【原ゆみこのマドリッド】ちょっといい感じになってきた…

2017.03.07 11:30 Tue
▽「どっちもどっちよね」そんな風に私が呆れていたのは月曜日、マドリッドの両雄、レアル・マドリーとアトレティコのキャプテンがニュースで取り上げられているのを見た時のことでした。いやあ、セルヒオ・ラモスが試合と試合の間の短いフリータイムを利用して、これでもかというぐらい、タトゥーのコレクションをせっせと増やしているのは、クラブW杯のため、日本への長期フライトに出る前にもあったことですし、それに比べれば、イタリアなんてご近所のようなものですから、今更驚きませんけどね(https://www.instagram.com/p/BRRQQEmD0sW/?taken-by=sr4oficial)。同じ指の話でも、まさかガビが家庭内事故で小指と薬指を骨折して、バレンシア戦ではギプスをしてプレー。火曜には手術もするって、こんなシーズンの大事な時期に一体、家で何していたんですか?
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▽まあ、それは試合に差し障りはないようなので、別にいいんですけどね。というか、先週末のリーガはマドリッド勢、皆がメデタイ結果に終わったため、私も久々に気分がいいんですが、先陣を切って、今季リーガの“final(フィナル/決勝)“に勝ったのは新弟分のレガネス。ええ、ブタルケに降格圏住人のグラナダを迎え、後半39分に試合唯一のゴールを挙げたマチスは、実は対戦相手からのレンタル移籍選手だったものの、契約条項による出場制限がなかったため、ブエノやティトとは違って、ピッチにいてくれたのはラッキーだったかと。当人的には複雑な心境だったかもしれませんが、おかげで1-0の勝利をモノにしたレガネスは18位と勝ち点差を5に広げることができましたっけ。▽そして続いてはマドリーがイプルアでのエイバル戦に挑んだんですが、この日はジダン監督が火曜のCL16強対決ナポリ戦2ndレグを睨んで、ローテーションをかけたのがバッチリ成功。ええ、ラス・パルマス戦で退場したベイルは仕方ないとしても、クリスチアーノ・ロナウドも疲れをとるためにマドリッドでお留守番としたところ、トップを務めたベンゼマがBBC(ベイル、ベンゼマ、ロナウドの頭文字)全員を合わせた分に匹敵する働きをしてくれるんですから、有難いことじゃないですか。
▽いえ、もちろんそれには普段出場機会の少ないアセンシオやハメス・ロドリゲスが発奮したという理由もありますけどね。前半13分には、そのアセンシオからのラストパスを1度はGKジョエルに弾かれながら、2度目のトライでは先制点に。24分にはハメスの蹴ったFKをゴールに流し込んで自身2点目、29分には逆にハメスをアシストして、3点目のお膳立てをしているとなれば、ベンゼマもその日の試合がサンティアゴ・ベルナベウでなかったのは残念だったかも。

▽後半はどちらかというと落ち着いた展開になったんですが、14分にはno habituales(ノー・アビトゥアレス/控え選手のこと)コンビが連携。というか、アセンシオがハメスに完璧なラストパスを送ったんですが、後者のシュートがゴールポストに当たって跳ね返ってきたため、結局は自分で決めたんですけどね。もうこれで0-4となれば、ここバレンシア戦、ビジャレアル戦、ラル・パルマス戦と相手にリードされ、少々、根性のremontada(レモンターダ/逆転劇)攻勢に食傷気味だったファンも久々にスッキリした気持ちになれたかと。
▽え、このマドリー戦までは決して調子が悪い訳じゃなかったエイバルなのに、エンリッチやペドロ・レオン、アドリアンがいても反撃1つできなかったのかって?うーん、前節に退場させられたおかげでメンディリバル監督がベンチにいなかったのもありますし、丁度、残留確定ライン程度となる勝ち点をすでに溜めていたため、選手たちがヨーロッパリーグ出場圏の6位(コパ・デル・レイでバルサが優勝、リーガでも4位以内に入っていたら7位)まで、この先も8位からの順位アップを目指して頑張るべきか決めかねているタイミングでもありましましたしね。41分には乾貴士選手もペドロ・レオンと交代で入ったんですが、ロスタイムにルベン・ペーニャが記念のゴールを入れただけで、最後は1-4で完敗となりました。

