【原ゆみこのマドリッド】一応、抽選会には席ができた…

▽「そりゃあ願ってもない話だわ」そんな風に私が頷いていたのは木曜日。このミッドウィークは試合のないレアル・マドリーのクロースがサンチャゴ・ベルナベウであったマイクロソフトの検索エンジン、Bingのプレゼンで「CL準々決勝の相手にバイエルンというのはいいオプションだね」と言っているのを聞いた時のことでした。というのも、前日にベスト16ユベントス戦の2ndレグをプレーしたドイツの強豪は前半に2点をリードされながら、土壇場でレヴァンドフスキとミュラーがゴールを挙げて試合を延長戦に持ち込むという豪気ぶり。同じ延長戦でも点が取れずに仕方なく突入したアトレティコなどからすれば、それだけでも眩しいんですが…。挙句の果てに、延長後半にはチアゴ・アルカンタラとコマンのゴールで、総合スコア6-4で撃ち勝ったとなれば、一体、誰が次のラウンドで顔を合わせたいと思う?

▽だったら火力では同じく自信のあるお隣さんが引き受けてくれれば、CLマドリーダービーにもならず、問題は解決するんですが、それでもバルサがいますからねえ。こちらも水曜日にはMSN(メッシ、ルイス・スアレス、ネイマールの頭文字)が雨降りのカンプ・ノウで揃い踏みして、アーセナルを3-1と一蹴。総合スコアでも5-1と圧倒しているとなると、やはり避けたい相手なんですが…。こればっかりは金曜日正午(日本時間午後8時)からの抽選次第。うーん、何とかなりそうなのはヴォルフスブルク、ベンフィカ辺りでしょうが、憧れのパリ遠征のあるPSG、アグエロの古巣帰還となるマンチェスター・シティなんてのも相手としては魅力的ですからね。どうやら今年も準々決勝の抽選会は、私もドキドキしながら見守ることになりそうです。

▽おっと先走ってしまいましたが、その火曜日に行われたアトレティコのラウンド16。PSV戦の2ndレグがどんなだったか、まずお伝えしないと。昼間にはいつも外国から応援に来たファンが溜まるPlaza Mayor(プラサ・マジョール、マドリッドの中心部にある広場)でビールを飲んでいたオランダ人たちが地面にコインを投げ、観光客目当てに物乞いしているジプシーの女性たちが奪い合うのを見て楽しむという、何とも悪趣味なことをしていたことが発覚。おかげで後から首相やマドリッド市長らが抗議するという事態に陥っていましたが、試合の方は5万5000人の満員の観客に見守られて何事もなくスタートします。
▽いえ、もちろんビセンテ・カルデロンですから、ビッグゲームではお約束のスタンド全面を覆い尽くすモザイク、「Nunca Dejes de Creer/ヌンカ・デヘス・デ・クレエル(決して信じるのを止めるな)」という大きな垂れ幕、サポーターがアカペラで合唱するhimno(イムノ/クラブ歌)とキックオフ前の鳥肌が立つような感動はあったんですけどね。弱ってしまったのは内容の方。だって、1stレグがスコアレスドローだったため、「0-0 y pasar en la tanda de penaltis? Me parece bien/セロ・ア・セロ・イ・パサール・エン・ラ・タンダ・デ・ペナルティス?メ・パレセ・ビエン(0-0でPK戦? いいと思うね)」というPSVのコクー監督が敷いた5-3-2という守備的布陣にはまってしまい、アトレティコはほとんどシュートを撃てないんですよ。

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