【原ゆみこのマドリッド】ただ差が開いただけだった…
2017.02.28 10:59 Tue
▽「8月にプレーオフがあるのもイヤだけど、今更ヨーロッパリーグもねえ」そんな風に私が嘆いていたのは月曜。前夜は怖くて見られなかったリーガの順位表をスポーツ紙で確認した時のことでした。いやあ、一足早くセビージャがベティスとのダービーに1-2で勝ち、首位のレアル・マドリーと勝ち点で並んだ時は、TVでサンパオリ監督の満足顔を見てもまだ、アトレティコとの差が広がったって一晩だけのことと、あまり気にしていなかったんですけどね。日曜の試合が終わってみれば、上位3チームは勝ち点3差内と変わらないのに、彼らはお隣さんと10差、CLグループステージ出場圏内までは7ポイント。それどころか、5位のレアル・ソシエダと1差しかないとなれば、バルサ戦の後、キャプテンのガビが「Lo importante es mantener el cuarto/ロ・インポルタンテ・エス・マンエネール・エルクアルト(大事なのは4位の座を維持すること)」と話していたのは当然だったから。
▽まあ、何でそんな破目になったかはまた後で話すとして、先週末のリーガ戦のマドリッド勢は土曜のレガネスからスタートすることに。ブタルケにデポルティボを迎えたんですが、前節にカンプ・ノウで善戦したのがよっぽど自信になったんでしょうかね。これまでゴール不足に悩んでいたチームとは思えない勢いで、前半はシマノフスキとマントバーニが、後半もウナイ・ロペスとブエノがゴールを決め、4-0と大勝してしまったから、驚いたの何のって。おかげでアシエルとガイスカのガリターノ監督対決は前者に軍配が挙がり、レガネスの順位も16位に上昇。降格圏とも勝ち点差4がついたため、今週ミッドウィーク開催の火曜のバレンシア戦でも浮かれず、その勢いを維持してほしいものです。
▽そして翌日の夕方、私はビセンテ・カルデロンに向かったんですが、バルサを迎えたその一戦の前半はまるでコパ・デル・レイ準決勝の続きを見ているかのごとし。ええ、もちろん1stレグ前半でまったく覇気がなかったのを反省していたアトレティコは、あわや逆転勝ち抜けも夢ではないと思わせた2ndレグのような勢いでスタートし、実際、先制するチャンスもあったんですけどね。GKがシレッセンからテア・シュテーゲンに代わっても結果は同じ。グリーズマンの強烈な一撃はparadon(パラドン/スーパーセーブ)されてしまいます。ただ、彼らも肩の脱臼から回復し、モヤから先発を引き継いだオブラクがメッシのFKを弾き飛ばし、ルイス・スアレスに蹴られてもゴールを死守したため、0-0のまま、ハーフタイムに入ったんですが…。
▽まずは63分、エリア内で行ったり来たりするボールを最後はルイス・スアレスが撃ちに行ったところ、この試合で復帰したゴディンが同じウルグアイ代表のチームメートの前をふさいだものの、ボールは通ってしまい、その辺りにいた誰より素早かったラフィーニャにゴールにされてしまうんですから、困ったもんじゃないですか!
▽でもこの時はまだ良かったんです。ええ、70分にはコケのFKをゴディンが名誉挽回とばかりにヘッドで同点弾を決め、勝負は一旦、振り出しに。折しも前回のリーガのホームゲームではセルタ相手に奇跡のremontada(レモンターダ/逆転劇)を披露、お隣さんのようなこともできるんだとわかっただけでなく、火曜のCLレバークーゼン戦1stレグで4点も取っていたことあって、これですっかりスタンドのファンも行けると思ったところ…。
▽それが諸刃の剣だったとは! 実際、「前半での頑張りとミッドウィークのCL戦で、les pasó facture/レス・パソ・ファクトゥーラ(彼らはツケを払うことになった)」(イニエスタ)だったんでしょうかね。フェルナンド・トーレスとコレアが交代でピッチに立ったものの、いつまで経ってもアトレティコは追加点を奪えず。いえ、それどころか86分には再び、エリア内で混乱状態に陥ってしまいます。ええ、メッシの蹴ったFKが弾かれて、ラキティッチによって戻って来ると、ウムティティ、ルイス・スアレスと繋がれ、最後はまたメッシがシュートなんて一体、あっていい? 挙句の果てに前をふさいだサビッチの脚に当たったボールをもう1度メッシに蹴り込まれ、バルサに勝ち越し点を取られてしまったなんて日には、もう「今日みたいに好ゲームを演じたって、こういう試合では常に幸運が必要なんだ。No la hemos tenido/ノーラ・エモス・テニードー(それがボクらにはなかった)」とコケが嘆く気もわからなくはない?