▽ちなみにこの試合の後、引き分けでも敗戦でもなかったため、第2キャプテンのマルセロはお役御免になったにも関わらず、ラモスがミックスゾーンに姿を現したのは先日、ラス・パルマス戦の後にあったミーティングで当人が、「ロナウドだけは年に60本ゴールを決めるんだから、試合で走らなくてもいい」と言ったという報道があったのを正したかったからのよう。曰く、「あれはでっちあげだよ。Aquí corremos todos, somos todos iguales/アキー・コレモス・トードス、ソモス・トードス・イグアレス(ウチじゃ皆が走る。皆、同等さ)」とのことですが、ただねえ。敵にリードを許してしまった最近の試合では、よくチームが上下でパッカリ分れていましたからね。

▽月曜にはナポリに移動したマドリーの記者会見では、ジダン監督も「Lo que importa no es el dibujo, es la actitud/ロ・ケ・インポルタ・ノー・エス・エル・ディーホ、エス・ラ・アクティトゥッド(大事なのはシステムではなく、選手の態度)」と言っていましたし、ここは火曜のサン・パオロ(ナポリのホーム)での試合でロナウドやベイルのボールロスト時の走りっぷりを、エイバル戦でのアセンシオやハメスと比べてみるのも一興かと。いやあ、実はベイルについては現地での練習中、痛みを覚えて早退したなんて情報も入ってきているんですけどね。おまけに30年ぶりにナポリを訪れたマドリーには、1987年に欧州チャンピオンズカップで対戦した時、郊外に宿を取ったにも関わらず、当時は現役だったブトラゲーニョ渉外ディレクターらが熱烈なティフォシ(サポーター)が周囲で騒いで眠れなかったという辛い経験が。

▽そこで今回は市内にありながら、内部が隔離状態になるPlazzo Caracciolo(パラッツォ・カラチオロ)ホテルを選んだものの、すでにナポリファンの騒音にシエスタ(昼寝)ができなかったというカルバハルの証言もありますしね。寝不足ではロナウドがあまり走れなくても非難はできないかと思いますが、前回の試合では、そのブトラゲーニョ氏が同点ゴールを挙げて1-1に持ち込み、マドリーは総合スコア3-1で悠々と勝ち抜けしていることも参考までにお知らせしておこうかと。

▽実際、火曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)からのこの一戦では、1stレグで3-1と負けているナポリは2-0にしないと逆転できない訳ですし、CLとなると、マドリーの選手たちの気合もリーガの数倍はアップしますしね。ここ2試合、スポルティングに6-1、セルタに5-0とカンプ・ノウでgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)を続け、水曜のPSG戦で永遠のライバルのお株を奪うremuntada(レモンターダのカタルーニャ語)達成のリハーサルを着々としているバルサが、前者の結果では敗退となるのとはまったく事情が違うので、まあ大丈夫じゃないかと思うんですが…。

▽そして翌日曜はビセンテ・カルデロンにバレンシア戦を見に行った私でしたが、最近では珍しいイライラの少ない試合だったから、意外だったの何のって。そう、それは開始から9分になろうかという頃、丁度、fondo sur/フォンド・スール(南側ゴール裏席)のサポーターたちが、木曜のデポルティボ戦で頭を打って意識を失い、病院に緊急搬送された後、異常がないことがわかって、2日間は同じガリシア地方(スペインの北西部)のサンティアゴ・コンポステーラに住む、奥さんのオラジャさんの両親のところにお世話になっていたものの、試合当日に帰京。チームの応援にパルコ(貴賓席)に来ていたフェルナンド・トーレスを励ます、「El Calderon te quiere. Fuerza Torres!/エル・カルデロン・テ・キエレ。フエルサ・トーレス(カルデロンは君を愛している。頑張れ、トーレス)」と書かれた横断幕を広げる準備をしている最中のことでした。

▽当然、それが用意できたら、スタンドは「フェルナンド・トーレス、ロロロロー」と一斉に合唱するはずだったんですが、間が悪いというか、いや悪いことなんて絶対ないんですけどね。その寸前にコケのスルーパスをグリースマンが撃ち込んで、先制点を挙げてしまったとなれば、ファンだって、そっちを優先して喜ばない訳にいかないじゃないですか!

