【原ゆみこのマドリッド】気楽なコパが終わると…
2016.10.29 11:30 Sat
▽「しばらくこのままなのかな」そんな風に私が溜息をついていたのは金曜日、土曜のリーガの組み合わせにあまり波乱は期待できそうにないことに気づいたときのことでした。いやあ、前節にセビージャにしてやられ、アトレティコが首位から5位と、一気に転落したのはまったくの自業自得なんですけどね。代わって単独首位の栄誉を担うことになったお隣さんの今回の相手は昇格組のアラベス。ここ数日、スポーツ紙では敵側の注目選手としてマルコス・ジョレンテが取り上げられてはいたものの、先週日曜にあったソシオ(協賛会員)総会で名誉会長就任が決まったクラブのレジェンド、パコ・ヘント氏の親戚であるだけでなく、祖父や叔父もレアル・マドリーの選手だった名門一族出身の彼はもちろんカンテラ(下部組織)の出身で、現在はアラベスにレンタルで出向の身分ですからね。
▽ポジションが守備的ボランチで、今季は開幕から先発出場を続けているため、カセミロが負傷した当初には冬の移籍市場での復帰も取り沙汰されていたぐらいだったんですが、当然ながら、契約条項でこの試合には出場できず。だったら、それより3節にはカンプ・ノウでバルサを1-2と破り、世間を沸かせる立役者になったデイベルソンやイバイ・ゴメスらの現在の調子を知りたかったんですが、ほとんど情報がないんですから、やはりクラブの規模相応で、もとからマドリーに太刀打ちできる戦力ではないのかも。
▽実際、相手チームのペジェグリーノ監督からして4年前に短い間、バレンシアを率いていたぐらいしか馴染みがない上、私に聞き覚えのある選手もせいぜい、2年前のマドリーで第3GKを務めていたパチェコとか、今季は2部に落ちてしまったマドリッドの弟分のヘタフェに長かったDFのアレクシスぐらいですしね。前々節はベニト・ビジャマリンでベティスに1-6と大勝しているマドリーとなれば、アウェイのメンディソローサ(アラベスのホーム)も苦にすることはなさそうですが…。
▽え、それより今週の彼らはコパ・デル・レイ32強対決の1stレグを16カードの先陣を切って、早々と戦ったんだろうって?その通りで、これは12月の2ndレグの週にクラブW杯参加で留守をするための振り替え日程だったんですが、相手が2部Bのクルトゥラル・レオネサだったせいもあり、BBC(ベイル、ベンゼマ、ロナウドの頭文字)を始め、マルセロやケイロル・ナバスをジダン監督はレオン(スペイン北部の内陸都市)へ帯同せず。それでも結果は、たとえクルトゥがここまでリーグ無敗の首位チームであっても、納得できるカテゴリーの差を示すものになりました。
▽いえ、開始6分で決まった最初の得点はクロースのCKを敵DFがオウンゴールにして入ったものだったんですけどね。それ以外、前半は32分に、2021年までの契約延長が決まったルーカス・バルケスからラストパスをもらったアセンシオがしっかり狙って2点目を入れただけだったんですが、ハーフタイムの後、1分もしないうちにお待ちかねのgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)が始まります。そう、モラタのゴールを皮切りに、8分にはアセンシオがその日自身2本目、それから2分もしないうちに再びハメス・ロドリゲスがモラタにアシストして、スコアは0-5に。いやあ、これで2人は揃って今季公式戦6得点、BBCの各人がそれぞれまだ4得点に留まっていることを考えると、かなり誇っていい数字かと。
▽おまけに当人は「Aprendo todos los dias de los mejores/アプレンドー・トードス・ロス・ディアス・デ・ロス・メホーレス(毎日、最高の選手たちから学んでいる)」と言っていたものの、そのお手本の1人であるベイルまでが、「what a strike last night. Need to get practising!!(昨夜の一発は何て凄いんだ。ボクも練習しないとね)」(https://www.instagram.com/p/BMEYCmejBML/?taken-by=garethbale11)と、自身のCM撮影シーン付きでツィートしているのですから、本当はどっちがどっちに教えている?
