【原ゆみこのマドリッド】ユーロはまだ続いているけど…
2016.07.05 10:30 Tue
▽「間に合って良かった」そんな風に私がホッとしていたのは月曜日、昨季終盤からずっと、契約延長をする、すると言われていながら、いえ、間にCL決勝でまたしてもお隣さんに負けるといったショックな出来事が挟まったせいもあったんでしょうかね。「今は考える時」とアトレティコファンに不安を与える台詞を残してサン・シーロのプレスルームを去って以来、音沙汰のなかったシメオネ監督を始め、バケーション入りした選手たちのニュース(移籍関係の噂は除く)はほとんど目にしなかったものの、この月曜になって、とうとうフェルナンド・トーレスが1年契約にサインしたという報がクラブのオフィシャルウェブに載ったのを知った時のことでした。
▽そう、ベスト16で呆気なく敗退して以来、スペイン国内では関心が薄れつつあるものの、それでも今の話題はユーロなんですが、やっぱり才能に不自由しているチームは他のライバルに先んじて体力作りをするのが吉と、クラブもわかっているんですかね。この夏は別にスーパーのつく大会がある訳でも、気の張るCLやELのプレーオフがある訳でもないのに、月曜にプレシーズン開始1番乗りを果たしたセルタとバレンシアに続き、アトレティコも水曜にはマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場に集合するとなれば、夏休みでヒマをしているファンたちだって、チームの顔が初日から来てくれて嬉しくない訳がない?
▽ちなみに契約締結が遅れたことへのフォローか、オフィシャルウェブへのコメント(http://www.atleticodemadrid.com/videos/fernando-torres-seguira-defendiendo-la-rojiblanca)で、「Nunca he tenido duda de donde quería estar/ヌンカ・エ・テニードー・ドゥーダ・デ・ドンデ・ケリア・エスタル(どこに自分が居たいか、疑問を抱いたことはない)」と言っていたトーレスは、「アトレティコを選ぶ者は感じることを選ぶ者。結果は関係なくね。毎年、アトレティコファンの子供たちが増えていて、これからもそうなるようボクらは努力するよ」と、1カ月以上の休暇でミラノでの心の傷も癒えたのか、明るい表情でコメント。この水曜からは、ユーロ組はまだですが、コパ・アメリカでグループリーグ敗退したウルグアイのゴディンやヒメネス、ブラジルのフィリペ・ルイスもサウールやガビと一緒に、日曜からロス・アンヘレス・デ・サン・ラファエル(マドリッドから1時間の高原リゾート)で始まる地獄のプレシーズンキャンプに参加しますしね。
▽何より先週、ブエノスアイレスで自身の新しい本、「Creer, el desafío de superarse siempre/クレエル、エル・デサフィオ・デ・スペラルセ・シエンプレ(信じる、常に越えていく挑戦)」のプレゼンをしたシメオネ監督が、その場でCL決勝後の発言を「Hablé en caliente, los argentinos somos así/アブレ・エン・カリエンテ、ロス・アルヘンティーノス・ソモス・アシー(カッカしたまま喋った。アルゼンチン人はそういうもの)」と告白し、いえ、だからってコパ・アメリカの決勝でチリに負けた後、代表引退発言もどきをしていたメッシもそうなのかは知りませんけどね。とりあえず、こちらは今季もアトレティコを全力で率いてくれることがわかったため、あとは当人が「アトレティコよりいいチームはバルサ、レアル・マドリー、バイエルンだけ」と断言。うち、昨季はCLで1つだけ勝てなかったお隣さんを上回れるチームを作ってくれたらと思います。
▽そんな彼らのプレシーズンの様子はおいおいに伝えていきますが、その一方でユーロに残っているマドリッドのクラブの選手たちがどうしているかもお話ししておかないと。ちなみに先週は木曜から準々決勝が行われたユーロでしたが、まずはクリスチアーノ・ロナウドとペペのいるポルトガルがポーランドと対戦。開始2分のレバンドフスキのゴールはレナト・サンチェスの一発でチャラになったものの、まさか両チームとも2試合連続となる延長戦、そしてPK戦まで勝負がもつれることになるとは。おまけにCL決勝では5番目のキッカーとして、マドリーがUndecima(ウンデシマ/11回目のCL優勝のこと)を掴むPKを決めたロナウドが最初に登場したのには驚かされましたが、もしや2012年のユーロ準決勝でPK戦になった際、自分まで順番が回って来ず、スペインに負けてしまったのを教訓にした?
