【日本サッカー見聞録】ACLに見る今季の東アジアの勢力図
2016.04.21 16:35 Thu
▽ACL(AFCチャンピオンズリーグ)は4月19日と20日に第5週を行い、各グループとも明暗が分かれた。グループFはFCソウルと山東魯能の決勝トーナメント進出が決定し、広島とブリーラムの敗退が決定。同じくグループHはシドニーFCと浦和の16強進出と広州恒大と浦項の敗退が確定した。グループGは上海上港の決勝トーナメント進出とG大阪の敗退が決まり、残る1枠を水原三星とメルボルン・ビクトリーが最終週で争う。
▽早々と決勝トーナメント進出を決めたFCソウルは、前線にデヤン・ダムヤノビッチ(モンテネグロ)という187センチの長身ストライカーと、3バックの左にはオスマル(スペイン)という192センチの長身選手がいて、攻守に手堅いサッカーをする。トップ下には元広島の高萩や、ロンドン五輪銅メダリストのパク・チュヨンを擁しているものの、基本的にはロングボールによる肉弾戦という、クラシカルな韓国スタイルのチームだ。監督が千葉や磐田で活躍したストライカー崔龍洙だけに、分かりやすいと言えば分りやすいサッカーだが、このクラシカルなスタイルは一発勝負には強いし、日本勢が最も苦手とするスタイルだろう。
▽対照的にKリーグを連覇中の全北現代は、ボールポゼッションからのパスサッカーで国内リーグでは結果を残してきた。しかし過去Jクラブを相手にしたACLでの対戦成績は6勝6分け14敗と大きく負け越している。似たようなスタイルでは分が悪いということだろう。ところが4月20日のFC東京戦では、予想を覆してポゼッションサッカーではなく自陣に引いて守備を固め、カウンターに徹して勝点3を奪った。選手の流出は日本以上に活発だが、イ・ドングッや長身FWキム・シヌク、FC東京戦ではMOMに選ばれたキム・ボギュンなど元代表が健在なのもKリーグ勢の特徴と言える。
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▽そしてグループEはビン・ズオンの脱落が決まったものの、決勝トーナメント進出は全北現代、江蘇蘇寧、FC東京の3チームに可能性が残っていて、5月4日の最終戦で決まる。20日の試合に勝てば決勝トーナメント進出の確定するFC東京だったが、ホームで全北現代に0-3と完敗。しかし最終週はすでに敗退の決まっているビン・ズオン戦で、アウェイとはいえ勝てばベスト16に進出できる状況だ。▽近年のアジアの勢力図、選手の流れは韓国Kリーグ→Jリーグ→中東→“爆買い”中国Cリーグという図式になっていた。しかし昨シーズンの覇者である広州恒大はシドニーと浦和の後塵を拝し早々と敗退。今シーズンを前に125億円の補強を敢行した江蘇蘇寧もFC東京には1分け1敗と、必ずしも“爆買い”が結果に結びつかないことを露呈した。対照的に今シーズンは健闘しているのが韓国Kリーグ勢と言えるだろう。浦項の敗退こそ決まったものの、最終週の結果次第では3チームが決勝トーナメントに進出する可能性がある。▽対照的にKリーグを連覇中の全北現代は、ボールポゼッションからのパスサッカーで国内リーグでは結果を残してきた。しかし過去Jクラブを相手にしたACLでの対戦成績は6勝6分け14敗と大きく負け越している。似たようなスタイルでは分が悪いということだろう。ところが4月20日のFC東京戦では、予想を覆してポゼッションサッカーではなく自陣に引いて守備を固め、カウンターに徹して勝点3を奪った。選手の流出は日本以上に活発だが、イ・ドングッや長身FWキム・シヌク、FC東京戦ではMOMに選ばれたキム・ボギュンなど元代表が健在なのもKリーグ勢の特徴と言える。
▽JリーグはACLでの躍進をサポートするため、財政的な支援の増加やスタッフの派遣などで各クラブをバックアップしたものの、J1リーグ覇者の広島と天皇杯優勝のG大阪が早々と敗退した。過密日程なら天皇杯準優勝の浦和も同じなだけに、言い訳にはならないだろう。敗因はどこにあったのか、しっかり検証して来季に生かしてもらいたいものだ。
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