▽その後は何度かチャンスも掴んでいたクルトゥが39分にベンハのゴールで名誉の1点を挙げ、ロスタイムにはようやく途中出場で今季2度目のピッチに立てたカンテラーノのマリアーノもヘッドで嬉しい初ゴールを入れて試合は1-7で終了。おかげで11月30日の2ndレグにもマドリーはレギュラーを投入する必要がなくなりましたし、昨季は出場停止処分を受けていたチェリシェフ(現ビジャレアル)を使ったため、カディス(今季は2部)に1stレグで勝ちながら、規則違反による敗退となり、先発できる試合が激減してしまったGKカシージャにも年明けに忙しい日々を保証できますしね。
▽リーガやCLでは控えに甘んじている選手たちも11月のインターナショナルウィークを前にして、それぞれの代表監督にレベルが落ちてないことを証明できたりと、良いことばかりだったんですが、ただ1つ、不思議だったのは、リーガ、CLでも出ずっぱりのクロースがフル出場、どうして温存されなかったのか。ジダン監督によると、「あのポジションは人手不足でプレーしてもらわないといけなかったんだが、ちょっとは休ませようと思っていた。それでal desanso le pregunté y quería seguir, que estaba bien/アル・デスカンソ・レ・プレングンt・イ・ケリア・セギール、ケ・エスタバ・ビエン(ハーフタイムに訊いたら、続けたがっていて、大丈夫だった)」とのことですが、ただ、おかげで試合の前半には興味深いシーンも見られることに。
▽それはクルトゥのボランチ、ジェライがボールを出した後にタックルしてきたのにクロースが文句を言いに行った時なんですが、逆にエキサイトした相手に彼はcabezazo(カベサソ/頭突き)をされてしまうことに。本当に頭が顔に当たったんですが、ここ普通なら、大袈裟に引っくり返ったり、審判に猛アピールする選手が大半ですよね。ましてや先週末のメスタジャでゴール祝いの最中にペットボトルを投げられて、実際に当たったメッシではなく、ネイマールやルイス・スアレスが頭を抱えて倒れて込み、その過剰反応ぶりをLEP(スペイン・プロリーグ協会)のテバス会長やバレンシアに罰金処分を課した競技委員会の文書の中で批判され、そのことをTAD(スペインのスポーツ仲裁法廷)に訴えていたバルサのメンバーだったらと、私も想像してしまったんですが、謹厳実直を地でいくドイツ人のクロースはちょっと自分の口元をこすっただけ終わり。
▽たしなみのある立派なスポーツマンだと、それには私も感心させられたんですが、おそらくまだ32歳で、超早熟指揮官と注目されていたクルトゥのルベン・デ・バレラ監督もそう思ったんでしょうかね。試合前には、「No quiero solamente pedir camisetas y sacarme fotos con los jugadores del Real Madrid/ノー・キエロ・ソラメンテ・ペディール・カミセタス・イ・サカールメ・フォトス・コン・ロス・フガドーレス・デル・レアル・マドリッド(ただマドリーの選手にユニを頼んだり、写真を一緒に撮ったりするだけなのは望まない)」と言っていたものでしたが、対戦後にはちゃっかりクロースのユニをゲット。CL現チャンピオンを慌てさせる夢はキックオフから5分ぐらいしか続きませんでしたが、来月末にはサンティアゴ・ベルナベウの芝を踏めるのを楽しみに、これからは2部昇格への戦いに専念できるといいですね。
▽そして金曜にはセルヒオ・ラモス、モドリッチ、カセミロらのリハビリ組、出場停止処分のカルバハルを除き、BBCも含めたオールスターメンバーでビトリア(スペイン北東部の町)に乗り込み、土曜午後4時15分(日本時間午後11時15分)からのアラベス戦に備えているマドリーですが、その間、アトレティコは何をしていたかというと。いやあ、今週は月曜の夜にリーガの表彰式でシメオネ監督、ゴディン、オブラクがバレンシアに出張した後、ずっとトレーニングしていたんですけどね。中には昼間のサッカー練習だけでは飽き足らず、ボーリング場に通い、上達具合を動画で報告しているサウルのような選手もいたため、気分的にはリラックスできた日々だったよう(https://twitter.com/saulniguez/status/790642639750193153、https://twitter.com/saulniguez/status/791383546040582148)。