▽いえまあ、サッカー選手として正しい姿勢は「上手いことプレーしても結果が出ないのをウチは見てきたから、habrá que apretar más el culo/アブラ・ケ・アプレタール・マス・エル・クーロ(もっと尻を引き締めていかないといけない)」と、できた後輩のサウールの言う通りなんでしょうけどね。こうもバルサに勝てない試合ばかりを見せられると以前、14年間、マドリーダービーで白星がなかった時代を思い出してしまうばかり。就任以来、リーガ戦でバルサに勝ったことのないシメオネ監督もこの日は珍しく、「おそらく今日は値しない勝利を持ち帰られた」と不満を漏らしていましたが、大事なのは「Ellos demostraron su categoría en el lugar más importante, el área/エジョス・デモストラロン・ス・カテゴリア・エン・エル・ルガール・マス・インポルタンテ、エウ・アレア(彼らは一番重要な場所、エリア内でクラスを見せた)」(シメオネ監督)なんですから、もう仕方ないですよね(最終結果1-2)。
▽そして夜になって、近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)でマドリーの試合を見た私でしたが、さすがこちらは根性のレモンターダの本家本元。昨年12月、クラブW杯参加のため延期され、先週、ミッドウィークにあったバレンシア戦同様、前半は0-0という違いはあったものの、後半序盤にトリゲロスとバカンブのゴールで2点を先行されながら、きっちり逆転勝利しているのですから、伝統芸とは何とも恐ろしいものです。いえ、今回は起爆剤としてカゼミロに代えてイスコが入った後、60分にカルバハルのクロスをベイルがヘッドで決めてしばらく、同じバレンシア地方(スペイン南東部)のお隣さんですし、そのままビジャレアルに逃げ切られるんじゃないかと思われた時間帯もあったんですけどね。
▽70分にクロースがエリア内に入れたクロスをビクトル・ルイスが弾いたところ、ボールがブルーノ・ソリアーノの腕に当たり、何と審判がペナルティを宣告。どうもこれは当人も後で「el balón me viene rebotado al brazo y no puedo cortarmelo/エル・バロン・メ・ビエネ・レボタンドー・アル・ブアソ・イ・ノー・プエド・コルタルメロ(ボールは弾かれて腕に当たったし、自分の腕を切り落とす訳にもいかないし)」と言っていましたし、この時の抗議で退場処分になったエスクリバ監督も「審判とのミーティングではリバウンドのボールが腕に当たってもペナルティにはならないと言われていた」と主張。スポーツ紙などでも概ね、PKを与えるのはおかしいという意見だったんですけどね。
▽判定が覆る訳もなく、実際に蹴るまで3分程、中断されていたにも関わらず、ここはクリスチアーノ・ロナウドが落ち着いて同点をゲット。うーん、大体がして、どこそのチームの当てにならないPKキッカーたちとは違い、前節のレガネス戦ではメッシも土壇場で勝利のPKゴールを決めていましたしね。やはり一流の選手は、ここ一番の大事な場面では失敗しないのが普通です。木曜にはバチカンで教皇に福音を授けてもらったビジャレアルの選手たちもこれには落胆してしまったか、その後、83分にはイスコが取り戻したボールを起点となり、マルセロのクロスを同じ途中出場のモラタが頭で撃ち込んで、とうとうマドリーの逆転劇が完成となりました(最終結果2-3)。