▽おかげで試合後、ハーフタイムで交代させられたカラスコは「フィジカルの問題はなかった」と怒って行ってしまったようですし、GKクルトワなど、「自分はアトレティコにいた時、CL決勝で負けたこともあるけど、この敗退はもっと辛い」とスペインのメディアにまで嘆く始末。その脇で、母国のマスコミからはロッカールームでビルモッツ監督に手をかけたなんて報道もあったんですが、うーん、確かにグループリーグ初戦でイタリアに負けていたせいで、「同じ3-5-3のシステムにウチは同じ戦術でプレーして、同じ困難に見舞われた。試合の後、言わなきゃいけない人にそう言ったよ」(クルトワ)という、当人の悔しい気持ちもわかりますけどね。
▽でも、それは2年前、ブラジルのW杯でオランダ、チリに同じシステムを使われて2連敗。前大会チャンピオンながら、赤っ恥のグループリーグ敗退をして、苦手だとわかっていたにも関わらず、ベスト16のイタリア戦で何の手も打たなかった、どこぞの代表と同じですからね。せめてクルトワも2年前のリスボンでのように、ベイルに勝ち越しゴールを奪われなかったことを慰めとして、9月からのW杯予選に備えるしかないかと。ええ、せっかく国境から20キロ程しか離れていないリールには、10万人ものベルギーサポーターが応援に駆けつけてくれたんですから、早く立ち直ってあげないといけませんよ。
▽え、その難問、対3-5-3の答えを見つけたのは土曜にプレーしたドイツなんじゃないかって?うーん、確かにイタリア相手にメスート・エジルのゴールで先制、ボアテングの犯したハンドでボヌッチにPKで同点にされながら、延長含めての120分間を1-1で抑えましたからね。ただ、ドイツが勝利したのは、同じ3-5-3をぶつけるというレーブ監督の妙案がヒットしというより、史上最悪、各チーム9人が蹴って、うち7人が失敗という、とんでもないPK戦でより運があったからだったような。
▽実際、最初の2人、インシーニェと、マドリーでは専任の同僚がいるため、PKマークに近寄ったこともないクロースはソツなく決めたものの、その後は延長戦最後にこのPKのために入ったザザが失敗。この時はブッフォンがミュラーを止めて事なきを得たものの、それからもイタリアはペッレが枠外へ。その日、2度目のPKを蹴ったボヌッチもノイアーに止められてしまいます。一方、ドイツもドイツでエジルはゴールポスト、シュバインシュタイガーは的を外しといった具合だったので、PK戦はサドンデスに突入して延々と続いたんですが…最後にダルミアンをノイアーが止め、ヘクトルが決めたドイツが準決勝の切符をつかむことに。
▽そしてその相手となったのが、日曜に5-2で大勝と、ようやくアイスランドの快進撃を止めたフランスで、その試合では両足親指のマメに悩まされていたグリースマンも1ゴール2アシストと大活躍。もう今となっては唯一のアトレティコ勢生き残りですからね。もちろんジルーやポグバ、パイエといったところが一緒に頑張ってくれないことにはどうにもなりませんが、現在4ゴールで得点ランキング首位の彼がこのまま大会ピチチ(得点王)になって、万が一、チームも優勝すれば、招集されなかったベンゼマは丁度、現在メッカ巡礼の最中のようですしね(https://www.instagram.com/p/BHWNB3Lg95C/?taken-by=karimbenzema&hl=ja)。リーガの新シーズンいは少しだけ、お隣さんに大きな顔ができるかと。