▽え、でもセビージャ戦でプロ生活初のレッドカードをもらったコケの代わりを今節、マラガ戦で務めるのはそのサウルなんだろうって?それはシメオネ監督も前日記者会見で「Saúl acompañará a Gabi en el medio/サウル・アコンパニャラ・ア・ガビ・エン・エル・メディオ(サウルが中盤でガビと一緒に出る)」と宣言していたので、そうなんですけどね。それどころか、「このポジションは彼がいつもプレーしてきたところ。Incluso tiene más peligro que Koke, porque tiene más llegada y más gol/インクルソ・ティエネ・マス・ペリグロ・ケ・コケ、ポルケ・ティエネ・マス・ジェガダ・イ・マス・ゴル(コケより、もっと敵に危険をもたらすことができる。エリア内への侵入もゴールも多いからね)」とまで言われては、カンテラの先輩もまったくかたなしですが、昨季、コケが欠場した6試合、アトレティコは2勝2分け2敗とネガティブな結果だったのをシメオネ監督、うっかり忘れていない?
▽まあ、それはただの偶然かもしれないので別にいいんですが、サウル自身はまだ19歳だった3年前、監督が面と向かって、「ウチではプレー時間があげられないから、外へ出て、サッカー選手として成長してこい」と言ってくれたため、ラージョ(今季から2部)へレンタル移籍することを決意。パコ・ヘメス監督の下、CBの修行までさせられていたため、しばらくは私も守備的な選手なのか、攻撃的な選手なのか、よくわからなくなっていたんですが、当人は「Ese momento fue clave, y por ello para mí Simeone es todo/エセ・モメントー・フエ・クラベ、イ・ポル・エジョ・パラ・ミー・シメオネ・エス・トードー(あの瞬間が決定的だったし、そのおかげでボクにとって、シメオネ監督は全てなんだ)」と、かなり現在の上司に恩を感じているよう。
▽その信頼に応えて、土曜午後6時30分(日本時間翌午前1時30分)からのビセンテ・カルデロンでも大暴れしてもらいたいものですが、さて。とりあえず、前日練習までの様子だと、サウル以外、ここ数試合先発させてもらいながら、シュートミスが目立つコレアの代わりに右サイドにガイタンが入り、他は同じメンツのようですが、サウルも「Morir por un compañero se lleva en el ADN atlético/モリール・ポル・ウン・コンパニェロ・セ・ジェバ・エン・エル・アーディーエネ・アトレティコ(チームメートのために死ぬ気で戦うというのが、アトレティコのDNAには刷り込まれている)」と言っていましたしね。
▽これがお隣さんになると、DNAには奇跡のremontada(レモンターダ/逆転劇)を導く、最後の瞬間まで諦めない根性、もしくはヨーロッパ(CL)が刻まれているようですが、ちょっと気掛かりなのは10月の各国代表戦週間明け以来、アトレティコはグリースマン、ガメイロ、フェルナンド・トーレスのFWトリオがゴールを入れていないこと。それでも皆で力を合わせれば、「Siempre que te toca perder es importante volver a ganar rápidamente/シエンプレ・ケ・テ・トカ・ペルデル・エス・インポルタンテ・ボルベル・ア・ガナール・ラピダメンテ(負けた後、すぐにまた勝つことが常に重要)」というシメオネ監督の要求に応えることができる?
