラモス・エル・バロン・デ・ラードー・ア・ラードー・コン・シルクラシオネス・ラピダス(素早くボールを回してサイドチェンジをするように)と言われた」(バジェホ)のが功を奏したんでしょうか。

▽後半10分にはGKラウールがパンチングしたボールをエリア外でアセンシオが待ち受け、25メートルの距離から狙い澄ました一発を決めたため、会場の雰囲気が一変。ラス・パルマスも前半こそ、器用にパスを回していたものの、時間の経過と共に疲れが出たか、28分にはとうとうマドリーのお家芸、高速カウンターにはまってしまってはどうしようもありませんって。ええ、この日はロナウドがドリブルで右サイドを上がり、ゴール前にラストパス。ピッチ中央を一緒に全力疾走してきたイスコがこれに合わせ、3点目をゲットしたとなれば、もう勝利は安泰です(最終結果3-0)。

▽ただ、こちらもいい話ばかりではなくて、この試合でも今季まだリーガ1得点のコンビ、ロナウドとベンゼマのゴール日照りは続行。いえ、後者などは序盤、GKとの1対1を失敗し、交代時にもブーイングを受けながら、特に表情に変わりなかったんですが、「Cris es cierto que se va a casa molesto cuando no mete/クリス・エス・シエルトー・ケ・セ・バ・ア・カサ・モレスト・クアンドー・ノー・メテ(ロナウドはゴールを入れないとムクれて家に帰る)」とセルヒオ・ラモスも言っていた通り、前者はイスコのゴールが決まった時もまったく喜ばず。ジダン監督は「アシストして彼は満足しているよ」と一応、フォローしていましたけどね。今月はフェルナンド・サントス監督からポルトガル代表参加も免除されているため、サウジアラビアとアメリカ相手の親善試合でゴールを量産する機会を逃し、逆にこの2週間、当人がフラストレーションを溜め続けることにならない?

▽加えて、10月の代表戦直前から負傷で欠場が続いているベイルも今回、ウェールズ代表には行かず、ダービーで復帰予定ですし、ベンゼマはずっとデ・シャン監督に呼ばれていませんからね。18日のワンダ・メトロポリターノにはBBCが勢揃いというのも怖いんですが、他にもカルバハル(スペイン)がそろそろ実戦に戻れそうだとか。ヴァランも元気になってフランス代表に行きましたし、唯一、コバチッチだけはまだ時間がかかりそうで、今回も先輩モドリッチが何とか母国をロシアに導いてくれるよう、マドリッドで応援。ブラジルの親善試合に参加するマルセロ、カゼミロも日本戦はリールで、イングランド戦はロンドンでと短い旅程ですし、スペイン代表もラモス、ナチョ、アセンシオ、イスコの4人だけと最近は少ないんですよ。

▽となると、あまり代表疲れしてダービーに臨む選手もいないかと思いますが、こればっかりはねえ。ちなみにマドリーのバルデベバス(バラハス空港近く)でのセッションは水曜午後4時から再開されますが、この代表戦週間は有名選手が結構、残っているため、マドリッド観光に来ているファンなら、クラブのオフィシャルページ(http://www.realmadrid.com/)でentrenamiento(エントレナミエントー/練習)の予定をチェックして、セルカニアス(国鉄近郊路線)C-1号線Valdebebas(バルデベバス)駅から歩いてすぐの関係者用車両出入り口前で選手を待つなんてしても楽しいかも。

▽彼らの車が止まってくれるのは帰りの方が多いんですが、目安として、セッションは1時間程。それから着替えやマッサージをして、それぞれ三々五々、出て来ることや、最近のマドリッドは急激に気温が低下している上、現地は吹きっさらしでお店も何もないため、しっかり防寒していった方がいいというのがアドバイスになりますでしょうか。そうそう、代表戦週間中は大抵、どのクラブも週末は練習休みになるのも覚えておいた方がいいですね。

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