▽うーん、ジダン監督も後で「Isco y Morata cambiaron el partido, seguro que merecen más minutos/イスコ・イ・モラタ・カンビアロン・エル・パルティードー、セグロ・ケ・メレセン・マス・ミヌートス(イスコとモラタは試合を変えた。もっと多くのプレー時間を与えるに値するよ)」と、この日お手柄だった2人について言っていましたけどね。BBC(ベイル、ベンゼマ、ロナウドの頭文字)が勢揃いしたからには、大事な試合は彼らが先発となるのがマドリーのマスト。となると、この日はモラタが3点目を挙げた後、痛みを訴えてルーカス・バスケスと交代したベイルも「Tiene un golpe, no parece que sea nada más/ガレス・ティエネ・ウン・ゴルペ、ノー・パレセ・ケ・セア・ナーダ・マス(ただの打撲で、それ以上には見えない)」(ジダン監督)ため、他のアタッカーたちにまだ辛抱の時期が続きそうなのはちょっと、気の毒かもしれませんね。
▽え、ビジャレアルではそれどころではないケガ人が前半に出て、大変だったんだろうって? その通りで、実は24分にベンゼマのヘッドを弾いた拍子にGKアセンホが左ヒザの靭帯を断裂。実は彼、アトレティコにいた時代の2010年、マラガにレンタル移籍していた2011年、そして2015年にも今のチームで右ヒザの靭帯断裂を経験しており、今回は反対の脚だったからでしょうか。その直後は当人も気づかず、しばらくプレーを続けたものの、34分には控えのアンドレス・フェルナンデスに交代。すぐに病院に行って検査したところ、4度目の重傷発覚となりました。
▽いやあ、今季のアセンホは絶好調で、チームはリーガでどこより失点が少なく、当人はサモラ(失点率の一番低いGKに与えられる賞)街道まっしぐら。昨年11月のスペイン代表戦でもデ・ヘア(マンチェスター・ユナイテッド)、レイナ(ナポリ)に次ぐ第3GKとして招集を受けていた程だったんですが、本当にこういう話を聞くと、人生だけでなく、サッカーでも一番大事なのは運じゃないかと私も思うことしきりなんですけどね。27歳のアセンホはまた手術を受け、6カ月のリハビリに耐えての復帰を誓っていますが、何はともあれ、来季には元気になった姿を再びピッチで見せてくれるのを願っています。
▽一方、マドリーはその夜、カステジョン(ビジャレアルのある州)の飛行場が霧に覆われ、帰京できなかったんですが、翌朝にはマドリッドに無事到着。そのままバルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場に直行すると、水曜のラス・パルマス戦に備えて練習を開始しています。何せ、このミッドウィーク開催リーガでも2位のバルサは同じ水曜ながら、午後7時30分からスポルティング戦と、9時30分(日本時間翌午前5時30分)キックオフのマドリーの前にプレーしますからね。まだ日程が決まっていないセルタ戦(バライドスの屋根が壊れて延期)が行われるまで、消化試合が1つ少ないというのりしろはありますが、バレンシア戦の例もあることですし、ここは相手が先に勝って順位表の上に立ち、プレッシャーをかけてきても決して慌てず、自分たちのノルマをこなすしかないかと。
▽ラス・パルマスも前節、レアル・ソシエダに0-1で負け、いえ、これが、アトレティコが5位に勝ち点1差に迫られてしまった原因というのはともかく、4連敗中と決して調子が良くないのも有難いかもしれませんしね。お楽しみは今季、PSGに移籍しながら、パリの水が合わず、1月から生まれ故郷のチームにレンタルで加入したヘセがサンティアゴ・ベルナベウに戻って来ることですが、果たして古巣への恩返しができるかどうか。
▽そうそう、アトレティコは木曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)からアウェイのデポルティボ戦なんですが、折しもレガネス戦で大敗したガイスカ・ガリターノ監督はラ・コルーニャ(スペイン北西部のリゾート都市)に戻るやいなや、解任の憂き目に。試合までにはペペ・メル監督が就任すると聞いていますが、こちらもソシエダが火曜にエイバル戦、セビージャも同じ木曜の早い時間帯にアスレティック戦となるため、自分の試合が終わるまで、選手たちには順位表を見ていてほしくないですね。