▽そんなユーロの準決勝は水曜、木曜の午後9時(日本時間翌午前4時)からキックオフなんですが、実はこの数日間にスペイン代表ではゴタゴタが起こっていて、いえ、どの選手も今はバケーションに出て、深く内省中のはずなんですけどね。何も問題は起こるはずはなかったんですが、金曜にラジオ主演したデル・ボスケ監督が今大会、デ・ヘアに正GKを譲ったカシージャスについて、いきなり「Con los companeros ha estado bien, correcto, pero con el cuerpo tecnico asi, asi/コン・ロス・コンパニェロス・ア・エスタードー・ビエン、コレクトー、ペロ・コン・エル・クエルポ・テクニコ、アしー、アシー(チームメートへの態度は良くて、正しいものだったが、コーチングスタッフに対しては何ともかんとも)」と批判。
▽そのせいで、監督退任に当たって、ユーロに参加した選手たちに送ったメッセージを彼にだけ送らなかったなんて言っているのを聞けば、誰もが目を丸くしてしまうかと思いますが、これって、温厚なデル・ボスケ監督がそこまでする程、カシージャスの態度が悪かったってこと?いえ、今回のユーロが始まるまで、正GKを誰にするか話がなかったり、グループリーグ3戦目のクロアチア戦ではすでに突破が決まっていたため、先発できることを期待しながら、出場したのはやはりデ・ヘア。それについても何の説明もなかったせいで、スペイン最多の167キャップを誇るキャプテンが辛い思いをしたのは想像に難くありませんけどね。
▽これはまた、厄介事の種を残して退任してくれるものだと思っていたところ、月曜にはカシージャスがラス・ロサス(マドリッド近郊)のサッカー協会に出向いて、デル・ボスケ監督と会見。その後すぐ、自身のツィッター(https://twitter.com/casillasworld)に、「Esta mañana, en la Ciudad del Fútbol. 25 años juntos y los que nos quedan! /エスタ・マニャーナ、エン・ラ・シウダッド・デル・フトボル。ベインテシンコ・アーニョス・フントス・イ・ロス・ケ・ノス・ケダン(今朝は協会練習施設に来ている。25年間、一緒にいて、それがボクらの間で残るもの。)」とマドリーのカンテラ(下部組織)にいた頃から、お世話になってきた恩師と和解したことを伝えてきたため、どうやら一件落着したよう。
▽うーん、実際まだ、カシージャス自身は代表を続けるようですが、同じ月曜にデル・ボスケ監督の正式退任発表はあったものの、まだ後任は決まっていませんからね。次の代表監督が誰になるにしても、使いにくい部下のイメージは早めに払拭しておくに限る?ここ4年間、スペインがまた早く敗退するようになったため、暑い夏が一層、長く暑く感じられるようなったマドリッドですが、リーガのチームも7月中旬下旬になればポツポツとプレシーズンマッチが始まりますしね。お気に入りのチームが消えて、ユーロに興味がなくなってしまったファン共々、私もそれまでの辛抱でしょうか。
【マドリッド通信員】
原ゆみこ
南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。
▽そう、ベスト16で呆気なく敗退して以来、スペイン国内では関心が薄れつつあるものの、それでも今の話題はユーロなんですが、やっぱり才能に不自由しているチームは他のライバルに先んじて体力作りをするのが吉と、クラブもわかっているんですかね。この夏は別にスーパーのつく大会がある訳でも、気の張るCLやELのプレーオフがある訳でもないのに、月曜にプレシーズン開始1番乗りを果たしたセルタとバレンシアに続き、アトレティコも水曜にはマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場に集合するとなれば、夏休みでヒマをしているファンたちだって、チームの顔が初日から来てくれて嬉しくない訳がない?