▽もちろん、殊勲の当人が先日、レアル・ソシエダのファンミがユニフォームを頭までめくり上げたせいで、イエローカードをもらったばかりだったのもあるんでしょうかね。アトレティコのスタッフの指導が効いていたか、聴診器を当ててもらう時のような位置までしか上げず、「Feliz cumple♡Gordita!!!/フェリス・クンプレ、ゴルディータ(誕生日おめでとう、おデブちゃん/注:スペインで親しい仲で言う場合は悪口にはならない)」という、彼女のエリカさんに捧げるメッセージを披露。その後、ちゃんとトーレス・コーレスも始まりましたが、いやいや、タイミングを見計らうのもなかなか大変です。

▽そして前半はそれしか得点はなかったものの、アトレティコは後半開始早々にも2点目をゲット。今度はフィリペ・ルイスが送ったパスをガメイロがエリアすぐ前からシュートして、CBマンガラの足に当たったボールがGKジエゴ・アウベスを破ってくれたから、助かったの何のって。いやあ、何せ33分には再び、ガイタンのパスをトマスが受け損ない、前方に転がったボールにグリースマンが追いついて、ダメ押しの3点目が入ったというものの、その日、クラブのオフィシャルサイトの試合レポートですら、「primero Bakkali, y después Cancelo se empeñaron en ser atacantes del Atlético/プリメーロ・バッカリ、イ・デスプエス・カンセロ・セ・エンペニャロン・エン・セル・アタカンテス・デル・アトレティコ(最初はバッカリ、その後はカンセロがアトレティコのアタッカーになろうと尽力していた)」と皮肉られていた程、自陣でのミスが多かったバレンシアというのに相も変わらず、アトレティコは決定力の低さを再三露呈。

▽ええ、ガメイロもグリースマンも絶好機にGKにそらされたり、枠を外したりしていたんですが、それでも8回の枠内シュートの3本がゴールになったのはいい方かと。ただし、相手がバルサやマドリー、その他のヨーロッパの強豪の場合を別にすればですが、グリースマン自身も「Contento con mi rendimiento/コンテントー・コン・ミ・レンディミエントー(自分のパフォーマンスには満足している)」と言っていましたしね。実際、全てのチャンスを決めていたら、それこそ彼らもメッシ、ロナウドといった、extraterrestre(エクストラテレストレ/地球外生物)という括りに入れられてしまいますって。

▽だとしても、せめて全盛期のファルカオ(現モナコ)やジエゴ・コスタ(現チェルシー)ぐらいの確率でゴールを決めてほしいと思ってしまうのは私が欲張りなせいでしょうか。うーん、3-0で勝利と、2試合ぶりのリーガで快勝を味わったシメオネ監督は、「Salvo la derrota con el Barcelona, jugando bien, hemos mantenido una línea/サルボ・ラ・デロータ・コン・エル・バルセロナ、フガンドー・ビエン、エモス・マンテニードー・ウナ・リネア(バルサ戦の敗北を除いて、ウチはいいプレーで一定のラインを保っていた)」とちょっと、だったらあのデポルティボ戦のダメダメぶりは何だったのよと、首を傾げてしまうようなコメントをしていましたけどね。

▽この白星のおかげで2日間、ソシエダに奪われていたCL出場権、最後の砦の4位も取り戻せましたし、「今、ウチはシーズンの最も大事な時期にある。全ての試合が決勝で、どこが一番強いかわかる時」(シメオネ監督)というのは事実。幸い、ゴディンが出場停止だったその日、元カノとの相互DV訴訟で公的奉仕21日間の判決を受けて以来、初めてマイクの前に立ったルカスも「He aprendido que hay que ser más listo y más precavido en la vida/エ・アプレンディードー・ケ・アイ・ケ・セル・マス・リストー・イ・マス・プレカビードー・エン・ラ・ビダ(人生ではもっと賢く、そしてもっと用心深くないといけないことを学んだ)」と言っていた通り、教訓を生かした好プレーでしっかり穴を埋めてくれていましたしね。

▽デポルティボ戦では、意識を失った同僚の気道確保に緊急救命措置レッスンの成果を披露しただけに留まっていたベルサリコも右サイドを何度も上がって、いい働きをしていましたし、彼らのCL16強対決レバークーゼン戦2ndレグは来週開催で、それまでにはトーレスも復帰できる見込みですしね。何より、次戦の相手はグラナダとなれば、そう悲観することもない?その上、月曜開催リーガでは3位のセビージャがアラハベスと引き分けたなんて報もあり、選手たちも力づけられていると思いますが…ただ、アトレティコがミッドウィークに引き分けているため、勝ち点差は7ポイントに戻っただけなんですよね。

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