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▽いえ、シメオネ監督の「A mí no me cambia el objetivo desde que llegué al club/ア・ミー・ノ・メ・カンビア・エル・オブヘティボ・デスデ・ケ・ジェゲ・アル・クルブ(このクラブに来てからの目標は自分にとって変わらない)」という言葉を伝え聞いたか、チームがダメダメだった時代をあまり覚えていない後輩のカンテラーノ(アトレティコB出身の選手)、コケなどは、「ボクらは常に上を見ていて、el objetivo es alcanzar la tercera plaza/エル・オブヘティボ・エス・アルカサール・ラ・テルセラ・プラサ(目標は3位の座につくことだよ)」と言っていましたけどね。今季、ここまでリーガ上位5チームとの対戦でたった勝ち点1しか取れていない現実を踏まえれば、直接対決で差を縮めればいいとか、そんな上手い話はとても考えられず。▽となると、精一杯楽観したとして、私のできるのは夏のバケーションを早めに切り上げて、8月15、16日には絶対マドリッドにいるようにすることぐらいですが、来季は新規にオープンするワンダ・メトロポリターノがホームとなるアトレティコ。ただ、それもリーガ開幕から2試合はLEP(スペイン・プロリーグ協会)にアウェイ戦にしてくれるように頼んでいるぐらい、少々遅れ気味なため、すでにビセンテ・カルデロンお別れイベントのOB試合やコンサートの予定も組まれていながら、またCLプレーオフの1試合のために芝を貼らないといけないというのはやっぱり、間が抜けて見えますよね。▽そして翌日の夕方、私はビセンテ・カルデロンに向かったんですが、バルサを迎えたその一戦の前半はまるでコパ・デル・レイ準決勝の続きを見ているかのごとし。ええ、もちろん1stレグ前半でまったく覇気がなかったのを反省していたアトレティコは、あわや逆転勝ち抜けも夢ではないと思わせた2ndレグのような勢いでスタートし、実際、先制するチャンスもあったんですけどね。GKがシレッセンからテア・シュテーゲンに代わっても結果は同じ。グリーズマンの強烈な一撃はparadon(パラドン/スーパーセーブ)されてしまいます。ただ、彼らも肩の脱臼から回復し、モヤから先発を引き継いだオブラクがメッシのFKを弾き飛ばし、ルイス・スアレスに蹴られてもゴールを死守したため、0-0のまま、ハーフタイムに入ったんですが…。
▽うーん、基本的にバルサ来襲時のアトレティコは、どうせ自分たちはそんなに完璧なパスサッカーはできないからという諦めもあるんでしょうかね。ピッチの芝を長めにし、水も撒かないでおくため、現在はカタールでプレーしているチャビを筆頭に、試合後はいつもブーブー文句を言われていたんですが、この日は「Nos benefició para conseguir los dos goles y a ellos en una contra de Griezmann/ノス・ベネフィシオ・パラ・コンセギール・ロス・ドス・ゴーレス・イ・ア・エジョス・エン・ウナ・コントラ・デ・グリースマン(ウチが2点を取る助けになり、グリーズマンのカウンターを邪魔した)」(ルイス・エンリケ監督)という現象が発生。いえ、もちろんシメオネ監督は認めていませんし、「No logramos despejar una jugada de muchos rebotes/ノー・ログラモス・デスペハール・ウナ・フガダ・デ・ムーチョス・レボテス(何度も跳ね返ったボールをクリアすることができなかっただけ)」という意見はもっともなんですけどね。
▽まずは63分、エリア内で行ったり来たりするボールを最後はルイス・スアレスが撃ちに行ったところ、この試合で復帰したゴディンが同じウルグアイ代表のチームメートの前をふさいだものの、ボールは通ってしまい、その辺りにいた誰より素早かったラフィーニャにゴールにされてしまうんですから、困ったもんじゃないですか!