▽一方のマラガも前節は新弟分のレガネスを4-0と一蹴し、自信をつけていますが、今回は負傷で7人欠場者がいる上、DFのコネ、FWのファンカルも本調子ではありませんからね。何にしろ、勝ち点3差内で上位を争っているバルサは同日、最下位のグラナダとのホームゲーム、セビージャはやはり降格圏にいるスポルティングを訪ねるとあっては、勝たない訳にはいかないかと。そうそう、その常にアトレティコの前に同じ相手と当たるレガネスは金曜の夜、ウィリアム・ホセとシャビ・プリエトにゴールを決められて、またしてもブタルケでレアル・ソシエダに0-2の敗戦。おまけに次節はサンティゴ・ベルナベウで大兄貴のマドリーと対戦するため、ちょっと苦しい時期が続きそうですが、念願の1部でのホーム初勝利、11月の代表戦後のオサスナ戦で達成できたらいいですね。
▽ポジションが守備的ボランチで、今季は開幕から先発出場を続けているため、カセミロが負傷した当初には冬の移籍市場での復帰も取り沙汰されていたぐらいだったんですが、当然ながら、契約条項でこの試合には出場できず。だったら、それより3節にはカンプ・ノウでバルサを1-2と破り、世間を沸かせる立役者になったデイベルソンやイバイ・ゴメスらの現在の調子を知りたかったんですが、ほとんど情報がないんですから、やはりクラブの規模相応で、もとからマドリーに太刀打ちできる戦力ではないのかも。
▽実際、相手チームのペジェグリーノ監督からして4年前に短い間、バレンシアを率いていたぐらいしか馴染みがない上、私に聞き覚えのある選手もせいぜい、2年前のマドリーで第3GKを務めていたパチェコとか、今季は2部に落ちてしまったマドリッドの弟分のヘタフェに長かったDFのアレクシスぐらいですしね。前々節はベニト・ビジャマリンでベティスに1-6と大勝しているマドリーとなれば、アウェイのメンディソローサ(アラベスのホーム)も苦にすることはなさそうですが…。
▽いえ、開始6分で決まった最初の得点はクロースのCKを敵DFがオウンゴールにして入ったものだったんですけどね。それ以外、前半は32分に、2021年までの契約延長が決まったルーカス・バルケスからラストパスをもらったアセンシオがしっかり狙って2点目を入れただけだったんですが、ハーフタイムの後、1分もしないうちにお待ちかねのgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)が始まります。そう、モラタのゴールを皮切りに、8分にはアセンシオがその日自身2本目、それから2分もしないうちに再びハメス・ロドリゲスがモラタにアシストして、スコアは0-5に。いやあ、これで2人は揃って今季公式戦6得点、BBCの各人がそれぞれまだ4得点に留まっていることを考えると、かなり誇っていい数字かと。
▽ただその日、最高に魅せるゴールを決めたのはCBのナチョで、後半24分、CKから始まったプレーでハメスがエリア内にクロスを入れたところ、攻撃参加していた彼がアクロバティックなジャンピングボレーを1.70メートルの高みから成功させたから、驚いたのなんのって。ええ、これには2002年のCL決勝レバークーゼン戦で伝説のvolea(ボレア/ボレーシュート)を決めたジダン監督も、「El gol de Nacho es más bonito que el mío de la Novena/エル・ゴル・デ・ナチョ・エス・マス・ボニート・ケ・エル・ミオ・デ・ラ・ノベナ(ナチョのゴールは私のノベナ/9回目のCL優勝のゴールより美しかった)」と絶賛していましたしね。
▽おまけに当人は「Aprendo todos los dias de los mejores/アプレンドー・トードス・ロス・ディアス・デ・ロス・メホーレス(毎日、最高の選手たちから学んでいる)」と言っていたものの、そのお手本の1人であるベイルまでが、「what a strike last night. Need to get practising!!(昨夜の一発は何て凄いんだ。ボクも練習しないとね)」(https://www.instagram.com/p/BMEYCmejBML/?taken-by=garethbale11)と、自身のCM撮影シーン付きでツィートしているのですから、本当はどっちがどっちに教えている?