▽ちなみに契約締結が遅れたことへのフォローか、オフィシャルウェブへのコメント(http://www.atleticodemadrid.com/videos/fernando-torres-seguira-defendiendo-la-rojiblanca)で、「Nunca he tenido duda de donde quería estar/ヌンカ・エ・テニードー・ドゥーダ・デ・ドンデ・ケリア・エスタル(どこに自分が居たいか、疑問を抱いたことはない)」と言っていたトーレスは、「アトレティコを選ぶ者は感じることを選ぶ者。結果は関係なくね。毎年、アトレティコファンの子供たちが増えていて、これからもそうなるようボクらは努力するよ」と、1カ月以上の休暇でミラノでの心の傷も癒えたのか、明るい表情でコメント。この水曜からは、ユーロ組はまだですが、コパ・アメリカでグループリーグ敗退したウルグアイのゴディンやヒメネス、ブラジルのフィリペ・ルイスもサウールやガビと一緒に、日曜からロス・アンヘレス・デ・サン・ラファエル(マドリッドから1時間の高原リゾート)で始まる地獄のプレシーズンキャンプに参加しますしね。
▽そんな彼らのプレシーズンの様子はおいおいに伝えていきますが、その一方でユーロに残っているマドリッドのクラブの選手たちがどうしているかもお話ししておかないと。ちなみに先週は木曜から準々決勝が行われたユーロでしたが、まずはクリスチアーノ・ロナウドとペペのいるポルトガルがポーランドと対戦。開始2分のレバンドフスキのゴールはレナト・サンチェスの一発でチャラになったものの、まさか両チームとも2試合連続となる延長戦、そしてPK戦まで勝負がもつれることになるとは。おまけにCL決勝では5番目のキッカーとして、マドリーがUndecima(ウンデシマ/11回目のCL優勝のこと)を掴むPKを決めたロナウドが最初に登場したのには驚かされましたが、もしや2012年のユーロ準決勝でPK戦になった際、自分まで順番が回って来ず、スペインに負けてしまったのを教訓にした?
▽まあ、結果的にロナウドはゴール、他のポルトガルのキッカーたちも的を外さず、スイス相手にはPK戦で誰も失敗しなかったポーランドながら、4番目のブワシュチコフスキがGKルイ・パトリシオに止められたため、最後はクアレスマが決めて準決勝進出を達成。翌日、ベルギーを3-1と下したウェールズと水曜に顔を合わせることに。うーん、その試合ではサポート役に徹したベイルとの同僚対決というのはそれなりに魅力的なんですけどね。残念だったのは、準々決勝でユーロ参加の数少ないアトレティコの選手だったカラスコがもう見られなくなってしまったことで、どうやら大会前は優勝候補にも挙げられていたベルギーが伏兵だったウェールズに負けてしまったのは選手たちにとっても相当、ショックだったよう。
▽おかげで試合後、ハーフタイムで交代させられたカラスコは「フィジカルの問題はなかった」と怒って行ってしまったようですし、GKクルトワなど、「自分はアトレティコにいた時、CL決勝で負けたこともあるけど、この敗退はもっと辛い」とスペインのメディアにまで嘆く始末。その脇で、母国のマスコミからはロッカールームでビルモッツ監督に手をかけたなんて報道もあったんですが、うーん、確かにグループリーグ初戦でイタリアに負けていたせいで、「同じ3-5-3のシステムにウチは同じ戦術でプレーして、同じ困難に見舞われた。試合の後、言わなきゃいけない人にそう言ったよ」(クルトワ)という、当人の悔しい気持ちもわかりますけどね。
▽でも、それは2年前、ブラジルのW杯でオランダ、チリに同じシステムを使われて2連敗。前大会チャンピオンながら、赤っ恥のグループリーグ敗退をして、苦手だとわかっていたにも関わらず、ベスト16のイタリア戦で何の手も打たなかった、どこぞの代表と同じですからね。せめてクルトワも2年前のリスボンでのように、ベイルに勝ち越しゴールを奪われなかったことを慰めとして、9月からのW杯予選に備えるしかないかと。ええ、せっかく国境から20キロ程しか離れていないリールには、10万人ものベルギーサポーターが応援に駆けつけてくれたんですから、早く立ち直ってあげないといけませんよ。
▽え、その難問、対3-5-3の答えを見つけたのは土曜にプレーしたドイツなんじゃないかって?うーん、確かにイタリア相手にメスート・エジルのゴールで先制、ボアテングの犯したハンドでボヌッチにPKで同点にされながら、延長含めての120分間を1-1で抑えましたからね。ただ、ドイツが勝利したのは、同じ3-5-3をぶつけるというレーブ監督の妙案がヒットしというより、史上最悪、各チーム9人が蹴って、うち7人が失敗という、とんでもないPK戦でより運があったからだったような。
