【六川亨の日本サッカー見聞録】J1移籍&戦力展望②

2017.01.26 10:00 Thu
Getty Images
▽先週のコラムではJ1リーグの簡単な展望を紹介した。神戸に加入の噂があるルーカス・ポドルスキについては進展がなく、2月25日の開幕戦に間に合わないという報道も出てきた。移籍話が表面化したことで、ドイツメディア『エクスプレス』によると、神戸は移籍金300万ユーロ(約3億6000万円)を提示したものの、ガラタサライは400~500万ユーロ(約4億8000万~6億円)もの上乗せを求めているという。ここらあたりが移籍交渉の難しいところでだろう。
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▽逆にFC東京は、FCソウルから元日本代表MFの高萩洋次郎を完全移籍で獲得した。石井強化部長は「攻守のバランスを考えるとMFの補強を、より高いレベルの選手を考えている」と話していた通り、これで大型補強は完了したようだ。ただ、高萩はFCソウルではトップ下でプレーしていた。FC東京にはMF東慶悟という昨シーズンはトップ下にコンバートされたことで復活した選手がいる。高萩と東を併用するのか。それともケガを抱えながらプレーしているボランチ梶山陽平のバックアッパーとなるのか。改めて篠田監督の手腕が注目される。▽といったところで、J1リーグの開幕カードが決定した。注目カードは、昨シーズンは年間5位と躍進しながら、主力のMF家長昭博と泉澤仁の抜けた大宮が、同じく得点源のFM大久保嘉人を失った川崎Fとの一戦だ。家長の移籍先が川崎Fということもあって注目を集める開幕戦だが、家長は大久保のような純粋なストライカーではない。このためFW小林悠にかかる負担は増すだけに、今後はFW齋藤学(横浜FM)を獲得できるかどうかも焦点になる。
▽対する大宮は清水からFW大前元紀を、湘南からMF長谷川アーリアジャスール、柏からMF茨田陽生を補強したものの、家長のキープ力と泉澤の突破力を補えたかといえば疑問が残る。FWドラガン・ムルジャの残留は好材料とはいえ、彼が生きたのも家長がいたからこそ。大宮は川崎Fに続き、大型補強を敢行したFC東京、MF中村俊輔とFW川又堅碁を獲得した磐田と対戦する。この3連戦をいかに乗り切るかで今シーズンの行方を占うことができるだろう。

▽次に注目したいのが、MF中村俊輔やDFファビオとDF小林祐三を失った横浜FMだ。DF陣には新潟から松原健、柏から山中亮輔を補強し、前線にはレッドスターからFWウーゴ・ヴィエイラを獲得した。しかしながら、これで中村の穴が埋まったとは思えない。モンバエルツ監督が選手任せのサッカーから進化しなければ、J1残留争いに巻き込まれる可能性もある。
▽開幕まではまだ1カ月近くあるため、今後もアッと驚く移籍があるかもしれない。キャンプ地でのテストマッチも含め、面白い話題があったら紹介したいと思う。

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