▽でもこの時はまだ良かったんです。ええ、70分にはコケのFKをゴディンが名誉挽回とばかりにヘッドで同点弾を決め、勝負は一旦、振り出しに。折しも前回のリーガのホームゲームではセルタ相手に奇跡のremontada(レモンターダ/逆転劇)を披露、お隣さんのようなこともできるんだとわかっただけでなく、火曜のCLレバークーゼン戦1stレグで4点も取っていたことあって、これですっかりスタンドのファンも行けると思ったところ…。
▽それが諸刃の剣だったとは! 実際、「前半での頑張りとミッドウィークのCL戦で、les pasó facture/レス・パソ・ファクトゥーラ(彼らはツケを払うことになった)」(イニエスタ)だったんでしょうかね。フェルナンド・トーレスとコレアが交代でピッチに立ったものの、いつまで経ってもアトレティコは追加点を奪えず。いえ、それどころか86分には再び、エリア内で混乱状態に陥ってしまいます。ええ、メッシの蹴ったFKが弾かれて、ラキティッチによって戻って来ると、ウムティティ、ルイス・スアレスと繋がれ、最後はまたメッシがシュートなんて一体、あっていい? 挙句の果てに前をふさいだサビッチの脚に当たったボールをもう1度メッシに蹴り込まれ、バルサに勝ち越し点を取られてしまったなんて日には、もう「今日みたいに好ゲームを演じたって、こういう試合では常に幸運が必要なんだ。No la hemos tenido/ノーラ・エモス・テニードー(それがボクらにはなかった)」とコケが嘆く気もわからなくはない?
▽いえまあ、サッカー選手として正しい姿勢は「上手いことプレーしても結果が出ないのをウチは見てきたから、habrá que apretar más el culo/アブラ・ケ・アプレタール・マス・エル・クーロ(もっと尻を引き締めていかないといけない)」と、できた後輩のサウールの言う通りなんでしょうけどね。こうもバルサに勝てない試合ばかりを見せられると以前、14年間、マドリーダービーで白星がなかった時代を思い出してしまうばかり。就任以来、リーガ戦でバルサに勝ったことのないシメオネ監督もこの日は珍しく、「おそらく今日は値しない勝利を持ち帰られた」と不満を漏らしていましたが、大事なのは「Ellos demostraron su categoría en el lugar más importante, el área/エジョス・デモストラロン・ス・カテゴリア・エン・エル・ルガール・マス・インポルタンテ、エウ・アレア(彼らは一番重要な場所、エリア内でクラスを見せた)」(シメオネ監督)なんですから、もう仕方ないですよね(最終結果1-2)。
▽そして夜になって、近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)でマドリーの試合を見た私でしたが、さすがこちらは根性のレモンターダの本家本元。昨年12月、クラブW杯参加のため延期され、先週、ミッドウィークにあったバレンシア戦同様、前半は0-0という違いはあったものの、後半序盤にトリゲロスとバカンブのゴールで2点を先行されながら、きっちり逆転勝利しているのですから、伝統芸とは何とも恐ろしいものです。いえ、今回は起爆剤としてカゼミロに代えてイスコが入った後、60分にカルバハルのクロスをベイルがヘッドで決めてしばらく、同じバレンシア地方(スペイン南東部)のお隣さんですし、そのままビジャレアルに逃げ切られるんじゃないかと思われた時間帯もあったんですけどね。
▽70分にクロースがエリア内に入れたクロスをビクトル・ルイスが弾いたところ、ボールがブルーノ・ソリアーノの腕に当たり、何と審判がペナルティを宣告。どうもこれは当人も後で「el balón me viene rebotado al brazo y no puedo cortarmelo/エル・バロン・メ・ビエネ・レボタンドー・アル・ブアソ・イ・ノー・プエド・コルタルメロ(ボールは弾かれて腕に当たったし、自分の腕を切り落とす訳にもいかないし)」と言っていましたし、この時の抗議で退場処分になったエスクリバ監督も「審判とのミーティングではリバウンドのボールが腕に当たってもペナルティにはならないと言われていた」と主張。スポーツ紙などでも概ね、PKを与えるのはおかしいという意見だったんですけどね。
▽判定が覆る訳もなく、実際に蹴るまで3分程、中断されていたにも関わらず、ここはクリスチアーノ・ロナウドが落ち着いて同点をゲット。うーん、大体がして、どこそのチームの当てにならないPKキッカーたちとは違い、前節のレガネス戦ではメッシも土壇場で勝利のPKゴールを決めていましたしね。やはり一流の選手は、ここ一番の大事な場面では失敗しないのが普通です。木曜にはバチカンで教皇に福音を授けてもらったビジャレアルの選手たちもこれには落胆してしまったか、その後、83分にはイスコが取り戻したボールを起点となり、マルセロのクロスを同じ途中出場のモラタが頭で撃ち込んで、とうとうマドリーの逆転劇が完成となりました(最終結果2-3)。
