【日本サッカー見聞録】リオ五輪は最悪のグループB

2016.04.15 22:30 Fri
Getty Images
▽熊本を襲った震度7の地震には驚いた。犠牲になられた方のご冥福を祈るとともに、復興に向けて自分に何ができるのか考えたい。
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▽さて、リオ五輪の組分けである。最悪の結果となった(かもしれない)。もしもグループBなら取材に行くのを断念しようと思っていたくらいだ。ナイジェリアはアトランタ五輪で対戦した因縁の相手であり、当時は金メダルを獲得。コロンビアもブラジルW杯で痛い目に遭っている。とはいってもU-23代表だけに“名前”で評価する必要はない。スウェーデンは23歳の選手が多数予選に参加したため、リオではガラリと顔ぶれが変わっているはずだ。▽何が最悪かというと、グループBは初戦のナイジェリア戦と第2戦のコロンビア戦をアマゾン地域のマナウスで戦い、第3戦のスウェーデン戦は2600キロ離れた、ブラジルW杯では同業者がひったくりの被害に遭い肘を骨折した治安の悪いサルバドルという点だ。高温多湿のマナウスは、8月の平均気温は32度を超え、湿度も80パーセントを上回る。ホテルの数も少ないため、値段の高騰が予想されるし、ジャングル地帯特有のスコールもあり、いま話題になっているジカ熱だけでなくデング熱に感染するリスクも高い。そして中2日となるスウェーデン戦は4組の中で最も移動距離が長い(飛行機で5時間。日本なら石垣島から札幌に移動する感じか)。
▽グループDだったら初戦と第2戦をリオで戦い、第3戦も首都ブラジリアと近距離(飛行機で2時間)で、平均気温も20度前後と過ごしやすかったので期待していたのだが、悪い予感は的中するものだ。ただ、冒頭に「最悪の結果(かもしれない)」と書いたように、高温多湿の悪条件が日本にとって追い風になる可能性もある。ご存じのように日本は東南アジアでの戦いには慣れている。スタミナとスタッフによるリカバリーの早さがマナウスでの戦いにはアドバンテージとなるかもしれないのだ。

▽ドーハでのアジア最終予選では、血液検査や尿検査に加え、唾液を使った疲労チェックなどでコンディションを調べ、西シェフによる日本料理の提供などで気分転換を図り優勝という結果を残した。決まったものは変えようがないので、ここは前向きにとらえて万全の準備をするしかない。まだ事前キャンプ地の情報は入ってこないが、まさかブラジルW杯で使ったサンパウロ近郊のイトゥになることはないだろう。
▽ブラジルW杯では、スタッフが2日前の移動と、試合当日夜のイトゥ移動をザッケローニ監督に進言したものの、指揮官は前日の移動と、試合後は現地に宿泊して食事を摂ることを選択。結果的にほとんどのチームが2日前の会場入りと当日のキャンプ地戻りだったため、ザッケローニ監督の選択には疑問符が投げかけられた。幸い田嶋新会長になり、技術委員長も西野氏に代わったが、霜田氏は技術委員として残ったため、同じ過ちは繰り返さないだろう。どんな準備でリオ五輪に臨むのか、霜田技術委員の手腕に注目したい。

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