▽その後は何度かチャンスも掴んでいたクルトゥが39分にベンハのゴールで名誉の1点を挙げ、ロスタイムにはようやく途中出場で今季2度目のピッチに立てたカンテラーノのマリアーノもヘッドで嬉しい初ゴールを入れて試合は1-7で終了。おかげで11月30日の2ndレグにもマドリーはレギュラーを投入する必要がなくなりましたし、昨季は出場停止処分を受けていたチェリシェフ(現ビジャレアル)を使ったため、カディス(今季は2部)に1stレグで勝ちながら、規則違反による敗退となり、先発できる試合が激減してしまったGKカシージャにも年明けに忙しい日々を保証できますしね。
▽リーガやCLでは控えに甘んじている選手たちも11月のインターナショナルウィークを前にして、それぞれの代表監督にレベルが落ちてないことを証明できたりと、良いことばかりだったんですが、ただ1つ、不思議だったのは、リーガ、CLでも出ずっぱりのクロースがフル出場、どうして温存されなかったのか。ジダン監督によると、「あのポジションは人手不足でプレーしてもらわないといけなかったんだが、ちょっとは休ませようと思っていた。それでal desanso le pregunté y quería seguir, que estaba bien/アル・デスカンソ・レ・プレングンt・イ・ケリア・セギール、ケ・エスタバ・ビエン(ハーフタイムに訊いたら、続けたがっていて、大丈夫だった)」とのことですが、ただ、おかげで試合の前半には興味深いシーンも見られることに。
▽それはクルトゥのボランチ、ジェライがボールを出した後にタックルしてきたのにクロースが文句を言いに行った時なんですが、逆にエキサイトした相手に彼はcabezazo(カベサソ/頭突き)をされてしまうことに。本当に頭が顔に当たったんですが、ここ普通なら、大袈裟に引っくり返ったり、審判に猛アピールする選手が大半ですよね。ましてや先週末のメスタジャでゴール祝いの最中にペットボトルを投げられて、実際に当たったメッシではなく、ネイマールやルイス・スアレスが頭を抱えて倒れて込み、その過剰反応ぶりをLEP(スペイン・プロリーグ協会)のテバス会長やバレンシアに罰金処分を課した競技委員会の文書の中で批判され、そのことをTAD(スペインのスポーツ仲裁法廷)に訴えていたバルサのメンバーだったらと、私も想像してしまったんですが、謹厳実直を地でいくドイツ人のクロースはちょっと自分の口元をこすっただけ終わり。
▽たしなみのある立派なスポーツマンだと、それには私も感心させられたんですが、おそらくまだ32歳で、超早熟指揮官と注目されていたクルトゥのルベン・デ・バレラ監督もそう思ったんでしょうかね。試合前には、「No quiero solamente pedir camisetas y sacarme fotos con los jugadores del Real Madrid/ノー・キエロ・ソラメンテ・ペディール・カミセタス・イ・サカールメ・フォトス・コン・ロス・フガドーレス・デル・レアル・マドリッド(ただマドリーの選手にユニを頼んだり、写真を一緒に撮ったりするだけなのは望まない)」と言っていたものでしたが、対戦後にはちゃっかりクロースのユニをゲット。CL現チャンピオンを慌てさせる夢はキックオフから5分ぐらいしか続きませんでしたが、来月末にはサンティアゴ・ベルナベウの芝を踏めるのを楽しみに、これからは2部昇格への戦いに専念できるといいですね。
▽そして金曜にはセルヒオ・ラモス、モドリッチ、カセミロらのリハビリ組、出場停止処分のカルバハルを除き、BBCも含めたオールスターメンバーでビトリア(スペイン北東部の町)に乗り込み、土曜午後4時15分(日本時間午後11時15分)からのアラベス戦に備えているマドリーですが、その間、アトレティコは何をしていたかというと。いやあ、今週は月曜の夜にリーガの表彰式でシメオネ監督、ゴディン、オブラクがバレンシアに出張した後、ずっとトレーニングしていたんですけどね。中には昼間のサッカー練習だけでは飽き足らず、ボーリング場に通い、上達具合を動画で報告しているサウルのような選手もいたため、気分的にはリラックスできた日々だったよう(https://twitter.com/saulniguez/status/790642639750193153、https://twitter.com/saulniguez/status/791383546040582148)。
▽え、でもセビージャ戦でプロ生活初のレッドカードをもらったコケの代わりを今節、マラガ戦で務めるのはそのサウルなんだろうって?それはシメオネ監督も前日記者会見で「Saúl acompañará a Gabi en el medio/サウル・アコンパニャラ・ア・ガビ・エン・エル・メディオ(サウルが中盤でガビと一緒に出る)」と宣言していたので、そうなんですけどね。それどころか、「このポジションは彼がいつもプレーしてきたところ。Incluso tiene más peligro que Koke, porque tiene más llegada y más gol/インクルソ・ティエネ・マス・ペリグロ・ケ・コケ、ポルケ・ティエネ・マス・ジェガダ・イ・マス・ゴル(コケより、もっと敵に危険をもたらすことができる。エリア内への侵入もゴールも多いからね)」とまで言われては、カンテラの先輩もまったくかたなしですが、昨季、コケが欠場した6試合、アトレティコは2勝2分け2敗とネガティブな結果だったのをシメオネ監督、うっかり忘れていない?