▽うーん、ジダン監督も後で「Isco y Morata cambiaron el partido, seguro que merecen más minutos/イスコ・イ・モラタ・カンビアロン・エル・パルティードー、セグロ・ケ・メレセン・マス・ミヌートス(イスコとモラタは試合を変えた。もっと多くのプレー時間を与えるに値するよ)」と、この日お手柄だった2人について言っていましたけどね。BBC(ベイル、ベンゼマ、ロナウドの頭文字)が勢揃いしたからには、大事な試合は彼らが先発となるのがマドリーのマスト。となると、この日はモラタが3点目を挙げた後、痛みを訴えてルーカス・バスケスと交代したベイルも「Tiene un golpe, no parece que sea nada más/ガレス・ティエネ・ウン・ゴルペ、ノー・パレセ・ケ・セア・ナーダ・マス(ただの打撲で、それ以上には見えない)」(ジダン監督)ため、他のアタッカーたちにまだ辛抱の時期が続きそうなのはちょっと、気の毒かもしれませんね。
▽え、ビジャレアルではそれどころではないケガ人が前半に出て、大変だったんだろうって? その通りで、実は24分にベンゼマのヘッドを弾いた拍子にGKアセンホが左ヒザの靭帯を断裂。実は彼、アトレティコにいた時代の2010年、マラガにレンタル移籍していた2011年、そして2015年にも今のチームで右ヒザの靭帯断裂を経験しており、今回は反対の脚だったからでしょうか。その直後は当人も気づかず、しばらくプレーを続けたものの、34分には控えのアンドレス・フェルナンデスに交代。すぐに病院に行って検査したところ、4度目の重傷発覚となりました。
▽いやあ、今季のアセンホは絶好調で、チームはリーガでどこより失点が少なく、当人はサモラ(失点率の一番低いGKに与えられる賞)街道まっしぐら。昨年11月のスペイン代表戦でもデ・ヘア(マンチェスター・ユナイテッド)、レイナ(ナポリ)に次ぐ第3GKとして招集を受けていた程だったんですが、本当にこういう話を聞くと、人生だけでなく、サッカーでも一番大事なのは運じゃないかと私も思うことしきりなんですけどね。27歳のアセンホはまた手術を受け、6カ月のリハビリに耐えての復帰を誓っていますが、何はともあれ、来季には元気になった姿を再びピッチで見せてくれるのを願っています。
▽一方、マドリーはその夜、カステジョン(ビジャレアルのある州)の飛行場が霧に覆われ、帰京できなかったんですが、翌朝にはマドリッドに無事到着。そのままバルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場に直行すると、水曜のラス・パルマス戦に備えて練習を開始しています。何せ、このミッドウィーク開催リーガでも2位のバルサは同じ水曜ながら、午後7時30分からスポルティング戦と、9時30分(日本時間翌午前5時30分)キックオフのマドリーの前にプレーしますからね。まだ日程が決まっていないセルタ戦(バライドスの屋根が壊れて延期)が行われるまで、消化試合が1つ少ないというのりしろはありますが、バレンシア戦の例もあることですし、ここは相手が先に勝って順位表の上に立ち、プレッシャーをかけてきても決して慌てず、自分たちのノルマをこなすしかないかと。
▽ラス・パルマスも前節、レアル・ソシエダに0-1で負け、いえ、これが、アトレティコが5位に勝ち点1差に迫られてしまった原因というのはともかく、4連敗中と決して調子が良くないのも有難いかもしれませんしね。お楽しみは今季、PSGに移籍しながら、パリの水が合わず、1月から生まれ故郷のチームにレンタルで加入したヘセがサンティアゴ・ベルナベウに戻って来ることですが、果たして古巣への恩返しができるかどうか。
▽そうそう、アトレティコは木曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)からアウェイのデポルティボ戦なんですが、折しもレガネス戦で大敗したガイスカ・ガリターノ監督はラ・コルーニャ(スペイン北西部のリゾート都市)に戻るやいなや、解任の憂き目に。試合までにはペペ・メル監督が就任すると聞いていますが、こちらもソシエダが火曜にエイバル戦、セビージャも同じ木曜の早い時間帯にアスレティック戦となるため、自分の試合が終わるまで、選手たちには順位表を見ていてほしくないですね。
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