▽実際、最初の2人、インシーニェと、マドリーでは専任の同僚がいるため、PKマークに近寄ったこともないクロースはソツなく決めたものの、その後は延長戦最後にこのPKのために入ったザザが失敗。この時はブッフォンがミュラーを止めて事なきを得たものの、それからもイタリアはペッレが枠外へ。その日、2度目のPKを蹴ったボヌッチもノイアーに止められてしまいます。一方、ドイツもドイツでエジルはゴールポスト、シュバインシュタイガーは的を外しといった具合だったので、PK戦はサドンデスに突入して延々と続いたんですが…最後にダルミアンをノイアーが止め、ヘクトルが決めたドイツが準決勝の切符をつかむことに。
▽そしてその相手となったのが、日曜に5-2で大勝と、ようやくアイスランドの快進撃を止めたフランスで、その試合では両足親指のマメに悩まされていたグリースマンも1ゴール2アシストと大活躍。もう今となっては唯一のアトレティコ勢生き残りですからね。もちろんジルーやポグバ、パイエといったところが一緒に頑張ってくれないことにはどうにもなりませんが、現在4ゴールで得点ランキング首位の彼がこのまま大会ピチチ(得点王)になって、万が一、チームも優勝すれば、招集されなかったベンゼマは丁度、現在メッカ巡礼の最中のようですしね(https://www.instagram.com/p/BHWNB3Lg95C/?taken-by=karimbenzema&hl=ja)。リーガの新シーズンいは少しだけ、お隣さんに大きな顔ができるかと。
▽そんなユーロの準決勝は水曜、木曜の午後9時(日本時間翌午前4時)からキックオフなんですが、実はこの数日間にスペイン代表ではゴタゴタが起こっていて、いえ、どの選手も今はバケーションに出て、深く内省中のはずなんですけどね。何も問題は起こるはずはなかったんですが、金曜にラジオ主演したデル・ボスケ監督が今大会、デ・ヘアに正GKを譲ったカシージャスについて、いきなり「Con los companeros ha estado bien, correcto, pero con el cuerpo tecnico asi, asi/コン・ロス・コンパニェロス・ア・エスタードー・ビエン、コレクトー、ペロ・コン・エル・クエルポ・テクニコ、アしー、アシー(チームメートへの態度は良くて、正しいものだったが、コーチングスタッフに対しては何ともかんとも)」と批判。
▽そのせいで、監督退任に当たって、ユーロに参加した選手たちに送ったメッセージを彼にだけ送らなかったなんて言っているのを聞けば、誰もが目を丸くしてしまうかと思いますが、これって、温厚なデル・ボスケ監督がそこまでする程、カシージャスの態度が悪かったってこと?いえ、今回のユーロが始まるまで、正GKを誰にするか話がなかったり、グループリーグ3戦目のクロアチア戦ではすでに突破が決まっていたため、先発できることを期待しながら、出場したのはやはりデ・ヘア。それについても何の説明もなかったせいで、スペイン最多の167キャップを誇るキャプテンが辛い思いをしたのは想像に難くありませんけどね。
▽これはまた、厄介事の種を残して退任してくれるものだと思っていたところ、月曜にはカシージャスがラス・ロサス(マドリッド近郊)のサッカー協会に出向いて、デル・ボスケ監督と会見。その後すぐ、自身のツィッター(https://twitter.com/casillasworld)に、「Esta mañana, en la Ciudad del Fútbol. 25 años juntos y los que nos quedan! /エスタ・マニャーナ、エン・ラ・シウダッド・デル・フトボル。ベインテシンコ・アーニョス・フントス・イ・ロス・ケ・ノス・ケダン(今朝は協会練習施設に来ている。25年間、一緒にいて、それがボクらの間で残るもの。)」とマドリーのカンテラ(下部組織)にいた頃から、お世話になってきた恩師と和解したことを伝えてきたため、どうやら一件落着したよう。
▽うーん、実際まだ、カシージャス自身は代表を続けるようですが、同じ月曜にデル・ボスケ監督の正式退任発表はあったものの、まだ後任は決まっていませんからね。次の代表監督が誰になるにしても、使いにくい部下のイメージは早めに払拭しておくに限る?ここ4年間、スペインがまた早く敗退するようになったため、暑い夏が一層、長く暑く感じられるようなったマドリッドですが、リーガのチームも7月中旬下旬になればポツポツとプレシーズンマッチが始まりますしね。お気に入りのチームが消えて、ユーロに興味がなくなってしまったファン共々、私もそれまでの辛抱でしょうか。
【マドリッド通信員】
原ゆみこ
南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。
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