▽まあ、それはただの偶然かもしれないので別にいいんですが、サウル自身はまだ19歳だった3年前、監督が面と向かって、「ウチではプレー時間があげられないから、外へ出て、サッカー選手として成長してこい」と言ってくれたため、ラージョ(今季から2部)へレンタル移籍することを決意。パコ・ヘメス監督の下、CBの修行までさせられていたため、しばらくは私も守備的な選手なのか、攻撃的な選手なのか、よくわからなくなっていたんですが、当人は「Ese momento fue clave, y por ello para mí Simeone es todo/エセ・モメントー・フエ・クラベ、イ・ポル・エジョ・パラ・ミー・シメオネ・エス・トードー(あの瞬間が決定的だったし、そのおかげでボクにとって、シメオネ監督は全てなんだ)」と、かなり現在の上司に恩を感じているよう。
▽その信頼に応えて、土曜午後6時30分(日本時間翌午前1時30分)からのビセンテ・カルデロンでも大暴れしてもらいたいものですが、さて。とりあえず、前日練習までの様子だと、サウル以外、ここ数試合先発させてもらいながら、シュートミスが目立つコレアの代わりに右サイドにガイタンが入り、他は同じメンツのようですが、サウルも「Morir por un compañero se lleva en el ADN atlético/モリール・ポル・ウン・コンパニェロ・セ・ジェバ・エン・エル・アーディーエネ・アトレティコ(チームメートのために死ぬ気で戦うというのが、アトレティコのDNAには刷り込まれている)」と言っていましたしね。
▽これがお隣さんになると、DNAには奇跡のremontada(レモンターダ/逆転劇)を導く、最後の瞬間まで諦めない根性、もしくはヨーロッパ(CL)が刻まれているようですが、ちょっと気掛かりなのは10月の各国代表戦週間明け以来、アトレティコはグリースマン、ガメイロ、フェルナンド・トーレスのFWトリオがゴールを入れていないこと。それでも皆で力を合わせれば、「Siempre que te toca perder es importante volver a ganar rápidamente/シエンプレ・ケ・テ・トカ・ペルデル・エス・インポルタンテ・ボルベル・ア・ガナール・ラピダメンテ(負けた後、すぐにまた勝つことが常に重要)」というシメオネ監督の要求に応えることができる?
▽一方のマラガも前節は新弟分のレガネスを4-0と一蹴し、自信をつけていますが、今回は負傷で7人欠場者がいる上、DFのコネ、FWのファンカルも本調子ではありませんからね。何にしろ、勝ち点3差内で上位を争っているバルサは同日、最下位のグラナダとのホームゲーム、セビージャはやはり降格圏にいるスポルティングを訪ねるとあっては、勝たない訳にはいかないかと。そうそう、その常にアトレティコの前に同じ相手と当たるレガネスは金曜の夜、ウィリアム・ホセとシャビ・プリエトにゴールを決められて、またしてもブタルケでレアル・ソシエダに0-2の敗戦。おまけに次節はサンティゴ・ベルナベウで大兄貴のマドリーと対戦するため、ちょっと苦しい時期が続きそうですが、念願の1部でのホーム初勝利、11月の代表戦後のオサスナ戦で達成できたらいいですね。
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